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パンデミック(新型肺炎感染急拡大)(その8)(「東京は手遅れに近い 検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘、ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考、古賀茂明「官僚丸投げの安倍総理とメルケル首相の差」、公共図書館の閉鎖) [国内政治]

パンデミック(新型肺炎感染急拡大)については、4月8日に取上げた。今日は、(その8)(「東京は手遅れに近い 検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘、ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考、古賀茂明「官僚丸投げの安倍総理とメルケル首相の差」、公共図書館の閉鎖)である。

先ずは、4月9日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、WHO事務局長上級顧問の渋谷健司氏へのインタビュー「「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/234205
・『新型コロナウイルス感染症の急拡大を受けて4月8日、ついに日本政府は東京など7都府県に対する緊急事態宣言発令に踏み切った。遅過ぎるという声が漏れる中で、日本の社会と医療は持ちこたえることができるのか。元の生活を取り戻すことはできるのか。公衆衛生の専門家で、英国キングス・カレッジ・ロンドン教授、WHO(世界保健機関)事務局長上級顧問を務める渋谷健司医師に話を聞いた(Qは聞き手の質問、Aは渋谷氏の回答)』、内外で活躍する本当の専門家の見解とは面白そうだ。
・『緊急事態宣言は効果薄い 対策強化なしでは死者は数十万人にも  Q:7都府県に緊急事態宣言が出されました。日本政府のこの措置によって、新型コロナウイルスの感染拡大の終息は期待できるのでしょうか。 A:東京は宣言すべきタイミングから1週間以上遅れてしまいました。この差は大きいです。そして、この緊急事態宣言に効果があるかどうかは疑問です。それは先日話題になったグーグルの位置情報を基にした人の移動データを見れば明らかで、東京は「自粛」といってもほとんど効果がありませんでした。欧米ほど在宅勤務は増えていないし、飲食店には依然として人が集まっています。 これまで日本政府はパニックを抑えるために「今までと変わりはない」ということを強調していたのでしょうが、それは逆効果だったと思います。 日本の現状は手遅れに近い。日本政府は都市封鎖(ロックダウン)は不要と言っていますが、それで「80%の接触減」は不可能です。死者も増えるでしょう。対策を強化しなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性もあります。 英国のボリス・ジョンソン首相は短いテレビ演説で、「とにかく家にいてください」と訴えました。NHS(国営医療制度)を守り、国民の命を守るために、危機感の共有とシンプルで強いメッセージが必要だったのです。 それを意識したかどうかは分かりませんが、8日夜の安倍晋三首相の記者会見は、今までになく素晴らしかったと思います。明確なメッセージを伝えることができたのではないでしょうか。 Q:都市封鎖(ロックダウン)は必要ないという政府の方針は間違っているのでしょうか』、「これまで日本政府はパニックを抑えるために「今までと変わりはない」ということを強調していたのでしょうが、それは逆効果だった」、最近でこそ強い言葉で警告するようになったが、確かに政府の当初の発信が「逆効果だった」、その通りだ。
・『A:どうもロックダウンは、「絶対に外出禁止」というイメージがあるようですが、必ずしもそうではありません。国によってさまざまなロックダウンのやり方がありますが、基本は外出の禁止です。 日本は法的に強制的な外出禁止にはできませんが、ロックダウン中の英国も同様に外出禁止を強制することは困難です。罰則といってもそれほど大したことはなく、騒いでいる人がいたら警官が注意をする、それでもひどかったら30ポンドの罰金です。その程度なんです。それでも人々は外に出てはいけないと認識していて、それを守っている。なぜか。みんな危機感を共有しているからです。 重要なのは「社会的隔離をいかに効果的にやるか」ということです。 ロックダウンは経済・社会に大きな影響を与えるものです。そういうことを考えて、ロックダウン的な手法を取ることが難しかったのだと思います。 欧米の例では、最初は社会的隔離をやったが、結局うまくいかずロックダウンせざるを得ないというケースが多いです』、「ロックダウン中の英国も同様に外出禁止を強制することは困難です。罰則といっても・・・ひどかったら30ポンドの罰金」、日本の法制の製薬はどうも言い訳のようだ。「欧米の例では・・・」、日本が二の舞にならないことを祈るほかなさそうだ。
