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環境問題(その4)(3メガ融資先 パーム油生産大手で人権侵害 インドネシアで実態判明 ESG方針の試金石に、欧米でいきなり「環境」が重要政策になった事情 なぜ選挙戦を左右するほどになったのか、いつの間にか周回遅れ 日本の環境意識はどこへ?、旅行大手HISも参入 「パーム油発電」の危うさ CO2排出は火力並み FIT制度揺るがす) [世界情勢]

環境問題については、昨年6月5日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その4)(3メガ融資先 パーム油生産大手で人権侵害 インドネシアで実態判明 ESG方針の試金石に、欧米でいきなり「環境」が重要政策になった事情 なぜ選挙戦を左右するほどになったのか、いつの間にか周回遅れ 日本の環境意識はどこへ?、旅行大手HISも参入 「パーム油発電」の危うさ CO2排出は火力並み FIT制度揺るがす)である。

先ずは、昨年12月11日付け東洋経済オンライン「3メガ融資先、パーム油生産大手で人権侵害 インドネシアで実態判明、ESG方針の試金石に」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/253341
・『日本のメガバンク3社から多額の融資を受けているインドネシア食品大手傘下のパーム(アブラヤシ)油生産企業で、数多くの人権侵害が起きている事実が判明。融資継続の是非が問われる事態になっている。 問題が指摘されているのは、インドネシア最大手の食品会社インドフードだ。 マレーシアに本拠を置く国際的なパーム油生産に関する認証団体のRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)の紛争パネルは11月2日に報告書を発表。約2年にわたる検証の結果として、インドフードのグループ企業が所有する北スマトラの農園や搾油工場において、賃金の未払いなど数多くの不正行為が行われていたと指摘した。インドフードのグループ企業であるロンドン・スマトラ・インドネシア社に是正を求めるとともに、RSPOの事務局に認証を停止するように指示した』、「メガバンク」はどうするのだろう。
・『多岐にわたる違法行為  RSPOの通告文書によれば、違法行為の内容は、インドネシアの労働法違反に該当する超過労働や賃金の未払い、退職金の不払い、労働組合への差別的扱い、女性労働者への差別的処遇など多岐にわたっている。RSPOの紛争パネルは「違反行為が蔓延していることに対して、適切な処分を下すべきである」と結論づけている。 こうした中、RSPOによる認証取り消し方針を踏まえて、日本のメガバンク3社の対応に注目が集まっている。国際環境NGOレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)日本代表の川上豊幸氏は「メガバンクのESG(環境・社会・ガバナンス)に基づく投融資ルールが機能するか否かの試金石になる」と指摘する。 RANは2016年10月、インドネシアの労働者権利擁護団体などとともに、インドフードのパーム農園で違法労働が蔓延しているとして、RSPOに苦情処理手続きを申し立てた。今回、違法行為が認定されたことを踏まえ、RANとともに申し立て手続きをしたインドネシアのアブラヤシ農園労働者権利擁護団体OPPUKのヘルウィン・ナスティオン事務局長(アブラヤシ農園労組SERBUNDO会長)は「日本のメガバンクは自社の投融資方針に基づき、きちんとモニタリングをしてほしい。そのうえで、融資を継続するか否か再検討してほしい」と東洋経済の取材に答えている。)インドフードの開示資料によれば、メガバンク3社は9月末現在、インドフードグループに700億円近い融資残高がある。しかもメガバンク3社は5月から6月にかけて、環境や人権問題への配慮を明記した新たな投融資方針を定め、ESGに配慮した事業運営に取り組むことを明らかにしている。それゆえ、事態を静観できなくなっている。 三菱UFJフィナンシャル・グループは5月15日付で「MUFG環境方針」「MUFG人権方針」および「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」を制定。7月1日から適用を開始している。MUFG人権方針によれば、「お客様に対しても、人権を尊重し、侵害しないことを求めていきます」と明記。「提供する商品やサービスが、人権侵害の発生と直接的に結び付いている場合は、適切な対応を取るようにお客様に働きかける」と記している。 三井住友フィナンシャルグループ傘下の三井住友銀行は「事業融資方針の制定およびクレジットポリシーの改定について」と題したニュースリリースを6月18日に公表。石炭火力発電や森林伐採と並び、パーム油農園開発への対応を明記したうえで、「違法伐採や児童労働などの人権侵害が行われている可能性の高い融資を禁止します」と明言している』、ESGとは、環境(Environment)、社会的責任(Social)、企業統治(Governance)を指し、機関投資家などが投資する際の判断基準にもなっている。各行は上述のようにさらに細分化した方針を打ち出しているようだ。
・『3メガは個別取引の回答を留保  一方、6月13日に「責任ある投融資等の管理態勢強化について」と題した方針を発表したのがみずほフィナンシャルグループ。法令やルールに違反する取引先について、「公共性や社会的正義、人道上の観点から取引を行わない」と明記。「パームオイル、木材」分野を挙げたうえで、「それらの人権侵害や環境破壊への加担を避けるため、持続可能なパーム油の国際認証・現地認証や先住民や地域社会とのトラブルの有無等に十分に注意を払い、取引判断を行います」と述べている。 問題はこうした方針がきちんと機能しているかどうかだ。東洋経済は3メガバンクに質問状を送付。今回のRSPOによる違法行為認定に関しての見解や融資方針見直しの有無、インドフードおよびグループ企業への融資に際して、これまでどのような注意を払ってきたのかについて尋ねた。 だが、3社とも「個別取引にかかわる質問については回答を控える」などと回答した。