SSブログ

日本のスポーツ界(その29)(「太田雄貴」会長で金銭負担が大幅増… フェンシング“選手会”が説明要求の事態に、アスリート800人が語る「暴力指導」の衝撃実態 人権NGOが提起したスポーツ界の深刻な問題、日本の中高生だけが柔道で亡くなる驚きの実態 強豪他国はゼロなのに日本は「121人死亡」) [社会]

日本のスポーツ界については、5月1日に取上げた。今日は、(その29)(「太田雄貴」会長で金銭負担が大幅増… フェンシング“選手会”が説明要求の事態に、アスリート800人が語る「暴力指導」の衝撃実態 人権NGOが提起したスポーツ界の深刻な問題、日本の中高生だけが柔道で亡くなる驚きの実態 強豪他国はゼロなのに日本は「121人死亡」)である。

先ずは、6月11日付けデイリー新潮「「太田雄貴」会長で金銭負担が大幅増… フェンシング“選手会”が説明要求の事態に」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/06031700/?all=1
・『五輪メダリスト・太田雄貴(34)が、日本フェンシング協会の会長に就任したのは2017年のこと。以来「改革の騎士」として競技のエンタメ化などを推し進めてきた若き会長に、選手たちから不満の声が上がっていた。 〈これは気合を入れないと続けられないな。〉とのつぶやきと共に、12年五輪のフェンシング男子フルーレ団体の銀メダリスト・三宅諒選手(29)は一枚の写真を公開した。イタリアやフランスなどで行われた国際大会等の遠征費用を求める請求書で、差出人には〈会長 太田雄貴〉とある。三宅選手の自己負担額合計は「計67万323円」にも上っている。 あわせて三宅選手は、同様の請求がほぼ毎月あることも明かした。さる協会関係者は「協会に所属する選手たちは、遠征費用を全額負担させられているのです」とし、こう語る。 「本来、選手は協会から遠征費用の補助を受けられます。日本代表クラスなら協会が全額負担する場合もある。むろん予算は限られており、選手のレベルに応じて自己負担の割合は変わりますが、昨年7月の世界選手権終了後、トップ選手ですら遠征費は自腹になった」 改革の騎士がトップに居ながら、選手たちが苦境に……。先の三宅選手は「ウーバー」配達員をして遠征費などを自分で稼いでいるという』、「銀メダリスト」が「「ウーバー」配達員をして遠征費などを自分で稼いでいる」、とは驚きだ。
・『遠征費が全負担となったことを受け、日本代表クラスの選手たちが集う協会の「アスリート委員会」、いわゆる「選手会」は、協会に対して説明を要求。5月28日にオンライン会議の形で極秘裡に「緊急説明会」が行われたという。 実は1月にも協会が“釈明”する機会が設けられており、自己負担をめぐる選手たちとの会議は二度目。1月の段階では、19年にハンガリーで開かれた世界選手権で「想定外の出費」があり、選手たちに使う金がなくなったと協会は説明したという。 そしてこのたびの「緊急説明会」だが、 「想定外出費の実態は、あまりに杜撰などんぶり勘定でした」(協会に所属するアスリート) そして、選手への補助は難しいことが改めて告げられた。 太田会長は週刊新潮の取材に、 「選手たちから上がった声に対しては、真摯に受け止めて反省すべき点はしないといけません」と話し、のちにメールにこたえる形で、日本オリンピック委員会からの助成金が減少傾向にあることなどを、選手負担増の理由に挙げた。こうした状況で、来年に延期となった東京五輪のメダルの行方は――。6月4日発売の週刊新潮で詳しく報じる』、「19年にハンガリーで開かれた世界選手権で「想定外の出費」」、これが尾を引いているのだろうか。「日本オリンピック委員会からの助成金が減少傾向」、これはスポーツ団体共通の事情だ。この記事だけでは、全くよく分からないが、こんなズサンな運営を許しているスポーツ庁は、一体、何をしているのだろうか。

次に、7月22日付け東洋経済オンラインが掲載したライターの東洋経済オンライン氏による「アスリート800人が語る「暴力指導」の衝撃実態 人権NGOが提起したスポーツ界の深刻な問題」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/364421
