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アベノミクス(その35)(コロナ禍のドサクサで進む「成長戦略実行計画」は 日本を破滅させる、検証アベノミクス:海外の回復期に重なった幸運=木内元日銀審議委員、新聞テレビは言わない…日本は「デフレではない」と言える これだけの理由 政府にダマされてはいけない) [国内政治]

安倍首相の辞意表明を受けて。今日は、アベノミクス(その35)(コロナ禍のドサクサで進む「成長戦略実行計画」は 日本を破滅させる、検証アベノミクス:海外の回復期に重なった幸運=木内元日銀審議委員、新聞テレビは言わない…日本は「デフレではない」と言える これだけの理由 政府にダマされてはいけない)を取上げよう。前回は5月30日に取上げた。

先ずは、7月31日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した室伏政策研究室代表・政策コンサルタントの室伏謙一氏による「コロナ禍のドサクサで進む「成長戦略実行計画」は、日本を破滅させる」を紹介しよう。
・『7月17日に閣議決定された「成長戦略実行計画」。この内容を詳細に見れば、コロナ禍に乗じたショックドクトリン(惨事便乗型資本主義)に過ぎず、「この際に日本を都合よく変えてしまおう」と言わんばかりの計画が盛りだくさんの状態である。ただの「日本経済社会の破壊計画」ともいえるもので、決して日本国や国民のためになるものではない。その理由を解説する』、「コロナ禍に乗じたショックドクトリン」、とは言い得て妙だ。
・『「新しい働き方」の狙いは人件費削減 「労働環境の悪化」の粉飾  新型コロナウイルスの感染者がどこで何人増えたというニュースが、毎日速報で流され、それに人々が翻弄される、そんな状況がもう何カ月も続いている。地方に行けば、東京から来たというだけで店から追い出されるという話も聞く。家族から1人でも感染者が出ればその地域には住めないとおびえ、警戒する人も少なくない。 そうした状況を奇貨として「この際に日本を都合よく変えてしまおう」と言わんばかりの計画が決定され、実行に移されてようとしている。 それは、いうまでもない。7月17日に閣議決定された「成長戦略実行計画」である。本稿ではその中身について、主なものを取り上げつつ、何が問題なのかについて解説したい。 まず、最初に出てくるのが「新しい働き方」の名目での、副業・兼業、そしてフリーランスの推進。一応「環境整備」とは書いてあるが、推進のための「環境整備」であるので、推進と変わらない。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、メディアを通じてテレワークの推進が叫ばれている。 実態はさておき、さもそれが「当たり前」であるかのように言われるようになり、それにつれて「成果報酬」や「ジョブ型雇用」の導入が盛んに提言されるようになっている。成果を出せば報酬が上がる、時間や場所に縛られない働き方ができると、積極的評価がメディアやネットを賑わせているが、その目指すところは、ずばり、人件費削減だ。 要は経常利益を上げ、株価を吊り上げ、株主配当を増やすためのコスト削減の一環ということだが、それを確固たるものとするため、本業では賃金は減るかもしれないが、その分を副業で補えるようにしてやる、という名目で「副業」という名の低賃金労働を創出しようというのが真の狙いだろう。 フリーランスは言うに及ばずで、賃金面のみならず、社会保障コストも企業側が負担しなくて済むのでこれも広い意味での人件費削減の一環だ。 これをして「新しい働き方」とは、ただの「労働環境の悪化」の粉飾である。 当然のことながらこれは「株価の上昇」という意味での成長には寄与するかもしれないが、国全体としての成長には寄与するどころかデフレに貧困化、地域の衰退を進めるだけで、全く寄与しないと言っていいだろう』、「副業」や「フリーランス」などの「「新しい働き方」とは、ただの「労働環境の悪化」の粉飾である」、同感だ。