そのうえで、みずほは一般論として、「『特定セクターに対する取り組み方針』に基づいた判断を行うとともに、エクエーター(赤道)原則(大規模プロジェクト向け融資における環境・社会への配慮基準)への取り組み等を通じて、環境・社会影響を考慮してリスク管理を行っている」と説明。三菱UFJは「(MUFG人権方針などについては)ビジネス環境の変化に応じて定期的に見直しを行い、個別セクター追加や既存ポリシーの高度化を図る方向で進めていく。パームオイルについても検討対象になると考えている」と答えている。 三井住友は「パーム油に関しては、今年度に事業別融資方針を制定し、融資採り上げに際して、一定の基準を満たした国際認証の取得状況などを確認し、融資判断を行っている。また、“人権侵害につながるようなリスクを最小化するため”お客様との対話に努めている」などとしている。) メガバンクと並んで注目されるのが、公的年金を管理・運用する「年金積立金管理運用独立行政法人」(GPIF)の動向だ。インドフードの株式は外国株の代表的な株価指数「MSCI ACWI」に組み込まれており、GPIFも同社株式を保有している。 だが、人権侵害を理由に同社株式に関しての投資方針を見直すことは簡単ではないという。GPIFによれば、「個別銘柄への投資判断をすべて外部の運用会社に委託することが法令で定められていること」などを理由に、「特定の企業を投資対象から除外することを指示できない」としている。 そのうえで一般論として、「2017年6月に定めたスチュワードシップ活動原則に基づき、運用会社が重要なESG課題であると考えるテーマについて、投資先企業と積極的にエンゲージメント(建設的な対話)することをGPIFからお願いするとともに、その取り組みを運用会社の評価項目に位置づけている」と回答している』、なるほど。
・『取引中止に動くペプシコ、不二製油  インドフードへのスタンスや働きかけの有無について明らかにしないメガバンクと対照的なのが、インドフードグループからパーム油を調達している欧米や日本の大手食品会社の動向だ。これらの企業は、取引に関する情報開示で先行するとともに、取引見直しの方針も明示している。 世界最大手食品会社のネスレは「9月をもって、商業的な理由によりインドフードとの合弁事業を打ち切ることで合意した」と発表。アメリカのペプシコも、インドフードとの食品合弁会社がインドフードのグループ企業からのパーム油の調達を2017年1月に中止していることを明らかにしている。 ペプシコはホームページ上で、インドフードのグループ企業での労働問題についてNGOがRSPOに苦情申し立てをしていることや、同社と問題の解決に向けて協議を続けてきたこと、RSPOによる認証取り消し方針を踏まえて、インドフードグループに対応を求めていることについても詳しく説明している。 日本企業で注目されるのが、不二製油グループ本社の動きだ。パーム油取り扱いで国内首位の同社は、「責任あるパーム油調達方針」を2016年3月に策定。その中で「先住民、地域住民および労働者(契約労働者、臨時労働者、移民労働者を含む)の搾取ゼロ」を公約。サプライヤーに対しても「児童労働や強制労働または奴隷労働を禁止すること」「すべての適用法令に従って(最低賃金、超過勤務、最大労働時間、福祉手当、休暇に関係する法令を含む)労働者に対して補償を提供すること」などの基準の順守を義務づけるとしている。そのうえで、2020年までに搾油工場までの完全なトレーサビリティの達成を目指す方針を策定し、調達先に法令順守の徹底を促している。 2018年5月には新たに「グリーバンスメカニズム」(苦情処理メカニズム)を策定。消費者やNGOなどからも苦情を受け付けるとともに、苦情処理の進捗状況をホームページ上で公表している。インドフードとグループ企業については、9月30日以降、取引を停止するとの方針が示されている。 その理由について、「NGOや顧客などのステークホルダーから環境や労働問題に関しての懸念が伝えられていたことから、調査やエンゲージメント(建設的な対話活動)を実施したうえで、責任あるパーム油調達方針に基づいて判断した」(山田瑶・CSR・リスクマネジメントグループCSRチームアシスタントマネージャー)という。 このように、金融機関と食品会社とでは、取引先企業への働きかけのレベルにおいて大きく異なる。金融機関もESG方針を定めた以上、問題を起こした企業にどのような対応をしているかの説明が求められるようになっている』、環境金融研究機構の本年6月19日付けニュースによれば、大手米銀のシティ・グループはインドフードグループへの資金提供を停止したようだが、メガバンクはいまだに継続しているようだ。もっともらしい方針には、明らかに反している筈だが、継続するなら説明責任を果たすべきだろう。このままでは、物笑いの種になるだけだ。

次に、みずほ総合研究所 欧米調査部長の安井 明彦氏が6月14日付け東洋経済オンラインに寄稿した「欧米でいきなり「環境」が重要政策になった事情 なぜ選挙戦を左右するほどになったのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/286755
・『保護主義やポピュリズムで騒がしい米欧の政治情勢だが、ともすれば見過ごしがちなのが地球温暖化をはじめとする環境問題への関心の高まりである。 ヨーロッパでは欧州議会選挙で環境系の政党が躍進し、来年に大統領選挙を控えるアメリカでは、民主党の指名候補を決める予備選挙で、環境問題が大きな争点になっている。異常気象の頻発による地球温暖化への関心の高まりはもとより、格差の是正などを含めた左派の主張を結集させる論点として、環境問題の存在感が高まっていることは見逃せない』、ヨーロッパだけでなく、アメリカでも「環境問題の存在感が高まっている」とは頼もしい。
