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介護施設(老人ホーム)問題(その5)(老人ホーム倒産が過去最多 入居者襲うリスク 入居時の預かり金が戻らない可能性も、相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?、すべては創業者の死からはじまった…「ニチイ学館MBO」衝撃の顛末 投資家とステークホルダーが置き去りに…) [社会]

介護施設(老人ホーム)問題については、昨年6月23日に取上げた。今日は、(その5)(老人ホーム倒産が過去最多 入居者襲うリスク 入居時の預かり金が戻らない可能性も、相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?、すべては創業者の死からはじまった…「ニチイ学館MBO」衝撃の顛末 投資家とステークホルダーが置き去りに…)である。

先ずは、昨年8月29日付け東洋経済オンラインがAERA dot.記事を転載した「老人ホーム倒産が過去最多、入居者襲うリスク 入居時の預かり金が戻らない可能性も」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/299487
・『大金を預けて入った老人ホームが突然、閉鎖されたとしたら……。お金は戻らず行く当てもなく、途方に暮れるばかり。こんなことが実際起きている。老人福祉・介護事業の倒産件数は2019年上半期で過去最多。ずさんな経営や人手不足もあって行き詰まる施設がたくさんある。いま老人ホームが危ない』、興味深そうだ。
・『深刻化する老人ホームの人手不足  老人福祉・介護業界の関係者を驚かせた大型倒産が今年あった。関東地方の37カ所で老人ホームを運営していた「未来設計」(東京)が1月、東京地裁に民事再生法の適用を申請したのだ。負債総額は約54億円で、民間調査会社の東京商工リサーチによると、有料老人ホーム経営会社としては過去2番目の規模となる。負債のなかには利用者が入居時に支払った「預かり金」も含まれており、その対象は約1500人、約34億円に上った。 未来設計は、福岡市の社会福祉法人のグループ会社創生事業団の傘下で再生を目指している。関係者によると、前オーナーのもとで実態は大幅赤字だったのに粉飾決算が行われていた。前オーナーへの年間2億円を超すような高額報酬や、前オーナー関連会社への不適切な支払いなどもあったという。創生事業団は前オーナーらを詐欺容疑で刑事告訴するとともに、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。 老人ホームの運営会社が粉飾決算をし、実態が伝わらないまま倒産したとなれば入居者は浮かばれない。今回の倒産では、創生事業団が経営を引き継いだこともあって、入居者が追い出されることはなかった。創生事業団側の弁護士事務所の担当者によると、「退去する人も一部にいたが、多くの入居者が以前と同じ条件で残っていただいている」という。 しかし、預かり金の大部分が戻ってこない可能性がある。入居時に支払った額は1人当たり単純平均で200万円強になる。 「公益社団法人・全国有料老人ホーム協会」が、いざという時に500万円まで肩代わりする入居者生活保証制度もあるが、今回の倒産事例では適用になる可能性は低い。創生事業団が経営を引き継ぎ入居を続ける人が多いため、「施設の全入居者が退去せざるを得なくなり、入居契約が解除された場合」という条件に該当しないためだと、協会は説明する。預かり金が消える入居者にとっては、そう言われても釈然としないだろう』、「実態は大幅赤字だったのに粉飾決算が行われていた。前オーナーへの年間2億円を超すような高額報酬や、前オーナー関連会社への不適切な支払いなどもあった」、飛んでもない話だ。「創生事業団が経営を引き継いだこともあって、入居者が追い出されることはなかった」、とはいえ、「預かり金の大部分が戻ってこない可能性がある」、「有料老人ホーム」には会計監査や情報公開の義務付けが必要だろう。
・『問題は人手不足のみならず、経営難も…  経営難で老人ホームを退去せざるを得なくなったケースもある。福岡県行橋市の社会福祉法人「友愛会」は6月、福岡地裁行橋支部に自己破産を申し立て、手続きが開始された。負債総額は約6億8千万円。昨秋には職員への給与が滞納状態となり、昨年11月末にはパートを含む26人の職員のうち8人が辞めた。水道料金も払えない状況で、運営が厳しくなっていた。28人いた入居者全員は、別の複数の施設に移ったり、家族に引き取られたりした。 経営破綻(はたん)したのは、市内のほかの施設との競争が激しく、入居者が定員割れしていたことが大きい。友愛会では介護支援専門員の勤務実態の偽装なども行われていた。運営を監視してきたはずの行橋市役所は、経営悪化を早い段階で察知し食い止めることができなかった。市は昨年末に介護保険法や社会福祉法に基づき改善命令を出したが、友愛会は改善の報告をしないまま自己破産を選んだ。 財務状況の実態はいまもわからない部分があり、市の担当者は、「預かり金を払った入居者以外にもいろいろな債権者がいる」と話す。