・『国際人権NGO(非政府組織)のヒューマン・ライツ・ウォッチが7月20日に発表した報告書が、日本のスポーツ界に衝撃を与えている。報告書のタイトルは「『数えきれないほど叩かれて』:日本のスポーツにおける子どもの虐待」――。 日本のスポーツ界に深く根差している「暴力」について厳しく指摘する内容である。かなりのインパクトのあるタイトルだが、その中身はもっと衝撃的だ』、興味深そうだ。
・『衝撃的な報告書の中身  ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これまでも世界の人権状況について調査報告を行い、世界に発信してきた。「調べる、知らせる、世界を変える」という方法論に基づき、調査員を人権侵害の現地へ派遣し、被害者や加害者を直接調査し、報告書という形で発表しているという。 最近でいえば、ミャンマーのロヒンギャ難民、アフガニスタンにおけるタリバンによる人権侵害、LGBTの人権問題、フィリピンの麻薬撲滅戦争など、世界中の人権問題について調査し、厳しく指弾してきた。そんな報告・レポートに交じって、日本のスポーツ界の問題が大々的に取り上げられているのは、なんとも異様だ。 この報告書は、オリンピック・パラリンピックに出場したトップアスリートを含む約800人に実施した調査(757人へのアンケートと、56人へのインタビュー)に基づいている。また、スポーツ庁をはじめとする日本のスポーツ組織の幹部にも面会して話を聞いたという。 その調査から浮かび上がってきたのは、今も続くスポーツの現場での「子どもへの暴力」だ。 例えば、埼玉県の高校球児だったショウタ・Cさん(23歳・仮名)のコメントとして、指導者から「あごを殴られて、口の中が血だらけになりまた。シャツの襟をつかまれ、身体を持ち上げられました」「部員の9割が暴力を振るわれていました。『まだ殴られてないのか。いつになったらお前の番なんだ』と冗談を言っていたものです」といった内容が掲載されている。 暴力の事例は野球だけではない。さらに、過剰な食事の強要、水や食事の制限、罰トレーニング、罰としての短髪、上級生からの暴言、暴力、性虐待などの事例も数々紹介されている。こうした暴力を振るった指導者、つまり加害者は日本のスポーツ界・教育界ではほとんど責任を問われることがない。 もちろん、日本でもスポーツ庁を中心に「スポーツ基本法」「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」などが発表され、暴力体質を改革する動きが起きている。しかし報告書では、これらの取り組みでは不十分であるとしている。 そもそも、スポーツをする人の法的権利とスポーツ団体の法的責任の規定が不十分で、スポーツをする子どもの虐待に対応する仕組みが不明確。被害者救済の仕組みも、指導者研修も不十分。要するに「スポーツにおける暴力はいけない」と一応否定はしているが、そのための取り組みはほとんど整備されず、現場のスポーツ指導者の良心に委ねられている、ということなのだ。 世界では「セーフスポーツ」というムーブメントが起こっている。国際オリンピック委員会もスポーツの現場からの暴力の排除に乗り出している。日本は過去3度のオリンピックを開催し、来年には4度目のオリンピックを開催しようとする、スポーツ先進国のはずである。その日本で、スポーツからの暴力の排除がまったく進んでいないのだ』、「世界では「セーフスポーツ」というムーブメントが起こっている」、国際試合などを通じて、情報は入ってくる筈なのに、重要な流れに乗り遅れるとは、日本の内向き志向には呆れる。
