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医療問題(その21)(相次ぐ高額医薬品 国民皆保険制度は維持できるか、がん検診にデメリットはあるのか? 第49回 がん外科医の本音⑤、健保連が「医療費抑制」に向けた政策提言 花粉症、風邪ですぐ病院へ) [生活]

医療問題については、8月4日に取上げた。今日は、(その21)(相次ぐ高額医薬品 国民皆保険制度は維持できるか、がん検診にデメリットはあるのか? 第49回 がん外科医の本音⑤、健保連が「医療費抑制」に向けた政策提言 花粉症、風邪ですぐ病院へ)である。

先ずは、8月8日付け日経ビジネスオンライン「相次ぐ高額医薬品、国民皆保険制度は維持できるか」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00067/080600007/?P=1
・『発売当初は年間で約3500万円の費用がかかったオプジーボや、2019年5月に承認された1回投与で3349万円のキムリアなど、高額な医薬品の登場が相次いでいる。気になるのは医療保険財政への影響だ。日本が世界に誇る国民皆保険制度は、このまま維持できるのか。 このまま高額医薬品が増え続ければ、医療保険財政は破綻するのではないか――。オプジーボの登場以降、こうした議論が盛んに繰り広げられるようになった。財務省秘書課長の吉野維一郎氏(取材時の肩書は主計局主計官、厚生労働係第一担当)も「こうした高額医薬品が次々と出てくるようになれば、それなりに医療保険財政への影響はある」とみる。 医療保険財政が圧迫されれば、すべての国民が何らかの公的医療保険に加入し、お互いの医療費を支え合う「国民皆保険制度」も揺らぎかねない。では、どう財政への影響を最小限にするか。現状は医薬品の公定価格(薬価)を下げる「薬価下げ」に頼っているが、これ以外にも財政負担を軽減するための手立てが検討されている。 代表的な例が、医療費の自己負担割合の見直しだ。現状では、病院や薬局で処方される医療用医薬品は原則3割負担で、75歳以上は1割負担となっている。 この負担率を、病気の重さによって変動させようという案がある。例えばドラッグストアなどでも購入できる一般用医薬品(OTC)があるなら、患者の負担額を引き上げるべきだという考え方だ。 湿布薬や鼻炎薬などのOTCには、医療用医薬品と同じ成分のものも多い。ところが、現状ではドラッグストアなどで市販薬を買うよりも、医師に処方してもらった方が患者が負担する金額は数分の1程度まで抑えられる。金銭的なメリットから気軽に病院に通う患者が少なくないが、負担率を上げれば、一定の歯止めをかけることができる。外来の診察料に定額負担を求めることで、割安な薬を求めて病院に足を運ぶ患者を減らす考え方もある。 財務省の吉野氏は「一般用医薬品がある薬は、保険でカバーするかどうかまで踏み込んでもよいのではないか。単価は小さいものの、合計すれば全体の薬剤費は決して小さくない」と話す。法政大学で財政学を専門とする小黒一正教授も、「市場規模が大きく、患者が負担する費用が小さいものから自己負担率を上げるといった見直しをすべきだ」と指摘する』、「ドラッグストアなどで市販薬を買うよりも、医師に処方してもらった方が患者が負担する金額は数分の1程度まで抑えられる。金銭的なメリットから気軽に病院に通う患者が少なくないが、負担率を上げれば、一定の歯止めをかけることができる」、こうした負担率引き上げは必須だろう。
・『一方で、強い口調でこれに反対するのが日本医師会だ。日本医師会は自由民主党の大票田としても知られ、政治的な影響力を持つ。日本医師会常任理事の松本吉郎氏は「“軽い病気の薬は保険から外すべき”という意見もあるが、日本医師会としては絶対に反対」と対抗姿勢を見せる。 同氏の説明によれば、初めは症状が軽くとも徐々に病気は重くなっていくのだから、軽症なときに医療保険でしっかりカバーして重症化を防ぐべきだという。また、そもそも実際に医師の診察を受けるまで本当に軽症かどうかは分からないとも説明し、医師による診察の重要性を訴える。 確かに、命に関わる病気であっても、軽い症状を示す病気はある。例えばがんの自覚症状は少なく、発熱や倦怠(けんたい)感、せきなど一見すると風邪と勘違いしかねない。