預かり金の大半が回収できない可能性がある。 東京商工リサーチによると、これら2件を含めて、今年1~6月の上半期に倒産した老人福祉・介護事業は55件。前年同期に比べ10件増え、上半期としては過去最多となった。倒産件数は増加傾向だ。 「小規模事業者の人手不足が深刻さを増し、経営環境が一層厳しくなっている」(東京商工リサーチ情報部の後藤賢治さん) 業種別では訪問介護事業が32件、有料老人ホームが5件となっている。有料老人ホームは件数そのものは訪問介護事業より少ないが、経営規模が大きいところが目立ち、影響を受ける入居者は多い。 老人福祉・介護事業は、高齢化で市場が拡大し、大手から中小まで多数の業者が参入している。入居者の獲得競争は激しく、施設の職員の人手不足も深刻だ。 全国ホームヘルパー協議会が昨秋、事業者に対して実施したアンケートでは、人手不足に悩む実態が浮き彫りになった。課題をたずねたところ(三つまで回答可)、「募集をしても応募がない」(88.0%)、「給与が低い」(30.5%)、「効果的な募集方法がわからない」(24.0%)といった回答が並ぶ。 「早朝や夜間の人材が不足している」ことや、「高齢化が深刻で数年後が不安」と若い職員の不足を訴える事業者もいる。「人材の確保・育成・定着のための資金がない」といった声もあった。 資金力のある一部の大手は人材を確保できても、多くの事業者は人手不足を解消しにくい。介護業界の関係者はこう指摘する。 「介護現場ではサービスの質が求められています。人材育成を含めて一定の投資が必要。大手ならローテーションを組んで職員を研修に参加させることもできますが、小規模な事業所ほど人のやり繰りは難しくなります。資金力のない事業者は経営環境がますます厳しくなります」』、中小事業者の経営環境は厳しくなる一方だろう。
・『有料ホームを選ぶときのポイントは?  さて、私たち入居者にできることは何か。老人ホームの淘汰(とうた)はますます進んでいく。監視するはずの行政も頼りにならない。大金を払って終(つい)のすみかを決めるときには、納得できるまで業者側に説明を求める。いったん入居しても、サービスが低下するなど問題があれば、すぐに家族や専門家に相談する。 有料老人ホームの選び方について、東京都福祉保健局はこうアドバイスする。 家族や友人らが訪ねやすいか、近くに商店街などが整っているか、立地に注意する。入居率やスタッフの平均勤務年数なども確認し、複数のホームで比較。赤字が膨らんでいないかどうかなど、経営状況も自らチェックしよう。不利な情報でもきちんと情報を開示するところが望ましい。 いまは老人ホームがいつ閉鎖されてもおかしくない時代。最後まで自分のことは自分で守るという姿勢が求められている』、「経営状況も自らチェック」できるようにするためにも、ますます前述の会計監査や情報公開の義務付けが必要だ。

次に、昨年10月3日付けNHKクローズアップ現代+「相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?」を紹介しよう。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4336/index.html
・『利用料が比較的安いことなどからニーズが急増している「住宅型有料老人ホーム」。しかし、昨年度、倒産などの理由で廃止届を出した件数が、全国で少なくとも355に上ることが分かった。 突然閉鎖が決まり、入居者が退去させられた福岡市のホームを取材すると、経営スキルに乏しい業者が次々と新規参入している実態や、介護報酬の仕組みが経営を圧迫している構図が見えてきた。“終の住みか”で何が起きているのか、介護制度のゆがみを検証する。 出演者 新田恵利さん (タレント) 高野龍昭さん (東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科准教授) 武田真一 (キャスター)』、NHKが考える「介護制度のゆがみ」とはどんなものなのだろう。
・『30室が満室 人気の施設で一体何が?  この春倒産した、福岡市の住宅型有料老人ホーム「リリーゆたか」。設立されたのは3年前です。1か月の料金は、およそ12万円。入居者にとって負担が少なく、スタッフの雰囲気もよいと、人気だったといいます。 なぜ、突然閉鎖したのか。経営者に話を聞きたいと、弁護士に取材を申し込みました。 「リリーゆたか」代理人弁護士「『取材については、お断りさせて下さい。』と聞いています。体調不良と聞いています。」 取材班「施設が閉鎖に至った理由は?」 「リリーゆたか」代理人弁護士「それは、私の口からはコメントできない。」 取材班「どういった理由から?」 「リリーゆたか」代理人弁護士「依頼内容に関する守秘義務があるので、お答えできません。」 経営者の話が直接聞けない中、関係者が取材に応じました。 建物のオーナー「奥の方でレクリエーションとか、食事をしていただいたりですね。」 リリーゆたかが借りていた建物のオーナーです。閉鎖する直前まで、30ある部屋は満室だったといいます。しかし…。家賃をおよそ9か月分、滞納していたといいます。 建物のオーナー「入居者も皆さん入ってくれていましたし、売り上げ自体も、マイナスどころかすごく伸びていたので、なんで家賃が払えないのか。再三社長にも伝えてはいたけれど、全く答えがないまま、ずっと。」』、「30ある部屋は満室だったといいます。しかし…。家賃をおよそ9か月分、滞納」、とは不可解だ。やはり、前述のように情報公開の義務付けが必要なのだろう。
