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中東情勢(その14)(その他)(米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」、コロナで深まるレバノン経済危機 宗派の泥仕合再燃、コロナで出稼ぎ労働者排斥 アラブ湾岸経済の未来に影) [世界情勢]

中東情勢については、2018年8月25日に取上げた。今日は、(その14)(その他)(米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」、コロナで深まるレバノン経済危機 宗派の泥仕合再燃、コロナで出稼ぎ労働者排斥 アラブ湾岸経済の未来に影)である。

先ずは、昨年10月24日付けNewsweek日本版が掲載した在米作家の冷泉彰彦氏による「米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/reizei/2019/10/post-1123_1.php
・『<シリアのクルド人支配地域からの米軍撤退を「アメリカの勝利」と宣言したトランプの言葉は、ただの負け惜しみではない> トランプ大統領による「米軍のシリアからの撤退」宣言は、米軍が同盟を組んでいたクルド人勢力を見捨てることを意味しました。トランプの宣言を受けると、シリアとトルコの国境地帯からクルド人勢力の駆逐を狙うトルコのエルドアン大統領は、ただちに越境軍事作戦を仕掛けました。 あわてて、アメリカはペンス副大統領と、ポンペオ国務長官をトルコに急派し、エルドアン大統領には自制を求めました。エルドアン大統領は、一応話を聞いたのですが、トランプ大統領の書簡については非礼なので廃棄したとするなど、依然強硬でした。 そこで、トランプ大統領は、常套手段である「経済制裁」を使ってトルコに圧力をかけました。一方で、大量虐殺が懸念されたクルド人勢力は、シリアのアサド政権に庇護を求めるとともに、イラク領内への移動を開始しました。 結果的に、10月22日にはロシアのソチにおいて、プーチン大統領とエルドアン大統領が会談して、とりあえずトルコによるシリア領内への越境攻撃については停戦ということになりました。これを受けて現地時間の23日には、ホワイトハウスでトランプ大統領が会見を行い、改めて撤兵方針を確認しつつ「アメリカは勝利した」と述べています。 2011年のシリア内戦勃発以来、アメリカはこの地に精鋭を送って地域の安定に尽力してきました。当初は、シリア民主軍と呼ばれる反政府勢力を支援して、アラブの春の延長としての「アサド政権崩壊」を狙う構えでしたが、シリア民主軍の同盟軍にアルカイダ系がいるという疑いから、全面支援は行いませんでした。 この辺りから、良くも悪くもアメリカの構えは中途半端となりましたが、やがてIS(イスラム国)が台頭してシリア領内での一部地域を支配し始めると、アメリカの目標はIS掃討へと変化しました。最終的にISの無力化に成功したわけですが、そこに至る道のりではクルド人勢力との全面的な共闘が成功を後押しした格好でした。 ちなみに、クルド人勢力については、そもそもイラク領内でサダム・フセインが毒ガス攻撃を含む迫害を行なったことが、イラク戦争によるフセイン討伐の「大義」とされたこともあって、アメリカは友軍とみなしていました。その結果、イラク戦争によって成立した、新生イラクでは、クルド人勢力はより大きな地位を占めることになりました』、「トランプ大統領による「米軍のシリアからの撤退」宣言は、米軍が同盟を組んでいたクルド人勢力を見捨てることを意味」、ISを駆逐したら功労がある「クルド人勢力」を実質的に裏切った形だ。「プーチン大統領とエルドアン大統領が会談して、とりあえずトルコによるシリア領内への越境攻撃については停戦」、ロシアはアメリカに代わって発言権を確保したようだ。
