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韓国(文在寅大統領)(その3)(韓国に輸出急減の懸念 自力での経済安定が望めない深刻事情、曺国法務長官が突然の辞任 それでも残るクーデター 戒厳令の可能性、韓国通貨危機! 文政権「韓国経済は善戦」発表直後にIMFからダメ出しの“赤っ恥” 海外の投資家や企業も見限る) [世界情勢]

韓国(文在寅大統領)については、2017年10月25日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その3)(韓国に輸出急減の懸念 自力での経済安定が望めない深刻事情、曺国法務長官が突然の辞任 それでも残るクーデター 戒厳令の可能性、韓国通貨危機! 文政権「韓国経済は善戦」発表直後にIMFからダメ出しの“赤っ恥” 海外の投資家や企業も見限る)である。

先ずは、法政大学大学院教授の真壁昭夫氏が9月10日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「韓国に輸出急減の懸念、自力での経済安定が望めない深刻事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/214043
・『韓国経済に輸出急減の懸念が顕在化  足元、韓国経済に輸出急減の懸念が顕在化している。元々、韓国は輸出依存度の高い経済構造で、輸出の減少は経済全体に深刻なマイナス要因となる。 韓国の輸出急減の背景には、主力輸出先である中国の景気減速やトランプ米大統領の通商政策の影響などがある。特に、米中の貿易摩擦の深刻化に伴い、現在、世界のサプライチェーンが混乱している。そのため、輸出依存度の高い国ほどマイナスの影響が出ている。 韓国はその1つの例といえる。韓国以外にも、ドイツをはじめとするユーロ圏各国を中心に輸出依存度の高い国の景気は急速に悪化している。 8月の韓国の輸出は前年同月比で13.6%減少した。9ヵ月連続で韓国の輸出は前年同月の実績を下回っている。5月以降、米中の貿易摩擦への懸念が高まるに伴い、韓国の輸出減少幅は拡大している。 これまで韓国は、サムスン電子など主力の財閥企業の輸出を増やすことで経済成長を遂げてきた。韓国のGDP(国内総生産)に占める個人消費の割合は50%を下回っており、米国や日本に比べ内需は厚みを欠いている。半導体の主要材料などを輸入し、国内で製品を生産し輸出して収益を得てきた韓国にとって、輸出減少は経済の屋台骨が揺らぐことにもなりかねない。 韓国は、もう少し早い段階から財閥に依存した経済構造を改める必要があった。しかし、歴代の政権は改革に伴う痛みを避けてしまった。国内の資本の蓄積も期待されたほど進んでいない。経済環境の悪化に加え、最側近による数々の不正疑惑が浮上した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、さらに厳しい状況に直面する可能性がある』、輸出依存型経済で「8月の韓国の輸出は前年同月比で13.6%減少」、というのは大きな打撃だ。
・『サプライチェーン混乱の影響度合い  韓国の輸出が減少している要因の1つとして、米中の貿易摩擦の影響から世界のサプライチェーンに混乱が生じていることは見逃せない。 これまで、世界各国の企業は“世界の工場”としての地位を高めてきた中国に生産拠点を置き、必要な時に、必要なモノを、必要なだけ、各国から調達する体制を整えてきた。その上で企業はモノを生産し、世界各国に輸出して収益を獲得してきた。この中で韓国は、半導体などを各国企業に供給する重要な役割を担ってきた。 しかし、2017年1月に米国大統領に就任したトランプ氏が、グローバルなサプライチェーンを分断している。大統領再選を狙う同氏は、制裁関税の発動などによって対中貿易赤字を削減し、米国産大豆などを中心に対中輸出を増やしたい。できるだけ早期に交渉をまとめたいというのがトランプ氏の本音だろう。 一方、中国も引くに引けない。