・『暴力と"地続き"の日本スポーツ  日本のメディアでは、スポーツに関する暴力・虐待事件のニュースがしばしば報じられてきた。そのときに常套句のように使われるのが「熱心さのあまり」「行きすぎた熱血指導」のような言葉だ。 筆者はこれにつねに違和感を覚えていた。これでは、スポーツ指導の延長線上に「暴力」が存在する、と言っているようなものだ。本来のスポーツは、暴力や虐待を否定するところから始まるのではないか。 これまで筆者は野球だけでなく、多くの高校スポーツの指導者に話を聞いてきた。指導者の多くは、筆者が尋ねる前に「暴力は振るっていない」と言う。そうした風評が広がるのを恐れているのだ。 一方で、そういう指導者が必ず言うのは「昔とは違って世間がうるさいから」「今の子は厳しく指導すると、親や学校に言いつけるから」という類いだ。高校野球の「名将」と呼ばれる指導者の中には「今の子は甘やかされているから、きつい指導をするとやめてしまう」と嘆いて見せる人もいた。 彼らの本音は「今の世の中では暴力が否定されているからやらないが、昔の指導は正しかった」ということになるのではないか。だとすれば、暴力が容認されれば、そうした指導者は再びこぶしを上げると考えられる。 ジャーナリストにしても、教育者にしても、「人権の尊重」と「暴力・暴力的指導の否定」は最も重要視すべきポイントだろう。だが、現状はこのレベルなのだ。 また、親の中にも、指導者の暴力を肯定したり、なかには熱烈に支持したりする人がいる。2013年に大阪市の公立高校のバスケットボール部員が顧問の体罰を苦に自殺した事件では、懲戒免職になった顧問に対して、保護者ら1100人の“有志”が顧問への寛大な処分を求める嘆願書を大阪市教育委員会に提出した。 教育現場の「暴力指導」がなくならないのは、世間にそれを容認する空気があることも大きいだろう』、スポーツ庁が先頭に立って、各スポーツ団体を徹底指導する他ないようだ。
・『教育現場なら刑事事件にならない異常  昨年4月29日に兵庫県尼崎市の公立高校バレーボール部で起こった暴力事件では、練習中に顧問が部員を10回以上も平手打ちにした。その部員は失神したが、顧問は適切な救護措置を行わず、練習中のコートの横に放置。監督も、意識が朦朧とした部員を病院に連れて行かなかった。部員は左鼓膜裂傷の重傷と診断された。 仮に高校生が往来で殴打され失神したとすれば、刑事事件に発展した可能性が高い。しかし尼崎市教育委員会は、加害者の顧問を停職73日、監督を減給10分の1(3カ月)の懲戒処分にするにとどまった。 この学校ではこれ以外にも野球部などで暴力・暴言が見られたが、校長と体育科教頭は減給10分の1(1カ月)の懲戒処分になっただけ。加害者の顧問は退職し、校長と体育科教頭は異動となったものの、これほどの問題行為でありながら、だれも訴追されず、刑事処分も受けていない。 結局、日本のスポーツの「暴力体質」の背景には、「暴力」「暴言」「パワハラ」などを否定しきれない日本社会の体質が横たわっているといえるのではないか。 「スポーツ」という概念は明治期に西欧からもたらされたが、ときの政府要人は「たかが遊びではないか」となかなか理解しなかったそうだ。そこで、導入推進派は「スポーツは西欧列強に負けない強い兵隊を作ることに寄与する」という考え方を打ち出し、「富国強兵」の国是に乗ってスポーツ振興を行った。 日本のスポーツが「軍隊」に通じる、規律を重んじ、上下関係に厳しく、ときには鉄拳制裁も辞さない体質になったのは、こうした経緯があるからだ。 戦後、日本が民主主義国家になっても、そうした体質は一掃されなかった。あるベテランの元野球指導者は「軍隊から帰ってきた人がスポーツ指導者に収まってから、むしろ暴力は増えた印象だ」と語る。 この指導者も含め、暴力・暴言を否定し、まっとうな指導をしていた指導者はいつの時代もいた。それでも、全国大会などで実績を上げるのは「暴力・パワハラ指導者」だったため、つねに少数派にとどまってきた。 2018年11月には、ユニセフ(国連児童基金)と公益財団法人日本ユニセフ協会が、スポーツと子どもの課題に特化したユニセフとして初めての文書『子どもの権利とスポーツの原則』(Children’s Rights in Sport Principles)を発表した。 この原則では、 1. 子どもの権利の尊重と推進にコミットする  2. スポーツを通じた子どものバランスのとれた成長に配慮する  3. 子どもをスポーツに関係したリスクから保護する  4. 子どもの健康を守る  など、子どものスポーツから暴力・パワハラを排除することがうたわれた。 今年6月8日には、日本ユニセフ協会が「ユニセフ『子どもの権利とスポーツの原則』実践のヒント」(明石書店)という書籍を刊行。ユニセフも、ヒューマン・ライツ・ウォッチも、日本のスポーツに対して同様の問題意識を持っている。 