・『プラットフォーマーがもうけるための環境整備にすぎない  次に出てくるのが、決済インフラとキャッシュレス関係だ。銀行以外の送金を可能に、銀行・証券・保険商品を一度の登録により、ECサイトで取り扱うことができるように(先の通常国会で成立した「金融サービスの提供に関する法律」で可能に)、キャッスレス決済プラットフォーマーが利用事業者に入金する際の振込手数料の引き下げ、ノンバンクの全銀システムへの参加の許容などが列挙されている。 これは端的に言って、決済インフラという名のキャッスレス決済プラットフォーマーや関連するプラットフォーマーがもうけるための環境整備であろう。 一方で、キャッスレス決済インフラを利用する加盟店の利用手数料については、政府がガイドラインを作成してその引き下げを促すのみ。 要はやっているフリ、中立的立場に見せるためのアリバイ作りということであり、こうしたことからも「フラットフォーマー寄り」であることは明らかである。 さらに、自治体公共料金のキャッシュレス化までも踏み込んでいる。公共料金も金融機関中心の徴収に割り込んで、おこぼれを頂戴しようということであろう。これでは成長戦略というよりも、むしろ「特定の企業にとっての新市場の創出」である。 つまるところ、成長するのは関連する「特定の企業」だけであって、この国の成長にはつながらない、かえって地方公共団体などの負担が増えるだけである。それを成長戦略に入れるなど、どこまでこの国の政府は狂っているのか、それを了承する与党はどこまで狂っているのか、と思わざるをえない。 その次に出てくるのは、最近お決まりの「デジタル」関係だ。「デジタル技術の社会実装を踏まえた規制の精緻化」では、自動車の完成検査のAI化などに関し、「従来の完成検査員による完成検査と比較して、AIなどを活用した検査のレベルが同等以上であることを確認できれば、完成検査員を前提とした規制を見直す」としているが、安全性を軽視した単なるコスト削減策、つまり人件費削減策に過ぎないことは明らかである』、「決済インフラとキャッシュレス関係」では、「決済インフラという名のキャッスレス決済プラットフォーマーや関連するプラットフォーマーがもうけるための環境整備であろう」、「デジタル」関係でも、「安全性を軽視した単なるコスト削減策、つまり人件費削減策に過ぎないことは明らか」、このような乱暴な政策が「成長戦略」とは、笑わせる。
・『一部の「プロ」投資家にしかメリットがない  「フィンテック/金融分野」では、「プロ投資家対応として、顧客の取引履歴データ等の分析を進め、投資家としての能力と関連性のある項目を特定できれば、プロ投資家規制について、当該項目を踏まえた規制へと見直す」とあるが、要は投資家規制の緩和である。 一部の「プロ」投資家にとってはメリットがあるのだろうが、さらに投機市場化させ、金融を不安定化させるのみならず、多くの個人資産が投機マネーに変身させられ、毀損させられるおそれさえあるのではないか。ここからは株主資本主義を飛び越えて、金融資本主義、R・ドーアの表現を借りれば「金融が乗っ取る」経済への道を更に突き進もうという意図しか見えない。 建築分野についても同様で、「建築基準法に基づく建築物の外壁の調査について、一級建築士等によるテストハンマーを使って打診する方法と比較して、赤外線装置を搭載したドローンを用いて、同等ないしそれ以上の精度で問題箇所を検出する性能を確認できれば、規制をドローン活用でも代替可能とするよう見直す」とこちらも安全性よりもドローンの活用を優先したいらしい。 この国はどこまで壊れていくのか。 そしてその次、「オープンイノベーションの推進」。毎度お馴染みのスタートアップ企業に対する投資促進税制に、「日本企業の企業文化を変革するきっかけとして、政府では、新興国企業との連携による新事業創出を『アジアDXプロジェクト』として推進」だそうだ。「企業文化を変革」というが、なぜその必要があるのか。またそれがこのアジアDXプロジェクトとどう関係があるのか?  そもそもスタートアップ企業に投資をすることとオープンイノベーションはどう関係があるのか?端的に言って、無関係である』、関係業界の要望を、実効性を問わずに、無理やり並べただけのようだ。
・『株主資本主義を進化させる「スピンオフを含む事業再編の促進」  「スピンオフを含む事業再編の促進」などは最悪である。 そこには、「既存企業がイノベーションを成功させるためには、(1)新規事業の実験と行動(知の探索)と、(2)既存事業の効率化と漸進型改善(知の深化)の両者を同時に行う「両利き経営」(オライリー&タッシュマン〈2016〉)が必要との指摘がある」とした上で、「大企業をはじめとする既存企業が「両利き経営」を行いやすくするため、(1)スタートアップ企業のM&Aなどによる連携促進や、(2)スピンオフを含む事業再編の環境整備を図る必要がある」とし、スタートアップ企業の買収を軸に事業再編、つまり経営を経常収支が増えるように効率化しろとしている。 要するに株主資本主義を進化させろということだ。 さらに、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、産業構造の大きな変化を伴うものと考えるべきであり、企業は、事業ポートフォリオの見直し、ノンコア事業の切り出し、両利き経営を一層進める必要がある。