すでに共産党の長老などから習近平国家主席に対する不満が増えている。香港での反政府デモが想定外に長引いていることもあり、中国は米国に譲歩できなくなっている。中国は基本的には交渉を持久戦に持ち込むなどして、米国の圧力が低下するのを待ちたいはずだ。米中の交渉がどのように進むかは見通しづらい。 この中、制裁関税の回避などを目指して、中国に置いてきた生産拠点をベトナムやインド、タイなどに移す企業が増えている。この動きはまだ落ち着いていない。今後、さらに供給網が混乱する恐れもある。同時に、世界経済の先行き懸念の上昇も重なり自動車や鉄鋼、機械など幅広い業種で減産を重視する考えが増えている。 これが、韓国の輸出にブレーキをかけた。これまで相対的に安定感を保ってきた米国において、ISM製造業景況感指数が景気強弱の境目である50を下回ったことを見ると、世界的なサプライチェーン混乱のマグニチュードは軽視できない。当面、韓国の輸出には下押し圧力がかかり易いものと考えられる』、米中貿易戦争が恩恵をもたらすのではなく、逆に「サプライチェーン混乱の影響」が出てきたようだ。
・『世界的な半導体市況などの悪化  韓国の輸出減少を考える上では、世界的な半導体市況の悪化などの影響も大きい。 米国の半導体工業会(SIA)によると、7月、世界全体での半導体売り上げは前年同月比15.5%減少した。需給関係の悪化から、ICチップなどの価格には下落圧力がかかりやすい状況が続いている。 その要因の1つとして、スマートフォン需要の低迷は見逃せない。2017年以降、世界全体でスマートフォンの出荷台数が減少している。スマートフォンの普及は韓国のサムスン電子などが半導体の輸出を増やし、業績拡大を実現するために欠かせなかった。 それに加え、世界的に設備投資が減少している。2016年から17年にかけて世界的にデータセンターなどへの投資が増加した。その反動とサプライチェーン再編のコスト負担から、足元、世界各国で設備投資の減少が鮮明化している。こうした動きが、輸出主導で景気回復を実現してきた韓国経済を直撃している。 さらに、米アップルは制裁関税の回避のために供給網の再編だけでなく、製品原価の見直しにも着手し始めた。アップルは、製品原価を引き下げるために、有機ELパネルの調達先をサムスン電子から中国の京東方科技集団(BOE)に切り替えることを検討していると報じられている。また、アップルがサムスン電子に対して約束したディスプレーを購入しなかったことへの違約金を支払ったとの観測もある。 これは無視できない変化と考えるべきだ。 現在、中国は政府の補助金を用いて半導体をはじめとする先端分野の開発・生産能力の引き上げに注力している。また、世界的なサプライチェーンの混乱を受けて、世界の半導体などの生産能力には空きが出ている。価格を抑えて受注を確保しようとする企業が出てもおかしくはない。より有利な条件での半導体などの調達を目指し、世界の企業が韓国外の企業との取引を重視する可能性が高まることは軽視できない。 その意味で、韓国経済の実力が問われているといえる』、「サムスン電子」がアップルを失うとすれば、影響はかなり大きい筈だ。
・『文大統領の政策運営で懸念される韓国経済の苦境  韓国経済の先行きを慎重に考える市場参加者や企業経営者は増えている。韓国最大の輸出先である中国の経済は、成長の限界を迎えつつある。中国では、公共事業の積み増しなどにもかかわらず、十分な効果が確認できていない。米国が第4弾の対中制裁関税を発動し、中国がそれに報復したこともあり、中国の企業、消費者のマインドは一段と悪化する恐れがある。いうまでもなく、これは韓国経済にとってマイナスだ。 それに加え、日韓の関係が悪化し、米国も韓国のことを当てにしなくなっていることも見逃せない。歴史を振り返ると、通貨スワップ協定や半導体材料などの調達、さらには半導体製造技術の吸収といった点において、韓国はわが国に依存し続けてきたといえる。 日韓の関係がこじれにこじれる中、韓国がどのようにして経済を安定に向かわせるかは、かなり見通しづらい。