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司法の歪み(その14)(警視庁の「しばき隊メンバー」逮捕は“安倍やめろデモ”潰しだった! 実家に車庫登録しただけで逮捕し実名報道 TBSは身柄移送映像を放送、裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実 「効率」と「出世」を重視すると…、過払い金CMの大手弁護士法人 「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇) [社会]

司法の歪みについては、1月5日に取上げた。今日は、(その14)(警視庁の「しばき隊メンバー」逮捕は“安倍やめろデモ”潰しだった! 実家に車庫登録しただけで逮捕し実名報道 TBSは身柄移送映像を放送、裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実 「効率」と「出世」を重視すると…、過払い金CMの大手弁護士法人 「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇)である。

先ずは、1月14日付けLITERA「警視庁の「しばき隊メンバー」逮捕は“安倍やめろデモ”潰しだった! 実家に車庫登録しただけで逮捕し実名報道、TBSは身柄移送映像を放送」を紹介しよう。
https://lite-ra.com/2020/01/post-5205.html
・『安倍政権を批判するデモや抗議活動で、警察が不当逮捕や違法な排除行動を繰り返していることはわかっていたが、まさかここまでやり口がエスカレートしているとは……。 〈「対レイシスト行動集団」メンバー、“車庫飛ばし”で逮捕〉 9日、TBSがこんなタイトルのニュースを大々的に報じた。ニュースは〈右派系市民団体のデモへの抗議を繰り返す「レイシストをしばき隊」、現在の「対レイシスト行動集団」のメンバーの男が、所有するワゴン車の登録地を偽って申請したとして警視庁に逮捕されました〉という原稿を読み上げ、男性を実名で報道。さらには警察署に移送される「顔出し」映像まで放送したのだ。 普通にリテラシーのある視聴者なら、この報道の異常性に気がついたはずだ。まず首をかしげざるを得ないのは、その容疑の中身だ。TBSによれば、都内在住のこの男性が所有する〈大気汚染を防ぐため都内での走行が法律で規制されていた〉ワゴン車を〈実家のある仙台市と偽り申請〉したなるもの。ようするに、車庫証明に登録した住所と違う場所で車を保管・使用したという、いわゆる「車庫飛ばし」の疑いなのだが、いやはや、こんな“微罪”で実名を晒され、顔までテレビで流されるって、普通に考えてありえない。 しかも、報道によれば男性がワゴン車を登録していたのは「実家」だ。うっかり現住所に移し忘れていたなんて話は、誰にだってありうることだろう。しかも、TBSによると男性は「都内で走ってもいいと思っていた」と供述しているというし、車のディーラーで「車庫飛ばし」で何台も売りさばいていたとかではない。どうみたって犯罪で利益を得ようとした形跡もなければ、悪意も感じられない。実際、東京地裁も11日に警察の勾留請求を却下し、男性はすでに保釈されている。 どうみても不当逮捕か別件逮捕としか思えないが、実際、男性を「車庫飛ばし」で逮捕したのは、通常の管轄である交通捜査課ではなかった。過激派や国際テロリストを捜査対象にしているはずの警視庁公安部、つまり公安警察だったのだ。 ようするに、公安はこの男性を「レイシストをしばき隊」の中心人物として、微罪で狙い撃ち、TBS に事前リークして移送現場を撮らせたうえ、実名を発表したということらしい。 いや、TBSだけではない。この件は産経新聞(ウェブ版「産経ニュース」9日)と読売新聞(10日東京朝刊)も実名報道しており、〈公安部によると、●●容疑者は、差別や憎悪をあおる「ヘイトスピーチ」などに抗議する団体の中心人物。車は活動資材の運搬に使用していた〉(産経)、〈●●容疑者は在日韓国・朝鮮人らを非難するデモに対する抗議を行うグループの一員で、ワゴン車を活動に使用していたという〉(読売)などと書き立てていた(注:記事は実名だがリテラ編集部で匿名にした)。