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ベンチャー(その5)(アマゾンを“蹴った” 時価総額2兆円ベンチャー スラックが「自主独立」にこだわる理由、フラットな組織も崩壊 「ビジネスの定説」過信で起きた4つの失敗 LayerX・福島良典社長、16歳男子高校生が「種」を売る何とも壮大な理由 わずか15歳で種苗会社を立ち上げた) [イノベーション]

ベンチャーについては、2月11日に取上げた。今日は、(その5)(アマゾンを“蹴った” 時価総額2兆円ベンチャー スラックが「自主独立」にこだわる理由、フラットな組織も崩壊 「ビジネスの定説」過信で起きた4つの失敗 LayerX・福島良典社長、16歳男子高校生が「種」を売る何とも壮大な理由 わずか15歳で種苗会社を立ち上げた)である。

先ずは、8月21日付け日経ビジネスオンライン「アマゾンを“蹴った”、時価総額2兆円ベンチャー スラックが「自主独立」にこだわる理由」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00074/081900004/?P=1
・『米アマゾン・ドット・コムと米マイクロソフトという世界を代表する2社がそれぞれ1兆円規模の買収に動いていたとされるベンチャーが米スラック・テクノロジーズだ。だがスラックは、こうした買収提案を蹴って経営の自主独立を守る方針を貫き、株式上場を果たした。ビジネスチャットという新領域で旋風を起こすスラックの強みはどこにあるのか。日経BPから刊行した『10年後のGAFAを探せ 世界を変える100社』で取り上げた多様なイノベーションを生み出すベンチャーを紹介する本連載の4回目では、スラックを取り上げる。 ビジネス用のチャットツール「スラック」が旋風を巻き起こしている。アプリに文字などを打ち込むだけで、チーム全員で情報を共有できる。1対1でもグループでも、誰とでもチャットが可能なことに加えて、PCやスマートフォンなど端末も選ばない。 仕事をするうえで必要な情報を迅速に共有したり、意見交換したりできることが人気になり、瞬く間にユーザー数が増加。14年のサービス開始から5年で、利用者の数は全世界で1000万人を超えた。電子メールと異なり、宛先アドレスを入力する必要がなく、大事なメッセージが埋もれにくい。返信が重なっても「Re:Re:」のような意味不明な件名に悩まされることもない。 世界的に普及が進むスラックを開発したのが米スラック・テクノロジーズだ。2019年6月20日に米ニューヨーク証券取引所に株式を上場。初値は取引所が事前に示す参考価格を48%上回り、株式時価総額は約195億ドル(約2兆1000億円)に達した。 スラックの2019年1月期の売上高は約4億ドル(約430億円)、最終損失は約1億4000万ドル(約150億円)。売上高規模が小さい、赤字のベンチャーなのに、過大な評価ではないかと思う人は少なくないことだろう。 だが上場前から、スラックは世界的なIT大手から巨額の買収オファーを受けていた。2016年にはマイクロソフトが80億ドルで買収を検討していたと報じられ、2017年にもアマゾンが90億ドルで買収を打診したと報じられていた。 1兆円規模の買収オファーに心が動かない経営者はなかなかいないはずだ。多くの株式を保有する創業者は、莫大な資産を手にすることが可能になる。だが、スラックの共同創業者で最高経営責任者(CEO)のスチュワート・バターフィールド氏は、自主独立の経営を貫く道を選んだ』、高値での買収をオファーされると直ぐに売ってしまうベンチャー企業経営者が多いなかで、骨がある経営者もいたものだ。
・『フリッカーの買収提案を受け入れた苦い経験  買収を拒否する戦略は、マイクロソフトやアマゾンなどを向こうに回して戦うことを意味する。なぜバターフィールド氏はあえて険しい道を進もうとするのか。 背景には過去の苦い経験がある。2004年にバターフィールド氏が共同創業した写真共有サービスのFlickr(フリッカー)。使い勝手の良さが評価され、瞬く間に人気になったが、2005年に米ヤフーからオファーを受けて事業を売却した。 いったんは「世界一のオンライン写真共有サービス」となったフリッカーだったが、あれよあれよという間に転落する。ヤフーの既存サービスと「統合」することを重視した結果、使い勝手が低下。新機能を充実させてイノベーションを生み出すフリッカーの力が弱まってしまったと批判された。 