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小池都知事問題(その1)(「五輪やるべし」だった小池知事を「コロナ対応が早い」と評価する都民のナゾ、卒業が本当ならなぜ都知事は卒業証書提示を拒むのか 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(前編)、「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(後編)、小池百合子氏「卒業証明書」提示、偽造私文書行使罪の可能性) [国内政治]

これまで東京都の諸問題(その16)豊洲以外の問題として4月9日にも取上げたが、今日は、小池都知事問題(その1)(「五輪やるべし」だった小池知事を「コロナ対応が早い」と評価する都民のナゾ、卒業が本当ならなぜ都知事は卒業証書提示を拒むのか 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(前編)、「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(後編)、小池百合子氏「卒業証明書」提示、偽造私文書行使罪の可能性)として取上げる。

先ずは、5月6日付けPRESIDENT Online「永田町コンフィデンシャル:「五輪やるべし」だった小池知事を「コロナ対応が早い」と評価する都民のナゾ 都知事選の「7つのゼロ」の実績は…」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/35183
・『全国民の心をつかんだ「ステイホーム週間」という言葉  いまや小池百合子東京都知事が、テレビや新聞に登場しない日はない。新型コロナウイルスの対応で連日、記者会見を開き、感染防止や最新情報を発信。その存在感は、安倍晋三首相をはるかに上回る。 2カ月後に迫った都知事選は、圧勝も予測されている。ただ、彼女は事実上の「信任投票」のような形で再選するほどの実績を積み上げているのだろうか。冷静に考えてみる必要がある。 ことしのゴールデン・ウイークは「ステイホーム週間」という言葉がすっかり定着した。元キャスターで、発進力のある小池氏が記者会見などで呼びかけた言葉だ。環境相時代はクールビズを導入。自ら広告塔となり定着させた。今回のコロナ対応でも小池氏は、東京都民だけでなく全国の心をつかみ「ステイホーム週間」を広めた。 4月7日、緊急事態宣言を発出する前後、商業施設などの休業要請をただちに行いたい都と、当面は外出自粛による効果を見定めたいとブレーキをかける国側が激しく対立した。小池氏は「(自分が)代表取締役社長だと思っていたら、中間管理職だった」と、国が横やりを入れてきたことを痛烈に批判。結局、休業要請は11日から行われることになったが、この対立について国民は、圧倒的に小池氏を支持した』、確かにネーミングの上手さには舌を巻くほどだ。テレビでは、東京都の予算で自らがPRに出演しているのも巧みだ。
・『都連とも手打ち、現状は圧勝モードだが…  都知事選に向けた構図を確認しておきたい。小池氏は進退を明言していないが、出馬するのは確実だ。 小池氏は、前回2016年の知事選では、自民党などが推す増田寛也元総務相を破って勝利。その後、小池氏と自民党都連の間では、長くしこりが残ったが、今年に入ってから党本部の二階俊博幹事長が間に入って「手打ち」し、自民党が小池氏を推す流れになっている。 都連関係者の中には「『手打ち』は東京五輪の前に都政を混乱させるわけにはいかないという理屈での『休戦協定』だった。五輪が1年延期になった今、再び主戦論が台頭するかもしれない」という声もあるというが、五輪よりも重大なコロナ対応が続く中、小池氏と自民党が再びたもとを分かつことはないだろう』、安部首相の人気がなくなり、今や小池首相待望論まで出ているようだ。
・『今後4年間、都政を預かる「適任者」といえるのか  野党側は統一候補擁立を模索している。れいわ新選組の山本太郎氏が有力候補として語られることも多いが、野党内には山本氏に対するアレルギーも少なくない。山本氏は4月30日の記者会見で、自らが出馬する可能性は排除しないものの、「(小池氏が)日常的にテレビ露出しているわけなので、緊急事態が続けば続くほど、圧勝のムードは盛り上がるだろう。対抗馬として立つのはなかなか難しい」と事実上の不出馬宣言をした。 前都知事の舛添要一氏がリベンジを目指しているという観測もある。舛添氏はコロナ対応をSNSやテレビ番組などで安倍政権や小池氏のコロナ対応を厳しく批判しているが、今の小池氏の勢いを止めるのは難しいのではないか。 無投票になることはないだろうが、事実上の信任投票のような形で小池氏が勝つ。これが永田町の見立て。現状を見る限り小池氏は再選に向けて死角がない。 だからといって、小池氏が今後4年間、都政を預かる適任者といえるわけではない』、「小池氏は再選に向けて死角がない」、残念なことだ。
・『五輪延期を見届けてから、手のひら返しでコロナ対応へ  まず、コロナ対応。冒頭に記したように4月以降の彼女の立ち居振る舞いは目立っている。だから忘れられてしまいがちだが、その前の出足は鈍かった。 3月12日に小池氏は首相官邸で安倍首相と会談したが、東京五輪に関しては「中止という選択はないのではと思う」と述べていた。さらに3月19日の定例記者会見では「以前から申し上げているように、中止も無観客もありえない。開催都市として、いかにして安心安全な大会にできるか」と予定通りの日程、規模での開催を強調していた。 今回の感染拡大は3月20、21、22日の3連休で国民の自粛ムードが緩み、多くの人が街に出て「密」をつくったことが原因とされる。その3連休前、小池氏はほとんど発信をしていない。五輪問題で頭がいっぱいだったのだろう。 小池氏がコロナ問題で前面に出始めたのは3月25日。都民に対し、平日の自宅勤務や、不要不急の外出自粛の要請をした時だ。その前日の24日、東京五輪の1年延期が正式に決定している。五輪延期を見届けてから、手のひらを返したようにコロナ対応へ乗り出した形だ』、「手のひら返し」は鮮やかだった。
