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パンデミック(経済社会的視点)(その5)(WHO上級顧問・渋谷健司さんが警鐘 「手遅れに近い」状態を招いた専門家会議の問題点、前のめりの専門家とたじろぐ政治、問題だらけのGo To トラベル 「感染防止と経済活動の両立」は幻に、国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく 世界で問題になっている) [国内政治]

パンデミック(経済社会的視点)については、7月19日に取上げた。今日は、(その5)(WHO上級顧問・渋谷健司さんが警鐘 「手遅れに近い」状態を招いた専門家会議の問題点、前のめりの専門家とたじろぐ政治、問題だらけのGo To トラベル 「感染防止と経済活動の両立」は幻に、国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく 世界で問題になっている)である。

先ずは、7月18日付けAERAdot「WHO上級顧問・渋谷健司さんが警鐘 「手遅れに近い」状態を招いた専門家会議の問題点」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020041700078.html?page=1
・『WHO事務局上級顧問で英国キングスカレッジ・ロンドン教授の渋谷健司さんが、日本の感染拡大防止策に警鐘を鳴らしている。政治から独立していない「専門家会議」の問題点、クラスター対策、自粛ベースや3密の限界――。いま何が問題で、何が求められているのか(Qが聞き手の質問、Aは渋谷氏の回答)』、第一線の「専門家」の見解とは興味深い。
・『Q:日本の状況をどう見ていますか。 A:手遅れに近いと思います。4月8日に出された非常事態宣言ですが、タイミングとしては1週間遅れたと考えています。 専門家会議のメンバーの西浦博・北海道大学教授は4月3日、東京が爆発的で指数関数的な増殖期に入った可能性を指摘しています。その2日前の、1日には専門家会議が開かれていました。この日は、宣言を出すように促す最後のチャンスだったと思います。1週間の遅れは、新型コロナウイルスの場合、非常に大きいのです』、「4月8日に出された非常事態宣言ですが、タイミングとしては1週間遅れたと考えています・・・1週間の遅れは、新型コロナウイルスの場合、非常に大きい」、正直な感想だろう。
・『クラスター対策は有効だったか  Q:新型コロナの感染拡大防止には「検査離」が基本と言われています。けれども、日本は「クラスター」と言われる感染集団の対策を重視してきました。日本の対策は有効だったのでしょうか。 A:クラスター対策とそれを支える『積極的疫学調査』の枠での検査を進めたので、保健所とその管轄の衛生研究所での検査が中心となりました。 まだ感染が限られていた初期は、保健師さんのインタビューと質の高い検査データで接触者を追い、その感染ルートを追いかけて、クラスターを潰すという方法が有効でした。 しかし、それではいずれ保健所の負担は増し、検査キャパシティーが限界になることは明らかでした。 検査については、保険適用になった後も医療機関から保健所に許可をもらい、その上で患者は帰国者・接触者外来に行って検査をする必要があります。 こうした複雑な仕組みのために検査は増えず、結果として経路を追えない市中感染と院内感染が広がってしまいました。 Q:初期段階でのクラスター対策は有効とも指摘されました。日本ではどの段階で「徹底的な検査と隔離」に方針転換する必要があったのでしょうか。 A:早い段階で感染が拡大した北海道などの地方都市ではクラスター対策が有効でした。しかし、大都市では感染経路をすべて追うことは非常に困難です。『どの段階』というよりは、そもそも検査を絞り続けた戦略がよくありませんでしたし、今こそ『検査と隔離』の基本に戻るべきでしょう』、「そもそも検査を絞り続けた戦略がよくありませんでしたし、今こそ『検査と隔離』の基本に戻るべき」、政府・厚労省の戦略への手厳しい批判だ。
