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EC(電子商取引)(その6)(北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り 「アマゾン依存」のリスク、「楽天PCRキット販売中止」に学ぶ、ニセ医者を見抜くシンプルな方法 「海外の名門」に弱い日本人、アリババと京東「ライブコマース」強化の狙い 「618セール」の目玉に掲げて火花を散らす、「ZOZO離れ」に「アパ直」 企業の脱プラットフォームが進むワケ) [産業動向]

EC(電子商取引)については、3月4日に取上げた。今日は、(その6)(北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り 「アマゾン依存」のリスク、「楽天PCRキット販売中止」に学ぶ、ニセ医者を見抜くシンプルな方法 「海外の名門」に弱い日本人、アリババと京東「ライブコマース」強化の狙い 「618セール」の目玉に掲げて火花を散らす、「ZOZO離れ」に「アパ直」 企業の脱プラットフォームが進むワケ)である。

先ずは、5月7日付け東洋経済オンライン「北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り、「アマゾン依存」のリスク」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/348077
・『新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛要請を受け、日本でもネット通販(EC)への需要が急増している。 そんな中、中小EC事業者向けのプラットフォームを手がけるカナダのShopify(ショッピファイ)が4月7日、楽天のマーケットプレイスである「楽天市場」とのシステム連携を発表した。北米で楽天市場を利用するEC事業者を増やしたい楽天と、日本におけるビジネスを拡大したいショッピファイの思惑が合致した形だ。 ショッピファイは、EC事業者向けに商品の在庫管理から配送や決済まで管理するシステムを、定額課金(サブスクリプション)で提供しているSaaS企業だ。複数の決済手段や言語に対応した自社ECサイトを、初期費用を抑えて構築できるだけでなく、見た目や機能を自由にカスタマイズ可能なため、中小事業者を中心にショッピファイの利用は広がっている。 また、マーケットプレイスと違い、サイトでの販売額に応じた手数料がかからず、ユーザーの購買データも自社で蓄積可能な点もメリットだ。EC最大手であるAmazon(アマゾン)以外の販路を求める北米のEC事業者から支持を得ており、「アマゾンキラー」とも呼ばれている。 2019年末時点で100万以上の事業者がショッピファイを利用しており、とくに新型コロナの感染拡大が始まってからの新規契約先の増加は顕著だという。2015年にトロント証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場しており、2020年4月末時点での時価総額は730億ドルを超えている。 楽天市場との連携を通じて、ショッピファイは何を目指すのか。日本のカントリーマネージャーを務めるマーク・ワング氏にその真意を聞いた(Qは聞き手の質問、Aはワング氏の回答)』、「ショッピファイ」と「楽天市場との連携」とは面白い展開だ。
・『マーケットプレイスだけが欠けていた  Q:ショッピファイが楽天市場と連携する狙いはどこにあるのでしょうか? A:ショッピファイはマルチチャネルのプラットフォームであり、EC事業者に多様な販売チャネルを提供することをミッションとしている。日本では、自社ECサイトはもちろん、FacebookやInstagramを通じた販売、Google Shopingなどにもすでに対応している。ただそうした中、唯一欠けていたのが大手マーケットプレイスとの連携だった。 今回の連携によってショッピファイを利用するEC事業者は、われわれのシステムを通じて自社サイトと楽天市場の情報や在庫を一元管理できる。つまり、ショッピファイを使えば管理の負担を増やさずに、(自社サイトと楽天市場の)両方で販売できるようになるので、より大きな価値をEC事業者に提供できるようになったと考えている。 また、越境ECにおけるショッピファイのプレゼンスを高めることもできそうだ。アメリカでは何十万というEC事業者がショッピファイを利用しているが、その中には、売上の50%以上を日本で稼いでいるという事業者も少なくない。そうした事業者が楽天市場を販売チャネルに加えられれば、日本でのさらなる成長を目指せる。日本に進出していない事業者にとっても、世界で4番目に大きなEC市場である日本に楽天市場を通じてモノを売れるようになる。 われわれの考えを理解してくれたのが楽天だった。正直なところ、ショッピファイという企業やサービスを知らない日本の企業も非常に多い。ショッピファイが日本での事業を自分たちだけで拡大していくのは難しい。一方で楽天は、日本の消費者や事業者からいちばん信頼されているブランドだ。その楽天と協業することで、そうした日本の伝統的企業にもアプローチしていきたい。 Q:世界最大のECプラットフォーマーはアマゾンであり、日本における存在感も大きいです。アマゾンと組んだ方がメリットを出せるように思えますが、なぜ楽天なのですか。 A:ショッピファイを利用するEC事業者は総じて、自分たちのブランドイメージを重視している。アマゾンの場合、どんな商品も同じ形式、同じデザインで表示されるが、楽天市場は違う。出店者ごとにサイトデザインが異なっており、アピールしたい内容に合わせてカスタマイズできる。 出店するEC事業者が1億人規模の消費者にリーチしつつ、かつ自分たちのブランドを維持できるのは楽天市場だと考えた。 企業理念や経営哲学も楽天と一致している。ショッピファイは、小さな事業者がブランドをつくる力を信じるという経営哲学を持ち、楽天は出店者とともに成長していくことをミッションに掲げる。どちらもEC事業者を支援する点で共通している』、「ショッピファイは、小さな事業者がブランドをつくる力を信じるという経営哲学を持ち、楽天は出店者とともに成長していくことをミッションに掲げる。どちらもEC事業者を支援する点で共通している」、偶然とはいえ珍しいことだ。
