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ハラスメント(その15)(「パワハラ死」の遺族までも追い詰める雲の上の絶対感、「泥沼パワハラ」にフタをする大手監査法人と大手法律事務所の暗い結託 「パワハラ防止法」は施行されたが…、【続報】「泥沼パワハラ」に怒るPwC社員たちから来た内部通報の嵐 「恐怖を感じている者が多数います」) [社会]

ハラスメントについては、1月8日に取上げた。今日は、(その15)(「パワハラ死」の遺族までも追い詰める雲の上の絶対感、「泥沼パワハラ」にフタをする大手監査法人と大手法律事務所の暗い結託 「パワハラ防止法」は施行されたが…、【続報】「泥沼パワハラ」に怒るPwC社員たちから来た内部通報の嵐 「恐怖を感じている者が多数います」)である。

先ずは、3月31日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「「パワハラ死」の遺族までも追い詰める雲の上の絶対感」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00068/?P=1
・『「和牛だけだとバランス悪いから魚介類も!」だのと不満が出たり、「密接して話したり、密集したり、密閉した空間は避けて!」と要請しながら、混み合った閣僚会議の映像やら政治家に接近した記者たちが映し出されたり。“雲の上”の方たちは、自分の言動が与える影響の重さを分かっているのだろうか。 「えっ、俺?俺、何かした?」って? なるほど。理解してないから、どこまでもふてぶてしく振る舞い続けるのだな、きっと。というわけで、今回は「上の言動の重さ」について考えてみようと思う。 といっても、「コロナ問題」についてではない。「パワハラ」である。雲の上の人たちが、無責任な言動を権力という魔物とともに行使すること=パワハラに、私は少々、いや、かなり憤っているのだ』、このブログではこの問題を「森友問題」として扱ってきたが、本稿は「パワハラ」に力点が置かれているので、こちらで紹介した次第である。
・『近畿財務局の男性が書き残したパワハラの構造  「最後は、下部がしっぽを切られる。なんて世の中だ。手がふるえる。怖い。命、大切な命 終止符」──。 限界ギリギリの中でこう書き残し、2年前の3月7日、ひとりの男性が命を絶った。彼が勤めていたのは、近畿財務局。財務省の指示による文書改ざん問題で、犠牲になった男性職員である。 ご承知の通り、男性の手記とメモは先日公表され、国会でも追及されている。 手記はA4判で7枚にも上り、冒頭には「苦しくてつらい症状の記録」と書かれていた。男性は「ぼくの契約相手は国民」という信条をどうにか貫きたくて、「まさに生き地獄」(男性の言葉)の中で、力の限りを尽くして“事実”を書き残したのだと思う。 そこにはことの顛末(てんまつ)が極めて論理的かつ時系列にまとめられていただけでなく、「これまでのキャリア、大学すべて積み上げたものが消える怖さと、自身の愚かさ」「家内にそのまま気持ちをぶつけて、彼女の心身を壊している自分は最低の生き物、人間失格」といった自分を責める悲鳴もつづられていて、彼の言葉の一つひとつが胸に刺さった。私の心の奥底には、“権力”というものへの怒りと絶望、胸をかきむしられるような感覚が残り続けている。 同時に、私はこれほどまでに、詳細かつ客観的に「パワハラの構造」が描かれたものを見たことがない。ただただ真面目に職務に向き合ってきた人が、上の一言で追い詰められ、恐怖に震え、おびえ、本当は生きたいのに、生きる力が萎えていくプロセスが残酷なまでに描かれていた。 手記を公表した記事には、パワハラで大切な人を失った家族の悲しみと、公表に踏み切るまでの心情の変化と苦しみも書かれていて、読んでいるだけで苦しくなった。まるで“セカンドレイプ“のようなことを、平気でするエゴイストたちの言動が書かれていたのである。 