患者の負担額を引き上げれば、通院を控える人が出て発見が遅れるということだ。 自己負担の在り方を巡っては、高額医薬品について、一定額を超える部分を自己負担にすべきだ、という案もある。所得水準によって、薬を手にできない患者も生まれかねないが、この場合は、民間の保険でカバーするという考え方だ。 製薬企業が取り組むべき課題もある。例えば、薬の値段の決め方。日本では製薬企業が開示する原価データを基に国が公定価格として決めるが、そもそもその原価計算が不透明との指摘がある。単にコスト面だけでなく、薬の価値を認めて欲しい、という意見も製薬業界にはあるが、少なくとも透明性を高める取り組みは欠かせないだろう。 医薬品の費用対効果を評価して、薬価に反映させる考え方もある。すでに2019年4月から同じ病気に使う新薬と既存薬の費用対効果を調べて、効果の割に新薬の価格が高いと判断されれば、薬価を下げる仕組みが導入されたが、これを古くからある薬にも適用すべきだ、という声も出ている。 40兆円を突破し、今後も高齢化を背景に増加するとみられている国民医療費。保険財政の破綻を危惧する声が大きくなる中で、国民一人ひとりがどう負担を分かち合うか。国民を巻き込んだ幅広い議論が欠かせないことだけは確かだ』、「同じ病気に使う新薬と既存薬の費用対効果を調べて、効果の割に新薬の価格が高いと判断されれば、薬価を下げる仕組みが導入されたが、これを古くからある薬にも適用すべきだ、という声も出ている」、当然のことだ。過度な抑制には問題があるとしても、まだまだ、抑制の余地は大きそうだ。

次に、外科医の中山 祐次郎氏が8月22日付け日経ビジネスオンラインに寄稿した「がん検診にデメリットはあるのか? 第49回 がん外科医の本音⑤」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00135/00010/?P=1
・『こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。 私の住む福島では、猛暑は足早に過ぎ去り、もう涼しくなってきました。考えてみればセミの声もそれほどうるさいと感じることはありませんでしたね。みちのくの夏はやっぱり少し短いのかな、と感じます。昨年は灼熱(しゃくねつ)の京都で過ごしたので、その落差で勘違いしているのかもしれませんが。 さて、今回も前回までに引き続き2019年6月に出した著書「がん外科医の本音」から、日経ビジネス電子版読者の皆様の関心が特に高そうな「がん検診」の項から引用してお届けします。 ここを書くにあたり、私は非常に多くの論文と医療ガイドラインを読み情報をあらためて精査し、市販のがん検診について書かれた本10冊以上に目を通すことで今世に流布している意見を把握しました。さらには、京都大学大学院医学研究科の健康情報学の教授に意見を仰ぎ、ディスカッションをした上で監修をしていただき、医学的な信頼性を担保しました。そこに、がんを専門とするいち医師である私の意見を付記しています。 非常に苦心して書きましたが、これほど情報を俯瞰(ふかん)し、さらに複数の専門家の見解をもとにまとめたものは他にないと自負しています。 それではどうぞ』、確かに「医学的な信頼性を担保」したのはさすがだ。
・『検診はすればするほどよいわけではない  誤解のある人が多いのですが、がん検診にはメリットとデメリットのどちらもあります。「検査をすればするほど、病気がちゃんと見つかっていいのではないか」「若い人全員にもしたほうがいいのではないか」と考えている方もいらっしゃるでしょう。実は、どちらも答えはNOです。 今回、皆さんにお伝えしたい最も大切なこと。それは、検診を受けるべきかどうかを決めるには「メリットとデメリットをてんびんにかけた結果、どちらが上回っているか」を考えなければならない、ということなのです。 そして、このてんびんにかけた結果は、「人によって答えが異なる」という点が極めて重要です。それはつまり、人それぞれの価値観によって結論が真逆になる可能性が十分にあるということを意味します。ですから、ここではまずメリットとデメリットを説明し、最後に私の価値観で考えた結果を本音でお話しすることにいたしましょう』、「メリットとデメリットをてんびんにかけた結果」は、「人によって答えが異なる」とhどういうことなのだろう。