大手紙社会部記者が今回の逮捕劇の裏側を解説する。 「過激派や右翼団体を摘発するために、『車庫飛ばし』などの微罪で別件逮捕し、息のかかったマスコミにリークしてさも重大事件であるかのように実名報道させるというのは、公安がよくやる手口。今回も完全にそのパターンでしょう。そうでなければ、『車庫飛ばし』のような微罪で逮捕、実名報道なんてありえない。しかも、今回の場合は悪質性もまったくなく、ほかの犯罪も何も出てこなかったため、容疑者がすぐに保釈されている。相当、無理な逮捕だったということです」 そもそも過激派であれ右翼団体であれ暴力団であれ別件逮捕は違法だが、公安は、過激派どころか、普通に差別に反対しているだけの運動まで狙い撃ちし、微罪で逮捕したのだ。ネットなどでは、常々、「警察はヘイト団体に甘くてカウンターに厳しい」「差別体質をもつ警察はカウンターを弾圧し、ヘイト団体をアシストしている」との批判がなされてきたが、まるでそれを証明するような行動ではないか。 しかも、本サイトが複数の関係者に取材したところ、この男性は「レイシストをしばき隊」でも、その関係者の一部が関わる後継団体「対レイシスト行動集団(C.R.A.C)」のメンバーでもなく、個人で反差別などのカウンター行動や抗議デモなどに参加していたことが判明した。つまり、公安は「レイシストをしばき隊」に所属さえしていない人物を勝手に「中心メンバー」と決めつけて逮捕、あげく虚偽情報をマスコミに流したのだ』、「公安は、過激派どころか、普通に差別に反対しているだけの運動まで狙い撃ちし、微罪で逮捕したのだ」、警察国家化がここまで進展しているとは、驚くべきことだ。
・『微罪逮捕された男性は1.12安倍批判デモの運転手として公安委員会へ届け出ていた  いったいこの無茶苦茶な逮捕劇の裏に何があるのか。実は、今回の逮捕をめぐっては、もうひとつ、ある狙いがあったのではないかと指摘されている。それは安倍政権批判デモへの圧力だ。 12日の日曜日、東京・新宿区をはじめとして名古屋や大阪など全国各地で安倍首相の退陣を求める市民デモが行われた。たとえば東京の「Occupy Shinjuku 0112」には主催者発表で3000人の市民が参加し、「桜を見る会」問題などの安倍首相の私物化を批判、自衛隊中東派遣などの“戦争政策”に抗議の声をあげていた。 実は、男性はこのデモへの参加を予定しており、運転手として東京都公安委員会へ届け出ていたという。そんな大規模な“反安倍政権デモ”の3日前に、公安が突然、男性を「車庫飛ばし」という“微罪”で逮捕したというわけである。 このタイミングだけ見ても、今回の無理やりすぎる逮捕は“安倍政権批判デモ”にプレッシャーをかけ、参加者に萎縮効果をかけるため、デモの中心人物や関係者を狙い撃ちしたとしか思えない。 男性は昨年7月20日、東京・JR秋葉原駅前で「安倍やめろ!」の声が響いた抗議行動の際にも当該ワゴン車を使用していたという。公安警察は政権批判デモなどで常時カメラを回し、参加者らを記録している。その際、収集した男性のワゴン車のナンバーから強引に「車庫飛ばし」へと結びつけ、12日の“反安倍政権デモ”直前に逮捕することで“見せしめ”にした。そういうことだろう。 男性の弁護人である神原元弁護士は、本サイトの取材に対して「そもそも、警視庁公安部が『レイシストをしばき隊の中心メンバー』などと発表したこと自体、保護されるべき個人情報の侵害です」と強く問題視する。 「団体への所属は信仰する宗教等と同じく、個人の思想信条に関わる情報です。憲法で国がこれを侵すことは禁じられており、公的機関は原則として、思想信条情報の収集・保管・利用等の取り扱いをみだりに行なってはなりません。ところが公安警察は、2010年に発覚したイスラム教徒の個人情報リスト漏洩事件でもわかるように、根拠もなしに『テロリスト』扱いするなどして無関係の人々の詳細な個人情報を好き勝手に扱ってきました。今回の件でも当然、論点になるでしょう」 さらに神原弁護士は、公安や捜査当局は「車庫飛ばし」のような被害者のいない「形式犯」を政治的な“弾圧”に利用してきたと話す。 「以前から『車庫飛ばし』は朝鮮総連や朝鮮学校関係者の逮捕に使われていました。ほかにも住居侵入や、外国人の場合は旅券不携帯などがしばしば利用されます。