・『バイデン前副大統領の「宣言」  「大統領就任初日には、われわれを正しい方向に導くために、オバマ―バイデン政権時代の提案をはるかに超え、前例のない新たな一連の大統領令に署名する」 この何とも勇ましい宣言は、アメリカの大統領選挙で民主党の予備選挙に出馬しているバイデン前副大統領が、6月4日に発表した環境問題に関する公約の一文だ。 民主党の候補者争いで支持率のトップを走るバイデン氏だが、本格的な公約を発表したのは環境問題が初めてである。自らが副大統領を務めたオバマ政権の取り組みを上回り、「2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」とうたうなど、極めて意欲的な内容が盛り込まれた。 数ある政策のなかで、まずバイデン氏が環境問題での公約発表を選んだのは、民主党の予備選挙において、この問題が熱い注目を集めている証しである。世界の関心は米中貿易摩擦などに集まりがちだが、2020年の大統領選挙に向けた予備選挙の現場では、環境問題が見逃せない争点に育ちつつある。 環境問題の存在感が高まっているのは、アメリカだけではない。ヨーロッパにおいても、5月23~26日に投票が行われた欧州議会議員選挙において、緑の党などの環境系政党が大きく議席を増やした。イギリスのガーディアン紙が「静かな革命がヨーロッパを席巻した」と報じたように、欧州議会では4番目の会派となる議席数を獲得、国別でもフランスでは第3政党、ドイツでは第2政党となるなど、予想外の躍進を果たしている。 アメリカとヨーロッパで同時に進行する環境問題への関心の高まりは、世論調査にも明らかだ。ピュー・リサーチセンターの調査によれば、アメリカで「気候変動(温暖化)は自国にとって深刻な脅威である」と答える割合は、2013年の40%から2018年には60%近くにまで上昇している。ヨーロッパの主要国でも、フランスで同様の回答が50%台から80%台にまで大幅に上昇したのを筆頭に、イギリスで約20%ポイント、ドイツでも約15%ポイントの上昇を記録している(図1)』、確かに「世論調査」でも如実に表れているようだ。
・『興味深いのは、アメリカとヨーロッパ主要国の双方において、環境問題が左右の政治勢力を分かつ争点になっている点だ。ピュー・リサーチセンターの調査によれば、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスのいずれの国においても、気候変動を自国の深刻な脅威と指摘する割合は、右派の支持者ほど低く、左派の支持者では高い傾向がある(図2)。 とくに左右の違いが大きいのは、アメリカである。2018年の世論調査では、民主党支持者の9割近くが、気候変動を自国の深刻な脅威と指摘している。その一方で、同様の回答を行う共和党支持者の割合は、3割程度にとどまっている』、確かにアメリカでは左右の違いが大きいようだ。
・『アメリカではほぼ民主党に限られた「現象」  アメリカにおける地球温暖化問題への関心の高まりは、ほぼ民主党支持者に限られた現象だ。2013年からの世論調査の変化をさかのぼると、気候変動を自国に対する深刻な脅威と回答する共和党支持者の割合は、20%台での微増にとどまっている。一方で、民主党支持者による同様の回答は、60%弱から80%を上回るまでに増加している。あまり共和党支持者の意見が変わらない一方で、民主党支持者の意見だけが大きく変わり、その結果として党派対立が厳しくなる構図は、民主党の支持者が寛容になり、共和党支持者との意見の相違が広がった移民問題と似通っている(『日本人が知らない欧米のきわどい「移民問題」』)。 党派的な立場による意見の分裂からは、既存の政治に不満を抱える有権者のうち、左寄りの主張を持つ人々を惹きつける政策として、環境問題の魅力が高まっている様子がうかがえる。 左派の政策といっても、富裕層増税や大企業批判だけでは、どうしても新味に欠ける。その一方で、各地での異常気象の頻発により、地球温暖化の影響が実感され始めている。政府による対応が求められるなど、「大きな政府」との親和性が高いこともあり、左派勢力にとっては環境問題のもつ吸引力が際立ちやすい環境である。 とくにアメリカでは、グリーン・ニューディールの名の下で、環境問題を中心に据えて、左派的な政策を結集させていく試みが進んでいる。 グリーン・ニューディールは、2018年11月に投開票が行われたアメリカ議会中間選挙で、史上最年少の女性下院議員となったアレクサンドリア・オカシオコルテス氏が公約に掲げ、一躍有名になった構想である。アメリカ有力紙の記事件数をみると、中間選挙直後から件数が急増している。2019年に入ると、かねて民主党支持者に関心の高かったメディケア・フォー・オール(国家主導の国民皆保険制)を上回る月があるほどだ(図3)』、オカシオコルテス氏に対してはトランプ大統領が激しく攻撃しているようだ。
・『グリーン・ニューディール構想の特徴は、大胆な地球温暖化対策であるだけではなく、温暖化対策の強化を突破口にして社会・経済システムの広範な改革を実現しようとする点にある。具体的には、まず温暖化対策の強化により、新たな技術の開発や、関連産業による雇用の増加が目指される。 次に、創出された新たな雇用に関しては、労働者の権利保護や職業訓練の充実など、格差の是正を意識した取り組みが盛り込まれている。さらには、国家を総動員した政策が目指す理想像として、政府が働きたい国民すべてに雇用を保証する仕組み(『米民主党がブチ上げた「雇用保証」とは何か』)や、メディケア・フォー・オールといった大掛かりな改革を、グリーン・ニューディールの延長線上に位置づける向きもある』、民主党がますます左旋回すると、次期大統領選挙には不利だろう。
・『対中政策とも連動している  バイデン氏の公約発表は、民主党の予備選挙における環境問題の吸引力の強さを表している。 左傾化が指摘される民主党において、環境政策以外の分野では、バイデン氏は中道寄りの立場を鮮明に打ち出してきたからだ。大胆に斬新な政策を打ち出すというよりも、「オバマ時代への回帰」を印象づけるのがバイデン氏の戦略であり、サンダース上院議員やウォーレン上院議員など、左寄りの性格が強い候補者と一線を画すセールス・ポイントである。 例えば医療の分野では、バイデン氏はメディケア・フォー・オールへの支持を明確にしておらず、オバマケアの漸進的な発展を主張するにとどまってきた。 ところが、環境問題は勝手が違った。実はバイデン氏にとって環境問題は、「オバマ時代への回帰だけでは物足りない」とする批判の象徴的な存在になりかねなかった。同氏のアドバイザーが、化石エネルギーの選択肢を残すなど、中道寄りの提案を模索しているとの報道が流れ、サンダース氏などから厳しい批判を受けていたからだ。 