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医薬品(製薬業)(その4)(新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由、なぜ日本は世界一の「薬剤師パラダイス」になったのか その「ツケ」を払っているのは消費者、市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 販売規制や啓蒙教育だけでは防止できない) [産業動向]

医薬品(製薬業)については、1月26日に取上げたばかりだが、今日は、(その4)(新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由、なぜ日本は世界一の「薬剤師パラダイス」になったのか その「ツケ」を払っているのは消費者、市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 販売規制や啓蒙教育だけでは防止できない)である。

先ずは、2月28日付けダイヤモンド・オンライン「新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/230223
・『新型コロナウイルスによる肺炎が日本でも猛威を振るい始めているが、治療薬やワクチンの開発では海外製薬会社ばかりが目立ち、国内製薬会社は存在感に乏しい。なぜなのか。 新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)が世界で猛威を振るい、日本でも各地で感染者が続出している。そこで世界中で期待されているのは新型肺炎の治療薬や、重症化を予防するワクチンの登場だ。 新薬開発で注目の製薬会社は米ギリアド・サイエンシズ、アッヴィ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、英グラクソ・スミスクラインなど海外勢が目立ち、日本勢の影は薄い(下表を参照)。世界中で新薬の研究開発能力があるのは、先進国の一部企業だけなのにもかかわらず、だ。 基本的なところから説明すると、国内の製薬会社には、「注力分野」がある。新薬開発にかかる費用が膨大なため、経営資源を集中させているのだ。 ワクチンといえば武田薬品工業、第一三共、BIKEN(田辺三菱製薬が33.4%出資)、明治ホールディングスなど。感染症分野の治療薬といえば、塩野義製薬などの会社名が挙がる。 新薬開発を表明しないことに対する不満をこれらの企業にぶつけることはたやすい。だが製薬会社の多くは株主利益の最大化を図る上場企業。複数の業界関係者に取材すると、過熱する報道を尻目に驚くほど冷静で、現状は、「ビジネスとしてシビアに見ている」というのが本音のようだ』、彼らがそう判断したのであれば、残念ながらやむを得ない。
・『製薬は“ビジネス”  まずもって、感染症は「流行」があるため、治療薬やワクチンの開発(通常数年~十数年)が完了した頃には流行が終息している可能性が高い。いざ上市の段階になって「ほとんど売れない」となれば、製薬会社は当然、研究開発費を回収できない。そもそも治験段階で必要な感染者が集まらず、開発断念という“リスク”すらある。 また感染者数も製薬会社がもろ手を挙げて開発に取り組みたいほど多くはない。感染者数は露骨に言えば、製薬会社にとっての「客数」。2月25日時点で中国が約8万人、日本はクルーズ船を含めて約900人。「潜在的な感染者数はもっと多い」との指摘はさておき、数字だけを見れば希少疾病(日本国内患者数が原則5万人未満)の部類だ。 さらに国の専門家会議によると、感染者のほとんどが無症状か軽症で、予想される新薬の使用頻度は相対的に低い。それでもCSR(企業の社会的責任)だと割り切って開発する手もあるが、「一企業で開発するには事があまりにも大きくなり過ぎた」(大手製薬会社)。 ワクチンに限れば、日本は「ワクチン後進国」といわれるほど接種に消極的な時代が続いた。それに伴い、日本勢が開発力に乏しいことも背景にあるようだ。 とはいえ、目の前の重症の感染者を救う必要性は論をまたない。 海外でも事情は似たり寄ったりのはずだが、よく見れば上表に登場する海外企業はチャレンジ精神が旺盛なベンチャーか研究開発費が潤沢なメガファーマ(巨大製薬会社)と両極端だ。「目立とうとファイティングポーズを取っただけの会社もあるのでは」と、国内の一部業界関係者は疑問視する。真偽は不明だが、実際に新型肺炎関連株として軒並みこれらの企業の株価は急伸している』、「日本は「ワクチン後進国」といわれるほど接種に消極的な時代が続いた」、とは初耳で、意外だ。「新型コロナウイルスによる肺炎」でも「希少疾病の部類」、にも驚かされた。「感染症は「流行」があるため、治療薬やワクチンの開発が完了した頃には流行が終息している可能性が高い」、これでは確かに難しそうだ。感染防止策を取った上で、あとは感染の終息をじっと待つ他なさそうだ。