こうした事例では当局による拡大解釈や恣意性が見られる。捜査当局が弾圧目的で微罪を利用していると言っていいと思います。男性が『車庫飛ばし』で逮捕された件もまた、12日のデモの妨害が目的だったと疑われても仕方がありません」(神原弁護士)』、「今回の無理やりすぎる逮捕は“安倍政権批判デモ”にプレッシャーをかけ、参加者に萎縮効果をかけるため、デモの中心人物や関係者を狙い撃ちしたとしか思えない」、「公安警察は・・・根拠もなしに『テロリスト』扱いするなどして無関係の人々の詳細な個人情報を好き勝手に扱ってきました」、被害者は国家賠償訴訟を提起する余地もありそうだ。
・『安倍首相の私兵として政権批判者を事前に取り締り始めた警察、全面協力するマスコミ  警察のこうした狙い撃ち、微罪でっち上げ捜査は以前からだが、第二次安倍政権になって以降、警察という組織は“政権の親衛隊”“安倍首相の秘密警察”のような性格を強めている。昨年7月の参院選時には、北海道札幌市で安倍首相の街頭演説中に「安倍やめろ!」とヤジを飛ばした男性が警察に強制排除されたり、滋賀県大津市の街頭演説でも安倍首相が登場する前から「安倍やめろ」と声をあげていた男性が警察によって会場端のフェンスに押しやられたという事件が相次いだ。 さらに、今回の事件をみるに、警察はいまや「政権批判する者」を事前に取り締まり、拘束するという段階まで来ているということだろう。これはほとんど戦前の言論弾圧と変わりがないではないか。 しかも、信じがたいのはそうした警察のデモ潰し、言論弾圧に日本のマスコミが全面協力していることだ。とりわけ、公安の事前リークにまる乗りして男性が警察車両に乗せられているシーンを撮影し、顔出し映像付きで実名報道した今回のTBSの「報道」は許しがたいものだった。産経や読売ならわかるが、政権に批判的な報道をしているTBS がなぜこんな暴挙をしたのか。他社の社会部記者がこう話す。 「TBSは竹内明が報道局総合編集センター長をやっているからね。竹内は記者時代は警視庁公安部を担当し、べったりの関係を築いて、公安警察をヒーロー扱いするような礼賛本を何冊も書いている。あんな微罪逮捕をTBSが大々的に報道したのも、竹内のラインがあったからじゃないか」 なお、TBSのニュースはウェブでも動画配信され、ネット上でも多くの批判の声があがっていたのだが、TBSは12日頃に一切の断りなく削除した。批判を受けてから局内で問題視され、慌てて火消ししようとしたのかどうかは定かではないが、いずれにしても、公安の狙いにまる乗りして〈「対レイシスト行動集団」メンバー、“車庫飛ばし”で逮捕〉と報道、男性を実名・顔出しで放送したTBSの罪は重いと言わざるを得ない。もちろん、それは産経新聞、読売新聞も同様だ。 政権を批判するどころか、政権の私兵となった公安のリークや発表を無批判に垂れ流し、反差別の市民運動や、民主主義国家として当たり前の政権批判の萎縮に加担したTBS、読売、産経。他社や他局にしても、こうした公安発の報道を検証・批判する動きはない。 その意味ではマスコミも“共犯”だ。政府が国民を騙しながら批判者を締めつけ、メディアが戦争を煽ったあの時代に、この国は確実に戻りつつある』、「警察はいまや「政権批判する者」を事前に取り締まり、拘束するという段階まで来ているということだろう」、官邸には警察出身の杉田官房副長官、和泉首相補佐官、さらにその上には北村国家安全保障局長までいるので、こうした働きかけは容易な筈だ。「産経新聞、読売新聞」の罪も重いが、それ以上に「TBSの罪は重い」、「竹内明が報道局総合編集センター長をやっている」、全く情けない話だ。

次に、2月2日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの岩瀬 達哉氏による「裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実 「効率」と「出世」を重視すると…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70196