そうした批判の高まりからほどなく、バイデン氏は今回の公約の発表に踏み切った。医療の分野では左傾化圧力を受け流してきたバイデン氏も、環境問題が争点に浮上するや否や、直ちに「オバマ時代超え」を宣言した格好である。 バイデン氏の公約では、医療保険制度までをも含む社会・経済システムの改革を求めているわけではない。しかし、グリーン・ニューディールの考え方については、「非常に重要な枠組みである」と評価している。また、単なる温暖化対策にとどまらず、新技術・新産業の発展と、それによる雇用の創出を目指している点などでは、ほかの候補者と共通した広がりがある。 興味深いのは、対中政策との関連である。バイデン氏は、中国を名指ししたうえで、温暖化対策への取り組みが不十分な国からの輸入に対し、課徴金や輸入制限を行うよう提案している。また、産業政策や一帯一路構想を通じ、国内外で石炭エネルギーを補助していると批判し、国際的な連携によって対中圧力を強める方針も明らかにしている』、対中政策はトランプと同じく強硬なようだ。
・『これまでバイデン氏は、「中国とは競争にならない」と発言したと伝えられるなど、対中政策の手ぬるさが批判されてきた。今回の公約からは、環境政策を手掛かりに、対中政策で反転攻勢に出ようとするバイデン氏の思惑がうかがえる。 もちろん、民主党の予備選挙で盛り上がったからといって、アメリカの環境政策が大きく変わるとは限らない。環境政策は、党派によって大きく主張が分かれる論点である。たとえ2020年の大統領選挙で民主党の大統領が誕生したとしても、議会で共和党の賛同が得られない限り、グリーン・ニューディールを推進するような法律を成立させることは難しい』、環境政策には議会の壁が高そうなのは残念だ。
・『トランプ氏は「社会主義」と批判  また、それ以前の問題として、大統領選挙の段階において環境政策を軸とした論法が、民主党の命取りとなる可能性がある。その実現に巨額な財源が必要であるだけでなく、左派的な政策を結集させる論点になっている以上、「大きな政府」に対する反感を呼び起こしやすいのは間違いない。実際にトランプ大統領は、グリーン・ニューディールを「社会主義」と批判している。 しかし、共和党も油断は禁物である。安全保障や健全財政など、伝統的に共和党が重視してきた政策分野と、環境問題の結びつきが強まっているからだ。地球温暖化問題は、基地の立地や航路の変更を強いられる点などから、安全保障上のリスクとして位置づけられていると同時に、災害対策費用の増加につながる点で、財政上のリスクとしても意識され始めている。 それだけではない。アメリカとヨーロッパに共通した特徴として、環境問題への関心の高まりは、若い世代に牽引されている。アメリカでは、全体としては環境問題への関心が低い共和党支持者ですら、1980年代以降に生まれたミレニアル世代は、支持者の主力であるベビー・ブーマー世代(1946~1964年生まれ)よりも、「現在の温暖化対策は不十分」と考える割合が高い。 環境問題への関心の高まりは、左派にとっては、既存の政治に対する批判を取り込み、若い世代を惹きつける格好の機会になりえる一方で、右派にとっては、世代交代に取り残されないために、足掛かりを模索しなければならない試練となる。 かねてアメリカでは、共和党の支持者に占める高齢者の比率が着実に高まっている。次世代の関心事項を取り込めるかどうかは、目先の選挙への影響を超えた意味合いを持つ。共和党としても、「大きな政府」に頼らない切り口で、右派なりの環境政策を語る知恵が求められている』、「右派なりの環境政策を語る知恵」、とはいっても実際には難しそうだ。

第三に、作家の冷泉彰氏が7月7日付けメールマガジンJMMに投稿した「[JMM1061Sa]「いつの間にか周回遅れ、日本の環境意識はどこへ?」from911/USA」を紹介しよう。
・『大阪G20が無事に終了しましたが、日本での関心としては米中の通商交渉、そしてG20直後に起きた米朝の首脳会談の方に集中したという印象です。その結果として、G20自体への関心の薄さが際立っています。G20そのものに関しても、空前の警備体制ばかりが話題になる中で、何が話し合われ、何が決まったのかという「内容」については、余り報道されていないようです。 今回のG20で出された「首脳宣言」についていえば、まず全体のテーマである「SDGs(持続可能な開発)」という概念すら改めて報じられることがなく、その結果として、個々の実行計画についての報道も極めて少なかったようです。若者と女性の雇用におけるエンパワーメントであるとか、グローバル金融と情報セキュリティ問題など喫緊の課題が多かったのに、折角のG20を社会としての取り組みの契機にできないというのは、残念としか言いようがありません』、日本政府の広報担当者がこれらの点をきちんとPRしなかったためだろう。
・『中でも問題なのが、環境問題です。今回のG20において環境問題というのは、大きな目玉でした。首脳宣言においても、34.「地球環境問題と課題」「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)及び「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム」(IPBES)の重要な作業に留意しつつ,また,近年の異常気候や災害に照らして,我々は,気候変動,資源効率,大気汚染,土地汚染,淡水汚染,海洋プラスチックごみを含む海洋汚染,生物多様性の損失,持続可能な消費と生産,都市環境の質その他の環境問題を含む複雑で差し迫ったグローバルな課題に対処し,また,持続可能な成長を促進しながら,最良の入手可能な科学を用いて,エネルギー転換を促進し主導する緊急の必要性を認識する。 産業界が公的部門と相乗効果を持って重要な役割を果たす形で,環境と成長の好循環が技術革新を通じて行われるパラダイム・シフトが必要とされている。この目的のため,我々は,好循環を加速化させ,強じんで,包摂的で,持続可能な将来への転換を主導する重要性を強調する。我々は,具体的で実際的な行動をとり,世界中から国際的な最良の慣行と知識を集め,公的及び民間の資金,技術及び投資を動員し,ビジネス環境を改善する重要性を強調する。という具体的な提言がされています。 こうしたメッセージが、日本国内で十分に報じられているとは思えません。