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ベンチャー(その6)(トヨタが米国で手がけるベンチャー投資の実像 米国の研究所「TRI」子会社が発揮するCVCの意義、グーグルに事業売った男が挑む「水道管」大問題 AIで劣化診断 シリコンバレー流が日本進出、コロナが直撃!「ベンチャー投資バブル」の行方 リーマンショック時の「投資家淘汰」が再燃) [イノベーション]

ベンチャーについては、昨年11月12日に取上げた。今日は、(その6)(トヨタが米国で手がけるベンチャー投資の実像 米国の研究所「TRI」子会社が発揮するCVCの意義、グーグルに事業売った男が挑む「水道管」大問題 AIで劣化診断 シリコンバレー流が日本進出、コロナが直撃!「ベンチャー投資バブル」の行方 リーマンショック時の「投資家淘汰」が再燃)である。

先ずは、本年2月28日付け東洋経済オンラインが掲載した三菱総合研究所研究員、カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員の劉 瀟瀟氏による「トヨタが米国で手がけるベンチャー投資の実像 米国の研究所「TRI」子会社が発揮するCVCの意義」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/332737
・『劉瀟瀟氏は2019年7月より三菱総合研究所から派遣され、カリフォルニア大学サンディエゴ校に客員研究員として滞在している。今回は「トヨタのCVC」をテーマにアメリカ西海岸からの6度目のレポートをお届けしたい。 近年、世界の大手企業のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)がますます活躍するようになっている。グローバル化が進むビジネス環境で生き残り、企業の将来の成長を図るために欠かせない存在ともいえる。CB Insightsの報告によると、2018年のCVC投資額は約530億ドルに達し、2017年より47%も増加した。投資件数は2740件で前年度比32%増になった。 日本のCVCも成長している。2018年の投資額は2017年から倍増し、14億ドルになった。2018年においてグローバルで最も活躍したCVCのランキングTOP10で、日系のSBI InvestmentとMitsubishi UFJ Capitalが6位と9位にランクインした(他のアジア系は中国系3社、韓国系1社)。 国別にみると、日本だけでなく、世界的な企業が増加してきた中国や韓国のCVCが徐々に存在感を高めてきているが、やはりアメリカのCVCは規模(日本の13倍の265億ドル)も大きく、件数(日本の3倍の1046件)も多い。特にカリフォルニア州はアメリカの中でCVC投資を最も活発に行っているところで、投資金額も投資件数もアメリカ全体のほぼ半分を占めている。 その中で、着々とアメリカのスタートアップに投資しているトヨタ自動車(以下、トヨタ)のCVCがあるのをご存じだろうか。 シリコンバレーを拠点に展開するCVC、「Toyota AI Ventures」(以下、TAIV)だ。設立から3年弱ですでに27社に投資、投資先はすべてトラクションの増加(成長の兆しが見えている)や次ラウンドの資金調達を実現しており、すでにそのうちの1社がイグジット(EXIT、売却して利益を得ること)した。 「新しいCVCとしては『優秀な』滑り出しだ」(アメリカのベンチャー投資に詳しいTakashi Kiyoizumi(清泉貴志)氏)と評価されているのだ。 2020年1月、TAIVのシニアコーディネーターの伊藤輝之氏にインタビューした。伊藤氏は2007年UCLA卒業後トヨタに入社。2019年1月より「ToyotaResearchInstitute」(以下、TRI)に出向している。日本国内ではあまり知られていない同社を紹介するとともに、シリコンバレーで順調に事業を進めている理由を分析したい』、「トヨタが米国で手がけるベンチャー投資」、とは面白そうだ。