次に、作家の猪瀬 直樹氏が1月31日付けPRESIDENT Onlineに掲載した「なぜ日本は世界一の「薬剤師パラダイス」になったのか その「ツケ」を払っているのは消費者」を紹介しよう。Qは聞き手の質問、Aは猪瀬氏の回答。
https://president.jp/articles/-/32580
・『大きな病院の門前には、同じような店構えの調剤薬局が並ぶ。なぜこうした風景が生まれたのか。『日本国・不安の研究 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!』(PHP研究所)を出した作家の猪瀬直樹氏は「調剤薬局の青年がフェラーリを乗り回しているという話が取材の端緒だった」という――』、「調剤薬局の青年が・・・」をもっと具体的にみてみよう。
・『年間8兆円、薬局調剤医療費の不思議な仕組み  Q:『日本国・不安の研究』では、調剤薬局を切り口に、薬局調剤医療費(年間8兆円)の問題点を指摘しています。 A:国民医療費43兆円のうち、医科診療医療費が31兆円を占めています。8兆円の薬局調剤医療費はあまり目立たないのですが、きちんと精査する必要があります。厚生労働省が場当たり的に「医薬分業」を進めた結果、薬局調剤医療費……とくに1兆9000億円の調剤技術料をわれわれが負担しなければならなくなった。 Q:医師が薬の処方を、薬剤師が調剤を分担する「医薬分業」については明治期に遡さかのぼって解説していますね。 A:そもそも「医薬分業」自体は悪いことではないんです。欧米の先進国でも当たり前に行われています。日本では明治時代から「医薬分業」の必要性は訴えられていたものの、医師が収入源だった調剤権を手放さなかったために「医薬分業」が定着しなかった。 昔は医師が仕入れた薬を倍くらいの値段で、大量に処方していた。もちろん「薬漬け」「過剰投与」と批判された。医師だけが儲かる仕組みに対して、「それじゃまずいだろう」と厚生労働省は「医薬分業」へと舵を切った。 その結果、昔は当たり前だった病院内での処方が減りました。そして患者みんなが病院の外に並ぶ「門前薬局」で薬をもらうようになった。現在、病院内での処方は3割。残りの7割が病院外の薬局の処方されている』、「7割が病院外の薬局の処方」、一応、形の上では「医薬分業」がされたようだ。
・『医薬分業に潜む「政策コスト」  Q:そこだけ聞くと、医者が不当に儲けられなくなり、患者は適正な価格で薬をもらえるようになる気がするですが。 A:政策コストがかかりすぎて、そのコストをわれわれ利用者が払っているから問題なんです。政策コストとは、政策を実現するためにインセンティブを与える費用です。「医薬分業」で言えば、医師、病院から薬剤師、薬局に調剤業務を移行させための必要な費用です。 その政策コストの1つが、先ほど指摘した調剤技術料です。調べれば調べるほど、1兆9000億円の調剤技術料にどこまで合理的な根拠があるのか疑問がわいてくる。 一例ですが、高血圧、糖尿病、不眠、胃炎の70代の患者が28日分の薬を処方してもらったとします。病院内の場合は320円で済むのに、「門前薬局」に行くと3450円もかかる。 A:病院内で処方されるより10倍以上も高いとは驚きです。 それだけではありません。そのなかでも調剤料は、院内が90円に対し、院外が2400円。実に27倍ですよ。それに「お薬手帳」ってあるでしょう。あれも持っていても持っていなくても、380円かかる仕組みになっている。 結局、医師のボロ儲けを防ぐための「医薬分業」が、薬剤師がボロ儲けする構造になってしまった。 Q:なぜ是正しないのでしょうか A:それは大玉送りだからですよ』、「調剤技術料」など「調剤薬局」へのインセンティブが手厚過ぎたのだろうか。