・『大統領選の選挙公約を実現  今回の決定は、そのクルド人勢力をアメリカが見捨てた形になります。また、シリアだけでなく中東全体におけるアメリカの影響力は一気に低下した形です。クルド人勢力を見捨てたことで、アメリカへの信頼感が消滅したという批判もあります。 それにも関わらず、トランプ大統領は「これはアメリカの勝利」だとしているのです。この言葉は、単なる強がりではありません。トランプ大統領は本当に「これで良かった」と思っているようです。というのは、この「シリア撤兵、クルド見殺し」という行動はトランプ流の「アメリカ・ファースト」という考え方そのものが具体化しているからです。 1つは、アメリカは他国や他の勢力のために犠牲を払いたくないという考え方です。つまり、クルドという「アメリカ以外」のためにカネや兵力という犠牲が発生していたのをストップするのは、アメリカの勝利になるのです。 2つ目は、アメリカがアメリカのことしか眼中にないのであれば、世界平和をどう実現するのかというと、それは大国の首脳との「ディール」で簡単にできるという「俺様ファースト」の考え方です。特にシリアにおける混沌とした状況については、「プーチンに任せる」というのが選挙公約でしたから、今回はそれがまさに実現した形です。 3つ目は、他国への介入をやめるという「非介入主義」、とりわけ「政権転覆(レジーム・チェンジ)」を狙った作戦をやめるという考え方です。究極の孤立主義から来る考え方ですが、アメリカは「シリアにおける政権交代を求めない」ということで、この「非介入主義」を具体化したのです。 ということで、2016年の選挙で公約した内容は、IS掃討も含めて「全部実現した」のだから、これは「アメリカの勝利」だというのがトランプ大統領の考え方であり、勝利宣言というのは負け惜しみでも何でもないのです。 では、こうした「アメリカ・ファースト」によって世界の各地は平和になるのかというと、決してそうではありません。強大なアメリカが、自由と民主主義の理念を掲げつつ、地域紛争の抑止に尽力してきたその努力をストップするのですから、平和にはならないのです。 その場合は、アメリカとして紛争当事国には兵器を売りつけようという魂胆も見え隠れします。「アメリカ・ファースト」だから自分たちは関与しない、けれども紛争があるのなら「アメリカ・ファースト」の考え方から武器の販売は大いにやりたい、つまり自分たちが火の粉をかぶらなければ、各地域が平和である必要もないし、戦争状態ならかえって軍事産業の需要が喚起される、これが「アメリカ・ファースト」の考え方の全体像なのです』、「トランプ大統領は「これはアメリカの勝利」だとしている・・・単なる強がりではありません。トランプ大統領は本当に「これで良かった」と思っているようです。というのは、この「シリア撤兵、クルド見殺し」という行動はトランプ流の「アメリカ・ファースト」という考え方そのものが具体化しているからです」、私は「単なる強がり」と思っていたので、目を醒まされた。「自分たちが火の粉をかぶらなければ、各地域が平和である必要もないし、戦争状態ならかえって軍事産業の需要が喚起される、これが「アメリカ・ファースト」の考え方の全体像」、死の商人としてはしっかり儲けさせてもらう、なんたる汚いやり方だ。こんなことでは、尊敬される国にはなれないだろうし、「クルド見殺し」を見せつけられた以上、米国と同盟して戦おうとの国や勢力はなくなってしまうだろう。

次に、本年5月2日付けロイター「アングル:コロナで深まるレバノン経済危機、宗派の泥仕合再燃」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/lebanon-crisis-idJPKBN22C18R
・『中東のレバノンを財政危機に追い込んだ同国の政治家らが、責任の所在を巡って言い争い、歴史的に続く宗派勢力間の反目をさらにかき立てる結果になっている。これは経済危機の先行きがさらに困難になることを意味するのかもしれない。 レバノンは1970-90年の内戦以来とも言える最大の危機にひんしている。通貨レバノン・ポンドは急落し、インフレのスパイラルが起き、抗議デモも再開。新型コロナウイルス感染対策防止のための外出規制で、経済危機がさらに悪化したことに怒った市民が街中で暴徒化した。 今週は南部サイダと北部トリポリで騒乱が発生。複数の銀行が放火され、デモ参加者1人が死亡した。これは、貧困と失業が増大する中でこれから何が起こるかを予兆する出来事と受け止められている。消費者物価は昨年10月以来、50%も上昇している。 政府は今週30日にも、経済救済計画を完成させようとしている。