・『親会社からもトヨタからも「自由」  TAIVは、トヨタが出資している研究所であるTRIが2017年に設立した100%子会社だ。このCVCが順調な背景には、その親会社であるTRIの「自由」「ローカル」といった企業風土がある。 まず親会社TRIの紹介をすると、2016年1月に設立されたTRIでは人工知能(AI)・自動運転・ロボティクスなどの研究開発を行っている。「敢えて」自動車メーカーのトヨタを強調せず、比較的「自由(独立・自律の意味をする)」に研究開発を行う「ローカル」な研究所だ。その理由に、まず、一般の日本企業の現地法人と違い、CEOに自動運転業界で著名なギル・プラット博士(元国防高等研究計画局(DARPA))を起用し、14人の経営陣の中で日本本社からの常駐取締役は木田淳哉氏のみとなっている。 したがって、普段の業務において重要な意思決定はアメリカンスタイル・シリコンバレースピードで行われる。日本とのやり取りも、木田氏を中心とした日本人出向者のサポートにより、本社との意思疎通も忘れない。 また、TRIはスタンフォード大学に近いロスアルトス、ミシガン大学に近いアナーバー、そしてマサチューセッツ工科大学に近いケンブリッジの3拠点を持っている。大学発新技術との連携、また人材採用を非常に重視しているためだ。 TRIはトヨタの子会社というよりも、自動運転技術の開発競争が激化する中で、アメリカで研究を行い、世界中から人材を集めようとしている。これはTAIVにも影響を与えている。 特にシリコンバレー近辺では、超一流の学生は起業家、一流の学生はGAFAに就職、二流の学生は大企業に就職するともいわれている。 TRIは、インターン等を通して、優秀な人材のリクルートに非常に熱心だ。 したがって、TOYOTAの名前がついていることで日本企業だと思われ、日本(文化)に関心ある人しか集まらないということはなく、「たまたま日系の研究所」「研究内容が面白い」「将来自分の研究成果を実物(TOYOTAのクルマなど)を通して実現できることに大きなやりがいを感じる」と学生から評価されている。 こういった一定の自由度を持ち、かつ現地化した親会社の下にTAIVがある』、「TAIV」が「トヨタが出資している研究所で」「「自由」「ローカル」といった企業風土がある」「TRI」の子会社ということで、「親会社からもトヨタからも「自由」」、というのはこうした「CVC」には重要なことのようだ。
・『TAIVの4つの特徴  TAIVはどういう会社なのか。2017年7月に設立した同社は、「Discover what’s next for Toyota」を目的とするCVCである。規模は2億ドル(1号ファンド1億ドル+2号ファンド1億ドル)。主要な特徴について、伊藤氏へのインタビュー内容から、つぎの4点をまとめた。 ① スーパーアーリーステージへの投資(同社の主な投資対象は、エンジェル(投資家)ラウンドの次にあるシードラウンド(起業前・事業スタート直前)、シリーズA(事業開始後の初期段階)にある超アーリーステージのスタートアップ。 一般的な日系CVCは、シリーズB(ビジネスモデル確立後の成長期)ないしその以降のステージに投資することが多い。筆者が以前インタビューしたアメリカの投資家が言っていたように、「この日本の大企業が投資するならうちも投資する」という形で日本企業のCVCは後追いが多いとみられている。一方でTAIVは違う。同社はアメリカのVCらしく「種(技術シーズ)」をよく見極めて積極的に投資している。) ② 独立性が高い(他の日系CVCだと、自社のファンドを他のVCに預けて、そのVCに資金の運用、つまり投資を行ってもらう(LP、Limited Partner)ことが多いが、TAIVは2億ドルのファンドを、GP(General Partner)として自分で投資先を決める。 なお、投資決裁については本社の承諾が不要とのことだ。スカウトチームは5名で、内部のテックデューディリジェンス(技術評価)担当、トヨタ本社との調整担当、ファンドマネージャーなどで構成されるため、バランスよく投資先の評価ができる。