・『ステージⅣで急激に悪くなる  まず、がん検診を受けることのメリットから。メリットは、「そのがんで死亡することを防ぐこと」です。がんというものは、原則的に「早期に見つけて早期に治療を行えば治るもの」。そして、「あるポイントを超えてしまうと、どんな名医がどれほどすごい治療を行ったとしても、どうしても治らないもの」でもあります。 では、あるポイントとはどこにあるのか。これは残念ながら、はっきり「ここ!」と分かるわけではありません。がんにかかってしまった人によっても、がんの種類によっても、そして治療法が年々進化している現代ではかかった時期によっても異なるでしょう。 ただ、だいたいの予測はつけられます。例えば私の専門の大腸がんであれば、ステージⅠの人が標準治療を受けると、5年後に生きている確率は97%を超えます。しかし、ステージⅡになると90%、ステージⅢでは84%と下がっていきます。そして、ステージⅣになると急に下がり、なんと20%ほどになってしまいます。 そうです。ステージⅣになると急激に悪くなるのです。これは大腸がんだけに限ったことではなく、多くのがんで見られます。それもそのはず。ステージは生存率を反映するように作っている面もあるからです。もう少し詳しくお話しすると、ステージⅣはほとんどのがんで「遠隔転移あり」という状況を指します』、「遠隔転移あり」では、「5年後に生きている確率」が「20%ほどになってしまいます」というのも納得だ。
・『2つの武器で「タチの悪さ」を見る  遠隔転移とは、最初にできたがんの臓器と離れた別の臓器にがんが転移してしまっている状態を指します。「なんだかタチが悪そう」と思いますよね。このタチの悪さを測るものは何でしょうか? そんな検査があったらいいのに、と思いますよね。 実は、現代の医学は2つの武器を持っています。1つは、「経過を見る」という方法です。これは、時間による経過を見ることで「がんの勢い」がどれほどかを推測するもの。例えば、もともとの大きさが1cmのがんがあったとして、2年かけて1.2cmになるものより、1カ月で大きさが5cmになり他の臓器に転移するもののほうがはるかにタチが悪そうです。現実的にはがんを放置することはなく、見つけたらすぐに治療をしますが、それでも検査や患者さんの仕事の都合などで1~2カ月ほど治療が遅れ、たまたま増殖スピードが見えてしまうことがあります。はからずもタチの悪さが見えてしまうのです。 もう1つは、「病理診断」という武器です。これは、調べたいがん細胞を取ってきて、その細胞を顕微鏡を通して見ることで、どれくらいタチが悪いかを測定することができます。現在では、乳がんなどでは「病理診断」の結果によって治療法が変わる場合もあるのです。 がん検診では、定期的に検査することで、がんがないかどうかをチェックします。ですから、タチがとても悪いものに対してはあまり効果を発揮することができません。1年間隔で検査しても、発生して半年で手がつけられないほど進行してしまうがんであれば、検診は無力です。 一方で、今の医学では「誰がどれくらいタチの悪いがんにかかるか」は分かりません。ですので、年齢を区切って全員一斉に検査をする。そして中には運良く早めにがんが見つかり、治療を受けて治る人がいる。ここまでが、がん検診のメリットの説明になります』、「1年間隔で検査しても、発生して半年で手がつけられないほど進行してしまうがんであれば、検診は無力です」、運が悪かったとあきらめるしかなさそうだ。
・『知られていないがん検診のデメリット  一方、がん検診のデメリットはどんなものでしょうか。 1つ目は「過剰診断・過剰治療」です。過剰という言葉が入っている通り、本来は不要だったのに検診を受けたことで生じてしまったものです。 具体例を挙げましょう。例えば、乳がん検診で、マンモグラフィー検査という乳房をレントゲンに撮る検査を受け、がんを疑うようなしこりが見つかったとします。すると、今度は「病院で精密検査を受けてください」ということになり、医師の診察を受けます。同時に採血検査、超音波検査、MRI(磁気共鳴画像)検査などを行います。その結果、「まずどう見ても良性なのでここでおしまい」となることもあれば、「悪性の可能性があるため、針生検をしましょう」となることもあります。