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携帯・スマホ(その2)(「5G戦争」で日本の通信機器業界が世界から取り残される理由、総務省と携帯業界 激しく対立する「4つの理由」 ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満、楽天 データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない、5G時代スタートも 乏しい通信大手の「差別化」 3社とも料金プラン出すが、決定打に欠ける) [産業動向]

携帯・スマホについては、2018年5月18日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その2)(「5G戦争」で日本の通信機器業界が世界から取り残される理由、総務省と携帯業界 激しく対立する「4つの理由」 ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満、楽天 データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない、5G時代スタートも 乏しい通信大手の「差別化」 3社とも料金プラン出すが、決定打に欠ける)である。

先ずは、百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏が昨年4月5日付けダイヤモンド・オンラインに掲載した「「5G戦争」で日本の通信機器業界が世界から取り残される理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/198880
・『「5G」特需が見込まれるも 存在感が薄い日本の通信機器  2020年からいよいよ日本でも携帯電話の第5世代、いわゆる5Gのサービスが開始されます。5Gへの切り替えとなると、携帯電話会社1社で2兆円規模の投資が必要になります。単純計算すると、携帯4社(ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天)合計で8兆円ですから、日本経済全体の景気を左右するくらいの特需が起きることになります。 しかし一方で、この5G通信網の調達先として、NECや富士通のような日本の通信機器メーカーの存在感が低いことが指摘されています。世界シェアで見ると、エリクソン、ノキアの北欧勢とファーウェイ、ZTEの中国勢の4社で占有率は9割を超えます。世界市場は完全に4社寡占になっているわけです。 ここから日本勢が盛り返すのは、不可能に近い情勢だと思います。しかし、わずか20年前には、こんな状況になることは逆に考えにくい時代がありました。そこからなぜ日本メーカーは凋落してしまったのか。時代の流れを遡って、振り返ってみたいと思います。 今から20年ほど前、20世紀終盤の通信網設備の世界シェアには、ある特徴がありました。簡単にその当時の様子を説明すると、アメリカ大陸の通信網の市場はアメリカの通信機器メーカーであるルーセントがほぼ独占していました。ヨーロッパ大陸はフランスのアルカテル、ドイツのジーメンス、そしてスウェーデンのエリクソンが寡占していました。そしてアジア市場は、NEC、富士通など日本企業が強いという形で、世界市場が棲み分けられていました。 この状況をスタート地点として眺めると、凋落したのは日本メーカーだけではないことがわかります。アメリカのルーセント、フランスのアルカテルは、現在はフィンランドのノキアの傘下に入っています。ドイツのジーメンスもノキアとの通信合弁会社をノキアに譲渡しています。日本勢だけでなくアメリカとヨーロッパの大手通信メーカーも、業界再編の波に飲み込まれてしまったわけです。 かつての大手メーカーが、わずか20年で業界競争から取り残されてしまった理由ですが、私は2つの歴史的な問題がその背景にあると考えています。 1つ目の問題は、世界的に通信網の研究開発は、もともとメーカーではなく政府が行うものだったこと。