記事を書いたのはNHKで森友事件を取材し、その後記者を外され辞職したジャーナリストだ。彼が財務局職員の男性の手記を初めて目にしたのは、男性が亡くなって半年余りたった18年11月27日のことだったという。詳細は記事をご覧いただきたいが、公表に至るまでの経緯を知っておくことは、手記が公開された意義を理解する上で極めて大切なので短くまとめておく』、「男性は「ぼくの契約相手は国民」という信条をどうにか貫きたくて、「まさに生き地獄」・・・の中で、力の限りを尽くして“事実”を書き残した」、誠に痛ましい事件だ。「記事を書いた・・・ジャーナリスト」は、相沢冬樹氏で現在も現役を続けたいと、大阪日日新聞編集局長・記者として活躍中である。
・『その後の対応が公表へと気持ちを変えた  +元記者に会った日、男性の妻は「手記を元記者に託して夫の後を追おう」と考えていたが元記者の男性があまりに興奮して応じたため、「これは記事にしないでください」と言い残して、手記を持ち帰った。 +それから1年4カ月。「夫の職場だから大切にしたい」という男性の妻の気持ちを踏みにじるような態度を財務省と近畿財務局は繰り返した。 +「麻生大臣が墓参りに来たいと言っているがどうするか?」という財務省職員からの連絡に、「来てほしい」と答えたにもかかわらず、一方的に「マスコミ対応が大変だから断る」と告げられた。 +国会(当時)では麻生大臣が、「遺族が来てほしくないということだったので(墓参りに)伺っていない」と答弁し続けた。 ……その他にも多くの誠意のない言動が「当たり前」のように繰り返され、男性の妻の気持ちも変化。「真相を知りたい」といういちるの望みをかけて手記を公表し、裁判を起こす決意したのだという。 しかしながら、安倍晋三首相らは「調査は行わない」「自分の発言が問題ではない」などと繰り返し発言。亡くなった男性の妻が、以下のメッセージを元記者に送り、こちらも公表されている。 「安倍首相は2017年2月17日の国会の発言で改ざんが始まる原因をつくりました。麻生大臣は墓参に来てほしいと伝えたのに国会で私の言葉をねじ曲げました。この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではないと思います」 男性の妻は、至極当たり前のことを言っていると映る。だが、雲の上の人には永遠にそれが分からない。この問題をパワハラの告発文と捉えると、パワハラが後を絶たない理由が実によく分かるのではないだろうか。 ――結局、これらの不正行為などに関わった銀行員は、銀行のためでもなく、顧客や取引先等のためでもなく、自己の刹那的な営業成績のため(逆に成績が上がらない場合に上司から受ける精神的プレッシャーの回避のため)、これらを行ったものと評価される。 決して、違法性があるかどうか分からなかったとか、会社の利益のためになると思ってやったなどというものではない。―― これは2018年に発覚したスルガ銀行の「不適切融資」で、第三者委員会が公表した調査報告書に書かれている一部だが、報告書では経営陣のことを「雲の上から下界を見ているような人たち」と表現した。「雲の上から下界を見ているような人たち」だった経営陣は、「上納金」さえちゃんと納めてくれればその手段を問わなかったとされている。 スルガ銀行も問題の発端となったのは「組織の不正」だった。だが、第三者委員会の報告書に描かれていたのは、エゴイストが権力を持った組織で常態化するパワハラだったのである。 「なぜできないんだ、案件を取れるまで帰ってくるな」と首をつかまれ壁に押し当てられたり、「(数字が達成できないなら)ビルから飛び降りろ」と罵声を浴びせたられたり、昼食にも行かせてもらえず、深夜まで仕事させられることが、退廃した組織の異常な“当たり前”だった』、「スルガ銀行・・・第三者委員会の報告書に描かれていたのは、エゴイストが権力を持った組織で常態化するパワハラだった」、外部から見れば、異常そのものだが、内部では「常態化」するのが組織の実態だ。
