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グローバル化(その1)(コロナ危機が促す反グローバル化と国内回帰 内需重視や労働分配率向上へITの活用を、コロナ禍が炙り出すグローバル社会の深刻な「無理・課題・リスク」) [経済政治動向]

今日は、グローバル化(その1)(コロナ危機が促す反グローバル化と国内回帰 内需重視や労働分配率向上へITの活用を、コロナ禍が炙り出すグローバル社会の深刻な「無理・課題・リスク」)を取上げよう。

先ずは、4月14日付け東洋経済オンライン「コロナ危機が促す反グローバル化と国内回帰 内需重視や労働分配率向上へITの活用を」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/344088
・『昨年末に中国でその存在が問題となってから、新型コロナウイルスは3カ月程度で世界中に拡散してしまった。感染拡大の背景にはグローバリゼーションがある。イタリアに続き域内各国が感染爆発に見舞われたEU(欧州連合)は、まさにグローバリゼーションの実験場だった。モノ・サービス、資本ばかりでなく、シェンゲン協定によって国境での出入国審査なしに人が移動できる。これが感染拡大の一因ともなっただろう。 言論人や有識者の多くがコロナ危機に対抗するうえで、国際協力の重要性を説いている。人がグローバルに活動する現代社会では、ウイルスを国境で阻むことはできないため、ウイルスとの闘いには世界が連帯して協力すべきだという主張だ。 『サピエンス全史』などの著書で知られるユヴァル・ノア・ハラリ氏は『TIME』誌への緊急寄稿で「もしこの感染症の大流行が人間の間の不和と不信を募らせるなら、それはこのウイルスにとって最大の勝利となるだろう。人間どうしが争えば、ウイルスは倍増する。対照的に、もしこの大流行からより緊密な国際協力が生じれば、それは新型コロナウイルスに対する勝利だけではなく、将来現れるあらゆる病原体に対しての勝利ともなることだろう」と書いた(河出書房新社の「Web河出」で全文を読むことができる)』、「ハラリ氏」の「寄稿」は重要な指摘のようだ。
・『グローバリゼーションの反動が起きる  だが、現実に起きていることは国際協力ではなく国家間の対立だ。4月9日には新型コロナウイルスへの対応をめぐって国連安全保障理事会が開催されたものの、「中国発のウイルス」であると主張するアメリカに中国が反発し、何らの合意文書も出されなかった。 こうした状況だからこそ、国際協力の必要性が危機感をもって叫ばれているのだろう。世界中で国境の封鎖が広がり、感染爆発に見舞われた地域では都市間の往来を制限するロックダウンが展開され、外交活動も著しく縮小した。 ダニ・ロドリック教授はかねて『グローバリゼーション・パラドクス』などの著書で、「政治的トリレンマ」として、「グローバリゼーション」と「国家主権」「民主主義」を同時に追求することはできず、「グローバリゼーション」をある程度制限して「国家主権」と「民主主義」を守ったほうがよい、と主張してきた。 現実に即して世界の人々はこちらの方向に動き始めているようにみえる。グローバリゼーションはもっぱら経済活動で進んだものであり、政治的・法的には国家との社会契約の下で生活しているからだ。 ロドリック教授は、今回のコロナ危機について、ハーバード大学の自身のホームページで、「エピデミック(感染症の流行)対策として、WHO(世界保健機関)がSARSに対応して修正した国際保健規制は、アメリカを含む196カ国が法的拘束力を受けるはずのものであるのに、無視されている。国際的な協力関係の構築に失敗した」と指摘している。 実際にWHOのテドロス事務局長の発言は、各国の統計や医学的研究の成果を後追いして迷走を続けており、これは世界の人々の目に明らかとなってしまった。) 振り返ると、リーマンショック後も「反グローバリゼーション」の雰囲気が広がった。 グローバルな経済活動のツケとして、世界がバブル崩壊による金融危機に見舞われたが、その後始末である不良債権処理は、それぞれの国家の財政負担、つまりは各国民の税負担によって行われたからだ。それがグローバリゼーションへの批判につながり、同時に、グローバリゼーションで利益を得た資本家や高額報酬を得た金融機関の経営トップも糾弾された。 グローバリゼーションの実験場である、EUと通貨ユーロは再び解体の危機を迎えそうだ。EUの出発点は不戦の誓いであり、原点は政治同盟ともされていた。