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メディア(その18)(新聞「部数も広告収入も激減」の苦境…税金頼みの危うい実態、佳子さまのダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた見出しに思うこと/鴻上尚史、テレビ朝日とKDDI 動画配信で手を組んだ事情 動画配信「戦国時代」をどのように生き抜くか) [メディア]

メディアについては、8月9日に取上げた。今日は、(その18)(新聞「部数も広告収入も激減」の苦境…税金頼みの危うい実態、佳子さまのダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた見出しに思うこと/鴻上尚史、テレビ朝日とKDDI 動画配信で手を組んだ事情 動画配信「戦国時代」をどのように生き抜くか)である。

先ずは、ジャーナリストの松岡 久蔵氏が7月17日付け現代ビジネスに掲載した「新聞「部数も広告収入も激減」の苦境…税金頼みの危うい実態 特ダネはいいから、お金が欲しい」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65899
・『部数も広告費も「激減」の末に  「え! 1300万円の中面全面広告、たったの10分の1で受注したんですか……!?」 最近、ある全国紙の広告営業部門で交わされた、新聞の「紙面広告ダンピング」についての会話だ。 日本新聞協会によると、2018年の新聞発行部数(10月時点まで)は3990万1576部と17年から約220万部も減少。14年連続の減少で4000万部を割り込んだ。1世帯当たりに換算すると0.7部しかとっていないことになる。 読者層の高齢化も深刻で、新聞を主な情報源としてきた60代以上が購読者の大部分を占めるため、50代以下の現役世代となると、いまや購読していない世帯の方が多数派になるとみられる。 前述した「広告ダンピング」の背景には、この発行部数・購読者数の減少がある。昨年度の新聞広告費は4784億円と、年間1兆円を超えていた2005年と比べて半分以下に。一方インターネット広告費は1兆7589億円に達し、もはやメディアの構造転換は決定的となった。 かねて、新聞社側が販売店に本来必要な部数よりも多めに売りつける「押し紙」が問題視されてきたが、近年では少しでも発行部数を嵩増ししようと、ファミレスやホテルなどに無料か無料同然の価格で営業をかけるパターンも増えている。 新聞の紙面広告で、スポンサーに要求できる価格の根拠は、いうまでもなく発行部数である。部数を水増しするための「涙ぐましい努力」に励んでいるにもかかわらず、それでもダンピングしないと、いまや新聞は広告クライアントが付かない状態なのだ』、「昨年度の新聞広告費は4784億円と、年間1兆円を超えていた2005年と比べて半分以下に。一方インターネット広告費は1兆7589億円に達し、もはやメディアの構造転換は決定的」、ターゲット広告も可能な「インターネット広告」にはかなう筈もない。
・『ある全国紙社員はこう嘆く。「読者の減少には勝てないということです。読者が減れば必然的に発行部数が減る。発行部数が減れば広告価値が下がって、必然的に発注主も減る。負のスパイラルですね。 全国紙は今や、各社とも不動産収入やグループ会社のテレビ局の収益など、新聞事業以外の収入が経営を支えている状況です。もっとも、事業多角化については各種各様で、『発行部数最多』を誇る読売新聞は、残った紙の読者を囲い込む戦略をとっています。 日本ABC協会の調べによると、18年11月時点で読売新聞が朝日と毎日の合計部数を抜きました。近年、読売は地方紙のシェアも奪いに行っており、業界内のガリバーとして君臨する気です。新入社員向けの挨拶でも、幹部が『ウチは紙でいく!』と宣言していたそうですから、当面この方針を踏襲することでしょう。 一方で朝日は、主な新聞購読者である40代以上をターゲットにした『Meeting Terrace』という『出会い提供ビジネス』を開始し、一部から批判を受けるなど若干迷走気味。毎日新聞は他の新聞と印刷受託契約を結ぶなど、背に腹は替えられないという切実さが窺えます」』、「18年11月時点で読売新聞が朝日と毎日の合計部数を抜きました」、「読売新聞」も実際には押し紙などで化粧しているとの噂もあるが、それにしても圧倒的な差がついたものだ。