・『大都市でのクラスター対策は破綻 「3密」のメッセージは妥当性に疑問  Q:政府は2週間後に感染者数をピークアウトさせて、引き続きクラスター対策を強化する方針を掲げています。 A:現在のような「外出の自粛」をベースとした緊急事態宣言によって、2週間で感染者数がピークアウトするとはとても思えません。2週間後でも感染者数が増え続けている可能性さえあります。 既に大都市でのクラスター対策は破綻しています。これまでPCR検査数を抑制し、クラスター対策のみを続けていましたので、市中感染を見逃してしまい、院内感染につながってしまっています。今まさに院内感染から医療崩壊が起き始めています。 国は検査数を増やせば感染者が外来に殺到して医療崩壊が起こると言っていました。しかし、ここまでの流れは全くの逆です。検査をしなかったから、市中感染を見逃して、院内感染を招いているのです。 そもそも、クラスター対策の中で出てきた「3密(密閉・密集・密接)」を避けるべきという指針についても、これだけに固執するのは危険です。3密は一つの仮説です。クラスター対策の限界を認め、方針を転換しない限り、感染拡大は止まりません。 Q:今までの日本政府の対応は失敗なのでしょうか。 A:これまでのクラスター対策については、感染が広がっていない初期段階では非常に有効でした。感染者が少ないときは検査数を多くする必要はないし、北海道などでは感染経路の特定(コンタクトトレース)も比較的容易だったからです。 しかし、東京のような大都市ではそれは非常に困難です。「3密」だけではなくドアノブや荷物など、何が経路となって感染が拡大しているか分からないこともあります。 韓国や台湾、シンガポールでは、検査をどんどん実施し、アプリを使って感染者とその周辺の人々を追跡しています。一方で、日本では検査数は増やさず、保健所からのファクスのやりとりで、コンタクトトレースも前時代的な手法です。疫学の手法が昔ながらのやり方、つまり人海戦術が基本になっています。 世界で「3密」と言っている国はありません。もちろんその条件がそろうと感染のリスクが高いというのは正しいと思います。ただそれ以外にも感染の可能性があることは考える必要があります。 海外では、基本は社会的隔離で全ての感染経路の可能性を含めたメッセージを継続しています。「若者クラスター」「夜のクラスター」「3密」などという事象にばかりフォーカスする日本のメッセージは、その妥当性に懸念が残ります』、「これまでPCR検査数を抑制し、クラスター対策のみを続けていましたので、市中感染を見逃してしまい、院内感染につながってしまっています」、「「若者クラスター」「夜のクラスター」「3密」などという事象にばかりフォーカスする日本のメッセージは、その妥当性に懸念が残ります」、厚労省のやり方に対する手厳しい批判だ。
・『ロックダウンは不可避 医療崩壊は既に始まっている  Q:緊急事態宣言の効果に疑問が残り、ロックダウンもしない日本では、感染拡大を止められないということでしょうか。 A:このままでは止められないでしょう。ロックダウンのような社会的隔離政策を取らなければ、感染拡大は止まりません。その先にあるのは、医療崩壊です。 Q:医療崩壊というのは、具体的にはどういう状態なのでしょうか。) A:定義はいろいろありますが、二つのことがいえます。一つは患者の急増で医療のキャパシティーを超えることです。検査反対派は検査をすることで患者が病院に殺到することを懸念していました。今後は検査をするかどうかを議論する前に、感染者が急激に増えて軽症も含めた患者が殺到し、重症患者を救えなくなるでしょう。 もう一つは、院内感染などで医療提供側が医療を行えなくなることです。院内感染で病院が閉鎖されると、救急も閉鎖され、新型コロナウイルス感染症以外での死亡者数が増えていきます。 実際には、後者の医療崩壊が多発していくでしょう。今、医療の現場からは悲鳴が上がっています。これは検査をしてこなかったことの弊害です。 Q:検査に関しては、おっしゃるように検査数を増やすことに対して疑問の声があります。 A:WHO(世界保健機関)は一貫して「検査と隔離」を徹底するように言い続けています。日本はその原則を徹底しませんでした。