このように独立性が高いため、2週間~3カ月で投資決定をするなど、シリコンバレースピードで進むことができるのだ。 TAIVは本社に稟議をはかったり、決裁を待ったり、細かいことまで調整するといった日本企業の現地法人にありがちなステップも不要だ。アメリカにあるCVCとして、有望なスタートアップを見つけ、効率よく投資案件を回すことができていると言える。 もちろん、トヨタ本社側にも、そこまでの覚悟があるともいえるであろう』、「一般的な日系CVCは、シリーズB(ビジネスモデル確立後の成長期)ないしその以降のステージに投資することが多い。筆者が以前インタビューしたアメリカの投資家が言っていたように、「この日本の大企業が投資するならうちも投資する」という形で日本企業のCVCは後追いが多いとみられている。一方でTAIVは違う。同社はアメリカのVCらしく「種(技術シーズ)」をよく見極めて積極的に投資している」、「投資決裁については本社の承諾が不要・・・2週間~3カ月で投資決定をするなど、シリコンバレースピードで進むことができる」、さすが大したものだ。
・『業界の変化の兆しもいち早く察知  ③ 投資目標に基づき投資先を厳選(将来トヨタのビジネスにつながることに重点を置いているため、業界に詳しい社員の推薦や同業他社評価を重視している。TAIVとTRIは、社員が多国籍で非常にアメリカ企業らしいが、その多国籍社員のネットワークでいろいろな国の注目企業の情報を入手している。デューディリジェンスの際も多様性が役に立つ。なお、CVCやAI関係の投資ファンドの世界は実は業界が狭く、同業者と親密であるため、比較的正確な情報を収集することができる。 ベンチャー企業を評価する際、破壊的テクノロジー、新ビジネスモデル、ROI(投資利益率)、スタートアップ自体の企業文化(以前のエンジェル投資家の記事『アメリカで活躍する「エンジェル投資家」の正体』にも書いているように、指導可能な会社かどうかは重要)などを重視するが、自力で経営させるため、マイノリティー投資を貫徹している。 ④ 長期シナジーを持ち、ハードウェアも育成(同社のポートフォリオは、10年スパンで他のVCとあまり変わらない期間だが、長期的に見てシナジーがある基盤を育成することも重視。道路、歩道、海上、航空などの交通・モビリティなど多岐にわたる分野で、AI、自動運転、ロボティクス、クラウド、データといった基盤技術を持つスタートアップ(例えば、シャトルバスの自動運転、スクーターのシェアサービス、船舶の自動運転、空飛ぶタクシー)への投資をしている。 数年で事業化を狙うというよりは、周辺領域への投資活動を通じて、将来、破壊的テクノロジーを持つ企業が出てきていないかなど、変化の兆しをいち早く察知しようとしているようだ。 ソフトウェアに比べ、ハードウェアの発展に時間もお金もかかるため、トヨタはそれを育てることに「責任」を感じている(伊藤氏)ようである。) こうした将来のトヨタを見据えたうえでの長期スパンの投資は、いずれ将来のトヨタに還元されるだろう。CVCの目的の1つである「企業の将来の成長のため」に合致しているといえる。 TRIやTAIVも、トヨタというブランドをもちながら、本社と「程よい距離感」を置くことにより、将来のトヨタないし社会の発展について、効果的に研究を進めていることがよくわかる。TRIが先端研究にフォーカスし、TAIVは最新技術を持つベンチャー企業への投資を通じて業界動向を見極め、そしてトヨタ本体は次世代の研究開発・量産開発をするというよい循環になっている』、「TRIやTAIVも、トヨタというブランドをもちながら、本社と「程よい距離感」を置くことにより、将来のトヨタないし社会の発展について、効果的に研究を進めている」、この「程よい距離感」がやはりカギで、下記の一般的な「日本のCVC」とは完全に異次元になっているようだ。