・『選挙広告の原資は「税金」  新聞と新聞広告を取り巻く現状が厳しいことはよくわかったが、選挙広告が新聞社にとっての「草刈り場」になってきたことは、一般にはあまり知られていない。 国政選挙の各立候補者は、2段・幅9.6cmの広告を、選挙区内で発行されている任意の新聞に5回掲載できる。東京なら、朝日、読売、毎日、産経、東京の5紙に出すという形だ。比例代表選挙の名簿届け出政党の場合は、候補者が25人以上のならば44段までの広告を全額「公費」で掲載できる。 この場合の広告費は法律で決められておらず、各新聞社の「定価」で支払われる。定価は各社異なるが、100~250万円程度の幅と言われる。 例えば、東京選挙区の立候補者が40人いて、候補者広告の1回あたりの料金が250万円だった場合、全員がある新聞社に5回広告を出したとすると、250万円×40人×5回=5億円の税金がその社に支払われることになるのである。 今回の参院選は全国で370人の立候補者がいるため、単純計算で、支払額は全体でおよそ46億円となるが、地域ごとに広告費用が変わるため、「参院選での新聞広告への総支払額は、例年20億円以下に収まる」(全国紙政治部記者)。 国政選挙は1回につき総額500億円の費用がかかるため、小さな話のように思えるが、新聞社の側からすれば、選挙のたびに「真水の20億円」が懐に入るのは、貴重な財源には違いない。 朝日新聞社を例にとると、2019年3月期連結決算は売上高3750億円、本業の儲けを示す営業利益が89億1000万円、経常利益が160億3400万円。新聞事業による利益が全利益の半分程度となる中で、少しでも多くの広告費を取り込みたいのが本音だろう。立候補者の広告掲載権を巡って、公示日前から自社の論調と近い候補者にアプローチをかけ、自社に掲載してもらうように依頼する──そんな争奪戦も繰り広げられるという』、新聞社にとっては、まさに「選挙」さまさまのようだ。
・『新聞が「軽減税率」で捨てたもの  中央官庁や自治体などの各種イベントによる広告も、新聞社にとっては重要な収入源となる。各地のお祭りの広告などのほか、例えば毎日新聞は警察庁と警視庁の協力により、各国の主要都市で世界の警察音楽隊を集めてパレードやコンサートを行う「世界のお巡りさんコンサート」を主催するなどして、「税金による収入」を確保している。 こうした現状について、毎日新聞のあるベテラン記者はこう話す。 「新聞社には国や地域の発展に寄与するという役割もありますから、中央官庁との合同イベントを開くこと自体は悪いことではないと思います。ただ、国家権力そのものといっていい警察主催のイベントで収入を得ることが常態化してしまうことには、不安もぬぐえません。 かつて、ある地方紙が警察の不祥事を大々的に報じた際には、警察だけでなく、同紙の営業サイドから記者や編集側に圧力がかかったと聞いています。タテマエ上は『編集と営業は別』と言いますが、各紙経営状態が悪化する中でどこまで突っ張れるか。 バリバリの反権力志向の記者より、権力に近い政治部出身か、営業的なセンスがある人を幹部にする傾向も出ている。最近、安倍総理と会食して喜ぶような新聞社の幹部が増えているのもその証拠でしょう。 軽減税率の対象に新聞が『文化事業』であるという理由で入りましたが、いざという時、官邸から『軽減税率の貸しを返せ』とでも言われたら……部数減少に歯止めがかからない中で、営業利益に占める税金の割合が高まれば、政治からの圧力は一層効くようになるでしょう」』、「政治からの圧力は一層効くようになる」、とは本当に困ったことだ。