一方で、Facebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)が台頭。友人などとつながるソーシャルな写真共有の場として多くの人に支持されるようになる。フリッカーも、独立した企業として経営を続けていれば、違う発展の道があったのかもしれない。 そんな悔しい経験を持つだけに、バターフィールド氏はスラックのCEOとして、魅力的な買収提案を受けても首を縦に振らず、自分たちの手で経営を続けていく方針を守ってきた。GAFA(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル)に買収された多くのベンチャーの事業は、経営の自主性を失って衰退するケースが目立つとの指摘もある。だからこそ「鶏口となるも牛後となるなかれ」の精神で、スラックは戦ってきた。 それではスラックは、いかにしてイノベーションを実現しようとしているのか。 「急速に移り変わる市場や消費者ニーズに対応するには、企業や組織がアジリティ(俊敏性)を身に付け、変革を続ける必要がある」。バターフィールド氏はこう強調する』、「フリッカーの買収提案を受け入れた苦い経験」があったとは納得できた。
・『アイアンマンがパワードスーツを着るようなもの  従来の企業で主流だった電子メールを使うやりとりは時間がかかり、迅速に仕事を進めるのには向いていないという。「映画『アイアンマン』の主人公がパワードスーツを着るように、ナレッジワーカーは生産性を上げるツールで武装して、組織のパフォーマンスを高めることが求められる。そのニーズに応えるのがスラックだ」(バターフィールド氏) トップ自身が語るように、スラックの魅力は、組織内のさまざまなチームがスピード感を持って仕事を進めやすい環境を実現できることにある。チームで、ファイルやドキュメントを共有し、各メンバーが書き込むさまざまなメッセージを一覧できる。共有ファイルを見ながら、音声・ビデオ通話で議論することも可能だ。 しかもスラックの基本的な機能は「無料」で利用できる。企業が、規模やニーズに応じた機能を追加したり、サービス保証や24時間サポートを受けたりするプランにアップグレードした場合に、有料課金する仕組みだ。 こうした特徴が支持されて、スラックは電子メールに代わるビジネスのコミュニケーション手段として普及が進んでいる。IT大手の米IBM、ライドシェアの米リフト、小売り大手の米ターゲットから、フリマアプリの日本のメルカリまで、幅広い業種の企業で採用が広がっているという。 「世界の企業は、ERP(統合基幹業務システム)に年間300億ドルを投じており、CRM(顧客情報管理)市場も250億ドルに成長。スラックのようなコミュニケーションツールの市場は、現在は高く見積もって10億ドル程度だが、100億ドル規模に育っても不思議はない」。バターフィールド氏はこう語る』、「スラック」は確かに便利なツールのようだ。
・『「チームズ」で逆襲するマイクロソフト  もちろんスラックの買収をかつて検討していたとされるマイクロソフトも黙ってはいない。スラックと似た機能を実現する競合製品の「Microsoft Teams(チームズ)」を投入。マイクロソフトの「Office 365」で利用できるチャットツールだ。マイクロソフト製品は、ビジネス市場に広く、深く、浸透しているだけに、間違いなく強力なライバルになる。 巨人の攻勢を受けても、バターフィールド氏の自信は揺るがない。「マイクロソフトの動きは脅威ではなく追い風。スラックが狙う市場は有望とのお墨付きが得られたわけだから。当社は米IBMや米オラクル、独SAPなど大手から新興系まで、多くのIT企業とパートナーシップを結んでいる」 企業内の情報のやりとりで最も重要なのは今後も「テキスト」であり続けるという。スラックは、AI(人工知能)や機械学習を駆使し、過去のやりとりを簡単に共有できる技術の開発に取り組む。優先順位の高いメッセージを抽出したり、要約したりすることもできるようになりそうだ。進化を加速させることで、ビジネスチャットのリーダーとしての地位を揺るぎないものにしようとする。 「10年後にグーグルのようになるのか」とバターフィールド氏に聞いたところこんな答えが返ってきた。「扱う技術が違うから置き換わることはないだろう。だが、同規模の成功を収められるかという質問なら、答えは『イエス』だ」』、「マイクロソフト」からの攻勢を「進化を加速させることで」受けて立とうというのは勇ましい。今後の動向を注目したい。

