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交通事故・あおり運転(その1)(歩行者の死亡事故ダントツの日本 ドライバー厳罰化で解決できない理由、あおり運転で手配の宮崎容疑者 青年実業家と注目されるも「外車やルイ・ヴィトン好きでキレたら恐ろしい」、悪質すぎる「あおり運転・暴行事件」はなぜ起きたのか?加害者の心理 悲惨な事件を防ぐ「治療法」は存在する) [社会]

今日は、交通事故・あおり運転(その1)(歩行者の死亡事故ダントツの日本 ドライバー厳罰化で解決できない理由、あおり運転で手配の宮崎容疑者 青年実業家と注目されるも「外車やルイ・ヴィトン好きでキレたら恐ろしい」、悪質すぎる「あおり運転・暴行事件」はなぜ起きたのか?加害者の心理 悲惨な事件を防ぐ「治療法」は存在する)を紹介しよう。

先ずは、ノンフィクションライターの窪田順生氏が5月9日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「歩行者の死亡事故ダントツの日本、ドライバー厳罰化で解決できない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/201713
・『5月8日、滋賀県大津市でまたもや保育園児の列にクルマが突っ込み、園児2人が死亡するという痛ましい事故が起きた。ただ歩道を歩いているだけの人が次々にクルマにはねられるという現実の裏には、歩行者軽視の交通政策がある』、具体的にはどういうことなのだろう。
・『ドライバー厳罰化では痛ましい事故は減らない  クルマの安全技術をもっと進化させるべきだ。いや、それよりもまずは危険運転の厳罰化と、高齢者など危なっかしいドライバーの規制も本格的に検討すべきではないか――。 なんて感じで、呑気な議論をしている間に、またしてもクルマによって、何の罪もない人々の命が奪われてしまった。 昨日、滋賀県大津市で、散歩中に交差点で信号待ちをしていた保育園児たちの列に、普通乗用車と衝突した軽自動車が突っ込んで、2人の園児が亡くなり、9人が重傷を負ってしまったのである。 少し前に、87歳の元通産官僚の「踏み間違い暴走」によって31歳の母と3歳の娘が亡くなって、日本中が自動車事故の恐ろしさを思い知ったばかりだろ、とドライバーに激しい怒りを抱く方も多いかもしれない。 ただ、このような事故を起こしたドライバーを社会でボコボコに叩いて厳罰に処したところで、しばらくしたら同じように子どもを巻き込むような事故は起きるだろう。この何十年、何度も繰り返されてきたことである。 「だからこそ、官民が一体となってクルマの安全技術を進化させなくてはいけないのだ!」という勇ましいかけ声が聞こえてきそうだが、その素晴らしい技術が日本中の車に搭載されるまで、あと一体どれだけこのような犠牲者を出さなくてはいけないのかという問題がある。 安全技術を確立するのは当然としても、まずは1人でも犠牲者を減らすため、長らく放ったらかしにしている問題に手をつけるべきではないか。 その問題とは何かというと、「歩行者軽視」だ。 ご存じの方もいらっしゃるかもしれないが、実は日本の歩行者は、他の先進国より自動車事故の犠牲になりやすいという事実がある』、恥ずかしい事実だ。
・『ほかの先進国に比べてダントツに多い歩行者の死亡事故  国際道路交通事故データベース(IRTAD)によると、30ヵ国の人口10万人当たりの死者数では、日本は3.8人(2015年)と10番目に少ない。ノルウェー(1位)やスウェーデン(2位)、英国(3位)などには及ばないものの、先進国水準といえる。 しかし、この犠牲者たちがどのように亡くなったのかという「状態別交通事故死者数」というデータを見ると、その評価はまったく変わってくる。 クルマに乗っている時に亡くなる「乗用車乗車中」は、死者数の少ないスウェーデンで55.6%。フランスや英国、ドイツなどもだいたい50%くらいとなっているのだが、なんと日本の場合は、それらの半分以下の21.4%に過ぎないのだ。 「見たか!