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トランプ大統領(その44)(トランプに無罪評決を下した弾劾裁判のトンデモ論法、新型コロナで焦るトランプ大統領の危険な賭け 民主党バイデン氏は共和党の対策を毎日攻撃、米国を悲惨なコロナ感染国にしたトランプ大統領「再選」の可能性、コロナ危機 出口戦略が語られる意味とその中身) [世界情勢]

トランプ大統領については、昨年11月13日に取上げた。今日は、(その44)(トランプに無罪評決を下した弾劾裁判のトンデモ論法、新型コロナで焦るトランプ大統領の危険な賭け 民主党バイデン氏は共和党の対策を毎日攻撃、米国を悲惨なコロナ感染国にしたトランプ大統領「再選」の可能性、コロナ危機 出口戦略が語られる意味とその中身)である。

先ずは、本年2月11日付けNewsweek日本版が掲載した風刺漫画家ロブ・ロジャース氏とコラムニストでタレントのパックンによる「トランプに無罪評決を下した弾劾裁判のトンデモ論法(パックン)」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/satire_usa/2020/02/post-28.php
・『<パックンも赤面!母校であるハーバード大学の元教授でトランプを弁護したスゴ腕弁護士が、トランプを無罪にするために持ち出した信じられない論法とは......> 時々、自分とつながりのある人の愚行で自分も恥ずかしくなることがあるよね。同じ事務所の人が不倫騒動を起こしたとき、同じ党の人がヤジを飛ばしたとき、同じ国の人があの大統領を選んだときなど。 この間、僕と同じ大学の人があの大統領の弾劾裁判で発言したが、実に恥ずかしくなった。ハーバード大学の元教授アラン・ダーショウィッツは超有名なすご腕弁護士。 殺人事件でアメフト選手のO・J・シンプソン、未成年性的暴行事件で大富豪のジェフリー・エプスタイン、レイプ事件でハリウッド・プロデューサーのハービー・ワインスティーンなどの弁護を務めてきたが、今まで気にならなかった。 でも今回は、おそらくシンプソン、エプスタイン、ワインスティーンでさえ恥ずかしくなったはず。選挙に有利な情報を求めてウクライナ政府に圧力をかけた、つまり国益より自己利益優先の権力乱用をした疑いのあるドナルド・トランプ大統領。 その弁護人のダーショウィッツは弾劾裁判で、「当選することが国益につながる」と解釈し、「大統領が国益とする当選のために行うことは、弾劾に値する『取引』にはなり得ない」と弁解した。 はなはだしい愚論だ。確かに、「大統領の自己利益=国益」と考えれば、選挙に勝つためなら何でもOKだろう。でも、この発想は民主主義ではなく独裁国家のものだ(後日、ダーショウィッツはそういう意味ではないと主張。よかった!)。 ここで思い出されるのは、風刺画でおなじみのポーズを取っているリチャード・ニクソン元大統領の発言(彼も弁護士出身だ)。大統領として2期目を狙う1972年の選挙戦中、有利な情報を求め、手下が民主党の選挙本部に空き巣に入ったウォーターゲート事件でニクソンは弾劾されそうになった。 トランプと同じ動機で、訴追条項も同じ権力乱用や司法妨害だったが、弾劾決議寸前に辞職した。しかし、その数年後のインタビューで、彼は弾劾の根拠をこう否定した。When the President does it, it's not illegal.(大統領がやるときは、違法ではない) こんな暴論が当時も今も通じるはずはない。と思いきや、上院で支配権を握る与党・共和党が「ダーショウィッツ論法」で証人を召喚せず、新しい証拠も要求せず、あっさり無罪だと片付けた。 こんないかさま裁判こそ恥ずかしくなる。でも、共和党議員はきっと国益を優先しているつもりだろう。彼らも「自己利益=国益」と考えているから』、「ダーショウィッツ」氏の論法に従えば、「大統領が国益とする当選のため」であれば、何をやってもいいことになってしまう。さすが、「超有名なすご腕弁護士」だけあって、黒を白と言いくるめるのも巧みなようだ。

次に、3月27日付け東洋経済オンラインが掲載した米州住友商事会社ワシントン事務所 シニアアナリストの渡辺 亮司氏による「新型コロナで焦るトランプ大統領の危険な賭け 民主党バイデン氏は共和党の対策を毎日攻撃」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/339802
・『首都ワシントンはゴーストタウンと化した。3月半ばから桜が咲き始め、例年、この時期は多くの花見客が訪れる。だが、3月22日、ムリエル・バウザー市長は桜の名所を一部封鎖し、今年の花見は見送るよう懇願し、25日には必要不可欠な事業も市長令で閉鎖した。子供の学校の授業や誕生日パーティーまでバーチャルに切り替わり、市民生活は激変した。 すでに全米で6万9000人を超える新型コロナウイルスの感染者が出て、死者も1000人を超えた。外出自粛あるいは一部の州では外出禁止の生活が全米でニューノーマルとなりつつある。11月のアメリカ大統領選へ向けて、数週間前までは再選がほぼ確実視されていたトランプ大統領だが、雲行きは怪しくなってきた』、興味深そうだ。