・『人の一生を大きく左右することもある裁判という営み。きっと裁判官は全身全霊で臨んでいることだろう——私たちはそう考える。しかしなかには、「効率」を重視し判例を「コピペ」して判決文を書く裁判官もいるのだという。裁判官たちの素顔に迫った『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』を上梓したジャーナリストの岩瀬達哉氏が指摘する』、「判例を「コピペ」して判決文を書く裁判官もいる」、驚かされた。
・『「正解指向」の落とし穴  もともと正解指向が強く、順調に受験競争に勝ち抜いてきた「優等生」たちは、時間とエネルギーをかけて判決を書いても、最高裁によって偏向していると受け取られると、怪我をしかねない。それより過去の判例を機械的に受け入れ、それに則って判決を起案しておけば無難なうえ、裁判所での名誉ある地位を得やすいことを知っている。 最高裁事務総局に勤務経験のある元裁判官は、ため息交じりにこう語った。 「若手、中堅を問わず少なからぬ裁判官は、裁判を重大と感じる度合いが薄れていて、判決の理論構成も水準が落ちている。もっと時間をかけ、深みのあるものに仕上げてもらいたいと思うことがしばしばです」 本来、判決文は、裁判官が「記録をよく読み、よく考え、証拠に照らして的確な判断を下さなければ書けない」ものだ。それを「普通の事務」のように処理することを可能にしているのが判例検索ソフトである。 最高裁は、「判例秘書」や「知財高裁用 判例秘書」など各種ソフトを年間約7500万円かけて購入している(2016年度予算額)。このうち、「判例秘書」は、ほとんどの裁判官が活用していて、自身の抱えている訴訟と類似する過去の事件でどのような判例があるかを検索しては、判決起案の参考にしている。) 「参照するだけならまだしも、なかには似た事案の判例を見つけると、やっとこれで判決が書けると顔をほころばせ、そのままコピペしている裁判官もいる」 こう語るのは、首都圏の大規模裁判所に勤務するベテラン裁判官だ。 「そういう嘆かわしい実態を最高裁も分かっているはずです。なのに、『判例秘書』の運営会社から、情報提供の要請があれば便宜をはかり、かなり迅速に対応している。もはや、『判例秘書』は裁判官にとって無くてはならない『起案バイブル』なので、その手当ては怠れないということなのでしょう」 『判例秘書』の運営会社「(株)エル・アイ・シー」のホームページには、「コンテンツ提供団体」として「最高裁判所図書館」が記載されているほどだ。 しかし事件にはそれぞれ個別の事情があり、関係者の思いや関与の度合いもまちまちだ。いったい、どのように「コピペ」すれば、判決が書けるのか。 「『コピペ裁判官』の特徴は、訴訟で争われている事実関係はどうでもよく、執行猶予にするか実刑にするか、原告の請求を認めるか認めないかにしか関心がない。だから、論理の組み立ては、過去の判例をそのまま借用し、結論部分に有罪か、執行猶予かを書けばいいだけです」(元裁判官)』、「裁判官」が便利なツールとして『判例秘書』を利用するのは当然だが、「訴訟で争われている事実関係はどうでもよく、執行猶予にするか実刑にするか、原告の請求を認めるか認めないかにしか関心がない」、「論理の組み立ては、過去の判例をそのまま借用」、とは嘆かわしい。
・『意見を引っ込めた方が楽  そのようにして作成された判決原案をもとになされる合議もまた、驚くほど心もとないのが実態だ。 司法研修所の資料によれば、裁判長が意見を促しても「言っていいんでしょうか」と尻込みする陪席裁判官は少なくないとある。また、裁判長によっては「話しにくい雰囲気が結構ある」うえ、地裁の所長が、部下の裁判長に「『もっともっと合議を活発にやってくれ、若い者をもっと育ててくれ、事件は少しは遅れてもいいから、その時間を割いて若い者を教育してくれ』と言うと、『いやいや、所長、そう言っても今忙しいんですよ。忙しくて、なかなかそんな暇ないというのが本音なんだ』」という。 ある若手裁判官は、伏し目がちにこう言った。 「わたしは、どちらかというと厚顔無恥なほうなので言いたいことは言うんですが、打たれ弱い後輩がいるのも事実。部総括(裁判長)と違う意見を言って反論されたら、直ぐ引っ込めたほうが楽といえば楽ですから。この事件では、部総括に絶対負けないという気概のある人が全体的に減っている。また、部総括にしても、部下の意見を受け止めるキャパに欠ける人が増えているように思います」 もちろん、すべての裁判体において、合議が尽くされていないわけではない。 あるベテラン裁判長は、穏やかな口調ながら熱意のこもった声で語った。「僕なんかは、意見が分かれた時は、最終的にみんなが納得するほうがいいから、日を置いてもう一回合議する。とことんやるなかで、僕が意見を変えることもあるし、部下の裁判官が意見を変えることもある。合議を尽くすことは裁判を練り上げるだけでなく、裁判官自身の成長にも繋がるので、いつも、とことんやりましょうと言っている」』、「合議」はいい仕組みなので、形骸化させずに、実効性を高めてほしいものだ。