もう今からそれをやるしかありません。他にチョイスはない。「検査と隔離」をきちんとやった国であっても第2波、第3波が懸念されています。 結局、社会的隔離やロックダウンを繰り返しながら、「検査と隔離」を徹底して、感染拡大を抑えるしか方法はないのです。ワクチンができるまで、かなりの時間がかかります。もうそれ以外に方法はないのです。 日本では「検査と隔離」を徹底せずに感染が爆発的に増加して、医療と社会が崩壊する危機的な状況です。緊急事態宣言の対象外の地域でも、対岸の火事と考えていてはいけません。交通を遮断しないということは人の移動が可能で、人の移動とともにウイルスは広がります。ロックダウンしないということは、それはもう、どこに行ってもいいというメッセージです。人とウイルスの動きを止めることは非常に難しい。それを想定して対策を立てるべきです。 もちろん、医療と社会の崩壊を目の当たりにして、ロックダウンに踏み切ったら経済はより甚大な被害を被ります。それでも多くの国ではロックダウンをやっています。それは、ロックダウンを後にすればするほど、被害は甚大になることが分かっているからです。だから、早期のタイミングでやると決意したわけです。 Q:米国では死者10万人という試算もあります。 A:米国では何もしないと死者が100万人を超えるという推計が出たために、ロックダウン的施策に至りました。社会的隔離を2カ月続けてようやく10万人規模に抑えられると予想されています。 先ほど言いましたように、日本の緊急事態宣言では、自粛ベースであまり効果はないでしょう。いずれロックダウン的な施策をせざるを得なくなります。その際には休業補償などもしっかりとやらなければなりません。 ロックダウンはやるかやらないかではなく、やるしかないということです。本来であれば4月初めにロックダウンすべきでした。今からやっても遅過ぎますが、やるしかない段階です。 スウェーデンなどの一部の国はロックダウンせずにうまくやっていると評価するメディアがありますが、欧州はもともと在宅勤務がすごく進んでいます。ロックダウンしなくても家にいるわけです。日本はどうでしょうか。あれだけ自粛しろと言われていても、在宅勤務は9%しか増えていないといわれています。欧米各国とは働き方などが比較になりません』、「WHO・・・は一貫して「検査と隔離」を徹底するように言い続けています。日本はその原則を徹底しませんでした。もう今からそれをやるしかありません」、「ロックダウンはやるかやらないかではなく、やるしかないということです。本来であれば4月初めにロックダウンすべきでした。今からやっても遅過ぎますが、やるしかない段階です」、厚労省がWHO勧告を無視した経緯などは後日、検証すべきだろう。
・『指揮系統をはっきりとさせ 検査を増やし、医療従事者を守れ  Q:今から日本はどうするべきなのでしょうか。 A:日本はクラスター対策にこだわってしまいました。水際対策とクラスター対策で国内まん延を防ぐことができるという考えがその根本にあったのでしょう。 しかし、市中感染と院内感染がこれだけ広がってしまえば、水際対策をやっていてもほとんど意味はありません。空港でPCR検査を大量にやっていますが、リソースの無駄です。市中にどれだけ感染者がいるか、院内感染をどうやって防ぐかが今は最も重要です。 このパンデミック(世界的流行)はすぐには終わりません。数週間、数カ月間で終わるはずはなく、終息には年単位の時間が必要でしょう。人々はウイルスと共生する新しい生活に慣れていくしかありません。 今は戦争や大災害並みの国難です。想定内で準備をしていてはダメ。英知を集めてやり直すしかない。そうでなければ、このウイルスとの戦いに敗退するしかありません。 ただ、核戦争後の世界とも違います。全く外に出られないというものではありません。今までの常識が通用しないということです。新しい生活に適応するしかありません。 まずやることは三つです。一つ目は政府の指揮系統をはっきりとさせる。今は官邸や危機管理室、専門家会合、厚生労働省などバラバラです。二つ目は、検査数をしっかりと増やす。三つ目は医療従事者への防護服の配布を徹底して、彼らを守ること。医療が崩壊したら日本社会は持たない。 Q:個人としてできることはあるのでしょうか。 A:今はとにかく外出をしないこと。そして、よく手を洗うことです。いわゆる「3密」を避けることも有効です。運動は距離を保てれば1日1回程度なら全く構わない。よく寝てよく食べて運動する。やれることはそれぐらいでしょう』、説得力溢れた主張だ。本来は現在の厚労省の主流派の総入れ替えも必要なのだろう。