これが世界に誇るメイドインジャパンの安全技術なんだよ!」と、どっかのテレビ番組のように大ハシャギしてしまう方もいるかもしれないが、実はこの低い割合は、日本のクルマが素晴らしいからだけではない。 別のシチュエーションの死亡率がダントツに高いのだ。もうお分かりだろう、「歩行者」だ。 日本で歩行中に事故に巻き込まれて亡くなったのは37.3%。これがいかに「異常」なことなのかということは、他の先進国の割合を見ればわかる。スウェーデンは10.8%、ドイツは15.5%、英国でも23.7%なのだ。 このデータからもわかるように、道路がしっかりと整備され、歩行者の安全も確保されているような先進国の場合、自動車事故とはハンドルを握るドライバーや同乗者が亡くなるのが一般的だ。 しかし、日本ではどういうわけかそうなっておらず、自動車事故というと、人を跳ね殺す、轢き殺すというパターンがメジャーになっている。なぜかというと、クルマに乗る人の安全確保や、自動車道路の整備ばかりが注力され、歩行者の安全対策がないがしろにされてきたから。要するに、「歩行者軽視」という悪習が続いてきたのだ』、2016年でも下記のように3.7人とほぼ高水準横ばいだ。
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h30kou_haku/zenbun/keikaku/sanko/sanko02.html
・『訪日外国人が怒りを覚える「クルマ優先社会」日本  という話をすると、「日本は欧米のような車社会じゃなく、公共交通機関が充実して歩く人の割合が多いから死亡率も多くなっているだけだ!」と、どうにかして、自動車事故で歩行者の死亡率が高いことを正当化しようとする人たちがいるが、日本も地方へ行けば、すぐ近くのコンビニへ行くのもクルマという、かなりのクルマ社会である。 事実、日本自動車工業会が公表している2015年末の人口1000人当たりの自動車保有台数を見ても、日本(611台)は、英国(591台)、ドイツ(598台)を上回っている。また、百歩譲って「日本はクルマ社会ではない」ということにしても、日本が「歩行者軽視」であるという事実はまったく変わらない。 日本が他の先進国よりも歩く人の割合が多いのなら、他の先進国よりも歩行者が優遇されなくてはいけない。しかし、現実はどうか。 自動車道路は広くて3車線あっても、歩道は狭い。すれ違うと肩がぶつかるし、ベビーカーを押していると急いでいる人に舌打ちされるほどだ。しかも、自動車の往来を邪魔しないように、歩行者は歩道橋を渡ることになっている。 そんなの当たり前でしょ、と思うかもしれないが、外国人には、これはかなり「異常な光景」である。ニューズウィーク日本版でコラムを執筆するコリン・ジョイス氏もこう述べている。 「歩道は狭過ぎて混雑し過ぎ。そして、なぜ道路を渡るのに、僕が階段を上らなければならないのか? 車が優先されていることに、僕は憤りを覚えた」(2018年2月7日) なんてことを紹介しても、憤りを覚えたのはこっちだとキレる人がほとんどだろう。 多くの日本人が抱くセルフイメージでは、日本社会は歩行者優先で、歩道や横断歩道を歩いていれば100%安全。クルマのドライバー側も、歩行者の安全をいつも気にかけている、という世界一交通マナーの素晴らしい国ということになっているからだ。 が、残念ながらこれもデータを見ると、「妄想」に過ぎない』、確かに、日本は「クルマ優先社会」で、「歩行者軽視」だ。
・『子どもが犠牲になる事故は過去数年で何件も起きている  2016年、JAFが各都道府県で2ヵ所ずつ、全国合計94ヵ所で信号機のない横断歩道を通過する1万26台を対象に調査をしたところ、歩行者が渡ろうとしている場面で止まったのは757台(7.6%)だった。 厳しいようだが、これが日本の現実なのだ。 だからこそ、歩行者軽視を変えなくてはいけない。歩道の広さを見直し、ガードレールを整備する。子どもの多い通学路などは、時間帯によって進入制限や速度制限を設けることも必要だろう。 日本が「歩行者軽視」であることは、歩行者の中でもっとも弱い立場である子どもの犠牲が後を断たないことからも明らかだ。 