・『“施設から在宅へ”「住宅型」が急増  住宅型有料老人ホームとは、どういうものなのか。介護が必要な高齢者が暮らすには、特別養護老人ホームなどの施設に入る場合、そして、自宅などにいながら、外部の事業所から介護を受ける場合とがあります。国は社会保障費を抑えるため、施設を大幅に増やすのではなく、在宅介護の方針を推し進めてきました。 こうした中、需要が高まっているのが住宅型有料老人ホームです。基本的には、入居者に個室と食事を提供します。1か月の料金は、平均およそ12万円。比較的安いこともあり、自宅での暮らしが難しい高齢者の受け皿となっているのです。介護サービスが必要な場合は、自宅と同様に外部の事業者を利用します。自治体に届け出さえすれば設立できるので、さまざまな業種からの参入が相次いでいます。そのため7年で3倍に増えています』、「住宅型有料老人ホーム」が、「さまざまな業種からの参入が相次いでいます。そのため7年で3倍に増えています」、参入障壁を低くするのはやむを得ないが、前述のように会計監査や情報公開の義務付けは必須の条件になる筈だ。
・『倒産した「住宅型」経営の実態は?  リリーゆたかの経営者は30代半ばの男性。美容師や宅配寿司チェーン店の店長などを経て、介護事業に参入しました。 会社が自己破産を申し立てた際の、陳述書を入手しました。設立した時の思いについて、こう記されていました。 “お年寄りの方々を自分の理想通りに介護して、老後の新しい暮らしを提供できるということに大変魅力を感じました。” 経営者は、一体どんな運営をしていたのか。閉鎖する直前まで働いていた介護職員が話を聞かせてくれました。 「リリーゆたか」元介護職員「社長が事務所に来ることは、1日に下手したら10分、15分だけ。一番は社長への不信感。」 設立の理念と実際の運営は、大きく異なっていたといいます。 「リリーゆたか」元介護職員「面談の時に言われたのは、『年間の売り上げが今これくらいで、来年の今頃にはこれくらいになるように計画してて』みたいなことをバンバン言われて。だけど、利用者のことに対しては何も言っていなかった状況ではあります。」 陳述書には「自らの経営スキルが足りなかった」とも記されていました。 “いきなり経営者となることは、金銭的、能力的に不安があった。” “人件費について、設立当初の見通しが甘かったのだと思います。” 会社は人件費などが想定以上に膨らみ、6,400万円以上の負債を抱えて倒産するに至ったとしています』、「経営者は30代半ばの男性。美容師や宅配寿司チェーン店の店長などを経て、介護事業に参入」、「介護」の素人なので、「会社は人件費などが想定以上に膨らみ、6,400万円以上の負債を抱えて倒産」、大いにありそうなケースだ。
・『相次ぐ新規参入“ロマンはあったけど…”  今、経営が立ち行かず、売却を検討する介護事業者が増えています。 「背景1つ目が、競争の激化。経営が悪化して、廃業・売却をせざるをえない状況になっている。」 介護事業の売買を支援する会社のセミナーです。最近、異業種から新規参入した企業による売却の相談が増えているといいます。 この日相談に訪れたのは、住宅型有料老人ホームに参入したIT関連会社の経営者です。 売却を検討している経営者「もう1つの会社が忙しいというのが正直あって、このまま両方とも同時に進めていくのが、今の現状だと難しい。」 介護事業M&A支援会社 常務取締役 速水健史さん「他業種から参入した方が始めてみて、思った以上に手間がかかるということで、本業ではない中で片手間にやるのであれば、やっぱり利益が出ないので、本業に専念しようということで撤退するケースが増えています。」 事業から撤退した元経営者が、その教訓を生かしてほしいと取材に応じました。もともと保険会社に勤めていたこの男性。29歳の時、住宅型有料老人ホームを設立し、僅か2年で売却したといいます。 住宅型有料老人ホーム 元経営者「初期投資が一番安く開設できたのが、住宅型有料老人ホームを選んだ理由。『誰でもできる』イメージが根づいて。」 住宅型はさまざまな設備を設置する義務はなく、既にある建物を改修して作ることもできるため、一般的に初期投資を低く抑えられます。そして多くの場合、経営者は介護事業所も設立して、そこから介護サービスを提供しています。収入の大きな柱は2つ。入居者からの利用料と、介護サービスを提供して国や自治体から支払われる介護報酬です。一方、主な支出は介護職員などに支払う人件費です。 住宅型有料老人ホーム 元経営者「よく、『右手にロマン、左手にそろばん、背中に我慢』って言っているんですけど。ロマンはあったんですよ。高齢者にこんなことしたい、あんなことしたい。ロマンはあったと思うんですけど、そろばんがおろそかで。安易な計算のもとでやっていたので、売り上げは良かったんですけど、出て行くお金も(多く)収益と費用が近いぐらいのもので、利益が出ていなかった。」』、「もともと保険会社に勤めていたこの男性。29歳の時、住宅型有料老人ホームを設立し、僅か2年で売却」、早目に撤退したのは、さすが元金融マンだ。