最側近による数多くの不正疑惑浮上に直面する文大統領に対する国民の見方も、徐々に変化している。文大統領への信頼感がさらに低下する可能性は高まっている。 その中で、文政権が経済の安定を目指すことは難しいだろう。韓国では国内産の材料などを用いて半導体生産を進めようとする動きが出ている。その一方、韓国の株式市場では外国人投資家などが株式を売却し、資金が海外に流出している。韓国政府・企業の取り組みが世界の企業や市場参加者の信頼を得ているとは考えられない。わずかな成分の差が半導体の性能に大きな影響を与える。従来、わが国の技術力に依存して生産力の増強に注力した韓国が、世界の信任を得られるだけの技術を短期間のうちに生み出すことは想定しづらい。 世界的なサプライチェーン混乱の中、文大統領は自国の経済をさらなる苦境に向かせてしまっているように見える。現時点で、韓国が自力で経済を安定に向かわせる方策は見出しづらい。もし米中の摩擦が一段と激化し、米国の景気後退への懸念がさらに高まるような展開が現実のものとなれば、韓国経済はかなり深刻な状況に陥る可能性がある』、サムスンがベトナム経由で輸出を急拡大させているとのニュースもあり、韓国ウォン安とも相まって、トランプ大統領の逆鱗に触れリスクを指摘する声もあるようだ。

次に、10月14日付けデイリー新潮が掲載した元日経新聞ソウル支局長の鈴置高史氏へのインタビュー「曺国法務長官が突然の辞任 それでも残るクーデター、戒厳令の可能性・・・韓国観察者の鈴置高史氏が読み解く」を紹介しよう。Qは聞き手の質問
https://www.dailyshincho.jp/article/2019/10141900/?all=1&page=1
・『韓国の曺国(チョ・グッ)法務部長官が10月14日、辞意を表明した。就任35日目、家族の不正に検察の捜査の手が入る中での辞任だった。背景を韓国観察者の鈴置高史氏が読み解く』、鈴置氏の見解やいかに。
・『国会ではなく街頭で争う左右  Q:突然の辞任でした。 鈴置: 文在寅(ムン・ジェイン)政権を追い詰めたのは、国民の多くを味方に付けた保守の大集会・デモでした。決め手となったのは、開天節(建国記念日)の10月3日、数十万人が集まって「曺国逮捕」「文在寅退陣」を要求した集会・デモです。 何があっても政権を批判する保守的な人々に加え、政治色の薄い「普通の人」も参加したのです(「『反文在寅』数十万人デモに“普通の人”が参加 『米国に見捨てられる』恐怖が後押し」)。これが効きました。辞任の理由として、文在寅大統領は「国民の間に大きな葛藤を引き起こしたことを申し訳なく思う」と語っています。 Q:文在寅政権にはデモなど無視する手もあった。 鈴置: 確かにそうです。実際、10月3日の大デモの後にも、曺国法務部長官を切る動きは表面化しませんでした。それが今になって辞任させたのは、クーデターの恐怖が高まったこともあったと思います。 Q:クーデターですか? 鈴置: 保守派の大型集会・デモに対抗し、左派も集会・デモを繰り出しました。国会ではなく、街頭を舞台に力比べが始まったのです。それを見た韓国メディアは「代議制民主主義が崩壊する」と悲鳴をあげました。 韓国では国論が分裂して議会では収拾がつかなくなり、左右が街頭での勝負に賭けた時、クーデターが起きているからです。 警告を真っ先に発したのは韓国経済新聞でした。社説「極度の国論分裂…国民を街頭に追いたてた政治、誰の責任か」(10月3日、韓国語版)のポイントを翻訳します。 ・開天節のソウルは都心の光化門からソウル駅まで12車線の大路が集会参加者で埋め尽くされた。「場外集会としては史上最大」と言われるほどに街頭に集まった人々の主張は「曺国辞退」に集約された。 ・5日前(9月28日)に「曺国守護」「政治検察撲滅」を叫ぶ市民が、瑞草洞の検察庁前の道路を占拠したのとあまりにはっきりとした対比となった。この時も多くて10万余人と推定される人波が、検察庁から教育大学駅までの9車線に足の踏み場もないほど満ちた。 ・法務部長官の進退に対し意見を表明するため、市民らが広場に群れ集まる「街頭政治」という極端な国論分裂を如実に示した。 ・国民が自分の代理人を選んで国会を構成し、彼らが調整と妥協を通じ国事を決定する、成熟した代議制民主主義が機能しなくなっているとの証拠でもあろう。 ・与野双方が相手を「積幣」「左派独裁」と決めつけ、一寸の譲歩もなく対決する「政治の失踪」が国民を街頭に追いたてているのだ』、「今になって辞任させたのは、クーデターの恐怖が高まったこともあった」、そこまで事態が切迫していたのには驚かされた。