中でも特に気になるのは「気候変動」の問題です。この間も、鹿児島県では記録的な豪雨に見舞われました。この季節は、多くの死者を出した2018年の西日本豪雨の被災がちょうど1年前、2017年の北九州豪雨の被災が2年前で、それぞれに復興が十分ではない一方で、災害の記憶は生々しいものがあります。 また、台風の被害も深刻化しており、2018年9月の台風21号では大阪を中心に西日本では大きな被害が出ました。また台風被害ということでは、2016年8月末に起きた台風10号では、東北の太平洋岸から北海道の十勝地方など、以前には台風被害の余り報告されていない地域で甚大な被害が出ています。 一連の異常な気象災害に関しては、勿論大きな話題にはなっています。ですが、全く原因の異なる地震と結びつけて「日本列島は自然災害の厳しい地域なので、一層の防災・減災対策により国土を強靭化する」といった議論は出たり入ったりしますが、異常な気象現象の主因が地球規模での温暖化であり、その原因は二酸化炭素の排出増だという議論は余り見られません。 一方で、プラスチックごみの問題は、細粒化したプラスチックが深刻な海洋汚染を生じているわけです。この問題については、今回のG20で大きく取り上げられたことを契機に、日本でもようやく認知が進みましたが、やはり認識は十分ではありません。 1997年12月にCOP3が京都で行われ、いわゆる京都議定書が採択された際には、大きな話題になりましたが、それから22年を経過した現在、日本における環境論議は冷却してしまっています。 その後、2015年12月のパリCOP21では「パリ協定」が締結され、日本は2030年までに、2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減するという目標設定で合意しています。実は、その達成は簡単ではなく、炭酸ガスの取引などを使って相当な努力をしないといけないのですが、その議論も十分ではありません。 例えば、現在行われている参院選においても、環境論議は停滞しています。驚いたのは、左派新党の「れいわ新選組」の環境政策です。「原発即時禁止・被曝させない」というスローガンに続いた具体的な政策の中では「エネルギーの主力は火力」と大きくうたっています。そこには、パリ協定の削減目標への言及はなく、温暖化や気候変動への問題意識も全くないのです。 立憲民主党の場合は、さすがに民主党時代にCOPなどへ参画した流れから、「パリ協定の1.5℃目標に向け、2050年CO2排出ゼロをめざし、気候変動対策を進めます。」という文言は政策として掲げられています。そうなのですが、「エネルギー・環境ビジョン」の冒頭には、この問題ではなく「原発再稼働を認めず、原発ゼロ基本法案の早期成立を目指します。」というスローガンが掲げられています。 政権与党の自民党の場合はさすがに総花的で「徹底した省エネ、再エネの最大限の導入、火力発電の高効率化、原発依存度の可能な限りの低減などの方針を堅持しつつ、安定供給と低コスト化を両立するための技術革新を図ることで2030年エネルギーミックスの確実な実現を目指します。また、2050年に向けたエネルギー転換・脱炭素化を目指し、あらゆる選択肢を追求します。」という記述が見られますが、公約中の大きなボリュームを占める防災・減災に関する部分では、気候変動への言及はありません』、確かに与野党とも「エネルギー転換・脱炭素化」や「気候変動」には腰が引けている。
・『つまり、折角高いお金をかけて誘致して、猛烈な警備体制でトラブルなくG20を実施することができたのに、SDGsや環境に関するメッセージは、少なくとも日本の政界や有権者には届いていないわけです。 また、日本は自然を大切にする文化を基盤にしながら、高度成長期の公害問題を、環境技術と省エネ技術で克服した、いわば環境問題の優等生であったはずです。にも関わらず、一体どうして、このような状況に立ち至っているのでしょうか? 1つには、2011年に発生した福島第一原発事故の影響が余りにも大きかったということがあります。冷静に考えてみれば、この原発事故で直接高線量に被曝することで健康被害を受けた人というのは、極めて限定的です。ですが、社会に与えた不安感や、原子核物理の原理を知っている人と知らない人のデバイド、そして賛否両論の激しい応酬や、結果的に深刻化している風評被害などは、現在でもその多くが克服されていません。 その結果として、いつまでもこの問題が政治的関心の吸引力を持つこととなり、「即時原発廃止」であるとか「再稼働禁止」といった極端な議論が多くの支持を集めてしまっています。その延長で、左派政党の主張として「エネルギーの主力は火力」というスローガンが掲げられるという驚くべき事態となっているわけです。 2点目としては、人口縮小、経済の縮小という問題があります。パリ協定の目標値との関連でいえば、日本の場合は「排出ガスの総量」では何とか目標のカーブに沿った削減ができています。ですが、人口一人当たりの排出ガスということでは、まだまだ世界の中ではトップクラスの高水準となっています。ですから、非常に単純化していえば、人口減少と経済の縮小によって国全体としては、削減ができているという構造となっています。 ということは、SDGs(持続可能な開発)という思想から見れば、一人一人のライフスタイルは環境負荷という面では決して持続可能ではない一方で、雇用や報酬ということで言えば、女性や若者へのエンパワーメントという点で、問題を抱えているということにもなります。 つまり、環境と産業構造、再分配といった社会の構造的な問題把握や、改善への方向性といった論議が非常に欠けているわけです。別の角度から言うのであれば、環境問題が「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉の「礼節」の部分であるのならば、その「衣食」が足りなくなってくることで、関心が薄れている、そのような危険性も感じます。 3つ目は、自然災害、特に気候変動の問題です。欧米では、ここ数年の異常気象が温暖化の問題と関係付けられて、深刻な議論が進められています。例えば、アメリカでの環境論議を牽引している格好の、アレクサンドリア・オカシオコルテス議員が、「グリーン・ニュー・ディール」を主唱し始めた一つの契機は、彼女の両親の故郷であるプエルト・リコにおける2017年9月の「ハリケーン・マリア」被災であると言われています。 