これが国際通貨基金(IMF)の関与につながることを望む向きは多い。IMFによる支援は、厳しい条件が付けられるにもかかわらず、同国が実質的な財政支援を頼れる唯一の資金源と多くから見なされているからだ。 計画は巨額の財政赤字の解決策を描くことになる。この中には、銀行部門で見込まれる830億ドル(約8兆9000億円)の資金不足問題が含まれる。レバノン経済は急速に縮小しているだけに、この額は早晩、同国経済の2倍の規模に匹敵することになる。これをどう分担するかが今後の最大の問題のひとつだ。 政府が後押しを得ている政治勢力は親イランのイスラム教シーア派組織ヒズボラ(神の党)と、ヒズボラの盟友であるキリスト教マロン派アウン大統領。一方でレバノンの宗派政治で重要とされる人物らは、これと対立関係にある。イスラム教スンニ派のハリリ前首相、ドルーズ派のジュンブラット氏、マロン派でアウン大統領のライバルであるジャージャー氏だ。 かつて同国の指導者らは反ヒズボラ、反シリアで連携していたが、ハリリ、ジュンブラット、ジャージャーの3氏は、ディアブ首相に対し日増しに批判を強めている。ディアブ氏は政治的な知名度の低い学者だったが、ヒズボラなどの支持を受けて就任した。 以前の政治的亀裂が再燃したのはサラメ中銀総裁を巡る対立がきっかけだった。1993年から同国の銀行システムを守り、外為市場への固定相場制導入の功労者だ。しかし固定相場制は、反汚職・反政府の大規模デモが始まった昨年10月ごろから事実上、崩壊している。 首相は総裁に対し、通貨危機と中銀の透明性欠如の責任を追及。ヒズボラも幹部が、通貨急落は総裁のせいでもあると批判している』、「消費者物価は昨年10月以来、50%も上昇」、「銀行部門で見込まれる830億ドルの資金不足問題」、などレバノン経済は既に破綻状態だ。同国に逃亡したゴーン被告にとっても、覚悟の上とはいえ、心配の種は尽きないだろう。
・『<反目の構図>  武装組織であり、米政府からテロ組織と名指しされるヒズボラは、中銀総裁に対し腹に一物ある。米政府はヒズボラやその支持者らの送金網を遮断したが、こうした制裁を米国に申し出た人物だからだ。 総裁は、政府の一連の改革失敗に非があると反論し、中銀の独立性を守る姿勢を明確にしている。 ハリリ前首相は、以前から中東湾岸諸国や西側諸国と融和的で、総裁を擁護。ディアブ首相に対し、同国の自由市場経済の破壊を試み、政府の汚職に目をつぶっていると非難を向ける。 ジュンブラット氏からすると、首相はヒズボラや大統領の言いなりで影が薄い人物。総裁もミスをしたものの、国営電力会社への予算で500億-600億ドルを浪費した責任は総裁にはないとの立場だ。ジュンブラット氏によれば、国営電力会社の問題は、大統領が興した政党が何年も牛耳ってきたエネルギー省の責任だ。 同国の政治指導者は皆、財政危機をもたらした汚職への関与が批判されているが、だれもが責任逃れに躍起になっている。 カーネギー中東センター(ベイルート)の特別研究員、モハナド・ハゲ・アリ氏は「こうした足の引っ張り合いは経済的苦境を一層悪化させるだけだ。もし同国の通貨相場の緊張が極限まで高まれば、国としての機能がどう維持されるのか分からない」と語る。レバノン・ポンド相場は昨年10月以降、価値が半減している。 今月リークされた政府の改革草案は問題の大きさを物語る。例えば銀行部門で830億ドル、中銀で400億ドルの資金不足問題だ。改革草案はハリリ氏やジュンブラット氏などから攻撃された。草案がとりわけ、銀行の大口預金者に「格段の貢献」を求めていたからだ。銀行界の団体も、政府は銀行に手を突っ込むなと主張し、預金が政府に貸し付けられれば無駄遣いされるだけだと批判した』、「同国の政治指導者は皆、財政危機をもたらした汚職への関与が批判されているが、だれもが責任逃れに躍起になっている」、こんな状態では、IMFとの交渉も難航するだろう。