・『“終の住みか”を追われて…  倒産したリリーゆたかの入居者たちは、その後どうしているのか。 別の施設に移った75歳の女性です。 生活に支障が出ていました。脳梗塞で右半身にまひがあるこの女性。リハビリのさなかに退居を余儀なくされたといいます。 娘「本当に頭に来ていますね。何でもまた一から練習しないといけない。寝起きのしかた、トイレに行くまでの歩く道。覚えるのが結構大変なので。」 「リリーゆたか」元入居者(75)「もう、ずっと、ずっと、ずっと、居たかったけどね。はがいかね(はがゆいね)。はがいかとよ。」 武田:自宅でお母様を介護されている新田恵利さん。突然「老人ホーム出て行け」って言われたら戸惑うと思うんですけれども。 ゲスト新田恵利さん(タレント)新田さん:急に出て行けって言われても、本当に困りますよね。まだうちは在宅で、兄と2人で回ってるので家で見てますけども。でも、兄か私のどっちかがちょっと体調壊したりしてギブアップしたらば、もう母はやっぱり施設に預けるしかないので、本当にああいうのを見てると、ひと事ではなくて。やっと見つけて入った。でもたった2年で「出て行け」って言われたら、もうどうしていいか分かんないですよね』、確かにその通りだろう。
・『求められる“経営スキル”と“介護の知識”  武田:介護問題に詳しい高野さん。住宅型有料老人ホームが、倒産したり廃業したりしている。これなぜなんでしょうか。 ゲスト高野龍昭さん(東洋大学ライフデザイン学部生活支援学科准教授)高野さん:実はですね、高齢者の介護サービスの経営というのは、結構スキルが必要なものでして。一つは高齢者の介護に対する知識が必要だ。経営スキルだけではなくって。ところが、そういう規制の緩い住宅型有料老人ホームの場合は、高齢者介護に必ずしも詳しくない人が設立をして経営をしようとする。そうすると、ビジネスとしてはなんとか成り立たそうとするのでしょうけれども、高齢者の特性に応じた介護が提供できるような体制を整えていないとか、そういうことで人の配置だとかがうまくいかない。それで経営が立ち行かなくなる。もう一つはですね、高齢者に対して丁寧な介護サービスをしたいという思いがある人たちが住宅型有料老人ホームを設立している。経営のスキル、ビジネスのスキル、ここが足りない人たちが参入をしてきている。それで経営が立ち行かないというパターンもあると思います。逆に言うと、ビジネスのスキルもあって、高齢者の特徴とか介護に対する認識がすごく深い方が経営している住宅型有料老人ホームは、きちんとした経営がされて、事業も存続している』、「ビジネスのスキルもあって、高齢者の特徴とか介護に対する認識がすごく深い方が経営している」ようなところは、残念ながら少ないのだろう。
・『「住宅型」急増の背景は?  武田:どれくらい増えているのかということなんですが、特別養護老人ホームは現在1万件余りあります。住宅型有料老人ホームというのが、ぐぐっと増えていまして、この7年で3倍近くにもなっているんですね。この急増している背景というのは、どういうことですか。 高野さん:特別養護老人ホームの整備をしますと、例えば施設整備費などに関して、本来は行政が作るべき施設ですので、公費、税金で補助金が相当投入されます。その税金の財政負担が大きくなるということもあって、特別養護老人ホームはあまり増やさない。一方で、規制が緩い住宅型有料老人ホームが、結果的にその受け皿となって増えてきている。こういう背景があると思いますね。 さらに、住宅型有料老人ホームが増えているもう一つの理由が、「参入のしやすさ」です。特別養護老人ホームなどの施設に比べ、開設するにも自治体への届け出だけ。設備に関する義務や人員の配置にも、明確な基準はありません。 武田:高野さん、こんなに基準が緩くて、どうしてなんだろうとか大丈夫なのかなっていうふうに思ってしまうんですけれど。 高野さん:住宅型有料老人ホームは自宅なので、自分で選んで入所するものですし、例えば、職員がそこに何人いるかとか、建物がどれくらいの広さでどういう設備がなきゃいけないかということに関しては、国があえて規制をしていない。そこの部分は、間口が広がった、いい部分ではあるんですけども。逆に先ほど申し上げたように、経営が困難になるような事業所も出てきているという意味で、課題にはなっているということですね。 新田さん:でもやっぱり必要だからこれだけ増えてきているっていうのを考えると、まあ不安はあるけれども、どうしてもやっぱり必要だから預けたい。そこで受け入れてもらえるなら、しかたがないのかなっていう気もしますよね』、「新田さん」の最後の発言は無責任過ぎる印象だ。