・『「検査数を抑える」は的外れ  Q:日本では当初から「検査を抑えて医療態勢を守る」という考えがありました。そもそも、世界の専門家の間でこのような手法はどう評価されているのでしょうか。 A:検査を抑えるという議論など、世界では全くなされていません。検査を抑えないと患者が増えて医療崩壊するというのは、指定感染症に指定したので陽性の人たちを全員入院させなければならなくなったからであり、検査が理由ではありません。 むしろ、検査をしなかったことで市中感染と院内感染が広がり、そこから医療崩壊が起こっているのが現状です。 Q:政府の専門家会議は、機能していると考えていますか。 A:科学が政治から独立していないように見受けられ、これは大きな問題だと感じています。 先ほど指摘しましたが、4月1日時点で「東京は感染爆発の初期である」と会議メンバーは知っていたはずです。それならばそこで、緊急事態宣言をすべしという提案を出すべきでした。 しかし、この日の記者会見で出てきたメッセージには、国内の逼迫(ひっぱく)した状況を伝えてはいたものの、『我が国では諸外国で見られるようなオーバーシュートは見られていない』といった国民の緊張感を緩ませるような言葉もまぎれていました。 一方で、米国のトランプ大統領の妨害にもかかわらず国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は凛として科学者としての役目を務めており、大統領とは全く違う声明も出します。 彼は『自分は科学者であり、医師である。ただそれだけ』と述べています。そういう人物が今の専門家会議にはいないようです』、「検査を抑えるという議論など、世界では全くなされていません・・・検査をしなかったことで市中感染と院内感染が広がり、そこから医療崩壊が起こっている」、「国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は凛として科学者としての役目を務めており、大統領とは全く違う声明も出します。 彼は『自分は科学者であり、医師である。ただそれだけ』と述べています。そういう人物が今の専門家会議にはいないようです」、同感だ。
・『「3密」「夜クラスター」以外の感染ルート  Q:日本の感染拡大防止策がこのまま自粛ベースで行われた際、何が起きると考えていますか。 A:自粛ベースでも外出が実質削減されればそれで構いませんが、現在のように飲食店は開いたまま、在宅勤務も進まない状態が続けば、感染爆発は止まらないでしょう。いずれ、ロックダウン的な施策が必要と考えます。 Q: 一人一人はどう行動すべきでしょうか。 A:「家にいる」ということです。「自分が感染者かもしれない」と考えて行動すべきです。密閉、密集、密接の「3密」や夜クラスターを避ければよいというメッセージでは、逆に、「自分は関係ない」という意識を持ってしまう可能性があります。それ以外の感染ルートの可能性もあります。実際に感染経路を追えない市中感染が多数を占めているので、注意が必要です』、「現在のように飲食店は開いたまま、在宅勤務も進まない状態が続けば、感染爆発は止まらないでしょう」、政府は感染防止よりも、経済拡大に舵を切ってしまったようだ。どうなることやら・・・。

次に、7月20日付け中央公論が掲載した東京大学先端科学技術研究センター教授の牧原出氏による「前のめりの専門家とたじろぐ政治」を紹介しよう。
https://chuokoron.jp/society/114450.html
・『分裂の中、たじろぐ政治  「前のめり」の感染症専門家と、これを取り囲むように、多様な分野の専門家が参戦し、大立ち回りとなった新型コロナ対策、という状況は、日本だけに限らない。当初集団免疫を唱えてごうごうたる非難の結果、方針を転換したイギリスや、集団免疫の方針を続けた結果、周辺諸国と比べて死亡率が高くなったスウェーデンはもちろんのこと、比較的感染の抑え込みに成功したドイツですら、専門家への不満は高まっている模様である。どの国も自国の政策を守るために異なる政策をとる他国を非難する傾向にあり、そうしたもろもろの非難が、各国の国内での不満に火をつけている面もあるようにすら見える。 日本の場合は、元来専門家の登用に消極的であった第二次以降の安倍内閣の欠点が赤裸々となった。首相の記者会見でのパフォーマンスの低さは、国会審議で自分の言葉と言えばヤジを言うにとどまり、弁舌に磨きをかけてこなかったこれまでの実績が素直に反映されたに過ぎない。 さらに、官僚への人事権をテコに各省を統制していた菅義偉官房長官を一連の決定から事実上排除し、西村経済再生担当大臣を新型コロナ担当大臣にしたことで、政府全体として各省へのコントロールは低下した。内閣府特命担当大臣には、各省大臣と比べて圧倒的に少ないスタッフしかおらず、その発言権は過去の例を見ても、そうは高くはならないからである。 しかも、当初アドバイザリーボードを設けた加藤厚労大臣と政府内の医療専門家である医系技官の役割がかすんでいる。加藤大臣は、本来ならば尾身会長に代わって、自ら国民に対して説明するにふさわしい立場であるが、どうみても影が薄い。また専門家会議の事務局は、実質、厚労省の医系技官たちがかなりの程度コントロールしているし、末端の保健所の強化や特効薬・ワクチンの早期承認などは、その重要な職務である。