特に大企業については、企業価値向上のために、事業再編を積極的に行っていくことが重要である」としている。 なぜ新型コロナの感染拡大が産業構造の大きな変化を伴うのか、全く根拠は示されていない。ただのイメージ論であろうが、コロナ禍でぼんやりとした不安が蔓延しているところ、それを悪用してイメージ論でもさも事実であるかのように刷り込もうということであろう。 企業価値向上のための事業再編とは、とりもなおさず株主様のためのものであって、わが国の成長とは無関係。事業ポートフォリオの見直し然り、ノンコア事業の切り出し然りである。要は短期的に利益を生まないか、産んだとしても小さい事業は切り捨てろ、ということ。これではイノベーションもへったくれもないし、株主価値が成長するだけで、やはり我が国経済の成長には寄与しない。 そして、「このため、スピンオフを含む事業再編を促進するための実務指針を策定し、企業に対応を促すとともに、事業再編等の円滑化を図る立法措置を検討する。」と、なんと政策的に、新たな法制措置をもって株主資本主義の更なる推進を後押しするのだそうだ。こうした誤った考え方を改めさせなければ、我が国のイノベーション、技術開発のタネは完全に潰えてしまうだろう。そんなことも理解できない、こちらもR・ドーアの言う「洗脳世代」の官僚や国会議員は後を絶たないが』、知日派の英国人社会学者の「R・ドーア」は、「幻滅 〔外国人社会学者が見た戦後日本70年〕」で、「親日家」から「嫌日家」へ変わった理由として、、米国のビジネス・スクールや経済学大学院で教育された日本の「洗脳世代」が、官庁や企業や政党で少しずつ昇級して、影響を増して、新自由主義的アメリカのモデルに沿うべく、「構造改革」というインチキなスローガンの下で、日本を作りかえようとしてきたことが大きな原因、としている
https://www.amazon.co.jp/%E5%B9%BB%E6%BB%85-%E3%80%94%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%81%8C%E8%A6%8B%E3%81%9F%E6%88%A6%E5%BE%8C%E6%97%A5%E6%9C%AC70%E5%B9%B4%E3%80%95-%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BC%E3%82%A2/dp/4865780009
・『白タク合法化とその拡大に向けた「蟻の一穴」  その次のモビリティ(「交通や人の移動」と書けばいいのに)のところでは、こんな内容まで含まれている。 「一般旅客自動車運送事業者が協力する自家用有償旅客運送制度の創設」として、「一般旅客自動車運送事業者が委託を受ける等により実施主体に参画し、運行管理を含む運行業務を担う事業者協力型自家用有償旅客運送制度を創設する地域公共交通活性化再生法の改正法が成立したところであり、本年中に運用を開始する」と記載されているが、要は地方の交通空白地帯への柔軟な交通サービスの提供に名を借りた、実質的な「白タクの合法化」である。 別の言い方をすれば、白タク合法化とその拡大に向けた「蟻の一穴」である。 この関連の国交省の説明資料を読めば、交通弱者だけではなく、訪日観光客まで対象に入れられている。そんなにこの国の安心安全を滅却させ、地域を衰退させたいのか。 さらに、「新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた対応」では、補正予算の内容を一部踏襲しつつ、「ライフスタイルの急激な変化」や「テレワークや宅配サービス等は使い続け、元には戻らない」といった、根拠が薄弱なことをまことしやかに述べた上で、「ポスト・コロナの社会にマッチした業態変換を後押しする施策、規制改革」の検討などを進めるとしている。 「業態変換」や「規制改革」という結論ありきで新型コロナウイルスの感染拡大を利用しているとしか考えられない。ここまで来ると、もうただの「日本経済社会の破壊計画」である。 しかし、これだけ盛りだくさんであり、まとめて報道されることはほとんどない。せいぜい個別の事項について「針小棒大」に特集が組まれる程度であろう。 それでありえもしない虚構の未来を妄想し、こうした計画にもろ手を挙げて賛成していては自分たちの首を締めるだけだ。読者諸氏にはこれを機に問題意識を持ち、反対や疑念の声を挙げていただきたいところである。 本来であれば、まずは国会議員がそれをやらなければいけないはずなのだが……』、こんな荒っぽい「成長戦略」は、新首相の手でよりましなものになることを祈るばかりである