・『トップの一言が人生を狂わせる  確かに、スルガ銀行と財務職員の男性がされたパワハラとでは、形は違うかもしれない。だが、自分に利を運ぶ人を善としたエゴイストが雲の上で指揮を執る組織では、倫理観や道徳心が失われていく。トップが、階層組織の上の人たちが、金や権力などの褒美をひとつ、またひとつ、と手に入れるうちに、誠実さや勇気、謙虚さといったエゴを制御する力が崩れ、組織は悲惨な末路をたどることになる。 「それっておかしい」と反抗していた人でさえ上からのプレッシャーに耐えられず、「自分を守る」ために上司の奴隷となる。そして、その中で、そう、そんな周りが腐っていく中で最後まで、自分の正義を通そうとした人が、精神を病み、身も心も破壊される。 真面目で、職務に忠実で、家に帰れば優しい夫(妻)であり、自慢の息子(娘)が、トップ=雲の上の人のたった一言で人生をめちゃくちゃにされてしまうのである。 もちろん“雲の上”の狡猾(こうかつ)なやからだって、最初から悪人だったわけではないだろう。しかしながら、人はしばしば自分でも気がつかないうちに「権力」の影響を受けるものだ。そして、権力で生じる「絶対感」に酔いしれたら最後。「人の命」すら軽んじる、退廃した組織ができあがっていく。 権力による「絶対感」は精神的かつ主観的感覚なので、強弱のいかんは個人的要因に強く左右され、「公益への貢献より私益を追求」する権力志向が強い人は絶対感を抱きやすく、「私益より公益の追求」を重んじる人は絶対感を抱きづらいとされる。 しかしながら、両者は相反する志向ではなく、むしろ共存する欲求であるため、どちらが優勢になるかは、その個人の資質以上に組織風土や組織構造などの環境要因が影響する。 財務省の男性の手記に描かれていたのは、まさにその環境要因=組織構造の影響力の強さだった。 手記によれば、近畿財務局内の職員の誰もが虚偽答弁を承知し、違和感を持ち続けていたという。しかしながら、近畿財務局の幹部をはじめ、誰一人として本省に対して、事実に反するなどと反論(異論)を示すこともしないし、できなかった。本省と地方(現場)である財務局との圧倒的な力関係と、キャリア制度を中心とした組織体制がそうさせたのだ』、「権力で生じる「絶対感」に酔いしれたら最後。「人の命」すら軽んじる、退廃した組織ができあがっていく・・・「公益への貢献より私益を追求」する権力志向が強い人は絶対感を抱きやすく、「私益より公益の追求」を重んじる人は絶対感を抱きづらいとされる・・・どちらが優勢になるかは、その個人の資質以上に組織風土や組織構造などの環境要因が影響」、組織の力学は複雑だ。
・『タテ組織の構造自体がパワハラの土壌  男性は手記の最後に、「事実を知り、抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきたが、事実を、公的な場所でしっかりと説明することが、今の健康状態と体力ではできない。この方法を取るしかなかった」との思いを記している。 権力(power)の働きがシステマチックに埋め込まれた組織、とりわけ大きな組織ほど、意思決定の特権は一部の権力者に占有化され、周りはそれに黙従せざるを得ない。この非対称の人間関係が生まれてしまう“リアル”を、男性は手記に詳細にしたためていた。 かつて人類学者の中根千枝氏は、日本の社会構造を分析し「タテ社会の人間関係」という名フレーズを生み出した。当時、その構造は「官僚にしか当てはまらない」という批判もあったが、その一方で、「日本企業は官僚化している」という表現は企業批判の決まり文句となった。 「親分・子分」「先輩・後輩」「上司・部下」といったタテの強い序列でつながっている組織では、権力の独占が起こりやすい。人間関係は常に接触の長さと濃密度で決まり、“上”と頻繁に接触をし、社内政治に精を出したやからが評価される。 