・『介護報酬が経営を圧迫?  急増する住宅型有料老人ホーム。現在の介護報酬の仕組みが、経営を圧迫している実態も見えてきました。 入居者30人が暮らすホームです。平均年齢は88歳。ほとんどの人が、ここを“終の住みか”と考えています。 入居者「安心しております。ずっと暮らしたいですよ。死ぬまで。」 施設長の古田嚴一さんです。入居者30人のうち、20人が要介護3以上。さらに、生活保護を受けている人が半分以上います。 5段階に分けられている要介護度。3以上の多くは、食事や排せつなどに介助が必要な人たちです。 さらに、自宅で独り暮らしをしていて生活が困難になった人の受け入れを、行政から頼まれるケースもあるといいます。 施設長 古田嚴一さん「何とかしてあげたい。やっぱりどこでも断られている人が多くて。うちが断れば、どこに行くんだろうという心配はあります。」』、ラストリゾートのようになっているところもあるようだ。
・『介護報酬ではまかなえない!?現場の苦悩  こうした入居者が多いことが、経営を困難にしているといいます。 男性(89)「ズボンがない。」 89歳の男性です。要介護度は5。生活保護を受けています。 介護職員「ぬれてる。」 男性(89)「汚しちゃってな。すみませんな、朝から。」 男性は毎晩必ず失禁をしてしまいます。そのため、シーツの洗濯や部屋の掃除が毎日欠かせません。 取材班「どうして青いシートを敷いている?」 介護職員「おしっこが漏れちゃって、この布団が湿ったら臭いが取れなくなる。」 掃除や洗濯だけで、3時間以上かかります。 しかし、これらの日常的な介助は無償で行っています。一体なぜなのでしょうか。介護報酬は要介護度に応じて、施設が得られる上限額が決まっています。 要介護5のこの男性の場合、上限額はおよそ36万円。男性は毎日、起床と就寝の際に介助を受けています。さらに、週5回デイサービスを利用しています。これらで介護報酬は36万円の上限に達してしまいます。そのため、それ以上の介助は本人が自己負担するしかありません。しかし、男性は生活保護を受けているため支払うことが難しく、無償で行わざるをえないのです。 人件費に換算すると、月におよそ10万円がホームの持ち出しになるといいます。こうしたことなどから、赤字が年間600万円以上に達したこともありました。 このホームでは、創意工夫で効率的な介護の方法を編み出してきました。 介護職員「防水シーツ。失禁とかされて、車いすがぬれてしまって。そのために、これを使うといいんです。」 車いすを直接洗う手間が省けるようにと、職員が考えました。 こうした積み重ねで、少人数の職員でも介護できる体制を整え、赤字を脱却しています。 施設長 古田嚴一さん「本当にどこまでやれるか、不安はあります。常に知恵を絞って、生き残っていかなきゃと思いますね。まだまだ増える高齢者に対して、国はサポートしてくれるのではないかと期待する部分はあるけど、どうしてもそこが逆行してきている感じがしますね。」 浮かび上がってきた介護制度のひずみ。どうすればいいのでしょうか?』、「要介護5のこの男性の場合、上限額はおよそ36万円。男性は毎日、起床と就寝の際に介助を受けています。さらに、週5回デイサービスを利用しています。これらで介護報酬は36万円の上限に達してしまいます。そのため、それ以上の介助は本人が自己負担するしかありません。しかし、男性は生活保護を受けているため支払うことが難しく、無償で行わざるをえないのです」、そこで「防水シーツ」で効率化するような知恵も必要なのだろう。
・『浮かび上がる介護制度のひずみ  新田さん:本当に創意工夫でもしないとやっていけない。でも、あの車いすの防水シート、母が車いすに乗って、トイレ間に合わなかったりとか量が多くて漏れちゃったりした時に、敷いてある座布団を洗ってたんですけど、それよりはやっぱり防水シートの方が。 武田:ただ、やっぱり本来はこういう努力をそんなにしなくても、成り立たなきゃいけないわけじゃないですか。現在の介護報酬の仕組みで、経営が成り立たない。これ、どう受け止めたらいいんでしょうか。 高野さん:国全体で高齢者介護にかかる費用が伸びている。これからも伸び続けると予測されてる。従って、その伸びを抑制する必要があるという政策を、国がとらざるをえないということなんですね。 もう一つはVTRにも出ていましたように、月額36万円で、独り暮らしの人が夜間も介護が必要。そうした状態を支えるには、実は足りないというのが介護サービスの実践現場では常識なんですね。在宅でなぜ介護ができているかというと、実際にはご家族が同居されていて夜間の介護をしてくれていたり、ちょっとしたイレギュラーな事態に対応してくれていたりするので、この金額でなんとか収まっている。ところが、住宅型有料老人ホームというのは、夜間は誰もいない。昼間の介護サービスが提供されても、いろんな問題が起こった時に対応できないから、入居している住宅型有料老人ホームがどこからもお金が出ないとはしても、入居を継続するために支援をせざるをえない。 新田さん:何かやっぱりね、自分の親だから夜見ててもいいというか、夜見ようっていう気もありますけど、こういう住宅だと外部の方っていうか、他人が見てくれるわけじゃないですか。それをやっぱり無償でっていうのは、その方々はとっても大変だなって。 高野さん:VTRに出てきて非常に気がかりだったのは、生活保護の人が多く入所されている。住宅型有料老人ホームが引き受けてくれた。それは大変頭の下がることではあるんですが、本来、所得の低い人たちで介護が必要だっていうことになれば、まずはセーフティーネットとして、特別養護老人ホームに入居しやすい仕組みを作る。一方で、所得があったりだとか、もっと自由な生活を自分の選択でしたいという場合に、住宅型有料老人ホームが選べる。こういう順序立て、優先順位にしなければ、その逆が起きると矛盾が。住宅型有料老人ホームに全部しわ寄せが来るってことになってしまう』、確かに持続可能な仕組みに変えてゆく必要がありそうだ。