一方で、ユニセフが「改善の余地あり」としているのに対し、ヒューマン・ライツ・ウォッチは「日本のスポーツ問題は、人権問題だ」と、より鋭い問題提起をしている』、「「富国強兵」の国是に乗ってスポーツ振興を行った。 日本のスポーツが「軍隊」に通じる、規律を重んじ、上下関係に厳しく、ときには鉄拳制裁も辞さない体質になったのは、こうした経緯があるからだ。 戦後、日本が民主主義国家になっても、そうした体質は一掃されなかった」、こんな悪しき伝統があるのであれば、よほど本腰を入れて取上げないと、絵に描いた餅で終わってしまう。
・『「世界トップレベルの基準を設けるチャンス」  報告書『数えきれないほど叩かれて』は「東京オリンピック・パラリンピック競技大会の1年延期により、日本政府と日本のスポーツ団体には、スポーツをする子どもへの虐待を防止し、加害者の責任を追及するための世界トップレベルの基準を設けるチャンスが訪れているのである」と締めくくられている。 この報告書は、日本語だけでなく、6カ国語で世界に発信された。 ヒューマン・ライツ・ウォッチ東京オフィスの湯村帆名氏は、報告書を発信した経緯について「これは日本だけの問題ではなく、国際的に大きなテーマであるととらえています。これまでにも2008年の北京、2012年のロンドン、2014年のソチ、2016年のリオデジャネイロなど、過去の五輪の際も報告を発表してきました」と語る。 そのうえで、「ヒューマン・ライツ・ウォッチは FIFA(国際サッカー連盟)やIOC(国際オリンピック委員会)などとも頻繁に仕事を共にし、人権ポリシーを策定するよう働きかけを行っています。ヒューマン・ライツ・ウォッチは長年にわたり、アスリートへの虐待について多くの経験を積み重ねてきました。この報告書の提言を真摯に受け止めることを期待します」と付け加えた。 日本のスポーツは、世界からこんな風に見られている。この強烈な問題提起に対して、スポーツ界はどのような対応をするのだろうか』、「日本」の「スポーツ界」は、「世界からこんな風に見られている」のを心から恥じるべきだ。そうすれば、自ずからしかるべき「対応策」が出てくるだろう。「世界トップレベルの基準を設けるチャンス」として、取り組んでほしい。

第三に、7月25日付け東洋経済オンラインが掲載したフリーライターの島沢 優子氏による「日本の中高生だけが柔道で亡くなる驚きの実態 強豪他国はゼロなのに日本は「121人死亡」」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/364635?display=b
・『世界100余国の人権状況を調査・モニタリングしているヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW/本部 ニューヨーク)が7月20日、日本のスポーツにおける子どもの虐待やハラスメント調査報告をするオンライン会見を開いた。 25歳未満のアンケート回答者381人のうち、19%がスポーツ活動中に叩かれるなどの暴力を受けたと回答したという。オリパラの経験者を含め、800人以上にインタビューなどで実施した調査は「数えきれないほど叩かれて」と題した報告書にまとめられた。 HRW職員や弁護士らとともに、ただ1人被害者家族として登壇したのが、「全国柔道事故被害者の会」の一員として活動してきた小林恵子さん(70)だ。 「全柔連(全日本柔道連盟)は真剣にこの問題に取り組んでいると感心しているが、残念ながら現場には届いていない。指導者が変われば事故はゼロになる」と訴えた』、「ただ1人被害者家族として登壇」、とは勇気ある行動だ。何があったのだろう。
