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ホテル(その1)(ユニゾTOB劇で「得」をした意外なプレーヤー 米ブラックストーンの登場で株価も上昇、ユニゾHD 1株5100円で従業員がTOB 非公開化へ、公金で高級ホテル50カ所開発という愚策) [産業動向]

今日は、ホテル(その1)(ユニゾTOB劇で「得」をした意外なプレーヤー 米ブラックストーンの登場で株価も上昇、ユニゾHD 1株5100円で従業員がTOB 非公開化へ、公金で高級ホテル50カ所開発という愚策)を取上げよう。

先ずは、昨年10月23日付け東洋経済オンライン「ユニゾTOB劇で「得」をした意外なプレーヤー 米ブラックストーンの登場で株価も上昇」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/309996
・『「結局、当事者であるユニゾ以外のステークホルダーにとっては“敵対的買収”ではなく、歓迎すべき買収だったのではないか」 ある外資系M&Aアドバイザーは、不動産やホテルなどを手掛けるユニゾホールディングスをめぐる一連のTOB(株式公開買い付け)に関して、このように指摘する。 そもそものきっかけは、今年7月。旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が、事前の交渉なしでユニゾ株を1株3100円で買い付けると表明、保有比率を45%まで高めようとしたことだった。 これに対しHIS傘下に入るのを嫌ったユニゾは、“ホワイトナイト(白馬の騎士)”探しに奔走。8月中旬になって、ソフトバンクグループ傘下でアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが、1株4000円でTOBを開始した。 ところが、ここから事態は混迷する。当初ユニゾはフォートレスのTOBに賛同の意思を表明していたにもかかわらず、HISを追い出すことができた途端、用済みとばかりに、「聞いたこともない、むちゃくちゃな条件」(前出のM&Aアドバイザー)をつけて、フォートレスに“三行半”を突きつけたのだ』、ユニゾは全国で24ホテル、稼働客室数5422(昨年4月末、同社HP)。TOB合戦での行儀は、お世辞にもいいとはいえないようだ。
・『ブラックストーンもTOBに参戦  「むちゃくちゃな条件」とは、TOBをかけられたユニゾ側が、フォートレスに対し「買収提案者の取り分と出口(ファンドによる株式売却)の時期・方法を合意書に明記し、出口の時期・方法を従業員持ち株管理会社が選択できる」(ユニゾが発表した「買収提案に対する対応の基本方針」)よう求めたことだ。「買収逃れだけを目的とした、常識外れのなりふり構わぬ条件」(M&Aアドバイザー)としか言いようがない。 そんな折、今度は1株5000円で買収提案をしていたものの、ユニゾに拒否されていたアメリカの投資ファンド、ブラックストーン・グループが、TOBを再提案する意向を表明した。ユニゾが提案を拒否した場合は「あらゆる選択肢を検討する」(ブラックストーン)としており、これまた敵対的TOBに発展する可能性がある。 これだけの短期間に、同じ企業が3度もTOBの提案を受けるのは、極めて異例の事態だ。 今回の事態に対して、「ユニゾの小崎(哲資)社長は、とにかく自分の独立王国を死守したいのだろう」(別のM&Aアドバイザー)と評する声がもっぱらだ。 そもそもユニゾは、常和ホールディングスという旧日本興業銀行(現みずほ銀行)系の不動産会社として発足。今も小崎社長を筆頭に旧興銀出身者が経営陣に名を連ねている。小崎社長はみずほフィナンシャルグループ(FG)出身で、現在同FGの取締役会長を務める佐藤康博氏とはトップ争いを繰り広げたライバルでもあった。 小崎社長は2010年4月の就任以降、「脱みずほ」を志向し、2018年5月までの5年間で4回の公募増資を実施した。当初はみずほの関連先と思われる株主だけで過半を占めていたが、公募増資によってどんどん希薄化し、みずほ銀行の持ち株比率は3.7%となっている。 これに対しみずほFG側も今回、「水面下でHISにユニゾ買収を持ち掛けるなどした節がある」(別のM&Aアドバイザー)。こうした経緯が、小崎社長のなりふり構わぬ姿勢につながっているという指摘は多い』、「就任以降、「脱みずほ」を志向」、銀行出身者にはありがちな話だ。「公募増資によってどんどん希薄化し、みずほ銀行の持ち株比率は3.7%となっている」、自ら格好のTOB候補としてしまったようだ。