次に、健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏が4月14日付け日経ビジネスオンラインに掲載した「ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00070/?P=1
・『タクシー事業を営むロイヤルリムジンで、約600人の乗務員全員が解雇されることになった。 新型コロナウイルスの感染拡大で仕事が減り「休業手当を払うよりも、解雇して雇用保険の失業手当を受けた方が、乗務員にとって不利にならない」(同社)と判断し、乗務員には「感染拡大が収束した段階で再雇用する。希望者は全員受け入れる」と説明しているというが、あまりに衝撃的だ。 テレビ画面では、長崎県佐世保市の「ハウステンボス」に勤めていた派遣社員が「寮も出なくちゃいけない。数日前まで雇用は大丈夫と聞いていたのに」と途方にくれ、私の周りでも「コロナ切り」は急激に広がっている。 つい先日まで「新型コロナの影響で視聴率が上がってるんすよ!」と意気揚々としていた知り合いのディレクターが、「来週から仕事が無くなってしまった」と嘆き、「番組企画が立て続けに通ったから、今年の売り上げ早くも達成!」と喜んでいた制作プロダクションの社長さんが、「すべて見直しになってしまった」と肩を落とした。 個人的な話で申し訳ないけど、私自身「出入り業者の末端感」をまざまざと味わっているので、一向に収束が見えない状況に危機感だけが募る。ホント、どうなってしまうのだろう。星野源さんのギターにのせて、ソファでくつろぐ気分には到底ならない』、「ロイヤルリムジン」は、雇用保険を悪用する極めて悪質な例で、当局から否認される可能性もある。
・『ビジネスの現場は深刻な状態に  新型コロナウイルスによる業績悪化などで、解雇や雇い止めになった人は994人(3月27日時点 厚労省調べ)。また、東京商工リサーチによれば、新型コロナウイルスに関連した経営破綻は準備中も含め45件に上り(4月7日まで)、帝国データバンクが発表した2019年度の「全国企業倒産集計」によると、倒産件数は8480件で、前年度比5.3%増えていることが分かった。 負債額5000万円未満の小規模倒産が目立ち、全体に占める割合は過去最高の62.3%にのぼり、宿泊業や飲食業などのサービス業、小売業が店じまいを余儀なくされている。 今後はさらに数多くの業界で、経営基盤の脆弱な零細・中小企業が厳しい選択を迫られることになる。守ってくれる「場」のない非正規社員やフリーランスはますます窮地に追いやられ、住む家も確保できない人が量産され、コロナ問題が長引けば長引くほど、広く、深く、ことによるともう“前と同じ日常”はもどってこないかもしれない。 解雇の“オーバーシュート”が始まったのだ。 あおっているわけではない。それほどまでに、現場は重苦しい空気に包まれているのである。 ご承知のとおり、安倍晋三首相は4月7日に発出された緊急事態宣言の記者会見で、「GDPの2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することにしました」と胸を張った。 30分超にわたるスピーチの中で「そっか。この言葉をどうしても言いたかったのね」と確信するほど、ドヤ顔で「世界最大級」を誇張した。 が、経済に詳しい人たちによれば、108兆円のうちいわゆる“真水”はごく一部だという。 お恥ずかしい話であるけど、“真水”という言葉は初めて知ったので、あれやこれやと読みあさるも門外漢の私には、いまひとつ“真水”の意味が分からない。頭ではなんとなく分かるが、“108兆円の裏事情”の真意をのみ込むことができなかった。 そこで元財務省の知り合いにコンタクトしたところ……、 「張りぼてだよ。見かけは立派だけど実質を伴ってない。つまりね、108兆円のうち半分近くが企業への融資で、あとから戻ってくるの。諸外国の支援策とは全く異なるのに、最大級とかよく言うよ。支給のスピードも遅い。労働者を保護しようとか支援しようという気もなければ、責任も取りたくない。官僚が考えそうなことだ」(元財務官僚)』、「108兆円のうち半分近くが企業への融資で、あとから戻ってくるの。諸外国の支援策とは全く異なるのに、最大級とかよく言うよ」、と元財務官僚から「裏事情」を聞き出すところはさすが河合氏だけある。