・『当面は楽天との連携に注力  Q:今後もアマゾンとの提携に踏み切る可能性はない? A:ショッピファイはEC事業者がマルチに販売チャネルを持つことの重要性を理解しているので、他のマーケットプレイスを排除するつもりはない。EC事業者にスケールメリットを提供できるならば、どんなパートナーとも組む。 ただ、当面は楽天との連携強化に注力したい。楽天市場とのシステム連携には合意までに2年ほどかかっており、システム構築にはさらに7カ月ほどかかっている。連携にはそれだけ複雑で重厚なシステム改修が必要であり、販売チャネルを増やすことは非常に大きな投資も伴う。マーケットプレイスとのシステム連携については、数を追うことでサービスの質を落とすようなことはしたくない。 Q:昨今は自社で企画・製造した商品をSNS等で宣伝し、自社ECサイトで販売する「D2Cブランド」が存在感を増しています。そうした事業者の中には、楽天などのマーケットプレイス色がつくことを嫌がるケースもあります。 A:確かにショッピファイでも、マーケットプレイスを嫌う事業者が存在する。一方で、マーケットプレイスと自社ECサイトを並行して運用している事業者もたくさんいるし、リソースが限られる中で自社ECサイトを優先してマーケットプレイスの運用を半ばあきらめている事業者もいる。事業者にもいろいろなパターンがあるということだ。 楽天との連携により、自社ECサイトだけでなく楽天市場のサイトも、ショッピファイのシステムを通じて一元管理できるようになった。マーケットプレイスでの販売も容易になったことで、EC事業者に大きなメリットを提供できるようになるはずだ。 また、マーケットプレイスに出店することでブランドに対する認知度が増し、消費者からの信頼を得やすいというメリットがある。マーケットプレイスを嫌っていた事業者も、そうしたメリットを享受することで考えを変えるかもしれない。  Q:新型コロナの感染拡大に伴い、ECへの需要が急拡大しています。業況は変わりましたか? A:世界中でリアルの小売店舗が営業自粛や閉鎖を余儀なくされている中、販路確保のためのオンラインシフトが急速に進んでいる。例えば3月2日から4月12日までの6週間で、ショッピファイを利用し、新たにECサイトを立ち上げた事業者(の数)は全世界で(それ以前と比べて)75%増えた。2019年の1年間での増加率は25%ほどだったので、3月からの伸びがどれだけ大きかったか分かるだろう。 またショッピファイで初めて購入したユーザーの数も、同期間中におよそ78%増えている。これまでECを利用したことがなかった人も、新型コロナを機にオンラインでモノを買うようになった。その証拠に新規ユーザーからの注文は同期間、20%ほど増えている。既存ユーザーへの販売も増えており、25%ほど増えている』、「楽天」との「システム構築にはさらに7カ月ほどかかっている。連携にはそれだけ複雑で重厚なシステム改修が必要」、「システム構築」にそんなに時間がかかるとは驚かされた。「新型コロナの感染拡大に伴い、ECへの需要が急拡大」、確かに想像以上に伸びているようだ。
・『外出自粛で編み物やパズルが売れている  Q:売れている商材やカテゴリーに傾向はありますか? A:外出自粛などもあって、自宅でできる娯楽関係の商品を買い求めるユーザーが増えているようだ。3月30日から4月5日までの1週間で、編み物関係の商品やジグソーパズルが従前の10倍以上売れている。ボードゲームやウェイトリフティング関連の商品も6倍以上の売りゆきだ。 新型コロナウイルスの感染拡大への対応策も進めている。例えば、商品受け取り時の接触を極力避ける方法として、「カーブサイド・ピックアップ」という、ドライブスルーのように受け渡しができる機能を提供し始めた。ユーザーがオンライン上で使えるギフトカードを、発行して販売できる機能も無償で事業者に提供し始めた。 人と対面で会えない中、バーチャルでギフトカードを贈れるようにすることでEC事業者の売上拡大に寄与したい。ユーザーとのコミュニケーションをEC事業者がとれるよう、メールマガジンなどを管理する機能の提供を前倒しにした。本来、2500通を超えるメールマガジンを送信すると追加費用がかかるが、2020年5月2日から10月1日の期間中はその上限がなく、事業者は完全に無料で同機能を利用できる。 Q:「コロナ後」のビジネスのあり方はどのように変わりますか。 A:それはまだ誰にもわからない。ただ、1つ間違いないのは、企業のECに対する考え方が変わる、ということだ。小売り事業を営む企業にとって、ECはなくてはならない存在になる。 日本やアメリカの小売店には、これまでオンラインでの販売を重視してこなかったところも多い。これからは、オンラインファーストになるか、オンラインで追加の売り上げを得られるようにするか、いずれかの戦略を採らざるをえないだろう。 こうしたオンラインシフトを小売店が実現するには、マーケットプレイスやプラットフォームの存在が不可欠だ。ショッピファイでも従来のようなECだけでなく、リアル店舗における購買体験に近いものをオンライン上でユーザーに提供することを目指している。商品を3Dモデルやビデオを使って紹介する機能などがその一例だ』、「オンラインシフトを小売店が実現するには、マーケットプレイスやプラットフォームの存在が不可欠だ」、なるほど。
・『「アマゾン一強」は続かない?  Q:バンク・オブ・アメリカの試算によると、アメリカのEC市場におけるアマゾンのシェアは約44%にのぼり、小売大手のウォルマート(約7%)やEC大手のイーベイ(約5%)などの競合を大きく引き離しています。2020年1月から3月までのEC関係の売上高は511.3億ドル(前年同期比25.8%増)とアマゾンの勢いは止まりません。コロナ後も「アマゾン一強」なのでしょうか? A:アメリカではアマゾンが実質上唯一のマーケットプレイスで、確かに市場の半分以上を占めていると思われる。だが足元では、新型コロナの影響で(注文が殺到し)、ユーザーがアマゾンで商品を買うことが難しくなっている。一時期は注文した商品が到着するまでに2~4週間もかかるような状態だった。 また、多数の中小EC事業者の在庫管理等を支援しているわれわれとは違って、アマゾンのフルフィルメント(在庫管理・物流)サービスは今や大手事業者しか使うことができなくなった。 アメリカにおいてアマゾンはいわば「単一障害点(ある1点が機能不全に陥るとシステム全体が機能しなくなること)」となっており、一大プラットフォーマーに頼りきりになることの社会的リスクが、新型コロナで明らかになったといえる。 ショッピファイは以前から、小売り事業におけるマルチチャネル化の必要性を訴えてきた。今まさに、われわれの言ってきたことが正しかった、と証明されたといえる。これからは、販売チャネルをいかに多様化していくのか、収益源を分散していくのかが小売事業者にとっての生命線となるはずだ』、「アマゾン一強」から「販売チャネル」の「多様化」が進むのか、大いに注目したい。