にもかかわらず、西村大臣と尾身会長が前面に出れば出るほど、後景に退いた厚労省の役割は見えにくくなっている。 こうして、「安倍一強」のもと、強いチーム組織として安倍首相を支えた政権は、分裂の様相を強めている。誰もが責任を担いきれず、厳しい事態にたじろいでいる。首相の言葉が弱々しく聞こえたり、「まさに」、「歯を食いしばって」、「守り抜く」といった決まり文句が耳障りなほど繰り返されたりするのは、首相を支えるスタッフがやせ細り、政策アイディアの出所が払底しているからである。 その帰結の一つは、官僚が、森友・加計学園問題のようには「忖度」しなくなることである。黒川検事長辞任の際には、処分は訓告にとどまったが、法務省側はより重い戒告を主張し、官邸が訓告にとどめたとのリークがあった。出所はどうみても法務省である。また安倍首相が感染抑え込みの秘策として記者会見でも認可を前倒しにすると強調したアビガンは厚労省が後ろ向きのままである。承認申請する製薬会社は登場していない。もはや官邸が無理筋な方針を各省に投げかけても、そのまま各省が協力するといった状況ではなくなっている』、「「安倍一強」のもと、強いチーム組織として安倍首相を支えた政権は、分裂の様相を強めている。誰もが責任を担いきれず、厳しい事態にたじろいでいる。首相の言葉が弱々しく聞こえたり、「まさに」、「歯を食いしばって」、「守り抜く」といった決まり文句が耳障りなほど繰り返されたりするのは、首相を支えるスタッフがやせ細り、政策アイディアの出所が払底しているからである」、「もはや官邸が無理筋な方針を各省に投げかけても、そのまま各省が協力するといった状況ではなくなっている」、既に政権末期のレームダック化したようだ。
・『現場発の対策が出発点  今後第二波の到来が予想される中、これまでのスタイルでは、到底対応できないであろう。感染の広がりが収まりつつある現在、政権の最大の課題は、専門家とどのようにこれからの政策形成で協力できるかである。 一つ目は、感染症専門家についてである。政治は状況に対してたじろぎ、感染症専門家は「前のめり」であった。それを改めて、政治の責任範囲を明らかにし、専門家は分析と評価に徹するよう役割の分担が必要である。六月二十四日、西村大臣は専門家会議を「廃止」すると述べたが、今後どのような体制がとられるのかは注視すべきである。 二つ目は、感染拡大が落ち着いた現在、一層必要なのは、感染症対策とそのほかの専門分野との調整である。経済との調整が第一義的には重要であり、すでに感染症専門家の要望に応える形で諮問委員会には四名の経済学者が委員となっている。 とは言っても感染症専門家と比べて経済関係の委員の数はきわめて少ない。また経済の専門家の意見と、感染症専門家の意見とは、本質的に接点が薄く、一本化は難しい。異なる複数の意見を一つにまとめることこそ政治の役割であり、厚労大臣と経済再生担当大臣とがそれぞれを助言する専門家の意見を受けて議論して、決定すべきものである。しかし、西村大臣と加藤厚労大臣とが安倍首相を前にそうした大臣政治を繰り広げるようなスタイルを、現政権はとってこなかった。すべてが首相周辺で集中決済することで、これまでの七年間を乗り切ってきたのである。 しかも、教育が典型だが、授業方法、学校生活、入試実施方法など、問題が山積である。地域事情も加わるとすれば、感染者が発生しやすい都市部と、都市部から持ち込まれなければ従来通りの生活を送れるであろう地方部では、それぞれ対応が異なってくるはずである。日常生活全般について、「新しい生活様式」という専門家会議が打ち出した三密回避のためのルールを、それぞれの場面でどう活かすかが問われている。 まず内閣の中での責任分担をもう一度考え直すべきであろう。首相と側近による政策決定はもはや機能しない。まずは官房長官の政府部内全体を調整する役割を再確認する必要がある。チーム組織としての政権の再建はやはり必要であろう。 そして、厚労大臣・文部科学大臣など大臣の役割をもう一度見直すべきである。内閣の基本原則は、各省の所管に全責任を持つ大臣が主体的に行動することである。現政権は、麻生財務相と、安倍首相側近の数名の大臣以外は、ほとんど機能せず、官邸が処理してきた。それが可能だったのは、政権が、時期を区切って安保法制、トランプ大統領対策、地方創生、一億総活躍など、特定の政策に関心を集中し、政策革新を図ってきたからである。しかし、新型コロナ対策では、数年かけて全大臣が所管を見直し、慎重かつ果断に問題を処理する必要がある。「官邸案件」に特化した政策形成では到底対処できないのである。この点は、新型コロナ対策が終息しないうちに政権が代わったときにこそ、さらに重要になるであろう。 三つ目として、問題が長引き、多岐にわたるとすれば、もう一度それぞれの専門家がその枠を超えて地道に討議を繰り返すことがどうしても必要である。