針生検では、怪しいしこりそのものに針を刺し、しこりの成分を1mmほど取ってきて、顕微鏡でがん細胞やがんの組織がないかをチェックします。 その結果、もしがんの診断だったら手術や抗がん剤治療へ進みますし、がんではなかったら「大丈夫でした。よかったですね」で終わります。 さて、もし検診をしていなかったらどうなったでしょうか。病院で受診することはなく、従っていろいろな検査はしないでしょう。生検という、針を刺して傷をつくる検査もしなくてよかったことになります。 これが、過剰診断です。ここまでならまだよいのですが、「やはり悪性が否定できない」として、手術になることがあります。メスを入れ、手術をした結果「いやあ、良性でした。よかったですね」と言われることもあるのです。これは、人によって受け取り方が大きく変わるところでもあります。「ラッキーだった」と思う人がいる半面、「それならば最初からすべて不要だったのではないか」と思う人もいるでしょう』、医師が手術すべきと診断して手術を受けた結果が、「良性」だったのであれば、「ラッキーだった」と思うべきだろう。
・『検診そのもので起きる合併症もある  2点目は、「検診そのもので起きる合併症」です。合併症とは、「検査や治療によって起きた良くないこと」を指します。確率はさまざまですが、この世のあらゆる治療や検査にはすべて一定の割合で合併症が起こります。2人に1人以上起こるものから、隕石(いんせき)に当たるより確率が低いもの(インフルエンザワクチンの接種で死亡するなど)までさまざまです。 がん検診では、検査を行いますので、残念ながら検査に伴う合併症の危険性があります。胃がん検診を例に挙げましょう。胃がん検診では胃カメラもしくはバリウム検査があります。胃カメラの合併症について、2016年に発表された全国調査報告(08年~12年までの5年間)では、前処置(鎮静剤など)に関連した合併症は約3万6000人に1人(0.0028%)で、死亡数は9件で200万人に1人(0.00005%)でした。そして観察のみ(生検を含む)の胃カメラでは約7000人に1人(0.014%)の割合で合併症が起きています。合併症は出血や胃・食道に穴が空いたというものでした。 これを見ると、胃カメラを受けるだけで死亡する可能性がゼロではなく、合併症も起きていることが分かります。頻度が低いだけで、一定数は確実に起きているのです』、「胃カメラ」でも「死亡する可能性がゼロではなく、合併症も起きている」、というのは確かに留意すべきことのようだ。
・『根拠のない検診を避ける  もう1つ大切なことを述べます。「どんながん検診が採用されているかは、お住まいの市区町村によって異なる。中には科学的根拠がまだはっきりしないものを採用し、検診を受けてくださいと勧めているところもある」という点です。この点は本や雑誌ではあまり触れられていません。 がん検診を受けるかどうかは、3つの段階で決まります。 第1段階は国です。まず国がどんな検診を行うかを決めます。ここにガイドラインを作る集団が意見を言い、検診のためのガイドラインの案が作られます。第2段階は市区町村です。市区町村、つまり自治体ごとに、「どの検診をやり、どれをやらないか」を判断しています。そして最終である第3段階はあなた個人です。あなたがお住まいの市区町村などから届いたはがきを見て、実際に検診を受けるかどうかを決めるのです。 ここで注意すべきは第2段階です。実は、ガイドラインの対策型検診で推奨されていないが、市区町村の判断で行われているがん検診が非常に多いのです。国の資料から引用します。 「指針に定められていないがん種に対するがん検診を実施している市町村は、全体の86.5%(1496/1730)となっている」(平成29年度の市区町村におけるがん検診の実施状況調査集計結果) そのほとんどは前立腺がんの検診(1411自治体)で、続いて子宮体がん(501自治体)、卵巣がん(94自治体)、口腔(こうくう)がん(64自治体)、甲状腺がん(63自治体)……と続きます。 さて、事実はここまでです。ここからは私の個人的な意見になります』、「ガイドラインの対策型検診で推奨されていないが、市区町村の判断で行われているがん検診が非常に多い」、いささか驚かされた。市区町村は地域の医師会から圧力でもかけられているのだろうか。「ガイドラインで推奨されていない」ものについては、国からの補助金を出さず、独自財源とするべきだろう。