これだけ時代が変わり、働き方が変わったのに、相も変わらず“クラブ活動”や“ゴルフ外交”、“マージャン外交”に精を出す人は健在だし、そういう部下を休日の私的な集まりに呼びよせ「俺の右腕だぜ」と自慢する人も一向に後を絶たない。 つまるところ、タテ型の組織に適応するための最良の手段が「忖度(そんたく)」であり、それが権力者の絶対感を助長する。ひとたび絶対感がもたらす恍惚(こうこつ)を味わった権力者は、次第に権力を組織ではなく自分のために衝動的に行使するようになる。粗暴に振る舞い、倫理にもとる行動をとる。 やがて、パワハラをパワハラと知覚できない「雲の上から下界を見ているような人」による、「雲の上から下界を見ているような人」のための組織が出来上がってしまうのだ』、「タテ組織の構造自体がパワハラの土壌」、同感である。
・『パワハラは組織の問題との認識を  これまで私は何度もパワハラ問題を取り上げてきた。パワハラは加害者と被害者という二者の間で行われるものだが、パワハラは組織の問題とし「組織的パワハラ」という言葉を使ってきた。 しかしながら、残念なことにこれだけパワハラが社会問題になってもパワハラを原因の一つとする「過労自殺」が繰り返され、そのたびに会社はコメントを出すだけで組織の責任者が顔を見せることはない。 どうかいま一度、トップは組織全体を見渡し、無用なタテはヨコに広げ、権力が「自分」に集中しないよう分散してほしい。パワハラで大切な命が失われることのない「組織構造」を作ってほしい。そういった目線で、命を絶った男性の手記をぜひ、読んで欲しいと思う』、「パワハラは組織の問題との認識を」、当然のことなのに、「会社はコメントを出すだけで組織の責任者が顔を見せることはない」、のであれば、「組織の問題」は温存されてしまう。トップの真摯な対応が何よる求められている。

次に、6月29日付けPRESIDENT Onlineが掲載したジャーナリストの山口 義正氏による「「泥沼パワハラ」にフタをする大手監査法人と大手法律事務所の暗い結託 「パワハラ防止法」は施行されたが…」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/36599
・『コンプライアンスの守護神であるはずの大手監査法人  6月1日、パワハラ防止法(労働施策総合推進法)が施行された。だが、企業のコンプライアンス(法律遵守)の守護神であるはずの大手監査法人の足元でパワハラの泥沼トラブルが起き、大手法律事務所とタッグを組んで、当事者の女子社員に対し6月8日に解雇を通知した。灯台下暗し——口と腹が真逆を向いていることがバレてしまっては、この先、彼らはどんな顔をしてクライアントと向き合うのだろうか。 経営幹部の不正を指摘した女性社員との間で泥沼の争いを演じているのは、会計監査や経営コンサルティング大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)グループである。PwCが英国を拠点として企業経営や監査といった分野で世界的な会計事務所であることは改めて説明する必要はないだろう。 日本では監査部門ではPwCあらたやPwC京都といった監査法人を傘下に従え、M&Aや法令順守、危機対応などのコンサルティング企業も抱えている。他の監査法人がそうであるように、企業に対してESG(環境・社会・ガバナンスといった社会的責任)投資やSDGs(持続可能な開発目標)、D&I(組織の多様性促進)の助言も行っている』、「PwC」で「パワハラ」とは驚いた。監査法人は、分権的な組織とはいえ、英国本社は何をしているのだろう。