通信網というものは、公共のインフラであると同時に、敵国に情報を奪われないという国益のための意味合いが強いネットワークでした。 そこで、国が所有する通信キャリアが通信網の根本的な研究開発を担うことが、先進国では歴史的に当たり前のように行われてきました。アメリカで言えば、AT&Tのベル研究所がそれを担い、日本の場合は電電公社の電気通信研究所(通称・通研)がその役割を果たして来ました。 私が学生だった当時、通研と言えば東大工学部でも一番優秀なレベルの学生しか行くことができない、日本の技術者にとって最高峰の研究所でした。基本的に、日本やアジアの通信ネットワークは、この通研が開発したインフラをNECや富士通といった電電ファミリーの企業群が製品化したものを、採用していたのです』、「世界的に通信網の研究開発は、もともとメーカーではなく政府が行うものだった」、「電電公社の電気通信研究所(通称・通研)がその役割を果たして来ました」、確かにそんな時代があった。
・『旧電電ファミリーのシェアが「5G時代」に崩れそうな背景  この体制が崩れるのは、通信会社の分割民営化からです。しかもきっかけは日本のNTTではなく、アメリカのAT&Tから始まります。 当時アメリカでは、規制緩和による新規参入によって産業を活性化させようと、航空、金融など様々な分野で規制撤廃の動きが広まっていました。その中でAT&Tという巨大独占企業の存在が問題視され、AT&Tは長距離会社、8つの地域会社、そしてベル研究所などの研究所会社に分割され、この研究所会社が最終的にルーセントになります。 この時期、規制緩和で市場参入したMCIやスプリントといった新興の通信会社が、競争上不利になってはいけないということで、機器の調達先としてのルーセントは、当然のようにAT&Tから離れていくことになります。通信の研究開発のコア部分が、政府の手を離れ純粋な民営会社へと委ねられていったのです。 規制緩和は、調達先のグローバル化にもつながりました。たとえば、ソニーが中心となって始まった旧DDIでは、ソニーとエリクソンやサムスンとの距離が近かったこともあり、現在のKDDIの基地局網ではこの2社の通信設備が主に使われています。同様にソフトバンクは、孫正義社長の人脈がアジア方面に強いこともあり、ファーウェイが大きなシェアを持っています。 一方で、ドコモの従来の通信ネットワークでは、旧電電ファミリーの結束は強く、NECと富士通で8割弱のシェアを持っています。しかし、5Gでその状況も崩れそうになってきました。エリクソンやノキアに調達が切り替わりそうだと言われています。なぜ、そんな事態に陥ったのでしょう。) 携帯電話網の調達で電電ファミリーではないグローバル企業が優位に立つようになった背景として、もう1つの歴史があります。それは過去、非常に長い期間、携帯電話の技術者は研究所の中で傍流だったということです。 昭和時代、就職先の花形だった電電公社ですが、配属先として圧倒的に人気だったのは、まずは固定電話、次にデータ通信で、一番人気がなかったのが無線部門でした。エンジニアの間でも、人気だったのは伝送装置や交換機で、次にシステムやソフトウェア。無線部門のエンジニアに配属されると、新入社員は肩を落としたものでした。 その理由は、1980年代くらいまで自動車電話や携帯電話を含む無線部門というものが、通信ネットワークではあくまで「緊急時のバックアップ」と考えられていたからです。それはNTTだけの話ではなく、世界的に同じ話で、傍流なので人気がなく、かつ技術的な蓄積にも一番歴史がない技術分野だったのです。 フィンランドのノキアは、通信機器メーカーとして考えれば、ある意味欧州で一番存在感がないメーカーでした。しかし、傍流の技術分野が1990年代以降、世界の主流技術へ進化するという幸運が起きたことで、ノキアは成長します。結果的には、無線技術にフォーカスしていたノキアが、その勢いでルーセント、アルカテル、ジーメンスといった世界の名だたる通信技術の研究開発組織を呑みこみ、傘下に収めていくわけです』、「無線部門というものが、通信ネットワークではあくまで「緊急時のバックアップ」と考えられていた・・・世界的に同じ話で、傍流なので人気がなく、かつ技術的な蓄積にも一番歴史がない技術分野だったのです」、技術革新の方向性は、ことほど左様に見極め難いということなのだろう。