・『<新型コロナでさらに複雑に>  イッサム・フェアーズ公共政策・国際問題研究所(ベイルート)の上級特別研究員、カリリ・ゲバラ氏は「不足金を公平に分担するのでなければ、国際的な支持を得られるような解決策がまとまる可能性は低い」と指摘。宗派勢力の対立が激しい国で、解決方法を見いだすのは極めて困難だと述べた。 過去にレバノンを援助してきた外国政府は、同国が今回の支援を得る前に改革プランを策定することが必要だと主張する。 米国のデービッド・シェンカー国務次官補(中東問題担当)はサウジアラビア資本のテレビ放送アルアラビーヤで29日、「レバノンが国際金融機関の支援を受けるには、改革を100%確約する困難な選択と決意を示す用意があると証明しなければならない」と述べた。 レバノン中銀の元幹部によると、同国には向こう3-5年で250億-300億ドルのIMF支援が必要。レバノンは自分たちにIMFが必要なことを認め、できるだけ早期に交渉を始めることが必要だという。 4月29日、中東のレバノンを財政危機に追い込んだ同国の政治家らが、責任の所在を巡って言い争い、歴史的に続く宗派勢力間の反目をさらにかき立てる結果になっている。写真はレバノンのサイダで、抗議活動で破壊された銀行の窓(2020年 ロイター/Ali Hashisho) ゴールドマン・サックスのシニアエコノミスト、ファルーク・ソーサ氏は改革計画について、「技術的には非常によくできていて徹底した内容だが、政治的に無防備だ」と分析。何を容認できるかを巡って官僚と政治家らにはかなり開きがあるとし、「普段の政治環境下でさえ極めて困難なのに、新型コロナ危機下とあっては、レバノンの経済情勢の複雑さは増すばかりだ」と嘆いた。(この記事の原文は4月29日に配信されました。レバノン政府は30日までに経済改革プログラムを取りまとめました)』、「向こう3-5年で250億-300億ドルのIMF支援が必要」、なようだが、取りまとめた「経済改革プログラム」がIMFと擦り合わせをしたものなのか、或いは今後交渉するのかは不明だが、いずれにしてもかなり難航するだろうことは確かなようだ。

第三に、5月13日付けNewsweek日本版がロイター記事を転載した「アングル:コロナで出稼ぎ労働者排斥、アラブ湾岸経済の未来に影」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2020/05/275592.php
・『サウジアラビアで人気のテレビ司会者ハレド・アル・オケイリー氏は、「国内労働者よりも外国人労働者を一時解雇することは民間企業の国家的な義務である」と発言し、国内労働人口の多くを出稼ぎ労働者が占めていることに「現実的な危険」があると警告した。 毎日出演するトークショーでオケイリー氏が発したコメントは、中東の湾岸諸国経済の屋台骨となっている外国人労働者3500万人が直面するジレンマをずばり言い当てている。新型コロナウイルスの感染拡大と原油価格暴落を背景に企業が人員を削減し、各国政府が自国民の雇用・賃金を守ろうと動くなかで、彼らは湾岸諸国にとどまるべきなのか、帰国すべきなのか。 国際労働期間(ILO)は具体的な数字は示さないながらも、2008─09年の金融危機や、湾岸諸国の主力輸出品である原油の価格が急落した2014─15年にときよりも、外国人労働者の出国が多くなるものと予想している。 たとえばオマーン。金融危機を受けた2010年に外国人労働者は34万人以上減少した。世界銀行のデータによれば、この年オマーンの経済成長率は1.3ポイント低下している。 今回、湾岸諸国は外国人労働者を帰国させる手段を用意しようと試みているものの、多くはセーフティネットもないまま足止めを食らっている。 この地域にある各国の大使館などのデータによれば、アジア系を中心に、数十万人の移民労働者がすでに帰国に向けた申請を済ませている。湾岸諸国では、過密状態の地域で生活する低所得の外国人労働者のあいだで新型コロナウイルスの感染が広がっている』、「湾岸諸国は外国人労働者を帰国させる手段を用意しようと試みているものの、多くはセーフティネットもないまま足止めを食らっている」、「過密状態の地域で生活する低所得の外国人労働者のあいだで新型コロナウイルスの感染が広がっている」、シンガポールですら、自国民の感染抑制には成功したが、外国人労働者の感染急拡大に苦しんでいるようだ。