次に、10月23日付けダイヤモンド・オンライン「フラットな組織も崩壊、「ビジネスの定説」過信で起きた4つの失敗 LayerX・福島良典社長」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/218157
・『資金調達にサービスの立ち上げ、上場や事業売却と、ポジティブな側面が取り上げられがちなスタートアップだが、その実態は、失敗や苦悩の連続だ。この連載では、起業家の生々しい「失敗」、そしてそれを乗り越えた「実体験」を動画とテキストのインタビューで学んでいく。第5回はGunosy創業者でLayerX代表取締役社長の福島良典氏の「失敗」について聞いた。 ニュースアプリ「グノシー」を提供するGunosyの創業は2012年のことだ。東京大学大学院に在学中の福島氏とその同級生だった吉田宏司氏、関喜史氏が2011年に趣味として公開したサービスこそがその母体になっている。 起業後、サービスは順調に成長。2015年には東京証券取引所マザーズ市場への上場を果たした。創業から2年4カ月というスピードだった。2017年には東証一部市場に市場を変更している。 その後福島氏は、2018年8月にブロックチェーン領域の事業を手がける子会社のLayerXを設立。同社の代表取締役社長に就任する。 2019年7月には、そのLayerXをGunosyからMBOして独立。同10月には取締役にユナイテッド元取締役でXTech Ventures共同創業者の手嶋浩己氏らを招聘(しょうへい)して、新体制で事業を展開している。そんな福島氏に、Gunosyの創業秘話と、当時経験した4つの失敗を語ってもおう』、絵に描いたような成功物語のように思えるが、やはり「失敗」はあったようだ。
・『創業からの7年間「苦労しかなかった」  グノシーは、もともとは機械学習の研究室にいた同級生3人で「何か自分たちで作りたい」という話をしていたところからはじまったサービスです。機械学習の分野では、自分たちでプログラムを書いて、自分たちでデータをさわっていないとスキルが上がりません。だからプロダクトも自分たちで作らないといけないと考えていたんです。いざ作ったところで、正直なところ、それがビジネスになるかどうかも分かりませんでした。 ですがおかげさまでサービスはすぐに伸びてきて、「スマートフォン×ニュース×機械学習」という領域に可能性を感じるようになっていました。それと同時に、趣味として週末にメンテナンスをしている程度では、サービスは終わってしまうとも思いました。サービスって、常に改善していかないと死んでしまうんです。 長い目で見たとき、インターネット上に記事が増えてきて、「ニュースはパーソナライズされるのが当たり前」となる世界が来ることについては確信がありました。もしそれを僕らがやらなかったら、グーグルやヤフーがやるんじゃないか?それって悔しい、と思ったんです。そうしたことが起業につながりました。 もう1つきっかけになったのは、当時のスタートアップバブルです。周囲の大学生が続々と起業するタイミングでした。当時僕は22、23歳の頃。一度起業して、失敗したとしても、そのあとは普通に働けると思ったんです。ビジネスにできるかどうかは分からない。でも信じられる未来がある。キャリアとして考えれば、スタートアップをやるのはむしろ人生にとってプラスだろうと考えたんです。 結果として、僕たちは創業から2年4カ月で上場することができました。世間一般の定義で見れば、僕たちの起業は成功だと思います。ですが、起業家として走っていた僕自身は、めちゃくちゃ失敗をしていたんです。サービスが本当に伸びるのか、マネタイズが本当にできるのかと、不安なことも数多くありました。事業をするお金も集まって、「やるしかない」と覚悟を決めてもがき続けた7年間です。よく「急成長して、苦労はかなかったんですか?」と聞かれるのですが、「苦労しかなかったですよ!」としか言えません(笑)。 (競合サービスも同じ時期に出てきていたので)競争も意識せざるを得ませんでした。ですから、「絶対的な数字が伸びてる」ということよりも、競合やグローバルにあるサービスと比較して、細かいことや新しいことをしないといけないという危機感を持ち続けていました。もっとユーザーにとって便利なサービスにしなければいけない。でも便利なだけでも使ってもらえない。何よりまず、どうやったら知ってもらえるのか。そんなことをひたすら考えていました』、「「やるしかない」と覚悟を決めてもがき続けた7年間です」、「競合やグローバルにあるサービスと比較して、細かいことや新しいことをしないといけないという危機感を持ち続けていました」、やはりこうした「危機感」を持ち続けることが大切なようだ。
