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アパレル(その2)(日本の「アパレル危機」の想像以上に大変な実態 モールすら埋まらない現状に活路はあるか、ユニクロに大逆風…! ここへきて「最大の危機」に直面しているワケ コロナウイルス 反日韓国 香港デモ…、三陽商会「5カ月で社長交代」の厳しすぎる現実 新型コロナに加え ファンドと委任状争奪戦) [産業動向]

アパレルについては、昨年8月17日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その2)(日本の「アパレル危機」の想像以上に大変な実態 モールすら埋まらない現状に活路はあるか、ユニクロに大逆風…! ここへきて「最大の危機」に直面しているワケ コロナウイルス 反日韓国 香港デモ…、三陽商会「5カ月で社長交代」の厳しすぎる現実 新型コロナに加え ファンドと委任状争奪戦)である。

先ずは、本年1月16日付け東洋経済オンラインが掲載した編集者の軍地 彩弓氏による「日本の「アパレル危機」の想像以上に大変な実態 モールすら埋まらない現状に活路はあるか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/324022
・『「渋谷ダンジョン(迷宮)」とも呼ばれる渋谷駅。駅周辺の再開発で道は複雑に入り乱れ、東京に慣れているつもりでもまるで初めての場所に来たような感覚に襲われる。まるで映画の『ブレードランナー』のように。先日改修工事が終わったばかりの銀座線も、動線が悪いといった不満が聞かれる。 ▽アパレル業界界隈の”異変”(オリンピックを控え、東京ではビル開発が急ピッチで進む。Googleの日本本社が入る渋谷ストリーム(東急不動産)、昨年11月に開店した渋谷スクランブルスクエア(東急など)、渋谷パルコ(J.フロント)のリニューアルオープン、12月には東急プラザ渋谷(東急不動産)、2020年春には宮下公園跡に三井不動産が開発する商業施設のオープンまで。デベロッパーが仕掛けるオープンラッシュが続く。 好景気の象徴のような建築ラッシュの横で、アパレル業界界隈では昨年、いくつかの衝撃的な話題があった。フォーエバー21の破産、本国バーニーズNYの破綻、そしてオンワードホールディングスが発表した2020年2月期の業績見通しの大幅な下方修正だ。 修正後は営業利益が12億円(修正前は55億円)、純損益が240億円の赤字(同55億円の黒字)。事業整理損など約250億円の特別損失となる見通しだ。不採算ブランドの国内600店舗を閉鎖するという報道もあったが、12月には資本金を中小企業レベルの1億円に下げるというニュースまで飛び出し、業界関係者を騒然とさせた。 厳しいのはオンワードだけではない。同業の三陽商会も今年度の上期は黒字予想だったのが、営業損失は8.6億円、最終損失6億円という結果となった。 アパレル大手が、事業モデルの転換期にあることは確かだ。ユニクロが過去最高益を出す一方、百貨店依存だったアパレル大手の業績は軒並み厳しい。 百貨店も不採算店のクローズを続々と決めている。とくに地方都市では駅前の一等地の退店が相次いでいる。徳島そごう、伊勢丹相模原店、かつては地域の最高級の百貨店であり、地域の上顧客をしっかり押さえた外商が機能していた店だ。 駐車場を完備した郊外型大型店に押され、苦渋の決断として、地方百貨店が潰れていく。 地方百貨店の閉鎖と同様、地方のアウトレットや大型モールでも一部ではすでに空床化が問題になっている。上記のようにメーカーがブランドの閉鎖や店舗の削減をする中、かつて何百ものショップが詰まっていた売り場が埋まらなくなってきた。 ここ最近、好調と言われるコスメブランドで埋めたり、フードエリアを拡大したりと、店舗構成を変えてきてはいるものの、テナント撤退によってできた穴を埋めるのは難しい。とくにスペースが大きかったフォーエバー21、アメリカンイーグルなどの大型SPAブランドの撤退など、ファッションテナントの減少は進み、どこも苦戦している』、この記事の段階では、パンデミックの影響は殆ど出ていなかったが、それでも「危機」にあったので、その後の影響本格化で、インバウンド需要消滅、百貨店休業などの影響を受けて、悲惨な状態にある筈だ。それでも影響本格化前の状況をみておく意味もあるので、紹介した次第だ。