・『“終の住みか”をどう保障?国の見解は  武田:何より終の住みかを、これからどのように保障していくのかということを、厚生労働省に尋ねてみました。文書での回答を得ました。「2020年代初頭までに介護施設などを、およそ50万人分増加することを目標として整備を進めている」。さらに、「多様な住まいの提供が重要と考えており、倒産の防止を含め、施設が適切に運営されるよう、指導を徹底していく」。 こういう回答だったんですけれども、高野さんこれどうお読みになります? 高野さん:今、介護が必要な要介護高齢者が大体660万人ぐらい。2025年に、それが771万人になるという推計があるんですね。この50万人分増加で本当に足りるのかどうか。この検証は一つ必要だろうと。それから後段の部分の回答に関しましては、実は今、高齢者向けの介護が必要な人、介護が必要でない人も含めて、制度上の住まいというのが無数に、制度的にあるわけですね。専門家レベルでも、どういう人たちがどういう住まいに入ったらいいのか。交通整理すら難しいような状況になっています。その中でさらに、多様な住まいを増やすっていうことが、本当に国民にとって分かりやすい政策なのかどうなのか。 武田:「どんな施設があるのか」とか、もうだいぶ分かってらっしゃる? 新田さん:いや、徐々には分かってきてますけれども。でもやっぱり、きちんとした名称、今日の住宅型有料老人ホーム、そういうのが本当にいっぱいありすぎて、分かってるようで分かってないというのが正直なところなので、これ以上増えたら、本当にどう情報を整理していいか分からなくて』、実態調査すら行われてないとは、行政の怠慢だ。調査結果が国費投入を増やすことを恐れているのだろうか。
・『ホームを選ぶポイントは  武田:そんな中で、私たち利用者は数ある施設の中からどういう基準で選べばいいのかということで、高野さんに挙げていただきました。 まず1つ目「安さ・きれいさだけで決めない」。そして「複数見学して話を聞く」と。 高野さん:単に話を聞くってことも大事なんですけども、施設長の人がどういう考えをお持ちか、あるいはどういう経歴を持ってる人か。例えば、一定程度、責任のある介護サービスの経営の経験もありつつ、高齢者の介護の現場の経験もある。思いもきちっとしっかりしている。こういう人だと、ある程度安心できるかもしれません。 武田:それから3つ目に、厚生労働省のホームページの中に「介護サービス情報公表システム」というサイトがあります。 高野さん:チェックする時によく見るのは、職員の勤続年数が長い短いというのがあります。当然、職員の勤続年数が長いところの方がきちんとやれているのかなとか、あるいは職員に対する研修の仕組みだとか、その辺りのサポートをどのようにやっているのかということを見ていただくと、選択の材料になると思います。 新田さん:情報を得て、選ぶっていうことを考えなきゃいけないなって。ただ何となくいいんじゃないんだろうか、見に行ってみる、話聞いてみるっていうんではなくて、もうちょっと深く勉強した方がいいなって、今日感じました』、「情報を得て、選ぶっていうこと」、前提となる「情報」の信頼性を高めるためにも、前述のような会計監査や情報公開の義務付けが必要だ。

第三に、本年8月20日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの伊藤 博敏氏による「すべては創業者の死からはじまった…「ニチイ学館MBO」衝撃の顛末 投資家とステークホルダーが置き去りに…」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75013?imp=0
・『介護大手「ニチイ学館」のMBO  経営陣が参加する買収)が、8月17日に成立、近く上場廃止となる。 ニチイ学館が、米投資ファンドのベインキャピタルと組んで、MBOを実施すると発表したのは5月8日。 TOB(株式公開買い付け)期間は、3度延長され、7月31日にはTOB価格が1670円に引き上げられ、大株主のエフィッシモ・キャピタル・マネージメントの同意も得て、成立は確実視された。 しかし、最終日の早朝、日経ビジネスオンラインが「1株2000円のTOB価格を提示するファンド」を公表。同日、株価はTOB価格を超えて終了。 翌日、1748円の年初来高値を付けたが、ニチイ学館が午前11時過ぎ、「82%の応募が集まった」としてMBO成立を表明、株価は沈静化し、終値は1664円だった。 MBO成立までの顛末を振り返ってみよう』、MBOはとかく経営側に有利で、少数株主の利益は踏みにじられがちだが、今回はどうなのだろう。