・『<「とどまる意味がない」>  パキスタンとインドは、すでに湾岸諸国から自国民を退避させる動きを始めた。エジプトはクウェートから航空機で自国民を帰還させようとしている。クウェートでは不法在留者収容施設でエジプト出身者による暴動が発生、治安部隊が鎮圧した。 ILOの上級専門家リスザード・チョルウィンスキー氏は、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、カタールから出国する外国人労働者が「非常に多くなる可能性がある」と話す。 UAEで帰国申請を済ませたパキスタン人は6万人。その1人であるファーマンさんは2カ月前、スクールバスの運転手という職を失った。新型コロナの封じ込め措置として、複数の教育センターが閉鎖されたためだ。 ドバイのアル・クオズ工業地区にある共同住宅の前、街灯にぼんやりと照らされた通りに立つファーマンさんは、「自分の国に帰りたい。仕事もないのにこの国にとどまる意味はないから」と話す。 新型コロナによって窮地に追い込まれている労働者は、ブルーカラーだけではない。専門的な資格を持つ労働者も影響を免れない。 「インターネットでたくさんの職に応募したが、どれも期限が過ぎてしまった」と語るのは、エジプト系米国人の建築士ナダ・カリムさん。ドバイで新たな仕事に就くはずだったが、その企業が採用を凍結してしまった。 「収入がなくても2─3カ月はここで粘れるが、それ以降は母国に戻らないとやっていけない」 レバノン系カナダ人のセイマーさんは、サウジアラビアの広告代理店で働いていたが、賃金の支払いがないまま6カ月も仕事から離れており、状況が改善しなければカナダに戻ることを考えている。 「いきなり今後の見通しがきかなくなるというのは、非常に戸惑うし、気が重い」と、セイマーさんは言う。 国際通貨基金(IMF)によれば、中東諸国は今年、2008年の金融危機、そして原油価格が急落した2014─15年をしのぐ深刻な景気後退に見舞われようとしている。。 ノムラ・アセットマネジメント・ミドルイーストのタレク・ファドララー氏は、「外国人労働者が減れば、ピザから別荘に至るまで、あらゆるものの需要が低下する」と話す。「怖いのは、それによって第2波の雇用減少を伴う連鎖的なデフレ効果が生じることだ」 ドバイのライドシェア大手カリームや、複数の航空会社がレイオフに踏み切った。 商業と観光の中心地であるドバイは今年、国際博覧会(ドバイ万博)による経済効果を期待していた。だが、万博は来年10月に延期された。 ロイターが閲覧した内部文書によると、ドバイ万博公社は179人の職員を解雇した。同公社はコメントを拒否している。 「外国人労働者は単なる歯車ではない。地域経済の存続に必要な各国の資本を回転させる上で欠かせない」と、米ワシントンにあるアラブ湾岸諸国研究所のロバート・モギルニッキ常任研究員は言う』、「外国人労働者は単なる歯車ではない。地域経済の存続に必要な各国の資本を回転させる上で欠かせない」、ので、「外国人労働者が減れば、ピザから別荘に至るまで、あらゆるものの需要が低下する」のは確かだろう。
・『<経済改革にも悪影響>  外国人労働者が流出すれば各国政府の歳入が減少し、改革への取り組みが減速する可能性がある、とアナリストらは指摘する。 クウェート現地紙は、複数の国会議員が「国内労働者の賃金を引き下げることを民間企業に認める法案は何であれ阻止する」と警告したと報じた。 湾岸諸国が雇用を「内製化」する可能性は高い。オマーンは4月、国営企業に対し、外国人労働者を国内労働者に置き換えるよう命じた。だがアナリストらは、これによって経済成長を活性化させることはさらに難しくなるかもしれないと話す。 サウジアラビアが娯楽産業や宗教色を伴わない観光産業を構築しようと試みるなど、湾岸諸国におけるいくつかの経済多角化構想は、「国内に居住する外国人労働者や外国からの訪問客を軸とする経済活動に大きく依存している」と、アラブ湾岸諸国研究所のモギルニッキ氏は言う。 司会者のオケイリー氏は、国営SBCテレビの番組のなかで、外国人労働者を雇用し続けるサウジアラビア企業について「恥知らずで、国家への忠誠に無頓着だ」と批判した。 「危機が生じるたびにサウジ国民である労働者が犠牲になる状況を止めなければならない」と、オケイリー氏は語った。「よりスキルの高いサウジ国民の場所を奪っている外国人労働者を排除しよう」』、もともと労働力が不足気味の「湾岸諸国」は、外国人労働者の移入で経済が成り立っていたが、経済が悪化すると、「外国人労働者を排除しよう」と排他的になるのも困ったものだ。ただ、日本もそこまで酷くはないが、多少似たところがあるのも事実だ。