・『根本的な見直しを怠り、既得権益が積み重なる  Q:大玉送りですか? A:運動会で、隊列を組んだ子どもたちが、両手を挙げて大きな玉を移動させていく競技があるでしょう。調剤医療費を巡る問題を先送りしていくさまが、まさに大玉送りなんです。 2、3年で担当が代わる役人が長期的なビジョンもなく「医薬分業」を実現するために少しずつ修正した。そして「医薬分業」を達成してみると、必要以上に政策コストがふくらんで調剤技術料が1兆9000億円になった。 付け加えるなら「門前薬局」の増加が、薬剤師の雇用を生んで、薬科大学の定員が大幅に増えた。私学薬学部の定員は1990年代と比較すると2倍になっています。また人口1人あたりの薬剤師の数は諸外国に比べても飛び抜けて多い。増え続ける薬剤師が食べていくためにも、高額な調剤技術料が必要になる。そうした産業構造がつくられてしまった』、確かに病院の前には「門前薬局」が乱立している。「薬学部の定員は1990年代と比較すると2倍になっています。また人口1人あたりの薬剤師の数は諸外国に比べても飛び抜けて多い」、「既得権益が積み重なる」、厚労省の怠慢だけでなく、政治献金を受け取っている政治家の責任も重大だ。
・『調剤薬局の若手経営者がフェラーリのお得意さん  Q:いつの間にか病院の前にたくさん並ぶようになった薬局の源泉は、私たちが無自覚に支払っていた薬局調剤医療費だった、ということですね。 風景の変化は、自覚的に見ていかないと気がつきませんからね。私にも「門前薬局」の風景に違和感を持つきっかけがありました。 数年前、散歩の途中で立ち寄ったフェラーリ販売店の店主と雑談していると、チャラチャラした若者が店員と立ち話している。とてもフェラーリに手が届く収入があるようには見えない普通の青年でした。不思議に思って、店主に「あの青年は、冷やかしなのかね」と尋ねると「お得意さんです」と答えた。 聞けば、調剤薬局の経営者だという。実を言えば、そのとき「チョウザイヤッキョク」が「調剤薬局」と結びつかなかったし、聞いたあとも、なぜ調剤薬局がフェラーリを買えるほど儲かるのか分からなかった。 Q:実際にそんなに儲かるのですか? A:たとえば、1人で門前薬局を開業したとして、月20日間店を開けて、1日30人患者がくるとしましょう。受け付けしただけで支払わなければならない調剤基本料、調剤の数によって算出される調剤料、お薬手帳の料金など、薬剤費を抜いた技術料だけで“3450円×30人×20日=207万円”。これを年収にすると2484万円。経費を抜いて年収1000万円だとしたら、フェラーリにも十分手が届く計算になる』、「調剤薬局の経営者」といっても、実際には複数の「調剤薬局」を経営しているのだろう。
・『問題の根っこを見るには歴史的な視点  Q:なるほど。フェラーリを買いにきた若者をきっかけに「医薬分業」の歴史をたどり、薬局調剤医療費を削減する提言にまでいきついたわけですね。 A:医療や介護問題に限らず、いまの日本では、歴史的な視点が政治家にも専門家にも失われてしまっている気がします。社会がディズニーランド化してしまったと言えばいいかな。歴史の流れを見ようとしなくなった。 精神医療にしても「医薬分業」にしても、近代以降の連続性を見ていかないと問題の根っこは見えてこない。そもそもわれわれが日本人という意識を持ったのは近代――明治以降ですから。物事の本質をつかむには、明治時代に日本という空間が誕生して、日本の近代がスタートした時点にまで立ち返るしかない』、「歴史的な視点」は確かに重要だ。
・『国民国家としての日本をどうするか  いま日本のIT業界の人たちが盛んに「電子国家」を掲げるエストニア詣をしているでしょう。エストニアは、公的サービスの99%が電子化され、24時間年中無休で利用でき、住民票などの変更も選挙も確定申告もパソコンやスマホでできるそうです。マイナンバーカードのようなIDカードが1枚あれば、免許証も健康保険証も、お薬手帳も必要ない。 でも、エストニアを礼賛する人たちには、近代への目線が欠けている。視点が軽いと言わざるをえません。 エストニアはスウェーデンやロシアから長い間、占領されていました。彼らはいつ領土が奪われるかもしれないという危機感がある。だから領土を奪われ、国民がちりぢりになっても国民と国の電子データさえあれば、国家を再建できるという考えから「電子国家」として存続していこうとしている。 私は国民国家とは、ある意味での会員制クラブのようだと考えているんです。会費を払えば、さまざまなサービスを受けられる。日本ではエストニアのような危機感は持ちにくいのはわかりますが、人口が減少し、高齢化が進むいま、国民国家を維持していく上で、ギリギリのところにきている。とくに問題なのが『日本国・不安の研究』で提示した医療・介護です。ここを早く解決しないと日本は取り返しがつかないことになる』、その通りだろう。