・『歴史的に不況下の再選はほぼ失敗  新型コロナによる不況は避けがたい。経済成長と公衆衛生問題の解決はトレードオフの関係にある。感染拡大を防ぐためには他人との距離を保つ「社会的距離(social distancing)」が不可欠だ。だが、社会的距離の徹底は、人々の交流が前提となっている経済が犠牲にならざるをえない。 ケビン・ハセット前大統領経済諮問委員会(CEA)委員長は、仮に今後半年間、国民が外出しない状況が続けば「大恐慌のようになりかねない」と警鐘を鳴らした。トランプ氏は幸運にも、これまで戦争勃発や経済危機など政権運営が試される大規模な危機に直面したことはなかったが、ついに政権発足以来の最大のピンチに陥った。 任期1期目後半に不景気を経験した大統領で再選を果たしたのは、南北戦争以降では1900年大統領選で再選したウィリアム・マッキンリー大統領のみだ。それ以降、不景気の中、再選を目指したウィリアム・タフト大統領、ハーバート・フーバー大統領、ジミー・カーター大統領、ジョージ・H.W.ブッシュ大統領(ブッシュ父)はいずれも落選している。 現時点では景気はV字回復を遂げるのか、より回復に時間を要するU字回復となるのか、あるいは低迷を続けるL字(ホッケースティック)回復となるのか不透明だ。いずれにしても、突然、止まった経済活動は、公衆衛生問題がある程度、解消するまでは復帰の道筋はない。もちろん、公衆衛生問題は政策金利引き下げでは解決できない。 近年の2極化社会の中で景気と再選の相関関係は低下しているとの分析もあるが、これまでの歴史が繰り返されれば、選挙直前に不景気入りに直面するトランプ氏の再選は危うい。 だが、トランプ政権が直面しているコロナ危機は前例がないものであり、危機をチャンスに替えることも不可能ではない。 建国の父アレキサンダー・ハミルトン初代財務長官は、『ザ・フェデラリスト』の論文で立法府(議会)は将来の政策の枠組みを設定し、司法府(連邦裁判所)は過去に実行した政策について評価し、行政府(大統領)は現在起きている事象に対応する役割を担っていると記述している。 国家が危機に直面した際、大統領はリーダーシップを発揮する機会に恵まれているといえる。その機会をうまく捉えて国民を団結させ有権者からの支持を伸ばす大統領がいる一方、その機会を台無しにして、支持を失う大統領もいる。前者が大恐慌から国を再生したフランクリン・ルーズベルト(FDR)大統領、後者が同大統領の前任のフーバー大統領だ。 「ワシントンの沼地をさらう」と訴え、2016年大統領選以降、反エスタブリッシュメントを掲げてきたトランプ氏はこれまでアメリカの政府機関を批判してきた。だが、危機が起きた今、日頃は政府機関に批判的な国民も政府機関が果たす役割に期待を寄せる。トランプ氏はこれまで批判してきた政府機関を巧みに操り対策を打ち出さねばならず、自らのリーダーシップを発揮する極めて重要な局面にある』、「トランプ氏」は変わり身の早さを身上としているだけに、既に「リーダーシップを発揮する」姿勢をPRしている。
・『コロナ対策で急変したトランプ政権  3月16日の記者会見でトランプ氏は新型コロナをめぐる自らの政権の対応について「10点満点をつける」と語ったが、初期の対応については落第点であったといえよう。コロナの感染がアメリカで拡大し始め、懸念が高まりつつあった年初から約2カ月間、トランプ氏は好調な市場への影響ばかり懸念して、問題を軽視する発言を繰り返し、民主党やメディアが事実に基づかずでっち上げた「フェイクニュース」だとすら話していた。共和党には大統領罷免に失敗した民主党が大統領を追いやるために新型コロナを政治問題化したとの声もあった。 だが、トランプ氏は3月半ば頃から急変した。トランプ氏は危機意識を高め、3月13日に非常事態宣言を行い、18日には国防生産法を発表した。公衆衛生問題の深刻さを把握し、問題を否定することでは切り抜けられず、この問題が再選を阻むリスクを理解したようだ。 3月16日に15日間ほど10人以上の集まりは自粛することを含む行動指針を発表した件について、コロナ対策調整官のデボラ・バークス博士は記者会見で英国の報告書がきっかけで、感染拡大を防ぐために他人との距離を保つ社会的距離を訴求する判断を下したことを説明した。英国の報告書は、ホワイトハウスにも共有されていた英インペリアル・カレッジのコロナ対策チームが発行したものと一致し、同報告書では何も対策を打たない場合は220万人のアメリカ国民が死亡すると分析しているのだ。 トランプ氏は支持率が頭打ちとなる中、コロナ問題が浮上するまでは、上昇傾向にあった株価を自らの経済政策の成果としてアピールしてきた。そして、資本主義を推進するトランプ政権と社会主義を推進する民主党といった対比の構図を描き、民主党が政権を握った場合、経済が悪化すると主張してきた。 だが、新型コロナによる株価暴落がその戦略を大転換させることとなった。大統領選がトランプ氏の新型コロナ対策の是非を問う信任投票となる可能性が高まったからだ。 今や民主党指名候補がほぼ確実視されているジョー・バイデン前副大統領は、大統領選へ向けて、新型コロナ対策についてのブリーフィングを毎日実施してトランプ氏のリーダーシップに疑問を呈している。外野からヤジを飛ばすことができるバイデン氏は優位な立場にある。ある専門家はトランプ政権が新型コロナ対策で失敗した場合、控えの投手にバイデン氏が用意されているとすら揶揄している。 ワシントン政治の破壊を公約したトランプ氏よりも、政府機関の力を借りて政策を発動できる経験豊富なバイデン氏のほうが、危機時にはふさわしいという見方が広まり、バイデン氏を当選させる機運が高まることも考えられる』、「トランプ氏は3月半ば頃から急変した」のは、見事だ。小池知事がオリンピック延期決定後に、急速に「新型コロナ対応」に舵を切ったのに似ている。