・『もしも2000年代にNTTから研究所がスピンオフしていたら  NTTも、全体としては固定網の技術陣が主流だったがゆえに、移動体通信の技術に対する資源配分が潤沢ではありませんでした。いわんや、ノキアやファーウェイのようにグローバルに打って出るインセンティブは、持ち株会社の経営陣の間では大きくなかったでしょう。 もし、2000年代にNTTの研究所がスピンオフして、NECないしは富士通と合併し、NTTと距離を置いたとしたら――。一番の成長分野である無線技術に力を入れ、今とは違う競争の流れができていたかもしれません。 巨大だけれども国内事業に留まっているNTTの研究所であるがゆえに、技術力は高くてもグローバル製品に出て行けないエンジニア部隊。グローバル企業でありながら、研究開発をNTTに頼って来た通信機器メーカー。この2つの機能が分離していたことこそが、日本の通信機器メーカーがグローバル競争から脱落していった原因ではないか。今から振り返ってみれば、そう思うのです』、それぞれで蓄積していた技術的蓄積を、結局、無駄にしてしまったことになる。技術革新の波はその時点では分からないものだ。

次に、9月29日付け東洋経済オンライン「総務省と携帯業界、激しく対立する「4つの理由」 ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/305293
・『スマホの新たな販売手法に対する総務省からの規制に、携帯キャリア各社から反発の声があがっている。 「ルールの中で創意工夫し、消費者に対してよりよいサービスを提供しようとする企業努力の否定にもつながる」 9月20日に開かれた携帯のルールを議論する総務省の有識者会議で、ソフトバンクの松井敏彦・渉外本部長は不快感をあらわにした』、どういうことなのだろう。
・『新販売プログラムに総務省が「待った」  10月から携帯電話の販売や通信契約に関する新ルールが施行されるのに伴い、ソフトバンクは端末の「実質半額値引き」をうたう販売プログラムを9月13日に始めた。auも10月1日から同様のプログラムを実施する予定だったが、総務省から「待った」がかかったのだ。 両社のプログラムは、指定の端末を48回の月額払いで購入し、25カ月目以降にその端末を返却して新端末を買えば、旧端末の残債が免除される仕組みだ。ただ、端末代とは別にプログラム利用料が390円(非課税)かかる。そのため、利用者の負担額は半額にはならない。 両社は、通信契約に関係なく端末を大幅値引きするプログラムだとアピールしていた。しかし、実際には端末にはSIMロックをかけ、他社回線の契約者は端末の購入後100日間は端末を使えないようにしている。そのため、利用者が自社回線の通信契約を結んでいなければ端末を使えず、半額値引きプログラムを使う意味がなくなる、という設計だった。 この手法は、総務省の定めた新ルールには抵触していない。総務省は10月1日から施行される改正電気通信事業法などで、通信契約への加入を条件とした端末の大幅値引きを禁じたが、両社はこれをかわすため、通信契約を直接の条件としない端末値引きの方法をひねり出したのだ。松井氏の言う「ルールの中での相違工夫」はこのことを指す。 しかし、総務省はこれを「実質的な囲い込み」とみて許さなかった。9月20日の有識者会議で高市早苗総務大臣は「SIMロック解除については、今後の方向性について速やかにルールの見直しを進める必要がある」と述べ、ただちにSIMロック解除を義務化すると表明した。総務省は11月にも指針を改正する方針だ。 さらに消費者庁も「半額値引き」とうたうのは消費者の誤解を招くと問題視し、9月26日には消費者への注意喚起を出した。その結果、両社は「半額値引き」のCMや店頭掲示も見直さざるを得なくなった』、「ルール」の抜け穴を探し出す携帯会社も問題だが、それ以上にそんな「ルール」を打ち出した「総務省」もお粗末だ。
