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M&A(コクヨVSぺんてる)(その2)(ぺんてる 望まぬコクヨとの“縁談” 仲介役の言い分とは、コクヨの直接出資を受け入れ「ぺんてる」経営陣の因果応報、コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展、激化する「ぺんてる株争奪戦」 揺れるOBたち OBたちに宛てられた2通の手紙の中身とは) [企業経営]

M&A(コクヨVSぺんてる)については、6月1日に取上げた。今日は、(その2)(ぺんてる 望まぬコクヨとの“縁談” 仲介役の言い分とは、コクヨの直接出資を受け入れ「ぺんてる」経営陣の因果応報、コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展、激化する「ぺんてる株争奪戦」 揺れるOBたち OBたちに宛てられた2通の手紙の中身とは)である。

先ずは、6月17日付け日経ビジネスオンライン「ぺんてる、望まぬコクヨとの“縁談”、仲介役の言い分とは」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00050/061200001/?P=1
・『筆記具大手のぺんてるが、望まぬ相手との“縁談”に反発している。その相手とはコクヨ。両社を結び付けたのは、ぺんてるの筆頭株主である投資会社だ。株主としてガバナンスを利かせる狙いがあったというが、とても一緒になれる状況にはない。株主ガバナンスの難しさが浮かび上がる。 5月半ば。筆記具大手、ぺんてるの和田優社長は急きょ、従業員を集めて、こう宣言した。「(今回の)一方的な行いは極めて遺憾。青天の霹靂(へきれき)だ。会社としての独立性を今後も維持する」 一方的な行い、とは何なのか。 ぺんてるの筆頭株主は東証1部に上場している投資会社のマーキュリアインベストメントが運営するファンド(37%を出資)だ。そのマーキュリアは2018年、ぺんてるの創業一族から保有株を譲り受け筆頭株主になった。 このファンドに同業のコクヨが5月10日に101億円を出資、間接的とはいえ事実上、ぺんてるの筆頭株主になった。これが和田社長の言う「一方的な行い」だ。 ぺんてるが反発するのは、未上場の同社の株式には、売買時に取締役会の承認が必要な譲渡制限がついているためだ。ファンド側は「ファンドへの出資者が変わっただけで、ファンドがぺんてる株を持っている状態に変わりはなく違法ではない。大手弁護士事務所のお墨付きももらっている」とするが、ぺんてる側は「当社取締役会の承認が必要な株式譲渡につながるような、当社株式を保有する組合出資持ち分の譲渡を決定、しかも公表直前に当社に連絡があった事実は大変遺憾」とし、脱法行為だと反論する。 和田社長が怒る理由はほかにもあった。実は水面下で文具大手のプラスとの資本提携協議を進めていたからだ。「プラスとの交渉をつぶされ、突如、コクヨと組まされるなんて」。これが和田社長の思いだろう。 マーキュリアは社外取締役をぺんてるに送り込んでいるため、プラスとの提携協議の中身も把握していたという。だがマーキュリアは「プラスとの提携内容はぺんてるにとって不利な内容が多かった。一緒に立ち上げるとされた共同出資会社も株のマジョリティーはプラス側だったし、ぺんてるが利益を上げるには相当な売り上げ増を必要とする無理な計画に見えた」と判断した』、ファンドをを通じた株式取得で、「譲渡制限」をかいくぐるとは巧妙なやり方だが、後日、コクヨはこれを何故か承諾したようだ。