しかし実際には経済の効率性ばかりが求められ、その矛盾点はリーマンショック後に、財政が大きく悪化した南欧の国々の債務危機という形で噴出した。 とくに統合通貨ユーロは大きな欠陥を持っていた。ドイツの強い競争力に比して、ユーロはつねに割安で、輸出に有利に働く。だが、その利益を調整する財政統合は実現できていない。 今回も同じことの繰り返しだ。4月9日のユーロ圏財務相会合は、ESM(欧州安定メカニズム)の信用枠活用や、第2次世界大戦後のマーシャルプランのような復興のための資金援助枠の準備作業を行うことで合意した。だが、復興基金の財源をめぐる加盟国間の溝は埋まらず、共通で発行する通称「コロナ債」には、これまでどおりドイツやオランダなどが反対した。 第一生命経済研究所の田中理・主席エコノミストは「結局、丸2日議論しても新たな重要な決定はできず、『一部の国が共同債の発行を主張している』といった曖昧な表現に終わった」と話す。EU首脳や域内各国首脳の口にする「連帯」はかけ声倒れだ』、「ダニ・ロドリック教授はかねて『グローバリゼーション・パラドクス』などの著書で、「政治的トリレンマ」として、「グローバリゼーション」と「国家主権」「民主主義」を同時に追求することはできず、「グローバリゼーション」をある程度制限して「国家主権」と「民主主義」を守ったほうがよい、と主張」、「政治的トリレンマ」とは言い得て妙だ。「EU首脳や域内各国首脳の口にする「連帯」はかけ声倒れだ」、今からこれでは思いやられる。
・『金融・財政拡張は万能ではないとわかる  一方、今回の危機とリーマンショックには大きな違いがある。リーマンショックは金融危機に伴う景気後退だったので、日米欧の金融緩和と中国の4兆元に代表される各国の財政出動が効果を発揮した。需要喚起策が落ち込んだ景気を回復させ、雇用を大きく改善させた。このことは、再び企業がグローバル化を進める原動力になったし、人々の格差拡大への不満も多少は和らげてきた。 ところが、今回はまったく別種の危機で、経済活動を人為的に止めているため、金融・財政政策は効果が限定的だ。本来であれば、コロナ終息後にこうした政策の効果が望まれる。だが、リーマンショック後の10年間、日米欧がそろって金融緩和をだらだらと長期にわたって続けてきた結果、手段や効果が尽きてきていること、日本など一部の国は財政にも余裕がないことに、人々は不安を持っている。 BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「新型コロナウイルスをきっかけに、国境の内側では人々が連帯に目覚め、強い求心力が働くが、国境の外側に対しては強い遠心力が働き、国際的な分断が広がるのではないか」と指摘する。 実際、日本でも世界各国でも現在、グローバルな政策協調に人々はほとんど期待していない。注目されているのは自国の政府が発信するウイルス封じ込めのための対策と経済活動の停止による失業、倒産、所得の減少に対する経済政策だ。しかし、発展途上の独裁国家は別にして、かつてのような権威主義的なナショナリズム(国家主義)に回帰するわけではないだろう。 民主主義陣営においてはネット上で日々、政府の政策に対する意見が交換されている。例えば日本では、安倍首相の「全国民にマスク2枚を配布」する政策に批判が高まり、雇用調整助成金や現金給付の手続きの煩雑さが問題視されている。アメリカのトランプ大統領も2兆ドルをぶち上げた経済対策がさまざまな批判にさらされている。共産党一党独裁の中国といえども、政府批判を封じ込めておくことはできないようだ。 また国によって医療制度の違いや、感染症の専門家の見解の違いもあって、新型コロナウイルスとの闘い方は大きく異なる。その是非をめぐっては、専門家も一般の人も膨大なコメントをネット上に送り出している。その批判には政権の担い手も敏感だ。 金融危機や自然災害と違って、すべての人が身近に切実に感じている危機であり、インフォデミック(情報の感染拡大)ともいえる状況が出現している。根拠のないデマや誹謗中傷が広がっていることにも注意が必要だが、よい面を見ればインターネット民主主義が出現しており、悪い面を見れば、政治のポピュリズムがますます強まっていくのではないか』、「新型コロナウイルスをきっかけに、国境の内側では人々が連帯に目覚め、強い求心力が働くが、国境の外側に対しては強い遠心力が働き、国際的な分断が広がるのではないか」、との河野氏の指摘はその通りだろう。