・『多様化する購買チャネル  ここ10年程、消費者にとっては当たり前の購買チャネルの多様化に、業界側はかならずしもついていけていない。 百貨店、ショッピングセンター、アウトレット、駅ビル、ECでもアマゾン、ZOZOTOWN、楽天などのECモール、自社EC、また最近ではインフルエンサーがインスタから直接ECに誘導するなど“買い方”は多種多様になっている。加えて、メルカリなどフリマアプリまで出てくると、欲しいものをどこで見つけるかはさまざまだ。わざわざ行く百貨店より、スマホで比較購入もできてしまうECショッピングの手軽さがより進化している。 大型のショッピングセンターの煩わしさ。車を駐車して、広い店内で疲れ、欲しいものが見つからないストレスより、ECで欲しいものが手軽に家に届くのであれば、リアル店舗の消費者離れが起きることも避けられない。 ここ数年、ショッピングセンターの出店は鈍化している。同様に、退店テナントも増えている。ファッション系だけでなく、インテリア、スポーツ、ホビー、飲食なども苦戦が続いている。 既存のショッピングモールなどは依然、高い出店料がかかる。ファッション系であれば内装費用も店内平均坪当たり120万円くらいからかかる。10坪くらいでも1000万円は優に超えるのが現状だ。大手企業でなければ出店のハードルは高い。空床化していても、若いブランドが入りにくい背景がここにある。 しかし、「いい話がない」と一概に言い切るのは危険だ。人気スタイリストである藤原ヒロシ氏がキュレーションする「ザ・コンビニ」のナイトマーケットは、ミレニアル世代の若者で大盛況だし、相変わらず原宿のゴローズには行列ができている。「売れない」のでななくて、消費者が「必要のないものを買わない」に近いのではないだろうか。 20代たちと話していると、「買う」こと自体を避けているのではないということを感じる。むしろ、無駄なものを買うことへの罪悪感が大きい。 ある女子大生(22歳)は、「ファストファッションはすぐゴミになってしまうからできるだけ買わない」と言う。自分の好きなデザイナーズブランドをシーズンにお小遣いをはたいて、数点だけ買って、大切に着る。 一方で「ユニクロは質がよく、コスパがいいから買う」という。大好きなブランドやアイテムがあれば、公式サイトやセレクトショップのECを見たり、メルカリもチェックしながら探し当てて買うなど、コスパ意識が発達している。 そんなミレニアル世代が立ち上げた環境保護運動組織「Extinction Rebellion」の呼びかけで、52週間(1年間)新しい服を買わないファッションボイコットキャンペーン「#boycottfashion」が始まっている。 世界中で50万人を超える若者たちが気候変動のために行動を起こす現在。リサイクルやアップサイクルされた衣類のみを手に取るよう呼びかけるこの運動が、Z世代を中心に支持を集め始めている。 インフルエンサーのぷるこ(@purukousagi)さんは自分でブランドをプロデュースしていたが、「余剰の服が廃棄されることがわかって、一旦新作を作ることをやめる」と宣言した。 昨年は環境サミットにおける当時、16歳のグレタ・トゥーンベリさんのメッセージが大きな話題になった。自分たちの未来の地球がどういう環境になるのか?ミレニアル&Z世代が強い意志でサスティナビリティーへの関心を強く持っていることは確かだ。 これから淘汰されていくのは「過剰」なものだ。オーバーストア、オーバーサプライ、オーバープロダクション。これらが生み出す「無駄」は、環境破壊につながる。それを敏感に感じているのが若者世代である』、「#boycottfashion」は初めて知った。「ミレニアル&Z世代が強い意志でサスティナビリティーへの関心を強く持っていることは確かだ」、頼もしいことだ。