・『マーケットが伸びる前に勝負に出る  ニュースアプリとしてのグノシーは、上場した年に初めて利益が出ているんです。それがなぜここまで成長したのかを考えると、「マーケットが伸びたから」のひと言に尽きると思っています。もちろん、ものすごい努力をしてきた自負はあります。ですが同じように努力しても、マーケットがずれていたために幸運を受けられなかった企業はたくさんあると思っています。それは、紙一重の差だったんだと思います。 当時、「スマートフォンで、アルゴリズムを使ってニュースを効率化していく」というところで勝負したのが、世の中に刺さったんだと思います。その時点だと、多くの企業にとっては「やってくる(マーケットができる)」かどうか分からなかった。まだマーケットが伸びるか怪しい時に勝負に出たからこそ成長できたんだと思っています。 2015年に上場して、2017年に東証一部上場まで会社を経営してきました。そして今、ブロックチェーンという次の大きな流れを感じています。インターネットが始まって以来の大きな革命に挑戦しようと思い、もともとGunosy傘下だったLayerXをMBOしました。 LayerXの事業は、ブロックチェーンを使ってプロダクトを作りたい企業に対して、そのお手伝いをするというものです。企業に対して開発のコンサルティングをしたり、ビジネスモデルの構築をしたりとお手伝いしています。僕らは企業に向けてソフトウェアライセンスを作り、それを使っていただく、もしくは提携や共同事業なども進めていきます。AIの領域で言えば、PKSHA Technology(パークシャーテクノロジー)、PFN(Preferred Networks:プリファードネットワークス)、HEROZといった開発会社がありますが、そのブロックチェーン領域版です。 インターネットの大きな波がやってきた中で“正しいポジション”を取った企業は大きくなっているんです。ヤフーや楽天、サイバーエージェント、グローバルならGoogleやAmazonですね。そのあとにはモバイルインターネットの波もありました。彼らは大きなリスクを取り、それをコントロールしてきました。同じように、大きな入り口に立たないと成功は難しいと思っているんです。パラダイムシフトが起きる時、リスクを取って“ファーストペンギン“――つまり新領域に一番乗りで挑戦するスタートアップになりたいと思っています。僕らはブロックチェーンについて、時代がやってくると確信しています。ですがまだ確定しているわけではなく、周囲は半信半疑です。そんなところに張りたいと思っています』、頼もしい心掛けだ。
・『「自分の頭で考えていなかった」で直面した、4つの失敗  僕は今まで多くの失敗をしてきました。その原因は何かいうと、「自分の頭で考えていなかった」ということ。自分の頭で考えきらずに、マーケットで言われている常識や定説と、起業家として直面する「リアル」に差があることに気付いていなかったんです。 具体的には、(1)「フラットな組織がいい」と言われていたが、実際には崩壊してしまったこと、(2)「テレビCMはブランディングだ」と言われていたが、実際に作ってみるとCPA(Cost Per Action:1人あたりの獲得コスト)が想定の100倍になってしまったこと、(3)「アプリはプラットフォーム化すべき」といわれていたが、実際には誰も使ってくれなかったこと、(4)「受託ビジネスはよくない」と言われていたのに、今は受託で伸びている会社がいること。この4点です。 まず、フラットな組織についてです。僕は、人の出せる能力の総数は「能力×情報へのアクセシビリティ」だと思っています。ですがここで人間のメカニズムを無視しちゃいけないんです。どういうことかというと、人間本来の機能的に「部下を一定数以上付けるとマネジメントが破綻する」ということがあります。Slackのようなツールを使うことで多少は補完できても、1人で100人のマネジメントはできないんです。 それなのに「フラット=階層的でない組織」と一面的に考えてしまい、(中間層の)マネージャーを置かなかった。その結果、マネージャーは部下の体調管理すらできなくなってしまって、チームに不満がたまり、多くの人が辞めていくことになりました。フラットな組織の良さって、つまりは情報の平準化だったんです』、本来、組織の在り方は、業種、企業の発展段階、従業員の質など多くの要素により決まるので、「フラット」が最善とはいえない筈だ。福島氏も実践するなかで、問題点を解決していったようだ。