・『「後出しじゃんけん規制」にキャリアの不満  ソフトバンクとKDDIは、総務省のSIMロック解除義務化の方針には従う方針だが、販売プログラムを発表した直後に、後出しじゃんけんのように打ち出される規制に不満を持っている。 ソフトバンクの松井氏は有識者会議で「サービス導入が市場に与える影響を注視する期間すらなく、排除や修正を余儀なくされるとすれば、今後のサービスの発展や企業活動を委縮させる懸念が著しく高い」と総務省のやり方を強く批判。さらに他業界も引き合いに出し、「車の残価設定クレジットやボリュームディスカウント、リピーターに対して安くするというビジネスモデルは一般的なものだ」と述べた。 携帯キャリアが総務省の厳しい規制に異を唱えることは珍しくない。例えば5月の有識者会議でキャリア各社の2年契約の囲い込みが問題視されたことに対し、ソフトバンクはアマゾンの年間契約が割引されることや鉄道の定期券の割引などを挙げ、「長期契約者を優遇して囲うのはビジネス戦略上、普通のことだ」と主張していた。 ただ、通信業界がほかの多くの業界よりも厳しい規制がかけられるのには、いくつかの理由がある。 まず、政治的な背景だ。総務相の経験もある菅義偉官房長官は、通信業界へ高い関心を持っている。2018年8月に菅氏が「携帯電話の料金は今より4割程度下げられる」と発言したことをきっかけに、携帯料金を下げさせるためのルール改正が大きく動き出した。安倍政権の実力者である菅氏がこうした考えを持つ以上、総務省としては顧客の囲い込みにつながるような売り方を認めるわけにはいかないはずだ。 電波の公共性もある。携帯電話事業向け電波の利用権をオークションにしているアメリカなどと違い、日本では事業者に電波利用の金銭的な対価を求めてこなかった。アメリカで2015年に行われた1.7/2.1ギガヘルツ帯のオークションの落札総額は約5兆円にものぼるなど、その価値は巨額だが、総務省は各社が提出する事業計画への評価だけで電波を割り当ててきた。 ただし、その代わりに電波を取得した事業者は、国民の財産である電波を適切に有効に使う責任がある。事業者は、総務省に提出した計画通り、採算の厳しい地方でもしっかりとネットワーク整備を行う必要があるなど別の負担がかかる。こうした高い公共性は、ほかの多くの業界とは異なる。 なお、改正電波法により、今秋以降の5Gの2次割り当てからは、審査の一項目として利用権への入札に近い仕組みが導入される』、「総務省」も「割り当て」の権限を維持したかったのだろうが、「5Gの2次割り当てからは、審査の一項目として利用権への入札に近い仕組みが導入される」、これだけでは不明な部分もあるが、好ましい方向であることは確かだ。
・『インフラなのに、複雑でわかりにくい料金プラン  携帯電話が子どもからお年寄りまで、文字通り老若男女が使うインフラとなっているという事情もある。それにもかかわらず、通信契約や端末を購入する料金プランは複雑で、一般消費者が自分に合う適切な選択をするのは容易ではない。 しかも、携帯電話の世界は技術革新のスピードが極めて速い。総務省で携帯料金政策に関わる関係者は「料金プランも端末も、すぐに今とはまったく違う新しいものも出てくるはずだが、囲い込みがあれば合理的な選択ができない」とし、一定の規制は必要だと語る。 また、総務省側はこれまでキャリア側の良識に期待していたが、それが裏切られたことも挙げられる。改正法が議論されていた最中から、有識者会議のある委員は「通信業界を金融業界のように厳格なルールで縛ることはしたくない。自浄作用に期待したい」と語っていた。あらかじめ過度に厳しいルールをつくることは、事業の柔軟性を失わせるからだ。 総務省とキャリアの認識の差が埋まらない限りは、今後も同じようなイタチごっこが続きそうだ』、「総務省側はこれまでキャリア側の良識に期待していた」、なんと甘い姿勢なのだろうか。「厳格なルールで縛る」べきではないにしても、実効性ある競争促進策が必要だろう。

第三に、本年3月5日付け東洋経済オンライン「楽天、データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/334600