・『新たなリテールのムーブメント  昨年11月にリニューアルオープンした渋谷パルコのオープニングは活況だった。新旧の日本ブランドが並び、初出店ブランドや初業態が並び、ラグジュアリーブランド、地方名産品、アートやポケモンセンターまで、本来の渋谷のエネルギーを閉じ込めたフロア構成。往年の渋谷を知る人にとっては音楽の殿堂であったWAVEが新たに復活したことも話題となった。 一方で昨年9月に表参道のワールド本社ビルの1階で開催された「246st MARKET」では、基本店舗を持たないD2C(Direct to Consumer)ブランドが15社集まり、10日間にわたり、POP-UP型百貨店”を開催した。ここでは普段ECを中心に集客しているブランドたちが、期間限定の店舗を開くことで新顧客を獲得したり、既存ユーザーとのコミュニケーションをするなど、リアルではできない体験、情報収集をした。 そのブランドたちの取材をすると、「表参道ならではの新しい顧客を獲得できた」「実際に商品を手にすることで、顧客とより深いコミュニケーションができた」「買わなかったお客様から、“こういうものを作ってほしい”などの意見が聞ける」など大方ポジティブな意見が多かった。 リアル店舗の役割は、単なる売り場から変化してきている。 売り手側 ・新規顧客獲得 ・ユーザーとのコミュニティ ・情報収集基地  買い手側 ・ECでは体験できない出会い ・手に取れて、試着ができること ・作り手の思いに触れること  前出の「246st MARKET」開催中に印象的な場面があった。「Beyond the reef」というカゴとニットを合わせたバッグブランドがある。そこが開催した編み物ワークショップ。教えるのはブランドを立ち上げた女性の70代の義理の母。編み物の先生として、ユーザーをネットで集い、小学生から年配の方まで、8名ほどのグループで編み物講習をする。2時間ほどで小さなバッグが完成。その間、笑い声が絶えず、買うだけじゃない、作る楽しみもシェアしていた。 先日、実家近くの水戸で聞いたことだが、大洗にあるアウトレットでも、空床問題は深刻なのだそうだ。都会と同じ利便性を求めて地方に誘致されたショッピングモール。地元の個人商店があおりを食って、続々と廃業した。しかし、オーバーストアのあおりを受けここ数年、ここでも空床問題は深刻だ。 だが、そのあいた空間に今、地域の手作りサークルが小さなお店を出し始めているのだという。地域の有志で破格の値段で場所を借り、そこに自分たちで作ったアイテムを置いたり、ワークショップを開いて、地域の女性たちで集まったりと、あらたな“地域活性”の拠点となり始めているのだという。 こういった“体験”型ショップも小売りの原点回帰現象の1つだ。 どこでも買える何か、ではなく、ここでしか出会えない何か。 均質化したショッピングモール、モノ余り、供給過多、オーバーストアという今のリテールの次の形とは何か?次回はアメリカで起きている、リテールの大変革について、現地レポートを含めてお伝えしたい』、「新たなリテールのムーブメント」のうち定着するのは、どんなものなのだろう。

次に、2月5日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの砂川 洋介氏による「ユニクロに大逆風…! ここへきて「最大の危機」に直面しているワケ コロナウイルス、反日韓国、香港デモ…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70201
・『ユニクロに「最大の危機」  いまや日本のみならず世界でも大人気となっているユニクロ。 ユニクロを展開するファーストリテイリング社はすでにH&MやGAPなどの世界トップブランドを時価総額で抜き去り、ZARAなどを展開する世界一のアパレル企業インディテックスが視界に入ってくるまでになった。 しかし、そんな同社にとっていま「最大の危機」となりかねない大逆風が吹き荒れていることをご存じだろうか。 いまユニクロにとって大打撃となっているのが、中国・武漢から急拡大して世界を震撼させている新型コロナウイルス騒動である。 「ユニクロは武漢で展開している17店舗が休業に追い込まれたのみならず、1月末には中国全土で約160店も休業することになった。