・『「ユニゾは詰んだも同然」  ユニゾの株価は7月のHISによるTOB表明を契機に上昇。10月17日には年初来高値の4980円をつけた。ブラックストーンが提案する5000円に収れんしたかたちだが、そのブラックストーンの提案に対する回答期限は10月23日。「ユニゾは恐らく反対するだろうが、これだけ価格が高くなってきたら説得力がない。ユニゾは詰んだも同然」と前出の外資系M&Aアドバイザーは語る。 M&A先進国のアメリカには、高い買収価格を提示した買い手に会社を売るのを義務付ける「レブロン基準」というものがあり、世界のM&A業界では定着している。アメリカの判例に基づいた基準のため、日本には適用されないという言い分もあるが、「M&A界の常識を覆せば、誰からも相手にされなくなるため主張しづらい」(外資系M&Aアドバイザー)というわけだ。) ユニゾがあがく可能性も捨てきれないが、一連の混乱は収束に向かう可能性が高い。だが、今回の混乱劇を歓迎する向きも多い。 というのも、小崎社長が就任して以来、ユニゾの株価は下落し続け、HISによる提案前には2000円を割り込んでいた。それが見る見るうちにつり上がり、5000円近くにまで上昇したのだから、塩漬けにしていた既存株主は願ったりかなったりだ。 また、8月以降に筆頭株主に躍り出た米エリオット・マネジメントや、途中に買い増した英バークレイズ・キャピタル・セキュリティーズ、そしていちごアセットマネジメント・インターナショナルなども、高値で売り抜けることができる』、自ら格好のTOB候補にした「小崎社長」の深慮遠謀なのかも知れない。
・『TOB不成立でも得をしたHIS  そして何より得をしたのはHISだ。 不成立を受けて、すでにユニゾ株を売却して29億円の特別利益を上げている。また、ブラックストーンがTOBに成功した場合、「もうかっているホテル事業をHISに売却する可能性もある」(関係者)といい、くしくも当初の目的を達成することができるからだ。 「こんなことになるなら、ユニゾは初めからHISの提案に乗っておけばよかったのに」 M&A界からはそんな声が聞こえてくる』、その後の状況を次の記事で見てみよう。

次に、12月23日付けロイター「ユニゾHD、1株5100円で従業員がTOB 非公開化へ」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/unizo-idJPKBN1YQ0MU
・『ユニゾホールディングスは22日、従業員による買収(EBO)により非公開化すると発表した。従業員と米投資ファンドのローンスターが買収を目的に共同で設立したチトセア投資が株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株式を取得する。TOBが成立した場合には、ユニゾの経営陣は全員辞任する。 TOB価格は1株5100円。買い付け期間は12月24日から2020年2月4日まで。買い付け予定株数の下限は、発行済株式総数の3分の2超となる2281万3400株。 TOBを実施するチトセア投資は、ユニゾの従業員のみを株主とする会社が73%、ローンスターが27%を保有している。ローンスターは、融資最大1300億円、優先株式最大450億円の計最大1750億円のTOB資金をチトセア投資に供与する。 TOBの代理人は東海東京証券が務める。 また、このTOBが成立することを条件に、中間配当(40円)、期末配当(45円)を無配にすることも決議した。 ユニゾには米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが2020年1月8日を期限に1株4100円でTOBを実施中だが、これには反対する。また、ブラックストーンなど他の提案者との協議もすべて終了する』、「チトセア投資」の株主には「小崎社長」は入ってないようだ。何故、このような決着になったのかは、後日の解説記事を待つしかなさそうだ。