・『次にテレビCMについてです。CMを作った経験はこれまでありませんでしたが、有力なマーケティングの手段だろうとは考えていました。これまでやってきたモバイル広告の運用では、(クリエイティブを複数作り)CPA、、つまり獲得単価を見ながら高速でPDCAを回すという手法をとってきました。ですが、テレビCMは素材1つ1つのコストもかかります。それで、「ドーンと作って、バーンとやる。ブランディングなので、CM中に同じフレーズを何度も言う」といった提案をいただいたんです。 僕らが未熟だったので、何の疑問も持たずにそのとおりCMを制作した結果、CPAが想定の100倍になってしまったんです。もちろん同じ作り方でユーザーをうまく取った企業もあるんですが、僕らは数字を地道に見つめて、積み重ねていた会社です。テレビCMだってモバイルマーケティングのように何かしらの指標を作るべきだったんです。その後、クリエイティブを出し分けて、反響を測定していくことで、CMの効率を上げることができました。「得意な方法」を最初からできなかったのは、大きな反省です』、「クリエイティブを出し分けて、反響を測定していくことで、CMの効率を上げることができました」、と改善したところはさすがだ。
・『3つめのアプリのプラットフォーム化ですが、中国の「WeChat」はご存じでしょうか? 彼らはメッセンジャーアプリからスタートして、決済をはじめとした機能を増やしてアプリをプラットフォーム化していきました。彼らを見て、生活での接点を増やして、ユーザーのエンゲージメントを強くするいい事例だと思っていたんです。インターネットの歴史を調べると、Yahoo!もそうですが、プラットフォーム化、ポータル化は“王道”の戦略です。じゃあグノシーでもニュース以外の接点を持てないかとやってみたんですが、これがユーザーに使われなかったんですよ。 戦略的には正しいという思い込みがあったんですけど、結局のところ、ニュースを読みたい人はニュースを読みたいんです。旅行の予約をしたいわけでも、マンガを読みたいわけでもありませんでした。ネットサービスでは「プラットフォーム化」とはよく言いますが、意味がない多機能化をしても仕方ないんです。大事なのはマーケットを観察することと、「何を求めているか」を考えることなんです』、確かに、一時は「ポータル化」が流行ったが、それに成功したのはごく一部にとどまったようだ。
・『「受託」が正解だったと証明したい  4つめの受託ビジネスは、今まさにLayerXで挑戦しているところです。前述のPKSHAやPFNなどは、機械学習の領域でも、(自社サービスではなく)クライアントワークや企業との共同事業をメインにしています。この10年ほどで生まれたスタートアップの中を見ると、メルカリやSansanのような飛び抜けた事例を除いて、領域として大きく成長しているのは、実はこの領域(機械学習関連の受託事業)だけなんです。 「受託」というと誤解を生むかもしれませんが、パートナー企業からお金をいただいてサービスを作る、ということに可能性を感じています。もちろん自社だけでできる事業で協業をすると、意志決定のスピードは(パートナーに引きずられて)遅くなります。ですが、たとえば「自動運転の技術を作りたい」となった時に自動車の企業と組まないのは筋が悪いですよね。結局「何がプロダクトを作るまでの最速なのか」を考えないといけません。 また、日本はベンチャーファンディングで研究開発をするのが難しい国なんです。もちろんその後は自社サービスをやるのですが、最初はクライアントワークをやっていたという企業は多いんです。ZOZOはECサイトの開発をやっていたし、サイバーエージェントは広告代理店業を今もやっています。GMOも、オンザエッヂ(のちのライブドア)もそうです。 もちろん受託にも質があります。売り上げなり、ノウハウなり、アセットなりがストックされていくものでなければいけません。それでビジネスへの入り方を間違えなければ、大きくスケールします。世の中的には「受託はカッコ悪い」と言われます。ですが、小さいときにはクライアントワークでも成長するので資本効率的には悪くないんです。そこも含めて、考え方をフラットにしないといけません。僕らも現在進行形でトライしているところです。これが正解だったと証明していきたいと思っています』、「小さいときにはクライアントワークでも成長するので資本効率的には悪くないんです」、その通りだろう。