ユニクロは中国全土で750店(昨年12月末時点)を展開していることを考えると、約2割強の店が開業できないことになる。コロナウイルス騒動がいつ収束するか見通せない中にあって、収益への打撃が計り知れなくなっている」(アナリスト) 実際、いまやユニクロにとって中国は「稼ぎ頭の中心」。ファーストリテイリングの2019年8月期決算を見ると、最大の売上収益を叩き出しているのが海外ユニクロ事業で、その過半を稼いでいるのが中国を含むグレーターチャイナ地域の5000億円超なのである。 「いまやユニクロは『中国大陸でナンバーワンのアパレルブランド』とみずから豪語するほどで、利益ベースで年間30%成長するほど稼ぎまくっている。それがここへきて新型コロナウイルス騒動が直撃しており、単純計算で売り上げが2割減だとしても1000億円ほどの減収インパクトになり得る。同社がいくら巨大企業になったからといって、決して看過できるような金額ではない」(前出・アナリスト) しかも、コロナウイルス騒動の影響はそれだけにとどまらないのだからただ事ではない』、「最大の売上収益を叩き出しているのが海外ユニクロ事業で、その過半を稼いでいるのが中国を含むグレーターチャイナ地域」、これほどまでに中国依存が高まっていたとは驚いた。
・『コロナショック、人民元安、インバウンド減…  新型コロナウイルス騒動を受けて、金融市場で「人民元売り」が起きていることもユニクロへの悪影響になる。 「すでに為替市場では中国リスクを嫌気して、人民元売りや有事の円買いが起きている。1月末には人民元がさっそく年初来安値まで売られた形だが、これは中国で稼いでいるファーストリテイリングの決算にとってはマイナス要因になる」(ファンドマネジャー) じつはこうしたコロナウイルス・ショックは、ユニクロの日本国内販売にも影響を与えかねない。 「国内ユニクロ事業はファーストリテイリングにとって、海外ユニクロ事業と並ぶ『二本柱』のひとつだが、インバウンド需要に支えられている面が少なくありません。現実にユニクロの銀座店などに行くと、アジアを中心にした外国人観光客でごった返しているのが実情です。 しかし、新型コロナウイルス騒動を受けて、中国では海外への団体旅行が当面中止とされたばかり。ちょうど中国人の観光客が大量に訪日する春節のタイミングが重なったこともあり、インバウンド消費が激減したことは間違いない」(前出・ファンドマネジャー) もちろん、いまだコロナウイルスの感染は拡大するばかり、これからさらなる渡航禁止措置などに発展する可能性もある。 そうなれば、ユニクロにとってはダブルパンチで痛手となるというわけだ』、幸い中国本土では「新型コロナウイルス騒動」は収束しつつあるので、今後は急速に盛り返すだろう。
・『ニクロ韓国は「反日ショック」で赤字転落…!  そもそもユニクロをめぐっては、昨年来より激化している日韓対立が業績を直撃している真っ最中である。 「昨年7月からの不買運動の影響をモロに受けています。ファーストリテイリングが発表した直近決算では、韓国事業が大幅な減収に見舞われた結果、営業利益が計画を下回り赤字に転落したと明かされています。いまだ反日ショックの影響は続いており、通期でも2ケタの大きな水準での赤字になる見通しとされています」(前出・アナリスト) 直近決算でファースユトリテイリングの海外ユニクロ事業は減収減益に追い込まれたのだが、その主因はまさにその韓国事業。さらに、香港で続くデモの影響も出ている。 「香港事業は既存店売上高が減収に追い込まれ、営業赤字に転落した。直近決算で減収減益になった海外ユニクロ事業だが、ユニクロ幹部が『韓国・香港要因がなければ増収増益だった』と言うほどの影響を受けているかたちです」(前出・アナリスト)』、「韓国事業」は「日韓対立」持続で厳しい状況が続くだろう。「香港事業」もいい材料はなさそうだ。