・『山中伸弥教授「東京では検査数の実態がわからない」  本腰を入れ始めてからの対応も、問題はある。連日記者会見などで発信しているので情報公開が進んでいるような印象を受けるが、実際はそうではない。例えば日々のPCR検査数など基本的なデータがよくわからないこともある。 京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授は自身のウェブサイトで「(都道府県別の実効再生産数・Rtを測定しようとしたが)東京では、新規感染者を見つけるための検査数の実態を知ることができなかったため、計算は断念しました」と記している。 感染拡大が始まってから小池氏同様、大阪府の吉村洋文知事が目立っているが、吉村氏が大阪府内の感染状況を積極的に公表している。これと比較すると東京都は心もとない。 国との連携の悪さも、しばしば指摘される。緊急事態宣言を出す前後の国との足並みの乱れは先ほど触れたが、その後も、国のコロナ対応の担当者、西村康稔経済再生担当相との「相性」は、明らかに悪い』、「情報公開」は都合のいい部分だけに限定しているのは許せない。都庁記者クラブの記者には「小池知事」に問い質す勇気を持った人間がいないのも残念だ。
・『4年前の都知事選で掲げた「7つのゼロ」はどうなったのか  都知事として4年間の仕事にも触れておきたい。小池氏は4年前の都知事選で「7つのゼロ」を掲げて戦った。待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、残業ゼロ、都道電柱ゼロ、満員電車ゼロ、多摩格差ゼロ、ペット殺処分ゼロ。「ペット」などは成果をあげたが、多くの項目は十分な成果をあげていない。「満員電車」ゼロは、コロナの影響で期せずして今は、実現しているが、これは小池氏の功績でないことは、いうまでもない。 知事の4年間の実績とコロナ対応。都知事選では、この2つがきちんと検証される必要がある。再選に向けて「死角」はないが、その「資格」があるとは言いがたいのだ。 最後に1つ、流動的要素があることを指摘しておきたい。都知事選が予定通り7月5日に行われない可能性があるのだ。地方選の延期は法整備が必要だが、2011年、東日本大震災の後には被災地の地方選が延期になったこともある。コロナ禍が続けば都知事選も延期になるかもしれない。 そうなった場合、小池氏のコロナ対応が冷静に検証され、投票日のころは彼女に逆風が吹いている可能性がある。「再選」確実の空気は一変するかもしれない』、本来は延期すべきだが、「小池知事」は現在の上げ潮ムードで乗り切るようだ。

次に、6月3日付けJBPressが掲載した在英作家の黒木 亮氏による「卒業が本当ならなぜ都知事は卒業証書提示を拒むのか 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(前編)」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60762
・『小池百合子東京都知事の学歴詐称疑惑が取りざたされている。色々な情報があるので、このへんで一度整理することが必要だと考え、本稿を執筆した。 筆者は5回の現地取材を含む2年以上にわたる調査を踏まえ、「小池氏がカイロ大学を卒業した事実はない」という結論に至った。その理由を以下に列挙する』、「5回の現地取材を含む2年以上にわたる調査」、とは興味深そうだ。
・『1、同居人女性の証言  小池氏は1972年10月にカイロ大学に入学し、1976年10月に卒業したとしている。しかし、ノンフィクション作家の石井妙子氏が「文藝春秋」(2018年7月号)に発表した『小池百合子「虚飾の履歴書」』の中で、1972年6月19日から小池氏とカイロで同居した日本人女性が、これがまったくの嘘であると証言している。 手帳のメモや日本の母親に頻繁に送っていた手紙にもとづく証言は次のようなものだ。 当時、小池氏はアラビア語の勉強はほとんどしておらず、アルバイトに明け暮れていた。72年の7月30日からパリに出かけ、チュニジア経由で9月21日に戻って来た。小池氏がカイロ大学に入学したとしている10月の4日には、同居人女性が学んでいた国立サイディア・スクールのアラビア語初級コースを見学に行き、数回通った。11月には小池氏が、父親が持っていたエジプト副首相とのコネで、翌73年10月にカイロ大学に2年生として編入できることが決まり、缶詰の赤飯を食べて2人で祝った(このことは11月19日付の手紙に書かれている)。 その後も小池氏はアルバイトに明け暮れ、長期の海外旅行にも頻繁に出かけていた。73年2月、小池氏はサイディア・スクールで知り合った日本人男性と結婚し、引っ越して行った。その後、小池氏は離婚し、3年後の1976年1月に再び女性との同居を始めた。同年5月の学年末試験で小池氏は落第し、4年生になれていなかったので、追試も受けられなかった。日本航空のカイロ支店で働き始めた小池氏は、10月、エジプトのサダト大統領夫人が来日した際、非公式のアテンド係として潜り込み、カイロ大学を首席で卒業したという嘘の経歴を使い始めた。11月にカイロに戻って来たとき、同居人女性に嘘をついたのかと尋ねられ、けろっとしてそれを認めた。 これらの証言のもとになる手帳のメモや手紙のほぼすべてに日付の記載と消印があるそうなので、裁判において証拠能力を持つ。この女性の証言は首尾一貫しており、石井氏が取材した他の人々や、私が独自に取材した他の人々の話とも矛盾しない。3回続けて進級試験に落ちると、学部を変えるか退学というエジプトの国立大学の進級システムについても正しく述べられている。石井氏と文藝春秋が、名誉棄損で訴えられる可能性があるこの種の記事を公表したのは、裁判で勝つ自信があってのことだろう。これに対し、小池氏は訴えるどころか、反論すらしていない』、「父親が持っていたエジプト副首相とのコネで、翌73年10月にカイロ大学に2年生として編入できることが決まり」、コネがここまで効くとはさすが「エジプト」だ。「アルバイトに明け暮れ、長期の海外旅行にも頻繁に出かけていた」、遊び呆けていたようだ。