・『実効性に疑問を感じる経済支援策  なるほど。張りぼてね。「募っているけど、募集はしてません」のようなもの? あるいは「フリーランスに有給を!」みたいな?  いずれにせよ、「今後、事態が変わってきたときに追加の支援策は検討するのか?」という記者の質問には何一つ答えず、今決まっていることを繰り返すだけだったし、「現金支給30万円が一律給付じゃないのは、なぜか?」という質問の答えを聞いたときにはめまいがした。 「我々議員や公務員は、この状況でも全然影響を受けていない。収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなんだという点も考えなくてはならない」(安倍首相) え? そこ? そこが基準になっているのか? ならば、政治家と公務員を除いた人に支給すればいい。っていうか、私たちの血税ってことを分かっているのだろうか。 「収入が減少した人に直接給付がいくようにした」(安倍首相)ことには大いに賛同する。だが、そもそもこんな条件で、本当に必要な人に行きわたるか、甚だ疑問なのだ(以下、発表された30万円が支給される世帯の条件)。 2~6月のいずれかの月収をそれ以前と比べ、 1.年収換算で住民税の非課税水準まで減少 2.収入が50%以上減り、年収換算で住民税非課税水準の2倍以下 となる世帯が対象。 世帯主の月収に関して統一基準を設定してい(注:「る」が抜けている?)。単身世帯なら10万円以下、扶養家族が1人なら15万円以下、扶養家族2人は20万円以下、扶養家族3人は25万円以下に減少すれば、非課税水準と見なして給付が受けられる。勤め先の業績悪化でこの水準まで収入が落ち込めば、30万円がもらえることになる。 (注:10日総務省は、収入減少世帯への現金給付に関し、支給基準を全国一律にすることを明らかにした。支給対象となる住民税非課税世帯の水準が、市区町村や家族構成によって異なるため) あくまでも主語は「世帯主の収入」なので、妻の収入が無くなり生活が苦しくなっても、もらえない可能性が高い。 つまるところ、この国を動かしている思考の原理は「昭和の遺物」であり、妻の収入が「ゼロもしくは家計の補助程度」だった昭和を前提に「世界的にも最大級の経済対策」は練られた。 で、この昭和的発想こそが、今の日本社会の問題であり、社会の仕組みから“こぼれる人”を量産し続けているのだ』、「現金支給30万円」については、自民党内の批判、公明党からの申し入れを受けて、昨日、一律10万円へと変更した。
・『昭和の遺物の思考原理はほかにも  日々情報がスピーディーにアップデートされているので、記憶が薄れてしまった人もいるかもしれないけど、2月27日に安倍首相が突然表明した「全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校などへの臨時休校要請」はその象徴である。 非正規の共働き世帯、シングルマザー・ファーザーはプチパニックになり、非正規の教員は切られ、給食などを提供する小企業は仕事を失い、その余波は感染拡大とともに広がり、フリーランス、介護現場、飲食店などなど、仕事も家も突然失う人たちが続出した。 差別、罵倒、嫉妬、貪欲、猜疑、憎悪など、あらゆる不吉な虫がはい出し、空を覆ってぶんぶん飛びまわるようになった。パンドラの箱。そう、パンドラの箱をコロナ禍が開けてしまったのだ。 「小中高を一斉休校した」ことが感染防止策として有効だったかどうかを検証するのは極めて難しい。だが、当時の状況を鑑みればプライオリティーを置くべきは介護現場であり、重症化リスクが高いと報告されていた高齢者だ。 今の日本社会の仕組みは、高度成長期の「カタチ」を前提につくられたものを踏襲し続けている。1990年代を境に「家族のカタチ、雇用のカタチ、人口構成のカタチ」は大きく変わったのに、「カタチが変われば仕組みも変える」ことに目を向けなかった。あるいは、“普通の人”のことなどはなから頭になかったのか。 昭和の「夫婦2人と子供2人」の4人家族モデルはことごとく壊れ、シングルマザーや独居老人が急増した。昭和の「正社員で長期雇用」という当たり前は崩れ、非正規雇用は4割になった。人口ピラミッドはカクテルグラス型になり、65歳以上が総人口に占める割合は1985年の10%から、2005年には20%と倍増した。 ただし、そう、ただし1つだけ変わっていないことがある』、「昭和の遺物の思考原理」は確かに支配的だ。