・『裁判官にとって「良心」とは何か  憲法で保障されている「裁判官の独立」と「身分保障」は、独自の意見を述べる権利を守るためのものだ。政治勢力や社会情勢を気にすることなく、「良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」のが裁判官だからだ。 かつて、この「良心」という言葉を、最高裁は大法廷判決の中で定義したことがあった。「裁判官が良心に従うというのは、裁判官が有形無形の外部の圧迫乃至誘惑に屈しないで自己内心の良識と道徳感に従うの意味である」——。 外部からの不当な干渉を撥(は)ね退(の)けることを説きながら、しかし司法行政を介しての「内部の圧迫」や「誘惑」には触れることはなかった。彼ら自身、上下関係にうるさい最高裁に身を置いていることもあって、「良心」を歪めかねないそのような日常があることについて、当たり前すぎて意識することもなかったのだろう。 最高裁は、功成り名を遂げた大物が君臨する世界である。 たとえ現職でなくてもプライドの高い元最高裁判事に、現役裁判官が正面切って意見などすれば、理不尽な厄災に見舞われるという。 OBといえど、彼らは最高裁の中では顔であり、かつての部下が事務総局で要職を占めている。下手に機嫌を損ねると、まことしやかな噂を流され、足を引っ張られることになるのである。 司法研修所の研究会資料には、そんな傲岸不遜なOBの振る舞いについての報告がある。 「弁護士になっておられた元最高裁判事の二人が、ある暴力団事件の弁護人となってこられた事件があったときのことです。……法廷で、そのうちの一人の弁護人が大口を開いて居眠りを続け、そのうちいびきが聞こえてくるようになり、それを気にしたもう一人の弁護人が止めさせようとして身体をつつくが、一向に止まらない状態になったとき、裁判長はこれを放置しておかないで、法廷では大口を開いて居眠りをするものではない、と言って叱られたそうです」 法廷指揮権があるとはいえ、地裁の裁判長が、傍聴人のいる法廷の場で元最高裁判事に注意するのはよほどのことだ。依頼人のヤクザの親分の前で、面目をつぶされた元最高裁判事は反省するどころか、閉廷後、いきり立って裁判官室に押しかけている。主任書記官が裁判官室への入室を断ると、二人の元判事はその足で最高裁に乗り込んでいき、顔見知りの幹部や元部下を前に感情のまま鬱憤をぶつけて回ったという。 この一件を知る元裁判官が言う。 「叱った裁判長は、ある程度評判が悪くなるのは覚悟だったでしょう。大先輩をたしなめるわけですから、面倒なことになるというのは誰だってわかる。しかし裁判長としての職務上、必要と考えて注意したわけです。 ところが司法行政部門にいるエリートと称される裁判官には、そういう緊張感がない。それどころか最高裁事務総局で、総務とか経理とか人事部門にいるだけで偉くなったと思い込んでいる人は、元判事に怒鳴り込まれると、それだけで気圧されてしまう。追随とへつらいから注意した裁判長は、分をわきまえないけしからん奴となった』、「注意した裁判長は、分をわきまえないけしからん奴となった」とあるが、「司法研修所の研究会資料」に掲載されるほど有名な事件なので、冷遇されてはいないのだろう。