・『自治体が注目されローカルシフトも始まる  さらに、今回のコロナ禍では、私たちがもっと自らの生活に近い知事たちの決断や行動に一喜一憂する毎日になったことが顕著な変化だ。小池百合子・東京都知事や吉村洋文・大阪府知事が政府と渡り合う姿にネット上では支持が集まっている。 これは世界的に起きており、アメリカでも大統領選の最中ながら、存在感を放つのはトランプ大統領でも対抗馬の民主党大統領候補のバイデン氏でもなく、奮闘するアンドリュー・クオモ・ニューヨーク州知事の姿だ。 今、日本で問題となっているのは、市区町村が生活者にとって行政の直接の窓口であるにもかかわらず、必要な決定権限や財源が地方自治体には付与されていないことだ。 最も重要な問題である緊急事態宣言後の7都府県の措置は決定に時間がかかり、人々の不安が募った。休業要請の方針がまとまらなかったからだが、休業を要請する事業者への補償をめぐって国との調整が難航したためだ。今後、自治体への権限委譲が再び大きなテーマとなってくるだろう。 コロナ危機はどうやら短期間では終息しそうにない。感染症専門家会議の医師の見解を聞いていると、経済活動の停止期間は限定的で済む(あるいは経済的な理由から、そうせざるをえない)かもしれないが、感染の第2波、再流行などのおそれもあり、従来とまったく同じ活動に戻れるとは思えない。 ポストコロナの中長期を見通してみる。人々は世界のモノやサービスを享受することに慣れているため、貿易量はある程度回復すると考えられるが、企業が安い労賃を求めて海外に拠点を置くオフショアの動きは縮小し、海外拠点を減らす方向になることは間違いない。 国際分業による効率性を享受できなくなって、コストがかさむことが懸念されるものの、一方で、テレワークの重要性や効率性が認識されることで、5G投資などが促進されるだろう。自治体行政や企業のITインフラの整備が飛躍的に進めば、ある程度の生産性向上を実現できるのではないか。 そうなれば、企業の拠点や外注先が海外から国内に戻ってくるリショアリングの動きが広がる。野村総合研究所の森健上席研究員は、さらに「国内の地方部に拠点を設ける“ニアショア”あるいはサテライトオフィスを検討する企業が増えるのではないか。IT企業ではすでに徳島県などでそれが進んでいる」と指摘する。 そうなれば、今度は企業側やそこで働く従業員などから、自治体への権限委譲を後押しする動きも強まるかもしれない。住民自治の意識が高まるとまでいったら、期待しすぎだろうか』、「今後、自治体への権限委譲が再び大きなテーマとなってくるだろう」、その通りだが、一方で、東京都のように知事の人気とりに利用される面もあることは留意すべきだ。
・『内需重視で労働分配率の向上を実現できるか  リーマンショック後には、先進国の潜在成長率が低下する中で所得格差の拡大が問題とされるようになった。その中でやり玉に挙がったのは、IT革命とグローバリゼーションである。人が機械に代替されることによる労働分配率の低下や、GAFAに代表される企業やその経営者が勝者総取りとなるような所得の歪みが、グローバリゼーションとともに、世界的に拡大し増幅されたという見方だ。 グローバリゼーションへの批判は、移民や難民を排撃する運動につながり、トランプ大統領の誕生やイギリスのEU離脱、EU域内での極右政党の台頭などの現象を生んだ。一方、リベラルな人々は大企業が安い労賃を求めて新興国に工場を作り、現地の人々を搾取していることや、地球規模での環境破壊が進んだことを批判している。 日本は欧米に比べれば、所得格差が大きくないほうだが、非正規雇用の拡大が問題視されてきた。しかし、テレワークなどで時間に縛られない働き方が広がれば、同一労働同一賃金の実現はしやすくなっていくだろう。 欧米と比べた日本の問題は、1990年代末のバブル崩壊以来、春闘における賃上げ交渉が機能しなくなってしまい、労働分配率が下がったことだ。日本では人口が減っていくので経済成長しない、という思い込みが流布している。そのため企業は内需に期待せず、賃上げにも及び腰で、成長期待の持てる海外に投資を続けてきた。しかし、日本の生産年齢人口(15歳~64歳)の減少率は年率2%以下であり、就業率の向上と生産性上昇によってカバーすることは可能だ。 日本総合研究所の山田久副理事長は「グローバル化の減速で外需に依存する度合いが低下するなら、内需拡大に注力する必要がある。付加価値生産性の向上、平均販売価格の上昇、賃金の引き上げの好循環を形成することによって、質的成長は可能になる」としている。今は感染拡大をくい止めることが優先する厳しい局面だが、中長期の潮流も展望しておくべきだろう』、「山田久副理事長」の主張はバランスがあり説得力に富むようだ。