・『「プラスと組むと企業価値が毀損する」  マーキュリアがコクヨを引き込んだのは「今の計画でプラスと組むとぺんてるの企業価値が毀損する」と感じたからだ。そしてコクヨはぺんてるが今後も成長が期待できる中国事業に強みを持つため「一緒に成長できる」と判断した。 投資ファンドのマーキュリアとしては、いずれやってくる株の売却時に高値で売るためには、ぺんてるの企業価値をできるだけ上げておく必要がある。「プラスがダメとかコクヨがいいとかではない。ぺんてるの企業価値を高めるために何が必要かを考えた結果だ」と今回の判断を説明する。 経営陣が画策した提携話に筆頭株主がノーを突き付け、代わりの提携先をあてがった。今回の話を一言で言うとこうなるだろう。仮にプラスとの提携が本当にぺんてるにとって利益を生まないのであれば、今回の動きは筆頭株主によるガバナンスが利いた事例となる。 もちろん、コクヨと組めばぺんてるの企業価値が上がるという保証もない。現経営陣がコクヨに反発している現状ではなおさら、そのハードルは高い。 ぺんてるは「コクヨと業務提携について協議を行っている事実はない。本件取引が当社との一切の協議なく実行された背景・真意等について確認をさせていただいている状況。いかなる場合においても企業間の関係構築は相互の信頼感が基盤となるべきだ」とコメントしており、現状ではなかなか実のある議論に入ること自体が難しそうな状況だ。 ぺんてるは2018年3月期の連結売上高が409億円。一方でコクヨは18年12月の連結売上高が3151億円と企業規模では大きな開きがある。独立性を盾に態度を硬化させている和田社長の心の中には、このままだと将来、コクヨに飲み込まれてしまうのではないか、という思いがあるのかもしれない。 いずれにしろこの事例は、非公開企業も今や株主ガバナンスとは無縁ではいられない、という教訓と同時に、株主ガバナンスを行使した結果、経営陣とのあつれきで企業価値向上どころではない泥沼に陥るリスクもある、という副作用にも気づかせてくれる。ガバナンスは使い道を一歩間違えると、劇薬にもなりかねない、極めてさじ加減の難しい処方箋なのだ』、「投資ファンドのマーキュリアとしては、いずれやってくる株の売却時に高値で売るためには、ぺんてるの企業価値をできるだけ上げておく必要がある。「プラスがダメとかコクヨがいいとかではない。ぺんてるの企業価値を高めるために何が必要かを考えた結果だ」、本当にこうした判断したのであれば、当否は別として。投資ファンドがガバナンスに強く影響した初の事例になる。

次に、経済ジャーナリストの重道武司氏が10月3日付け日刊ゲンダイに掲載した「コクヨの直接出資を受け入れ「ぺんてる」経営陣の因果応報」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/262685
・『因果は巡る――といったところか。7年前のクーデターで創業家出身社長を追い出した老舗筆記具メーカー、ぺんてる(東京・中央区)の経営陣が今度は、回り回って創業家保有株を手に入れた業界最大手、コクヨによってその軍門に下る形となった。 ぺんてる経営陣が取締役会で古参役員らの退任を求めた堀江圭馬社長(当時)に解任動議を突き付け、返り討ちにしたのは2012年5月のこと。後任に納まったのが現社長の和田優氏だ。 堀江氏は返り咲きを策したものの、他の創業家一族らの反対で失敗。18年3月、やむなく、保有していた発行済み株37・45%を日本政策投資銀行系の上場投資会社、マーキュリアインベストメントの設立した受け皿ファンドに約70億円で売り払った。 ところが今年5月、マーキュリアが、そのファンドを101億円でコクヨに転売。コクヨが実質的な筆頭株主に躍り出たのだ。水面下で業界2位、プラス(東京・港区)との資本業務提携を模索していたぺんてる経営陣はこれに強く反発。「間接出資の経緯が不透明で、信頼関係が築けていない」などとして、コクヨが求める業務提携協議にも応じない姿勢を示してきた』、「ぺんてる」に「7年前のクーデター」があったとは初めて知った。「因果は巡る」はまさに言い得て妙だ。