・『「キーセン・デモ」の後にクーデター  Q:韓国人は2016年の朴槿恵(パク・クネ)退陣要求デモを「民主主義の精華」と誇っていたのに……。 鈴置: 英国名誉革命、フランス革命、米国独立革命と並ぶ「世界4大革命の1つ」と自画自賛しています(『米韓同盟消滅』第3章第1節「疾風怒濤の韓国」参照)。 多くの韓国人が「安倍政権をデモで引きずり降ろせない日本人は韓国を羨ましがっている」とも信じています。文在寅大統領も海外に出るたびに「韓国革命」を誇ってみせます。褒めてもらったことはあまり、ないようですが。 一方、今回の集会・デモは、左右がそれぞれ普通の人を取り込んで参加人数を競う国論分裂型の街頭闘争でした。左派が「腐敗した権力と戦う」と音頭をとって、多くの国民を味方に付けた2016年の集会・デモとは完全に異なるのです。 韓国は「クーデターが成功した国」です。1度目は1961年5月16日に朴正煕(パク・チョンヒ)少将らが敢行した軍事クーデターです。前年の1960年4月19日の四月革命により李承晩(イ・スンマン)大統領が下野しました。 その後、左右から多様な要求が噴出。後継政権の内輪もめもあって、国が混乱に陥りました。そんな中、一部の軍人が国の危機を救うとの名分を掲げて立ち上がったのです。当時、ソウルに住んでいた韓国人から、以下のように聞かされたことがあります。 ・四月革命の後はキーセンまでがデモするほど社会が混乱した。左派の学生が統一を名分に北朝鮮との提携に動きもした。クーデター自体には賛成しない知識人が多かったが「これで混乱が収まる」とほっとする向きもあった』、「韓国人は2016年の朴槿恵退陣要求デモを・・・ 英国名誉革命、フランス革命、米国独立革命と並ぶ「世界4大革命の1つ」と自画自賛」、思い上がりとずうずうしさには呆れるばかりだ。
・『空気は「過去2回」と似ていた  Q:2回目は? 鈴置: このクーデターで政権を握った朴正煕大統領が、1979年10月26日に暗殺されたのがきっかけとなりました。16年間も続いた、いわゆる「軍事独裁政権」が突然に崩壊したことで、韓国は民主化に湧き「ソウルの春」と呼ばれました。 ただ、権力の帰趨も不透明になりました。そこで暗殺事件のどさくさの中、力を溜めていた全斗煥(チョン・ドファン)国軍保安司令官らが1979年12月12日、不安定な政局を収めると称して粛軍クーデターを敢行、成功しました。 韓国経済新聞の社説のどこにも「こんなことやっていたらまた、クーデターが起こるぞ」とは書いてはありません。でも、少し勘のいい韓国人ならそう読むでしょう。 朴槿恵政権が弾劾により倒された。2017年5月から権力を握った左派の文在寅政権は「積幣清算」――過去の弊害を一挙に正す――を謳い、保守勢力の根絶やしに動きました。 朴槿恵、李明博(イ・ミョンバク)の前・元大統領に加え、保守政権時代の最高裁長官まで逮捕しました。 朴槿恵政権の言いなりに動いたとして検事や軍人を捜査。この中から4人の自殺者が出ています。「やられる側」に回った保守は当然、死に物狂いで左派政権を倒そうとします。 曺国法務部長官の任命問題も本質は左右の権力闘争です。文在寅政権は左派弾圧を担ってきた検察から権力を奪う計画です。さらには新たに設立する公務員監察組織を通じ、検察をはじめとする保守勢力に報復すると見られています。 この「検察改革」を任されたのが文在寅大統領と近い、法学者の曺国法務部長官でした。検察が自らを指揮する権限を持つ法務部長官の家族の不正事件を捜査し、引きずり降ろそうとする異様な状態に陥ったのも、自分たちが「やられる側」になったからです。 左右はどちらかしか生き残れない最終戦争に突入した。その戦いの手法が双方の支持者を動員する大衆集会とデモだったのです。過去2回のクーデターの時と似てきていたのです』、「検察が自らを指揮する権限を持つ法務部長官の家族の不正事件を捜査し、引きずり降ろそうとする異様な状態に陥ったのも、自分たちが「やられる側」になったからです」、司法の安定性という意味では問題があるが、安倍政権に「忖度」ばかりしている日本の検察に比べれば、はるかに政権からの独立性が確保されてきたようだ。