これまでは感染者激増と医療崩壊を恐れるあまり、識者の関心が国の中枢での決定に集中しすぎていたのではないだろうか。むしろ、個々の現場での地道な対処策について意見交換を進めるならば、建設的な討議が可能になるであろう。いくつもの手立てで日常生活の質を大きく落とさないような「多重防御」のしかけを仕込んでおけば、突然の感染爆発やロックダウンを防ぐこともできるであろう。 最後は政治が責任をとることが納得され、前向きにこれまでの施策を振り返り、アフターコロナの可能性を探る。そういう体制に向けて、政治も、もろもろの分野の専門家も、そして市民も腰を上げるときである』、「政治の責任範囲を明らかにし、専門家は分析と評価に徹するよう役割の分担が必要」、「首相と側近による政策決定はもはや機能しない。まずは官房長官の政府部内全体を調整する役割を再確認する必要」、「これまでは感染者激増と医療崩壊を恐れるあまり、識者の関心が国の中枢での決定に集中しすぎていたのではないだろうか。むしろ、個々の現場での地道な対処策について意見交換を進めるならば、建設的な討議が可能になるであろう。いくつもの手立てで日常生活の質を大きく落とさないような「多重防御」のしかけを仕込んでおけば、突然の感染爆発やロックダウンを防ぐこともできるであろう」、説得力溢れる提言で、同感だ。

第三に、7月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経産省出身で慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授の岸 博幸氏による「問題だらけのGo To トラベル、「感染防止と経済活動の両立」は幻に」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/244496
・『遂にGo Toトラベルが始まってしまいました。メディアでは連日、見切り発車で始めたことによる混乱や、事務局が8月まで設立されないといった問題点が盛んに報道されています。 しかし、それら報道されている内容はあくまで表面的な問題に過ぎないと思います。最大の問題点は、政府が感染防止と経済活動の両立を実現できていない中で、経済活動に偏る政策を始めてしまったことではないでしょうか』、政府が「経済活動に偏る政策を始め」ることに納得できる説明をしなかったことも大きな失点だ。
・『Go Toトラベルの混乱の本当の原因  しかし、Go Toトラベルが表面的にも酷すぎることは事実です。私は政策立案の世界に、もう35年くらい関わっていますが、これだけ話にならないレベルでの準備不足のまま見切り発車した政策は記憶にありません。 ではどうしてそんな醜態を晒すことになったかというと、持続化給付金の事務局の民間委託を巡る混乱が尾を引いているとしか思えません。 もともとGo Toトラベルの予算は、官邸(とその背後にいる経済産業省)主導の下で、第1次補正予算に計上されました。経産省は、持続化給付金の時と同様に、自らが差配して他の2つのGo Toキャンペーンと一緒に、民間に事務局を委託して事業を進めようと考えていたはずです。 ところが、持続化給付金の事務局を巡る騒ぎの煽りを受けて、Go Toトラベルは観光業を所管する国交省が急遽担うことになりました。国交省からすれば、自らが積極的に予算化したというより、官邸主導で決まった政策の尻拭いを突然押し付けられたようなものですから、そりゃ“やらされ感”たっぷりになって動きも鈍くなります。 加えて、8月から実施予定だったのが、天の声(=自民党)で7月の4連休からに前倒しでやれと言われたら、大混乱となって当然です。 従って、私は、国交省はむしろ被害者でかわいそうな面もあると思っています。それよりも本件でもっと非難されるべきは、Go Toトラベルは国交省が担当なので自分たちは無関係であるかのように振る舞う西村大臣、そして発案者である官邸と経産省だと思います。責任逃れも甚だしいのではないでしょうか』、「西村大臣、そして発案者である官邸と経産省」の「責任逃れも甚だしい」、同感である。