・『愛国心に訴え、今のところは支持率を維持  感染者が拡大する中、新型コロナ対応で出遅れたトランプ氏は、責任転嫁と愛国心の高揚に努めている。トランプ氏は新型コロナを「中国ウイルス」と称して中国の対応を批判したり、オバマ前政権に検査システムを複雑にした問題があったと主張したりしている。また、大統領が「アメリカが戦時下にある」と言い始めたのは、国民の愛国心を高め、大統領の下に団結することを狙っていると思われる。 その成果か、ABCニュース/IPSOSの最新世論調査では、大統領のコロナ対策について評価するとの回答が過半数を超える。ギャラップの最新世論調査では、トランプ氏本人の支持率は政権発足以来の最高値49%に達している。国が危機に直面し愛国心が高まる最中、今のところトランプ氏は多くの国民の支持を確保することに成功している。 9.11アメリカ同時多発テロの後に、メジャーリーグベースボールは全試合中止を発表したが、わずか6日後の9月17日には再開し、国民生活も元どおりとすることが推奨された。だが、新型コロナによる外出自粛はいつまで続くか不透明だ。1年から1年半後にワクチンが開発されるまで不安は完全に解消されないともいえる』、「「中国ウイルス」と称して中国の対応を批判」、「アメリカが戦時下にある」、などの戦術で自らの対応の遅れから国民の目を逸らすとは巧みだ。
・『だが、一部有識者そして政権内では新たな動きも見られる。22日にトランプ氏は、「解決策が問題自体よりも劣ってはならない」とツイート。さらに、24日、フォックスニュースの番組でトランプ氏は、新型コロナの影響で経済活動が事実上停止状態の中、「(4月12日の)イースター(復活祭)までに再開したい」と述べた。大統領は月末まで国民に呼びかけた外出自粛の対策について緩和策を示唆し、再び経済重視の姿勢に転換する可能性がある。 新型コロナの指針が期限を迎える月末までに、米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長は今後の対策について大統領に助言する予定だが、感染者や死者が増加傾向の中、外出自粛などの継続を提言することが想定される。そこで、トランプ氏が専門家の意に反し、国民に職場復帰を呼びかけた場合、何が起こるか。 連邦制のアメリカは、トランプ氏の支持に従わない州がでてきて、大統領はそれらの州に強引に従わせることはできない。憲法修正第10条では州民の公共福祉の規制、安全確保は州政府が権限を保有するとしている。州政府あるいは市政府など地方自治体の外出自粛や外出禁止の政令を、大統領が撤回することは、憲法違反となりできない。また下院を民主党が握る中、そのような権限を州政府などから大統領に委譲するような新たな法律を、議会が可決することは考えられない。 現在、21州で外出禁止令が出ていて、これらの州民は合計するとアメリカの人口の半数を超える約1億9000万人にものぼる。ニューヨーク、カリフォルニア(ロサンゼルス市、サンフランシスコ市)、イリノイ(シカゴ市)など主要経済都市を抱える州も含まれる。いずれの州も民主党出身の州知事でもあり、大統領の早期緩和策に従わないことが想定され、トランプ氏の願う経済活動の再開の効果は限定的となるであろう』、「トランプ氏」も、「経済活動の再開」は、さすがに「州知事」の判断に委ねたようだ。
・『早期の経済活動再開の可能性とリスク  だが、トランプ大統領が緩和策を打ち出す行為が、人々に何の影響も及ぼさないわけではない。CBSニュース/ユーガブの最新世論調査によると、「新型コロナに関する正しい情報源としてトランプ大統領を信用するか」との問いに対し、90%の共和党支持者が信用すると回答。大統領職という公的地位によって、大統領は共和党を中心に多くの国民の考えにインパクトを与えかねない。また、大統領よりも支持率が低く、大統領の意向の影響を受けやすい大半の共和党出身の政治家も、大統領に追随せざるをえない事態が想定される。 早期緩和策の実行による外出自粛の緩和はリスクを伴う。現状では、感染がさらに拡大し死者がさらに増えることは確実視され、それはアメリカ社会の自殺行為に等しいとも批判されている。 パンデミックの前例として比較される1918年のスペイン風邪では春、秋、冬の3つの波があった。一端、パンデミックが沈静化したと見られても、社会的距離を早期解除した場合、再び感染拡大のリスクがある。現在は多くの国民が大統領のコロナ対策を支持しているが、死者が急増すれば、選挙戦に向けて大統領に対する風当たりは激しさを増し、落選リスクは高まるであろう。 一方、パンデミックが沈静化すれば、民主党と協力して超党派法案を可決することで経済のV字回復あるいはU字回復を実現して、危機をチャンスに変えることができる。大統領選まではまだ7カ月あり、予断を許さない』、「トランプ氏」の舵さばきが見物だ。

第三に、4月21日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したジャーナリストの矢部 武氏による「米国を悲惨なコロナ感染国にしたトランプ大統領「再選」の可能性」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/235229