第三に、国際カジノ研究所所長の木曽崇氏が12月9日付けBLOGOSに掲載した「公金で高級ホテル50カ所開発という愚策」を紹介しよう。
https://blogos.com/article/422546/
・『意味不明の観光振興施策が始まるようです。以下朝日新聞からの転載。
・▽菅長官、高級ホテル新設めざす「世界レベルを50カ所」(https://www.asahi.com/articles/ASMD75HP7MD7UTFK006.html 菅義偉官房長官は7日、訪日外国人客の受け入れ態勢を強化するため、高級ホテルの建設を後押しする考えを示した。新たな経済対策に盛り込む融資制度などを活用し、「各地に世界レベルのホテルを50カ所程度、新設することをめざす」と述べた。熊本地震の復興状況を視察後、熊本県益城町で記者団に語った。) いやいやいや。我が国ではここ数年全国的にホテル建設ラッシュが続いており、既に供給過剰が心配され始めているところ。関西などでは、ホテルの収益性を示す指標であるRevPar(レヴパー)(注)が大きく下落し始めていることが報告されるなど、実は一部地域では「底抜け」の傾向が見え始めています』、確かに、政府が「高級ホテルの建設を後押し」、そこまでする必要があるのだろうか。(注)RevPar:「Revenue Per Available Room」の略語で、販売可能な客室1室あたりの売上を表す値のこと。OCC(客室稼働率) × ADR(平均客室単価)によって求める(MINPAKUBiz)。
・『過剰供給のツケ、「関西ホテルバブル」に変調 ホテルリートの数値が悪化、安値競争も懸念(https://toyokeizai.net/articles/-/313899?display=b ホテルに特化した不動産投資信託(リート)のいちごホテルリート投資法人が9月に発表した2019年7月期決算(2019年2~7月)によると、同法人が大阪市および京都市に2棟ずつ保有するホテルの「RevPAR」が前期比でそれぞれ19%減、16%減に沈んだ。 そんな現行市場に対して財政投融資を利用して政策的に高級ホテルを全国に大量にブッコむというという事らしいですが、かつてのリゾート法下の公共主導の開発が一つとして黒字化せず、オール赤字のまま破たんに向かって行った当時の状況が目に浮かびます。それ(注:「は」が抜けている?)完全に市場の需給バランスを崩し、また市場の需給関係の中で成立している民業としてのホテル業を痛めますよ』、「財政投融資」の最も好ましくない使い方で、焦げ付く懸念もある。
・『実は、2018年に成立した我が国のカジノ合法化と統合型リゾート導入を実現するIR整備法にも、今回政府が目指す高級ホテルの建設を後押しする施策が埋め込まれています。(第二条 この法律において「特定複合観光施設」とは、カジノ施設と第一号から第五号までに掲げる施設から構成される一群の施設(これらと一体的に設置され、及び運営される第六号に掲げる施設を含む。)であって、民間事業者により一体として設置され、及び運営されるものをいう。[…] 五 利用者の需要の高度化及び多様化に対応した宿泊施設であって、政令で定める基準に適合するもの) 現在、政府はIR整備に関する基本方針の中で、上記条項に基づいて統合型リゾートに世界レベルの高級ホテルの設置を求めて居るワケですが、IR整備法はかつてのリゾート法の失敗の反省に立ち、初期の論議の頃から「民設民営」を前提として法整備が進んできたのが実態。一方で、我が国の賭博法制は公営賭博を旨としていたワケで、2018年IR整備法の制定時に最大の論点となり、また法案審議上の最も難しい課題となったのがこの「民設民営」規定でありました。 