・『変わらぬ長期雇用の会社というモデルも崩壊へ  「長期雇用の正社員の割合」はおおむね維持されている。意外に思うかもしれないけど、昭和の一般的な働くカタチと信じられている長期雇用の正社員の割合は変わっていないのだ。具体的には3割。昔も今も長期雇用の正社員は3割しかいないのだ。 例えば、2017年5月に経産省の次官・若手プロジェクトが作成した文書、「不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」では、昭和の一般的な生き方だった「新卒一括採用で就職し、定年まで勤め上げる人」の割合は1950年代生まれで34%、1980年代生まれで27%と推計している。 高度成長期の一般的な働き方だと思われた会社員の割合は、働く人全体のたったの3割しかなかった。そして、若手プロジェクトが「昭和の遺物」と信じて止まなかったその割合は、若干減少しただけで、おおむね現在もキープされていたのだ。 要するに「長期雇用の正社員」の入り口のキャパは50年以上3割程度で、そこに入れなかった人たちが、低賃金で不安定な非正規やフリーランスとして働いている。 新たに労働市場に加わった女性たち、60歳以上のシニア社員たち、小売店や家内工業を辞めて雇用労働者になった人たちなどの“新参者”は、会社員であって会社員じゃない。 そして、ここ数年はやりの早期退職制度は、「長期雇用の正社員」という身分からのリストラであり、元会社員が増え続けているのが、今の「雇用のカタチ」だ。 非正規雇用の人たちが、「社食は“社員さん”しか使えないんです」「“社員さん”しかリモートワークは許されてないんです」「“社員さん”しか時差通勤できません」と正社員を呼ぶのも、彼らが、会社員社会のよそ者=弱者であり、「集団の内部に存在する外部」だからだ。 これだけ「カタチ」が変われば、ひずみがたまって当然である。 だが、そのひずみから“出血”したときの処置は、小さな絆創膏(ばんそうこう)を貼るだけだった。傷口を探し、なぜ、その傷ができたのか?を考えることもせず、ひたすら目先の対症療法を講じてきた。 今回のような緊急事態でも「安泰」でいられる人たちには、「カタチの変化」にリアリティーを持てない。どんな数字を突きつけられ、どんなに出血が止まらず命が脅かされる人が続出しても、彼らの「カタチ」は昭和のまま。さまざまな変化の中で、彼らの思考の中で「昭和のカタチ」だけは維持されるのだ。 何度も書いているとおり、経済的格差、社会的格差がもともと深刻だったところに今回は突発事態が生じ、それに耐えられる体力のある強者とダイレクトに影響を受ける弱者の溝が一層深まった』、確かに今回の危機は、「格差」をさらに拡大しているようだ。
・『恐怖に対する意識の差はリソースの差  誰もが例外なく「コロナの恐怖」を感じているはずなのに、「壁」のあちら側の人たちは豊富なリソースを持ち合わせているので、恐怖感を共有できない。いや、ひょっとすると安泰な人たちは「感染もしなければ、感染を広げることもない」と信じているのかもしれない。 だからこそ、「ひとつよろしく!」的発言にも、全くためらいがない。 「人の接触を7割とか8割とか8割5分にするとかって、そんなことはできるわけがないじゃないですか。それは国民の皆さんのご協力をお願いすると。早く言うと、お願いベースですよね」(二階俊博自民党幹事長) 持てるものと持たざる者との「壁」は果てしなく高い。だが、どんなに強固な壁にも隙間があり、コロナ後には、そこから事務職や技師などの「新中間階級」の人たちもこぼれ落ちるかもしれないのに、“上”はその危機感さえ持てずにいるのだ。 東日本大震災後に、「今、被災地が抱える問題は未来の日本の姿だ。時計の針が一気に進んだだけだ」と語る首長さんたちに何人も会った。「津波と原発事故により、それまで見えなかった社会構造の問題点が顕在化し、加速したのだ」といわれた。震災と原発事故を機に、村の高齢化と過疎化の針が一気に何十年も進んでしまったのだ、と。 東日本大震災のとき、東京の街の電気は消え、みなが被災地を思いやった。家族、仕事、家、それがほんの一瞬で消えてしまう理不尽を目の当たりにし、何が大切なのか?幸せとは何か?を考えた。 だが、次第に記憶は薄れ、9年たった今、平穏な日常が繰り返されるということは、実は奇跡だったと気づかされる。 だからこそ、今回「今」を書き残した次第である』、人間は忘れっぽく、「平穏な日常が繰り返されるということ」の有難味を忘れてしまうことは確かだ。
・『社会を広く自分事ととらえる視点を  人は忘れる。でも、今のことは忘れちゃいけないのだ。 イメージしてほしい。今、仕事を失った人たちが働いていた産業はどこか? 倒産している企業は、私たちの生活に何をもたらしてくれているか? 医師の方、看護師さん、保健師さん、介護士さん、ヘルパーさん、のことを、「生活に必要」とされる産業で働く人たちのことを……。 なんだか説教くさくなってしまって申し訳ないが、作られた社会の仕組みは「私たち」の選択でもあった。 今までの私たちの生活を、今までの社会の仕組みを見直すことが、今「私たち」に課せられているのではないだろうか。これからの生き方を、「私」ではなく、「私たち」の問題として生きていく時がきたのだと思う』、特に若い人たちには自分本位の傾向が強いようだが、「社会」からの影響も強く受けている以上、「社会を広く自分事ととらえる視点を」というのは大切な視点だと思う。