次に、4月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「コロナ禍が炙り出すグローバル社会の深刻な「無理・課題・リスク」」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/235155
・『新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な混乱を招いている  新型コロナウイルスの感染拡大によって世界的に大混乱が発生している。その混乱が、これまで国際社会が抱えてきた多くの問題や無理の一部を顕在化している。コロナショックがトリガー(引き金)となり、グローバル化の「負の側面」を浮き彫りにしていることだ。 その一つに、通商を中心とする米中の覇権争いがある。本年1月に両国は第1段階の通商合意に至ったが、感染をめぐり互いの批判が激化している。トランプ大統領が中国の影響力が強まっているWHOへの資金拠出停止を表明したのは、その象徴的な出来事といえる。 今後、米中の対立はより激化する恐れがある。それによって、これまでの国際社会のグローバル化に対する反動はさらに勢いがつくことになるだろう。 世界の経済・金融市場は大きく混乱せざるを得ないとみられる。 また、コロナショックが引き金となって、欧米や新興国では医療体制の不備や、低所得層が医療サービスにアクセスできないことが浮き彫りとなった。それは人々の不安心理をかき立て社会心理は悪化している。グローバル化を前提にした経済・社会の運営にはかなりの支障が出始めたと考えるべきだ。 今後、世界経済が未曽有の景気後退に陥る可能性は軽視できない。4月中旬の時点で米国を中心に株価は反発しているが、そうした動きを本当の意味で信用できない。世界経済が大きな変化の局面を迎えていることは冷静に考える必要がある』、「グローバル化を前提にした経済・社会の運営にはかなりの支障が出始めたと考えるべき」、その通りだろう。
・『世界経済の成長を支えたグローバル化とその反動  第2次世界大戦後の世界経済の安定を支えた大きな要因の一つがグローバル化だ。米国は政治、安全保障の覇権を強め、冷戦後の世界経済の基盤を整備した。それが、旧社会主義国や新興国の経済成長を支えた。米国独り勝ちの期間がかなり長く続いたといえる。過去数年間の世界経済を振り返っても、戦後最長の景気回復を達成した米国経済に支えられた側面は大きい。 米国を基軸とするグローバル化の進行によって、先進国の中間層は、遠心分離機にかけられたかのように、一握りの富裕層と、その他多数の低所得層に振り分けられた。これが、経済格差の拡大、環境問題、米国の医療問題など、さまざまな問題を深刻化させた。しかし、リーマンショックまでは、そうしたグローバル化の負の側面への関心が高まることはあっても、それが世界全体を揺さぶるまでには至らなかった。 リーマンショック後、徐々に、米国主導によるグローバル化への反発が表面化し始めた。言い換えれば、米国の覇権は弱まり始め、中国の存在感が高まり始めた。さらに、2016年11月の米大統領選挙では、独断専行型の考えを持つトランプ大統領が誕生した。それは米国でさえ、グローバル化の無理に耐えられなくなりつつあることを示す象徴的な出来事だった。 2018年3月以降、トランプ大統領は対中貿易赤字の削減やIT分野での覇権を目指し、中国に制裁関税をかけ始めた。世界の工場としての地位を高めてきた中国からベトナムやインドなどに生産拠点が移管され、世界各国が整備してきた供給網が寸断された。それは、グローバル化の反動というべき動きの一つだったといえる。 一方、中国は米国を批判すると同時に、東南アジアを中心とする新興国、さらには中国の需要に依存してきた欧州各国との連携を目指した。2019年3月にはイタリアがG7で初めて中国の「一帯一路」に参加すると表明した。 これは、主要先進国の利害の多極化を示す出来事の一つだ。視点を変えれば、中国は米国が主導してきたグローバル化とは異なる価値観を各国に提示したり、トランプ大統領の言動を批判したりすることで発言力を高めようとしている』、「G7で初めて中国の「一帯一路」に参加すると表明した」「イタリア」が、欧州で最も深刻な「コロナショック」に見舞われているのは、今後、同国「一帯一路」への姿勢に影響を与えるかは注目点の1つだ。