・『とはいえ収益環境が厳しさを増す中、対立の長期化は企業統治の混乱を招くだけ。取引先などから早期の事態収拾を促す声も上がり、先週になって一転、コクヨの直接出資受け入れに踏み切ったのだ。コクヨはファンドから保有ぺんてる株を譲り受け、ぺんてるを持分法適用会社とする。 ぺんてるは1911年東京・浅草で創業の卸問屋「堀江文海堂」が母体。世界21カ国に販売拠点を持つなどグローバル展開で先行し、グループの海外売上比率は6割を超える。ただ最近はヒット商品不在で国内が苦戦。19年3月期の単体売上高は235億円と前期比2・2%の減収となり、営業利益は0・72億円と同86・8%の大幅減益に陥った。コクヨとの協業を進めることで生き残りを目指す。 もっとも、コクヨも国内文具事業は低迷気味。当面は調達や物流機能の一本化など、経費面での相乗効果をどこまで引き出せるかが焦点になりそうだ』、「コクヨの直接出資受け入れ」後に、次の記事にあるように、泥沼化したようだ。

第三に、11月20日付け東洋経済オンライン「コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/315366
・『文具業界最大手のコクヨは11月15日、筆記具4位・ぺんてるの株の過半数を取得し子会社化すると発表した。コクヨはぺんてる株の約38%を保有しているが、1カ月後の12月15日までに、ぺんてるの既存株主から1株3500円で買い取り、議決権比率を50%超にまで引き上げる方針だ。費用は約38億円を見込む。 ぺんてるは即日、「コクヨの一方的かつ強圧的な当社の子会社化方針に対し強く抗議します」というリリースを出し、コクヨによる買収に徹底抗戦する構えを見せた』、事態が急変した背景はどんなものなのだろう。
・『食い違う両社の主張  ことが複雑なため、時計の針を半年ほど巻き戻す。 コクヨは5月、ぺんてるの筆頭株主だった投資会社が運営するファンドに出資することで、ぺんてる株を間接保有した。ぺんてるの和田優社長は当時、社員に「青天の霹靂だ」と述べ、投資会社とコクヨに反発する意思を見せた。 だがその後、業務提携に向けた協議や互いの工場視察などを重ね、9月にはコクヨが株を直接保有することを容認。コクヨは投資会社からぺんてる株を取得し、直接保有に切り替えた。コクヨが名実ともに、ぺんてるの筆頭株主になったのだ。 両社は12月上旬にも業務提携を発表することを目指していた。それがここにきて、コクヨが「一方的かつ強圧的」にぺんてるを子会社化すると発表したのは、なぜなのか。 ぺんてるは先のリリースで「(コクヨの発表は)当社に対し一切の相談や協議なく行われた」と抗弁したが、コクヨが明らかにしたこれまでの経緯、事実関係は、ぺんてるの説明とは大きく食い違う。 コクヨが会見やリリースで明らかにしたところによれば、ぺんてるは海外事業の提携については継続して協議していたものの、国内事業の提携協議については一転、消極的になった。コクヨは会計監査上、ぺんてるに出資したことを裏付ける資料が必要となったため、ぺんてる経営陣に株主名簿の開示を求めたが、これにもぺんてるは応諾しなかった。 両社にギクシャクした空気が流れ始めていた10月16日、コクヨ代表取締役宛てに、差出人不明の封書が送られてきた。「K社」による「PE社」の株式過半数取得を阻止するためとして、「PL社」が「PE社」の株式を取得すること、すなわち「PL社」と「PE社」が資本提携するのが望ましい旨が記されていた。ぺんてるの「内部文書」だった。 10月29日には2通目の封書が届く。やはり差出人不明で、そこには「PE社」と「PL社」の資本提携の具体的なスケジュールが記されていた。 K社をコクヨ、PE社をぺんてるとするとPL社は、コクヨに次ぐ総合文具2位のプラス社だ。ただ、コクヨの売上高は3151億円(2018年度)、プラスのそれは1772億円(同)と、両社の企業規模には開きがある。この文書に記されていることが事実であれば、ぺんてるは、筆頭株主コクヨの知らぬところで、コクヨをライバルとするプラス社と資本提携の協議を進めていたことになる』、「コクヨ代表取締役宛てに、差出人不明の封書が送られてきた」、「ぺんてるは、筆頭株主コクヨの知らぬところで、コクヨをライバルとするプラス社と資本提携の協議を進めていた」、とは驚かされた。