第三に、元経産省官僚の古賀茂明氏が4月14日付けAERAdotに掲載した「古賀茂明「官僚丸投げの安倍総理とメルケル首相の差」 連載「政官財の罪と罰」」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/wa/2020041300004.html?page=1
・『4月7日、安倍総理は、「緊急事態宣言」を出した。 だが、「遅すぎる」「明日からどう行動すべきかわからない」「弱者に支援が届かない」などと評判は散々だ。 2月、3月を経て、年度もまたぎ、ほとんど手遅れというところまで宣言を出さなかったのだから、周到な準備がされているかと思ったら、実は、全くの準備不足だったことが会見と同時に露呈した。 緊急事態宣言により、外出自粛要請に加え、店舗などに休業を要請したり、一定の条件を満たす施設などに閉鎖を指示することができる。店が閉まれば、外出しても仕方ないから、人々の外出抑制に大きな効果が期待される。 ところが、この措置の対象について、政府と東京都の間で調整がつかず、公表が10日に延期された。その背景には、一部の業界についての自民党族議員と所管官庁の反対がある。利権政治の典型的パターンだ。 未曽有の国家的危機でもこんな事態に陥った最大の理由は、安倍内閣が実は「官僚主導内閣」だからだ。 安倍総理の関心事項である外交安全保障や憲法改正、そして、お友達関連案件については、「官邸主導」で驚くほどのリーダーシップを発揮する安倍政権だが、それ以外では、ほぼ官僚丸投げ。結果として従来型の「政官財トライアングルの利権政治」になっている。 官僚主導でも、従来の延長線上の政策立案なら問題は少ない。だが、未曽有の事態となると、過去問答練で受験戦争を勝ち抜き、霞が関の前例踏襲主義に染まった官僚たちはお手上げだ。 独創的な対策を思いつかない官僚たちは、「規模」で「前例がない」ことを演出するしか能がない。その結果、一番肝心な弱者救済が不十分な欠陥対策ができあがった。誰がどのように困るのか想定し、その対策を練り上げるべきだったのだが、この2カ月間、それを怠り、過去問の応用問題として対応しようとしていた様子が目に浮かぶ。 一方、お坊ちゃまの安倍総理は、下々の苦境など具体的に想像することなどできない。時間切れで官僚の案に乗るしかなく、今回の対策の目玉である個人事業主や世帯への給付金も、5月中には何とか配りたいと答えるしかなかった。これを聞いて、国民は皆耳を疑ったのではないか』、「安倍総理の関心事項である外交安全保障や憲法改正、そして、お友達関連案件については、「官邸主導」で驚くほどのリーダーシップを発揮する安倍政権だが、それ以外では、ほぼ官僚丸投げ。結果として従来型の「政官財トライアングルの利権政治」になっている」、安部政権の特徴を鋭く指摘したのはさすがだ。
・『これも、20年度予算案が国会を通る3月末までは、新しい予算の議論はできないという、官僚による前例主義のアドバイスに従った結果だ。2月中旬に数十兆円のコロナ対策基金のようなものを盛り込んだ修正予算案を出していれば、野党もこれを止めることはできず、今頃様々な対策が動き出していただろう。 ドイツでは、日本人のミュージシャンやダンス教室運営者などに簡単なネット申請から2日で60万円の給付金が出たことが話題になった。この違いは、メルケル首相と安倍総理という2人の指導者の能力の差によると考えたほうが良いだろう。 このまま安倍総理に任せておけば、多くの非正規やフリーランスで働く人々、中小零細企業者が路頭に迷い、その結果自殺者が激増する可能性も排除できない。 緊急事態と言っても、今回は1年以上の長期にわたると言われる。 緊急事態だから安倍批判を封印しろと言う人もいるが、私はそうは思わない。多くの人の命にかかわる緊急事態だからこそ、国民が安心して任せられるリーダーを、今こそ、選び直すことが必要ではないだろうか』、「メルケル首相」もかつてに比べればリーダシップが弱くなったとはいえ、それでも「安倍総理」よりははるかに強いリーダシップを発揮しているようだ。今回のコロナ問題で批判が強まっている「安倍総理」も、いよいよ「年貢の納め時」なのかも知れない。

第四は、パンデミックに関連して私が腹を立てている公共図書館の閉鎖問題である。私の居住している中野区の図書館は、緊急事態宣言までは、入館こそ出来ないが、ネット予約での貸出などは玄関で出来た。ところが、宣言発出後は、5月6日まで完全に休館となった。他の図書館では、北海道や東北などの一部の図書館は部分的にやっているのを除けば、多くは閉鎖されているようだ。