次に、5月9日付けPRESIDENT Onlineが掲載したフリーランス麻酔科医、医学博士の筒井 冨美氏による「「楽天PCRキット販売中止」に学ぶ、ニセ医者を見抜くシンプルな方法 「海外の名門」に弱い日本人」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/35245
・『4月30日、楽天は「新型コロナウイルスPCR検査キット」の販売中止を発表した。キットは楽天の出資先のジェネシスヘルスケア社が開発したが、同社の社長が急遽辞任したことから、当面の間、販売を見合わせるという。麻酔科医・筒井冨美氏は「ジェネシス社の代表が『ニセ医者』だったことが理由です。経歴の真偽はすぐ調べられるので、ぜひ注意してほしい」という――』、前の記事とは一転して、いかにも「楽天」らしいバッドニュースだ。
・『楽天「新型コロナPCR検査キット」販売見合わせのウラに経歴詐称疑惑  新型コロナウイルスが世界中で猛威を振るい、日本でも緊急事態宣言が延長された。 コロナ診断の決め手となる医療機関でのPCR検査件数は、検査希望者数には遠く及ばない。これを受けて、楽天は4月20日、法人向けに「新型コロナウイルスPCR検査キット」(1セット1万4900円、100セットから)の販売を始めた。 医療機関での検査を求めている日本医師会は「結果が信用できず混乱を招く」と懸念を表明していたが、楽天の三木谷浩史社長は4月22日、「日本復活計画」として「5000万人コロナPCR検査」「楽天トラベルで軽症者ホテルの手配」といったさらなる計画を発表した。 楽天の検査キットの販売窓口になったのが、「ジェネシスヘルスケア社」だった。 これは、2004年に代表の佐藤バラン伊里氏が夫と共同起業したバイオ系ベンチャー企業である。2017年から三井物産や楽天が同社に出資し、三木谷氏が社外取締役に就任した。恵比寿ガーデンプレイスに社屋を構え、参院議員で医師・弁護士の古川俊治氏を特別顧問に迎え、2018年にはニューヨーク・ヤンキースの田中将大投手が出演するテレビCMを流すなど、遺伝子関連ビジネスの成功例として報じられることもあった。 その会社が、PCRキット販売でさらに飛躍しようとしていたわけだが、あっけなく頓挫した。4月28日、週刊文春(5月7日・14日合併号)がこう報じたのだ。 記事タイトルは、「楽天PCR検査キット計画“女医代表”に経歴詐称の過去」である。文春は、ジェネシスヘルスケア社の佐藤バラン伊里代表は、2006年頃に「才色兼備の米国心臓外科医」としてマスコミに登場し、遺伝子ダイエットを提唱していた佐藤芹香と同一人物であると報じた。 「我が大学の在校生・卒業生ではなく医師免許もない」(コーネル大) 週刊文春は2006年11月9日号において、「遺伝子ダイエット カリスマ女医『ニセ医者疑惑』」と題して、「佐藤芹香せりか」として活動していた佐藤氏のことを報じていた。当時、『遺伝子型ダイエット』(日経BP)を出版して女性誌を中心に話題を呼んだ佐藤氏は、「おはよう日本」(NHK)、「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京系)にも取り上げられ、「時代の寵児」のような扱いを受けていた。 経歴詐称を疑った同誌記者の取材に対して、佐藤氏は「米国コーネル大学政治学部および医学部を卒業」「6年間を政治学部と医学部のジョイントプログラム」「15歳で私は大学生になった。小五と高一で飛び級」「(医大卒業後は)心臓外科医」と、答えていたという。 不自然な受け答えに、記者は念のためコーネル大医学部に佐藤氏の旧姓を含めて考えられうるすべての氏名を照会した。すると、「当該人物は我が大学の在校生でも卒業生でもない。MD(医師免許)も保有していない」(コーネル大・記録課)という驚くべき答えが返ってきたそうだ』、「三木谷浩史社長」が「日本復活計画」とは、彼らしい大風呂敷だ。「2017年から三井物産や楽天が同社に出資し、三木谷氏が社外取締役に就任」、取締役会に出席していれば、何かおかしいと気付く筈だが、多忙にかまけて欠席していたのだろう。
・『「ニセ医者騒動の佐藤芹香と同一人物」という噂が医師の中で広がった  筆者も2006年のインタビュー記事を記憶していた。佐藤氏は当時、アメリカ留学から帰国したばかりの頃で、医師留学経験者のウェブ掲示板で話題になっていたからだ。 コーネル大学医学部や附属病院はニューヨーク市にあるが、その頃ニューヨーク市に留学していた日本人医師たちは誰も彼女を知らなかった。そもそもアメリカで医師になるには、4年制大学を卒業した後、4年制の医科大学院に進学しなければならず、大学入学から最低8年間が必要となる。 また、心臓外科専門医になるには、医大卒業後に「5年間の一般外科研修+2~3年間心臓外科研修」が必要となる。そう考えると佐藤氏の年齢と合致しないことになる。 さらに、「政治学部と医学部のジョイントプログラム」と言っても、コーネル大学政治学部のあるメインキャンパスはニューヨーク州イサカ市にあり、ニューヨーク市からは車で4~5時間かかる。同時に履修することは物理的に不可能である。 というわけで、当時、この記事を読んだ医師たちは異口同音に「あり得ない、ニセ医者のにおいがプンプン」ともっぱらだった。 その後、「米国心臓外科医の佐藤芹香」を見かけることはなくなったが、2017年の楽天が出資した頃から佐藤代表は「ジェネシスヘルスケア社の佐藤バラン伊里」として、また「遺伝子ビジネスに成功した女性社長」として再びメディアに登場するようになった。 今回は「コーネル大卒の心臓外科医」という経歴を名乗ってはいなかったが、顔写真や「遺伝子」「佐藤」「コーネル大」といったキーワードから「ニセ医者騒動の佐藤芹香と同一人物ではないか」という噂が医療関係者では広まり、数年前からSNSなどで指摘されていた』、「数年前からSNSなどで指摘されていた」、詐欺師に引っかかるとは、彼女の美貌が影響しているのかも知れない。
https://feizeus.com/satouserika/