次に、8月26日付けロイター「検証アベノミクス:海外の回復期に重なった幸運=木内元日銀審議委員」を紹介しよう。
https://jp.reuters.com/article/abenomics-kiuchi-idJPKBN25M09F
・『元日銀審議委員の木内登英氏は、ロイターのインタビューで、歴代最長政権となった安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」について、海外経済の回復基調とタイミングが重なる幸運に支えられたものだったと総括した。 木内氏は、安倍政権が定義のはっきりしない「デフレ」からの脱却を最優先課題に掲げたことを問題として指摘。相対的に経済が安定している時期に、財政健全化や金融緩和の正常化に動かなかったことで、足元のコロナ禍で政策の選択肢を狭めてしまったと語った。 木内氏は2012年から17年まで日銀審議委員。現在は野村総合研究所のエグゼクティブ・エコノミストを務める。審議委員時代は、16年1月のマイナス金利の導入に反対するなど黒田東彦総裁による金融政策運営をけん制する役割を果たした』、「木内氏」は「黒田東彦総裁による金融政策運営をけん制する役割を果たした」のは、確かだ。
・『<海外発の「ラッキー」が支えたアベノミクス> 木内氏はアベノミクスについて、「政策効果ではなく、海外から来たラッキーがあった」と指摘。「アベノミクスの成果であると考えられていたもののかなりの部分は、世界経済の回復の追い風によるものだ」と話した。安倍政権下で株高・円安が急ピッチで進んだが、「世界経済の順風がなければ短期間でしぼんでいた」と述べた。 2012年12月に発足した第2次安倍政権では、麻生太郎副総理・財務相がデフレ脱却担当を兼務。大胆な金融緩和、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」でデフレからの脱却を目指した。木内氏は、デフレには正確な定義がなく「政治的な要素が強い目標だ」とした上で、それを目標の「中心に据えたことが問題だった」と述べた。 木内氏は、1930年代の世界恐慌後に押し寄せた激しい価格下落と経済活動の縮小が継続する「真正デフレ」(木内氏)と比較。安倍政権下では実質GDP(国内総生産)の成長が続き、コアCPI(消費者物価指数)もプラス圏で推移するなど経済・物価情勢の深刻度は浅いにもかかわらず、「デフレリスクを過大に喧伝(けんでん)した」と語った。 経済が相対的に安定する中でも財政健全化に着手せず、金融政策の正常化を進めなかったことで、新型コロナウイルス禍で大規模な対策が必要な今になってしわ寄せが来たと指摘。「国難に際して、金融・財政面からの対応ののりしろが小さくなってしまった」と述べた。 また、働き方改革、教育改革、地方創生など、安倍政権は多くの政策課題を打ち出したが、木内氏は「毎年テーマが変わっていったことが問題だ」とし、「効果が出ないうちに次のテーマに行ってしまうと、『やっている感』は出るが経済的な効果は出にくい」と述べた』、「「デフレリスクを過大に喧伝・・・経済が相対的に安定する中でも財政健全化に着手せず、金融政策の正常化を進めなかったことで、新型コロナウイルス禍で大規模な対策が必要な今になってしわ寄せが来たと指摘。「国難に際して、金融・財政面からの対応ののりしろが小さくなってしまった」、「安倍政権は多くの政策課題を打ち出したが・・・「効果が出ないうちに次のテーマに行ってしまうと、『やっている感』は出るが経済的な効果は出にくい」」、手厳しい批判で、同感である。さらに言えば、異次元緩和で金融・財政政策に対する信認が失われ、長期管理急騰、財政破綻のリスクも抱え込んでいる。
・『<給付金で産業構造の転換を>  木内氏は「第3の矢(成長戦略)を通じた経済の効率化という政策が圧倒的に不足していた」と指摘。新型コロナの感染拡大を機に、デフレ脱却のための需要創出から経済効率を高める政策への転換が必要だと強調した。デジタルガバメント構想とキャッシュレス化の推進、東京一極集中の是正、サービス業の生産性向上の3つを具体的な政策課題に挙げた。 新型コロナで飲食・宿泊業は特に大きな打撃を受けた。木内氏は「競争力を失ってしまう中小零細企業も出てくるので、他の業種に転換させる手伝いをする政策が必要だ」とし、給付金により産業構造の転換を促すことが必要だと述べた。「生産性の向上がうまくいけば、実質賃金の上昇率が上がる」と話した。 *インタビューは25日に行いました』、「給付金で産業構造の転換を」、真剣に検討すべきだろう。