・『世界最強の感染症対策機関を持つ米国が世界最大の感染国になった理由  世界中で猛威をふるっている新型コロナウイルスだが、1つ気になることがある。それは米疾病管理予防センター(CDC)という「世界最強の感染症対策機関」を持つ米国が、世界最大の感染国になっていることだ。 4月20日現在、世界の感染者数は238万人を超え、うち米国は74万人(死者4万人)以上で世界全体の3分の1近くを占めている。なぜこんなことになっているのかと言えば、その責任の大半はトランプ大統領の失策と無能さにあると言っても過言ではない。 今年1月末、中国の武漢で感染が拡大していた頃、ホワイトハウスには新型コロナについて警鐘を鳴らす報告書が情報機関などから上っていた。ところがトランプ大統領はそれを軽視し、「暖かくなる4月にはウイルスは消えてなくなる」などと、記者団に話していた。 その結果、初動対応が大幅に遅れ、感染者が十分に把握できず、感染経路の追跡や感染者の隔離などを徹底できずに、感染を拡大させてしまったのである。 感染拡大のもう1つの主要因はウイルス検査の遅れだが、これもトランプ大統領の失策と無関係ではない。トランプ政権は世界保健機関(WHO)が各国に提供した検査キットを使用せず、米疾病管理予防センター(CDC)が独自に開発した検査キットを使うことを決定した。 そしてCDCは2月初め、全米50州に検査キットを配布したが、試薬が不良品だったため、多くの州で検査できない状態が続き、感染拡大を招いてしまった。これらの州で検査態勢が整ったのは3月に入ってからだという。 CDCは感染症対応などの分野で世界最強と言われているが、実は科学を重視しないトランプ大統領によって弱体化が進められている。 オバマ政権は感染症のパンデミック(世界的大流行)を国家安全保障上の重大な脅威と捉え、2016年にホワイトハウス内にパンデミック対策オフィス(PPO)を設立。CDCの活動を海外にも拡大し、各国の感染症発生状況をいち早く把握するために職員も派遣した。ところが、オバマ政権の副大統領を務めたジョー・バイデン氏によれば、トランプ大統領はこのPPOを廃止し、CDCの予算も大幅に削減したという。 PPOは中国へも感染症の専門家を派遣していたというが、もし存続させていたら、トランプ政権は武漢で発生した新型コロナの状況をもっと早く把握し、効果的に対応できていたかもしれない。 米国内の新型コロナの感染者と死者が急増した結果、トランプ大統領が「米国史上最強」と自画自賛してきた経済はガタガタになってしまった。多くの工場が一時的に閉鎖され、労働者は解雇され、米国は前例のない経済危機に突入した。 3月半ばからの約1カ月間で、失業保険の申請件数は2200万件を超えた。長く続いた強気の株式相場にも終止符が打たれ、専門家は景気後退を口にするようになった。) それまで確実視されていた再選に赤信号が灯るなか、トランプ大統領は3月28日、緊急支援法としては米国史上最大規模となる2兆ドル(約220兆円)の景気刺激法案に署名した。苦境に喘ぐ経済に大量の資金を注入し、困難に直面する企業や労働者を救済することを目的としたものだ。 具体的には、中小企業への資金支援や経営の苦しい企業への融資、個人や家庭を対象とした小切手支給、失業給付の大幅な拡充、打撃を受けた病院や医療従事者への資金手当てなどである。 さらに医療保険未加入者の検査・診療費補償も盛り込まれたが、これは民主党の指名候補を争っていたサンダース氏が国民皆保険制度の実現を提案していたことを意識したものと思われる。米国には医療保険に加入していない人が約3000万人いると推定され、彼らは新型コロナの感染を疑ってもなかなか検査・診療を受けられず、重症化させてしまうリスクが高いからである』、せっかく「世界最強の感染症対策機関」「CDC」を抱え、「新型コロナについて警鐘を鳴らす報告書が情報機関などから上っていた」、にも拘らず、「米国が世界最大の感染国になった」のが、トランプの失策だったというのはよく理解できた。
・『「最強の経済」はガタガタに 言動が180度変わったトランプ  トランプ大統領も再選を意識してか経済回復に躍起となり、同時にホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームの助言に耳を傾けるようになった。 3月31日の会見ではそれまでの考えを改め、「新型コロナは季節性インフルエンザより断然リスクが高い」と述べ、「この流行で10万人から24万人もの米国人が死亡する恐れがある」と警鐘を鳴らした。 それにしても「ウイルスはすぐに消えてなくなる」と言った舌の根も乾かないうちに「最大24万人の死者」とは、驚くべき変わり様である。大統領の発言や対応がこれだけコロコロ変わっては、国民は何を信じたらよいのかわからなくなってしまうだろう。最近の世論調査で、米国人の約6割が「大統領の言うことを信頼できない」と答えていることもうなずける。 それからトランプ大統領は、3月30日に終了するとしていたソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の措置)や集会禁止などを4月30日まで延長するとし、また、「4月12日の復活祭までに、すべての経済活動を再開する」としていたのを、「6月1日を目標とする」と変更した。 しかし、大統領がいくら軌道修正しても、初動対応の失敗で多くの感染者と死者を出した責任を免れることはできない。11月の大統領選では、コロナ対策が最重要テーマになりそうだが、民主党の指名を確実にしているバイデン氏は、すでにトランプ大統領への批判を強めている。 選挙用PRビデオのなかで、「大統領の失策や無能さによって国民の命が失われている」と述べているバイデン氏は、4月5日、ABCテレビの政治討論番組『ジス・ウィーク』でこう語った。 「私が言い続けているのは、トランプ大統領の行動が遅すぎるということです。ウイルス自体は大統領の失敗ではありませんが、ウイルス対策は大統領の責任です。大統領がやれることがいくつかあります。すぐに国防生産法の内容を実行してほしい。多くの人がそれを求めていますが、まだ準備中、検討中とのことです。手袋、マスクなど医療関係者に必要なものについて実行してほしいです。 それから、銀行の国防生産法も必要です。中小企業への融資が行き渡るようにしなければなりません。我々は雇用を守り、人々のビジネスを守らなければならない。そしてウイルスの検査体制も整えるべきです。400万件の検査が可能になるという話も出ていますが、それはどこでどうなっているのでしょうか……」 オバマ政権時代に感染症対策に携わった経験を持つバイデン氏はこのような危機にどう対応すべきかをよく心得ているようで、話しぶりから自信と安定感が感じられる。一方、トランプ大統領は、「自分はタフで優れたリーダーだ」とずっと主張してきたが、コロナ対策ではそれを行動で示すことができていない』、「バイデン氏」が「オバマ政権時代に感染症対策に携わった経験を持つ」、初めて知ったが、これでは「トランプ」もやり難いだろう。