・『「日本語が母国語でない事から、事実確認が不十分だった」  週刊文春の取材に対し、ジェネシスヘルスケア社が「(佐藤氏は)日本語が母国語でない事から、事実確認が不十分だった」と説明していたが、記事が出た4月28日付で佐藤氏は代表取締役を辞任。同社は4月30日に「代表取締役の異動に関するお知らせ」というプレスリリースを出して、こう説明した。 ジェネシスヘルスケア株式会社(本社:東京都渋谷区)は、2020年4月28日、取締役会を開催し、佐藤 バラン 伊里代表取締役から同日付けで、取締役辞任の申し出を受理しましたので、お知らせいたします。 佐藤は次のように述べています。「この度、世間の皆さまに、PCR検査キットの販売をめぐる混乱を招きましたことをまずはお詫び申し上げます。28日付で辞任を申し出、取締役会にて受理されました。今後、新たな経営体制の下で、当社のPCR検査キットが、早期に一人でも多くの感染者を検出することに効率的な方法で使用されることにより、または診療及び予防医療の有力な補助手段となり、医療崩壊も危惧されている診療現場の軽減負担につながることを切実に願っております。今後、速やかに引き継ぎを実施してまいります。」なお、今回の人事は、一部報道の内容と関係なく、また、新型コロナウィルス感染症向けの当社のPCR検査キットの性能及びその検査信頼性とも関係はございません。佐藤は、当社創業から16年の間に遺伝子領域を含め多くの特許を取得もしくは申請を主導しており、遺伝子領域において寄与してまいりました。 4月30日、楽天の三木谷社長はジェネシスヘルスケア社の社外取締役を辞任。楽天も「PCRキット販売代理を一時見合わせる」と発表した。 新型コロナウイルスの終息に一役買いたかった三木谷社長としては、内輪の「裏切り」ともいえる行為にはらわたが煮えくり返っているに違いないが、楽天のように信用度の高い企業が佐藤氏の素性を調べていなかったことは大失態だろう』、「三木谷社長」はトップダウン型の典型なので、部下も「素性を調べ」る気も起きなかったのだろう。これは、「三木谷社長」自らが招いた墓穴といえよう。
・『なぜ、外国医大卒のニセ医者が定期的に現れ、騙されるのか  いわゆる「ニセ医者」を騙る人物は過去にたくさん登場した。 ニセ医師は「出会い系サイト」や「健康診断アルバイト」や「結婚詐欺」といったステージでいつも暗躍している。近年では厚生労働省のホームページで名前を打ち込むと「資格検索」できるので医師を名乗り続けることは困難である。 しかし、この資格検索システムは日本の医師免許が対象で「外国の医師免許」は検索できず、今なお外国医大卒を名乗るニセ医者は後を絶たない。以下に、これまでの典型事例を紹介し、読者のみなさんに注意を促したい(カッコ内は、騒動が起きた年)。 ケース1:米田きよし氏、自称「カナダの小児救命救急医」(2011年) 外国人医師を名乗った詐欺事件でもっとも有名なのは、2011年の東日本大震災直後に現れた「米田きよし」氏である。「カナダの小児救命救急医、国境なき医師団メンバー」として、宮城県石巻市の避難所で250人以上を診察していた、と伝えられた。美談の医師である。 実際に診察をしており、その“評判”を聞きつけたテレビの情報番組「スッキリ」「ミヤネ屋」(日テレ系)が出演させ、同年8月10日にはなんと、あの格式高い朝日新聞「ひと」欄で「被災地で『ボランティアの専属医』を務める米田きよしさん」として紹介された。 だが、8月19日「医師法違反(医師名称使用)の疑い」で逮捕された。その後、朝日新聞は記事を撤回し、米田氏は「詐欺罪で実刑判決」の経歴があり、東日本大震災に関しても「助成金100万円」を受け取っていたことが報道された。 ケース2:森口尚史氏、自称「ハーバード大客員講師」(2012年) 2012年10月、iPS細胞研究で知られる山中伸弥教授のノーベル受賞で日本中がお祝いムードだった頃、「ハーバード大学客員講師」を名乗る森口尚史氏が「iPS細胞を使った世界初の心筋移植手術を実施」と発表し、読売新聞が一面トップで大々的に報じた。直後より、多方面からの疑義を受けて、その2日後に同新聞が記事を撤回した。 森口氏は医学部を志望して6年間浪人した後、東京医科歯科大医学部保健衛生学科(看護学専攻)に進学した。その後、医科歯科大修士課程から東大博士課程に進学し、博士号取得の後は東京大学医学部附属病院で特任研究員の職にあったが、この騒動で懲戒解雇された。 森口氏にとって、この虚偽発表による経済的メリットは考えにくく、医学研究者としてのキャリアは事実上断絶してしまった。動機については不明だが、自分で考えだした空想を信じ込んでしまう「空想虚言症」を指摘する意見もある。 ケース3:齋藤ウィリアム浩幸氏、自称「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒医師、サイバーセキュリティ専門家」(2017年) 2010年代はじめ、齋藤氏は「日系2世としてカリフォルニア州に生まれ、UCLA医学部在学中にIT起業し、事業を米マイクロソフト社に売却」というプロフィールで紹介された。2013年に内閣府参与に就任し、驚くべきことに16年には紺綬褒章を受章した。日本航空の社外執行役員など有名企業の要職を歴任し、世界経済フォーラムや、BBCニュースなどでも活躍していた。 ところが、2017年に、「UCLA卒業者やカリフォルニア州医師リストに名前がない」などの経歴詐称疑惑が指摘され、内閣府参与や日本航空を辞職した。 ケース4:内藤理恵氏、自称「シンガポール医大卒の外科医、読者モデル」(2019年) この人は「シンガポール国立医大卒、アメリカの大学に留学し、現在は東大医科学研究所病院の外科医」と公表されていた。2015年頃から、女性ファッション誌「25ans(ヴァンサンカン)」読者モデルとして活躍し、いわゆる「港区セレブ女子」として芸能人や実業家が出席する多数のパーティーに参加していた。IT系の資産家男性と婚約・同棲し、SNSで「マラソン大会にボランティア医師として参加」などと発信していた。 だが、2019年8月に「携行する医師免許が偽造」だとして警視庁に被害届が出され、婚約も解消された、と報道された』、「外国医大卒のニセ医者が定期的に現れ」ていることに、改めて驚かされた。なかでも、「齋藤ウィリアム浩幸氏:は「2013年に内閣府参与に就任し、驚くべきことに16年には紺綬褒章を受章」、「紺綬褒章」も、性善説でやっているので、「経歴詐欺」などは露ほども疑わなかったのだるが、実にみっともない話だ。「日本の医師免許」については、「厚生労働省のホームページで名前を打ち込むと「資格検索」できるので医師を名乗り続けることは困難」、厚労省もたまにはいいことをやるものだ。