・『中学校での練習中、息子が脳に重度障害を負った  2004年、中学校3年生だった三男は、顧問から乱取りを受けていた。全国大会で優勝経験のある顧問によって7分間ぶっ続けで投げ技をかけられ続けた。回転技が原因で脳の静脈が切断し、二度の締め技で気を失った。緊急手術を施したのち奇跡的に一命を取り留めたものの、脳に重い障害が残った。 日本スポーツ振興センターの記録が残る1983年度から現在まで、中学校・高校の学校内における柔道事故によって、121人もの尊い命が奪われてきた。こうしたことから、日本では長らく「柔道は格闘技だから事故が起こりやすい」と言われてきた。2015、2016年の2年間にも、学校で3人の中高生が柔道の部活動中に命を失っている。 昨年は、一般道場で小学生が柔道の練習中に頭を打ち急性硬膜下血腫となった重大事故が2件報告されているという。1人は小学4年生の男児で、1月にスポーツ少年団の練習で投げ込みを受けた。命は取り留めたものの重症だった。2人目は5年生男児。9月に、学校ではなく町道場の練習で頭を打って亡くなった。ともに全柔連は明らかにしている。 ところが、海外では、柔道は危険なスポーツとして認識されていない。 小林さんが2010年に語学に堪能な友人らの協力を得て調べた結果、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、イタリアなどすべての国が全世代で死亡者はゼロだった。 海外の柔道強豪国の柔道連盟やスポーツ機関、病院など1件1件メールを送り、粘り強く問い合わせた。なかでもフランスは柔道人口が60万人と日本の4倍以上に上るが、重篤な事故や事件は起きていない。 小林さんは調べた事実をすぐさま文部科学省に報告した。 「ほかの国で柔道事故は起きていません。日本は異常なんです」 ところが、文科省の担当者には「そんなわけありません」と言って信じてもらえなかったそうだ。日本でこれだけ事故が起きているのに、もっと柔道人口の多い他国でゼロなわけがない――そんな受け止めだったのだろう。 20数年間で100人以上が学校で柔道をしていて命を失っていたのだから、無理はないかもしれない。文科省が多額の調査費を投じ各国の柔道事故件数を調査したのは、それから3年後のことだった。 2013年。調査結果は、中学校での武道必修化に伴い事故実態を調べる「調査研究協力者会議」で報告された。 「他国の柔道による死亡事故を、1つも見つけられませんでした」 調査を請け負った民間機関の担当者は全柔連の理事など関係者に、深々と頭を下げたという』、「中学校での武道必修化」した以上、「文科省が多額の調査費を投じ各国の柔道事故件数を調査」、のは遅ればせながら、当然だ。ただ、「「他国の柔道による死亡事故を、1つも見つけられませんでした」 調査を請け負った民間機関の担当者は全柔連の理事など関係者に、深々と頭を下げた」、見つけられなかったことを謝る必要はない筈だが、報告ついでに謝ってしまったのかも知れない。
・『海外主要国と日本、柔道指導の「決定的な違い」  なぜ、他国はゼロで日本だけ121人もの命を失ってきたのだろうか。 小林さんによると、他国には柔道を安全に指導するための施策が構築されているという。例えば、イギリスでは同国柔道連盟が作成した「指導者のための児童保護プログラム“Safelandings”」にのっとって指導されている。 そこには、技術的な正当性を欠く過度の激しい乱取りや、成長期にある選手の身体能力の未熟さを軽視した過度の訓練、罰としての不適切なトレーニング等々は「すべて虐待である」と明記されている。さらには、女子に技を教えるときには「触りますね」「こうしますね」と事前に説明し、了解を得てから始める。子どもへの人権にきちんと配慮されている。 その詳しい内容は、被害者の会のホームページに掲載されている。小林さんが全文和訳したものだ。 そしてイギリス以外の強豪国にも「同様のプログラムがある」(小林さん)という。つまり、安全に指導できるコーチの育成が確立されているのだ。 これと同様の声が、柔道指導者からも聞かれる。 バルセロナ五輪男子柔道86キロ級銅メダリストで筑波大学体育系准教授の岡田弘隆さん(53)は、日本と他国で違いが生じている理由を「指導者の問題であることは間違いない」と話す。 柔道クラブ「つくばユナイテッド柔道」を2008年に設立。少年柔道の指導、普及に尽力するなかで「一部の指導者に安全に対する配慮が足らないのではないか」と感じている。 「安全な指導は、最初に受け身を徹底することが肝心。指導者が上手に投げてあげて、たまに上手に投げられてやる。そのときに子どもは一本を取る喜びや楽しさを味わえる。そんな指導を身に付けなくてはいけないが、目の前の子どもを早く強くしたいと焦るとそこを飛ばしてしまいがちだ。そうするとそこに危険が生まれる」(岡田さん)。 全柔連は2013年にそれまでなかった指導者資格制度を作り、重大事故総合対策委員会を設けるなど安全対策を講じてきた。「初心者には大外刈りの投げ込みを受けさせない」など指導上の禁止事項を通達しているが、指導者の意識改革は道半ばのようだ』、「指導者の意識改革は道半ば」なのは「全柔連」の取り組み姿勢がまだ中途半端なためなのではなかろうか。