・『「密告書」に書かれていたこと  穏やかならぬ「通知」に驚いたコクヨ経営陣は11月11日、2通の文書を持参してぺんてる本社に乗りこみ、和田社長と小林健次取締役に、文書の真偽をただした。和田社長は否定しなかったという。コクヨはその場で、第三者との間では資本業務提携に関する協議を行っていないことを誓約する「誓約書」案を渡し、翌12日17時までにぺんてる経営陣で決議、押印してコクヨに提出するよう求めた。 だが、ぺんてるは回答しなかった。そのかわり翌13日、コクヨが誓約書の提出を求めたことを「遺憾」とする書面を提出。しびれをきらしたコクヨは15日、緊急記者会見を開き、ぺんてる買収を決断するに至った経緯をマスコミに公表した。黒田英邦代表取締役社長は、ぺんてるがコクヨの知らぬところで第三者と資本提携の協議を進めていたことについて「青天の霹靂だ」と、和田社長に意趣返しをしてみせた。 ぺんてるには「密告書」が誤算だった。上層部だけで固め、執行役員クラスにすら共有していなかった極秘文書が、何者かによって外部にリークされたからだ。 社内の極秘文書をコクヨに送ったのは誰なのか。文書には具体的に何が書かれてあったのか。ぺんてるはもちろん、コクヨもその中身については伏せたままだが、東洋経済は業界関係者への取材を通じて、その文書を入手した。 文書に記されてあるのは、コクヨの支配力を弱めるにはどうすればよいか、の策だ。「K社による子会社化を防ぐ」ためとして、プラス社が、コクヨの持分割合を上回る「40%」を保有する案が挙がっている。40%という数字は、コクヨが持つ約38%よりは多く、かつ、ぺんてるを子会社化する過半数には満たない、そのような数字だ』、「上層部だけで固め、執行役員クラスにすら共有していなかった極秘文書が、何者かによって外部にリークされた」、ぺんてる上層部にも反和田社長派がいるのだろう。
・『文書にはまた、ぺんてる経営陣に近い与党株主が株主全体の3分の1いることを前提に、「K社による過半数取得を阻止するという観点からは当該対象株式のうち約18%を取得することにより、仮に残株式(の議決権行使委任状)をK社が取得したとしてもその議決権行使割合は50%を超えないことから、下限を18%とすることも考えられます」と、コクヨに過半数を握られないための取得率の下限まで提言している。 文書には作成者のクレジットとして、ASPASIO(東京都中央区、田中康之社長)という会社名が記されている。ASPASIOはファイナンシャルアドバイザリー業務を主とする会社で、長年、ぺんてるの財務コンサルを担ってきた。 上層部しか知りえない極秘文書を外部にリークするだけでなく、ぺんてるの意思決定に携わるコンサル会社、顧問契約する法律事務所、マスコミ対応を担うPR会社名まで記載された文書を、当のコクヨに送付しているところから推測するに、この文書はぺんてる上層部の何者かによる「密告書」であり「内部告発の書」といえそうだ』、コクヨが怒り心頭に発して、完全支配に切り替えたのも頷ける。
・『コクヨは現経営陣の退陣を要求  その人物は、なぜそこまでのリスクを冒したのか。 コクヨの発表後、ぺんてるの和田社長が一部の幹部社員に向けて出したメッセージが出回っている。そのメッセージで和田社長は、プラス社との資本業務提携の協議を進めてきたことは事実であることを明らかにしている。社長みずから「密告書」の中身とコクヨの主張を認めた格好だ。 ぺんてるはもはや、プラス社との資本提携協議を隠さなくなりつつある。だが、ぺんてるが15日に発表したリリースや、その後、幹部向けに出したメッセージには、プラスとの提携を進めることによってどのようなメリットがあるのか、言及はない。 ぺんてるは非上場企業のため、株式には取締役会の承認がなければ売買ができない譲渡制限がついている。その壁を打開するため、コクヨは既存株主から株を買い取る際に株主総会の委任状もセットで取り付ける考えだ。ぺんてるが取締役会で譲渡を却下すれば、臨時株主総会を招集し、現経営陣を退陣させたうえで、新しい経営陣に譲渡を認めさせる。 コクヨのやり方を「強引すぎる」と見る向きもある。それでも、ぺんてるの上層部から「密告書」あるいは「内部告発の書」がコクヨに寄せられてしまうのは、現経営陣に確たるビジョンが見当たらないからではないか。 コクヨとぺんてる&プラス連合は、これから約1カ月間、株の争奪戦、プロキシーファイトを繰り広げる。そこでは買い取り価格だけでなく、市場低迷する文房具業界をこれからどうしていくのか、ビジョンこそが競い合われるべきだろう』、「ビジョンこそが競い合われるべき」、その通りだ。