・『ユニクロ株と日経平均株価  こうした事態を受けて、ファーストリテイリングの株価は冴えない。 昨年7月には7万円を突破していた株価が、ここへきて急落下。2月3日には5万6000円台をつけるなど、「6万円割れ」まで落ち込んでいる。 「大手証券がファーストリテイリングの目標株価を引き下げる動きもあり、どこまで落ちるのが見通せなくなってきた」(前出・ファーストリテイリング) ファーストリテイリングは中国をはじめとするアジアへの進出を積極的に推し進めて、大成功してきた。 それが同社をアパレル業界における有数のグローバル企業に押し上げた最大の要因であることは間違いないが、ここへきてグローバルリスクにモロにさらされているかたちである。 「ファーストリテイリングを率いる柳井正会長兼社長は同社株を約2200万株保有している。年始から5000円ほど同社株が下落していることを考えると、単純計算でこの間に柳井氏の保有株の価値は1000億円ほど下がっていることになる。 同社の株価は日経平均株価への寄与度が高いだけに、ファーストリテイリング株が下がれば日経平均そのものの大きく下落するリスクがある」 ユニクロショックから日本株ショックへ。 そんな最悪のシナリオも視野に入ってきた――』、「ファーストリテイリング」の株価は、一時40000円台まで下落したが、現在は52000円程度まで戻してきたようだ。

第三に、4月20日付け東洋経済オンライン「三陽商会「5カ月で社長交代」の厳しすぎる現実 新型コロナに加え、ファンドと委任状争奪戦」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/345227
・『「ポールスチュアート」や「マッキントッシュ ロンドン」を展開するアパレルの三陽商会は4月14日、社長交代人事を発表した。5月末にも開催する株主総会をもって中山雅之社長は副社長に降格。3月に入社したばかりの大江伸治副社長を社長に昇格させる。 同社では4期連続の最終赤字が濃厚となった2019年10月、岩田功・前社長が引責辞任を表明。取締役常務執行役員だった中山氏が2020年1月から後任社長に就いたばかりだった』、「5カ月で社長交代」、とは何が起こっているのだろう。
・『社長の早期交代は想定されていた  「今後は副社長として大江さんが指揮する再生プランの遂行を土台から支えていく。(大江氏との)ツートップ体制は変わらないが、非常時である今は、外部から来た大江さんが新しい“顔”となる方が金融機関や株主の理解を得られやすいと考えた」 4月14日に都内で開いた会見で、中山社長は社長交代の理由をこう話した。 新社長となる大江氏は、58歳の中山社長より一回り以上も上の72歳。三井物産に37年間在籍した後、アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」を展開するゴールドウインに2007年に移り、取締役や副社長を歴任した。大江氏がゴールドウインに在籍していた期間は、同社が業績の底から浮上し、現在の成長を実現した時期に当たる。 「アパレル業界での事業再生を成し遂げたプロフェッショナルとして外部から招聘した。アパレル業界における豊富な経験、幅広い知見・人脈は当社の再建を早期に実現するうえで大きな後押しとなる」と中山社長は大江氏に期待を寄せる。) 会見に同席した大江氏は、三陽商会の経営立て直しを引き受けた理由について、「これまでほぼ50年間、繊維がらみの仕事に従事してきた。多岐にわたる経験を生かして、キャリアの集大成となる仕事ができるのではないかと判断した」と説明。「ミッションを引き受けたからには不退転の覚悟で臨みたい」と厳しい表情で語った。 アパレル業界の中で今回の社長交代は想定内のことだった。2020年1月の中山社長就任は、対外的にけじめを示す目的で岩田前社長の退任を急いだ意味合いが強く、経営体制の大幅な見直しを決めるまでの「ワンポイントリリーフ」と多くは見ていた。 実際、紳士服の企画畑を歩んできた中山社長の手腕については、「厳しい経営状況の中で大胆な改革を実行できる力量もないだろう」(アパレル業界関係者)と疑問視されていた』、「大江伸治副社長」の「入社」が「3月」だったので、「1月の」「岩田前社長の退任」とはギャップができてしまったので、取り敢えず「中山社長就任」としたようだ。