・『「衝撃的、革新的な料金プランを実現できた」。楽天の三木谷浩史会長兼社長は自信満々にそう語った。3月3日、楽天モバイルが発表した4月開始の携帯電話事業の料金プランはたった1つ。データ通信は使い放題で、月額料金が2980円(税別、以下同)というものだった。 現在、大手3社の大容量のプランは、NTTドコモが月額6980円でデータ通信量が60ギガバイト(キャンペーン増量分込み)、KDDIのauが同7480円で無制限、ソフトバンクが同7480円で50ギガバイト(動画とSNSは使い放題)となっている。数字だけ見ると、第4のキャリアとして新規参入する楽天モバイルの料金は格段に安い。 ただし、当面は大きな制約がつく。データ通信が使い放題なのは、楽天モバイルの自社回線エリア内だけだからだ。4月の商用サービス開始当初、自社回線エリアは主に東京23区、名古屋市、大阪市、神戸市になるという』、「データ通信が使い放題なのは、楽天モバイルの自社回線エリア内だけ」、これでは魅力半減だ。
・『一部のエリアではデータに上限を設定  通信回線の自前化が途上のためKDDIから回線を借りる(ローミング)エリアでは、月間2ギガバイトの上限を設けた。それを超過すると速度制限がかかる。 ローミングエリアでは、楽天モバイルは、KDDIとの契約でユーザーが1ギガバイト使うと465円の使用料を支払うことになっている。ユーザーにデータ通信を無制限に使われるとコスト倒れになるため、やむなく上限を設けたのだろう。2ギガバイトを超えて通常速度でデータ通信を使う場合、ユーザーには1ギガバイト当たり500円の追加料金が発生する。 東名阪神エリアでも地下鉄や大きなビル内は当面、KDDIのローミングエリアとなる。そのため、使い放題エリアがかなり限られてしまうのが、新料金プランの大きなネックだ。楽天モバイルは料金プランと併せて、先着300万人を対象に最初の1年間は料金を無料にすると発表した。無料期間の異例の長さは、このネックを補う意味もあるのだろう。 楽天モバイルの料金発表会見を見終えた大手キャリアの関係者は、「正直、ホッとした。(今すぐの料金競争勃発など)当面の危機は去った」と胸をなで下ろした。そして、「現行の無料サポータープログラムの拡大版という印象だ」とも口にした。 もともと、楽天モバイルは携帯電話の商用サービスを2019年10月に開始する予定だったが、基地局整備が遅れたことから2020年4月にずれ込んだ経緯がある。この間、楽天モバイルは一部の利用者(現在は2万5000人)を対象に、通話もデータ通信も無制限の「無料サポータープログラム」を実施している。2020年4月以降の1年無料もテスト段階の延長程度のものに映ったというわけだ。 今後の焦点は、楽天モバイルが基地局の設置を拡大して、「データ使い放題」のエリアをどれだけ早く広げられるかだ。2020年2月末の基地局数は3490と、総務省が「必達」としていた2020年3月末の目標(3432)を超過している。3月末で4400を目指しており、以降も全国各地で自社回線エリアの構築を進める』、「東名阪神エリアでも地下鉄や大きなビル内は当面、KDDIのローミングエリアとなる」、やはり使い勝手が悪そうだ。
・『スピードと品質の両立が不可欠  楽天モバイルの山田善久社長は「計画より大幅に前倒しで自社回線エリアを広げていきたい」と意気込む。スピード感は重要だが、通信品質の確保も不可欠だ。基地局数は増えたが「つながらない」という不満が相次げば、信頼性を損なうおそれもある。 また、キャリア各社の足元(19年10~12月)の解約率は、ドコモが0.43%、KDDIが0.61%、ソフトバンクが0.53%と超低水準。楽天モバイルが使い放題のエリアを広げても、どこまで顧客を取り込めるかは不透明だ。顧客獲得には即効性がある「1年無料」も財務を毀損する副作用があるので、延長は厳しいだろう。 楽天の2019年12月期のモバイル事業は先行投資がかさみ、約600億円の営業赤字。だが、財務責任者の廣瀬研二氏は3月3日の会見で「(携帯事業は)3年程度で黒字化できるのではないか」と語った。そのためには、有料のユーザーをしっかり取り込む必要がある。 通信業界に詳しいMM総研の横田英明常務は、「1年間無料(のメリット)は大きいので、自社回線エリアの居住者ならば2台目の需要はある程度取り込めるだろう」と分析し、「その間に自社回線エリアを広げつつ一定の評価も確立しながら、ポイント付与策などで楽天経済圏に取り込んでいくことが重要だ」と指摘する。第4のキャリアとしての足場を築くうえで、今後1年がまさに勝負となる』、「楽天」がどこまで伸ばせるのか、大いに注目したい。