第四に、11月26日付け東洋経済オンライン「激化する「ぺんてる株争奪戦」、揺れるOBたち OBたちに宛てられた2通の手紙の中身とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/316349
・『総合文具業界トップのコクヨ(2018年度売上高3151億円)と、業界2位のプラス(同1772億円)が、筆記具4位ぺんてる(同235億円)の株の争奪戦で激しい攻防を繰り広げている。 11月15日、コクヨがぺんてる株を1株3500円で買い受ける方針を示すと、プラスは11月20日、単独出資で立ち上げたジャパンステーショナリーコンソーシアム合同会社(JSC)がコクヨと同額の3500円で買い受ける方針をリリースした。 これにコクヨは即座に反応し、買い付け価格を3750円に引き上げると発表。一歩も引かない姿勢だ』、買収合戦とは面白くなってきた。
・『狭間で揺れ動くOB・OGたち  コクヨの強みは厚い資本に裏打ちされた事業構想、そしてぺんてる株の38%をすでに保有する筆頭株主である点にある。対するプラスは、ぺんてるの現経営陣に請われた「ホワイトナイト」という役回りだ。11月23日付の日本経済新聞でプラスの新宅栄治常務取締役は、「(ぺんてるとは)経営において非常に共感できる関係」とし、ぺんてるの和田優社長も「プラスとは6年の付き合いであうんの呼吸」と相思相愛ぶりをアピールした。 プラス&ぺんてる連合vs.コクヨ。両陣営の狭間で今、揺れ動いているのが、ぺんてるのOBやOGたちだろう。未上場会社であるぺんてるにはOB・OGの株主が多いとみられる。OBやOGたちは、「ぺんてるの未来」をどちらに託すのがいいのか、考えあぐねている。 「コクヨ株式会社が、突然、ぺんてるに対して敵対的な買収を始めています」「経営陣も、コクヨの、突然かつ一方的な動きに大変困惑しているとのことです」ぺんてるの株主に宛てられた、11月20日付けの手紙。差出人は、ぺんてる元社長の水谷壽夫氏だ。 「株主の皆様へ」と題する手紙は、次のように続く。「ぺんてるの経営陣は、ぺんてるのために、株主の皆様のために、プラス社からの提案であるジャパンステーショナリーコンソーシアム合同会社(JSC)による当社株式の買受け提案を承諾しました。是非、コクヨへの敵対的な買収の提案に応じることなく、ぺんてるの経営陣が最善と考えるJSCからの買受けにご応募いただきますよう、そして、将来にわたりぺんてるの価値を守っていただきますよう、ひたすらにお願い申し上げる次第です」 水谷氏は今年6月に開かれたぺんてる株主総会の前にも、経営陣に自社株買いを求める株主提案がなされたことに、「(この提案が通れば)会社の存続そのものを危うくしかねない」と、提案に賛成しないよう株主やOBたちに呼びかける役を買って出た。ぺんてる経営陣にとっては、どこまでも自分たちの味方をしてくれる後ろ盾のような存在だ』、「水谷氏」が社長だったのは、解任された「堀江圭馬」氏よりも前で、だいぶ昔のようだ。
・『暗証に乗り上げたプラットフォーム構想  一方、11月24日付で「ぺんてるを愛する皆様へ」というメッセージを出したのが、ぺんてる元専務でOB会の会長を務める池野昌一氏だ。 池野氏は「今回のコクヨとプラスの一連の騒動に多くのOBの方々がご心配され、株主の皆さんも頭を悩ませていらっしゃることでしょう。私にもOBの方々から相談が寄せられています」とOBらの苦悩を推し量る。そのうえで、「私は、現在のぺんてる経営陣の考え方には大反対です」とプラス&ぺんてる連合に反対する意向を示した。 その趣旨は、JSCが買い取った株は実質的にプラスのものになるが、それでいいのかというもの。「プラスの昨今のM&Aは、その結果をみても乗っ取りに近いようなブランド軽視の事例もあります。