・『コロナ影響で100億円の営業赤字も覚悟  三陽商会の業績はじり貧状態だ。2015年にライセンス契約が終了したイギリスのブランド「バーバリー」の穴を依然埋め切れていない。加えて、売上高の6割強を占める百貨店での集客減が直撃している。 4月14日に発表した2020年2月期決算(14カ月の変則決算)。売上高は688億円と2019年3月に公表した会社計画比で5%減にとどめたものの、営業損益は当初見込んでいた黒字を達成できず、28億円の赤字となった。2018年末に約250人の希望退職を実施し、人件費を大幅削減したにもかかわらず、4期連続の大赤字となった。 足元では新型コロナウイルス感染拡大の影響が重くのしかかる。外出自粛の傾向が強まった3月は、月次売上高が前年比44%減と大きく落ち込んだ。緊急事態宣言を受けて多くの百貨店が休業した4月はさらなる売り上げ減が予想される。 会社側は今2021年2月期の業績予想を未定としたが、大江氏は新型コロナの影響次第で営業赤字が約100億円に膨らむ可能性を示唆。そのうえで「事業構造改革を断行し、2022年2月期に確実に黒字化するための施策を徹底する」と強調した。 大江氏が掲げる再建プランの柱は主に2つ。1つは在庫抑制による粗利率の改善だ。 これまで商品の仕入れは各ブランドの現場裁量で決めていた。それを中央で一元管理し、今下期は仕入れ量を前年同期比で3割減らす方針。品番数もブランドごとに1~3割程度削減する。 「バーバリーがなくなった後も一定の売り上げ規模の維持に必要以上にこだわった結果、過剰仕入れ、過剰投入、セールの乱発、粗利率の悪化という悪循環に陥った。今後は額ではなく、(粗利)率に徹底してこだわる」(大江氏) もう1つの柱はコスト削減だ。約1050の売り場のうち、最大150売り場を今期中に撤退する。乱発ぎみだった新規事業も、大半が赤字に陥っていることから今期中に整理を進める。「収益化のメドが立たないと判断されれば躊躇なく事業撤退を考える」(大江氏)という』、「2021年2月期」は「新型コロナの影響次第で営業赤字が約100億円に膨らむ可能性を示唆」、この赤字幅はもっと大きくなってもやむを得ないだろう。
・『大株主は中山社長の取締役留任に猛反対  抜本的改革にようやく乗り出したようにみえるが、市場関係者やアパレル業界関係者の視線はなお厳しい。三陽商会の株式を6%保有するアメリカの投資ファンド「RMBキャピタル」は、5月の株主総会で中山社長の取締役退任と、同社が推薦するマッキンゼー出身の小森哲郎氏の社長選任などを求める方針だ。 RMBの細水政和ポートフォリオマネジャーは、「小森氏と大江氏の体制であれば真の再生が実行できるが、そこに中山氏は不要。中山氏が代表取締役副社長としてとどまると経営責任の所在があいまいになる」と主張する。 大江氏については、「生産管理・在庫管理など、これまで三陽商会がきっちりできていなかったオペレーションを厳しくコントロールできる実行力がある」と評価。「さまざまな業界で経営してきた経験を基に将来の成長戦略やビジョンを描ける」小森氏と組めば、赤字を止め、将来の成長戦略を社内外に示せると細水氏は考える。) 一方、4月14日に発表された再生プランは中山社長と練った策であるため評価が低い。細水氏は「目先の黒字化計画に過ぎず、強力なブランド育成やビジネスモデルの転換など長期的に黒字を維持するための成長戦略が示されていない」と切り捨てる。 RMBは2019年末にも第三者への会社売却を検討するよう提案するなど、経営体制の見直しを求めてきた。中山社長は「会社側の考えを丁寧に説明して理解を得ていきたい」と語るが、今後も双方の話し合いが平行線をたどれば、株主総会で委任状争奪戦へと発展する可能性がある』、「RMBキャピタル」の言い分ももっともらしく聞こえるが、最終的にはどうなるのだろうか。