・『「戦時下の大統領」発言で支持率はわかずかに上昇したが……  トランプ氏は3月18日、「自分は戦時下の大統領である」と宣言し、パンデミックとの闘いに勝利するまで、国民に来るべき苦難に耐え、団結するように呼びかけた。しかし、国内の分断を散々煽ってきたトランプ大統領が団結を訴えてもまったく説得力はないが、これも選挙を意識してのことだろう。 つまり、米国民は国が戦争のような非常事態に直面したとき、大統領を強く支持する傾向があるので、それを利用しようとしたのではないかということだ。 その思惑通り、トランプ大統領の支持率は3月22日のギャラップ調査で49%となり、その1週間前(3月15日)より5ポイントほど上昇した。しかし、同じように戦時下の大統領となったブッシュ大統領(ジュニア)の支持率が2001年9月11日の同時多発テロの後、35ポイントも上昇したのに比べると、はるかに少ない。 結局、トランプ大統領の上昇幅はもともとの支持層のなかに留まっていて、新たな支持者はほとんど増えていないように思える。トランプ氏の支持率は就任以来ずっと49%以下という低水準にとどまり、50%以上になったことは一度もない(ギャラップ調査では)。それは国家が危機に直面しても変わっていないということだ。 トランプ大統領はこれまで多くの専門家から、「大統領として不適格だ」と批判されてきたが、今回の危機ではそれが決定的となったようだ。 ワシントンDCにあるシンクタンク「ブルッキングス研究所」の上級研究員、エレイン・カマーク氏は大統領を痛烈に批判している。 「彼はイディオット(バカ)です。この重大な危機にひどい対応をしました。非常に困難な状況に陥ったとき、人々は自信と能力を感じさせる指導者を望みますが、トランプにはそのような資質はありません。この3年間、私たちは信じられないくらい幸運でした。普通の人々の生活に重大な影響を与えるようなことは、起こりませんでしたから。でも、今は違います」(ガーディアン紙、2020年3月19日)』、「ブルッキングス研究所」は民主党系なので、「トランプ」への批判も手厳しい。
・『感染症対策をないがしろに 危機に対応できない大統領  トランプ氏はツイッターで政敵やメディア関係者など人間の敵を攻撃するのは得意だが、目に見えないウイルスとの闘いでは完全に無能さを露呈している。情報機関は昨年、「米国は次のパンデミックに対して脆弱な状態にある」と警告したが、トランプ大統領はそれに耳を貸さず、何の対策も取らなかった。 11月の大統領選に向けて、野党民主党は攻勢を強めている。民主党の選挙支援団体はトランプ大統領の失策を批判するテレビ広告を作成し、3月末から中西部の激戦州などを中心に流し始めた。 その内容の一部を紹介しよう。 「すべての大統領に危機は訪れます。それは彼らの責任ではありません。重要なのは、それにどう対応するかです。ドナルド・トランプは新型コロナウイルスを生み出したわけではありませんが。彼はそれを“新しいデマ”と呼び、パンデミック対策チームを廃止し、米国中に感染拡大を招きました。すべての大統領に危機は訪れますが、この大統領はその対応に失敗しました……」 トランプ大統領は、「これは民主党による新たなでっち上げだ」と主張し、訴訟をちらつかせながら、テレビ局に対して放送しないように求めた。しかし、「トランプ大統領の応援団」と言われているFOXテレビ以外の主要テレビ局は、この広告を流しているという』、「民主党」系の「トランプ大統領の失策を批判するテレビ広告」は効果抜群だろう。
・『じわじわと支持率上げるバイデン トランプは再選どころか惨敗も  コロナ危機をきっかけに、米国人の多くが大統領の危機対応能力の重要性について改めて考えさせられるようになった。そして、危機のときに国民に安心感と安全を与えてくれる大統領(候補)として、バイデン氏が存在感を増しているように思える。それは共和党員のなかにも広がっているようだ。 共和党全国委員会のマイケル・スティール元委員長はこう述べている。 「過去24時間に聞いた最も落ち着きがあり、安心できる大統領らしい声は、ジョー・バイデンでした。共和党員としてこういうことを言うのは難しいが、それは本当です」(ガーディアン紙、2020年3月19日) また、バイデン氏の元上級顧問のモエ・ヴェラ氏は言う。 「彼(トランプ氏)は思いやりと共感性を示すことができません。この2つの価値観を持ち合わせていないのでしょう。コロナ危機は彼がずっと言い続けてきた“タフな指導者である”ことを示すチャンスでしたが、結局、何をしましたか? 見事に失敗しました」(同上) トランプ氏の失策に加え、大統領選で重要な鍵となるのは経済の動向だが、専門家からは景気後退の可能性が指摘されている。もしそうなれば、コロナ危機で大打撃を受けた米国経済が11月までに回復基調に向かうのは難しいだろう。 米国政治と選挙予測を専門とするエモリー大学政治学部のアラン・アブラモウィッツ教授は、次のように予測する。 「トランプ大統領の支持率の低さと相まって景気後退となれば、再選は非常に難しくなるでしょう。特に大不況ともなれば、大統領の支持率はさらに低下し、民主党候補が地滑り的な勝利を収める可能性もあります」(アルジャジーラ、2020年3月20日)』、3月の失業率は4.4%と前月から0.9ポイントも大幅に悪化するなど、「景気後退」は「可能性」というよりも既に始まっていると見るべきだろう。