・『2、卒業証書類の提出を頑なに拒否  去る3月の都議会において、自民党の小宮あんり、川松真一朗、田村利光、三宅正彦の4人の都議が、代わる代わる小池氏に卒業証書類の提出を要請したが、小池氏はことごとく拒んだ。「すでに何度も公開しているので、これ以上公開する気はない」というのが理由である 小池氏の議会答弁には嘘と誇張が多いが、これもその一つだ。小池氏がまがりなりにも卒業証書類を見せたのは、前回の知事選前のフジテレビの「とくダネ!」での1回だけだ。しかもスクリーンショットの卒業証明書は有効性の最重要要件であるスタンプの印影(鷲のマークと周囲の文字)がことごとく判読不明、4か所ある署名欄は2つの署名しか確認できない、発行日も判読不明、右下にある署名らしきものも何なのか不明で、到底有効なものとは認められない。卒業証書にいたっては、明らかに複数の要件を欠いている。 この点を三宅正彦都議に指摘された小池氏は「えー、卒業証書、卒業証明書がよく判読できない。アラビア語で書いてあるからであります」と即座に問題をすり替え、「それからまたこれも、非常に鮮明でございます。えー、そしてそれについて、あの、アラブの専門家の方々はすでに判読もしておられ、えー、そしてこれは正しいと、いうことを述べておられる方々も、おー、おられます」と答弁した。これもまったくの嘘である。 筆者はこの画像を複数のエジプト人に見せたが、全員が前記の点に関し「読めない」と答えた。エジプト人でも読めないものを誰が判読できるというのか。もちろんこの卒業証明書が真正なものだと述べたアラブの専門家など一人もいない。三宅議員からは、これで鮮明というのはまったく理解できず、証書類を出せばそれで済むことだとあらためて指摘された。 小池氏はよほど卒業証書類を見せたくないらしい。見せたくないのは、何か問題があるからで、有印私文書偽造・同行使の疑いをかけられても文句は言えないだろう。そうでないと言うのなら、現物を堂々と都議会に提出し、疑惑を払拭すればいいだけのことだ。現物でない限り、コピーや切り貼りはいくらでも可能だ。 これが小池氏の言うことが信じられない理由の2つ目である』、「よほど卒業証書類を見せたくないらしい。見せたくないのは、何か問題があるからで、有印私文書偽造・同行使の疑いをかけられても文句は言えないだろう」、その通りだ。
・3、卒論に関する嘘  小池氏は卒論に関しても嘘をついている。3月12日の都議会で、自民党の田村利光議員が、「(カイロ大学を)卒業したのなら、卒論を書いたのでしょうか? 書いたのならテーマをお聞かせ下さい」と質問したのに対し、小池氏は「卒論という制度は学部、学科によって異なる。自分が卒業した文学部社会学科には卒論はなかった。当時の同級生たちもそのように言っている。たぶん取材をなさったのは、別の学科の方ではないかと思います」と答えた。小池氏は以前、石井妙子氏の質問に対しても弁護士を通じて同様の回答をしている。 これもまったく嘘だ。筆者は2018年9月17日にカイロ大学文学部社会学科を訪問し、小池氏が卒業したと称している1976年と同じ年に同学科を卒業した現役の社会学科の教授に会って、そのことを確かめた。同教授の発言は次のとおりである。 「カイロ大学文学部社会学科(1学年約150人)では、全員が卒論を書かなくてはなりません。4年生の1年間は卒論を書くためのプロジェクト立案、資料集め、インタビューなどに追われます。私の卒論のテーマは、『職業集団としての猿の調教師』で、分量はアラビア語で80~90ページでした。他の学生の卒論のテーマは、教育、社会統制、カイロの貧民街、犯罪学というようなものでした」。なお面談にはカイロで新聞社のリサーチャーを務めているエジプト人女性も同席し、私も彼女もそれぞれ面談記録を残している。 小池氏は同居人女性が証言する通り、最終学年に到達していなかったので、卒論の有無を知らなかったのだろう。3月24日の都議会では、この点を三宅議員から再度尋ねられ、動揺していたのか、人に聞いて答えていたことを図らずも暴露するような答弁をした。これが小池氏の言うことが信じられない理由の3つ目だ』、「人に聞いて答えていたことを図らずも暴露するような答弁をした」、どういうことなのだろう。
・4、学業に関する様々な嘘  小池氏は、卒論の件以外でも様々な嘘をついている。嘘を嘘で塗り固めてきたため、もはや自分でも収拾がつかなくなっているようだ。これが小池氏の言うことが信じられない理由の4つ目だ。 (1)嘘の最たるものが首席で卒業したというものだ。これは都議会などで追及され、事実上撤回したが、小池氏は「卒業致した際に、教授からトップの成績だったと言われ、嬉しくてそのことを書いた」と記者会見や都議会で言い訳をしている。 しかし、小池氏がフジテレビの番組で見せた卒業証書類には、成績は合格点の下から2番目の「ジャイイド(good)」と書かれており(カイロ大学の合格点は4段階ある)、あれが仮に本物であるとしても「成績はトップであった」と言われるはずがない。 そもそも小池氏のアラビア語は、「とてもよい面会」を「美味しい面会」と言い間違えたり、クウェートの女性大臣と正則アラビア語で話そうとしてしどろもどろになったり、カダフィ大佐訪問時はほとんど会話にならないといった、「お使い」レベルで、到底大学教育に耐えられるものではない。大半がエジプト人の約150人の同級生を差し押さえ、あのアラビア語と「ジャイイド」の成績で首席と言うのは、嘘をつくにもほどがある。 (2) 小池氏は自著『振り袖、ピラミッドを登る』(1982年)の58ページに、1年目に落第し、次の学年に進級できなかったとはっきり書いている。エジプトの国立大学では、科目を3科目以上落とすと、次の学年に進級できない。したがって小池氏の場合、卒業に最低で5年かかり、早くても1977年となる。当たり前の話だが、エジプトも日本同様、1年落第すれば、卒業は1年延びる。この点は複数のエジプトの国立大学の卒業生にメールで確認をとったので、間違いはない。したがって、1年目に落第したにもかかわらず、1976年10月に4年で卒業したという小池氏の学歴は、制度上まったくあり得ない。 エジプトの国立大学では、3年連続で落第すると退学になる(他学部へ転部を申請したり、大学の講義に一切出席できず、2年間を上限として落とした科目の試験を受けるという道もあるが、簡単ではない)。小池氏は1973年10月に2年に編入し、その後毎年落第し、76年5月の学年末試験で3度目の落第をしたので、退学の瀬戸際にあったと考えると辻褄が合う。 (3)これら以外にも小池氏は様々な嘘をついている。全部挙げるときりがないので、主要なものだけを記す。昭和51年10月22日付の「東京新聞」の小池氏のインタビュー記事では、同年9月にカイロ大学を卒業したと書かれているが、小池氏が卒業証書だとしている文書が仮に本物だったとしても、「10月に追試を受け、12月29日に学位を与えることが決まった」と書かれている。『振り袖、ピラミッドを登る』の奥付の著者略歴で、「1971年カイロ・アメリカ大学・東洋学科入学(翌年終了)」と、存在しない学科を終了したと書いている。都議会で「何度も卒業証書を公開した」と繰り返し答弁したことも、「卒業証書類を、複数のアラブの専門家が判読し、本物と認めた」という答弁も、前述のとおりまったくの嘘である』、よくぞここまで「嘘を嘘で塗り固めてきた」ものだと、改めて驚かされた。