https://current.ndl.go.jp/node/40743
年金生活者にとっては、公共図書館は必須の存在である。ネット予約での貸出などを玄関でやり続けても、感染防止上、何ら問題ない筈なのに、緊急事態宣言に悪乗りして、完全休館するとは、住民サービスの放棄である。完全休館という暴挙に強く抗議したい。
タグ:パンデミック 日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 河合 薫 AERAdot 新型肺炎感染急拡大 緊急事態宣言発令 (その8)(「東京は手遅れに近い 検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘、ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考、古賀茂明「官僚丸投げの安倍総理とメルケル首相の差」) 渋谷健司 「「東京は手遅れに近い、検査抑制の限界を認めよ」WHO事務局長側近の医師が警鐘」 緊急事態宣言は効果薄い 対策強化なしでは死者は数十万人にも これまで日本政府はパニックを抑えるために「今までと変わりはない」ということを強調していたのでしょうが、それは逆効果だった 日本の現状は手遅れに近い 対策を強化しなければ、日本で数十万人の死者が出る可能性も ボリス・ジョンソン首相 NHS(国営医療制度)を守り、国民の命を守るために、危機感の共有とシンプルで強いメッセージが必要だった ロックダウン中の英国も同様に外出禁止を強制することは困難です。罰則といってもそれほど大したことはなく、騒いでいる人がいたら警官が注意をする、それでもひどかったら30ポンドの罰金 欧米の例では、最初は社会的隔離をやったが、結局うまくいかずロックダウンせざるを得ないというケースが多いです 大都市でのクラスター対策は破綻 「3密」のメッセージは妥当性に疑問 これまでPCR検査数を抑制し、クラスター対策のみを続けていましたので、市中感染を見逃してしまい、院内感染につながってしまっています 「若者クラスター」「夜のクラスター」「3密」などという事象にばかりフォーカスする日本のメッセージは、その妥当性に懸念が残ります ロックダウンは不可避 医療崩壊は既に始まっている 一つは患者の急増で医療のキャパシティーを超えること もう一つは、院内感染などで医療提供側が医療を行えなくなること WHO(世界保健機関)は一貫して「検査と隔離」を徹底するように言い続けています。日本はその原則を徹底しませんでした。もう今からそれをやるしかありません ロックダウンはやるかやらないかではなく、やるしかないということです。本来であれば4月初めにロックダウンすべきでした。今からやっても遅過ぎますが、やるしかない段階です 指揮系統をはっきりとさせ 検査を増やし、医療従事者を守れ 「ピント外れ支援策の根底に「昭和の遺物」的思考」 ビジネスの現場は深刻な状態に 108兆円のうち半分近くが企業への融資で、あとから戻ってくるの。諸外国の支援策とは全く異なるのに、最大級とかよく言うよ 実効性に疑問を感じる経済支援策 現金支給30万円 昨日、一律10万円へと変更 昭和の遺物の思考原理はほかにも 全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校などへの臨時休校要請 当時の状況を鑑みればプライオリティーを置くべきは介護現場であり、重症化リスクが高いと報告されていた高齢者だ 1990年代を境に「家族のカタチ、雇用のカタチ、人口構成のカタチ」は大きく変わったのに、「カタチが変われば仕組みも変える」ことに目を向けなかった 昭和の遺物の思考原理 変わらぬ長期雇用の会社というモデルも崩壊へ 恐怖に対する意識の差はリソースの差 平穏な日常が繰り返されるということは、実は奇跡だったと気づかされる 社会を広く自分事ととらえる視点を 「古賀茂明「官僚丸投げの安倍総理とメルケル首相の差」 連載「政官財の罪と罰」」 安倍総理の関心事項である外交安全保障や憲法改正、そして、お友達関連案件については、「官邸主導」で驚くほどのリーダーシップを発揮する安倍政権だが、それ以外では、ほぼ官僚丸投げ。結果として従来型の「政官財トライアングルの利権政治」になっている メルケル首相と安倍総理という2人の指導者の能力の差による 公共図書館の閉鎖問題 緊急事態宣言までは、入館こそ出来ないが、ネット予約での貸出などは玄関で出来た 宣言発出後は、5月6日まで完全に休館となった
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