・『特ダネはもういらない  新聞社内部では、記者は営業系の社員から「世間知らず」と揶揄され嫌われてきた面がある。営業が苦労してとってきた広告契約を、一本の記事でつぶされたらたまったものではないからだ。かつてのように紙の新聞が会社を支えているなら、「新聞社は記者のもの」と堂々と言えるが、今はむしろ「特ダネ記者よりも企画力のある営業社員が欲しい」(全国紙幹部)時代になった。 つまるところ、「報道」や「ジャーナリズム」は所詮、余裕の産物であるということだ。いくら「権力の監視」と息巻いても、安定した収益基盤がなければ、取材もままならない。基盤を失った新聞社は、なりふり構わぬ営利の追求と生き残りに走るようになる。全国紙社会部記者はこう話す。 「今の新聞社の体力だと、情報公開請求などで独自にファクトを集めて記事にする仕事を継続できているのは、事実上、朝日と読売くらいです。50万円分も請求を出して、政治家の領収書や公文書を隅から隅まで読んで、それでも何の不正も見つからない、ということが当たり前の世界ですから、マンパワーと資金が必要になる。時たま優秀な記者はいても、個人でやれることには限界もあります。 週刊誌がスキャンダルの発信源になり、新聞やテレビはそれを追っかければいいという安易な流れが定着しつつある。まして、地方では社会面を埋めるのはほとんど警察発表ですから、警察批判でもしようものなら、紙面組みに支障が生じることもありえます。取材先との関係を潰してでもネタを取ろうという記者は、もう多くはないでしょう」 7月初めには、毎日新聞が200人規模の早期退職を募集すると報じられた。ほぼ同時に、損保ジャパンは4000人規模の配置転換を発表し波紋を呼んだが、これらの事例から言えるのは、昭和に確立された「会社員」というシステムが本格的に消滅し始めたということだ。 いずれも大手とはいえ、業界トップではない。体力の乏しい順に、「能力の低い社員も、一生養うのがあるべき企業」という理念に基づく仕組みが維持できなくなってきた。この流れは、倒産に追い込まれる大手が出るまで止まらない』、警察の不手際・不祥事にますます甘くなってくるようであれば、野放しになりかねず、困った現象だ。
・『既得権益化する新聞社  新聞業界について言うなら、筆者は新聞社や通信社がつぶれようが一向にかまわないと思う。読者にとって重要なのはニュースそのものであり、つまらないものしか出せない組織は退場すべきだからだ。 部数減少の根本的理由は、「権力を監視する」とうそぶく新聞社自身が、経営努力も読者を楽しませる努力もせず、既得権益の上にふんぞり返っているだけだと見透かされていることだろう。 当局の発表を他社より早く報じることが「至上命題」であった昭和の新聞社のやり方では、横並びの平凡な記事が量産されるだけである。そのような仕事を繰り返してきただけの記者が、長じてこれまた平凡な論説を書いたところで、読者の支持など得られようはずがない。 まだ玉石混淆ではあるが、報道の舞台は確実にネットメディアなどへと移り始めている。アメリカのように、記者が個人の名前で写真や映像も駆使して自由に闘う時代が日本に訪れるのは、まだ先のことかもしれない。しかし、時代に適応できない者から淘汰されるのだ。大新聞で燻る優秀な記者こそ、座して死を待つべきではない』、「ネットメディア」と言っても、ニュースは「新聞社」のものを流しているケースが多い。「新聞社」にはまだまだ頑張ってほしいところだ。

次に、10月26日付けLlivedoorNEWSが日刊SPA記事を転載した「佳子さまのダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた見出しに思うこと/鴻上尚史」を紹介しよう。鴻上尚史氏は劇作家・演出家である。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191026-01614899-sspa-soci&p=1
・『ダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた大週刊誌のこと  11月2日から始まる『地球防衛軍 苦情処理係』の稽古場に向かう電車の中で、『週刊文春』の中吊り広告に目が釘付けになりました。 「佳子さま 孤独の食卓と『ヘソ出し』『女豹』セクシーダンス」 一瞬、脳がポカーンとなりました。 どんなダンスを踊っているかとか、どんな構成かなんてことじゃなくて、とにかく「ヘソを出したかどうか」が問題なんだ、ということですね。 この見出しを見ながら「ああ、日本で、ミュージカルとかダンスがアートとか文化として定着するのに、あと何十年かかるんだろう」と暗澹たる気持ちになりました。 このことをツイートしたら、「皇族だから問題なんだ」なんていうリプが来ました。 でもね、例えば、絵画で考えて欲しいのですよ。 