・『グーグル先生に聞けば、海外ニセ医者も見抜くことは可能  医師法第十八条には「医師でなければ、医師又はこれに紛らわしい名称を用いてはならない」と定められている。無資格者が医師を名乗ることは、単なる経歴詐称にはとどまらず犯罪として逮捕され処罰されるが、「外国の医師」詐称についての法律解釈は定まっていない。 現実に、「外国医大卒の医師」を確認するには、最も手っ取り早いのがネット検索だろう。「コーネル大の医師かどうか」を確認したいなら、姓を英語で入力し「○○○ cornell medical」と検索すればいい。実際に活躍している人材なら、何かしらの情報はヒットする。あるいは「遺伝子分野の研究者」を名乗るならば「google scholar」で「○○○ genetics(遺伝学)」を検索すれば、すぐに真偽の見当がつく。いずれも無料だ。 そもそも、日本の勤務医の労働環境は米国に比べて給与・労働時間とも著しく見劣りするので、「コーネル大やUCLA卒の米国の高給エリート医師が、わざわざ日本で働く」というストーリー自体が疑わしい。 今回の「佐藤バラン伊里氏」の騒動でつくづく残念に思うのは、日本の新興IT企業の旗手とされ、2012年に「英語公用語」宣言をしている楽天ですら、「英語で数分間ネット検索すればわかる」というレベルの経歴詐称を見抜けなかったことである。 新型コロナ騒動の終息が見えない現状では、今後、「怪しい診断薬や治療法を売り込む(自称)専門家」は出現するだろう。各社の担当者には、ぜひgoogle scholarなどで一度調べることをお勧めしたい』、「つくづく残念に思うのは、日本の新興IT企業の旗手とされ、2012年に「英語公用語」宣言をしている楽天ですら、「英語で数分間ネット検索すればわかる」というレベルの経歴詐称を見抜けなかったことである」、全く同感である。

第三に、6月4日付け東洋経済オンラインが中国の独立系メディアの財新 Biz&Techを転載した「アリババと京東「ライブコマース」強化の狙い 「618セール」の目玉に掲げて火花を散らす」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/353059
・『中国の電子商取引(EC)業界で、ライブコマース(訳注:生中継のネット動画による実演販売)が「コロナ後」の競争の主戦場になりつつある。5月25日、EC首位の阿里巴巴集団(アリババ)と同2位の京東集団(JDドットコム)がそれぞれ「618セール」(訳注:もともとは京東が創業記念日の6月18日に始めた大規模セール。現在は中国EC業界全体の上半期最大級のセールイベントとなっている)のマーケティング戦略を発表。激しく競合する両社が、そろってライブコマースを618セールの目玉に掲げた。 ライブコマースの草分けはアリババの消費者向けネット通販の「淘宝網」(タオバオ)だ。スタートから4年を経て、今やユーザーのトラフィックを集める有力ルートのひとつに成長している。アリババ副総裁の胡偉雄氏は、「618セールではライブコマースの販売規模だけでなく、(実演者と視聴者の)インタラクティブ性をより重視する」と意気込みを語った。 一方、京東は今年の618セールで初めてライブコマースを大展開する。芸能人やネットのインフルエンサーが実演販売する通常の形態はもちろん、ブランド企業のマネジャーや目利きのバイヤーなども招いてセール期間中に30万回を超える生中継を行う計画だ』、「中国の電子商取引(EC)業界で、ライブコマース・・・が「コロナ後」の競争の主戦場になりつつある」、「中国」での「618セール」はすっかり定着したようだ。
・『高い返品率や運営コストなどの課題も  両社がライブコマースを強化する背景には、新型コロナウイルスの流行期に打撃を受けた加盟店を鼓舞する狙いがある。「巣ごもり消費」はネット通販を通じた生活必需品の購入を押し上げた反面、アパレル、化粧品、大型家電などの分野では販売が大きく落ち込んでしまった。 そこで、ECプラットフォームのアリババや京東がライブコマースで618セールを大々的に盛り上げ、加盟店の販売促進を後押ししようという作戦だ。と同時に、自社のプラットフォームに対する加盟店のロイヤルティーを高め、コロナで減少した広告収入の回復につなげる目算もある。 もっとも、ライブコマースには有名ブランドの参画の少なさ、高い返品率、通常のネット販売に比べた運営コストの高さなどの課題もある。また、草分けのタオバオでも2019年のライブコマースの規模は2000億元(約3兆円)程度と、7兆元(約105兆円)を超える流通総額のなかではまだごく一部だ。それが618セールでどこまで伸びるか、目が離せない』、今後の展開を注目したい。

第四に、7月18日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したエミネンス合同会社代表パートナーの今枝昌宏氏による「「ZOZO離れ」に「アパ直」、企業の脱プラットフォームが進むワケ」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/243281
・『アマゾン、楽天、ZOZO……今日の社会を生きる上でプラットフォームを利用しない人を見つけることは難しい。われわれの便利な生活を支えるプラットフォームだが、近頃、プラットフォームに参加していた事業者が離脱するニュースが相次いでいる。なぜ彼らはプラットフォームを離れるのか。背景にはプラットフォームの経年変化と、事業者が見据える新たなビジネスの活路があった。 プラットフォームがいかに有効なビジネスモデルかについて語られるようになってから久しい。顧客の存在が他の顧客を引き付ける効果を生み、プラットフォームの顧客はプラットフォームから離れられなくなる……はずであった。しかし最近、プラットフォームに参加していた事業者がプラットフォームを離脱し、自社で顧客接点機能を立ち上げるケースが相次いでいる。 ZOZOから離れていったユナイテッドアローズ(昨年ZOZOグループに委託していた自社ECサイトの開発・運営を自社主導に切り替えると発表。後に方針転換して再委託)、楽天トラベルなどのOTA (Online Travel Agency)から距離を置くアパホテルだけではない。コンビニ各社が、コンビニATMプラットフォームであるイーネットからセブン銀行やローソン銀行を設立して離脱したり、銀行側もコンビニでのATM使用に課金したりして自行で設置するATMへの誘導を強めている。