第三に、8月26日付け現代ビジネスが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「新聞テレビは言わない…日本は「デフレではない」と言える、これだけの理由 政府にダマされてはいけない」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75125?imp=0
・『新型コロナウイルスの影響で景気が大きく落ち込んでいるにもかかわらず、ガソリン価格が急騰している。同じく壊滅的な打撃が予想されていた不動産業界でも、マンション価格が高騰するなど予想とは逆の動きが目立つ。 日本ではデフレが続いていると喧伝されているが、アベノミクスが始まって以降、基本的に物価は上がる一方であり、下落したことはほとんどない。 政府がいくら「デフレ」「デフレ」と叫んだところで、モノやサービスの価格が上がっており、生活が苦しくなっていることは、日々の買い物を通じて理解できたはずだ。価格というのは経済のバロメーターであり、文明社会に生きる人間にとっては生存本能に直結した概念といってよい。私たちはもっと価格に敏感になるべきだ』、「デフレ」については、第二の木内氏も似通った見方だ。
・『ガソリン、絶賛値上がり中  資源エネルギー庁の石油製品価格調査結果によると、2020年8月17日時点のレギュラーガソリンの平均価格は1リットルあたり135.6円だった。7月27日時点では132.3円だったので、1カ月で3.3円も上昇した計算になる。実はガソリン価格はこのところ上昇が続いており、12週連続で値上がりという状況だった。 ガソリン価格は基本的に原油価格に連動するといわれているが、原油価格と完全に同じ動きをするわけではない。たいていの場合、原油価格が下がったほどにガソリン価格は下がらない。実際、今回のコロナ危機でも1月から5月にかけて原油価格は約32%下がったが、ガソリン価格は17%しか下がらなかった。原油価格が上がる時にはガソリン価格も同じように上がってしまうので、消費者は損をした感覚になるだろう。 ガソリン価格がそれほど下がらないのは、国内石油事業者の利益確保という事情が存在するからである。ガソリンの消費が一定と仮定すると、原油価格が下がった分だけ小売価格も下げてしまうと、事業者の利益が減ってしまう。このため、価格が下がっても小売価格は同率では下がらないことが多い。 経済が拡大を続けている状況であれば、競争が激しくなるので原油価格との連動性はより高まるが、国内市場は縮小が続いており、各社が健全に競争できる環境にはない。事業者は利益を上げる必要があり、むやみに価格を下げるわけにはいかないのが実状だ。 不景気であるにもかかわらず、価格が下がらないどころが、激しく上昇する製品すらある。代表的なのはマンションと自動車だろう』、「ガソリン」の値上がりはやや特殊要因で、一般化してみることは出来ない。 
・『マンションと自動車の価格は上がりっぱなし  不動産経済研究所によると2020年7月における首都圏マンションの平均販売価格は6124万円と前年同月比で7.9%も上昇した。実はマンション価格というのは、近年、ほとんど下がったことはなく基本的に価格の上昇が続いている。今から約20年前の2000年時点における平均販売価格は4034万円となっており、リーマンショックのごくわずかな時期を除いて毎年のように価格が上がり、今では1.5倍になった。 自動車の販売価格も同じである。トヨタ自動車の1台あたりの平均販売価格は334万円だが、2000年当時は248万円だった。約20年で自動車価格は1.35倍に上昇したことが分かる。 日本はこの間、不景気でデフレが続いていると説明されており、実際、日本人の平均年収は下がる一方だった。国税庁の調査によると、全給与所得者を対象とした平均年収は2000年時点では400万円だったが、2018年は372万円まで下落している。1年以上勤務した給与所得者についても461万円から441万円と大幅ダウンだ。 確かに私たちの給料についてはデフレだったが、その間、マンション価格や自動車価格はうなぎ登りに上昇している。このような乖離が生じている原因は日本と諸外国の経済成長の違いである。 日本では経済成長が止まっているが、それは国内だけの話であり、過去20年で諸外国は経済規模を1.5倍から2倍に拡大させており、それに伴って物価も上昇している。自動車は典型的なグローバル商品であり、各国市場で価格差はほとんどない。いくら日本人の賃金が下がっているからといって日本だけクルマを安く販売することは不可能だ。 マンションは不動産なので国内でしか売られない商品だが、それでも価格が上がってしまうのは資材価格の影響である。世界経済が拡大すれば、建設資材の争奪戦となるので資材価格は高騰する。資材価格が上がった分だけ、デベロッパーは販売価格を上げざるを得ないので、日本人の所得とは無関係にマンションの価格は上がっていく。日本がいくらゼロ成長だとしても、海外が成長する限り、輸入品の価格は上昇する』、「日本」は「ゼロ成長」だけでなく、異次元緩和に伴う円安により他国に比べ貧しくなったことも留意する必要がある。