・5、「お使い」レベルのアラビア語  別の場所で詳しく検証したが(https://bunshun.jp/articles/-/7909)、筆者のようにアラビア語をある程度勉強した人間にとっては、小池氏のアラビア語は、学歴詐称の最大の証拠である。語学は、誤魔化しがきかない。小池氏はアラビア語の通訳をやっていたと自称しているが、たとえその後の経過年数を考慮しても、これで通訳をやるのは不可能だ。もちろん大学レベルの読み書きができたはずもない。 できるというのなら、外国人記者クラブで台本なしでアラブ圏の記者とやり取りをしてみせればいいだけのことだ。これが小池氏の言うことを信じられない5つ目の理由である』、なるほど。
・6、有効性に疑義のある卒業証書類  小池氏が一度だけフジテレビの「とくダネ!」で短時間公開した卒業証明書は、最重要要件であるスタンプの印影の鷲のマークも周囲の文字も判読不能で、有効なものとは言い難い。4か所ある署名欄は2つの署名しか確認できない、発行日も判読不明、右下にある署名らしきものも何なのか不明である。卒業証書にいたっては、有効であるための複数の要件を欠いており、卒業証明書以上に有効性に疑義がある。この点については現物がきちんと公開された段階で、あらためて指摘する。 また石井妙子氏は、『振り袖、ピラミッドを登る』の扉とフジテレビで公開された卒業証書のロゴが違うと指摘している(https://bunshun.jp/articles/-/7792)。これに対し、小池氏は記者会見で「卒業証書は1枚しかない。大学が発行した唯一のもので、それ以上のものはない」と反論した。しかし、両者が違っているのは一目瞭然で、ここでも小池氏は嘘をついている。論理的に言って、2枚のうち少なくとも1枚は(場合によっては2枚とも)偽物ということになる。 小池氏があくまで現物の提出を拒み、フジテレビのスクリーンショットで判断しろと言うのなら、両方とも無効である。スクリーンショットは画像が不鮮明で、スタジオ内の強いスポットライトで一部が見えなくなっている可能性もあるので、きちんと公開することは、小池氏にとっても有利なことのはずだ。それをあくまで拒否するのなら、有印私文書偽造・同行使の嫌疑をかけられても、文句は言えないだろう。これが小池氏の言うことを信じられない理由の6つ目である。)(後編に続く)』、ここまで「嘘」の実態を緻密に調べた黒木氏の調査力がさすがだ。

第三に、上記の続きを、6月3日付けJBPress「「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(後編)」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/60763
・『・・・7、カイロ大学の“お友達人脈”  小池氏が学歴に関して言うのは、「卒業証書も卒業証明書もある。カイロ大学も卒業を認めている」だけである。しかし、卒業証書類のほうは、提出を頑なに拒んでいるのだから、お話にならない。では「カイロ大学も認めている」のほうはどうかと言うと、これもまた信用できない話なのである。 小池氏の学歴詐称疑惑に関して、カイロ大学に照会すればすぐに決着がつくだろうという意見をネット上で時々見る。しかしそれは、腐敗した発展途上国の実態を知らない人の発想だ。エジプトは、「腐敗認識指数」で世界180カ国中105位(ランキングが低いほど腐敗度が高い)という汚職や不正が横行する国だ。大学の卒業証書など、カネとコネでなんとでもなる。 エジプトでは、有力政治家が「この人間を卒業したことにしろ」と言えば、学長は職員に命じて卒業証明書や卒業証書を作らせる。職員は入学記録や初年度の成績などを参考に成績表も偽造し、大学内の記録も含めて形式的に完璧にする。こうしたことが行われているのは“社会常識”で、5回の現地取材で会ったエジプト人で否定する人は1人もいなかった。小池氏が卒業したと称しているサダト大統領時代(1970~81年)には特にひどかったという。 偽造卒業証書を売る業者もおり、2017年には、エジプト人女性ジャーナリスト、ダリヤ・シェブル氏が複数の業者に接触し、実態を明らかにしている。ある業者は、「大学内部の記録まで捏造して卒業証書を発行する場合は40日、そうでない場合は20日で納品できる」と言い、別の業者は「自分にはカイロ大学、アイン・シャムス大学、ファイユーム大学、ザガジグ大学内に協力者がいる」と豪語したという。アイン・シャムス大学医学部の偽卒業証書で医師として働いている2人の人物の存在も突き止めている。カイロ大学のナッサール学長自身、2015年にエジプトの民放CBCに出演し、大学の教授や職員が関与して偽卒業証書が発行されていることを認めている。 小池氏は、従来から「カイロ大学は何度も自分の卒業を認めている」と主張してきた。しかし、筆者が知る限り、同大学文学部日本語学科長のアーデル・アミン・サーレハ教授が、2017年に、ジャーナリストの山田敏弘氏の取材に対し「(小池氏は)1年時にアラビア語を落としているようだが補習でクリアしている」と回答したり、同じく石井妙子氏の質問に対して「確かに小池氏は1976年に卒業している。1972年、1年生の時にアラビア語を落としているが、4年生のときに同科目をパスしている」と回答した程度だ。 この回答は嘘である。なぜなら、同居人女性が、当時のメモや手紙という物的証拠にもとづき、小池氏は1973年10月に2年に編入したと証言しているからだ。さらに石井妙子氏は、当時エジプトの別の大学に留学していた女性から裏付け証言をとっており、筆者も当時をよく知る別の日本人から裏付け証言をとっている』、「偽造卒業証書を売る業者もおり」、さすが「腐敗認識指数」が酷い国だけある。「有力政治家が「この人間を卒業したことにしろ」と言えば、学長は職員に命じて卒業証明書や卒業証書を作らせる。職員は入学記録や初年度の成績などを参考に成績表も偽造し、大学内の記録も含めて形式的に完璧にする」、「大学内の記録も含めて形式的に完璧にする」、そこまでやるのかと驚かされた。