・『原理原則はあっても、「自分で考える」ことが大事  これからの起業家の皆さんには、「とにかく自分で考えよう」と伝えたいです。起業家というのは、ないものづくしな中でジャイアントキリング(格上を倒す番狂わせのこと。ここではスタートアップが大企業を超えることを指す)を起こさないといけません。 今は、僕が起業した頃よりもまわりにアドバイスをしてくれる人もいるし、書籍も含めて、情報量が増えています。そこから学ぶ「原理原則」はあるんですが、そういうものはツールでしかありません。結局ジャイアントキリングを起こすには、その人しか見つけていない型であったり、考え方が必要です。瞬間瞬間、自分の組織に合った意志決定が求められるんです。 組織個別性の「正しさ」しか、スタートアップが大企業に勝つ道はありませんから。常識が勝つ世界、定理で勝つ世界というのは、すなわち大企業が勝つ世界なんです。スタートアップは失敗する。一度失敗するからこそ、リカバリして勝つ。それがスタートアップの真理です。僕はこれからもたくさんの失敗をするでしょう。でもそこで諦めずに、立ち上がります。そうやっていくのが真の起業家なんだと思います。福島氏の略歴は省略)』、「常識が勝つ世界、定理で勝つ世界というのは、すなわち大企業が勝つ世界なんです。スタートアップは失敗する。一度失敗するからこそ、リカバリして勝つ。それがスタートアップの真理です」、その通りなのだろう。私にはスタートアップはいまさら難しいようだ。

第三に、作家・生活史研究家の阿古 真理氏が11月8日付け東洋経済オンラインに掲載した「16歳男子高校生が「種」を売る何とも壮大な理由 わずか15歳で種苗会社を立ち上げた」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/313162
・『15歳という若さで種苗会社を始めた高校生がいる。東京在住の小林宙(そら)氏、現在16歳の高校2年生だ。会社の名前は「鶴頸(かくけい)種苗流通プロモーション」。伝統野菜を主とする種と苗と、農薬・化学肥料不使用の伝統野菜の販売を行っている。 京都名物、千枚漬けの材料になる聖護院かぶら、東京の練馬大根、金沢野菜の金時草、鹿児島の桜島大根、味のよさで知られる山形のだだちゃ豆。最近、食の世界で注目を集める伝統野菜のブランドはもともと、土地の人たちが種を採り受け継いできた在来作物である。ほかにも、全国には多様な在来の野菜や穀物がある』、「15歳という若さで種苗会社を始めた高校生」、とは驚いた。
・『幼少期から種と植物に興味があった  一方、私たちが普段スーパーや八百屋で購入するのは、種苗会社が種を管理し販売するF1種と呼ばれる1代限りの交配種だ。農家は毎年、種を買わなければならないが、栽培や収穫が楽なので、昭和後半に多くの産地で在来作物と入れ替わっていった。例えば神奈川県の三浦大根は、1979年の台風20号で大きな被害に見舞われたことをきっかけに、F1種の青首大根が急速に普及し、栽培が衰退した。 F1種に押され、絶滅の危機に瀕する在来作物を守ろうと取り組む人たちは、全国にたくさんいる。それでも、衰退を止められない。もう一刻の猶予もない、と会社を立ち上げたのが小林氏だ。 インターネットなどで全国の種苗会社から仕入れた種は、小学生時代から通っていた絵本カフェや、農業書センターのほか、花屋、カフェなど10店ほどの店で委託販売をしている。店の販売スペースをふさがないよう、袋は小ぶりにし、1袋200円を中心にしている。大量に売れるのは、都内のほか全国で開かれる食のイベントに参加した折だ。 平日は学業で忙しいので、仕事をするのは週末。細かい作業で手間がかかる種の袋詰めには、2人の妹や学校の友達に手伝ってもらうこともあるという。それにしても、この若さにしてなぜ種苗、しかも在来種に特化した、会社を始めようと思ったのだろうか。 小林氏は、幼少期から種と植物に興味を抱いてきた。最初のきっかけは、小学校1年生のとき。学校で育てた朝顔から種を採り、再びまいてみたところ見事に花を咲かせたのに、2度目は葉があまり茂らず茎も頼りなく、咲いた花がとても小さかったのである。一方、幼稚園児の頃、庭に埋めたどんぐりは、めったに生えてこないはずなのに芽を出した。