・『グローバル化反動のきっかけとなったコロナショック  1月、中国の湖北省武漢市で新型コロナウイルスが発生し、感染は日米欧をはじめとする世界全体に拡大している。米国では外出制限の緩和が模索され始めた。金融市場参加者の多くが日々の各国の感染者の増減や為政者の見解に注目している。そうした見方は、コロナウイルスの感染の影響に焦点を当てたものだ。 同時に、コロナショックによって、これまで以上の勢いでグローバル化の無理、課題、リスクなどが表面化している。各国の資本主義のあり方が大きく変容しつつある。その意味で、日々の感染動向や対策に関する議論だけでなく、コロナショックがグローバル化の反動を勢いづかせ、現在、世界経済は大きな変化の局面を迎えているといえる。 その一つの要素に、世界全体での人の移動(動線)の遮断がある。 中国は武漢を封鎖するなどして、ひとまずは感染を抑えることができた。足元、中国の感染には一服感が出ており、経済の活動水準は急速に回復している。中国でのiPhone出荷台数は2月の50万台から3月には250万台に回復した。今後、中国は補助金支給などによって雇用を守るとともに、何とか国民の不満を押しとどめる政策をとることになるだろう。 一方、日米欧はウイルスの影響が一段と深刻化するとみられる。欧米では、都市封鎖などにより経済活動が止まってしまった。一時的に経済活動を犠牲にしてウイルスの拡散を止めなければならない。世界のモノ・サービスの取引が大幅に停滞する中、今のところ、中国の供給力を賄うだけの需要は見当たらない。原油についても、OPECプラスの減産合意に関して不十分との見方が出始めている。 さらに感染拡大が世界各国の課題や問題も浮き彫りにした。 米国ではトランプ政権がオバマケアの廃止を目指したこともあり、医療保険に加入していない(所得事情などからできない)人が増え、感染拡大に拍車がかかってしまった。イタリアや韓国では中国との関係を重視するために感染対策が遅れたとの見方もある。南米、アジア、アフリカなど防疫体制が十分ではない地域でも感染が拡大している』、「コロナショックによって、これまで以上の勢いでグローバル化の無理、課題、リスクなどが表面化している。各国の資本主義のあり方が大きく変容しつつある。その意味で、日々の感染動向や対策に関する議論だけでなく、コロナショックがグローバル化の反動を勢いづかせ、現在、世界経済は大きな変化の局面を迎えているといえる」、鋭い指摘だ。
・『“大恐慌”に匹敵する世界経済の落ち込みリスク  グローバル化の反動によって、今後、世界経済は1930年代に米国を中心に発生した“大恐慌”に匹敵する落ち込みを迎える恐れがある。前述したように、トランプ政権は中国がウイルスを世界に拡散させたと非難している。コロナ禍による中国経済の減速から、第1弾合意にまとめられた米国の農畜産物などの輸入目標も達成が難しい。状況によっては、大統領再選を狙うトランプ氏が中国にさらなる圧力をかけ、サプライチェーンの混乱などグローバル経済の寸断が深刻化するリスクは軽視できない。 一方、米国を中心に企業経営は非常事態に突入しつつある。米金融大手のJPモルガンは深刻な景気後退に備え引当金を積み増し始めた。この対応は、4〜6月期の米実質GDP成長率が前期比年率で25%落ち込み、失業率は10%に達するシナリオに基づいている。 問題は、感染終息にどのくらいの時間がかかるかが読めないことだ。現在、米労働市場は過去に例を見ない勢いで悪化しており、企業業績が想定以上に悪化するリスクは高まっている。仮に経済活動が再開されたとしても正常に戻るにはかなりの時間がかかる。早期の経済活動再開が、感染を再拡大させるリスクもある。 そうした中で株価が反発していることは冷静に見るべきだ。先が読めないため、多くの投資家のリスクに対する忌避感はかなり強い。日米の国債価格の不安定さはそれを示す材料の一つだ。米国では一部の投機筋が急速に株式のショート(空売り)ポジションを巻き戻し、それにつられた投資家が株を買い、株価上昇が支えられている面もありそうだ。 一方、多くの市場参加者は、グローバル化の反動や大恐慌以来の景気後退に落ち込むリスクに目をつぶりたいと考えているようにみえる。そのため、市場参加者は先行きの明るさを求めて、目先の経済活動再開に向かっているとも考えられる。 しかし、現実には、今後、世界経済の落ち込みはより深刻化する可能性が高い。グローバル化の反動の先に、世界経済に大きな変化が出始めていることを虚心坦懐に感じ取る必要がある。今は、そうした視点で世界経済を謙虚に考えるべき時だ』、トランプ大統領は米国では最悪期は過ぎたとして、「経済活動再開」に舵を切りだしたようだが、大統領選挙を意識して早や過ぎるとの批判もあるようだ。ここはより慎重な「真壁昭夫氏」の見解を重視したい。
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