・『政治家や官僚は改革を実行できるのか  Q:『日本国・不安の研究』には増え続ける医療・介護費を消費者の利益に沿ってどのように削減していくか数々の提案が示されている。政治家や官僚は実行できるのでしょうか。 A:政治家が地元しか見ていないからです。道路公団民営化のときも同じことを感じました。政治家は自分の地元に道路を敷きたい。高速道路が通らなければ、地元が寂れてしまう。地元をないがしろにしたら選挙に勝てない……。その気持ちは分からなくはないのですが、本来、政治家は天下国家を論じるべき存在です。地元だけを見ていると、国家の観点がなくなってしまう。 期待できるとしたら政権ですが、安倍政権は権力を持ったけれど、なにもやらない。権力があり、本気になれば改革できるはずなんですよ。だって、小泉さんは信念を持って郵政民営化をやり遂げたでしょう。 一方、官僚は当局の政策を立案する役割をになう。ただし担当者が2、3年で異動していくから、目先のことしか見ていない。長期で俯瞰する視点を持たず、予算なら前年度比を参考にして考えることしかできない。だから道路にしても、医療にしてもコストだけがどんどんふくらんでしまう。 将来を見通す政治家と実務を行う官僚がうまく補完し合う関係であればいいんだけど、現実はそうなっていない。近い将来、長期的なビジョンを持つ政治家が厚生労働大臣になり、私が書いた処方箋をもとに、医療・介護業界の改革に乗り出してほしいと考えているんです』、「政治家は天下国家を論じるべき存在です。地元だけを見ていると、国家の観点がなくなってしまう」、その通りだが、これには小選挙区制がもたらした弊害も大きい。先ずは中選挙区制に戻すべきだろう。

第三に、2月10日付け東洋経済オンライン「市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 販売規制や啓蒙教育だけでは防止できない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/329394
・『医師から言われるがままに飲んでいた薬、病気を治すためだと思っていた治療や検査……。それらが実は健康をむしばんでいるかもしれない。 2月10日発売の『週刊東洋経済』は「信じてはいけないクスリ・医療」を特集。がん患者につけこむ科学的根拠のない免疫療法、量産される無駄な入院など、身近な医療の裏側に迫っている。 「大量に飲むとトリップできる」「悩みが吹き飛んで多幸感が得られる」――。 これは大麻や覚醒剤など違法薬物の話ではない。ドラッグストアで買える市販のせき止め薬や風邪薬のことだ。商品名をインターネットで検索すれば、こんな情報があふれている。 今、10代の間で、身近な市販薬の乱用が増えている。厚生労働省の調査によると、市販薬の乱用は全薬物乱用者のうちの5.2%(2016年)から5.9%(2018年)と微増にとどまる。しかし、10代の薬物乱用の推移を見ると、2014年にゼロだった市販薬乱用は、2018年には約4割と最も多くなっている』、「市販のせき止め薬や風邪薬」でも「10代」を中心に「乱用」が増えているとは、由々しいことだ。
・『市販薬の乱用者は7割が女性  2014年に最も多かった危険ドラッグの乱用者は男性中心だ。対して、市販薬は女性が7割を超える。使用している層が異なるため、危険ドラッグが規制された結果、市販薬に流れたという単純な構図ではない。若年層、しかも女性に多いのが市販薬乱用の特徴だ。 薬物による依存症の回復を支援するNPO法人で働く大木由美子さん(41歳、仮名)も、10代の頃から市販薬乱用に苦しんだ1人だ。「どこにでも売っているし、危ない薬だとは思っていなかった」と、当時をそう振り返る。きっかけは、18歳のとき好意を寄せていた男性から勧められたことだった。嫌われたくないという思いから断れず、せき止め薬の「ブロン錠」を一度に20錠飲んだ。 「しばらくすると、悩んでいたことが頭から消え、『生きていてよかった』と幸せな気持ちになりました。魔法の薬のように感じたんです。それからドラックストアを何軒も回り、薬を買い集めました。せき止め薬と同じ成分が入った薬も試したり……。毎日のように店に通い、いろいろな薬を飲んでいましたね」 気づけば、薬はおびただしい量になっていった。1瓶84錠のせき止め薬を1日数回、その間にも鎮痛薬を常に飲んでいる状態だったという。大木さんは22歳のとき、精神科病院に入院。リハビリ施設で12年間の生活し、乱用を克服した。 