佳子さまが絵画展に絵を出品して、それがヌードだとしても、『週刊文春』は「佳子さま ヌード画出品!ヘソから乳首まで!」と書くかということです。 断言しますが、書きませんよ。だって15世紀のヨーロッパじゃないんだから。西洋の裸婦画に腰を抜かした明治の日本人じゃないんだから。 皇族が裸婦像を描いても、問題にするのはおかしいと思われるはずです。ヌード画は文化だと受け止められるでしょう。 佳子さまが小説を発表して、それにベッドシーンがあったとしても、『週刊文春』は「佳子さま 小説執筆、ベッドシーン!挿入乱発!」なんて書かないと思います。性愛の描写もまた、小説という文化・アートにとって珍しくないと思われているからです。 でも、ダンスは「ヘソ出し」を問題にするんです。そして、「女豹」のセクシーな動きが見出しなんです。 それはまるで、映画を見て、どんなドラマかとか、どんなテーマとか、どんな演技かなんて一切問題にしないで「おお!乳首が見えた!パンツが見えた!」と騒ぐ人と同じです。 通常、そういうのは、「俗情に訴える」という表現になります。 『週刊文春』は、呆れるぐらい俗情に訴えた見出しを選んだのです』、「この見出しを見ながら「ああ、日本で、ミュージカルとかダンスがアートとか文化として定着するのに、あと何十年かかるんだろう」と暗澹たる気持ちになりました」、さすが「劇作家・演出家」の面目躍如で、全く同感である。
・『一番売れている週刊誌が俗情週刊誌の国?  もちろん、これが完全にエロ雑誌なら分かるのですよ。女に人格はない、あるのは肉体と穴だけである、という哲学(?)に基づいた編集方針なら、電車の中吊りは拒否されるでしょうが、ありうることです。 でも、あなた、『週刊文春』ですよ。『週刊SPA!』じゃないんですから。わはははは。 男性週刊誌はグラビアで「乳首が出ているかどうか」で分かれるでしょう? ヌードグラビアがあって、ちゃんと乳首が写されている雑誌と、何があっても乳首は見せない雑誌には、きっちりとした世界観断絶があると、僕は思っていたのですよ。 イスラム圏などの税関で問題になる雑誌と持ちこめる雑誌の違いと言ってもいいし、子供の手の届く所に置いていい雑誌と気をつけなきゃいけない雑誌の違いと言ってもいいし、電車で何の抵抗もなく読める雑誌とちょっと気をつけないといけない雑誌の違いと言ってもいいでしょう。 いや、お前、それは『週刊文春』を買いかぶりすぎだよ、『週刊文春』は大衆の俗情に訴える雑誌なんだよ、と言わたらそれまでなんだけど、そうすると、今現在、国内最高部数を誇る、一番売れている週刊誌が俗情週刊誌の国ってのは、その国の民度がそういうレベルだという証明になるわけで、なんだか、とほほな気持ちになりませんか。 同じ号の『週刊文春』は、経済産業大臣の告発だの、同僚教師をいじめた教師に関する記事だの、一応、「公序良俗」や「正義と文化」を標榜するような姿勢を見せています。 なのに「ヘソ出し」なのですよ。それは、まるで「ヘソ出し」が「公序良俗」に反するような、「正義と文化」に対する挑戦のような誤解を与えるじゃないですか。だったら、エロをエロとして謳いあげる『週刊SPA!』の方がどれだけ正直ですがすがしいか!わははははは。 どんな名作の映画を見ても、女優のおっぱいの大きさしか問題にしない男はいます。 そういう人間だと開き直ることなく、政治や経済を語りながら「ヘソ出し」を問題にすることは、ものすごく、いやらしいと思うのです』、説得力に溢れた主張だ。週刊文春の反論を聞きたいところだが、無理そうなのが残念だ。

第三に、12月18日付け東洋経済オンライン「テレビ朝日とKDDI、動画配信で手を組んだ事情 動画配信「戦国時代」をどのように生き抜くか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/319731
・『テレビ朝日とKDDIは12月12日、動画配信サービスを展開する共同出資会社を設立することを発表した。KDDIが2020年3月に動画配信サービス「ビデオパス」事業を新会社に移管したうえで、テレビ朝日が同社に50%出資する計画だ。 ビデオパスは2012年から、月額590円で視聴できる動画配信サービスを始めている。KDDIによると、新会社はビデオパスの会員基盤を引き継ぎ、名称なども含めサービスの再構築を目指す。同社はKDDIの連結子会社、テレビ朝日の持分法適用会社になる見込みだ』、第一、第二の記事とは趣が全く異なるが、1つの流れではあるので、紹介した次第である。