・『中高生の競技人口が減る柔道  そんななか、日本の「お家芸」柔道は、競技人口減にあえいでいる。 柔道事故や、2011年の男子金メダリストによる大学の女子部員への準強姦事件、2013年の女子日本代表監督によるパワハラといった不祥事が相次ぎ、柔道はイメージダウン。それらが影響したのか、昨今は競技人口の減少に悩まされている。 全日本柔道連盟によると、6月初めの会員登録者数は5万5000人。コロナの影響で登録手続きがスムーズでないとはいえ、昨年の同時期の半分以下にとどまる。2019年度の登録者数はおよそ14万人。ここ数年は、毎年5000人規模で減少している。 全柔連が有力選手らのメッセージを発信し、登録を促していこうとした矢先の6月中旬、男子90キロ級の東京五輪代表に内定している向翔一郎(24)が、YouTubeで喫煙シーンや特定の人物を中傷するような動画をネットにアップし問題に。出鼻をくじかれた形だ。 他のスポーツの競技人口と比べるとどうなのか。 以下は、中学生の代表的なスポーツの競技人口の推移だ。日本中学校体育連盟(中体連)が発表している加盟生徒数のデータを例に、直近の2019年度と2009年度の10年間の推移を他のメジャースポーツと比較したものだ。幼少期に開始した競技を継続する過程で、受け皿になり得るか否かの分岐点であることから、中学生年代を選択。種目数が多岐に分かれる陸上競技以外で、加盟生徒数10万人以上の主なスポーツと比較した。ここでは男子のみとする。 部活動で柔道をする男子中学生は35%減。47%減となっている軟式野球ともに、状況は深刻だ。 いずれも少子化により2009年から2019年にかけて全中学生の数自体が約180万人から約165万人へ9%減った影響があるものの、バスケットやサッカーよりマイナス幅が大きい。近年露出が増えた卓球は人数が増えている。 柔道については、中体連に残されている最も古い2001年度の4万6067人と2019年度を比べると、18年間で56%も減っている。 前出の岡田さんは「イメージダウンもあるが、中学生に関しては柔道専門の指導者不足が影響している。事故が起きたらと怖がって、柔道を専門としない先生たちが顧問になりたがらないようだ」と話す』、「事故が起きたらと怖がって、柔道を専門としない先生たちが顧問になりたがらないようだ」、やはり「「全柔連」の取り組み姿勢がまだ中途半端」なことも影響しているだろう。
・『中1の息子を失った家族が語る不安  2009年に中学1年生だった長男の康嗣さんを急性硬膜下血腫で失った村川弘美さん(52)は「今でもそんなに(指導が)変わっていないと思う」と言う。12歳だった康嗣さんは入部したばかりの7月、気温30度の武道場で上級生や顧問からおよそ50分間技をかけられた。 「柔道界が変わっていないと思うのは、被害者の会に相談に来た人たちが顧問のパワハラや理不尽な指導に苦しんでいたから。他のスポーツは少しずつ変わってきているのに、柔道は指導が改善されていない」と憤る。 自力で他国の柔道事故ゼロを証明してみせた小林さんは、「私は柔道というスポーツを憎んでいるわけじゃない。息子が大好きだった柔道が、親しまれるスポーツになってほしいだけ」と胸の内を明かす。 会見の最後に、小林さんは柔道関係者に語りかけるように言った。 「他国の施策を参考にすることで、死亡事故をゼロにすることはできる。私は強く信じています」』、「全柔連」には、安全対策をさらに強化してほしいものだ。さもなければ、「国技」と誇ることすら出来なくなってしまうだろう。