・『政府の感染状況に関する甘い認識と感染防止での無策  ただ、Go Toキャンペーンの最大の問題は、そうした表面的なことだけではありません。政府は「感染防止と経済活動の両立」を標榜するにもかかわらず、現実には感染状況の認識も甘く感染防止策も不十分で、バランスが経済に偏り過ぎている中で、その偏りをさらに助長する政策であるGo Toキャンペーンを始めてしまったことこそが、最大の問題ではないでしょうか。 そもそも、これまで政府の感染状況に関する認識は非常に甘かったと言わざるを得ません。7月22日に開催された政府の対策本部で安倍首相は、次のように発言しています。 「感染状況の拡大を十分に警戒すべき状況にはありますが、検査体制の拡充や医療提供体制の整備が進んでいること、感染は主に若い世代の中で広がっており、重傷者が少ないことなどを踏まえると、4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なっております」 もちろん、PCR検査の数が大幅に増えたことで感染者数が増えた面はありますし、30歳代以下の比率が高いのも事実です。しかし、データを見ると、東京都では重症化のリスクの高い60歳代以上の感染者数も、人工呼吸器装着者の数も、4月初めの段階に近づいており、もはや「4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なる」とは言えないように思えます。 実際、7月22日に開催されたコロナ感染症対策分科会で示された感染症専門家メンバーの分析でも、「爆発的な感染拡大には至っていないが、このままでは漸増が見込まれるので、減少に転じさせるには早急な対策が必要」と、安倍首相の発言よりも強い危機感が示されています。 さらに重要なのは、分科会がそこで、感染を抑えるために「現時点で早急に取り組むべき対策」を提示していることです。 具体的には、3密回避などに向けたガイドライン遵守の徹底、クラスター封じ込め、場合により夜の街への積極的介入(休業要請)などが挙げられています。ちなみに、会合後の会見で尾身会長は、「政府には明日から具体的アクションを取ってほしい」と求めています(参照資料)。 そうした分科会の専門家の危機意識とは正反対に、つい最近まで政府の動きは非常に鈍いままでした。 そもそも、6月上旬から東京で夜の街問題が起きているのに、政府は無策でした。7月になって東京での市中感染、そして全国への感染拡大が明らかになってようやく動き出した感がありますが、その内容も、風営法など感染症と無関係の既存の法律で出来る範囲にとどまり、かつ基本的には自治体任せでした。 役人出身の西村大臣らしく、非常に小役人的な対応に終始していた感があります。7月31日に分科会を開催し、地方自治体が具体的に動く際の判断基準を検討するようですが、既存の法律の範囲内での対応ばかりでは大きな効果は望めません。 要は、これまでの政府のやり方、つまり既存の法律の範囲内でやれることを考えるだけでは明らかに不十分なのです。本来はもっと強力な対応が必要なはずです。 となるとすぐ思いつくのは、再度の緊急事態宣言を発令するということですが、感染防止と経済活動のバランスを前者に極度に傾けてしまいますので、個人的には反対です。実際、そこまでやらなくても政府が出来る対応はまだたくさんあります。 例えばクラスター対策では、自治体の首長が事実上命令に近い法的根拠のある休業要請を、補償金とセットでもっと機動的に出せるようにすべきです。7月30日に東京都が飲食店に対して営業時間短縮を要請する方向であることが報道されましたが、強制力がなく、かつ協力金が20万円と店舗の家賃にも満たない少額では、効果はあまり期待できません。 また、いくつかの国で既に行われているように、市町村レベルやもっと狭いエリアの単位での緊急事態宣言を、これも補償金とセットで出せるようにすることも有効かもしれません。 さらには、真面目にPCR検査の件数を増やしたいなら、ボトルネックである保健所の早急な人員増強が難しいことを考えると、感染症法を改正して、保健所などの公的機関の関与なしでPCR検査を行えるようにする手もあると思います。 そして、これらの新たな実効性ある対策を講じるには法改正や新たな予算措置が必要となるので、本当に真面目に感染防止に取り組みたいのならば、政府与党は早急に臨時国会を召集すべきです。臨時国会を召集しようともせずに、感染防止は自治体任せのような対応ばかりをしていては、政府は本気で感染防止をする気がなく、経済のことしか考えていないと国民に見透かされ、政府への信頼がより一層落ちるだけです。 ついでに言えば、これだけ感染者数が増えているのに、安倍首相が会見で国民に政府のスタンスや政策をしっかりと説明していないというのも論外です』、「臨時国会を召集しようともせずに、感染防止は自治体任せのような対応ばかりをしていては、政府は本気で感染防止をする気がなく、経済のことしか考えていないと国民に見透かされ、政府への信頼がより一層落ちるだけです・・・これだけ感染者数が増えているのに、安倍首相が会見で国民に政府のスタンスや政策をしっかりと説明していないというのも論外」、全く同感である。