・『テレビ朝日とKDDIの「深い関係」  従来から、テレビ朝日とKDDIは深い関係にある。2015年にKDDIが運営するビデオパスで業務提携。テレビ朝日のコンテンツをビデオパスに優先的に提供したり、「仮面ライダー」シリーズなどの一部コンテンツを独占配信するなどしていた。 今回の出資の狙いについて、テレビ朝日の経営企画部門の担当者は「今までは自社の動画を配信するプラットフォームがなかった。今まではコンテンツ提供者だったのが、今後はプラットフォーマーにもなれる」と話す。 現在、民放キー局の多くは動画配信サービスを保有している。日本テレビの「Hulu(フールー)」が会員数200万人(2019年3月時点)と頭一つ抜けており、その後をフジテレビの「FOD」、TBSとテレビ東京の「Paravi(パラビ)」が追っている。 「HuluやNetflix(ネットフリックス)などのSVOD(定額制動画配信サービス)は存在感が大きくなっている」(前出のテレビ朝日担当者)と焦りを隠さない。今回のKDDIとの共同出資によって、テレビ朝日は念願の配信プラットフォームを手に入れた形だ。 KDDIと手を組んだ理由について、テレビ朝日側は「KDDIは携帯キャリアとしてユーザー基盤を保有している。さらに、5G技術も持っており、今後の動画配信拡大の際にも強みになる」(前出の担当者)と語る。 2020年に商用化が始まる5Gは、高速化や低遅延などが期待されており、それによって動画視聴が今より広まると期待されている。KDDIの広報担当者は「5Gになれば、スポーツなどリアルタイムでの提供も進展する」と話し、スポーツも含めたコンテンツ提供も見込む。共同出資は5G時代が本格化することを見据えての動きのようだ』、「現在、民放キー局の多くは動画配信サービスを保有している」、「共同出資は5G時代が本格化することを見据えての動き」、「テレビ朝日」もこの流れに遅まきながら乗ったようだ。
・『独自コンテンツの少なさが弱みに  KDDIにとってテレビ朝日と組むメリットは、会員数が伸び悩んでいたビデオパス事業のテコ入れだ。同じ携帯キャリアのNTTドコモが運営する「dTV」は、会員数400万人(2018年6月時点)。それに対し、ビデオパスは2018年に会員数100万人を突破した模様だが、その後は伸び悩んでいた。 2018年8月にはauの契約者以外もビデオパスを視聴できるようになっていたが、「NetflixやAmazonプライムビデオと比べて独自コンテンツが少ない」(KDDI広報担当者)ことが弱みだった。Netflixは「全裸監督」や「テラスハウス」、Amazonプライムビデオには「バチェラー」などの人気コンテンツがあるが、ビデオパスにはそうしたコンテンツが見当たらない。 さらに、Netflixは国内会員数で300万人を突破するなど動画配信サービスは戦国時代に突入しており、生き残り策を模索していた。 今回の共同出資によって、テレビ朝日のコンテンツ独占配信や地上波との連動企画など、従来よりもサービスの独自色を出すことが可能になる。KDDIにとっては、そうしたテレビ朝日のコンテンツが魅力的だったようだ。) 今後は、地上波テレビで見逃し配信や連動企画など配信サービスを宣伝することもでき、さらなる知名度アップも見込まれる。KDDI側にとっても大きなメリットが生まれそうだ。 一方、テレビ朝日の課題もある。現在、テレビ朝日はサイバーエージェントと共にAbemaTVを運営している。AbemaTVはサイバーエージェントの連結子会社で、テレビ朝日の出資比率は36.8%だ。 AbemaTVは、地上波と同じように決まった時間に番組を放送する「リニア放送」(注1)だけではなく、「Abemaプレミアム」と称するSVOD(注2)サービス(月額960円)も展開している。同サービスは2017年12月の開始から2年間で51万人もの会員を集めている』、私はこうした流れから取り残されているので、用語解説でみてみよう。
(注1)リニア放送:従来のテレビ放送の番組を、リアルタイムでIP放送により配信すること。IPリニア放送ともいう(goo辞書)