タグ:消費者物価は昨年10月以来、50%も上昇 「米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」」 1つは、アメリカは他国や他の勢力のために犠牲を払いたくないという考え方 新型コロナでさらに複雑に 中東情勢 同国の政治指導者は皆、財政危機をもたらした汚職への関与が批判されているが、だれもが責任逃れに躍起になっている クルド人勢力との全面的な共闘が成功を後押し 外国人労働者は単なる歯車ではない。地域経済の存続に必要な各国の資本を回転させる上で欠かせない クルド人勢力は、シリアのアサド政権に庇護を求めるとともに、イラク領内への移動を開始 今回、湾岸諸国は外国人労働者を帰国させる手段を用意しようと試みているものの、多くはセーフティネットもないまま足止めを食らっている クルド人勢力を見捨てたことで、アメリカへの信頼感が消滅したという批判も (その14)(その他)(米軍シリア撤退で具体化したトランプの公約「アメリカ・ファースト」、コロナで深まるレバノン経済危機 宗派の泥仕合再燃、コロナで出稼ぎ労働者排斥 アラブ湾岸経済の未来に影) トルコのエルドアン大統領は、ただちに越境軍事作戦 各国とも、新型コロナによる経済活動の停滞と記録的な原油安という二重苦を受けているからためだ ロイター エルドアン大統領は、一応話を聞いたのですが、トランプ大統領の書簡については非礼なので廃棄したとするなど、依然強硬 トランプ大統領は「これはアメリカの勝利」だとしているのです。この言葉は、単なる強がりではありません。トランプ大統領は本当に「これで良かった」と思っているようです 「米軍のシリアからの撤退」宣言 アングル:コロナで深まるレバノン経済危機、宗派の泥仕合再燃 大統領選の選挙公約を実現 「アングル:コロナで出稼ぎ労働者排斥、アラブ湾岸経済の未来に影」 経済改革にも悪影響 2016年の選挙で公約した内容は、IS掃討も含めて「全部実現した」のだから、これは「アメリカの勝利」だというのがトランプ大統領の考え方 外国人労働者が減れば、ピザから別荘に至るまで、あらゆるものの需要が低下する 外国人労働者を排除しよう 米軍が同盟を組んでいたクルド人勢力を見捨てることを意味 2つ目は、アメリカがアメリカのことしか眼中にないのであれば、世界平和をどう実現するのかというと、それは大国の首脳との「ディール」で簡単にできるという「俺様ファースト」の考え方 サラメ中銀総裁を巡る対立 1993年から同国の銀行システムを守り、外為市場への固定相場制導入の功労者だ。しかし固定相場制は、反汚職・反政府の大規模デモが始まった昨年10月ごろから事実上、崩壊 3つ目は、他国への介入をやめるという「非介入主義」、とりわけ「政権転覆(レジーム・チェンジ)」を狙った作戦をやめるという考え方 IMFによる支援 IS掃討 プーチン大統領とエルドアン大統領が会談して、とりあえずトルコによるシリア領内への越境攻撃については停戦ということになりました 冷泉彰彦 Newsweek日本版 「とどまる意味がない」 「シリア撤兵、クルド見殺し」という行動はトランプ流の「アメリカ・ファースト」という考え方そのものが具体化しているから 銀行部門で見込まれる830億ドル(約8兆9000億円)の資金不足問題 過密状態の地域で生活する低所得の外国人労働者のあいだで新型コロナウイルスの感染が広がっている 自分たちが火の粉をかぶらなければ、各地域が平和である必要もないし、戦争状態ならかえって軍事産業の需要が喚起される、これが「アメリカ・ファースト」の考え方の全体像 「経済改革プログラム」 向こう3-5年で250億-300億ドルのIMF支援が必要 経済危機がさらに悪化したことに怒った市民が街中で暴徒化 通貨レバノン・ポンドは急落し、インフレのスパイラルが起き、抗議デモも再開 国内労働人口の多くを出稼ぎ労働者が占めていることに「現実的な危険」があると警告 シリアのクルド人支配地域からの米軍撤退を「アメリカの勝利」と宣言したトランプの言葉は、ただの負け惜しみではない 反目の構図
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