・『Go Toトラベルはまず一度止めるべき  そのような状況でGo Toトラベルを始めても、観光業も地域経済も決して救われません。 例えば7月に東京で感染者が200人を超えると、それをきっかけに飲食店に出向く人や飛行機・新幹線を利用する人の数が減ったと言われています。当たり前ですが、多くの国民は健全に感染を恐れているのです。 その国民に対して、感染状況の認識も感染防止策も甘い政府が旗を振っても、政府の機能不全を見透かしている国民は自衛に走りますから、多くの人が観光に出かけるとはとても思えません。 ちなみに、感染防止に無策な政府らしく、Go Toトラベル自体での感染防止策も甘いのが現実です。宿泊施設に感染防止策を講じているかを申告させ、それを観光庁(8月からは事務局)がチェックするだけです。 しかし、そもそも観光庁に感染防止策を判断する能力などありません。本来は、観光地の自治体と連携して、宿泊施設のみならず観光施設や飲食店などでも感染防止策を徹底させ、それをクリアしたところを対象にすべきです。 要は、通常時ならば全国一律での観光業振興という縦割りの政策もありですが、コロナ下では感染の面的な広がりというリスクが存在する以上は、地域の感染防止という横割りの観点も必要なのに、それが全く欠如しているのです。話になりません。 以上から、個人的には、とにかくGo Toトラベルは一度止めるべきだと思います。政府は、コロナ対応でこれまでも朝令暮改を繰り返していますので、もう恥ずかしくもないはずです。通常時のように、一度決めた予算は何があっても予定通り執行するという馬鹿げた固定観念は捨てるべきです。アベノマスクでそれはもう分かったはずです。 その上で、まず感染防止策をしっかりと強化して、政府が標榜する「感染防止と経済活動の両立」のバランスが取れた状態を実現してから、まともな観光業振興策を講じるべきです。旅行代金割引以外にも観光業を振興する方策はいくらでも考えられることを忘れてはいけません』、自民党の二階俊博幹事長が全国旅行業協会の会長として、「Go Toトラベル」に熱を入れている状況では、東京都を外しただけで決行したのも、頷ける。もはや安部政権は末期の幕に向かってまっしぐらのようだ。

第四に、7月28日付け東洋経済オンラインがThe New York Times記事を転載した「国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく、世界で問題になっている」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/365449
・『アメリカは新型コロナウイルスの制御に苦戦を強いられているが、アメリカ軍が国内外で感染源になっている可能性のあることが軍関係者や各地の公衆衛生当局者の取材で明らかになった。軍人の感染者は2万人を超し、軍内部の感染率は過去6週間で3倍に増加している(7月21日時点)。 感染者数が最も増加しているのは、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、テキサス州内の基地。いずれも感染者数の急増が確認されている州だ。沖縄のアメリカ軍基地では海兵隊が100人近い感染者を出し、現地当局者の怒りを買った。イラク、アフガニスタン、シリアの交戦区域でも未報告の感染例がすでに多数存在し、アメリカ軍は部隊内の感染爆発と戦っている』、「軍隊」は感染症にはどうしても弱いようだ。
・『アメリカ国内でも基地が感染源に  韓国では、ロバート・エイブラムス司令官がパンデミック初期に積極的な対策でウイルスを抑え込んだことから称賛されていたが、駐留アメリカ軍では現在98人の陽性が確認されている。エイブラムス司令官も認めるように、ウイルスはアメリカから持ち込まれたとみられる。 アメリカ国内では、ジョージア州チャタフーチー郡の当局者が同州にある大規模訓練基地、フォート・ベニングが感染源であることを突き止めた。同郡は人口密度が低いにもかかわらず感染率が高くなっている。カリフォルニア州とノースカロライナ州の当局者も、軍施設と地元コミュニティの感染拡大に関連性があることを確認している。 混雑するバーなどの営業が再開された、都市周辺の人口密集地に住む若者の間で感染が増加しているのは驚くようなことではない。しかし上述したような感染拡大、とりわけ海外の事例は、アメリカ軍の安全対策に疑問を投げかける。国防総省は軍内部での感染防止と、任期を超えて海外にとどまらざるをえなくなった部隊の交代といった、新型コロナに起因する兵站上の問題の双方に対処しなければならない状態にある。 「これはたいへんな課題だ」と、シンクタンク「新アメリカ安全保障センター」で非常勤の上級研究員を務めるジェイソン・デンプシー氏は話す。「ウイルスを国内でも制御できていない以上、極めて重要性の高い任務を除いてはアメリカ軍の展開を歓迎しない国も出てくるだろう」。 