・『CVCは企業の長期戦略の中で重要項目  日本のCVCはさまざまな課題を抱えている。経産省の委託調査資料によると、「ファンドの形態を取っているが親会社がコントロール」する割合が高く、特に日本国内CVCの規模もパフォーマンスも高いとは言えない。 日本のCVCの多くがうまくいっていない原因は、投資目的が不明確、投資先の選定基準が難しいこと、本社決裁に時間がかかる(CVCと本社のコミュニケーションが円滑ではない)こと、ベンチャーキャピタリストのローテーション制度(CVCに出向する社員が2、3年で変わり、ノウハウ・コネなどの引継ぎが難しい)のため適材適所ができていないことと考えられている。国内でも海外でも積極的に投資してかつ成績がよい事例が少ない。 しかし、グローバルな競争環境のもとで自社ですべてのイノベーションを行うのが困難になってきた現在、CVCは企業にとって長期戦略を立てるうえで重要項目になってきている。TAIVはまだ新しいが、日本企業のCVCの好例として今後も注目していく価値を秘めているのではないだろうか』、「TRIやTAIV」といえども、本社から「ローテーション」で派遣されてくる人間もいると思われるが、その比重がプロパーの人間に比べ少ないのだろうか。

次に、3月29日付け東洋経済オンライン「グーグルに事業売った男が挑む「水道管」大問題 AIで劣化診断、シリコンバレー流が日本進出」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/340217
・『日本のベンチャーをグーグルが買収――。2013年の年末、一躍世界の脚光を浴びたヒト型ロボットのベンチャー企業「シャフト」。この売却を成功させたのが、当時最高財務責任者(CFO)を務めていた加藤崇氏だ。 東京大学大学院の博士課程でロボット研究をしていた中西雄飛CEOをはじめとするエンジニアたちは、ヒト型ロボット実用化の夢を描いていた。「彼らの情熱を支えたい」。銀行出身の加藤氏はシャフトに仲間入りした。 「世界を変えられる技術だとは思っていたが、おカネを出してくれる人がいなかった」。そう考えていた矢先に出会ったのが、スマホOS「アンドロイド」の生みの親として知られるグーグルのアンディ・ルービン氏だった。当時、グーグルでロボット開発のプロジェクトを率いていたルービン氏は、ロボット関連のスタートアップを矢継ぎ早に買収。シャフトもその1社だった』、加藤崇氏は、早稲田大学理工学部(応用物理学科)卒業。元スタンフォード大学客員研究員。東京三菱銀行等を経て・・・(Forbes JAPAN)、と理科系で米国留学経験もあったようで、納得した。
https://forbesjapan.com/author/detail/1451
・『シャフト売却後、「配管点検」に注目  シャフトの売却後、加藤氏は退社。新たな事業の立ち上げを模索するうちにたどりついたのが、「配管点検」だった。2015年にアメリカで会社を創業し、当初はロボットが配管の中を動き回って点検するビジネスの可能性を調査。いくつかの水道事業者が興味を持ったという。ただ中規模の都市でも水道管の長さは数千キロにも及ぶ。「ロボットでは限界がある」。そう考えた加藤氏は、ソフトウェアによる“寿命診断”に転換した。 こうして立ち上がったベンチャー企業「フラクタ」は、水道管の破損や漏水の可能性を、機械学習などの人工知能(AI)で解析するツールを提供する。世界初の試みだ。「水道管は土の中に埋まっているため、人間が掘り起こして状態を確認することができなかった」と、加藤氏は説明する。破損確率の高い水道管から更新することで、メンテナンスへの投資を効率化しつつ、配管の破損・漏水事故を最小限に抑えることができる。 鉄製の水道管の寿命は、実際は埋められている環境によって、60~180年の差があるという。従来は腐食の度合いにかかわらず設置年数に基づいて交換していたが、「掘り起こしてみるとまだピカピカだったということもよくある」(加藤氏)。 寿命を左右するのは、水道管と土との酸化反応で腐食によるさびがどれだけ起こるかということ。AI診断のアルゴリズムは、配管素材や使用年数、過去の漏水履歴といった水道管に関する情報と、水道管の周りの土壌や気候、人口など、独自に収集した1000以上の環境変数を含む膨大なデータベースによって構築されている。例えば配管の傾斜角度もその1つ。傾斜している水道管のいちばん下にある部分は、物理的に水圧がかかりやすい。 