・『一人の医者の価値観は?  これは、医師一人の経験に基づく話なので、私の人生観、(偏っている可能性を否定できない)現場経験に基づいています。ですので、最も科学的根拠が低い(あるいはほとんどない)ことを先にお伝えしておきます。悲しいことに、どんな人間も自分の経験と知識の中でしか議論をすることはできません。また私の考えも今後、変わる可能性があります。 補足すると、世に出ている多くのがん検診にまつわる本や雑誌は、書き手の価値観を大きく押し出したものにすぎません。つまり、デメリットを重く感じた人は「がん検診はけしからん」となり、メリットが上回ると感じた人は「受けましょう」となるのです。 では私のチョイスはどうか。下記に要約します。 対策型検診は、すべて前述した日本の「科学的根拠に基づくがん検診」ガイドラインの推奨通りにきっちり受ける 「科学的根拠に基づくがん検診」ガイドラインでの推奨度が低い、あるいは現時点で不明のものは受けない です。そして推奨は変わる可能性があるため、きっちり情報を追いかけていき、推奨度が変更されたらそれに従います。 断っておきますが、私はガイドラインを推奨したところで利益を得る立場にはありません。「いやいや、あんたはがんの外科医なんだから、がん疑いの患者が増えたらうれしいのではないか」と言われるかもしれませんが、患者さんの人数で医師の給料は決まりません。ただでさえ多忙極まる現場ですし、がん患者さんが減ることでのメリットは少なくありません。 さらにここだけの話、私は医者業に経済的依存をしておらず、もの書きとしての収入もあります。「業界からの回し者では?」という陰謀論は、少なくとも私には当てはまりません。 では追加として、任意型、つまり人間ドックなどはどうするか。こちらは対策型検診で求められるレベルで見ると科学的な根拠が必ずしも十分とは言えないので、基本的には受けません。ただ、自分の専門である胃や大腸にがんが進行した状態で見つかったらいろいろカッコがつかないので、胃カメラ・大腸カメラは1~2年に1度やろうと思っています。胃については逆流性食道炎もあるので、悪くなっていないか、がん化していないか定期的にチェックしたいと思います。そして、妻や家族がそれ以外の検査の人間ドックをどうしても受けてくれ、と⾔ったら、まあしぶしぶ受けようかな、と思っています』、「人間ドックなどはどうするか。こちらは対策型検診で求められるレベルで見ると科学的な根拠が必ずしも十分とは言えないので、基本的には受けません」、なるほど。
・『高級人間ドックはどうか  いろいろな病院で、さまざまながん検診が提案され、また人間ドックが提案されています。中には超豪華なものまでありますが、過剰診断・過剰治療のことを考えると今はあまり乗り気になれません。お金ももったいないですし。 では、お金がジャブジャブあったらどうするだろうか、と私は考えてみます。私の知るお金持ちの多くは、1回10万円以上を支払って人間ドックを毎年受けています。しかし、がんについては、今のところメリットがデメリットを大きく上回るものは対策型の検診以外にないでしょう。ですから、私はお金があったらその分をがん予防のほうで、例えば、運動のためのパーソナルレーナーでもつけようかなと思います。お金持ちの皆さんには、過剰診断・過剰治療のデメリットについてご存じであることを心より願います。 そして、それらのデメリット以上に「検診を受け、がんによる死亡を避けたい」という気持ちになっておられるならよいのですが。 私の意見は以上です。お読みのあなたは、ご自身の価値観でがん検診を受けるかどうかを決めてください。あ、その前にまずたばこを吸っている人は、検診がどうのこうの悩むより、まず禁煙することをおすすめします。そして、私の父の話です。父は医療関係ではない仕事をしてきた60歳代後半の男性ですが、「がん検診は受けたくない」と言っています。毎年毎年、私は一生懸命、市区町村のがん検診を受けるよう説得しています。 最後に注意点として、「医学界の重鎮による意見は、偏っている可能性がある」とお伝えしておきます。重鎮とは、教授や〇〇学会の理事などです。別に重鎮が嫌いなわけではありませんが、彼ら、彼女らは業界の大切なポジションになり、ポジショントークが入ります。