「今考えると、寂しさを埋めるためでした。学校での人間関係に悩んでいましたが、親との関係も悪かったため、誰にも相談できませんでした。市販薬は簡単に手に入り、親にも言い訳をして隠しやすい」 厚労省の調査を実施した国立精神・神経医療研究センター薬物依存研究部部長の松本俊彦医師は、「市販薬乱用者には、うつ病などの精神疾患を抱えた患者が多い」と指摘する。 「生きづらさを抱えた若者が『死にたい』『いなくなりたい』という気持ちを和らげるために使う。一時的な元気の前借りだ。しかし、長期的には気分の浮き沈みが激しくなり、もともとあった精神疾患の治療も難しくなる」』、「精神科病院に入院。リハビリ施設で12年間の生活し、乱用を克服した」、こんなに長期の「リハビリ」が必要になったとは、事態の深刻さを再認識させられた。
・『安価なものを求め種類も量も増えていく  同調査で最も多くの乱用があったせき止め薬「ブロン錠」には、麻薬と同様の鎮痛成分が含まれる。同じ成分を含む風邪薬「パブロンゴールド」も乱用が多い。これらの薬は、中枢神経を覚醒させる成分と鎮静させる成分の両方が含まれ、大量に飲むと高揚感や多幸感を得られるとされる。 鎮痛薬にも、覚醒成分と鎮静成分の両方を含むものが多く、乱用される傾向がある。乱用者はこのような成分を含む、より安価なものを求めて種類も量も増やしていく。 「体を慣らしながら飲む量を増やし、1日700錠飲んでいた患者もいる。薬をやめれば激しい離脱症状が現れるが、その症状は覚醒剤よりも苦しいといわれる。全身のだるさとともに身の置きどころがない焦燥感が起こるため、寝ることもできない」(松本医師) しかも、市販薬は他の薬物に比べて依存性が強い。同調査で、市販薬は、「やめられない」「とまらない」という依存症候群が他の薬物に比べて最も多いことがわかった。 街を歩けばドラッグストアはいくらでもある。入手するためのアクセスがよいだけに、一度辞めても再発もたやすい。安全なイメージの強い市販薬だが、その先には非合法薬物と同様の深刻な依存が待ち受けている。 せき止め薬などの乱用のおそれがある市販薬は、購入量が一度に1瓶までに制限されるなど、国が販売ルールを定めている。しかし、2018年実施の厚労省調査によると、国が規定する販売ルールをドラッグストアの約半数が守っていなかった。複数買う場合でも、48%が使用目的の確認をしていない。2019年9月、厚労省は販売規定を徹底するよう、販売業者や製薬メーカー団体に指導した。 製薬メーカーはこうした事態をどう捉えているのか。ブロン錠を販売するエスエス製薬は、乱用について「大きな懸念事項だ。業界を挙げて防止策に取り組む必要がある」と答える。2019年10月以降、店頭に置くブロンの空箱に注意喚起のシールを貼付するなど、新たな取り組みを始めた。パブロンゴールドを販売する大正製薬も、「販売店には必要な情報提供をし、適正販売を依頼する。メーカー団体と連携して必要な対策を実施していく」と答えた』、「薬をやめれば激しい離脱症状が現れるが、その症状は覚醒剤よりも苦しいといわれる」、無論、大量に乱用した場合、とはいっても、市販薬にこのような恐ろしい副作用があることは、もっと周知徹底すべきだろう。「注意喚起のシールを貼付」、もっと早くから取り組むべきだった。「国が規定する販売ルールをドラッグストアの約半数が守っていなかった」、厳しい行政処分を課すべきだろう。
・『販売店「売らないわけにはいかない」  販売店も苦心する。日本チェーンドラッグストア協会は、若年者へは身分証の確認、他店での購入状況を尋ねるなどの自主ルールを定めた。が、こうした規制には限界がある。担当者は言う。「購入者から売ってほしいと言われれば、売らないわけにはいかない。販売ルールの徹底にはばらつきがある」。 セルフメディケーションを推進する国は、処方薬から市販薬への転用や減税制度の導入などで市販薬販売を拡大している。2014年からは、乱用のおそれがある市販薬もインターネット販売が解禁された。ネット販売でも複数購入者には使用目的の確認が必要だが、これも半数の業者が守っていない。規制を強化できても、複数の店やサイトで購入しようとすれば簡単に手に入る状況だ。 根本的な解決は、乱用者本人が乱用に陥らないことだが、「ダメ。ゼッタイ。」といった薬物乱用禁止を訴える教育だけでは、防止できない。前出の松本医師は、「人に頼れない環境が薬物依存を生み出す」と指摘する。周囲の期待に応える「よい子」が、逃げ道として市販薬に依存することもあるという。 「市販薬に頼らざるを得なかった環境にこそ、目を向けるべきだ。乱用に至るには虐待や育児放棄などの家庭環境や、学校でのいじめなどの背景がある」(松本医師) 規制だけでは市販薬の乱用防止、さらにその克服は難しい。家族も含めたメンタルヘルスへの支援体制が不可欠だ』、「周囲の期待に応える「よい子」が、逃げ道として市販薬に依存することもある」、恐ろしいことだ。「家族も含めたメンタルヘルスへの支援体制が不可欠だ」、どうやら簡単で実効性ある対策はない難しい問題のようだ。