第四に、在米作家の冷泉彰彦氏が4月18日付けメールマガジンJMMに掲載した「コロナ危機、出口戦略が語られる意味とその中身」from911/USAレポートを紹介しよう。
・『このメルマガでは、隔週でアメリカの状況をお話していますが、現在の危機というのはとにかく進行が早く、14日で世界の様相が全く変わっている、しかもその変化が加速しているのを感じます。前回、ここでお話したのが4月4日。その時は、現地時間で3月20日(金)と、4月3日(金)時点での数字を比較してお伝えしました。 同じようにそれから2週間が経過した現時点、現地時間の4月17日(金)の数字をこれに加えてみることにします。
全米レベル・・・・・・・・3月20日時点での死者     210
             4月 3日時点での死者    6586
             4月17日時点での死者   33325
ニューヨーク州・・・・・・3月20日時点での死者      31
             4月 3日時点での死者    2985
             4月17日時点での死者   14832
うちニューヨーク市内・・・3月20日時点での死者      26
             4月 3日時点での死者    1562
             4月17日時点での死者   11477
ニュージャージー州・・・・3月20日時点での死者      11
             4月 3日時点での死者     646
             4月17日時点での死者    3840
2週間前の時点でも、「この間、膨大な数の死者が続いています」と述べていますが、その後の死者の増加ペースは猛烈であり、ニューヨーク州では連日700名から800名、私の住むニュージャージー州でも200名から300名というペースで亡くなる方が出ています。 仮の遺体安置所として、冷蔵トレーラーが登場したことでショックが走ったのは4月初旬で、クイーンズ区の病院にトレーラーが横付けされている映像が衝撃を与えました。数日後には同じような冷蔵トレーラーが5台並んでいる映像となり、更に2週間が経過した現時点では、無縁墓地に集団埋葬という事態にもなっています。 また、私の住むニュージャージーでは、高齢者向けの福祉施設における感染拡大が問題になっています。例えば、州内の最大規模の施設では17名の遺体が対応不能となって積み上げられていたなどという話が出ています。これに対しては、マーフィー知事は激怒して、捜査を指示していました。ですが、施設としては入居している高齢者がどんどん亡くなって行くのに対して、手の施しようがないばかりか、遺体安置の設備を最大で2名分しか用意していなかった中で、何もできなくなっていたようです。 州政府が急いで調査したところ、高齢者向け福祉施設全体で感染の発生している施設数は384箇所、感染者数は9094、死者は530という厳しい数字が発表されています。3月にワシントン州で同様の施設におけるクラスター発生がありましたが、これを教訓とすることは出来なかったのです』、「高齢者向けの福祉施設における感染拡大」は確かに深刻だろう。
・『その「死」についてですが、少し以前には新型コロナ肺炎で家族が逝去するのには立ち会えないという問題が大きく取り上げられていました。ですが、今週のニュージャージーでは、コロナ患者の臨終にあたって家族と「ビデオ通話」を繋いでくれた医師が称賛されていたりします。 こうした死者についてですが、トランプ大統領は会見ではほとんど言及しません。 一方で、深刻な状況を抱えているニューヨーク、ニュージャージーの両州では、毎日昼に行われる、それぞれの知事の定例会見において、常にこの「その日の死者数」に向き合わなくてはならない状況が続いています。 NYのクオモ知事の場合は、例えば今週ですと、まず毎日の新規入院患者数、新規ICU収容数などを紹介しつつ、感染拡大が「ピークからフラットに」なってきたとか、ある種の指標としては落ち着いてきたという説明をします。特に数字が下降傾向を見せてきた指標に関しては「グッドニュース」という言い方をします。 ですが、その後に必ず24時間での死者数に触れて「高止まりしています。悲惨であり、痛恨の極みです」と述べる、これが残念ながら毎日のように続いているのです。 NYの場合は、従来はカウントされていなかった感染確認をせずに亡くなった「在宅死」が上乗せされるということもありました。 ニュージャージー州のマーフィー知事の場合は、死者数を紹介するのと一緒に、2名から3名、犠牲者の紹介をするのが定例化しています。16日には91歳で亡くなった「ホロコーストの生存者」の女性が紹介されていました。この人は、親族の多くがアウシュビッツで亡くなっている一方で、自分は16歳の時にアウシュビッツに連行されたものの、体格が頑健なので強制労働に「使える」と判断されて収容所から生還し、終戦とともに連合軍に救助されたのだそうです。 また17日に紹介されたのは、1980年代末に冷戦末期のポーランドの混乱を避けてアメリカに移民してきた女性でした。