・『米国へ出張した際の旅費精算に、部下が疑いを持った  問題はPwCグループの人事・総務・経理といったバックオフィス部門を統括するPwC Japan合同会社で起きた。PwCコンサルティング合同会社のパートナーである堤裕次郎常務執行役らが2019年1月に米国へ出張した際の旅費精算に、部下が疑いを持ったことだった。 堤氏らは米金融機関が企業や投資家向けにサンフランシスコで開いたミーティングに参加したことになっていたが、このミーティングに参加資格がなく、実際に参加もしていなかったことが発覚。週末バカンスを米国で楽しむための「出張旅行」だった疑いが持ち上がった。 これを指摘した女性社員のAさんに対して、堤氏は「会社が週末の経費を負担するかどうかは、どうでもいいことだ」と怒り、出張報告書の提出さえ拒んだ。PwCでのAさんに対する嫌がらせはここから始まった。人事評価の取りまとめ役として新しくAさんの上司となった永妻恭彦ディレクターは、Aさんが人事部から催促されていた業績目標設定に応じようとせず、昨年3月にAさんはPwCから退職勧奨を受けてしまう』、「堤氏」が「出張報告書の提出さえ拒んだ」にも拘らず、「旅費精算」は行われたのだろうか。「Aさん」が「業績目標設定に応じようとせず」、にはどんな理由があったのだろうか。
・『労働審判ではAさんの訴えが認められ、PwCは“敗訴”  裁判資料によると、PwCが挙げた退職勧奨の理由は、①AさんがPwCの企業文化に合わない、②過去の上司と相性が悪かった、③(インフルエンザで学級閉鎖となったため、やむを得ず)当時小学生だった子どもを社内に連れてきた、④PwCのパートナーでもないのに、イベントに顧客を招待した――といった曖昧だったり、事実と食い違ったりする内容ばかりだった。早い話が、PwC側は合理的な説明ができていない。 事は労働審判に持ち込まれた。その審判の場で、永妻氏が「Aさんが堤氏らの不正な旅費請求を指摘したことで堤氏の反感を買い、堤氏がAさんとの仕事を望まなくなった」と証言したのだ。正直というか、支離滅裂というか、先の退職勧奨理由を事実上、否定したことになる。出張旅費の不正な請求が、Aさんに対する嫌がらせの理由であることがこれではっきりしたと言っていい。 PwCはAさんに対して“兵糧攻め”に出た。永妻氏は、理由を示さないままAさんの業績を5段階の最低レベルと評価。昨年7月にマネジャーとしての最高位から一気に3段階降格という処分を打ち出し、これに伴って年棒も大幅に引き下げた。前後の脈絡から考えて、パワハラととられてもおかしくない処遇である』、「Aさん」が「マネジャーとしての最高位」だったのを、「一気に3段階降格・・・これに伴って年棒も大幅に引き下げた」、不当労働行為そのものだ。
・『英紙FTも「四大監査法人の隠れた不祥事」の一例として報道  労働審判は昨年12月にAさんの訴えが認められ、PwCは“敗訴”した。ところが、PwCは審判結果に不服を申し立て、争いの場は東京地裁での民事裁判に移った。Aさんは原告として今年2月に訴えを起こし、労働審判と同じく地位の確認や本来受け取るはずだった給与や賞与の支払い、私物の返却を求めることにした。 6月1日のパワハラ防止法施行など、PwCはどこ吹く風で、同8日にAさんに対して解雇通知を突きつけ、「排除の論理」を貫こうとしている。この件は昨年11月20日付の英経済紙フィナンシャル・タイムズでも、「四大監査法人の隠れた不祥事」の事例のひとつとして報じられた(タイトルはBetrayed by the big four : whistleblowers speak out)。 PwCの元幹部は筆者の取材に対し、こう言って眉をひそめる。 「近年PwCではグローバル・チェアマンのボブ・モリッツ氏や木村浩一郎 PwC Japan代表執行役のもとでESG、SDGsやD&Iなど、理念としては美しいメッセージをメディアに向けて活発に発信しているが、対外的なメッセージと実態の乖離かいりが大きくなりすぎ、PwC社内では困惑の声が多く聞かれる。これでは監査法人としてガバナンス、内部統制や法令順守などの問題を、クライアントに対してけん制することが難しくなってしまう」』、「PwCの元幹部」の発言はその通りだ。