・『メディアが左右対立に油  Q:そこで韓国経済新聞は社説で「街頭政治を排し、代議制民主主義を守れ」と訴えたのですね。 鈴置: そうです。しかし、この社説は逆の結果を生んだ――街頭政治を煽ったのです。「代議制を守れ」と主張すると同時に「それを壊した責任は左派にある」と厳しく非難したからです。先ほどの引用に続く後半の一部を翻訳します。 ・大統領と与党が露骨に「曺国は退陣させず」と宣言した直後に、大規模デモが起きたことにも注目せねばならない。 ・無条件に曺国を守る姿勢なら「問題は大統領」との声がさらに高まるだろう。国民を街頭に追いたてる政治は与野すべての失敗だが、国政を主導する与党により大きな責任があると見なければならぬ。 韓国経済新聞は「代議制民主主義の崩壊」を指摘しましたが、結論は政権批判でした。保守の牙城、朝鮮日報も10月4日の社説「常識を裏切った大統領1人が呼び起こした巨大な怒り」(韓国語版)で「民心を街頭での力の対決に追いやった」と、同様の手口で政府・与党を非難しました。 すると政府に近い聯合ニュースが「代議制民主主義の崩壊」を論じつつ、検察の責任を持ち出しました。「政治が消えた『広場』VS『広場』の対決…極度の国論分裂を憂慮」(韓国語版)です。 10月4日14時49分になって配信したことから見て、朝鮮日報などへの反撃を狙ったと思われます。 この記事は冒頭では「進歩(左派)と保守が競争して数の対決に出れば、分裂の政治を加速する」「与野の指導部が集会やデモを支持層の結束に利用すれば、政治不信を深化し代議制民主主義の危機を生む」などと、中立の立場で「政治を憂えて」いました。 しかし「何か政治的な意図があるのではないかと疑われるほどに検察が(曺国法務部長官一家に対し)過度に捜査し、その結果、政治が保守と進歩に分かれて、新たな対決の街頭政治に転落した」との匿名の与党政治家の発言も引用しました。要は「代議制民主主義の危機を呼んだのは保守陣営の検察である」と指弾したのです』、左右の新聞が、「代議制民主主義の崩壊」を指摘しながらも、非難の対象は検察、現政権と180度違うのは、レトリックの極致だ。
・『大統領は広場の声を聞け  Q:「左右どちらが代議制民主主義を壊したのか」との論争に陥った……。 鈴置: その通りです。そして、これが街頭政治に油を注いだ。「責任論」の高まりを背景に、左派の与党は「我々の9月28日の集会には覚醒した国民が自発的に参加した。一方、10月3日の野党の集会は文在寅政権を揺さぶる目的で動員をかけ、人を集めた不純な集会」と決めつけました。 その非難に対抗し、保守はハングルの日で休日である10月9日にも大集会を開きました。「動員ではこれだけの参加者は得られない」と見せつけたのです。 一方、左派は自らの正当性を訴えるため、10月5日にも集会を開きました。そして左右両派は10月12日に同じ場所、瑞草洞で集会を開きました。両派の衝突を防ぐため、警察は5000人の機動隊員を動員しました。「街頭政治」は激しくなる一方だったのです。 中央日報も10月7日に社説「国の分裂いつまで…大統領がソロモンの知恵発揮を=韓国」(日本語版)で「政界はむしろ陣営間の争いを煽り、自ら代議民主主義危機を招いている」と、「広場の声」による勝負に警告を発していました。 ところが、その3日後の同紙は社説「最低支持率を記録した文大統領、広場の叫び声に耳を傾けよ」(10月10日、日本語版)で、見出しにもある通り、「大統領は広場の声を聞け」と主張したのです。 ・大統領は自身の陣営と核心支持層だけ見てはならない。あのように多くの人が叫ぶ広場の叫び声なら、厳重に受け止めるべきだ。 「街頭政治は代議制民主主義の破壊だ」などと、左右双方を第3者的に批判する余裕がなくなったのです。「破局」が迫った、との認識からでしょう』、「中央日報」が社説を「3日後」には180度変えたとは、節操のない新聞社だ。