Tポイントからは、三越伊勢丹やアルペン、ドトールコーヒーまでが離脱し、最大のアイコンであったヤフーもPayPayへとその機能を移行して、もはや見る影すら薄くなりつつある。 海外に目を移すと、さらに大胆な例が続出している。ヒルトンは、“Stop Clicking Around”というテレビCMキャンペーンを長期間わたって続けている。クリックするのをやめよう――つまり、プラットフォームではなくヒルトンのサイトで直接予約することを促すキャンペーンである。OTAを回避して直接予約した顧客を優遇しているのは、もはや古典的な例だ。ディズニーは、Netflixと決別して自社でディズニープラスを立ち上げた。昨年末にナイキがアマゾンでの販売を終了し自社オンラインサイトを通じた販売への切り替えを発表したのは、衝撃的ですらある』、「最近、プラットフォームに参加していた事業者がプラットフォームを離脱し、自社で顧客接点機能を立ち上げるケースが相次いでいる」、望ましい傾向だ。ただ、「ユナイテッドアローズが(昨年ZOZOグループに委託していた自社ECサイトの開発・運営を自社主導に切り替えると発表。後に方針転換して再委託」、というのは「自社ECサイトの開発・運営」が上手くいかなかったためなのだろうか。
・『なぜプラットフォームから大手企業が続々離脱しているのか  離脱する各社には、それぞれの事情があるだろう。しかし共通する大きな理由の1つは、言うまでもなく単純にプラットフォームによる課金負担が大きく、プラットフォームに参加している事業者はこれから逃れたいからだ。プラットフォームはデジタルな仕掛けだけを持ち、リアルな資産や人を抱えないだけでなく、在庫リスクや設備稼働のリスクなども一切抱えない。一方で、リスクを全て事業者に担わせる財務構造であるのに、平然と厚いマージンを要求してくる。コストダウンに血筋を上げるリアルなビジネスを行う事業者から見れば、10%程度のマージンであっても暴利と映るだろう。価格感応度が極めて高いネット上では、その10%をディスカウントに回せば、大きな集客力を持つことができる。 プラットフォームが従来自社がリーチできなかった顧客へのリーチを拡大し続け、機能的にもユーザーや参加事業者にとって便利な機能を次々追加している状況では、そのプラットフォームと付き合い続けることのメリットが大きい。もし事業者が自社サイトを構築しても、結局、顧客接点管理機能で規模や投資余力に勝るプラットフォームへの敗北を招いてしまう危険がある。しかし、プラットフォームによる集客速度や機能追加の速度に陰りが見え始めると、状況は変わる。 プラットフォームが使用しているテクノロジー自体は汎用的なものなので、明確な機能ビジョンさえあれば、顧客接点機能は自社でも十分構築可能で、離脱しても自社でやっていけると踏んでもおかしくない。事業者側から見れば、プラットフォームによる売り上げの増加や機能進化が止まっているのに、従来と同じマージンを払い続けなければならないというのはやるせないだろう。要するにネットワーク効果が絶大にみえたのは、成長という雪だるま式の好循環が強く働く局面を見ていたから。成長が一段落すると多くの人が考えていたほどのネットワーク効果は働かないということなのだ。 プラットフォームを通じた販売には、コーポレートブランディングとしても問題がある。顧客は、プラットフォームとの取引しか意識せず、結局は事業者にとって直接の顧客とはならない。顧客側の意識としても、事業者のブランド認知の前に、プラットフォームへの帰属意識が先に出てきてしまう可能性がある。多くの競合と一緒に並べられ、無残な比較コメントにさらされる形での販売を快しとする事業者はいないだろう。 プラットフォームからの離脱が進むもう1つの理由は、プラットフォーム間を比較したり、単純に情報を収集したりする比較サイトやまとめサイトなど、「プラットフォームのプラットフォーム」が出現してしまっているからでもある。トリバゴや価格ドットコム、Skyscanner、スマートニュース、Google Mapのような情報集約と比較のみを行うプラットフォーマーたちだ。 これらのプラットフォームは、既存プラットフォームとの二重課金を割けるため通常は広告のみに依存して無料であり、決済機能などは実装していない。そのため機能的に薄く軽いが、顧客との間に割って入ってしまうので、「従来のプラットフォーマー」としては疎ましい存在である。しかし、プラットフォームのプラットフォームが出現したことで、事業者としては既存のプラットフォームをスキップして自社サイトへ顧客を流入させる道筋が生まれた。事業者にとっては、これらのサイトの存在は顧客との関係維持を邪魔するものではあるが、既存プラットフォームを超えて顧客獲得のチャンスを広げてくれ、なにより既存プラットフォームから解放してくれる存在である』、「ネットワーク効果が絶大にみえたのは、成長という雪だるま式の好循環が強く働く局面を見ていたから。成長が一段落すると多くの人が考えていたほどのネットワーク効果は働かない」、「プラットフォームのプラットフォームが出現・・・事業者にとっては、これらのサイトの存在は顧客との関係維持を邪魔するものではあるが、既存プラットフォームを超えて顧客獲得のチャンスを広げてくれ、なにより既存プラットフォームから解放してくれる存在」、なるほど「プラットフォーム」離れが進むのも当然だ。
・『プラットフォームから事業者が離脱する最も本質的な理由とは?  しかし、これらにも増してプラットフォームから参加事業者が離脱していく最も本質的な理由がある。プラットフォームを介した取引では、顧客自身のプロファイルや行動、顧客による自社の製品・サービスの使用状況、使用にあたっての感想などについてのデータを収集することはできず、それらに基づいて顧客に個別プロモーションを行うことができなくなってしまっているということだ。顧客自身の情報のみならず、プラットフォームに参加する事業者が提供する製品やサービスの使用に関するデータや顧客からのフィードバックは、プラットフォーマーに独占されてしまうのである。 また、事業者が自身での顧客接点管理を行うことを重視し始めた背景として、デバイスがPCからスマホに置き換わり、顧客データ収集の可能性が増大していることがある。顧客のスマホにアプリとして入れてもらえば、常に顧客に密着していることが可能で、プッシュして情報を配信することも可能になる。