欧州でも毎年のように、異常な降雨や高温といった現象が起きていますし、北米の場合、2018年から19年にかけて西部では異常な降雪と雪解け水による洪水、更には豪雨被害など以前には考えられなかったような被害が出ています。欧州における、こうした異常気象は、温暖化、そして排出ガス問題と結びつけての議論がされています。 一方で、日本の場合も前述のように異常な気候変動が毎年大きな被害をもたらしているわけですが、この問題を温暖化理論と結びつけ、世界的な二酸化炭素削減問題として議論するという流れは、余り出てきていません。少なくとも、今回の参院選における与野党の議論ではほとんどゼロとなっています。 私が恐れているのは、その日本の感覚がアメリカの保守主義における自然観に似通ってきているという点です。 アメリカの保守主義の立場は、温暖化理論を認めません。何故ならば、雷雨、竜巻、雹(ひょう)、暴風雪といった大平原特有の激しい気象災害は、「神の下した試練」であり、これに対して人間は「同じく神の恵み」である石油や石炭などの資源を使って自分たちの開拓した農園や鉱工業を守っていくのは当然という考え方があるからです。 つまり神に選ばれた存在である人間は、人為の限りを尽くして神の試練である自然と戦って良いのであって、その人為が気候変動の原因だなどという神に対して僭越な認識は信じないのです。 日本の場合は、手つかずの自然というのが尊敬と崇拝の対象となるわけです。そうなると、いかに台風の被害や豪雨被害が前代未聞であっても、それはあくまで「母なる自然」の下した人間への試練であるわけで、その試練に対しては生存を守るために人為で戦うのが正当であり、「母なる自然」そのものを排出ガス削減で変更できるという感覚は薄いのかもしれません。 そうなると、手つかずの自然を崇拝する日本の文化が、人為への自制という発想のないアメリカの化石燃料に依存した保守カルチャーと、まるで似たような発想法になってきているとも言えます。 つまり、これだけ豪雨や台風での被害が激化していても、その対策として「排出ガス削減」への問題意識が生まれないというのは、「原発への直感的な忌避が優先する」とか「人口と経済の縮小により環境という礼節への関心が薄れた」という問題とは、全く別の問題として「自然の怒りを謙虚に受け止める」的なカルチャーが「悪さ」をしているのではないか、そのようにも思われるのです』、「手つかずの自然を崇拝する日本の文化が、人為への自制という発想のないアメリカの化石燃料に依存した保守カルチャーと、まるで似たような発想法になってきているとも言えます」、というのにはやや無理もあるが、面白い指摘だ。
・『そんな中、かつて97年のCOP3京都会議の頃には、「途上国へも過去の先進国同様の排出権を」と主張して、全体目標に対して激しく反発していた中国が、現在では、自家用車の全面EV(電気自動車)化へのメドをつけ、原発を含むエネルギー多様化への道のりにも目算をつける中で、排出ガス問題での優等生を狙っているという状況となりました。 また、前述のようにアメリカでは、AOCことオカシオコルテス議員の主唱する「グリーン・ニュー・ディール」政策が民主党の大統領候補たちが政策パッケージとして採用し始めています。先週行われた第一回の民主党TV討論で、バイデン候補を追い詰めて人気が急上昇中のカマラ・ハリス候補(上院議員、カリフォルニア州選出)もその一人です。 このような状況が続きますと、やがて日本の環境政策は国際社会から孤立してゆく危険性を感じます。少なくとも、参院選における各党の主張を見る限り、そうした不安感は払拭できません。 そんな中で、環境省では事務次官に官房長であった鎌形浩史氏が就任したという報道に接しました。私事にわたりますが、鎌形氏とは遥か昔にお互いに塀を隔てた隣の高校に在籍する中で、ある時期大変に親しい交友を結んだ記憶があります。鎌形氏の恩師であった木戸一夫という先生の門下で共に学んだこともありますし、何よりも鎌形氏の鋭利でありながら温かみのある独特の知性には刺激を受けたのを覚えています。 鎌形氏とは、その後は親交が途切れ、環境官僚になっていることも知りませんでした。ですが、今回次官就任の報に接して、難局の中ではありますが個人的なエールを送りたいと思います』、「やがて日本の環境政策は国際社会から孤立してゆく危険性を感じます」、その通りなのかも知れない。冷泉氏のかつての親友の鎌形浩史氏が環境省事務次官に就任したようなので、鎌形氏の活躍にせいぜい期待したい。

第四に、8月21日付け東洋経済オンライン「旅行大手HISも参入、「パーム油発電」の危うさ CO2排出は火力並み、FIT制度揺るがす」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/298320
・『熱帯雨林などのエコツアーに熱心で、「地球環境の保全」を標榜している大手旅行会社エイチ・アイ・エス(以下、HIS)が、環境保護団体からの厳しい批判にさらされている。 FoE JAPANなど国内外の環境保護団体は7月30日、HISが子会社を通じて宮城県角田(かくだ)市で計画を進めているパーム油を燃料としたバイオマス発電事業からの撤退を求める署名約14万8000筆を同社宛てに送付した。 同日の記者会見でFoE JAPANの満田夏花事務局長は、「パーム油発電は熱帯雨林を破壊し、地球の気候や生物多様性に悪影響を与える。HISは事業をやめるべきだ」と訴えた』、「「地球環境の保全」を標榜」しながら、問題が多い「バイオマス発電事業」を進めるとは、HISはどうなっているのだろう。