・『弁護士たちは「中立的な立場で調査している」と説明したが…  苦笑せずにいられないのは、PwCはHP上に「社会と環境に及ぼす影響を配慮し、“Do the right thing”(正しいことをする)の組織文化に基づき、倫理観や誠実さをもってビジネスを遂行します」と高らかにうたい、その行動規範には「(正しくないと感じる状況に遭遇した場合は)声を上げましょう」とも書かれていることだ。社内でやっていることと、顧客に助言している内容とが正反対であろう。 日本で企業統治が機能不全を起こしたままなかなか改善せず、内部統制も形だけのお題目に過ぎないのは、その一因として会計事務所のこうした体たらくが横たわっているからであろう。彼らが企業統治やESG、SDGs、D&Iについて顧客企業に助言したところで、空々しいだけで説得力を持つまい。 さらに問題を根深くしているのは、森・濱田松本法律事務所と高谷知佐子、吉田瑞穂、武田彩香、松本亮孝弁護士らの存在だ。武田・松本の両弁護士は当初、Aさんに対して「PwC Japan合同会社から独立し、中立的な立場で調査している」と説明し、個人情報を引き出しておきながら、Aさんが労働審判を申し立てるとPwCの代理人に転じてAさんを攻撃し始めた。 しかも通報内容についての調査報告書をAさんには開示せず、高谷・吉田両弁護士も労働審判ではPwC側に回って答弁書を提出。不信の念を募らせたAさんは3月に第二東京弁護士会に対して弁護士4人と森・濱田松本について懲戒請求書を提出し、受理された』、特に「武田・松本の両弁護士」の悪質ぶりは、「懲戒」に値しそうだ。
・『5月にはAさんが金融庁に「公益通報」を提出  PwCの木村代表執行役についても日本公認会計士協会が懲戒請求書を受理しており、5月にはAさんが自身に対するPwCの業績評価には問題が多いとして、金融庁に公益通報を提出している。大手会計事務所と大手法律事務所が結託して問題にふたをするという構図にメスが入る可能性が高まってきたのだ。 筆者の取材に対してPwCは「係争中のため、現時点では詳細なコメントは控えますが、本人(筆者注:Aさんを指す)の主張は著しく事実と隔たりがあり、かつ降格や解雇事由とは無関係ですので、弊社としても困惑しております。裁判において事実関係と当方の主張を明らかにしていきます」と説明する。 会計監査に加えて、コンサルタント業務を手掛けるPwCグループにとって、この件は業務の根幹や信頼を揺るがす失点になりかねない。加担する森・濱田の「パワハラ」ビジネスも含めて、今後さらに詳細を暴露していこう。資料は山とある。 経営幹部の不正をただすこともせずに、公益通報者の口を封じ、パワハラまがいの降格や解雇に出たのだから、そうした懸念も当然だろう』、「日本公認会計士協会が懲戒請求書を受理」、「金融庁に公益通報を提出」、賢明なやり方だ。今後の展開を注目したい。

第三に、この続きを、7月17日付けPRESIDENT Online「【続報】「泥沼パワハラ」に怒るPwC社員たちから来た内部通報の嵐 「恐怖を感じている者が多数います」」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/37171
・『PwC関係者から毎日のようにある「情報提供」の切実さ  6月29日に「『泥沼パワハラ』にフタをする大手監査法人と大手法律事務所の暗い結託」をプレジデントオンライン上に掲載した。 世界四大会計事務所の一角であるプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の日本法人でパワハラが横行し、一人の女性社員に対して不当な降格や退職勧告、そしてついには解雇が突きつけられた。その過程で大手法律事務所の森・濱田松本の弁護士が中立を装ってこの女性社員から事情を聞き出すと、労働審判ではPwC側の弁護に回って女性を攻撃し始めた――という内容である。 記事掲載を受けてPwCでは、社員に向けて「記事の内容は事実と大きく乖離があり、当グループの名誉を著しく棄損するものです。また、個人名を挙げての誹謗中傷など看過し難い内容も含まれており、大変遺憾です」とのメールを送信。