・『父親のコネで2年生に編入  小池氏は父親をつうじてコネがあった当時の副首相アブデル=カーデル・ハーテム氏のコネを使い、1973年10月にカイロ大学2年に編入したのである。この編入自体、編入資格を満たさない不正なものであったと考えられることは、「徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽」の第4回(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58869)で詳述した。 さらにサーレハ氏の「小池氏は4年で1976年に卒業している」という回答は、小池氏自身の本の記述とも矛盾している。前述のとおり、小池氏は『振り袖、ピラミッドを登る』の中で、1年目に落第したと明記している。それならば制度上、卒業は早くても1977年になる。サーレハ氏は、小池氏が言っているとおりに回答したつもりだろうが、小池氏が日本で書いたり話したりしていることまでは調べていないようで、間の抜けた話である。 ただ小池氏に関しては、カネかコネで、1976年から現在に至るまでのどこかで大学内の記録が書き換えられた可能性があり、サーレハ氏は単にそれを見て言っているだけなのかもしれない。 実はこのサーレハ氏が、カイロ大学における小池氏の右腕なのである。同氏は、カイロ大学文学部日本語学科を卒業し、一橋大学の大学院で7年間学び、社会学の博士号を得ている。流ちょうな日本語を話し、『エジプトの言語ナショナリズムと国語認識』という日本語の著書もある。小池氏の熱烈な支持者で、4年前に筆者がカイロで会った際にも「小池さんはすごい。度胸がある。次の総理大臣になるかもしれない」と激賞していた。同氏のオフィスの廊下側の壁には、小池氏とのツーショットの写真が誇らしげに飾られていた。) 日本のメディアが小池氏の件でカイロ大学に取材に行くと、本来出てくるべき文学部長や学生部長や社会学科長ではなく、職務としては担当外のサーレハ氏が出てきて、小池氏に有利な話をする。 最近、日本では、小池氏の元秘書が編集長を務めるビジネス系雑誌のウェブサイトにおいて、小池氏はカイロ大学を卒業したと力説する、無署名の(したがって信用もない)記事が掲載されたが、その中のエジプト人の発言が文藝春秋に送られてきたサーレハ氏の抗議文のトーンそっくりだった。筆者は、「ああ、今はエジプトに取材に行けないし、これはサーレハ氏がメールで知恵を出して、それを小池氏と相談した上で、一生懸命まとめたんだな」と思ったものである』、さすが丹念にこの問題を追ってきただけあって、推理も高度だ。
・『カイロ大の歴代日本語学科長と”お友達”  小池氏は、都知事になる以前の国会議員時代、しょっちゅうカイロにやって来ていた。大統領との面会を要望し、カイロの日本大使館の担当者に「外務省の力を見せて頂戴」と強引にねじ込んでくるので、「小池のロジ担当はババ抜き」と言われていたそうだ。ある大使館員は、小池氏の父親の遺灰のナイル川やピラミッドでの散骨準備で大変な思いをしたという。その小池氏が、熱心に“お友達”を作っていたのが、カイロ大学日本語学科だ。サーレハ氏だけでなく、歴代の日本語学科長と親密で、前日本語学科長のハムザ氏(現在はアレキサンドリアにあるエジプト日本科学技術大学の日本研究科教授)も4年前の知事当選に際し、祝福の言葉を贈ったりしている。 小池氏は、自分にとって利用価値がないと思った人間には、尊大で無礼な振る舞いをすることで知られており、筆者の知人にも不快な思いをさせられた人たちは少なくない。その小池氏が、頻繁にカイロに足を運び、日本語学科と親密な関係を作ってきた第一の目的は、今回のように学歴詐称疑惑が取りざたされたとき、助けてもらうためだろう。 カイロ大学は対外的信用を維持するため、サダト・ムバラク時代(1970~2011年)の“不正卒業証書”の事実には口を閉ざしている。過去にそうした不正があったことを認めれば、“不正卒業証書”を受け取った国内外の政治家、有力者、その関係者に影響が及ぶからだ(特にサダト時代は数が多く、影響は計り知れないと思われる)。カイロ大学は小池氏の一件については神経質になっており、カイロ大学の現文学部長アフメド・シェルビーニ氏は、「カイロ大学では2年前から小池氏に関する書類を出す場合は学長の承諾が必要になった」と言う。カイロ大学の職員の1人は「小池氏の件は、政府の上層部が関与しているのではないかと思う」と話した。 経済全体を見れば、同国の動機は一層鮮明になる。エジプトは経済がきわめて脆弱で、慢性的な国際収支の赤字を外国からの経済援助、IMF融資、観光収入、スエズ運河通航料、在外エジプト人労働者からの送金で補っている。1人当たりのGDPは2907ドル(2018年)で、日本の17分の1、周辺国と比較してもトルコの5分の1、イランの半分以下、チュニジアやモロッコ以下という貧しい国だ。 IMFの勧告にしたがってガソリンや基礎食料品を値上げすると暴動が起きる(筆者が留学中の1986年3月にも、経済的不満を背景とする治安警察官の暴動が起き、外出が10日間禁止された)。 同国の経済情勢は最近、一段と悪化している。2011年の「アラブの春」の動乱以降、観光収入が激減し、そこに原油価格暴落(エジプトは日産約50万バレルの産油国)やコロナ・ショックが追い打ちをかけ、IMF融資と年間20億ドルから50億ドルの経済援助がなければ、経済は破綻をきたす(IMFは先月、エジプトに対する27億7200万ドル=約2980億円の緊急コロナ対策融資を決定した)。エジプト政府の経済関係閣僚は常に先進国や湾岸産油国と経済援助獲得の交渉をしており、どれだけ援助が獲得できるかが、政権にとって死活問題となっている。 こうしたエジプトにとって、小池氏のようにエジプトに多額の経済援助を供与している国の著名政治家が、実は卒業していないと言うのは簡単ではない。元々腐敗が横行する国であり、日本から援助を引き続きスムーズに得られるなら、1人の人間の不正な卒業を見逃すことなど痛くも痒くもない。そうした中で、小池氏を擁護する役割を果たしているのがサーレハ氏というわけだ。同氏にとっても、自分の仕事を学長にアピールし、将来の文学部長への布石にもなる。カイロ大学文学部(オリエント言語学科ヘブライ語専攻、1995年中退)で学んだ経験がある浅川芳裕氏は2018年6月にツイッターで、小池氏とカイロ大学の学長、文学部長、学科長らは「同じ穴のムジナ」であると述べたが、これがエジプトという国の実態なのだ。これが小池氏の言うことが信じられない7つ目の理由である』、「小池氏が、頻繁にカイロに足を運び、日本語学科と親密な関係を作ってきた第一の目的は、今回のように学歴詐称疑惑が取りざたされたとき、助けてもらうためだろう」、確かに不自然だ。「元々腐敗が横行する国であり、日本から援助を引き続きスムーズに得られるなら、1人の人間の不正な卒業を見逃すことなど痛くも痒くもない」、その通りだろう。