その様に、ほんの数年前のIR整備法制定時には「かつてのリゾート法の反省に立ち、多額の公金が施設開発に投入されることはまかりならん」と主張していた政府が、なぜか今回はそれこそ一般の民間市場の中で成り立っているはずのホテル産業に多額の税投入を行う方向で進み始めてしまったわけで、正直、あの時の論議は一体何だったのか、と。 繰り返しになりますが、この施策は完全に市場の需給バランスを崩すことになると思いますよ』、どうやら、今回の「高級ホテル新設めざす」政策は、「IR整備法」で「世界レベルの高級ホテル」が出来るので、一般のホテル側がこれに対抗できるように投資するのに助成して欲しい、との要望が水面下であった可能性がありそうだ。「高級ホテル」の乱立をもたらしかねない余りにお粗末極まる政策だ。なお、「多額の税投入を行う」、とあるが、財政投融資なので、あくまで公的資金の投融資であって、一般会計での「税投入」とは異なる。
タグ:ホテル ロイター 東洋経済オンライン BLOGOS ユニゾホールディングス (その1)(ユニゾTOB劇で「得」をした意外なプレーヤー 米ブラックストーンの登場で株価も上昇、ユニゾHD 1株5100円で従業員がTOB 非公開化へ、公金で高級ホテル50カ所開発という愚策) 「ユニゾTOB劇で「得」をした意外なプレーヤー 米ブラックストーンの登場で株価も上昇」 エイチ・アイ・エス(HIS)が、事前の交渉なしでユニゾ株を1株3100円で買い付けると表明 HIS傘下に入るのを嫌ったユニゾは、“ホワイトナイト(白馬の騎士)”探しに奔走。8月中旬になって、ソフトバンクグループ傘下でアメリカの投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループが、1株4000円でTOBを開始 当初ユニゾはフォートレスのTOBに賛同の意思を表明していたにもかかわらず、HISを追い出すことができた途端、用済みとばかりに、「聞いたこともない、むちゃくちゃな条件」(前出のM&Aアドバイザー)をつけて、フォートレスに“三行半”を突きつけたのだ ブラックストーンもTOBに参戦 ユニゾの小崎(哲資)社長は、とにかく自分の独立王国を死守したいのだろう 小崎社長は2010年4月の就任以降、「脱みずほ」を志向し、2018年5月までの5年間で4回の公募増資を実施 当初はみずほの関連先と思われる株主だけで過半を占めていたが、公募増資によってどんどん希薄化し、みずほ銀行の持ち株比率は3.7%となっている 「ユニゾは詰んだも同然」 アメリカには、高い買収価格を提示した買い手に会社を売るのを義務付ける「レブロン基準」 TOB不成立でも得をしたHIS 「ユニゾHD、1株5100円で従業員がTOB 非公開化へ」 従業員による買収(EBO)により非公開化 従業員と米投資ファンドのローンスターが買収を目的に共同で設立したチトセア投資が株式公開買い付け(TOB)を実施し、全株式を取得 TOB価格は1株5100円 ユニゾの従業員のみを株主とする会社が73%、ローンスターが27%を保有 木曽崇 「公金で高級ホテル50カ所開発という愚策」 菅長官、高級ホテル新設めざす「世界レベルを50カ所」 我が国ではここ数年全国的にホテル建設ラッシュが続いており、既に供給過剰が心配され始めているところ 関西などでは、ホテルの収益性を示す指標であるRevPar(レヴパー)(注)が大きく下落し始めていることが報告されるなど、実は一部地域では「底抜け」の傾向が見え始めています 過剰供給のツケ、「関西ホテルバブル」に変調 ホテルリートの数値が悪化、安値競争も懸念 リゾート法下の公共主導の開発が一つとして黒字化せず、オール赤字のまま破たんに向かって行った当時の状況が目に浮かびます IR整備法にも、今回政府が目指す高級ホテルの建設を後押しする施策が埋め込まれています この施策は完全に市場の需給バランスを崩すことになる IR整備法 「世界レベルの高級ホテル」
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