第四に、3月29日付け東洋経済オンライン「5G時代スタートも、乏しい通信大手の「差別化」 3社とも料金プラン出すが、決定打に欠ける」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/340500
・『「データ使い放題なので、(4Gよりも先へ)もう一歩行きたい」 3月中に携帯大手3社が相次いで開催した次世代通信規格「5G」の料金プラン発表会。順番的にトリになったKDDIの髙橋誠社長が、23日の会見で「象徴的なもの」として紹介したのが、4つのコンテンツを組み入れたプランだった。 具体的には5Gの月間のデータ通信を使い放題とし、ネットフリックスやテラサ(KDDIとテレビ朝日が共同で創る新サービス)などの動画配信サービスを組み合わせたプランになっている。月額料金は1万1150円(割引適用前で税抜き、以下同)だ。 動画コンテンツがつかない5G使い放題プランもあり、実際はこちらが柱になるとみられる。月額料金は8650円で、4Gの使い放題プランの月額7650円に1000円上乗せした。8月末までに契約すると25カ月間は毎月1000円を割り引く』、「動画コンテンツ」が付くと月額2500円、というのではやはり「柱」にはなりそうもないだろう。
・『各社とも同水準の料金体系に  これに先立ち3月5日と18日に発表会を開いたソフトバンクとNTTドコモの5G最大容量プランの料金水準は、KDDIの使い放題のベースプランと大差なかった。 ソフトバンクの最大容量プランは、4Gで展開する月間データ通信上限が50ギガバイトで人気の動画やSNS(交流サイト)がノーカウントで使い放題というプランを5Gに横滑りさせたもの。5Gでは4Gの料金7480円に月間1000円を上乗せし、8月末までに申し込めば、こちらも24カ月間は毎月1000円の割引となる。 ドコモの5Gの最大容量プランは月間のデータ通信上限が100ギガバイトで7650円だが、キャンペーンでデータ通信を無制限にする。通信ネットワークに大きな負荷がかかればキャンペーン終了などもあるが、基本は使い放題だ。) このように3社の5G最大容量ベースプランの料金水準はキャンペーン込みで7000円台半ばとなった。各社とも3月25〜27日にサービス提供を開始した。 他社の料金プランがすでにわかっている中でKDDIは冒頭のようにセットプランの説明に時間を割き、髙橋社長は「OTTプレーヤー(インターネット上で動画などのコンテンツを提供する事業者)との連携で差別化を進めたい」と強調した』、「差別化」の柱が、「OTTプレーヤーとの連携」、とは寂しい限りだ。
・『コンテンツとの組み合わせをアピール  KDDIは昨年9月、5Gをにらみ4Gでもデータ通信を無制限にしたうえでネットフリックスをセットにしたプランを投入済みだ。そこに5Gでさらに多くのコンテンツを入れたプランを作り前面に押し出した。 ドコモは、昨年12月に始めた、4Gのプランにアマゾンの動画が見放題になるなどの有料会員制サービス「アマゾンプライム」を1年間無料でつけるキャンペーンを、5Gにも適用する。こちらも、5Gを見据え始めていたものだ。 5Gのデータ無制限プランに人気の有力コンテンツを組み合わせるやり方は、アピールポイントの1つにはなる。だが、5G時代の主戦場ははたしてコンテンツなどのサービスになっていくのか。 そもそもネットフリックスやアマゾンプライムは、KDDIやドコモの独占ではない。他キャリアの利用者も料金を払って個別加入さえすれば使えるものが、割り引きされて組み入れられているにすぎない。 有力なコンテンツを持つOTTプレーヤーほど、供給先を絞って視聴者を減らすことに意味はない。こうした点を踏まえれば、今後それらが特定のキャリアだけの配信になることは考えにくい。 通信業界に詳しいMM総研の横田英明常務は「決定的なサービスはまだ登場しておらず、5Gでも当面は引き続き料金面の勝負がメインになるだろう」と予測する』、「5Gでも当面は引き続き料金面の勝負がメインになるだろう」、妥当な「予測」だ。