(注2)SVOD:サブスクリプション型ビデオオンデマンド,サブスクリプションビデオオンデマンド,定額制ビデオオンデマンド、SVODとは、単位期間ごとに所定の料金を支払い、対象期間中は映像コンテンツを見放題という種類のコンテンツ配信サービス(weblo辞書)
・『AbemaTVといかに棲み分けるか  さらに、AbemaTVの番組の多くをテレビ朝日のスタッフが制作している。仮にビデオパス向けのオリジナル作品を制作することになれば、そちらにリソースが割かれ、AbemaTVの制作力が落ちる可能性もある。 こうした点について、「AbemaTVはリニア放送がメイン。また、視聴者の多くは若者でビデオパスとは異なる。ビデオパスは携帯向けの会員が多く、年齢層が高い」(テレビ朝日の前出の担当者)と語り、属性の違いから食い合いにはならないと考えているようだ。 一方で、テレビ朝日の別の経営企画部門担当者は「(AbemaTVとビデオパスは)多少重なり合うところはある。しかし、そこは目をつむらなければ、新しいことはやっていけない」と語り、悩みの種であることをうかがわせる。 そうしたリスクを承知の上でも、リニア放送がメインのAbemaTVとSVODがメインのビデオパスの両方を手に入れることは、動画配信で出遅れるテレビ朝日にとって魅力的だったようだ。 テレビ朝日とKDDIという、動画配信サービスで乗り遅れた同士が組むことで、NetflixやHuluに迫ることができるのか。まずはオリジナル作品の質が勝負になる』、ユーザーにとって選択肢が増えるのはいいことだ。今後の展開を注目したい。
タグ:選挙広告の原資は「税金」 現代ビジネス 新聞が「軽減税率」で捨てたもの いざという時、官邸から『軽減税率の貸しを返せ』とでも言われたら……部数減少に歯止めがかからない中で、営業利益に占める税金の割合が高まれば、政治からの圧力は一層効くようになるでしょう 特ダネはもういらない 松岡 久蔵 いくら「権力の監視」と息巻いても、安定した収益基盤がなければ、取材もままならない。基盤を失った新聞社は、なりふり構わぬ営利の追求と生き残りに走るようになる 既得権益化する新聞社 「新聞「部数も広告収入も激減」の苦境…税金頼みの危うい実態 特ダネはいいから、お金が欲しい」 LlivedoorNEWS 日刊Spa 「佳子さまのダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた見出しに思うこと/鴻上尚史」 ダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた大週刊誌のこと 部数も広告費も「激減」の末に 『週刊文春』 中吊り広告 「佳子さま 孤独の食卓と『ヘソ出し』『女豹』セクシーダンス」 「ああ、日本で、ミュージカルとかダンスがアートとか文化として定着するのに、あと何十年かかるんだろう」と暗澹たる気持ちになりました 一番売れている週刊誌が俗情週刊誌の国? 東洋経済オンライン 「テレビ朝日とKDDI、動画配信で手を組んだ事情 動画配信「戦国時代」をどのように生き抜くか」 テレビ朝日とKDDIの「深い関係」 今まではコンテンツ提供者だったのが、今後はプラットフォーマーにもなれる 民放キー局の多くは動画配信サービスを保有 日本テレビの「Hulu フジテレビの「FOD」 TBSとテレビ東京の「Paravi (その18)(新聞「部数も広告収入も激減」の苦境…税金頼みの危うい実態、佳子さまのダンスで「ヘソ出し」を俗情的に訴えた見出しに思うこと/鴻上尚史、テレビ朝日とKDDI 動画配信で手を組んだ事情 動画配信「戦国時代」をどのように生き抜くか) 5G時代が本格化することを見据えての動き ビデオパス事業のテコ入れ リニア放送 SVOD AbemaTVといかに棲み分けるか 読者が減れば必然的に発行部数が減る。発行部数が減れば広告価値が下がって、必然的に発注主も減る。負のスパイラル メディア 18年11月時点で読売新聞が朝日と毎日の合計部数を抜きました 新聞の「紙面広告ダンピング」 昨年度の新聞広告費は4784億円と、年間1兆円を超えていた2005年と比べて半分以下に。一方インターネット広告費は1兆7589億円に達し、もはやメディアの構造転換は決定的
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