いろいろな意味で、アメリカ軍内部の感染急増は、ロックダウン(都市封鎖)に疲れ、日常を取り戻そうとしているアメリカ全体の状況を反映している。国防総省によると、感染件数は7月20日時点で2万1909件と、6月10日時点の7408件から大幅に増えている。3月以降、空母「セオドア・ルーズベルト」の水兵を含む3人の軍人が死亡している。入院した軍人は440人を超す。 アメリカ軍の訓練基地に、ソーシャルディスタンスの空間はほとんど存在しない。兵舎はぎっしり詰め込まれ、訓練はつねに過酷だ。開店中のバーやその他の社交場が隊員を招き寄せる。兵士らは、このような環境で海外派遣の準備を進めている』、「軍内部での感染防止と・・・部隊の交代といった、新型コロナに起因する兵站上の問題の双方に対処しなければならない状態」、にあるのであれば、もっと真剣に感染防止に取り組むべきだろう。
・『集団感染の「完璧な条件」がそろう  「密な環境で若者と年配の世代が共に時間を過ごすアメリカ軍の基地では感染症が広がりやすい。集団感染が燎原の火のように燃え広がるのに完璧な条件がそろっている」。こう指摘するのは、保健政策を研究するダートマス大学タック経営学大学院のリンジー・ライニンガー教授だ。 「残念ながら、密な環境、年齢構成からして基地の集団感染リスクは高い。そして、基地の従業員の多くが地元住民であるため、基地の集団感染はいとも簡単に地域の集団感染に発展しうる」 先日行われた電話記者会見で陸軍のライアン・マッカーシー長官は、大規模な歩兵訓練校を抱えるフォート・ベニングとミズーリ州のフォート・レナード・ウッドの感染急増に言及し、基礎訓練施設の再開を急ぎ過ぎたか、適切な感染防止策をとらなかったツケが軍に回ってきている可能性を認めた。 マッカーシー氏によれば、軍は検査ルールを変更するか、海外配属前に実施される14日間の隔離期間を延長するか、検査の頻度を上げるかどうか、検討を進めている最中だという。 「私たちは事態をとても重く受け止めている」と、在韓アメリカ軍のエイブラムス司令官はアメリカ軍向けに放送されている韓国のAFNラジオ番組内で語った。 世界中の数多くの国に軍隊を展開する唯一の国として、アメリカには何の制限もなくウイルスを他国に持ち込む場面が数多く存在する(アメリカ軍が展開する国には、アメリカからの旅行を禁じている国も含まれる)。さらにアメリカ軍には、すでに新規感染者であふれかえっている地域の感染をさらに加速させる懸念もある。 こうした現実は、複数のアメリカ軍基地が存在する日本南端部の島、沖縄の経験にはっきりと現れている。6月の数週間にわたり、国防総省の移動制限によって延期されていた数千人の海兵隊員の沖縄への派遣が実施されている。エスパー国防長官がアメリカ軍の移動を6月末まで制限し、その後解除したのには2つの狙いがあった。1つは、軍内部の感染防止。もう1つは、長期的な派遣スケジュールに対する悪影響を最小限に食い止めることだ』、沖縄で新規感染者が急増し、医療崩壊しかけているのも、駐留米軍での感染拡大が影響しているのだろう。
・『無許可で開かれたパーティーで感染拡大に拍車  事情をよく知る海兵隊員が匿名を条件に語ったところでは、沖縄に新規感染を持ち込んだのはカリフォルニア州から派遣された海兵隊のヘリコプター・歩兵部隊だったと考えられている。新型コロナの感染は6月に当該部隊内で急速に広がり、7月4日の独立記念日の週末あたりに無許可で開かれたパーティーによって感染拡大に拍車がかかったのはほぼ間違いない、とこの海兵隊員は話す。 「皆も気づいていると思うが、追跡チームによれば、新型コロナに感染した海兵隊員や水兵はおそらく」移動に関して課されていた規制を破った――。独立記念日の数日後に沖縄のアメリカ軍指揮官たちが海兵隊員に向けてこのように記したメッセージを、ニューヨーク・タイムズは入手した。指揮官らは規則に従うよう隊員に警告し、その行動は「徹底的な調査の対象になる」とクギを刺している。 韓国では、2月下旬に同国初の集団感染が確認されて以降、70人を超える在韓アメリカ軍関係者が検査で陽性となっている。アメリカ軍は厳格な隔離手順を順守していると述べる一方、早期に新型コロナの封じ込めに成功した韓国の衛生当局者は、新規感染の大部分が海外由来だとしている。 オーストラリアでは1000人を超す海兵隊員がダーウィンで毎年行われる数カ月の合同軍事演習を最近開始したばかりだが、海兵隊が今月行った報道発表によると、少なくとも1人の海兵隊員が新型コロナに感染していることが判明した。 ドイツではアメリカ軍のシュパングダーレム空軍基地のあるビットブルク=プリュム郡が、国内でも特に感染率の高い地域となっている。ただし、同基地内での感染は減少しつつあるようだ』、「沖縄」では「無許可で開かれたパーティーで感染拡大に拍車」、米軍に自己管理能力が欠如しているようなので、日本としては日米地位協定の見直しを申し入れるべきだろう。