創業からわずか4年半で全米27州で60以上の水道事業者と契約にこぎつけた。日本でも川崎市上下水道局と2019年2月から実証実験を開始し、その後神戸市水道局、埼玉県越谷市・松伏町の水道企業団が続き、この3事業者では検証が完了。アメリカでの導入先と同様の有効性が確認された。この春から実際のツールの提供が始まる予定だ。このほか神奈川県企業庁や大阪市水道局などでの検証も進められている』、「「配管点検」に注目」、「「ロボットでは限界がある」。そう考えた加藤氏は、ソフトウェアによる“寿命診断”に転換した」、着目点と柔軟性は素晴らしい。
・『“シリコンバレー精神”で地元水道局が採用  最初にビジネスが始まったのは、フラクタが本社を置くシリコンバレーに近いサンフランシスコ市とオークランド市の水道会社だった。フラクタのツールは、水道会社が一般的に保有する5種類の水道管データ(位置情報、材質、口径、設置年月、破損履歴)をアルゴリズムに取り込めば、1つひとつの水道管の劣化状態を予測できる。導入を進めるためには、水道会社から自社のデータを提供してもらわなければならない。 「日本ではなかなかデータを出してくれない。だがシリコンバレーのカルチャーが根付いているこの2都市では、面白いから一緒にやってみようと言ってもらえた。そこから次から次へと導入が決まるドミノ現象が始まった」と加藤氏は振り返る。顧客のうち約20社はカリフォルニア州だ。「担当者がハイテク好きかどうかは重要。とくにカリフォルニアは進取の精神がある」(同)。 加藤氏が水道会社に売り込む際にアピールするのは、フラクタのソフトウェアの費用対効果だ。契約は年間の定額課金が基本。例えばフラクタの試算では、サンフランシスコ市は、従来の配管の平均寿命で考える方法とフラクタの方法を比較すると、水道管の更新費用を4割ほど減らせるとの結果が出たという。 アメリカには100万マイル(160万キロメートル)の水道管があり、フラクタはすでに全配管データの10%ほどを押さえたという。「3割くらいのデータを押さえれば、誰も追いつけなくなるのではないか」と加藤氏は考えている。 一方で加藤氏は、「僕らの半分のデータのサイズでより精緻な解析モデルを作ってくる人たちが出てくるかもしれない。それでもいい。僕らが暴れることで天才たちが競争相手として入ってくれば、技術が広まる契機となり、業界全体の配管更新が最適化される。水道料金は誰しもが払わなければならないもの。競争を促せば、今の半額になることだってありうる」と、興奮気味に語った』、「僕らが暴れることで天才たちが競争相手として入ってくれば、技術が広まる契機となり、業界全体の配管更新が最適化される」、との社会全体の視点からの割り切りは立派だ。
・『親会社の栗田工業と世界展開へ  アメリカで実績を残してきたフラクタは、世界進出ももくろむ。「自分たちだけでは限界がある」という加藤氏がタッグを組んだのは、国内水処理大手の栗田工業だ。 2018年に同社が40億円を出資し、フラクタの株式の過半数を取得。今後最大4年の間に完全子会社化される予定だ。「水道会社は地元に根付いた企業であることが多く、技術だけでは売れない。オフィスを構えて10年、20年が経つ栗田ブランドのほうが現地に入っていける」(加藤氏)。 シリコンバレーを生活の拠点とする加藤氏は、「イノベーションを起こすには、自分が世界を変えられると思っているかが大事。グーグルのアンディ・ルービンだってそうだった。シャフトはグーグルに売ったのではなく、アンディに売ったと思っている」と話す。 「ここの成功者たちは皆口をそろえて、小さく成功しても意味がない、本当に世の中がよくなるようなものを開発しなくちゃいけない、と言う。数%のテクノロジー業界のエリートたちに囲まれていると、いろいろなことを吸収できる。そういう系譜が脈々と続いている」(加藤氏) ここ日本でも事業が本格化し始めたフラクタは、2022年までに100以上の水道事業者にツールを導入する計画だ。シリコンバレー流のイノベーションは、日本の巨大インフラにも根付くか。まだ挑戦は始まったばかりだ』、「フラクタ」の今後が楽しみだ。

