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尖閣諸島問題(その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉) [外交]

尖閣諸島問題については、2016年6月26日に取上げたままだった。今日は、(その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉)である。

先ずは、本年8月20日付け現代ビジネス「習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/74979
・『南シナ海で起きていること  7月下旬、日本のメディアは久しぶりに尖閣諸島の話題で盛り上がった。原因は、中国海警局の船が尖閣諸島付近の接続水域を連続して100日以上航行したことだ。 連続航行は4月14日から8月1日まで続き110日を超えたが、その同じ期間には、中国海軍のミサイル艇も巡視船に連動して台湾付近に展開していたことを産経新聞が報じた。 この少し前には、やはり中国海警局の船が尖閣諸島付近の海域で日本の漁船を追いかけ回したという報道もあった。直後には中国が「周辺海域での日本漁船の操業は『領海侵入』だ」として「立ち入らせないよう」、外交ルートを通じて要求していたという。日本人にしてみれば、日本の領海や接続水域に侵入しておいて何を言っているのかと言いたくなるような、呆れた言い分だ。 一連の報道を見れば、中国がコロナ禍のなか、尖閣諸島へのプレッシャーを強めてきたとの印象は否めない。これは当節流行の「戦狼外交」のイメージ――これはこれで誤解を与える言葉なのだが――とも重なる。 だが、現実はそれほど単純な話ではない。 その説明のために目線を中国の対外強硬姿勢、とりわけ「戦狼外交」の根拠とされる南シナ海問題に移してみたい。ここは中国と東南アジア諸国・地域で領有権争いが続く海であり、日本での注目度も高い。米中衝突を象徴する海でもある。 南シナ海における中国の振る舞いについて日本人が抱くイメージは、「横暴」の一語に尽きるはずだ。自国の領有権を主張するために、「龍の舌」と呼ばれる「九段線」(9つの線)を引き、そのすべてに領有権を主張し、他の小国を圧迫。ハーグの国際常設裁判所が九段線の法的根拠を否定する裁定を出しても従わない、といったニュースを目にすれば、そうしたイメージを抱くのも当然のことだろう。 その南シナ海でも中国は最近、活動を「活発化」させている、というのが「戦狼外交」の根拠されている。 だが、ここには決定的な一つの情報が抜け落ちている。それは、なぜ中国が活動を活発化させたのか、についての情報だ』、「戦狼外交」「活発化」の背景を知りたいものだ。
・『半年で2000回以上の活動  7月28日、中国外交部の定例記者会で汪文斌報道官は、「今年上半期、南シナ海において米軍機が2000回以上の活動を行った」ことを明らかにした。数字は、中国独自のもの――であっても虚偽の数字であれば米側が反発する――ではなく、米国も認める公開情報だ。 上半期で2000回以上といえば、毎日10回以上の活動を行なっている計算になる。凄まじい頻度だ。中国が活動を「活発化」させるのも当然だ。注意すべきは、われわれが日常的に接する情報が中国の行動のみに焦点をあて、そこから米軍の動きがすっぽり抜け落ちていること、にもかかわらず、そこに何の違和感も抱かないことだ。 同じ疑問は、尖閣諸島の問題にもあてはめられるのである。 冒頭で触れた漁船のケースで考えてみたいのだが、もし当該の日本の漁船が、単に漁のために尖閣諸島に近づき海警の船に追い回されたなら、それこそ一大事だ。だが、同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ。 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる。それに続いて中国が日本側に「(漁船を)管理しろ」と要求したことも同じ文脈だ。根拠は、2008年の日中共同声明で、そこには〈共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする〉との文言がある。 尖閣諸島は日本固有の領土であり、かつ国際法上も編入の手続きに瑕疵はない。だが、そのことと、海で起きた問題を正しく伝えないこととは次元の違う話だ。無用な憎しみを煽れば、最後にそれを制御できなくなり、しなくてもよい争いへとつながるからだ。 領土問題には相手があり、一筋縄では行かない。中国には中国の理屈があり、それをまとめれば分厚い一冊の本にもなり、その中身も一笑に付せるレベルではない。そして多くの中国人が自国の領有権を信じている』、「同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ。 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる」、初めて知った。日本のマスコミも日本政府の発表に沿った対立を煽るような報道は避け、全体像を正しく伝えるべきだ。