・『すべては会長の死からはじまった  すべては、昨年9月、創業者の寺田明彦氏が、会長のまま、83歳で亡くなったことから始まった。三度の結婚を経験した明彦氏は、親族に約200億円の株式を残した。相続税を支払うには持ち株を処分するしかないが、市場で売却すれば株価は暴落、かつ大株主としての地位も失う。 その相続対策としてMBOを打ち出したのがベインキャピタルだった。 世界に約1000人の社員を抱えるプライベートエクイティファンドで、84年の設立以来、約1050億ドル(約11兆5500億円)の資産を運用してきた。日本代表の杉本勇次氏は、ニチイ学館の社外取締役である。 そのスキームは、ベインキャピタルが約270億円を出資して受け皿会社を設立。同社が、みずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、野村キャピタル・インベストメントから986億円を上限として借り入れ、決済資金とする。TOB価格は、5月7日の終値価格に約37%のプレミアムを乗せた1株1500円だった。 もともとMBOは、少数株主の権利を、大株主が金銭で奪い、収奪するもの。「締め出し」を意味するスクイーズ・アウトと呼ばれるが、ニチイ学館は露骨だった。 公開買付者は、社外取締役のファンドなので中立性に疑義がある。しかも親族は相続税の支払いの後、公開買付による手取金の一部を再投資して大株主の座を保持するのだから自己都合というしかない』、「ニチイ学館」側のやりたい放題のようだ。
・『MBOに噛み付いた香港ファンド  このMBOに噛みついたのが、香港ファンドのリム・アドバイザーズ・リミテッドだった。 5%未満の少数株主として、MBO決定プロセスの公正さを問う内容の書簡を送ったものの、「期日までの面談が叶わなかった」として、6月11日、報道関係者にニチイ学館への質問状を公開した。 リム社は、ニチイ学館の適正価格が公開買付価格の1500円を60%上回る2400円としたうえで、昨年6月、経済産業省が定めた「公正なM&Aの在り方に関する指針」に抵触していると批判した。 具体的には、「指針」が推奨する「マジョリティ・オブ・マイノリティ条件(買収者と利害を持たない少数株主からの過半の支持を得ること)」は設定されておらず、「マーケット・チェック(対抗買収者の提案機会の確保)」もなかった。 社外取締役が買付者となって、低過ぎる公開買付価格で、公平性を担保することも、「指針」を考慮することもなく、MBOに踏み切った』、「香港ファンド」の言い分はもっともらしいが、何故もっと早くから主張しなかったのだろう。
・『MBO不成立には時間が足りなかった  ニチイ学館はリム社の訴えを無視したが、マーケットは公正性に対する疑義や、コロナ禍で株価が低迷している最中に、「納税のために株式を現金化、支配権も維持したいとの創業者親族の思惑により、株価低迷を奇貨としてMBO案が推し進められたのではないか」というリム社の主張に反応、適正価格2400円という提示もあって株価はTOB価格を上回り続けた。 ニチイ学館は締切を2度、延長のうえ、7月31日、買付価格を1670円に引き上げ、締切を8月17日とした。この価格と非上場化後の再投資という条件を好感した約12%を持つ大株主のエフィッシモが、前述のように応募を決めたことで、成立の条件は整った。だが、水面下でもうひとつの動きがあった。 一度目の締切延長の後、世界8拠点で投資事業を行うベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA)が、創業家に「公開買付が成立しない場合」を条件に、「ご賛同いただいた場合には、7月7日終値である1636円を22.2%上回る2000円にて本公開買付を実施する用意があります」と、提案した。 文書送付は、7月中、三度に及んだが、創業家株主は、相続税支払い原資をベインキャピタルに頼っていることもあり、ベインとの契約上、BPEAとの協議や面談に応じることはなかった。 この水面下のアプローチが表面化したのは、創業家のひとりが、「MBO決定プロセスや低過ぎる公開買付価格に不信感を持っています」として、文書を作成のうえ、BPEAの「2000円でのアプローチ」を日経ビジネス記者に伝えたからだ。冒頭のように、それが17日早朝、スクープ配信された。 ただ、MBOを不成立させるには時間が足りなかった。MBOを推奨するニチイ学館は、森信介社長や創業家の寺田剛副社長、他の創業家を合わせ約19%の応募を決めていた。加えて約12%のエフィッシモ。TOB成立の下限の約42%は目前だった。 また、17日が最終日とあって、機関投資家は応募を機関決定、一般投資家も応募を決め、TOB用の証券口座を開設した人がほとんどで、当日のキャンセルは可能だとはいえ、そこに至らない投資家が多かった』、「BPEA」の「提案」は「MBOを不成立させるには時間が足りなかった」、「創業家株主は、相続税支払い原資をベインキャピタルに頼っていることもあり、ベインとの契約上、BPEAとの協議や面談に応じることはなかった」といった裏事情までは分からなかったためだろう。