タグ:国民国家としての日本をどうするか 調剤薬局の若手経営者がフェラーリのお得意さん 人口が減少し、高齢化が進むいま、国民国家を維持していく上で、ギリギリのところにきている 年収にすると2484万円。経費を抜いて年収1000万円だとしたら、フェラーリにも十分手が届く計算になる 問題の根っこを見るには歴史的な視点 年間8兆円、薬局調剤医療費の不思議な仕組み 周囲の期待に応える「よい子」が、逃げ道として市販薬に依存することもある 東洋経済オンライン 「市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 販売規制や啓蒙教育だけでは防止できない」 「大量に飲むとトリップできる」「悩みが吹き飛んで多幸感が得られる」 市販のせき止め薬や風邪薬 本来、政治家は天下国家を論じるべき存在です。地元だけを見ていると、国家の観点がなくなってしまう 製薬業 開発で日本企業の影が薄い理由、なぜ日本は世界一の「薬剤師パラダイス」になったのか その「ツケ」を払っているのは消費者、市販薬の「大量服用」に依存する人の切実な実態 販売規制や啓蒙教育だけでは防止できない) 新薬開発で注目の製薬会社は 医療・介護 調剤料は、院内が90円に対し、院外が2400円。実に27倍 「お薬手帳」 調剤技術料 病院内での処方は3割。残りの7割が病院外の薬局の処方 医薬分業に潜む「政策コスト」 猪瀬 直樹 治験段階で必要な感染者が集まらず、開発断念という“リスク”すらある 病院内の場合は320円で済むのに、「門前薬局」に行くと3450円もかかる 「注力分野」がある。新薬開発にかかる費用が膨大なため、経営資源を集中させている 「医薬分業」で言えば、医師、病院から薬剤師、薬局に調剤業務を移行させための必要な費用 「新型肺炎の治療薬・ワクチン開発で日本企業の影が薄い理由」 ダイヤモンド・オンライン 日本は「ワクチン後進国」といわれるほど接種に消極的な時代が続いた。それに伴い、日本勢が開発力に乏しいことも背景 「ビジネスとしてシビアに見ている」というのが本音 海外企業はチャレンジ精神が旺盛なベンチャーか研究開発費が潤沢なメガファーマ(巨大製薬会社)と両極端だ PRESIDENT ONLINE 根本的な見直しを怠り、既得権益が積み重なる 製薬は“ビジネス” 家族も含めたメンタルヘルスへの支援体制が不可欠だ 薬物乱用禁止を訴える教育だけでは、防止できない 国が規定する販売ルールをドラッグストアの約半数が守っていなかった 販売店「売らないわけにはいかない」 セルフメディケーション 感染症は「流行」があるため、治療薬やワクチンの開発(通常数年~十数年)が完了した頃には流行が終息している可能性が高い。いざ上市の段階になって「ほとんど売れない」となれば、製薬会社は当然、研究開発費を回収できない 『日本国・不安の研究 「医療・介護産業」のタブーに斬りこむ!』(PHP研究所) 「門前薬局」の増加が、薬剤師の雇用を生んで、薬科大学の定員が大幅に増えた。私学薬学部の定員は1990年代と比較すると2倍になっています。また人口1人あたりの薬剤師の数は諸外国に比べても飛び抜けて多い 380円かかる 希少疾病 医薬品 海外勢が目立ち、日本勢の影は薄い 薬をやめれば激しい離脱症状が現れるが、その症状は覚醒剤よりも苦しいといわれる 安価なものを求め種類も量も増えていく 精神科病院に入院。リハビリ施設で12年間の生活し、乱用を克服した 市販薬の乱用者は7割が女性 10代の間で、身近な市販薬の乱用が増えている 「なぜ日本は世界一の「薬剤師パラダイス」になったのか その「ツケ」を払っているのは消費者」 場当たり的に「医薬分業」を進めた結果、薬局調剤医療費……とくに1兆9000億円の調剤技術料をわれわれが負担しなければならなくなった 政治家や官僚は改革を実行できるのか とくに問題なのが
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