昨年1月30日、岡山県の県道でクルマ5台がからむ衝突事故が発生して、トラックが集団下校中の児童の列に突っ込み、4年生の女児の尊い命が奪われた。その2日後には、大阪府の市道で重機が警備員の制止をふりきって歩道に乗り上げ、聴覚支援学校の生徒や先生をはね、やはり11歳の女児が帰らぬ人となった。 2017年10月には、大阪府枚方市で集団登校していた子どもたちの列に、乗用車が突っ込んで6人が重軽傷を負っている。免許取り立てのドライバーは「(太陽が)まぶしかった」と述べたという。 2016年10月には、横浜市で集団登校中の子どもの列に軽トラックが突っ込み、小学1年生の児童が亡くなった。同じ月には愛知県一宮市で、下校中の4年男児がトラックにはねられ亡くなった。ドライバーは運転中に「ポケモンGO」をやっていた。さらに、その翌月には千葉県八街市でも集団登校の列にトラックが突っ込んで、児童4人が重軽傷を負っている。 他にも例を挙げればきりがない。これらを一部のドライバーのせいや、安全技術の未整備のせいにしているだけでは何も変わらない。 では、変えるためにはどうすればいいのかというと、まずは歩行者軽視という現実を認めなければいけない。 日本は、歩行者に厳しいという事実を受け入れて、それなりの対策をとるべきだ。これ以上犠牲者を増やさぬためにも、いい加減そろそろ、このあたりの耳の痛い話と本気で向き合わなくてはいけないのではないか』、説得力ある主張で、全面的に同意する。

次に、8月17日付けAera.Dot:週刊朝日「あおり運転で手配の宮崎容疑者 青年実業家と注目されるも「外車やルイ・ヴィトン好きでキレたら恐ろしい」」を紹介しよう。
・『茨城県守谷市の常磐自動車道で8月10日、「あおり運転」し、男性会社員(24)を殴るなどした容疑で、全国に指名手配された宮崎文夫容疑者(43)は、今も逃走したままだ。 SNSなどによると、宮崎容疑者は大阪府出身で関西の有名私大を卒業後、会社勤務などを経て不動産事業、コンサルティング会社などを設立。 宮崎容疑者は自身の事業についてインタビュー記事で『私は祖父が所有していたマンションを受け継ぎ、2003年から個人事業主として自社物件を含めた不動産の管理・取り引きや賃貸業を始めました。そして、昨年2018年2月に法人化したんです(略)グループ会社を設立し、経営などのあらゆるご相談や、困りごとにお応えするコンサルティング業務を手がけています』などと語っている。 行方を追う茨城県警は宮崎容疑者の大阪の自宅や会社、名古屋の会社、神奈川県の関係先など各所を捜索しているが、まだ行方はつかめていない』、その後、逮捕されたが、6月にも浜松市の新東名高速道でトラックを相手に「あおり運転」をしたようだ。
・『「あおり運転の動画や、被害者の車にあった指紋からも宮崎容疑者を特定した。動画に映っている女性についても、犯行に関わった疑いがあり、事情を聞くことになる」(捜査関係者) 宮崎容疑者は事件当時、自身が経営する大阪市内のマンションの一室に住んでいたとみられる。マンションの住民はこう話す。「大家さんなのにトラブルメーカー。今年6月、住民の駐輪場に車を2~3台置いて自転車が置けなくなった。文句を言っても『オレのマンションや』『何言うとるねん、いてまうぞ』と凄まれて何も言えなくなった」「普段でも、マンションの廊下を汚すなとか、住民に食ってかかる。それがイヤで引っ越した人もいる。深夜にマンションに戻ってきて、コラァ、とか叫んだりして、近寄りにくい大家さんでした」(別の住民) 近所の人によると、宮崎容疑者は子供の頃から、マンション周辺で育ったという。 「両親も知っているが、昔から近所付き合いは少ない家。時々、姿を見るが、挨拶程度。よく若い女性を連れていましたよ。昨日あたりから警察の人が来ていて宮崎容疑者を知らないかと聞いていた。ニュースに出ているあおり運転の人と聞いて驚いた。マンションから駅に向かって歩く姿とテレビに映っている帽子を被った顔や歩く様子がそっくり。あんな遠いところにまで行って、事件を起こしていたんですね。