そしてぺんてるの有力卸チャネルの皆様もプラスの強引なやり方(メーカー販社連合)には強く反発しています」。 メーカー販社連合とは、プラスとぺんてるの2社が軸となって国内営業窓口を一本化し、新たなプラットフォームを築く構想のことだ。これまで文具メーカーはそれぞれ独自の卸・販売店網を築き上げてきた。それを両社で統一して、国内販売の強化を図ろうとした。 販社連合にはもう一つの狙いがある。「対コクヨ」政策だ。連合にはプラスとぺんてるのほか、ラベルプリンタ「テプラ」をヒットさせたキングジムや、「セロテープ」で有名なニチバンなども合流する構想があった。そうした連合を作ることで、規模に勝るコクヨに対抗しようとしたのだ。販売連合はプラス経営陣が主導する形で進められ、昨年5月には新社名案を「コーラス」と発表、社長にぺんてるの和田氏が就く案までできあがっていた。 ところが、足下から反旗が上がる。ぺんてる社員、とりわけ販売畑の従業員たちが、「これまで協力してくれた卸売会社を裏切ることになる」「雇用が維持されるのか不安が残る」といった理由で反対したのだ。全国の文具流通業企業の大手複数社からも反対声明が出され、販社連合は暗礁に乗り上げた』、プラスとの間に「暗証に乗り上げたプラットフォーム構想」があったとは初めて知った。
・『ぺんてるの経営陣も、そのトラウマは癒えていない。コクヨがぺんてるを子会社化すると発表した翌週の11月18日、ぺんてるの和田社長は一部の幹部社員向けにメッセージを送っているが、そこで販社連合についても触れている。 和田社長は、「プラットフォーム会社について、その実施については一切検討を行っておりません。皆様に以前お話させていただいた通り、プラットフォームは社内でのコンセンサスが得られない限り、プラス社との協議は行いません」と念を押すように説明している。 それに対して池野氏は、「ぺんてるというブランドや社員たちを守るという意味でも、まずは状況を冷静に見極められたうえで、今の経営陣の判断に異を唱え、安易に現経営メンバーやプラスの誘いに乗られないようにお願い申し上げます」と、メッセージを締めくくっている。 池野氏は長年、ぺんてるの営業のリーダーを務め、OB会の「ご意見番」的な存在でもある。それだけに池野氏の言葉には一定の重みがある。そして今回の混乱の遠因には、国内の営業戦略を巡るぺんてる社内の対立があるのだ』、「国内の営業戦略を巡るぺんてる社内の対立」、とは一朝一夕で解決できる問題ではなく、深刻だ。しかも、「ぺんてる元専務でOB会の会長を務める池野昌一氏」が「今の経営陣の判断に異を唱え」ているとは、コクヨには有利な材料のようだ。 
・『プラスは他社にも出資を呼びかけ  水谷氏の必死の訴えと、冷静な判断を求める池野氏の呼びかけ。ぺんてるOB・OGは揺れている。 過半の株式取得を目指すコクヨに対し、プラスはぺんてるの資本的な独立を維持する方針。さらにプラスは「(JSCに)他のメーカーの参画を期待しております」と、他社にも出資を呼びかけている。一部報道では、新販売連合への合流も検討されたキングジムやニチバンがJSCに参画する意思があるとされた。 キングジムもニチバンも今後のJSC参画には含みを持たせているが、現在までのところ、両社は報道内容を否定している。12月中旬にも決着がつくコクヨとの株争奪戦には、プラス1社だけで臨むことになりそうだ。 総合文具業界1位と2位によるぺんてるの争奪戦は、今後の業界再編にも影響を及ぼす。キャスチングボードを握るぺんてるのOB・OGたちは、「ぺんてるを愛する」がゆえに、しばらくは苦悶の日々を過ごすことになる』、さて最終的にどうなるか、大いに注目したい。