7月7日には木村浩一郎代表も同様のメールを社内に向けて送信した。 さらにAさんの上司で、PwCグループのマーケティング部を統括する森下幸典パートナーは部内の会議で、筆者の記事が事実無根であること、(女性社員にパワハラを加えた)永妻恭彦ディレクターへの名誉棄損であること、Aさんはあらゆる職務規定違反をしたため当然の降格人事であったと発言。今後、自分自身の名前が報道される可能性もあるが、まったく会社的にも個人的にも問題にはしていない。会社が自分や永妻氏を処分する理由はひとつもないし、PwCは正しいことをしているので、安心して業務に励むようにと伝えたそうだ。前回記事ではその名に触れなかった森下氏が自らこうした説明をしたのだから、パワハラ問題の責任が誰にあるのか、語るに落ちるとはこのことだろう。 さらにPwCでは同じくパワハラ問題を報じようとした英国紙に対しても、この問題を記事にしないようプレッシャーをかけたと聞く。 無駄なことだ。 記事がこのサイトにアップロードされた直後から、筆者のSNSやプレジデントオンライン編集部には情報提供を申し出るPwC関係者からのアクセスが毎日のように寄せられており、到底隠しきれるとは思えないからだ』、「PwC」が内部向けに釈明したのは、組織防衛上、当然のことだろう。「筆者のSNSやプレジデントオンライン編集部には情報提供を申し出るPwC関係者からのアクセスが毎日のように寄せられており」、今後も面白いタレコミがある可能性もありそうだ。
・『弁護士費用は経理担当者さえ何の支出か分からない費目に  寄せられた情報によれば、記事で触れた女性社員Aさんの身に何が起きたのか社内で知らされることもなければ、話題にすることもためらわれるタブーになっているとのことだ。PwC内部ではAさんに関連した訴訟で発生した弁護士費用が目立たないように処理され、経理の者さえ何の支出か分からない費目になっていた。弁護士費用として計上してよいとの指示が出たのは、2020年6月期末が迫った頃からだったという。 さらにAさんに対する人事評価でも機微に触れる部分は社内でメールのやり取りはせず、「口頭のみや、短期間で履歴の消える社内チャットツールを使っている」(PwC関係者)と言うから、組織ぐるみでパワハラを行い、これを隠そうとしていると見られても仕方ないだろう。 こうした内部情報の提供は量が増えるとともに多角化しており、点が線になり、線が面になった。面はすでに立体になりつつあると言っていい状況である。今後は告発内容がさらに多角的かつ重層的になるだろう。パワハラが社員の心と体を疲弊させ、通院している社員や、退職を余儀なくされた社員も少なくない。それだけに社内の不満が鬱積しているのだ。しかし社員を退職に追い込んだ幹部が昇格しており、特にマネジャー職以上に問題が多いという』、「パワハラが社員の心と体を疲弊させ、通院している社員や、退職を余儀なくされた社員も少なくない。それだけに社内の不満が鬱積している」、「今後は告発内容がさらに多角的かつ重層的になるだろう」、楽しみだ。
・『まるで「オリンパス事件」を上からなぞるような展開  PwCのパワハラ問題で特徴的なのは、記事を読んで情報提供を申し出た人たちのうち、女性の割合が高いことだ。PwCに女性社員が多いことばかりがその理由ではあるまい。パワハラは古い時代の男社会が抱え続けてきた長患いの病いであり、これに女性が反旗を翻し始めたのではないか。そしてこれは「組織が持続可能性やガバナンスの健全さを保つためには、多様性を重視して取締役に女性を積極的に登用せよ」という社会や投資家の要請にも通じているのだろう。 彼女ら告発者は思い出させてくれる。ちょうど9年前の今頃、筆者がオリンパスの損失隠しをスクープしたときの展開を。オリンパスの社員たちのうち、ある者は「極秘」と印が押された決定的な内部資料を筆者に提供してくれたが、これはほんの序の口だった。