・『検察は左翼と戦うのに軍は傍観か?  Q:破局……クーデターが起こるというのですか、今の韓国で。 鈴置: それを期待する人がいるのは確かです。在野保守の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は9月21日、自身のサイトで「今、検察は左翼と戦っている。国軍は見学だけするというのか?」(韓国語)を書きました。 趙甲済氏は「民族反逆者の金正恩(キム・ジョンウン)勢力と手を組むものも民族反逆者だ」と文在寅政権を非難。そのうえで「今、検察は左翼、腐敗、反憲法、民族反逆者勢力と戦っている。国軍は見学だけするのか?」と呼びかけました。 ただ、こうした呼びかけがなされるということは、軍がクーデターに動く公算が低い、との認識の裏返しでもあるわけです。 高級軍人もすっかりサラリーマン化して、将官にしてもらえるか、大将・中将で退役できるかに小心翼々。人事権を持つ青瓦台をヒラメのように見上げてばかり、というのが韓国の定説です。 Q:では、クーデターは起きない? 鈴置: 「そう見る韓国人が多い」のは事実です。しかし、「起きない」とも断言できません。前の左派政権、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時、米軍に「クーデターを起こすから支持してくれ」と持ちかけた韓国の軍人がいました。関係者が明かしました。 Q:それに対し米国の軍人はどう答えたのですか? 鈴置: 「前の2回はやむなく追認したが今度はもう、許さないぞ」と言ったそうです。そう言われてクーデターをあきらめたのか、元々、それほど本気ではなかったのかは不明ですが、この時は不発に終わりました』、「高級軍人もすっかりサラリーマン化して、将官にしてもらえるか、大将・中将で退役できるかに小心翼々。人事権を持つ青瓦台をヒラメのように見上げてばかり、というのが韓国の定説です」、クーデターは起きないと 「そう見る韓国人が多い」、確かに、1996年にOECDにも入り、先進国の仲間入りしたのに、いまさらクーデターでもないだろう。
・『朴槿恵政権当時も戒厳令に期待  Q:結局、曺国辞任でクーデターは回避できましたね。 鈴置: とりあえずは。しかし、左右どちらかしか生き残れない戦いが終わったわけではありません。法務部長官の首をとって勢いに乗る保守は、政権への攻勢を強めるのは間違いありません。 対立案件は曺国問題だけではありません。別のテーマを探して再び街頭に繰り出すでしょう。デモが大成功したという実績を得たのですから。 Q:文在寅政権はどうやってしのぐのでしょうか? 鈴置: もちろん、クーデターの動きには神経を尖らせ続けるでしょう。政権を握るや否や、軍の諜報部門で政治的な行動に出る可能性のある「機務司令部」を解体したのもそのためです。 今後、再びクーデターが噂されるほどに社会が混乱したら、戒厳令を敷いてデモを抑える手もありますし。 Q:戒厳令ですか! 鈴置: 盛り上がる反政府デモを前に、青瓦台(大統領府)は曺国を辞任させるか、戒厳令を敷くか、との選択肢で考えたと思います。 2016年秋に朴槿恵弾劾デモが盛り上がった際「戒厳令を布告して運動を抑え込もう」と主張した人がいました。いまだに「あの時に戒厳令という奥の手を繰り出しておけば、弾劾もなかった」と、残念がる保守も多い。 機務司令部を解体したのも、この組織が戒厳令を検討したと文在寅政権が疑ったからです。今は政権を握った左派が「自分たちも奥の手を」と考えても、不思議はないのです』、いざとなれば「戒厳令を敷く」のは可能かも知れないが、一旦、強権的手段に訴えると、解除する出口を見つけるのに苦労する筈だ。