近所でも意味不明な理由で怒鳴っていたのでやっぱりと思った」(宮崎容疑者の知人) 別の地元知人はこう話す。 「不動産会社以外にも、何年か前から車のディーラーをしているようでした。外車を置いて作業したり、マンションの入り口に車関係のスッテカーを貼ったりしていた」 宮崎容疑者が経営している不動産会社の取引先の会社経営者はこう話す。 「知り合ったのは3、4年前。不動産を持っていて、その収益とコンサルタントの仕事をしていると言っていた。いつも、ブランドの服で身を固め、おしゃれには気を使っていた。SNSにもあるようにルイ・ヴィトンの服をよく着ていたんじゃないかな。靴もどこのブランドだとか、自慢していた。車のディーラーもしていると話していた。白い外車に乗っていると思ったら、次はBMWと違う車だったり、えらい金持ちなんだと思いました。今日は東京、明日は静岡、終われば大阪と忙しそうでしたよ。けど、どんな仕事をしているのか、あまりわからなかった。感情の起伏が激しくて、ご機嫌な時はいいんですが、ちょっと思い通りにいかないとブチ切れるところがあり、どうしようもない。大阪弁で『こら、わかってんのか、おのれ』と誰かを怒鳴っているのを聞いた時には、震えました。常磐道のあおり運転の容疑者として報じられた、高速道路で帽子をかぶって歩く姿は、まさに宮崎容疑者そのものですよ」』、典型的な金持ちのドラ息子だ。自分が所有するマンションでも、「深夜にマンションに戻ってきて、コラァ、とか叫んだりして、近寄りにくい大家さんでした」、本当に自己抑制ができない人物のようだ。

第三に、筑波大学教授(臨床心理学・犯罪心理学)の原田 隆之氏が8月18日付け現代ビジネスに掲載した「悪質すぎる「あおり運転・暴行事件」はなぜ起きたのか?加害者の心理 悲惨な事件を防ぐ「治療法」は存在する」を紹介しよう。なお、付注、その参照番号は省略した。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/66601
・『あおり運転の動画を見て  常磐自動車道でのあおり運転の事件が、世間の注目を集め、大きな批判を受けている。 被害者のドライブレコーダーの動画には、加害者が高速道路上で蛇行運転をしたり、急停止して進路をふさいだりした挙句、大声で怒鳴りながら、車の窓越しに被害者の顔面を何度も殴打する様子が鮮明に記録されていた。 あまりの悪質さに、事件は連日の大ニュースとなり、ついに容疑者が指名手配されるに至った。報道によれば、容疑者とされる男は、常磐道だけでなく、遠く離れた複数の場所で、同様に悪質なあおり運転を繰り返しており、常習的な犯行のようである。 また、これだけ世間を騒がせておいて、指名手配されるまで出頭せず、逃げ回っているという行動も理解しがたいものがある。 報道された経歴を見ると、有名大学を卒業し、会社経営をしていた人物だとのことであるが、逃げ切れるとでも思っているのだろうか。騒動がより大きくなり、批判が一層高まるということすら理解できないのだろうか。 さらに不可解なのは,通常はなだめたり制止したりすべき同乗者が,現場を携帯で撮影するような様子を見せていたことだ。このように犯行を増長させるような者が周囲にいることは,加害者が逃走を続けていることとも無関係ではないだろう。 あまりにも近視眼的で、浅はかな行動である』、大学卒業後は、超高給で有名な会社に就職したが、直ぐに辞め、家業を引き継いだようだ。
・『繰り返されるあおり運転  悪質なあおり運転と聞いて思い出すのが、2017年6月に起きた東名高速での事件である(参照:悲惨な「東名高速死亡事故」似た経験をした犯罪心理のプロが思うこと)。 これは、サービスエリアに迷惑駐車をしていた男が、それを注意されたことに激高し、相手の男性の車を執拗に追いかけた後、高速道路上に停車させたという事件である。 その結果、車は後続の車に追突されて、同乗していた子どもの目の前で両親が死亡した。加害者は、危険運転致死傷罪などで懲役18年の判決を受けた。 この事件では、加害者がこのほかにも何度も危険なあおり運転をしたことが明るみになったほか、事件後も反省をしていない態度が報じられ、大きな批判を浴びた。 