・『調達先が確定していない?  西アフリカ原産のアブラヤシの実から精製したパーム油は、単位面積当たりの収量が菜種油や大豆油などと比べて多いことなどから現在、植物油脂の中で最も多く生産されている。マーガリンやスナック菓子などの食用のみならず、化粧品などの原料としても幅広く用いられている。インドネシアやマレーシアを中心として全世界での年間の生産規模は7000万トンに達し、そのうち約75万トンが日本に輸入されている。 HISはそのパーム油を、発電用燃料として用いようとしている。再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に基づき、発電した電力を高値で売れることに目をつけた。 現在、角田市内では、HIS子会社による発電所建設工事が2020年3月の完成に向けて急ピッチで進められている。7月初めに現地を訪れると、大型トラックなどの工事車両がひっきりなしに出入りしていた。だが、表向きの工事の順調さとは裏腹に、不透明感が強まっている。 6月の角田市議会での日下七郎市議の質問に対して、大友喜助・角田市長から注目すべき発言があった。「(HISに確認したところ)認証パーム油の調達先などについては確定しておらず、現在調整中だ」(大友市長)。 HISが取材に応じないため詳細は明らかでないが、パーム油調達の見通しが立たないまま、建設工事が先行している可能性が高い。 HISの子会社は3月に国際的なパーム油の認証団体「RSPO」(持続可能なパーム油のための円卓会議)の正会員になり、RSPOの認証を受けたパーム油調達を進めようとしている。経済産業省が設備稼働の条件として、RSPO認証の取得などを通じた、環境破壊を伴わない「持続可能性」の確認を義務付けているためだ。 HISの子会社が計画している発電所の出力は4万1000キロワット。そこから計算すると、燃料として調達が必要なパーム油の量は年間約7万~8万トン程度と見られる。HISはそれに見合うRSPO認証油を確保しなければ発電所を稼働させることはできない。しかし、そのハードルはきわめて高いと見られている。 RSPOなどの第三者認証を取得したパーム油の大半は現在、欧米に輸出されており、日本に入ってきている量は少量と見られる。それもほとんどが燃料以外の利用だ。パーム油発電を行うにあたって経産省は、非認証油と混ざらない形で厳しく分別管理された認証油の使用を発電事業者に求めている。 このハードルをクリアし、発電所を動かすことはできなければ、HISの場合、約90億円とも見られている設備投資が無駄になるおそれがある。計画に反対する立場から2月にHISの澤田秀雄社長と面談した東北大学の長谷川公一教授(環境社会学)は、「澤田氏自身、パーム油発電の実情についてあまりご存じでなかった。確たる展望があって事業を進めているのか、疑問を感じた」と語る』、澤田氏は誰かの上手い売り込みにじっくり検討することなく、すぐ乗ってしまったのかも知れないが、お粗末極まる。
・『火力発電所3基分に匹敵する認定  HISに限らず、パーム油発電に目を付けた発電事業者は少なくない。経済産業省によれば、2018年12月末時点でのパーム油発電所のFIT認定容量は、約180万キロワット。大手電力会社が運営する大型の火力発電所3基分に相当する規模だ。 それらすべての計画が実現した場合、経産省の試算では、パーム油の年間使用量は最大で360万トンに達する。現時点で稼働済みの発電所での使用量である約18万トンの20倍に相当する規模だ。食用や化粧品などの主たる用途での使用量(約60万トン)をもはるかに上回る。 もしも、180万キロワットもの発電所建設計画が現実になった場合、いったい何が起こるのか。国際価格の高騰をもたらし、食品産業の原料調達に支障を来す可能性があると経産省自身が危惧している。パーム油生産のために新たに熱帯雨林が切り開かれ、環境破壊が一段と深刻になるおそれもある。 パーム油発電のFIT認定量の急増に直面した経産省は、実際の建設を抑制すべく、ガイドラインを策定して買い取り対象となる電力に使用されるパーム油を「RSPO認証またはそれと同等」に限定した。これにより、事業開始に一定の歯止めがかかっていることは確かだ。 もっとも、「使用するパーム油がRSPO認証を取得していれば、森林破壊につながらないのかと言えば、そうとも言えない」(地球・人間環境フォーラムの飯沼佐代子氏)。RSPO自体、監査の実効性確保など課題が指摘されているうえ、パーム油の需要が増えれば、さらなるアブラヤシ農園の開発が加速する可能性が高いためだ』、「パーム油の年間使用量は最大で360万トンに達する。現時点で稼働済みの発電所での使用量である約18万トンの20倍に相当する規模だ。食用や化粧品などの主たる用途での使用量(約60万トン)をもはるかに上回る」、いくら「買い取り対象となる電力に使用されるパーム油を「RSPO認証またはそれと同等」に限定」したところで、到底実現不可能な膨大な数字だ。経産省はもっと本格的に抑えるべきだろう。
・『また、パーム油生産が一大産業になっているマレーシアやインドネシアの政府は、自らの主導で構築した認証制度をRSPOと同等と見なすように日本政府に強く働きかけている。環境負荷が大きいことから、EU(欧州連合)がパーム油の燃料利用を抑制すべく規制強化を進めている中で、インドネシアやマレーシア政府は代わりとなる新たな市場として日本に大きな期待を寄せている。 パーム油発電の業界団体も「(両政府肝いりの認証制度が)RSPO認証と同等と認められることにより、安定的に事業を運営していけることを期待している」(池田力・バイオマス発電協会常務理事)という。 だが、そうした国家主導の認証制度については、認証取得のハードルが低いうえに、メタンなど温室効果ガスの大量排出につながる泥炭地の開発を禁止していないことなど、「抜け穴の多さ」も指摘されている。仮に認証の基準が緩められると、乱開発した農園からの生産物であっても基準に適合することになり、大量に輸入される道が開かれる。現在、様子を見ているFIT認定を受けたパーム油発電所の建設が一斉に始まる可能性も高い』、「マレーシアやインドネシアの政府は、自らの主導で構築した認証制度をRSPOと同等と見なすように日本政府に強く働きかけている」、こんあのは認めるべきではない。