第三に、10月18日付けZAKZAK「韓国通貨危機! 文政権「韓国経済は善戦」発表直後にIMFからダメ出しの“赤っ恥” 海外の投資家や企業も見限る」を紹介しよう。
https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191018/for1910180002-n1.html
・『韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が世界に恥をさらしてしまった。国際通貨基金(IMF)は15日、韓国の2019年と20年の成長率見通しを大幅に引き下げたが、2日前に大統領府(青瓦台)が楽観的な見解を示したばかりだった。米中貿易戦争や日本の輸出管理強化の影響が指摘されるなか、IMFはデフレ基調や失業率の上昇も予測。「反日」一本やりの政策のお粗末ぶりが際立っている。 「韓国経済は善戦している」。13日にこう発言をしたのは、青瓦台の李昊昇(イ・ホスン)経済首席秘書官。中央日報によると、人口5000万人以上の国で2番目に高い成長率であることを根拠に「経済危機説は誇張されている」とも述べたという。 ただ、韓国経済に詳しい朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は、こうした見方について「実態が全く伴っていない」と疑問視する。 「文政権は具体的な手を打っていないのに善戦などできるはずもなく、虚偽の発言というしかない。法相を辞任したチョ国(チョ・グク)氏の問題もあり、これ以上国民の怒りを買えば政権が崩壊しかねないため、あたかも対策を講じていると国民に思わせようと政府が言葉を選んだのだろう。ただ国民は政府が信用に値しないと感じているに違いない」と指摘する。 李秘書官が“楽観視発言”をした2日後の15日、韓国経済が善戦していないことを裏付けるかのようなリポートがIMFから発表された。 「世界経済見通し」の中で、韓国の経済成長率は2019年が2・0%、20年が2・2%と、それぞれ4月時点の見通しから0・6ポイントの大幅引き下げとなった。米中貿易戦争や中国経済の減速で経済が悪化するとの見立てだ。 日本の成長率見通しも19年が0・9%、20年が0・5%だからほめられたものではないが、気になるのは消費者物価指数の見通しだ。韓国は19年が0・5%、20年が0・9%。デフレ脱却道半ばの日本(19年1・0%、20年1・3%)を下回っているのだ。 IMFは韓国の失業率についても19年に4・0%、20年に4・2%と上昇を見込んでいる。 直近の数字をみても、韓国の消費者物価は9月に初の前年割れとなり、輸出は9月まで10カ月連続減少に見舞われている』、OECDによる「経済成長率」見通しは、政府見通しより低いとはいっても、2%台であればまずまずだが、政府に「忖度」した数字なのかも知れない。
・『デフレ懸念が強まるなか、経済が縮小傾向にあるとしか受け止められない数字で、当局者に危機感がないはずがない。 韓国銀行(中央銀行)は16日、金融通貨委員会を開き、政策金利を1・50%から1・25%に引き下げることを決定した。7月に続いての利下げで、過去最低水準になった。 利下げはデフレ転落を阻止し、通貨ウォンの下落で輸出を後押しするというメリットがあるが、韓国の場合、海外からの投資資金が逃げ出しかねないというデメリットも抱えている。 米中貿易戦争のあおりを受けている韓国だが、米格付け会社フィッチ・レーティングスのアナリストは、8月28日に日本がいわゆる「ホワイト国(グループA)」から韓国を除外したことで、韓国経済が受ける影響の大きさが不確かだと評価し、企業の景況感と投資に重しとなる可能性が高いとも分析している。 複数の悪材料に対し、韓国を見限る動きも出ているようだ。 中央日報の『人・お金・企業が韓国から出ていく』という特集記事では、人件費や税金の問題から、韓国ではなく東南アジアでビジネスを展開する経営者や、韓国に工場移転を検討していた企業が人件費を理由に採算が取れないとして見送っている事例が紹介されており、厳しい経済の実情を伝えている。 