・『日本は決してデフレなどではない  物価全体で見ても、2000年との比較で食品は13.0%、外食は13.6%、電気代は18.3%、ガス代は24%、上下水道は14.7%、履物類は7.9%、交通費は9.1%と軒並み値上げになっている。大幅にマイナスになっているのは飲料や娯楽など一部の分野でしかない。ちなみに物価全体の動向を示す消費者物価指数(総合)については2000年との比較で2.7%上がっており、決してマイナスではない。 大半の商品やサービスの価格が上がっていることは、日々の生活の中で価格についてしっかりとした感覚を持っていれば認識できたはずだ。デフレが続いているという政府の説明が実態と違っていることも容易に理解できたはずである。 政権は基本的に現在の景気低迷を自らの責任にしたなくないので、不景気について不可抗力のように説明する傾向がある(これはある程度は仕方ないことだが)。デフレというのは、本来、不景気の結果として観察される現象であるにもかかわらず、デフレなのだから不景気であるといった本末転倒な説明を行い、一部の国民はそれを真に受けていた。 こうした刷り込みの影響は凄まじく、筆者は以前から物価は下がっていないという記事をしばしば書いているが、こうした記事に対しては「コイツは頭がおかしいのか」といった罵詈雑言が飛んでくるのが現実であった。おそらくこうした罵声を浴びせている人は、本当にそう信じ込んでいるのだろう(日々買い物はしないのだろうかという疑問は残るが)。 このような、現実とは正反対の、ある種の妄想に基づいて世論が形成されているのだとすると、これほど恐ろしいことはない。では、こうした状況を打開するためにはどうすればよいだろうか。少々、精神論的な話になってしまうが、私たちは人間としての本能を取り戻す努力が必要であると考えている』、「デフレなのだから不景気であるといった本末転倒な説明」は、異次元緩和政策にもつながり、日銀は中央銀行としても節度を完全に放棄した。
・『日本人は人間としての本能を失っていないか?  現代社会に生きる人間にとって市場経済はすべての土台となる存在である。私たちにとって市場というのは、野生動物たちにとってのセレンゲティ(タンザニアに広がる大平原)のようなものであり、市場動向に敏感であることは、ある種の生存本能といってよい。自分がいくらの金額を稼ぎ、モノの値段がいくらなのかを知ることは、生きるために必須の知恵といってよい。 ところが、小難しい知識ばかりが先行し、「デフレ・マインド」「GDPギャップ」などという政府や識者の言葉を聞いて分かった気になってしまい、自分の目で確かめることもせず、思考停止に陥ってしまう。あえてマクロ経済の用語を使って現状を説明するならば、不景気によってGDPは成長せず、賃金も上がっていないものの、海外経済の影響で物価は上昇しているので、デフレではなく不景気下のインフレ、つまり一種の「スタグフレーション」に近い状態ということになる。 しかしながら、そのような教科書的な知識など持ち合わせていなくても、街に出て五感をフル活用すれば、物価が上がって生活が苦しくなっていることなど、たちどころに理解できたはずである。 生活実感と経済指標が乖離しているという主張も同じ文脈で解釈できる。 近年、経済指標は悪くないが、これが生活実感に結びついていないという主張をよく耳にするようになったが、これも原則としてはあり得ないことである。タイムラグこそあれ、経済指標と生活実感は必ず連動するものであり、生活が苦しければ、それは必ず指標に反映される。事実、物価や賃金の動向は私たちの生活が苦しいことを如実に物語っている。 私たち日本人は、あまりにも従順に飼い慣らされ、人間としての本能を失いかけてはいないだろうか。経済を動かすのは政府でも経済学でもなく消費者の行動である。人間としての生存本能にもっと敏感になるべきだし、そうでなければ本当の意味で経済を復活させることなどは到底、不可能である』、「一種の「スタグフレーション」に近い状態」、その通りなのかお知れない。「人間としての生存本能にもっと敏感になるべき」、とはいうのはキレイ事にすぎず、雇用や所得環境の悪化に苦しむ個人には夢のような話なのではなかろうか。
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