さらに最近では、常磐道の事件が連日報道されているさなか、愛知県内で、男が執拗なあおり運転の挙句、女性に怪我をさせ器物を損壊したとの容疑で逮捕された。容疑者は、現在のところ容疑を否認しているという。 これらの事件が、かくも注目を集めるのは、以前にも書いたが、誰もが被害者になる可能性のある身近な出来事だからであろう。 遠いシリアで起きている内戦の惨事は「他人事」としてとらえられても、全国各地の道路で起きているあおり運転は、いつ何時自分が巻き込まれるかわからないという恐怖を誰もが抱いてしまう』、「これらの事件が、かくも注目を集めるのは、以前にも書いたが、誰もが被害者になる可能性のある身近な出来事だからであろう」、その通りだろう。
・『加害者の共通点  今回の事件と東名の事件を見比べると、加害者には多くの共通点がある。まず、両者ともほぼ日常的にあおり運転を繰り返していたという点である。 普段から交通ルールを守っている優良ドライバーが、何かちょっとしたアクシデントがあったからといって、急に豹変することは考えにくい。このような常習性は、特筆すべきものである。 また、どちらのケースでも、いつ自分自身が事故に遭っても不思議でないような危険な運転の仕方をしている。 急な幅寄せ、急停止、高速道路上での停車、そして車から高速道路上に降りることなど、どれも1つ間違ったら自分自身も死亡してしまいかねないきわめて危険な行為である。 今回の動画を見ても、被害者に殴りかかる加害者をかすめて何台もの車が通過している様子が映っている。東名の事件では、被害者が死亡したが、これも加害者も死亡していてもおかしくない状況であった。 これらのことからわかるのは、彼らには通常の恐怖心や危機意識が欠如しているということだ。 これは粗暴犯罪者に多い特徴であり、普通の人なら恐怖や不安を感じる状況にあっても、それらにきわめて鈍感で、心拍数が上昇したり、身がすくんだりするという生理学反応が生じない。これは粗暴犯罪者の自律神経系の異常を示唆する特徴として注目を集めている。 したがって、このような危険なことが平気でできるし、普段から猛スピードでの運転、シートベルトの不着装、頻繁な路線変更、飲酒運転などの危険運転を日常的に行っているのではないかとの推測もできる。 さらに顕著な点は、そのパーソナリティの特徴である。両者とも、些細なことでカッとする易怒性や、怒りのコントロールができない統制力欠如、すぐに手を出してしまうような衝動性などが顕著である。 加えて、目先のことしか考えられず長期的に物事を見ることができない「現在指向型の時間展望」という特徴も有している。これは、両者とも事件後にその場を立ち去ったり、逃走したりしている点から明らかである。これらはいずれも、「反社会的なパーソナリティ特性」としてまとめることができる。 ほかにも、危険運転以外のルール無視も平気で行っていたという点も共通している。 今回の加害者は、ディーラーから代車を借りてあおり運転を繰り返していたとのことであるが、代車の返却期限がきても、それを無視して乗り続けていたという。ほかにも、近隣トラブルがいくつも報じられているうえ、過去に逮捕歴があるとの報道もある。 このように、これだけ悪質なあおり運転というのは、そもそも暴力的、犯罪的な特徴を有していた者が、その場の状況に反応して起こした卑劣な犯罪であって、けっして突発的、偶発的な犯罪ではないと考えられる』、「普通の人なら恐怖や不安を感じる状況にあっても、それらにきわめて鈍感で、心拍数が上昇したり、身がすくんだりするという生理学反応が生じない。これは粗暴犯罪者の自律神経系の異常を示唆する特徴として注目を集めている」、「これだけ悪質なあおり運転というのは、そもそも暴力的、犯罪的な特徴を有していた者が、その場の状況に反応して起こした卑劣な犯罪であって、けっして突発的、偶発的な犯罪ではないと考えられる」、さすが犯罪心理学者らしい分析だ。