・『長いものに巻かれる裁判官が評価される  本来、事務総局は、司法行政部門としてロジスティクス機能に徹すべき役目を担っている。その使命を忘れ、裁判所全体を統治しているとの思い上がった幻想が、人材の登用や組織の運営面で弊害を生み出しているのは明らかだ。 最高裁事務総局に勤務経験のある元高裁裁判長も、最高裁の意向を斟酌し、進んで長いものに巻かれる裁判官の方が評価される傾向にあると語ったあと、諦め顔で言い添えた。「いまになって、いくら長官が音頭をとって自由にものを言い合い、建設的な議論ができる組織にしようといってもそう簡単ではない。人の養成というのは時間のかかるものです。最高裁だけでなく高裁長官も地裁所長も、司法行政に携わっている人たちが、みんなで協力しない限りまず実現しない。しかし残念ながら、そのような共通認識があるとは思えません」』、「最高裁の意向を斟酌し、進んで長いものに巻かれる裁判官の方が評価される傾向にある」、サラリーマン化してしまったようだ。「長官が音頭をとって自由にものを言い合い、建設的な議論ができる組織にしよう」、この発言自体、建前論に過ぎないようだ。

第三に、6月26日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京経済東京支社情報部の井出豪彦氏による「過払い金CMの大手弁護士法人、「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/241503
・『消費者金融会社への過払い金の返還請求を手掛け、積極的なテレビCMなどを行っていた弁護士法人、東京ミネルヴァ法律事務所が6月24日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。だが、今回の破産には、ほとんど知られていない深い闇がある』、どういうことなのだろう。
・『30億円の流用で被害者は2万人か  6月24日、負債51億円余りで破産決定を受け、弁護士法人では過去最大の倒産となった(弁)東京ミネルヴァ法律事務所〔東京都港区、代表弁護士川島浩、2019年3月期売上高17億8400万円〕。 消費者金融を利用したことがある人に、過払い金利の返還が受けられるとの広告を大量に流していたことで知られるが、破産の背景には、依頼者に支払われるべき過払い金、少なくとも30億円が弁護士法人を実質的に支配する広告会社により流用されてきたという、弁護士にあるまじき不祥事があることが分かった。 過払い金が仮に1人当たり30万円だとすれば、被害は1万人規模に及ぶことになるが、ある事情通は「被害者は2万人に達する可能性もある」と語る。 東京ミネルヴァが所属する第一東京弁護士会(一弁、寺前隆会長)は、東京ミネルヴァ代表の川島弁護士による6月10日の法人解散と預かり金流用の告白を受け、22日に臨時電話窓口を設置。 さらに、財産保全のため、一弁が会費未納に基づく債権者として24日に東京地裁へ破産手続き開始を申し立てるという非常手段に踏み切り、地裁も直ちに開始決定を出した。 なお、破産管財人に選任された岩崎晃弁護士(岩崎・本山法律事務所)も一弁所属である』、「被害者は2万人に達する可能性」のであれば、「第一東京弁護士会」にも事前に苦情などが寄せられていた筈だ。
・『ミネルヴァを支配した武富士の元支店長  ミネルヴァを支配していた、今回の破産劇の黒幕ともいえる広告会社とは(株)リーガルビジョン〔渋谷区、代表霜田広幸、19年3月期(4カ月間の変則決算)売上高8億8100万円〕である。 兵庫県出身で、消費者金融大手の武富士で札幌支店長までつとめた兒嶋勝氏が04年4月に設立した(株)DSC〔渋谷区〕がリーガルビジョンの前身。 士業の広告解禁を受けて創業した、士業専門の広告代理店だ。 同社は弁護士などへの相談を取り次ぐサイト「法律の窓口」も運営し、過払い金ブームに乗って業績を伸ばした。 だが、東京国税局の査察を受けたことで身売りに動き、14年11月に東証2部上場の(株)RVH〔港区〕の子会社になった。 そして、翌年2月に国税が正式にDSCと兒嶋氏を1億3000万円の脱税(法人税法違反)容疑で東京地検に告発する事態となり、同年4月には「法律の窓口」のサイトを含む事業の受け皿会社としてリーガルビジョンが設立された経緯がある。 代表に就任した霜田氏は、兒嶋氏の武富士時代の後輩で、DSCでも部下だった人物。 表向き「兒嶋氏とは縁を切った」と話していたが、裏では兒嶋氏が絶対権力者の「会長」として支配する体制が続いていた。 兒嶋氏は、DSCとは別に淡路島で実質経営していた貸金業者で、出資法違反(違法金利)容疑での逮捕歴もあるいわく付きの人物だ』、「ミネルヴァを支配した武富士の元支店長」、は「出資法違反(違法金利)容疑での逮捕歴もあるいわく付きの人物だ」。しかし、「脱税(法人税法違反)容疑」は「身売り」しても逃げられない筈だが、どうなったのだろう。