英語が喋れないので、ドーナツ屋の夜勤で生計を立てながら、ポーランド系移民社会の中で世話係をしてゆき、やがて会計学を学んで州の税務官吏になり、地方自治体の出納長なども歴任したのだそうです。4人目のお孫さんがもうすぐ生まれるその直前に、コロナ肺炎で死去したのだそうです。 そんなわけで、ニューヨークとニュージャージーでは、まだまだ闇の中を歩いているような雰囲気が続いています。ニューヨーク州に関しては、少し落ち着きが見られるものの、ニュージャージーについては、ピークが4月25日前後と言われており、これから一週間にわたって、更に厳しさが増していくことを覚悟しなくてはなりません』、「ニュージャージー州のマーフィー知事の場合は、死者数を紹介するのと一緒に、2名から3名、犠牲者の紹介をするのが定例化しています」、死者を悼むにはなかなかいい試みのようだ。
・『そんな中、今週のアメリカでは徐々に「社会を再オープン」する方向での動きが起きて来ました。顕著な例としては、4月15日にミシガン州のデトロイトで行われた「トランプ派」を自称する人々のデモです。「アメリカを再び偉大に」という例のスローガンを大きく掲げ、「権力には我々の社会活動を規制する権利はない」として、星条旗を振りかざして行進する姿は、全米で大きく伝えられました。 ミシガン州といえば、自動車産業の衰退から来る社会問題の深刻化を受けて、労働者の居住区でトランプ支持が拡大していたことが、2016年の大統領選に大きな影響を与えたとされています。同時に、今回のコロナ危機ではタイミング的にはNYには遅れていますが、深刻な感染拡大が続いている地域でもあります。 また、中西部のいわゆる「レッドステート」では、人口密度の低さ、地域の独立性の問題などから、共和党系の知事たちが「外出禁止令」の発動を拒否しているという問題もあります。そんな中で、サウスダコタ州では全米でも最大規模の精肉加工工場でクラスターが発生してしまい、操業停止に追い込まれるという事件も起きています。 一方で、現時点で最も感染の深刻な地域は、東のニューヨーク、ニュージャージー、西のカリフォルニアやワシントン、中部のシカゴなど、いわゆる「ブルーステート」つまり民主党の地盤でもあります。 そうなると、ミシガン州での保守系の「ロックダウン反対」デモを契機として、社会の再オープンに慎重な民主党の地盤と、共和党系の「反権力=活動の自由要求」という対立が顕著になる、そんな雰囲気も感じられました。例えばですが、ミシガンでのデモの背後には、ドナルド・トランプの姿勢、つまり「経済を殺しては元も子もないので、5月1日までに社会をオープン」という言動があることは明白です。 この動きに関連して、テキサス州でも「再オープン」への動きが出てきました。とは言え、テキサスの場合は大都市ヒューストンでは感染拡大が進行中ですので、州内にも様々な意見があるようです。 そんな中で、「社会のオープンに積極的」なのが共和党、これに対して「慎重」なのが民主党という対立構図は確かに言われています。ですが、今回の危機は、通常の左右対立とは違います。というのは、コロナ危機というのは政治的危機でもなければ金融危機でもないわけで、危機としては「リアルな危機」だからです。 ビジネスより人命優先だとして、いつまでも社会をオープンできなければ、州の経済は瀕死の状態になります。そうなれば州財政も破綻して、コロナ肺炎による直接の犠牲も、間接的な犠牲も増える最悪の事態になってしまうでしょう。 だからと言って、性急に社会をオープンにして感染の第2波、第3波を呼び込んでしまえば、同じように破滅的な結果が待っています。その意味で、例えば、ニューヨーク、ニュージャージー、カリフォルニアの各州の知事は、政治的にトランプ政権と対決するのは回避しています』、「コロナ危機というのは政治的危機でもなければ金融危機でもないわけで、危機としては「リアルな危機」だからです・・・いつまでも社会をオープンできなければ、州の経済は瀕死の状態になります。そうなれば州財政も破綻して、コロナ肺炎による直接の犠牲も、間接的な犠牲も増える最悪の事態になってしまうでしょう」、確かに難しいところだ。
・『また、実際にトランプ大統領は「5月以降、社会を再オープンする」と息巻いていますが、16日(木)に専門家の助言を得て発表された「再オープン計画」の内容は、極めて常識的なものでした。 参考までにご紹介しますと、全体は "GUIDELINE: OPENING UP AERICA AGAIN"  (アメリカ再オープンのガイドライン)ということで、「AGAIN」という文字があるので、何となくトランプ的なスローガンに見えますが、内容は空疎なガイドラインではありません。 全体は3つに分けられています。(実際はもっと詳細なガイドラインになっていますが、ここでは簡略化してご紹介しています) フェーズ1~3に共通:手指消毒など衛生管理、体調不良時は通勤通学を禁止し医師の診察を受ける、詳細は各州の規則に従う  フェーズ1:高齢者・基礎疾患のある人は在宅、社会的距離の確保、高齢者ホーム等への訪問禁止、10名以上の集会禁止、テレワーク原則、一部通勤禁止を緩和、大規模イベント禁止、不要不急の外出禁止、学校は休校、バーは営業禁止  フェーズ2:高齢者・基礎疾患のある人は在宅、高齢者ホーム等への訪問禁止、社会的距離の確保、不要不急の外出も許可、継続してテレワークを強く推奨、大規模イベント・バー・ジムは対策の上で営業許可  フェーズ3:高齢者・基礎疾患のある人も対策して外出許可、高齢者ホーム等への訪問も対策の上許可、大規模イベントも対策の上許可 となっています。紹介されたときには、「時期、対象地域は一切決まっていない、あくまで空理空論」として批判もありましたが、要するにこの3つのフェーズというのは、「R(再生産率の係数)」つまり、1人が何人に感染するかの総平均値によって決定されるようです。例えば、NY市として、0.9になればフェーズ2に行けるとか、フェーズ3になったら、改めて日本で言う「クラスター追跡」は厳しくやるというような運用です。 とにかく、大統領は一刻も早く経済活動を再開ということで、ここ一週間、毎日のようにその話ばかりですが、その理論的なベースについては、ファウチ博士などの専門家チームが数理計算をやって、フェーズを決めていると考えられます』、「フェーズ1~3」は、「1人が何人に感染するかの総平均値によって決定される」、公衆衛生学上の考えに基づいてきちんと判断されるようだ。