顧客がどこを訪れているか、どこに住んでいるかなどを把握できるGPSや、誰と友達なのかがわかる友達リストや電話帳などのデータベース、顧客の活動状況を把握できる加速度センサ、さらにカメラやマイクまでもが顧客の許しさえあればすぐに手を出せるところにあるのだ。 顧客と直接のコンタクトを確立することにより、顧客ごとのプライシング(価格設定)が可能になるだけでなく、イベントに選択的に招待するといった個別プロモーションが可能になる。さらには顧客の置かれた場面を切り取ったようなプロモーションもスマホにより可能になる。このように増大した顧客コンタクトの機会をプラットフォーマーに独占させるわけにはいかないのである。 実際のサービス提供において直接顧客と接する機会がある事業は事業者側が顧客の属性や嗜好(しこう)、行動の情報を収集する機会は大きい。しかし、Netflixのように顧客の消費行動がプラットフォーム上で行われると、全ての顧客による使用データはプラットフォームに蓄積してしまう。 Netflixは、どの顧客がどのような種類の映画を見る傾向にあるのかを知っているだけでなく、どのような場面にくぎ付けになり、どのような場面で視聴を停止して離脱しやすいのかという情報をつぶさに把握している。さらに、Netflixはその情報を基にして、自身でも映画の制作に乗り出して、アカデミー賞までもさらっていってしまっているのである。これは、フィルムスタジオ側からは、特に許せない存在に映るだろう。アパレルであっても、顧客からの使用感のフィードバックや、どの顧客がどのようなプロモーションに反応するのかという情報があるのとないのでは、今後の製品づくりや売り方に大きな差が出るのは間違いない』、「顧客のスマホにアプリとして入れてもらえば、常に顧客に密着していることが可能で、プッシュして情報を配信することも可能」、「増大した顧客コンタクトの機会をプラットフォーマーに独占させるわけにはいかない」、確かに「プラットフォームから事業者が離脱する最も本質的な理由」のようだ。
・『業界リーダーのプラットフォーム離脱は「リアルの世界」でも起こっていた  少なくとも今のところは、プラットフォームを離脱しているのは、プラットフォーム企業と比較して遜色ないような大企業、大ブランドに限定されている。もちろん今後、プラットフォームからの事業者の離脱が相次げば、プラットフォームの力が低下して、さらなる離脱が加速するという負のスパイラルに陥る可能性はある。しかし、小さな事業者にとっては、自身で集客したり、プラットフォームが担っていた機能を構築したりすることの負担は相当に大きい。プラットフォームに依存し続けざるを得ないのは今後も変わらないだろう。そうだとすると、プラットフォームは、少なくとも小さな事業者の集まりとして今後も存在し続ける。 今後は、大手事業者においてはプラットフォームからの離脱と垂直統合によりプラットフォームに支払っていたマージンがなくなる分、アパのようになくなったマージン分を原資とした最低額保証を行うことにより商品の価格が低下する状況が続いていく。そうなるとプラットフォーム側は大量仕入れや稼働保証などによる低価格の追求を余儀なくされる。加えて、アマゾンによるプライベート・ブランドの増加やNetflixによる映画制作のようなファクトリー活動への進出が続き、結局プラットフォーム側も垂直統合に向かっていく。 実は、このような産業構造の進化は、ネットの世界に限ったものではない。花王や大正製薬のような業界リーダーが卸機能を自社で持つように、市場シェアが高いほど垂直統合性を上げている現象や、パナソニックやLIXILなどのメーカー自身によるショールーム展開に対抗して、伝統的なショールームオペレーターであるサンゲツが小規模メーカー買収策に出ているように、時間とともに産業が少数の垂直的な関係に整理されてしまう現象は今までのリアル世界でも生じていることなのだ。 結局、ネットワーク効果といわれていたものは、産業バリューチェーンにオンライン顧客接点管理という新しい機能が立ち上がる初期に見ることができた幻影であり、全てはインターネット登場以前からある産業構造進化のダイナミズムで説明できてしまうものかもしれない』、最後の部分の深い考察は刺激的だ。
・『プラットフォームVS事業者の戦い IoTや自動運転などの制御がカギになるか  アマゾンは、EC機能だけでは最終的な優位を確立できないことを最初から予想していたと思わせるフシがある。倉庫オペレーションを重視し、配送にまで進出するなど、一貫して入荷から配送まで全てのプロセスを補うフルフィルメント機能への投資を継続してきたからだ。ウェブのオペレーションは初期的には重要であるものの、結局は規模の経済が強烈に効く「リアルの機能」を握った者が勝てると考えていたのだろう。 しかし、ここには収穫逓減が働いてしまう。つまり、競合相手がそこそこの規模に達すれば、規模による優位性には限界が生じてしまう。味の素やヤマザキが自社物流に任せて市場支配を試みても、キユーソーやコンビニ物流のような代替手段が現れて思うように市場を独占できないように、結局は配送機能をもってしても決定的な支配に持ち込めない悩みに陥っていくのではないだろうか。そこでは、勝負はつかない。ナイキの離脱は、それを象徴している。 今後の戦いは、単純なネットワーク効果の発現を超えて、Netflixが行っているような顧客行動の分析やそれを使った製品・サービスの改良など、プラットフォーム機能を使った産業バリューチェーン全体の改良に移行していく。5Gをきっかけとしてメーカーや設備オペレーターは、製品やサービスとIoTで接続し、自動運転など製品・サービスの制御に関与できるためこの戦いを有利に進められるようにみえる。しかし、製品・サービスを超えた情報統合や顧客軸での情報統合には反対に弱い面があり、誰が支配的な顧客接点を構築し、それを競争優位に結び付けていくのかは、予断を許さない。 少なくとも言えることは、冷静な状況把握を常に行って、デジタルの顧客接点管理を的確に進化させなければ、産業バリューチェーンから退場を迫られるか、そうでなくても顧客接点に君臨する企業に従属し、成長できないプレーヤーに堕してしまいかねないということである』、「アマゾンは、EC機能だけでは最終的な優位を確立できないことを最初から予想していたと思わせるフシがある・・・一貫して入荷から配送まで全てのプロセスを補うフルフィルメント機能への投資を継続してきた」、「しかし、ここには収穫逓減が働いてしまう。つまり、競合相手がそこそこの規模に達すれば、規模による優位性には限界が生じてしまう・・・結局は配送機能をもってしても決定的な支配に持ち込めない悩みに陥っていく」、「冷静な状況把握を常に行って、デジタルの顧客接点管理を的確に進化させなければ、産業バリューチェーンから退場を迫られるか、そうでなくても顧客接点に君臨する企業に従属し、成長できないプレーヤーに堕してしまいかねない」、非常に深い分析だ。「プラットフォームVS事業者の戦い」、を今後も注目していきたい。