・『小池氏が抱える2つの問題  以上のとおり、小池氏の説明は嘘と矛盾だらけで、信用するのは到底不可能だ。 小池氏には2つの問題がある。1つは有印私文書偽造・同行使の疑いだ。これは東京都議会に卒業証書類の現物を提出し、疑いを晴らす必要がある。2つ目が学業実体の有無だ。いくら大学が認めようと、正規の卒業条件を満たさず、カネやコネで卒業証書を手に入れても、学歴と認められないのは当然だ。小池氏は証拠にもとづき、学業実体があったことを証明する義務がある。それができないなら公職を辞任するしかない。 (なお詳しくは、今年1月にJBpressで6回連載した<徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽>を読んで頂きたい。また英語版も順次公開中である。)≪徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽≫(記事の小見出しなどで省略)』、「小池氏は証拠にもとづき、学業実体があったことを証明する義務がある。それができないなら公職を辞任するしかない」、同感である。法律面の問題は次の記事で紹介する。

第四に、6月6日付けYahooニュースが掲載した元東京地検特捜部検事で| 郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士の郷原信郎氏による「小池百合子氏「卒業証明書」提示、偽造私文書行使罪の可能性」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/goharanobuo/20200606-00182101/
・『虚言に塗り固められた小池百合子という女性政治家の「正体」を見事に描き切った石井妙子氏の著書【女帝 小池百合子】は、政治家に関連する本としては異例のベストセラーとなっている。黒木亮氏は、ネット記事での追及を続けている。 これらによって、小池氏の華々しい経歴と政治家としての地位の原点となった「カイロ大学卒業」が虚偽である疑いは一層高まり、都議会本会議での追及も行われている』、法律面での解説とは有り難い。
・『虚偽事項公表罪による刑事責任追及の「壁」  前回記事【都知事選、小池百合子氏は「学歴詐称疑惑」を“強行突破”できるか】では、「カイロ大学卒」の学歴が虚偽である疑いが指摘されている中で、小池氏が都知事選挙に立候補し、これまでの選挙と同様に、選挙公報に「カイロ大学卒業」と記載した場合に、告発が行われるなどして検察の捜査の対象とされ、公選法違反(虚偽事項公表罪)で処罰される可能性について検討した。 検事がエジプトに派遣されて司法当局の大学関係者への事情聴取に立ち会うという「海外捜査」によって、「カイロ大学卒業の事実があったのか、なかったのか」という客観的事実が明らかになる可能性もあり、石井氏の著書に登場する小池氏のカイロ時代の同居人の女性の証言、小池氏の著書での記述や発言に重大な矛盾があることなど、小池氏の説明を疑う証拠は豊富であり、刑事事件の捜査で真実が明らかになる可能性も十分にある。 しかし、検察が虚偽事項公表罪を適用する上で最大のネックになるのは、黒木氏が【徹底研究!小池百合子「カイロ大卒」の真偽〈5〉カイロ大学の思惑】で指摘しているように、カイロ大学の権力を完全に掌握しているのは軍部・情報部で、日本からのメディアの取材に対して、カイロ大学が卒業を認めることを繰り返してきた背後には、カイロ大学文学部日本語学科長のアーデル・アミン・サーレハ氏らハーテム人脈を頂点とするエジプトの軍部・情報部と大学の権力階層構造があるという政治的背景だ。 カイロ大学側が「小池は卒業した」と言い通せば、その説明がどんなに怪しくても、「カイロ大学卒業」が虚偽であることを立証するのは容易ではない。そういう意味では、虚偽事項公表罪による刑事責任追及には、高い「壁」があると言える』、「カイロ大学の権力を完全に掌握しているのは軍部・情報部」、「カイロ大学側が「小池は卒業した」と言い通せば、その説明がどんなに怪しくても、「カイロ大学卒業」が虚偽であることを立証するのは容易ではない」、残念ながらその通りなのだろう。
・『「卒業証明書」偽造をめぐる疑惑  学歴詐称」疑惑に関連する、もう一つの犯罪の容疑と言えるのが「卒業証明書」偽造疑惑だ。この問題について、黒木氏は、6月5日の《【最終回】小池百合子「カイロ大卒」の真偽 卒業証明書、卒業証書から浮かび上がる疑問符》と題する記事で、「卒業証明書」の偽造の疑いについて総括している。 小池氏は、前回の都知事選の際、フジテレビの2016年6月30日放送の「とくダネ!」で、唯一文字が判読できる形で「卒業証明書」を提示した。黒木氏は、その番組のスクリーンショットから、小池氏の卒業証明書は、最重要要件である大学のスタンプの印影がいずれも判読不明であることなど、証明書として通用しない代物だと指摘している。また、文章が男性形で書かれていること、4人の署名者のうち2人の署名しか確認できないことなど不自然な点が多々あることを指摘している。 また、石井妙子氏は、【小池百合子都知事のカイロ大学『卒業証書』画像を徹底検証する】(文春オンライン)で、『振り袖、ピラミッドを登る』の扉に掲載された卒業証書のロゴとフジテレビで放送された卒業証書のロゴが異なることを指摘している。 これらの指摘のとおり、小池氏の「卒業証明書」が不正に作成されたものであったとすると、小池氏の行為にどのような犯罪が成立するだろうか。 まず、国外犯処罰との関係では、刑法3条で、有印私文書偽造は日本国民の国外犯処罰の対象とされているので、小池氏が犯罪に関わっているとすれば処罰の対象になる。しかし、偽造行為があったとしても、40年も前のことなので、既に公訴時効が完成している。 そこで問題になるのは、「卒業証明書」について、偽造有印私文書の「行使罪」が成立しないかという点だ。4年前のフジテレビの「特ダネ」での提示は、「行使」と言えるので、卒業証明書が「偽造有印私文書」に当たるのであれば、公訴時効(5年)は完成しておらず、処罰可能ということになる』、これもあと1年も経てば「公訴時効」が「完成」してしまうので、時間との勝負だ。