ポジショントークとは、例えば「本当は〇〇はあんまり勧められないんだけど、理事をやってるナントカ学会はこれを推進しているしな」というようなもの。偉くなれば、製薬会社や検査会社との関係も濃厚になっていくでしょう。もちろんポジショントークを一切排した、科学者としての誠意のみで動く重鎮もいらっしゃいます。しかし、まったく影響がないかと言われたら、言い切れないことはあるだろうと私は想像します。 さらに、重鎮になるとどうしても自身の経験が増えるため、自分の経験に引っ張られた発言になってしまうということです。これは、医者としての経験年数が増えれば増えるほど悪化していきます。これからは、この私も悲しいことに逃れることはできません。がん検診についての本稿は、元臨床医で長年、健康情報学の学者をやっている先生に加え、さらに2人の医師にも読んでもらい意見をいただきました。それほど、私は自身の意見が偏っていることを心配したのです。そういう極めてデリケートなテーマであることを、お伝えしたいと思います』、「父は医療関係ではない仕事をしてきた60歳代後半の男性ですが、「がん検診は受けたくない」と言っています。毎年毎年、私は一生懸命、市区町村のがん検診を受けるよう説得しています」、がん外科医でも検診を嫌がる父親を説得できないというのは、人生の皮肉だ。「医学界の重鎮による意見は、偏っている可能性がある」、というのはその通りなのだろう。

第三に、9月8日付けZAKZAK「【大前研一のニュース時評】健保連が「医療費抑制」に向けた政策提言 花粉症、風邪ですぐ病院へ」を紹介しよう。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190907/dom1909070004-n1.html
・『企業の健康保険組合で構成する健康保険組合連合会(健保連)が、急増する医療費の抑制に向けた政策提言をまとめた。柱の1つは、医療機関を受診して処方される花粉症薬のうち、同じような効果の市販薬で代替できる薬を公的医療保険の対象外とすること。実施されれば、薬剤費が年597億円削減できると試算している。 この件について、私が学長を務める「ビジネス・ブレークスルー大学」の大学院生から「アレルギー薬よりも、生活習慣病のような食事や運動で改善する可能性のある疾患こそ対象にするべきだ」という指摘があった。そのとおりだ。 ちなみに健保連では、比較的薬剤費の高い先発品が処方されることの多い生活習慣病の薬について、同じような効果のジェネリック医薬品(後発薬)を優先的に処方すれば薬剤費を年3141億円減らせるとの試算も示している。 日本の場合、花粉症はおろか、風邪をひいたというだけで、病院で薬をもらってくる。なぜそんなことをするのかというと、医療機関でかかる費用の7割以上を公的医療保険でまかなっているからだ。医者もそれに乗っかり、ほかの国では普通に薬局やドラッグストアで売っているOTC医薬品(いわゆる大衆薬と呼ばれる一般用医薬品)も医療用医薬品として処方している。 今回、健保連がこういうことを言い始めたのは、軽症の患者が薬目的で医療機関を受診すると、医療費が膨らんで企業健保の財政を圧迫し、健保組合そのものの存続が危なくなってきたからだ』、「健保連」の「政策提言」は当然の要求で、むしろ遅きに失した感すらある。
・『高齢化を背景に医療費は増え続け、この30年で倍増している。2017年度の医療機関に支払われた医療費の総額は、前年度より1兆円増加の約42兆円。過去最高を更新している。そのうち調剤費は約7兆円。馬に食わせるほど薬をくれる病院もある。 ビタミン剤を処方する医師もいれば、1回の診察で処方できる上限70枚の湿布をもらう患者もいる。どう考えても余ってしまう。 こういったものは、すべて市販品で代用できる。これらを含め、すべて費用対効果を考えないと、健康保険は持たない。だから、これを見直すというのは私も大賛成だ。 これに対し、日本医師会は「冗談ではない」と批判している。以前は医師会が反対するとニッチもサッチも行かなくなることが多かったが、現在ではそれほど強くない。 国民皆保険というのは素晴らしい制度だが、すべての病気を保険の対象にするというところが、ヨソの国とは違う。例えばオーストラリアは、医師が「はい、これは薬局で買ってください。ウチは関係ありません」とはっきりしている。 