・『「貴族のような気質」を変えられるのか  大江氏は三陽商会を変えられるのか。消費環境の変化にいまだ対応できていない同社を変えるのには骨が折れそうだ。 あるアパレルOEM会社の幹部は、「(「23区」などを展開する)オンワードホールディングスはEC強化などの目標を決めたら兵隊のごとく徹底的に実行する。対する三陽商会は、特に中堅以上の社員や経営幹部の間でまったりとした貴族のような気質が抜けない。打ち出す新規施策も後手の印象が強い」と語る。新たな戦略を打たずともバーバリーが売り上げを支えてくれた時代が長かったことで、三陽商会は変化への対応力が培われなかったようだ。 現預金や不動産など保有資産が潤沢なことも、かえって会社の経営に対する危機意識が高まらない要因となった。 2018年夏の決算会見で、当時の岩田社長は「現預金はかなり潤沢にあるので、売り上げを上げる投資を行っていく」と発言。翌2019年に、手薄な20~30代向けの新ブランド「キャスト」を立ち上げて約30店舗を一気に出店。銀座の自社ビルも巨費を投じてリニューアルした。 が、キャストも銀座の自社ビルでの販売も、想定した売り上げを確保できなかった。大手アパレルの幹部は、「このアパレル不況の時代に新ブランドを30店も一気に出す勇気は到底ない。資産があるからできるのでは」と苦笑する。 会社の気質を一朝一夕に変えるのは難しい。今回の人事では社外取締役を2人から6人へ大幅増員し、ガバナンス機能の強化をうたうが、大江氏と同じ三井物産や百貨店の出身者を含むメンバー構成に、複数の業界関係者は「お友達人事ではないか」と首をかしげる。 現預金と保有有価証券は約5年前比でおおよそ半減し、2020年2月末時点で219億円。新型コロナの影響が長引けば、一層のリストラや事業整理を迫られる可能性もある。遅すぎた改革の下、会社とブランドを存続させていけるのか。大江新体制は、重責を背負ってスタートする』、社内に「貴族のような気質」があるのであれば、「大江氏」がいくら頑張っても変革は難しそうだ。一層のこと、中核となる人材を外部から導入するのも一案なのではなかろうか。活躍を期待したい。
タグ:新たな戦略を打たずともバーバリーが売り上げを支えてくれた時代が長かったことで、三陽商会は変化への対応力が培われなかったようだ。 「貴族のような気質」を変えられるのか 中山社長の取締役退任と、同社が推薦するマッキンゼー出身の小森哲郎氏の社長選任などを求める方針 「RMBキャピタル」 大株主は中山社長の取締役留任に猛反対 売上高の6割強を占める百貨店での集客減が直撃 「バーバリー」の穴を依然埋め切れていない コロナ影響で100億円の営業赤字も覚悟 社長の早期交代は想定されていた 「三陽商会「5カ月で社長交代」の厳しすぎる現実 新型コロナに加え、ファンドと委任状争奪戦」 ユニクロ株と日経平均株価 ニクロ韓国は「反日ショック」で赤字転落…! コロナショック、人民元安、インバウンド減… 最大の売上収益を叩き出しているのが海外ユニクロ事業で、その過半を稼いでいるのが中国を含むグレーターチャイナ地域の5000億円超 ユニクロは中国全土で750店(昨年12月末時点)を展開 ユニクロに「最大の危機」 「ユニクロに大逆風…! ここへきて「最大の危機」に直面しているワケ コロナウイルス、反日韓国、香港デモ…」 砂川 洋介 現代ビジネス 新たなリテールのムーブメント ミレニアル&Z世代が強い意志でサスティナビリティーへの関心を強く持っていることは確かだ 52週間(1年間)新しい服を買わないファッションボイコットキャンペーン「#boycottfashion」 多様化する購買チャネル 地方百貨店の閉鎖と同様、地方のアウトレットや大型モールでも一部ではすでに空床化が問題に 百貨店依存だったアパレル大手の業績は軒並み厳しい アパレル大手が、事業モデルの転換期にある 「日本の「アパレル危機」の想像以上に大変な実態 モールすら埋まらない現状に活路はあるか」 軍地 彩弓 東洋経済オンライン (その2)(日本の「アパレル危機」の想像以上に大変な実態 モールすら埋まらない現状に活路はあるか、ユニクロに大逆風…! ここへきて「最大の危機」に直面しているワケ コロナウイルス 反日韓国 香港デモ…、三陽商会「5カ月で社長交代」の厳しすぎる現実 新型コロナに加え ファンドと委任状争奪戦) アパレル
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