・『過払い金の流用は数年前から  リーガルビジョンもDSCと同様に経営が苦しい弁護士事務所に近づき、過払い顧客を集めるための広告プランを作成。 「武富士の社員が破綻時に持ち出した大量の顧客リストをもとに営業しているのはないか」とささやかれるほど、兒嶋氏は集客がうまかった。 さらに「士業専門の総合アウトソーサー」を標榜し、関連会社のキャリアエージェンシー(株)〔渋谷区〕が事務員や相談員を派遣し、経理業務も含め事務所の運営は、事実上、リーガルビジョン任せになってしまう。 東京ミネルヴァの場合、「オフィスをはじめ通信回線、サーバー、事務所ロゴの商標権など、なにからなにまでリーガルビジョングループから兒嶋氏の言い値で借りていた」(事務所関係者)ため赤字が累積。昨年3月末時点の債務超過額は実に31億8100万円に達していた。 実は東京ミネルヴァが返還前の過払い金(預かり金)に手を付け始めたのは、かなり前からのことである。 初代代表の室賀晃弁護士が15年に死去し、後継者の河原正和弁護士も体調不良で辞任した末、川島弁護士が3代目代表に就任した17年8月には「預かり金に4億円の穴があいていた」(同)という。 だが、過払い金返還請求の依頼者は消費者金融との交渉をすべて東京ミネルヴァ任せにしているため、資金の返還が遅れてもそれほどせっついてこなかったようだ。 川島弁護士は状況を打開するため、集客アップで収益改善を図り、依頼者へ返す資金を捻出しようとした。 だが、そのためには結局兒嶋氏の力を借りざるを得ず、同氏への依存がますます深まる悪循環に陥っていった。 本来消費者金融から過払い金が入金される銀行口座は、事務所の運営経費とは分別管理する必要がある。 ところが、兒嶋氏が送り込んだ経理担当は指示されるまま同氏サイドへの送金を繰り返した。 川島弁護士はことあるごとに是正を試みたが、兒嶋氏は「広告をストップする」「派遣社員を引き揚げる」などと脅すような態度を取ったり、「一蓮托生よろしくお願いいたします」といったメールを送ったりするなど(右の写真)、一切逆らうことができない状況に追い込んだという。 川島弁護士が資金流出の責任を問われるのは当然だが、兒嶋氏も罪深い』、「兒嶋氏」にがんじがらめにされた「川島弁護士」も共同正犯に近いようだ。
・『第2のミネルヴァ事件が起きている可能性も  そのリーガルビジョンの親会社がRVHであったことはすでに述べたが、RVHはリーガルビジョンへの貸付金負担が重いなどの理由で株式を売却し、18年11月にトラストフィナンテック(株)〔渋谷区〕なる投資会社が新たな親会社となった。 トラストフィナンテックは、長野市で税理士事務所を経営する兼子修一氏が同年3月に設立したばかりで、TBSテレビ「サンデージャポン」にレギュラー出演する細野敦弁護士(元東京高裁判事)が監査役に就任している。 取材によれば、リーガルビジョングループの売り上げの7割は東京ミネルヴァに依存していたため、いちばん太い金づるを失った同グループも大打撃だ。 昨年3月末の東京ミネルヴァの未払金20億500万円の相手先はリーガルビジョングループの広告会社(株) Lawyer’s Agent〔港区(東京ミネルヴァと同所)〕が16億8800万円、キャリアエージェンシーが2億6000万円、DSCが5500万円となっている。 また、同グループについては業務の一部が非弁活動にあたる可能性も指摘されている。 一弁ならびに上部団体の日本弁護士連合会(日弁連、荒中会長)も、弁護士が広告会社に業務を丸投げしているうちに操り人形になってしまうという想定外の事態を問題視。 すでに東京ミネルヴァの社内資料をすべてリーガルビジョンの管理下にある事務所から運び出し、全容解明に乗り出しているもようだ。 一弁の寺前会長は「全国で広報活動を展開し、多数の依頼者から過払い金の請求やB型肝炎の裁判を受けたまま業務を停止した。調査の結果、過払い金の保管状況に不明な点があり、依頼者に返還することが困難な状態に陥っている疑いがあることも判明した。多数の依頼者に甚大な不利益を与えるもので弁護士法人として到底許されるものではなく、弁護士会としても厳粛に受け止めている」とのコメントを出した。 