・『創業家は「強い憤り」  ただ、MBOが成立したとはいえ、強引なスクイーズ・アウトゆえ、締め出された株主が黙って手をこまぬいているとは思えない。寺田剛副社長など創業家役員は、TOBの対案を提示されていたのに、一般投資家にその存在を開示しなかった。 前述の創業家は、「ニチイの株主の皆様の利益が不当に害されていることに強い憤りを覚えております」という。ニチイ学館には訴訟リスクが発生している。 また、創業家の資産管理会社で、約25%を持つ明和は、TOBの対象ではなく、TOB完了後、会社売買の形で受け皿会社に譲渡されることになっているが、その価格は1株1670円より高く設定されているという。取引形態が違い「公開買付価格の均一性に反しない」とはいうものの、一般投資家からすれば、「再投資の確約」と合わせ、ダブルスタンダードだろう。 介護と医療を柱に売上高3000億円を誇るニチイ学館は、事業規模もさることながら3万7000人の従業員を抱え、地域社会に根を張ったステークホルダーの多い会社である。その企業が、95年の株式店頭登録で創業者利得を得て、今度は相続税対策で株主の「締め出し」を、さまざまなダブルスタンダードを駆使して行う。 その顛末は書き留めるべきだろうし、このまま何事もなく終わるとは、とても思えないのである』、「強引なスクイーズ・アウトゆえ、締め出された株主が黙って手をこまぬいているとは思えない」、今後の展開が楽しみだ。
タグ:問題 東洋経済オンライン 老人ホーム 介護施設 現代ビジネス 住宅型有料老人ホーム 伊藤 博敏 NHKクローズアップ現代+ AERA dot. (その5)(老人ホーム倒産が過去最多 入居者襲うリスク 入居時の預かり金が戻らない可能性も、相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?、すべては創業者の死からはじまった…「ニチイ学館MBO」衝撃の顛末 投資家とステークホルダーが置き去りに…) 「老人ホーム倒産が過去最多、入居者襲うリスク 入居時の預かり金が戻らない可能性も」 深刻化する老人ホームの人手不足 関東地方の37カ所で老人ホームを運営していた「未来設計」(東京)が1月、東京地裁に民事再生法の適用を申請 福岡市の社会福祉法人のグループ会社創生事業団の傘下で再生を目指している 前オーナーのもとで実態は大幅赤字だったのに粉飾決算が行われていた。前オーナーへの年間2億円を超すような高額報酬や、前オーナー関連会社への不適切な支払いなどもあった 預かり金の大部分が戻ってこない可能性 「有料老人ホーム」には会計監査や情報公開の義務付けが必要 問題は人手不足のみならず、経営難も… 福岡県行橋市の社会福祉法人「友愛会」は6月、福岡地裁行橋支部に自己破産を申し立て 今年1~6月の上半期に倒産した老人福祉・介護事業は55件。前年同期に比べ10件増え、上半期としては過去最多 有料ホームを選ぶときのポイントは? 経営状況も自らチェック 「相次ぐ老人ホーム閉鎖 “終(つい)の住みか”で何が?」 昨年度、倒産などの理由で廃止届を出した件数が、全国で少なくとも355に上る 30室が満室 人気の施設で一体何が? 福岡市の住宅型有料老人ホーム「リリーゆたか」 30ある部屋は満室だったといいます。しかし…。家賃をおよそ9か月分、滞納していた “施設から在宅へ”「住宅型」が急増 倒産した「住宅型」経営の実態は? 会社は人件費などが想定以上に膨らみ、6,400万円以上の負債を抱えて倒産 相次ぐ新規参入“ロマンはあったけど…” “終の住みか”を追われて… 求められる“経営スキル”と“介護の知識” 「住宅型」急増の背景は? 介護報酬が経営を圧迫? 介護報酬ではまかなえない!?現場の苦悩 要介護5のこの男性の場合、上限額はおよそ36万円。男性は毎日、起床と就寝の際に介助を受けています。さらに、週5回デイサービスを利用しています。これらで介護報酬は36万円の上限に達してしまいます。そのため、それ以上の介助は本人が自己負担するしかありません。しかし、男性は生活保護を受けているため支払うことが難しく、無償で行わざるをえないのです 浮かび上がる介護制度のひずみ “終の住みか”をどう保障?国の見解は ホームを選ぶポイントは 「すべては創業者の死からはじまった…「ニチイ学館MBO」衝撃の顛末 投資家とステークホルダーが置き去りに…」 介護大手「ニチイ学館」のMBO ベインキャピタルと組んで、MBO すべては会長の死からはじまった 公開買付者は、社外取締役のファンドなので中立性に疑義がある。しかも親族は相続税の支払いの後、公開買付による手取金の一部を再投資して大株主の座を保持するのだから自己都合というしかない MBOに噛み付いた香港ファンド リム・アドバイザーズ・リミテッド MBO不成立には時間が足りなかった ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア(BPEA) 「BPEA」の「提案」は「MBOを不成立させるには時間が足りなかった」 創業家株主は、相続税支払い原資をベインキャピタルに頼っていることもあり、ベインとの契約上、BPEAとの協議や面談に応じることはなかった 創業家は「強い憤り」 強引なスクイーズ・アウトゆえ、締め出された株主が黙って手をこまぬいているとは思えない
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