第三に、4月28日付け東洋経済オンライン「コロナが直撃!「ベンチャー投資バブル」の行方 リーマンショック時の「投資家淘汰」が再燃」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/347197
・『過去5年間で資金調達額が3倍近くに膨らんだ国内ベンチャー市場にも、コロナ不況の波が押し寄せようとしている。 調査会社INITIALによると、2019年の国内ベンチャー企業の資金調達額は4462億円と過去最高額を更新した。若い起業家が増えたことに加え、リスクマネーを供給するベンチャーキャピタル(VC)のファンドが大型化したことも大きい。ジャフコやグロービス・キャピタル・パートナーズなど、2019年は数百億円単位の大型ファンドの組成が相次いだ。 ところが新型コロナウイルスの感染拡大によって資本市場が混乱。日本やアメリカ、中国で3000億円以上のファンドを運営するVC大手「DCMベンチャーズ」の本多央輔日本代表は、「リーマンショックの時と同じく、ベンチャー企業に対する投資マネーは減っていくだろう」と指摘する。 これまでのベンチャー投資はVCに加え、事業会社やその傘下にあるコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)も有力な資金源だった。だが、「不景気になれば事業会社が最初に(ベンチャーとVC)投資から引いてくる」。国内独立系VCであるCoral Capital(コーラル・キャピタル)のジェームズ・ライニーCEOはそう話す』、確かに「事業会社」は景気悪化への備えとして手元流動性の維持を図る筈だ。
・『投資ファンドへの逆風が吹き始めた  ここ数年、VCが大型化した背景には、年金基金や生命保険などの機関投資家が、VCを有望な投資先と考え始めたことがある。上場株式や債券よりもハイリスクだがハイリターンを見込めるオルタナティブ(代替)投資の一環だ。2018年6月に東証マザーズに上場したフリマアプリのメルカリや、同年5月に同じくマザーズに上場したネット印刷のラクスルなど、大型上場が相次ぎ、多くのVCが高倍率のリターンを出したことが大きい。 ただ現状を鑑みれば、「機関投資家はオルタナティブ投資を一定の割合に設定している。ほかの資産の価値が下落すれば、相対的にオルタナティブの比率が上がってしまい、VCなどへの新規投資を絞ろうとする」(本多氏)という可能性はある。 実際、資金調達に向けてVCなどの投資家と交渉を進めていたあるベンチャー企業の社長は、「(当社への)投資を検討していたベンチャーキャピタルから、直前になって新たなファンドが組成できなくなったので見送りたいとの連絡が入った。1社抜けると、ほかの投資家が難色を示し始める」と頭を抱える。 2019年に7号ファンド(金額未公表、数百億円規模)の資金調達を終えた国内VC大手、グローバルブレインの百合本安彦社長は、「確かに様子見のVCは多いが、まだ投資が実行されていない分の資金は潤沢にあり、そこまで悲観することもない。われわれも投資委員会を継続的に開催しているし、企業価値が妥当な会社には粛々と投資していく」と話す。) 一方で強気なVCも少なくない。GMOインターネット傘下のVC、GMOベンチャーパートナーズは4月6日、約70億の既存ファンドの半分に当たる約35億円を「新型コロナ・リセッション投資枠」とすることを決めた。同社の宮坂友大パートナーは、「コロナの影響で不況になっても投資のペースを緩めないという姿勢を表明するため、社内で予算を確保した」と背景を説明する。 「不況下でこそイノベーティブで価値のある会社に投資する。10年ほどの長期で考えると、安値圏で株式を買っていることになる」(宮坂氏)。同社はリーマンショック後の不況の中で企業情報サービス「SPEEDA」を手掛けるユーザベースや、クラウド名刺管理のSansanに投資。当時は数億円の評価額だったが、上場後の今は両社とも時価総額が1000億円を優に超える。不況下で割安に投資すると、それだけリターンが大きいことも知っているわけだ』、「逆張り」で「不況下で割安に投資」しようとするところもあるのは当然だ。