・『もっと踏み込んで言えば、本来は治癒による免疫獲得者に加えて「予防ワクチン」の実用化によって、人口の中に巨大な免疫の壁を作り、その上で社会を正常化するのが理想であるわけです。また、それができないまでも、社会的に全数検査に近い規模の「陽性検査」と「抗体検査」を行って流行の把握と抑え込みを正確に行う必要があります。 ですが、現時点では予防ワクチンも、また大量の検査体制もメドが立ってはいません。抗体検査に至っては、商品化の動きはあるものの、果たして抗体がどこまで有効なのか、どのような条件で獲得されるのかも確定していません。 ですから、予防ワクチンも、抗体検査もない中で、「ロックダウンによって感染を抑え込み、収束に向かわせる」「季節的に、紫外線や湿度によるウィルスの減少に期待する」という2つの要素でとりあえず、フェーズ1からフェーズ2を実現するようにする、その後、状態が悪化したら1に戻すこともありうる、それが今回の「再オープン」ということなのだと思います。 こうした動きの背景にあるのは、「再選を狙うトランプの思惑」だけではありません。現在のアメリカで大きな問題になっているのは、何と言っても失業問題です。過去4週間で「総計2千2百万」という史上空前の失業者が発生しています。この人達には、通常の失業給付に加えて「1週間600ドル」という給付があるので、当座の生活を回すことはできるでしょうが、とにかく経済を回していかねば、という思いは左右対立などとは全く別の次元で、強くあるわけです。 経済指標で言えば、失業数に加えて、例えば「小売業の売上総額」では、20年3月期の数字が「前月比マイナス8.7%」となっており、4月の数字はこれを大きく上回る落ち込みになっていくことが考えられます。 株式市場は、ここ数週間は比較的落ち着いています。悪材料が出尽くした感じがあるのと、短期的な落ち込みは、連邦政府の2兆ドルの対策が相殺してくれるという思いがあるからですが、仮に、今回の危機が不況を長期化させて、金融にも大きな影響があるようですと、景気も株価も大きく悪化することは免れません』、「現時点では予防ワクチンも、また大量の検査体制もメドが立ってはいません。抗体検査に至っては、商品化の動きはあるものの、果たして抗体がどこまで有効なのか、どのような条件で獲得されるのかも確定していません。 ですから、予防ワクチンも、抗体検査もない中で、「ロックダウンによって感染を抑え込み、収束に向かわせる」「季節的に、紫外線や湿度によるウィルスの減少に期待する」という2つの要素でとりあえず、フェーズ1からフェーズ2を実現するようにする」、やはり「ロックダウン」などに頼らざるを得ないようだ。
・『そんな中で、16日には米製薬会社「ギリアド」が開発中の薬剤「レムデシビル」が、新型コロナウイルスの治療に有効だという話題が出て、17日の株価は上昇しました。この「レムデシビル」はそもそもエボラ出血熱の治療薬として開発された化合物ですが、承認まで至っていなかったものです。 本格的な治験が始まっており、これまでに試験的に投与された症例では良好な結果が出ているという論文もあるようです。問題は、肝機能への副作用で、ここが承認の大きな関門になるという意見もありますが、とにかく期待が集まっているのは事実です。 繰り返しになりますが、私の住むニュージャージーは死者数の増加が進んでおり、全く光のない闇のような状態ですが、全米というレベルでは経済の落ち込み、雇用と人々の生活が失われる痛みの中で、一刻も早く社会の「再オープン」をという雰囲気があるのは重たい事実です。その思いは、一見するとトランプという人や中西部が代表しているように見えますが、決してそんなことはなく、全米の思いは一緒なのだと思います。 そんな中で、ホワイトハウスの専門家グループが「決して大統領の喧嘩を買わない」という大人の集団であることもあり、今回の「再オープン案」は各フェーズへ進むのには(恐らくは)データの裏付けを要求し、また州ごとの運用とする現実的な案として出てきたわけです。 例えば東部各州、中西部各州、西海岸各州はこの「フェーズ」の適用と、その具体的な運用については統一行動をするようですが、とりあえず連邦と各州に対立があるわけではありません。いずれにしても、感染拡大を必死に抑制しながら、フェーズ1から2を目指すというのが、早いところで月末以降、感染の深刻な州の場合は5月中旬以降の動きになってくると思われます』、「ホワイトハウスの専門家グループが「決して大統領の喧嘩を買わない」という大人の集団である」、確かに「トランプ」と「喧嘩」したところで、失うものの方が大きいので「大人」の対応をしているのはさすがだ。今後の「再オープン」の動向は、日本にも参考になるだけに、大いに注目される。
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