救急車についても、オーストラリアの場合、「救急車が早く来たおかげで助かった」ということを医師が証明してくれれば、その費用を払わなくて済むが、基本的には患者側が払うことになっている。呼んだ後、タクシー代よりも高い請求書がくる。だから、呼ぶ側も考えてしまう。 日本では軽症なのにタクシー代わりに救急車を呼んで病院に行く人も結構多い。その辺も医療費が下がらない理由。国民皆保険に甘えているところがある。これを見直すのは当然だと思う』、オーストラリアの救急車利用ルールは、極めて広い国土面積という要因もあるにせよ、日本でも参考にするべきだ。投薬ルールも同様だ。
タグ:医療問題 日経ビジネスオンライン ZAKZAK 中山 祐次郎 (その21)(相次ぐ高額医薬品 国民皆保険制度は維持できるか、がん検診にデメリットはあるのか? 第49回 がん外科医の本音⑤、健保連が「医療費抑制」に向けた政策提言 花粉症、風邪ですぐ病院へ) 「相次ぐ高額医薬品、国民皆保険制度は維持できるか」 高額医薬品が次々と出てくるようになれば、それなりに医療保険財政への影響はある ドラッグストアなどで市販薬を買うよりも、医師に処方してもらった方が患者が負担する金額は数分の1程度まで抑えられる。金銭的なメリットから気軽に病院に通う患者が少なくないが、負担率を上げれば、一定の歯止めをかけることができる 日本医師会としては絶対に反対 同じ病気に使う新薬と既存薬の費用対効果を調べて、効果の割に新薬の価格が高いと判断されれば、薬価を下げる仕組みが導入されたが、これを古くからある薬にも適用すべきだ、という声も出ている 「がん検診にデメリットはあるのか? 第49回 がん外科医の本音⑤」 京都大学大学院医学研究科の健康情報学の教授に意見を仰ぎ、ディスカッションをした上で監修をしていただき、医学的な信頼性を担保しました 検診はすればするほどよいわけではない がん検診にはメリットとデメリットのどちらもあります 検診を受けるべきかどうかを決めるには「メリットとデメリットをてんびんにかけた結果、どちらが上回っているか」を考えなければならない てんびんにかけた結果は、「人によって答えが異なる」という点が極めて重要 ステージⅣで急激に悪くなる ステージⅠの人が標準治療を受けると、5年後に生きている確率は97%を超えます。しかし、ステージⅡになると90%、ステージⅢでは84%と下がっていきます。そして、ステージⅣになると急に下がり、なんと20%ほどになってしまいます 「遠隔転移あり」 2つの武器で「タチの悪さ」を見る 1つは、「経過を見る」という方法 もう1つは、「病理診断」という武器 知られていないがん検診のデメリット 過剰診断・過剰治療 検診そのもので起きる合併症もある 根拠のない検診を避ける 市区町村によって異なる。中には科学的根拠がまだはっきりしないものを採用し、検診を受けてくださいと勧めているところもある 一人の医者の価値観は? 高級人間ドックはどうか 私はお金があったらその分をがん予防のほうで、例えば、運動のためのパーソナルレーナーでもつけようかなと思います 医学界の重鎮による意見は、偏っている可能性がある 父は医療関係ではない仕事をしてきた60歳代後半の男性ですが、「がん検診は受けたくない」と言っています。毎年毎年、私は一生懸命、市区町村のがん検診を受けるよう説得しています 「【大前研一のニュース時評】健保連が「医療費抑制」に向けた政策提言 花粉症、風邪ですぐ病院へ」 健康保険組合連合会(健保連) 急増する医療費の抑制に向けた政策提言 花粉症薬のうち、同じような効果の市販薬で代替できる薬を公的医療保険の対象外とすること。実施されれば、薬剤費が年597億円削減できると試算 生活習慣病の薬について、同じような効果のジェネリック医薬品(後発薬)を優先的に処方すれば薬剤費を年3141億円減らせるとの試算 オーストラリアは、医師が「はい、これは薬局で買ってください。ウチは関係ありません」とはっきりしている 救急車についても、オーストラリアの場合、「救急車が早く来たおかげで助かった」ということを医師が証明してくれれば、その費用を払わなくて済むが、基本的には患者側が払うことになっている
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