別の社員はICレコーダーで録音した社内会議の音声データをUSBメモリに落として匿名で筆者に郵送してくれたし、印刷した痕跡を残さないためにパソコンの画面をこっそりスマートフォンで写し、フリーメールのアドレスを用いて送信してくれた社員もいた。 告発者のデジタル武装化が進んでいる今、漏れては困る秘密を完全にガードするのは不可能と言っていいだろう。現に前回記事で登場した、パワハラの被害者である女性社員のAさん本人さえ入手できない内部資料も手に入った。 情報提供者らはPwCグループ内の複数の合同会社にまたがっており、互いに見ず知らずの間柄だが、「このままではいけない」という意識を共有し、口々にそれを筆者に聞かせてくれた。オリンパス事件を上からなぞるような展開だが、今回の場合、情報提供者がヒートアップするのは、オリンパス事件よりもはるかに早い』、「パワハラの被害者である女性社員のAさん本人さえ入手できない内部資料も手に入った。 情報提供者らは・・・「このままではいけない」という意識を共有し、口々にそれを筆者に聞かせてくれた」、面白い展開になってきたようだ。
・『社員満足度調査は「不満分子をあぶり出すための仕組み」に  ある情報提供者は「これはガバナンスの問題」だという。そうだろう。PwCにはパワハラなどの問題を通報するホットラインもあるが、「実際には機能していないことは、社員のみんなが分かっているから使おうとしない」。 経営上層部に社員の声が届くはずの社員満足度調査という仕組みも設けられているが、「パワハラが横行して、社員の退職が後を絶たないことをここに書き込んだ複数の社員たちに対して、いずれも退職に追い込まれた。ヒアリングさえ行われないままだった」という。社内の不満分子をあぶり出すためのゲシュタポのような仕組みなのだ。 なぜPwCではパワハラがここまで横行するようになったのか。PwCはこの数年、組織が肥大化しており、内部統制がこれに追いついていないのに加え、新型コロナウイルスの感染拡大により、経済の先行きを厳しく見なければならないことが響いているようだ。 PwCは常々「パワハラを許さない」と言い、パワハラ撲滅のためにやってはいけないことや、使ってはいけない言葉などを具体的に列挙したガイドラインを設けている。6月のパワハラ防止法施行のタイミングでも詳細なガイドラインの更新が行われているほどだが、声を上げた社員は退職に追い込まれているのが実態だという。 ある男性の情報提供者は「パワハラ行為を明示することで、違法すれすれのパワハラを逆説的にガイドライン化しているようなもの」と言い、いかにも法律の専門家が指南しそうな悪知恵だ』、「社員満足度調査は「不満分子をあぶり出すための仕組み」に」、恐ろしいようなゲシュタポ組織だ。
・『「報道の力をお借りして、なんとか彼らを糾弾いただきたい」  PwC広報担当者は上記の森下氏の発言内容や弁護士費用の処理方法、内部通報用のホットラインが機能していないことについて全否定し、「記事の内容は事実とかけ離れており、当グループとしては極めて遺憾に思っております。元職員とは裁判手続を通じて係争中のため、事実関係についての詳細な説明は差し控えますが、記事の内容は降格および解雇に至った理由と経緯について、元職員の主張のみに依拠しており、事実とは著しく異なっております」と説明している。 しかし別の情報提供者は筆者にこう訴えた。 「オリンパスのような社会的にもインパクトのある大事件と比べると、ささいなパワハラ問題かもしれません。しかし、社内にはこういった上層部の対応、態度に腹立ち、あきらめ、恐怖を感じている者が多数います。報道の力をお借りして、なんとか彼らを糾弾いただきたいと切に願うばかりです。どうぞよろしくお願いいたします」 痛切でさえある。だが、ドイツのワイヤーカードの不正見逃しで矢面に立つアーンスト・アンド・ヤングという直近の例もある。監査法人の「闇」が暴かれる時は近い』、「監査法人の「闇」」、解明を大いに期待したい。
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