・『「偽造有印私文書」とは  「偽造有印私文書」に該当するか否かに関して重要なことは、「卒業証明書」の作成名義が誰なのか、そして、その作成名義を偽ったと言えるのかどうかである。 広い意味の「文書偽造」には、「有形偽造」と「無形偽造」がある。有形偽造とは、作成名義を偽るもの、つまり、名義人ではない者が勝手にその名義の文書を作成することである。無形偽造とは、名義人が虚偽の内容の文書を作成することである。公文書については、「虚偽文書の作成」も処罰の対象となるが、私文書については、作成名義を偽る有形偽造しか処罰の対象にならない。つまり、小池氏が提示した「卒業証明書」が、その証明書を作成する権限を持つ人が署名して作成したものであれば、卒業の有無について虚偽の内容が書かれていても、「偽造有印私文書」にはならないのである』、法律は難しいものだ。
・『「卒業証明書」の「作成名義」  では、小池氏の「卒業証明書」の作成名義が誰なのか、この点については、黒木氏の上記記事だけからはわからなかったので、ロンドン在住の黒木氏に直接連絡をとって尋ねたところ、以下のように解説してくれた。 小池氏の卒業証明書の右上にはカイロ大学の文字が下にあるカイロ大学のロゴ(トキの頭を持ったトト神)があり、大学の文書として発行されています。 書いてある文章自体は、「文学部は日本で1952年7月15日に生まれた小池百合子氏が1976年10月に社会学の専攻・ジャイイド(good)の成績で学士を取得したので、彼(男性形)の求めにもとづき、関係者に提出するためにこの証書を発行した」と書いてあります。 要は大学の用紙を用いて文学部長が発行したという体裁になっています。 その下に、右からムハッタス(specialist)、ムラーキブ(controller)、ムラーキブ・ル・アーンム(general controller)の署名欄があり、スクリーンショットでは真ん中のムラーキブのところしか署名が見えません。その右のムハッタスの署名欄の線が滲んで見えるので、もしかするとサインがあるのかもしれません。 また3つのサインの下にアミード・ル・クッリーヤ(学部長)の署名欄があり、一応サインがありますが、当時の学部長のサインではありません(もしかしたら代理サインとかかもしれませんが、まったく読めません)。 黒木氏の上記解説からすると、「卒業証明書」が、「カイロ大学文学部長」の作成名義の文書であることは間違いないようだ。問題は、その学部長の署名欄に、学部長ではないと思える人のサインがあるということだ。それが、学部長として卒業証明書を作成する権限を有する人のサインであれば、仮に卒業した事実がないのに卒業したと書かれているとしても「無形偽造」であり、「偽造有印私文書」には該当しない。 もし、学部長欄の署名が、学部長として証明書を作成する権限がない者によるものであったとすれば、学部長の作成名義を偽ったということであり、「有形偽造」に該当し、「偽造有印私文書」に該当することになる(「有印」には、印章だけではなく署名も含まれる)』、なるほど。
・『「卒業証明書」についての「偽造有印私文書行使罪」の成否  小池氏の「卒業証明書」については、以下の4つの可能性が考えられる。 (1)カイロ大学で正規の手続で作成発行された文書 (2)カイロ大学内で、大学関係者が関与して、非正規の手続ではあるが、学部長の権限を有する者が作成した文書 (3)作成権限のないカイロ大学関係者が、大学の用紙を使って文学部長名義で不正に作成した文書 (4)カイロ大学とは無関係な者が、正規の卒業証明書の外観に似せて不正に作成した文書 このうち、(1)であれば何ら問題はないが、そうであれば、小池氏が、卒業証明書の提示を拒否することは考えられないので、この可能性は限りなく低いと考えるべきであろう。一方、(3)、(4)のいずれかであれば、「偽造有印私文書」に該当することは明らかだ。 問題は(2)の場合だ。この場合は「無形偽造」と考えられるので、「偽造有印私文書」に該当するとは言い難い。偽造に関する刑事責任を問われることはないということになる。しかし、卒業証明書を提示すると、その作成手続が正規ではないことが問題にされ、正式に卒業していないことが証明される可能性が高い。それが、小池氏が提示を拒んでいる理由とも考えられる。 (2)か(3)(4)かで、刑事責任の有無が異なるが、その点は、黒木氏が指摘する「学部長の署名欄」のサインが誰によるものか、その人が学部長の代理権限を持っていたのかによって判断が異なることになる。 結局のところ、小池氏の「卒業証明書」が、刑法上の「偽造有印私文書」に該当するのか否かは、現時点ではいずれとも判断ができないが、黒木氏の記事及び解説からすると、少なくとも、「カイロ大学の卒業証明書」として使用することに重大な問題がある文書であることは疑いの余地がない』、その通りなのだろう。
・『「卒業証明書」の“現物”の提示が不可欠  そのような重大な問題が指摘されているのであるから、小池氏が、今回の東京都知事選で、都知事という公職につくべく再選出馬を表明するのであれば、その「卒業証明書」の“現物”を提示することが不可欠だ(TVの映像による公開などでは、いくらでもコピーや切り貼りが可能なので、それが偽造であるかどうかが確認できない)。 もし、小池氏が提示しようとしないのであれば、出馬会見の場に参加した記者は、提示を強く要求し、提示がなければ会見を終了させないぐらいの強い姿勢で臨むべきだ。それを行わず、やすやすと小池氏の出馬会見を終わらせるようであれば、その会見に出席した記者達は、「東京都民に対する職責を果たさなかった記者」としての非難を免れないということになる。 一方で、小池氏が、卒業証明書を提示し、それが実は、上記の(3)か(4)であることが明らかになった場合には、その提示行為が「虚偽有印私文書」の「行使罪」に該当することになる。小池氏が、これ以上「卒業証明書」の提示を拒むのであれば、新たな「犯罪」に該当するリスクを避けたいからと推測されても致し方ないだろう。 