・『海外の研究  実は、こうした危険運転の増加は日本だけの現象ではなく、世界各国で見られる現象である。アメリカでは、この10年で5倍に増加しているとの報告がある。ざっと論文を検索しても、アメリカ、カナダ、フランス、デンマーク、トルコ、中国など、世界各国からの論文が見つかる。とはいえ、まだまだ研究は多くない。 これらの研究では、危険運転(いわゆるroad rage、路上での逆上)の原因として、いくつかの点が指摘されている。 まずは、やはりパーソナリティの問題である。たとえば、自己中心性、ナルシシズム、衝動性、易怒性、感情統制力欠如、攻撃性などの「ダーク・パーソナリティ」が挙げられている。 あるいは、彼らの「認知のゆがみ」が顕著なことを指摘する研究もある。これらの危険運転に出る者は、他者の何気ない行動に「敵意」を感じやすいのだという。たとえば、相手が車線変更しただけで「邪魔をした」と感じたり、追い抜かれただけで「馬鹿にされた」などととらえてしまったりする。 また、そもそも「感情はコントロールできるものだ」「コントロールすべきものだ」という認知を抱いていないため、瞬間湯沸かし器的に感情を爆発させ、粗暴行動に直結してしまうのである。 とはいえ、「車に乗ると性格が変わる」と言われたことがある人は、案外多いかもしれない。それはおそらく、車内の匿名性ゆえに、粗暴な言動に出てしまいやすくなるということが原因として挙げられるだろう。 車の中でだと相手に聞こえないし、顔も見えないので、ノロノロ運転、割り込み、マナー違反などの車があると、面と向かっては言わないような暴言を思わず言ってしまうのである』、「危険運転の増加は日本だけの現象ではなく、世界各国で見られる現象」、若干、慰めになり材料ではある。私も「「車に乗ると性格が変わる」と言われたことがある」口だが、悪態をつくだけで、「あおり運転」までする勇気はない。
・『悪質あおり運転への処方箋  しかし、一連の研究を見ると、これらの運転中の「悪態」と、今回の事件のような悪質で粗暴な危険運転とは、質が違うと考えたほうがよさそうである。 それは犯罪かどうかとの線引きだけでなく、その基盤に「ダーク・パーソナリティ」や「認知のゆがみ」が存在し、さまざまな問題行動や反社会的行動への親和性が高いかどうかという違いである。 しかし、希望を持ってもよいのは、こうしたパーソナリティや認知は、いずれも「治療」可能だという点である。 すでに「運転者怒り表出尺度」「運転者行動尺度」などという「診断ツール」も開発されている。この項目をチェックすることで、本人の問題性やその深刻度が評定できる。 そして、そこでわかった問題性をターゲットとして、認知行動療法という心理療法を実施することが、現在のところ一番効果が期待できる。 そこでは、怒りのコントロールの方法を学ばせたり、ゆがんだ認知を適切な認知に置き換える訓練をしたりする。こうした治療によって、危険性は相当程度抑制できるだろう。 われわれの日常に襲いかかる卑劣な危険運転を放置することはできない。これには断固とした処罰が必要であることは言うまでもない。 しかしその一方で、ネット上に加害者の個人情報を晒したり、執拗に罵詈雑言を浴びせたりすることは、控えるべきである。なかには、まったくの別人が「加害者の息子」を名乗って、被害者を誹謗するような動画もアップされていた。これなどは、単に注目を集めたいだけの卑劣な「反社会的」行動である。 このように事件への怒りから、あるいは事件に便乗して、軽率な行動を取ることは、加害者と同じ問題性を有していると言われても仕方がない。それは正義でも何でもない。 悲惨な事件を防ぐには、冷静で科学的な知見に導かれた対処こそが一番有効であることを、われわれは肝に銘じておく必要があるだろう』、「運転中の「悪態」と、今回の事件のような悪質で粗暴な危険運転とは、質が違うと考えたほうがよさそうである」、一安心だ。「あおり運転」について、説得力に富んだ主張には全面的に同意する。