・『ドコモはテザリングを無制限に  一見似通った3社の最大容量プランだが、細かく比べると微妙な違いも見えてくる。 例えばドコモは、キャンペーンが終わらない限りテザリング(通信契約を結ぶスマホをWi-Fiルーター代わりにパソコンなどの端末をネットにつなげること)も無制限とし、上限ありのKDDIや、テザリング自体に別途料金を課すソフトバンクとは差がある。現実的にはこうしたコストパフォーマンスが、競争力を左右するかもしれない。 5Gのサービス開始当初は3社とも対象の通信エリアは狭く、都市部のごく一部に限られる。全国的に広く使えるようになるまでには、まだ数年はかかる。 今後、エリアや利用者数の拡大とともに新たなサービスが生まれて差別化要素になる可能性はあるが、現時点で大きなものは見当たらない。従来の料金メインの競争がサービスメインに変わるとしても、転換点はまだまだ先になりそうだ』、今後の「競争」の展開に注目したい。
タグ:この体制が崩れるのは、通信会社の分割民営化から 規制緩和は、調達先のグローバル化にもつながりました 東名阪神エリアでも地下鉄や大きなビル内は当面、KDDIのローミングエリアとなる スピードと品質の両立が不可欠 「楽天、データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない」 旧電電ファミリーのシェアが「5G時代」に崩れそうな背景 (その2)(「5G戦争」で日本の通信機器業界が世界から取り残される理由、総務省と携帯業界 激しく対立する「4つの理由」 ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満、楽天 データ無制限の格安プランが抱える制約 大手より大幅に安いが顧客獲得は容易でない、5G時代スタートも 乏しい通信大手の「差別化」 3社とも料金プラン出すが、決定打に欠ける) 「5G時代スタートも、乏しい通信大手の「差別化」 3社とも料金プラン出すが、決定打に欠ける」 電電公社ですが、配属先として圧倒的に人気だったのは、まずは固定電話、次にデータ通信で、一番人気がなかったのが無線部門 ドコモはテザリングを無制限に 電電公社の電気通信研究所 一部のエリアではデータに上限を設定 世界的に同じ話で、傍流なので人気がなく、かつ技術的な蓄積にも一番歴史がない技術分野だったのです 新販売プログラムに総務省が「待った」 「総務省と携帯業界、激しく対立する「4つの理由」 ソフトバンクが「後出し規制」に強い不満」 「後出しじゃんけん規制」にキャリアの不満 もしも2000年代にNTTから研究所がスピンオフしていたら 過去、非常に長い期間、携帯電話の技術者は研究所の中で傍流だった データ通信が使い放題なのは、楽天モバイルの自社回線エリア内だけ 東洋経済オンライン 各社とも同水準の料金体系に 従来の料金メインの競争がサービスメインに変わるとしても、転換点はまだまだ先になりそうだ 「5G」特需が見込まれるも 存在感が薄い日本の通信機器 5Gでも当面は引き続き料金面の勝負がメインになるだろう かつての大手メーカーが、わずか20年で業界競争から取り残されてしまった理由 1つ目の問題は、世界的に通信網の研究開発は、もともとメーカーではなく政府が行うものだったこと アジア市場は、NEC、富士通など日本企業が強い アメリカ大陸の通信網の市場はアメリカの通信機器メーカーであるルーセントがほぼ独占 ヨーロッパ大陸はフランスのアルカテル、ドイツのジーメンス、そしてスウェーデンのエリクソンが寡占 20世紀終盤の通信網設備の世界シェア なぜ日本メーカーは凋落してしまったのか エリクソン、ノキアの北欧勢とファーウェイ、ZTEの中国勢の4社で占有率は9割を超えます 「「5G戦争」で日本の通信機器業界が世界から取り残される理由」 鈴木貴博 ダイヤモンド・オンライン スマホ 携帯
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