いずれにしても、公訴時効が完成していない4年前のフジテレビ番組での提示の行為がある以上、「学歴詐称」による公選法の虚偽事項公表罪に加えて、「偽造有印私文書」の「行使罪」で告発される可能性は十分にある。 これまで、小池氏の「学歴詐称」疑惑について、現地取材も含め、長年にわたる取材を重ねてきた黒木氏は、もし、小池氏について、「学歴詐称」の虚偽事項公表罪や、「卒業証明書」の私文書偽造・行使事件について、 検察が捜査することになった場合には、まだ開示していないものも含め、手元にある資料をすべて提供し、全面的に捜査に協力し、必要があれば裁判で証言する と明言している。 6月18日の東京都知事選挙の告示まで2週間を切ったが、小池百合子氏は、近く再選出馬を表明することは確実と見られている。 【前回記事】でも書いたように、「小池都政」には、豊洲市場移転問題を始めとする欺瞞がたくさんある。小池氏のような人物に、今後4年間の東京都政を委ねてもよいのか、改めて真剣に考えてみる必要がある。 新型コロナ感染対策でのパフォーマンスに騙されることなく、「小池百合子」という人物の正体を十分に認識した上で、都知事選に臨むことが、東京都の有権者にとって必要なのではなかろうか』、黒川氏がいなくなったとはいえ、「検察」が「捜査」に乗り出す可能性は、選挙に影響を及ぼす可能性もあるため、残念ながら低いだろう。ただ「出馬会見の場に参加した記者は、提示を強く要求し、提示がなければ会見を終了させないぐらいの強い姿勢で臨むべきだ」、全く同感である。
タグ:「永田町コンフィデンシャル:「五輪やるべし」だった小池知事を「コロナ対応が早い」と評価する都民のナゾ 都知事選の「7つのゼロ」の実績は…」 よほど卒業証書類を見せたくないらしい。見せたくないのは、何か問題があるからで、有印私文書偽造・同行使の疑いをかけられても文句は言えないだろう 郷原信郎 「小池百合子氏「卒業証明書」提示、偽造私文書行使罪の可能性」 2、卒業証書類の提出を頑なに拒否 PRESIDENT ONLINE 「お使い」レベルのアラビア語 「「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(後編)」 エジプトは、「腐敗認識指数」で世界180カ国中105位(ランキングが低いほど腐敗度が高い)という汚職や不正が横行する国 アルバイトに明け暮れ、長期の海外旅行にも頻繁に出かけていた yahooニュース 出馬会見の場に参加した記者は、提示を強く要求し、提示がなければ会見を終了させないぐらいの強い姿勢で臨むべきだ 6、有効性に疑義のある卒業証書類 小池氏の場合、卒業に最低で5年かかり、早くても1977年となる。当たり前の話だが、エジプトも日本同様、1年落第すれば、卒業は1年延びる 父親が持っていたエジプト副首相とのコネで、翌73年10月にカイロ大学に2年生として編入できることが決まり 有力政治家が「この人間を卒業したことにしろ」と言えば、学長は職員に命じて卒業証明書や卒業証書を作らせる。職員は入学記録や初年度の成績などを参考に成績表も偽造し、大学内の記録も含めて形式的に完璧にする 国会議員時代、しょっちゅうカイロにやって来ていた。大統領との面会を要望し、カイロの日本大使館の担当者に「外務省の力を見せて頂戴」と強引にねじ込んでくる 1年目に落第し、次の学年に進級できなかった 父親のコネで2年生に編入 『小池百合子「虚飾の履歴書」』 石井妙子 1、同居人女性の証言 「卒業証明書」の“現物”の提示が不可欠 7、カイロ大学の“お友達人脈” 5回の現地取材を含む2年以上にわたる調査 少なくとも、「カイロ大学の卒業証明書」として使用することに重大な問題がある文書であることは疑いの余地がない (4)カイロ大学とは無関係な者が、正規の卒業証明書の外観に似せて不正に作成した文書 小池氏は証拠にもとづき、学業実体があったことを証明する義務がある。それができないなら公職を辞任するしかない 3)作成権限のないカイロ大学関係者が、大学の用紙を使って文学部長名義で不正に作成した文書 (1)嘘の最たるものが首席で卒業した カイロ大の歴代日本語学科長と”お友達” 「卒業が本当ならなぜ都知事は卒業証書提示を拒むのか 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(前編)」 黒木 亮 (2)カイロ大学内で、大学関係者が関与して、非正規の手続ではあるが、学部長の権限を有する者が作成した文書 4、学業に関する様々な嘘 JBPRESS (1)カイロ大学で正規の手続で作成発行された文書 4年前の都知事選で掲げた「7つのゼロ」はどうなったのか 「卒業証明書」については、以下の4つの可能性が 元々腐敗が横行する国であり、日本から援助を引き続きスムーズに得られるなら、1人の人間の不正な卒業を見逃すことなど痛くも痒くもない 「有印」には、印章だけではなく署名も含まれる) 山中伸弥教授「東京では検査数の実態がわからない」 五輪延期を見届けてから、手のひら返しでコロナ対応へ 小池氏は再選に向けて死角がない 「卒業証明書」の「作成名義」 2つ目が学業実体の有無 「偽造有印私文書」とは 小池都知事問題(その1)(「五輪やるべし」だった小池知事を「コロナ対応が早い」と評価する都民のナゾ、卒業が本当ならなぜ都知事は卒業証書提示を拒むのか 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(前編)、「カイロ大卒業」を取り繕うエジプトの小池人脈 小池百合子都知事の学歴が信じられない7つの理由(後編)、小池百合子氏「卒業証明書」提示、偽造私文書行使罪の可能性) 今後4年間、都政を預かる「適任者」といえるのか 都連とも手打ち、現状は圧勝モードだが… あと1年も経てば「公訴時効」が「完成」してしまうので、時間との勝負 「卒業証明書」偽造をめぐる疑惑 カイロ大学卒業」が虚偽であることを立証するのは容易ではない 1つは有印私文書偽造・同行使の疑い カイロ大学の権力を完全に掌握しているのは軍部・情報部 虚偽事項公表罪による刑事責任追及の「壁」 小池氏が抱える2つの問題 都議会本会議での追及 全国民の心をつかんだ「ステイホーム週間」という言葉 カイロ大学文学部社会学科(1学年約150人)では、全員が卒論を書かなくてはなりません 自分が卒業した文学部社会学科には卒論はなかった 3、卒論に関する嘘
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