タグ:「スポーツにおける暴力はいけない」と一応否定はしているが、そのための取り組みはほとんど整備されず、現場のスポーツ指導者の良心に委ねられている 「スポーツ基本法」「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」 銀メダリスト 全柔連は2013年にそれまでなかった指導者資格制度を作り、重大事故総合対策委員会を設けるなど安全対策を講じてきた 19年にハンガリーで開かれた世界選手権で「想定外の出費」 オンライン会議の形で極秘裡に「緊急説明会」 世界では「セーフスポーツ」というムーブメントが起こっている 暴力と"地続き"の日本スポーツ 「熱心さのあまり」「行きすぎた熱血指導」 全国柔道事故被害者の会 日本のスポーツ界 (その29)(「太田雄貴」会長で金銭負担が大幅増… フェンシング“選手会”が説明要求の事態に、アスリート800人が語る「暴力指導」の衝撃実態 人権NGOが提起したスポーツ界の深刻な問題、日本の中高生だけが柔道で亡くなる驚きの実態 強豪他国はゼロなのに日本は「121人死亡」) デイリー新潮 「「太田雄貴」会長で金銭負担が大幅増… フェンシング“選手会”が説明要求の事態に」 日本フェンシング協会の会長 「ウーバー」配達員をして遠征費などを自分で稼いでいる 「選手会」 日本オリンピック委員会からの助成金が減少傾向 東洋経済オンライン 「アスリート800人が語る「暴力指導」の衝撃実態 人権NGOが提起したスポーツ界の深刻な問題」 報告書のタイトルは「『数えきれないほど叩かれて』:日本のスポーツにおける子どもの虐待」 ヒューマン・ライツ・ウォッチ オリンピック・パラリンピックに出場したトップアスリートを含む約800人に実施した調査(757人へのアンケートと、56人へのインタビュー)に基づいている 衝撃的な報告書の中身 今も続くスポーツの現場での「子どもへの暴力」 過剰な食事の強要、水や食事の制限、罰トレーニング、罰としての短髪、上級生からの暴言、暴力、性虐待などの事例も スポーツ庁 暴力を振るった指導者、つまり加害者は日本のスポーツ界・教育界ではほとんど責任を問われることがない これほどの問題行為でありながら、だれも訴追されず、刑事処分も受けていない 親の中にも、指導者の暴力を肯定したり、なかには熱烈に支持したりする人がいる 教育現場の「暴力指導」がなくならないのは、世間にそれを容認する空気があることも大きいだろう 「富国強兵」の国是に乗ってスポーツ振興を行った。 日本のスポーツが「軍隊」に通じる、規律を重んじ、上下関係に厳しく、ときには鉄拳制裁も辞さない体質になったのは、こうした経緯があるからだ 日本ユニセフ協会 「ユニセフ『子どもの権利とスポーツの原則』実践のヒント」 『子どもの権利とスポーツの原則』 日本のスポーツは、世界からこんな風に見られている。この強烈な問題提起に対して、スポーツ界はどのような対応をするのだろうか 世界トップレベルの基準を設けるチャンス」 全国大会で優勝経験のある顧問によって7分間ぶっ続けで投げ技をかけられ続けた。回転技が原因で脳の静脈が切断し、二度の締め技で気を失った 島沢 優子 1983年度から現在まで、中学校・高校の学校内における柔道事故によって、121人もの尊い命が奪われ 中学校での練習中、息子が脳に重度障害を負った 「日本の中高生だけが柔道で亡くなる驚きの実態 強豪他国はゼロなのに日本は「121人死亡」」 柔道は格闘技だから事故が起こりやすい 海外では、柔道は危険なスポーツとして認識されていない フランスは柔道人口が60万人と日本の4倍以上に上るが、重篤な事故や事件は起きていない 文科省が多額の調査費を投じ各国の柔道事故件数を調査したのは、それから3年後のことだった 小林さんは調べた事実をすぐさま文部科学省に報告 文科省の担当者には「そんなわけありません」と言って信じてもらえなかったそうだ 海外主要国と日本、柔道指導の「決定的な違い」 「他国の柔道による死亡事故を、1つも見つけられませんでした」 調査を請け負った民間機関の担当者は全柔連の理事など関係者に、深々と頭を下げたという 他国には柔道を安全に指導するための施策が構築 事故が起きたらと怖がって、柔道を専門としない先生たちが顧問になりたがらないようだ 中高生の競技人口が減る柔道
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。