・『成熟段階のベンチャー投資の動きも  GMOベンチャーパートナーズが投資対象としているのは、創業初期で事業の基盤を組み立てようとしている段階のベンチャー企業だ。「この段階で経営判断を一歩間違うと会社が潰れてしまうリスクがある。(だからこそ)このタイミングでの支援が必要になる」(宮坂氏)。発表後、数十社のベンチャー企業から問い合わせが来ているという。 事業基盤が確立してきて収益化が見えてきた「レイターステージ」のベンチャーへの支援の動きも出ている。グロービス・キャピタル・パートナーズは4月6日、既存投資先への追加投資という目的に絞った約40億円のファンド設立を発表。コーラル・キャピタルも4月13日、同様の目的で約27億円のファンドを立ち上げた。 「成長可能性のある会社に大型調達をしてもらって、事業を伸ばすことに集中してほしい。多額の調達をしようとすると、いろいろなファンドや事業会社から小口に集める必要があり、手間がかかる。さらにコロナの影響で調達の選択肢が減っているため、今回のような箱が重要になる。」(コーラル・キャピタルのライニーCEO)。 コロナ影響が顕在化する中で新ファンドを組成することになったが、「(機関投資家からは)われわれのファンドの実績を評価してもらっていたので、投資を渋る声はなかった」とライニー氏は言う。 コーラル・キャピタルが創業初期に投資した人事労務のクラウドサービスを手掛けるSmartHR(スマートHR)は、2019年夏に60億円超の大型調達を実施し、評価額が300億円を超えるなど大きく成長した。VCの間でも実績の差がますます顕著になりそうだ。) 「ベンチャー企業はふるいにかけられる時期になった。経営者の資質が問われるようになる」 グローバルブレインの百合本社長はそう指摘する。百合本氏は2019年から不景気になることを見越し、投資先に対して不況に備えるよう警鐘を鳴らしてきたという。「リーマンショックは金融危機だったが、今回は全産業に影響が及んでいる。一層谷が深くなる可能性がある」(同)。 GMOベンチャーパートナーズと組んで、ベンチャー企業に経営面の助言を提供するマネーフォワード・シンカの金坂直哉社長は、「決まっていた資金調達がなくなり、VCだけでなく、事業会社の投資がなくなったという話も聞く。平時とは違って“Cash is king(現金こそ王様)“だ。会社を筋肉質にするいいタイミングだと思う」と話す』、「リーマンショックは金融危機だったが、今回は全産業に影響が及んでいる。一層谷が深くなる可能性がある」、「“Cash is king“」、その通りだろう。
・『できれば18カ月分の資金確保を  ベンチャー企業の資金繰りに関してDCMベンチャーズの本多氏は、「とにかくランウェイを確保することが重要だ」と指摘する。ランウェイとは、売り上げが立たなくとも、手持ちの現預金で事業を回せる期間のことだ。「ランウェイは最低12カ月分、理想は18カ月分確保する必要がある。資金調達は準備から着金まで最低半年かかる。18カ月分の資金があれば、1年はお金を気にせずに事業に専念できる」(本多氏)。 GMOの宮坂氏は今回、投資の基準を見直し、不況でも生き残れる経営者かどうか、コストを厳格に管理できるかなど、10項目を新たに設定。投資する事業内容としては、「(IT系の中でも)生産性やデジタル化率が低い領域に目を付けているかどうかが大きなテーマだ。皆の生活になくてはならないものであるべき。“なくてもいいよね”では意味がない」(宮坂氏)。 景気が安定し、多くの大企業でカネ余りが顕著となっていたこの数年、ベンチャー企業に投資マネーが流れ込んだ。その裏では「バブルになっている」との声も少なくなかった。コロナショックという大逆風の中で、ベンチャー企業も投資家も、その実力が厳しく問われることになりそうだ』、「ベンチャー」「バブル」崩壊で、「実力」による整理淘汰が進むことは長期的には必要なことのようだ。
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