しかし、前出の事情通によれば「兒嶋氏の実質支配下にある事務所は東京ミネルヴァだけではない」という。 都内や大阪のいくつかの弁護士事務所と司法書士事務所が実質的に支配下にあるとされ、同様の問題が起きている可能性が高い。 士業の資金管理や外部業者への業務委託のあり方、弁護士法人や司法書士法人の財務諸表の会計監査・公開制度の必要性なども含めた抜本的な制度改革の議論が求められる。 「東京ミネルヴァ事件」は多数の被害者を出すことになっただけでなく、法曹界に難しい課題を突き付けたといえそうだ』、「東京ミネルヴァの未払金20億500万円」、この他に過払い金取り立てを依頼した被害者向けの債務もある筈だ。「弁護士法人や司法書士法人」の「抜本的な制度改革の議論が求められる」、これまで不正の余地があることに薄々気付きながらも放置してきた「法曹界」の責任は重大だ。
タグ:現代ビジネス TBSの罪は重い 長いものに巻かれる裁判官が評価される 『判例秘書』 官邸には警察出身の杉田官房副長官、和泉首相補佐官、さらにその上には北村国家安全保障局長までいる 警察はいまや「政権批判する者」を事前に取り締まり、拘束するという段階まで来ているということだろう 裁判官にとって「良心」とは何か 出資法違反(違法金利)容疑での逮捕歴もあるいわく付きの人物だ 弁護士法人や司法書士法人 霜田氏は、兒嶋氏の武富士時代の後輩で、DSCでも部下だった人物 東京国税局の査察 「合議」 30億円の流用で被害者は2万人か 破産手続きの開始決定 過払い金の返還請求を手掛け、積極的なテレビCMなどを行っていた 安倍首相の私兵として政権批判者を事前に取り締り始めた警察、全面協力するマスコミ 公安警察は・・・根拠もなしに『テロリスト』扱いするなどして無関係の人々の詳細な個人情報を好き勝手に扱ってきました 今回の無理やりすぎる逮捕は“安倍政権批判デモ”にプレッシャーをかけ、参加者に萎縮効果をかけるため、デモの中心人物や関係者を狙い撃ちしたとしか思えない 警察国家化 公安は、過激派どころか、普通に差別に反対しているだけの運動まで狙い撃ちし、微罪で逮捕したのだ 「警視庁の「しばき隊メンバー」逮捕は“安倍やめろデモ”潰しだった! 実家に車庫登録しただけで逮捕し実名報道、TBSは身柄移送映像を放送」 「過払い金CMの大手弁護士法人、「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇」 兒嶋勝氏 広告会社とは(株)リーガルビジョン 井出豪彦 「正解指向」の落とし穴 意見を引っ込めた方が楽 論理の組み立ては、過去の判例をそのまま借用 「法律の窓口」 訴訟で争われている事実関係はどうでもよく、執行猶予にするか実刑にするか、原告の請求を認めるか認めないかにしか関心がない 「裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実 「効率」と「出世」を重視すると…」 岩瀬 達哉 ダイヤモンド・オンライン ミネルヴァを支配した武富士の元支店長 司法研修所の研究会資料 注意した裁判長は、分をわきまえないけしからん奴となった これまで不正の余地があることに薄々気付きながらも放置してきた「法曹界」の責任は重大 東京ミネルヴァの未払金20億500万円 『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』 過払い金の流用は数年前から litera 抜本的な制度改革の議論が求められる 少なくとも30億円が弁護士法人を実質的に支配する広告会社により流用 最高裁の意向を斟酌し、進んで長いものに巻かれる裁判官の方が評価される傾向にある (その14)(警視庁の「しばき隊メンバー」逮捕は“安倍やめろデモ”潰しだった! 実家に車庫登録しただけで逮捕し実名報道 TBSは身柄移送映像を放送、裁判官がソフトで検索して「コピペ判決」を書いている…残念すぎる事実 「効率」と「出世」を重視すると…、過払い金CMの大手弁護士法人 「東京ミネルヴァ」破産の底知れぬ闇) 司法の歪み
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