・『温室効果ガスの排出は火力発電所並み  パーム油などのバイオマス燃料は一般に「カーボンニュートラル(炭素中立)」と称されている。植物は大気中の二酸化炭素を吸収・固定するため、仮に発電などに使用しても「入り」と「出」が同じで、温室効果ガスの増大を伴わないという理屈だ。しかし、実際はそうとも言い切れない。 経産省が設置したバイオマス燃料の持続可能性の確認を検討するための専門家会合に提出された資料によれば、パーム油発電(アブラヤシの栽培から、加工、輸送、燃焼に至るライフサイクルベース)で発生する二酸化炭素などの温室効果ガスの量は、LNG(液化天然ガス)コンバインドサイクル火力発電並みと試算されている。 パーム油の製造過程や運搬に重油などの化石燃料が多く使われるためだ。また、製造工程で発生するメタンガスの処理が不適切な場合、温室効果ガスの排出量は通常のLNG火力のそれを上回る。そればかりでなく、アブラヤシの栽培時に泥炭地の開発を伴う場合には、土地利用の変化がない場合と比べて、温室効果ガスの排出量は139倍にもなると試算されている。 「温室効果ガス排出量の多さ1つを取っても、パーム油発電には重大な問題がある」と、バイオマス利用に詳しい泊みゆき・バイオマス産業社会ネットワーク理事長は指摘する。 そもそもFIT制度は、再エネの利用を通じて温室効果ガスを削減することを目的としている。FIT制度は、電気料金に上乗せして徴収される、私たち電力ユーザーの多額の負担金によって支えられている。 「パーム油を含めたバイオマスの利用については、化石燃料を燃やして発電した場合よりも環境負荷が少ないと言えるのか、定量的なチェックが必要だ」。相川高信・自然エネルギー財団上級研究員はこう指摘する。 8月22日、経産省は有識者による会合を開催し、パーム油利用などバイオマス発電の持続可能性を担保するためのルール案を提示する。議論は大詰めを迎えている』、「アブラヤシの栽培時に泥炭地の開発を伴う場合には、土地利用の変化がない場合と比べて、温室効果ガスの排出量は139倍にもなると試算」、こんなのをFIT制度に乗せようとするのは、制度本来の趣旨を逸脱した「悪乗り」だ。「持続可能性を担保するためのルール案」を厳格にすべきなのは、言うまでもない。
タグ:環境問題 東洋経済オンライン グリーン・ニューディール 安井 明彦 JMM 「れいわ新選組」 (その4)(3メガ融資先 パーム油生産大手で人権侵害 インドネシアで実態判明 ESG方針の試金石に、欧米でいきなり「環境」が重要政策になった事情 なぜ選挙戦を左右するほどになったのか、いつの間にか周回遅れ 日本の環境意識はどこへ?、旅行大手HISも参入 「パーム油発電」の危うさ CO2排出は火力並み FIT制度揺るがす) 「3メガ融資先、パーム油生産大手で人権侵害 インドネシアで実態判明、ESG方針の試金石に」 インドネシア最大手の食品会社インドフード 国際的なパーム油生産に関する認証団体のRSPO 紛争パネルは11月2日に報告書を発表。約2年にわたる検証の結果として、インドフードのグループ企業が所有する北スマトラの農園や搾油工場において、賃金の未払いなど数多くの不正行為が行われていたと指摘した。インドフードのグループ企業であるロンドン・スマトラ・インドネシア社に是正を求めるとともに、RSPOの事務局に認証を停止するように指示した 多岐にわたる違法行為 3メガは個別取引の回答を留保 取引中止に動くペプシコ、不二製油 シティ・グループはインドフードグループへの資金提供を停止 「欧米でいきなり「環境」が重要政策になった事情 なぜ選挙戦を左右するほどになったのか」 バイデン前副大統領の「宣言」 アメリカとヨーロッパ主要国の双方において、環境問題が左右の政治勢力を分かつ争点になっている アメリカではほぼ民主党に限られた「現象」 オカシオコルテス 対中政策とも連動している トランプ氏は「社会主義」と批判 冷泉彰 「[JMM1061Sa]「いつの間にか周回遅れ、日本の環境意識はどこへ?」from911/USA」 今回のG20において環境問題というのは、大きな目玉 異常な気象現象の主因が地球規模での温暖化であり、その原因は二酸化炭素の排出増だという議論は余り見られません 「パリ協定」 2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減するという目標設定で合意しています。実は、その達成は簡単ではなく、炭酸ガスの取引などを使って相当な努力をしないといけないのですが、その議論も十分ではありません 「エネルギーの主力は火力」 アメリカの保守主義 アメリカの保守主義の立場は、温暖化理論を認めません 大平原特有の激しい気象災害は、「神の下した試練」であり、これに対して人間は「同じく神の恵み」である石油や石炭などの資源を使って自分たちの開拓した農園や鉱工業を守っていくのは当然という考え方がある 日本の場合は、手つかずの自然というのが尊敬と崇拝の対象となるわけです。そうなると、いかに台風の被害や豪雨被害が前代未聞であっても、それはあくまで「母なる自然」の下した人間への試練であるわけで、その試練に対しては生存を守るために人為で戦うのが正当であり、「母なる自然」そのものを排出ガス削減で変更できるという感覚は薄いのかもしれません 「旅行大手HISも参入、「パーム油発電」の危うさ CO2排出は火力並み、FIT制度揺るがす」 HISが子会社を通じて宮城県角田(かくだ)市で計画を進めているパーム油を燃料としたバイオマス発電事業からの撤退を求める署名約14万8000筆を同社宛てに送付し パーム油調達の見通しが立たないまま、建設工事が先行している可能性が高い 燃料として調達が必要なパーム油の量は年間約7万~8万トン程度と見られる。HISはそれに見合うRSPO認証油を確保しなければ発電所を稼働させることはできない。しかし、そのハードルはきわめて高いと見られている 澤田秀雄社長と面談した東北大学の長谷川公一教授(環境社会学)は、「澤田氏自身、パーム油発電の実情についてあまりご存じでなかった。確たる展望があって事業を進めているのか、疑問を感じた」と語る 火力発電所3基分に匹敵する認定 2018年12月末時点でのパーム油発電所のFIT認定容量は、約180万キロワット。大手電力会社が運営する大型の火力発電所3基分に相当する規模 パーム油の年間使用量は最大で360万トンに達する。現時点で稼働済みの発電所での使用量である約18万トンの20倍に相当する規模だ。食用や化粧品などの主たる用途での使用量(約60万トン)をもはるかに上回る マレーシアやインドネシアの政府は、自らの主導で構築した認証制度をRSPOと同等と見なすように日本政府に強く働きかけている 温室効果ガスの排出は火力発電所並み
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