こういった出来事から好奇心をかき立てられ、野菜の苗を買って育てるようになった。 あるとき、ホームセンターの種売り場に、苗では売られていない野菜の種がたくさんあることに気づく。野菜や種についてもっと知りたい、と東京・神田神保町で古書を探し、専門的な本を集める農文協・農業書センターにも通い始める。 中学生になると、インターネットでも自分が知らない種がたくさんあることを知り、もっと集めたいと思うようになる。たくさんある種の中に、在来野菜のものもあった。それらの種は、栽培されている地域の種苗店へ行かなければ手に入れることができない。そこで、家族で父親の出身地の長野県や、父方の祖父が住む新潟県へ帰省するたびに、近辺の種苗店を回るようになった。長野県や新潟県には種苗店がたくさんあった』、「私たちが普段スーパーや八百屋で購入するのは、種苗会社が種を管理し販売するF1種と呼ばれる1代限りの交配種だ」、初めて知った。「野菜の種」についての興味は本格的だ。
・『種苗店が廃業している実態を知る  中学生になると、両親から「関東の日帰り圏内なら、1人で行っていいよ」と言われ、関東の種苗店を回るようになった。高校生になると、「泊まりで行ってもいいよ」と言われる。夏休みなどの長期休暇に1週間ほどかけ、素泊まりできる民宿や、バックパッカーが泊まる宿などに泊まる旅をしている。 小林氏は民宿で、地元の食材を使った料理などを教えてもらうという。「種から育てたものを、その地域の食文化の中でどう食べるのか知ることも大事。自分で種を採る農家の人たちは、自分の好みの味にしようと思って種を選んで育てるので、その地域でどういう味がおいしいと思われているのか、体感しておきたい」と小林氏は説明する。 各地を回るうちに、種苗店がどんどん廃業していることに気づいた。「日本種苗協会という業界団体から脱会する人が多いのです」と小林氏が言うので、協会のウェブサイトを調べたところ、2018年度には27人も脱会していた。 「次に、お店にある資料を見て、『この種ありますか?』と聞くと、『その種を採っている人が亡くなっちゃったから、扱えないわ』と言われることが、行く先々であるんです」と小林氏。実情を知るにつけ、種を守らなければという思いが募る。 2018年、高校合格が決まってすぐに会社を起こしたのは、在来作物の種を全国区で流通させることが、「日本全体で種をコレクションするのと同じ」と考えたからだ。「地域を超えて種の需要を生み出し、全国規模で流通させることで保存していく」ことを社是としている。 起業にあたり、小林氏はまず父の了解を得るため、企画書をまとめた。書類を作ったのは、小林家にはおこづかい制度がなく、欲しいものを親に説明してお金をもらい、購入後は領収書を渡す習慣があったからだ。父は、驚きつつも会社形態にすると責任も持つのでよい経験になる、と認めてくれた。 両親は会社勤めで親戚は教員中心と、種の会社を設立する手続きについて詳しい大人は周りにいない。小林氏は、インターネットや法律関係の書籍などで調べ、種苗店にも相談した。 「中学生がアポイントを取ろうとしても、絶対断られる。直接社長に会えそうな小さな会社へ行こうと、社長が日本種苗協会の理事をしている埼玉県の野原種苗を訪問しました。販売する種の袋に書く情報や、写真の版権についてなど、いろいろ教えていただいてお世話になりました」』、「「地域を超えて種の需要を生み出し、全国規模で流通させることで保存していく」ことを社是」、とは本格的だ。
・『多くの人に支えられ事業が広がっていく  10代の小林氏は、たくさんの人に支えられている。いちばんの支えになっている両親は、折々に助け舟を出してくれた。栽培について詳しいのは農文協の書籍、と教えてくれたのは母。同僚から群馬県伊勢崎市に畑を借り、開業届を出すのに同行してくれた父。 小学生のときに母に連れられて行った食のイベントでは、農文協に知り合いができた。そして、当時同協会が発行していた『のらのら』という子供向けの農業誌で取材された。小学校6年生のとき、同誌の企画で都内に住む種採り名人から、種の採り方を教わったのである。 「その方はサラリーマン。会社の屋上の菜園で、公園で落ち葉を拾って堆肥を作り有機栽培しているんです。都会に住んでいても、自分で動いたらできることがあるのではないか、と気づかされました」と小林氏は話す。 中学校の課題の職場体験でも、農文協で編集補助をさせてもらった。