タグ:EC 東洋経済オンライン 週刊文春 ダイヤモンド・オンライン PRESIDENT ONLINE 三木谷浩史社長 (電子商取引) ライブコマース 財新 Biz&Tech (その6)(北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り 「アマゾン依存」のリスク、「楽天PCRキット販売中止」に学ぶ、ニセ医者を見抜くシンプルな方法 「海外の名門」に弱い日本人、アリババと京東「ライブコマース」強化の狙い 「618セール」の目玉に掲げて火花を散らす、「ZOZO離れ」に「アパ直」 企業の脱プラットフォームが進むワケ) 「北米発「アマゾンキラー」がいま楽天と組む真意 コロナで浮き彫り、「アマゾン依存」のリスク」 カナダのShopify(ショッピファイ)が4月7日、楽天のマーケットプレイスである「楽天市場」とのシステム連携を発表 マーケットプレイスだけが欠けていた ショッピファイを利用するEC事業者は総じて、自分たちのブランドイメージを重視 ショッピファイは、小さな事業者がブランドをつくる力を信じるという経営哲学を持ち、楽天は出店者とともに成長していくことをミッションに掲げる。どちらもEC事業者を支援する点で共通している 当面は楽天との連携に注力 外出自粛で編み物やパズルが売れている オンラインシフトを小売店が実現するには、マーケットプレイスやプラットフォームの存在が不可欠だ 「アマゾン一強」は続かない? 「販売チャネル」の「多様化」 筒井 冨美 「「楽天PCRキット販売中止」に学ぶ、ニセ医者を見抜くシンプルな方法 「海外の名門」に弱い日本人」 楽天は「新型コロナウイルスPCR検査キット」の販売中止を発表 楽天「新型コロナPCR検査キット」販売見合わせのウラに経歴詐称疑惑 「日本復活計画」として「5000万人コロナPCR検査」 「ジェネシスヘルスケア社」 佐藤バラン伊里氏が夫と共同起業したバイオ系ベンチャー企業 三井物産や楽天が同社に出資し、三木谷氏が社外取締役に就任 「楽天PCR検査キット計画“女医代表”に経歴詐称の過去」 「才色兼備の米国心臓外科医」 佐藤芹香と同一人物 「遺伝子ダイエット カリスマ女医『ニセ医者疑惑』」 コーネル大医学部に佐藤氏の旧姓を含めて考えられうるすべての氏名を照会した。すると、「当該人物は我が大学の在校生でも卒業生でもない。MD(医師免許)も保有していない」(コーネル大・記録課)という驚くべき答え 「ニセ医者騒動の佐藤芹香と同一人物」という噂が医師の中で広がった 「日本語が母国語でない事から、事実確認が不十分だった」 なぜ、外国医大卒のニセ医者が定期的に現れ、騙されるのか 厚生労働省のホームページで名前を打ち込むと「資格検索」できるので医師を名乗り続けることは困難 日本の医師免許が対象 ケース1:米田きよし氏、自称「カナダの小児救命救急医」 ケース2:森口尚史氏、自称「ハーバード大客員講師」 ケース3:齋藤ウィリアム浩幸氏、自称「カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒医師、サイバーセキュリティ専門家」 ケース4:内藤理恵氏、自称「シンガポール医大卒の外科医、読者モデル」 2013年に内閣府参与に就任し、驚くべきことに16年には紺綬褒章を受章 グーグル先生に聞けば、海外ニセ医者も見抜くことは可能 つくづく残念に思うのは、日本の新興IT企業の旗手とされ、2012年に「英語公用語」宣言をしている楽天ですら、「英語で数分間ネット検索すればわかる」というレベルの経歴詐称を見抜けなかったことである 「アリババと京東「ライブコマース」強化の狙い 「618セール」の目玉に掲げて火花を散らす」 「コロナ後」の競争の主戦場になりつつある 高い返品率や運営コストなどの課題も 今枝昌宏 「「ZOZO離れ」に「アパ直」、企業の脱プラットフォームが進むワケ」 最近、プラットフォームに参加していた事業者がプラットフォームを離脱し、自社で顧客接点機能を立ち上げるケースが相次いでいる なぜプラットフォームから大手企業が続々離脱しているのか ネットワーク効果が絶大にみえたのは、成長という雪だるま式の好循環が強く働く局面を見ていたから。成長が一段落すると多くの人が考えていたほどのネットワーク効果は働かない プラットフォームのプラットフォームが出現・・・事業者にとっては、これらのサイトの存在は顧客との関係維持を邪魔するものではあるが、既存プラットフォームを超えて顧客獲得のチャンスを広げてくれ、なにより既存プラットフォームから解放してくれる存在 プラットフォームから事業者が離脱する最も本質的な理由とは? 顧客のスマホにアプリとして入れてもらえば、常に顧客に密着していることが可能で、プッシュして情報を配信することも可能 増大した顧客コンタクトの機会をプラットフォーマーに独占させるわけにはいかない 業界リーダーのプラットフォーム離脱は「リアルの世界」でも起こっていた ネットワーク効果といわれていたものは、産業バリューチェーンにオンライン顧客接点管理という新しい機能が立ち上がる初期に見ることができた幻影であり、全てはインターネット登場以前からある産業構造進化のダイナミズムで説明できてしまうものかもしれない プラットフォームVS事業者の戦い アマゾンは、EC機能だけでは最終的な優位を確立できないことを最初から予想していたと思わせるフシがある 一貫して入荷から配送まで全てのプロセスを補うフルフィルメント機能への投資を継続してきた しかし、ここには収穫逓減が働いてしまう。つまり、競合相手がそこそこの規模に達すれば、規模による優位性には限界が生じてしまう 結局は配送機能をもってしても決定的な支配に持ち込めない悩みに陥っていく 冷静な状況把握を常に行って、デジタルの顧客接点管理を的確に進化させなければ、産業バリューチェーンから退場を迫られるか、そうでなくても顧客接点に君臨する企業に従属し、成長できないプレーヤーに堕してしまいかねない
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