タグ:交通事故 JAF コリン・ジョイス ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 現代ビジネス あおり運転 原田 隆之 (その1)(歩行者の死亡事故ダントツの日本 ドライバー厳罰化で解決できない理由、あおり運転で手配の宮崎容疑者 青年実業家と注目されるも「外車やルイ・ヴィトン好きでキレたら恐ろしい」、悪質すぎる「あおり運転・暴行事件」はなぜ起きたのか?加害者の心理 悲惨な事件を防ぐ「治療法」は存在する) 「歩行者の死亡事故ダントツの日本、ドライバー厳罰化で解決できない理由」 大津市でまたもや保育園児の列にクルマが突っ込み、園児2人が死亡 ドライバー厳罰化では痛ましい事故は減らない 「歩行者軽視」 ほかの先進国に比べてダントツに多い歩行者の死亡事故 国際道路交通事故データベース(IRTAD) 日本で歩行中に事故に巻き込まれて亡くなったのは37.3% スウェーデンは10.8%、ドイツは15.5%、英国でも23.7% 自動車道路の整備ばかりが注力され、歩行者の安全対策がないがしろにされてきたから。要するに、「歩行者軽視」という悪習が続いてきたのだ 訪日外国人が怒りを覚える「クルマ優先社会」日本 「歩道は狭過ぎて混雑し過ぎ。そして、なぜ道路を渡るのに、僕が階段を上らなければならないのか? 車が優先されていることに、僕は憤りを覚えた」 子どもが犠牲になる事故は過去数年で何件も起きている 信号機のない横断歩道を通過する1万26台を対象に調査をしたところ、歩行者が渡ろうとしている場面で止まったのは757台(7.6%) 日本は、歩行者に厳しいという事実を受け入れて、それなりの対策をとるべきだ Aera.Dot:週刊朝日 「あおり運転で手配の宮崎容疑者 青年実業家と注目されるも「外車やルイ・ヴィトン好きでキレたら恐ろしい」」 常磐自動車道で8月10日、「あおり運転」 宮崎文夫容疑者 大家さんなのにトラブルメーカー 文句を言っても『オレのマンションや』『何言うとるねん、いてまうぞ』と凄まれて何も言えなくなった」「普段でも、マンションの廊下を汚すなとか、住民に食ってかかる。それがイヤで引っ越した人もいる。深夜にマンションに戻ってきて、コラァ、とか叫んだりして、近寄りにくい大家さんでした」(別の住民) ちょっと思い通りにいかないとブチ切れるところがあり、どうしようもない 「悪質すぎる「あおり運転・暴行事件」はなぜ起きたのか?加害者の心理 悲惨な事件を防ぐ「治療法」は存在する」 繰り返されるあおり運転 東名高速での事件 これらの事件が、かくも注目を集めるのは、以前にも書いたが、誰もが被害者になる可能性のある身近な出来事だからであろう 加害者の共通点 両者ともほぼ日常的にあおり運転を繰り返していた どちらのケースでも、いつ自分自身が事故に遭っても不思議でないような危険な運転の仕方をしている 普通の人なら恐怖や不安を感じる状況にあっても、それらにきわめて鈍感で、心拍数が上昇したり、身がすくんだりするという生理学反応が生じない。これは粗暴犯罪者の自律神経系の異常を示唆する特徴として注目 パーソナリティの特徴である。両者とも、些細なことでカッとする易怒性や、怒りのコントロールができない統制力欠如、すぐに手を出してしまうような衝動性などが顕著 目先のことしか考えられず長期的に物事を見ることができない「現在指向型の時間展望」という特徴も有している 「反社会的なパーソナリティ特性」 そもそも暴力的、犯罪的な特徴を有していた者が、その場の状況に反応して起こした卑劣な犯罪であって、けっして突発的、偶発的な犯罪ではない こうした危険運転の増加は日本だけの現象ではなく、世界各国で見られる現象 「車に乗ると性格が変わる」と言われたことがある人は、案外多いかもしれない。それはおそらく、車内の匿名性ゆえに、粗暴な言動に出てしまいやすくなるということが原因として挙げられるだろう 悪質あおり運転への処方箋 こうしたパーソナリティや認知は、いずれも「治療」可能 怒りのコントロールの方法を学ばせたり、ゆがんだ認知を適切な認知に置き換える訓練をしたりする。こうした治療によって、危険性は相当程度抑制できるだろう 悲惨な事件を防ぐには、冷静で科学的な知見に導かれた対処こそが一番有効であることを、われわれは肝に銘じておく必要があるだろう
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