親しくなった編集者に、畑で野菜が穫れすぎた話をすると「売りにおいでよ」と言われ、イベントで販売させてもらったこともある。店を手伝ったからと農文協の本をもらい、野菜を詰めてきた段ボールに、今度は欲しい本を詰めて帰る。そして野菜や種についての知識をたくさん教えてもらってきた。) 起業してまだ2年目のため、種の販売だけで利益はそれほど上がらない。伊勢崎市の畑で作った野菜を販売する、イベントの講師や執筆などで、運営資金を捻出している。今年9月には『タネの未来 僕が15歳でタネの会社を起業したわけ』という本も出した。自分の給料が必要ないので、何とか赤字にならずに回っているという程度だ。株式会社にはしておらず、個人事業主なのでそれでも大丈夫なのだという。 NPOにする方法もあるのではないかと問うと、将来、農業法人化して畑を借りることを考えているから、企業が望ましいという小林氏。「種がなくなっていくのは、農家の副業として種採りができる人がいなくなっているからで、種採りの技術を継承する人を増やせるようにしたいと思っています」と話す。 そして、補助金をもらいながら運営する方法は難しいと言う。「やり始めたら際限のない仕事なので、使用目的を限定する補助金は違うのかなと。もちろん協賛してくださる方から寄付をいただくのはいいと思います。今はクラウドファンディングなど、事業を応援してもらう方法は、いろいろありますから」』、「高校生」とは思えないほどしっかりしていて、頼もしい。
・『利益より種を流通させることが大事  鶴頸種苗流通プロモーションは今のところ、将来も副業とするつもりだとも言う。「好きなことを本業にすると失敗する、という話をよく聞くので。それに、お金にならないから辞める、という事態を避けたいです」と語る。 利益より、種を流通させることが大事と考える小林氏。委託販売を行うのも、種に興味がなかった人に知ってもらうことが目的の1つである。 小林氏がそこまでして種を守ろうとするのは、多様性を守るためである。有名な話では、1845年にアイルランドでジャガイモ飢饉が起こり、国民の2割以上が餓死し、大量の移民をアメリカなどに出したことがある。それは、単一品種のジャガイモに食料を頼っていたことが原因だった。 今は気候変動が激しく、従来の作物が育てにくくなっている地域もある。多様な種があれば、暑さに強いものなどを掛け合わせで作ることもできる。在来作物を守ることは、野菜や穀物のバックアップをしておくことに等しいのだ。) ただ、在来作物の中には、気候と土壌が変われば特徴ある形や味を失うものがある。例えば大阪の天王寺蕪は、江戸時代に長野の野沢温泉村の健命寺住職が種を持ち帰って育てたところ、茎葉ばかりが成長して野沢菜となった。 全国区で種を流通させれば、特徴を維持できないのではと問うと、「守ることは種苗会社や熟練の種採りの方がやってくださっている。僕は新しい伝統野菜を作ることも大事だと思います。いろいろな地域で新しい野菜が生まれれば非常に面白いですし、町おこしにつながるかもしれない」と明快に答えてくれた』、「アイルランドでジャガイモ飢饉・・・それは、単一品種のジャガイモに食料を頼っていたことが原因だった」、「種を守ろうとするのは、多様性を守るため」、高校生とは思えない説得力がある。
・『種の保存は、地域の食文化や歴史を守ること  種を守ることで野菜や穀物の多様性を守ることは、地域の食文化を守ることであり、受け継がれてきた歴史を守ることでもある。同時に、食料危機を防ぐためでもある。気象変動のため、当たり前に食べてきたものが食べられなくなるかもしれない、と考えればこれが誰にとっても切実な問題であることがわかる。 しかし、小林氏のように若い世代が新しい発想で、種を守る活動に参画していけば、野菜の未来は変わるかもしれない。 平成の30年間に、インターネットの普及で、情報収集や情報交換の手段は多様になった。グローバリゼーションの進行で、社会の構造も大きく変化した。今、世の中は新しい発想、新しい才能を必要としている。年齢や経歴に関係なく、未来を築こうとする人を助けたい、と望む人たちもたくさんいる。 利益を上げることは大切だが、それ以外にも大切なことがあると考える若い世代が登場してきたのは、社会が成熟した証しと言える。さまざまな問題は山積しているが、案外私たちの未来は明るいかもしれない』、こういう志がある若者がいるというのは、例外的存在なのだろうが、頼もしい。
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