タグ:プラス 東洋経済オンライン M&A 日刊ゲンダイ 日経ビジネスオンライン (コクヨVSぺんてる) (その2)(ぺんてる 望まぬコクヨとの“縁談” 仲介役の言い分とは、コクヨの直接出資を受け入れ「ぺんてる」経営陣の因果応報、コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展、激化する「ぺんてる株争奪戦」 揺れるOBたち OBたちに宛てられた2通の手紙の中身とは) 「ぺんてる、望まぬコクヨとの“縁談”、仲介役の言い分とは」 投資会社のマーキュリアインベストメントが運営するファンド マーキュリアは2018年、ぺんてるの創業一族から保有株を譲り受け筆頭株主になった このファンドに同業のコクヨが5月10日に101億円を出資、間接的とはいえ事実上、ぺんてるの筆頭株主になった ファンド側は「ファンドへの出資者が変わっただけで、ファンドがぺんてる株を持っている状態に変わりはなく違法ではない 水面下で文具大手のプラスとの資本提携協議を進めていた プラスと組むと企業価値が毀損する マーキュリアとしては、いずれやってくる株の売却時に高値で売るためには、ぺんてるの企業価値をできるだけ上げておく必要がある。「プラスがダメとかコクヨがいいとかではない。ぺんてるの企業価値を高めるために何が必要かを考えた結果だ」と今回の判断を説明 重道武司 「コクヨの直接出資を受け入れ「ぺんてる」経営陣の因果応報」 7年前のクーデターで創業家出身社長を追い出した 今度は、回り回って創業家保有株を手に入れた業界最大手、コクヨによってその軍門に下る形となった 対立の長期化は企業統治の混乱を招くだけ。取引先などから早期の事態収拾を促す声も上がり 一転、コクヨの直接出資受け入れに踏み切った グループの海外売上比率は6割を超える 最近はヒット商品不在で国内が苦戦 「コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展」 食い違う両社の主張 コクヨは投資会社からぺんてる株を取得し、直接保有に切り替えた 両社は12月上旬にも業務提携を発表することを目指していた コクヨが「一方的かつ強圧的」にぺんてるを子会社化すると発表 ぺんてるは海外事業の提携については継続して協議していたものの、国内事業の提携協議については一転、消極的になった コクヨ代表取締役宛てに、差出人不明の封書が送られてきた K社」による「PE社」の株式過半数取得を阻止するためとして、「PL社」が「PE社」の株式を取得すること、すなわち「PL社」と「PE社」が資本提携するのが望ましい旨が記されていた 2通目の封書 「PE社」と「PL社」の資本提携の具体的なスケジュールが記されていた 「密告書」に書かれていたこと 黒田英邦代表取締役社長は、ぺんてるがコクヨの知らぬところで第三者と資本提携の協議を進めていたことについて「青天の霹靂だ」と、和田社長に意趣返しをしてみせた 上層部だけで固め、執行役員クラスにすら共有していなかった極秘文書が、何者かによって外部にリークされた この文書はぺんてる上層部の何者かによる「密告書」であり「内部告発の書」といえそうだ コクヨは現経営陣の退陣を要求 市場低迷する文房具業界をこれからどうしていくのか、ビジョンこそが競い合われるべきだろう 「激化する「ぺんてる株争奪戦」、揺れるOBたち OBたちに宛てられた2通の手紙の中身とは」 コクヨと同額の3500円で買い受ける方針をリリース コクヨは即座に反応し、買い付け価格を3750円に引き上げると発表 狭間で揺れ動くOB・OGたち ぺんてる元社長の水谷壽夫氏 ぺんてる経営陣にとっては、どこまでも自分たちの味方をしてくれる後ろ盾のような存在だ 暗証に乗り上げたプラットフォーム構想 ぺんてる元専務でOB会の会長を務める池野昌一氏 ぺんてる経営陣の考え方には大反対 メーカー販社連合とは、プラスとぺんてるの2社が軸となって国内営業窓口を一本化し、新たなプラットフォームを築く構想 ぺんてる社員、とりわけ販売畑の従業員たちが、「これまで協力してくれた卸売会社を裏切ることになる」「雇用が維持されるのか不安が残る」といった理由で反対 プラスは他社にも出資を呼びかけ キングジムもニチバンも今後のJSC参画には含みを持たせているが、現在までのところ、両社は報道内容を否定 総合文具業界1位と2位によるぺんてるの争奪戦は、今後の業界再編にも影響を及ぼす
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