タグ:東洋経済オンライン 中央公論 The New York Times パンデミック ダイヤモンド・オンライン 牧原出 岸 博幸 AERAdot (経済社会的視点) (その5)(WHO上級顧問・渋谷健司さんが警鐘 「手遅れに近い」状態を招いた専門家会議の問題点、前のめりの専門家とたじろぐ政治、問題だらけのGo To トラベル 「感染防止と経済活動の両立」は幻に、国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく 世界で問題になっている) 「WHO上級顧問・渋谷健司さんが警鐘 「手遅れに近い」状態を招いた専門家会議の問題点」 WHO事務局上級顧問 英国キングスカレッジ・ロンドン教授の渋谷健司 手遅れに近いと思います。4月8日に出された非常事態宣言ですが、タイミングとしては1週間遅れたと考えています 1週間の遅れは、新型コロナウイルスの場合、非常に大きい クラスター対策は有効だったか そもそも検査を絞り続けた戦略がよくありませんでしたし、今こそ『検査と隔離』の基本に戻るべきでしょう 「検査数を抑える」は的外れ 検査をしなかったことで市中感染と院内感染が広がり、そこから医療崩壊が起こっているのが現状 科学が政治から独立していないように見受けられ、これは大きな問題 国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は凛として科学者としての役目を務めており、大統領とは全く違う声明も出します。 彼は『自分は科学者であり、医師である。ただそれだけ』と述べています。そういう人物が今の専門家会議にはいないようです 「3密」「夜クラスター」以外の感染ルート 現在のように飲食店は開いたまま、在宅勤務も進まない状態が続けば、感染爆発は止まらないでしょう 「前のめりの専門家とたじろぐ政治」 分裂の中、たじろぐ政治 「安倍一強」のもと、強いチーム組織として安倍首相を支えた政権は、分裂の様相を強めている。誰もが責任を担いきれず、厳しい事態にたじろいでいる。首相の言葉が弱々しく聞こえたり、「まさに」、「歯を食いしばって」、「守り抜く」といった決まり文句が耳障りなほど繰り返されたりするのは、首相を支えるスタッフがやせ細り、政策アイディアの出所が払底しているからである もはや官邸が無理筋な方針を各省に投げかけても、そのまま各省が協力するといった状況ではなくなっている 現場発の対策が出発点 政治の責任範囲を明らかにし、専門家は分析と評価に徹するよう役割の分担が必要 首相と側近による政策決定はもはや機能しない。まずは官房長官の政府部内全体を調整する役割を再確認する必要 これまでは感染者激増と医療崩壊を恐れるあまり、識者の関心が国の中枢での決定に集中しすぎていたのではないだろうか。むしろ、個々の現場での地道な対処策について意見交換を進めるならば、建設的な討議が可能になるであろう。いくつもの手立てで日常生活の質を大きく落とさないような「多重防御」のしかけを仕込んでおけば、突然の感染爆発やロックダウンを防ぐこともできるであろう 「問題だらけのGo To トラベル、「感染防止と経済活動の両立」は幻に」 Go Toトラベルの混乱の本当の原因 西村大臣、そして発案者である官邸と経産省 責任逃れも甚だしい 政府の感染状況に関する甘い認識と感染防止での無策 政府の感染状況に関する認識は非常に甘かった 臨時国会を召集しようともせずに、感染防止は自治体任せのような対応ばかりをしていては、政府は本気で感染防止をする気がなく、経済のことしか考えていないと国民に見透かされ、政府への信頼がより一層落ちるだけです これだけ感染者数が増えているのに、安倍首相が会見で国民に政府のスタンスや政策をしっかりと説明していないというのも論外 Go Toトラベルはまず一度止めるべき 自民党の二階俊博幹事長が全国旅行業協会の会長 「国内外でウイルスを広げている「米軍」の怠慢 沖縄だけじゃなく、世界で問題になっている」 軍人の感染者は2万人を超し、軍内部の感染率は過去6週間で3倍に増加 アメリカ国内でも基地が感染源に 集団感染の「完璧な条件」がそろう 沖縄で新規感染者が急増し、医療崩壊しかけているのも、駐留米軍での感染拡大が影響 無許可で開かれたパーティーで感染拡大に拍車 米軍に自己管理能力が欠如しているようなので、日本としては日米地位協定の見直しを申し入れるべき
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