前出の松木氏は「海外の投資家や企業は、経済の客観的な指数しか信じない。どのくらい危機的な状況にあるのかも見抜かれているだろう。利下げもモルヒネのようなもので、景気回復を長続きさせる手段とはいえず、何度も続けられるものでもない」と指摘する。 韓国経済は処置なしなのか』、「利下げはデフレ転落を阻止し、通貨ウォンの下落で輸出を後押しするというメリットがあるが、韓国の場合、海外からの投資資金が逃げ出しかねないというデメリットも抱えている」、というジレンマには頭が痛いところだろう。いずれにしろ、文政権にとって経済はアキレス腱となるだけに、どう乗り切っていくか注目される。
タグ:中央日報の『人・お金・企業が韓国から出ていく』 利下げはデフレ転落を阻止し、通貨ウォンの下落で輸出を後押しするというメリットがあるが、韓国の場合、海外からの投資資金が逃げ出しかねないというデメリットも抱えている 政策金利を1・50%から1・25%に引き下げることを決定 韓国銀行(中央銀行) 失業率についても19年に4・0%、20年に4・2%と上昇を見込んでいる 人件費や税金の問題から、韓国ではなく東南アジアでビジネスを展開する経営者や、韓国に工場移転を検討していた企業が人件費を理由に採算が取れないとして見送っている事例が紹介 消費者物価指数の見通しだ。韓国は19年が0・5%、20年が0・9%。デフレ脱却道半ばの日本(19年1・0%、20年1・3%)を下回っている 韓国の経済成長率は2019年が2・0%、20年が2・2%と、それぞれ4月時点の見通しから0・6ポイントの大幅引き下げとなった 「世界経済見通し」 IMF 文政権は具体的な手を打っていないのに善戦などできるはずもなく、虚偽の発言というしかない 経済首席秘書官 「韓国経済は善戦している」 「韓国通貨危機! 文政権「韓国経済は善戦」発表直後にIMFからダメ出しの“赤っ恥” 海外の投資家や企業も見限る」 ZAKZAK 今後、再びクーデターが噂されるほどに社会が混乱したら、戒厳令を敷いてデモを抑える手もありますし 朴槿恵政権当時も戒厳令に期待 検察は左翼と戦うのに軍は傍観か? 大統領は広場の声を聞け 「代議制民主主義の崩壊」 メディアが左右対立に油 検察が自らを指揮する権限を持つ法務部長官の家族の不正事件を捜査し、引きずり降ろそうとする異様な状態に陥ったのも、自分たちが「やられる側」になったからです 空気は「過去2回」と似ていた 英国名誉革命、フランス革命、米国独立革命と並ぶ「世界4大革命の1つ」と自画自賛 2016年の朴槿恵退陣要求デモを 「キーセン・デモ」の後にクーデター 今になって辞任させたのは、クーデターの恐怖が高まったこともあった 国会ではなく街頭で争う左右 「曺国法務長官が突然の辞任 それでも残るクーデター、戒厳令の可能性・・・韓国観察者の鈴置高史氏が読み解く」 鈴置高史 デイリー新潮 米中の摩擦が一段と激化し、米国の景気後退への懸念がさらに高まるような展開が現実のものとなれば、韓国経済はかなり深刻な状況に陥る可能性 文大統領の政策運営で懸念される韓国経済の苦境 アップルは、製品原価を引き下げるために、有機ELパネルの調達先をサムスン電子から中国の京東方科技集団(BOE)に切り替えることを検討 世界的な半導体市況などの悪化 米中の貿易摩擦 サプライチェーン混乱の影響度合い 8月の韓国の輸出は前年同月比で13.6%減少 韓国経済に輸出急減の懸念が顕在化 「韓国に輸出急減の懸念、自力での経済安定が望めない深刻事情」 ダイヤモンド・オンライン 真壁昭夫 (その3)(韓国に輸出急減の懸念 自力での経済安定が望めない深刻事情、曺国法務長官が突然の辞任 それでも残るクーデター 戒厳令の可能性、韓国通貨危機! 文政権「韓国経済は善戦」発表直後にIMFからダメ出しの“赤っ恥” 海外の投資家や企業も見限る) 文在寅大統領 韓国
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