・『領土問題は「誰でも火がつけられる」  尖閣諸島周辺はいま、日中の間で合意のないグレーな均衡の上で、なんとか安定を保っている。そしておそらく中国にとってもそれは都合の良いバランスなのだろう。 しかし、バランスが曖昧であるがゆえに崩れやすい状態だ。互いに国民の熱狂を背負っているだけに、両者の緊張は一気に制御の効かないレベルにヒートアップする可能性さえ秘めているのだ。 つまり今回の日本の漁船の動きは、揮発性物質に火種を近づけるような行動だ。領土問題の難しさは、誰でも簡単に火がつけられることにあるのだが、一旦燃え広がった炎を消す術は誰にもないのだ。さらにやっかいなことは、かりに日本が火をつけたとして、現状では、火をつけた日本にとって有利な状況が生まれるとも考えにくいこともある。 思い出されるのは2012年、民主党政権下で行われた尖閣諸島の“国有化”である。発端は当時の石原慎太郎東京都知事が「国が守らないなら尖閣は東京都が守る」と島の買い取りに動いたことだ。 だが、結果は周知の通り。「東京都が守る」どころか、かえって中国公船の頻繁な侵入を常態化させてしまった。石原都知事は一時的に大衆人気を得ることに成功したが、代わりに日本の国益は大きく損なわれた』、「石原都知事」のスタンドプレーが火をつけたおかげで、「日本の国益は大きく損なわれた」、のは確かだ。
・『日本がそう出るなら…  漁船の話に戻せば、中国は8月5日、禁漁期が明けた16日以後「中国漁船が大量に領海に侵入する」と予告してきた。こちらは曲がりなりにも自国の漁船が尖閣諸島付近に近づかないように管理してきたが、日本がそう出るならこちらも放置する、というメッセージがうかがえる。 どうやら漁船の件は共産党が制御したようだが、もし本当に中国が大量の漁船を放置した場合はどうなるだろうか。日本にはそれを押し返すだけの物理的能力はあるだろうか。もし覚悟と戦略がないまま挑発したのだとすれば、結果として、相手に付け入るスキを提供したことになるだろう。 私はかつて、中国が北京オリンピック後に海洋進出を本格化させることを警告し、それを月刊誌『諸君!』で連載。その後『平成海防論』(新潮社)としてまとめて世に問うた。 当時から状況は悪化の一途をたどっているのだが、その原因の一つには、この(たとえば石原氏のような)「個人の利益」と「国益」が相反する問題があると考えられるのだ。 さらに尖閣の問題について、より根本的な問題として指摘されるべきは、日本の「建前と現実のギャップ」である。 尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ。この立場は、ゆえに「尖閣諸島問題を話し合う」こと自体が矛盾となり、中国との対話の可能性を断ってしまっている。いまや、この戦線を後退させることは政治的にも難しくなっている。 ここで問題は、話し合いを拒絶していれば日本側に有利な状況が広がるのかといえば、決してそうではないことだ。中国の経済的台頭の勢いは当面衰えが見えず、資金力を背景とした中国からの圧力は日々強まるばかりだからだ。現場の海上保安庁は、中国海警局の船が年々大型化するプレッシャーとずっと対峙してきた。今後、人口減少と経済規模の縮小が予測される日本がこれに対抗できるとは考えにくいのである。 時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整うとすれば、日本の選択肢は概ね二つ。一つは、中国と話し合うことで、もう一つは覚悟を決めて問題を激化させることだが、そもそも第一の選択肢は難しい。では、激化させるべきなのだろうか。 その選択は残念ながらアメリカの出方次第である。同盟につきものの「みはなされ」が起きれば万事休すだ。他方、日中の戦いを米軍がサポートする事態となれば、中国を押し返せるかもしれない。 だが、その場合にもリスクはつきまとう。第一に、アメリカ国民に認知されていない無名の島のためにアメリカの青年の血が流れたとしたら、その代償がどれほどのものになるのか、という視点は忘れてはならないだろう』、「尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ」、とはいえ、「時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整う」のであれば、頼りにならない「アメリカ」頼みにせず、「中国と話し合うこと」に切り替えるべきだ。
・『“出口”はどこなのか  一方、中国が仮に尖閣諸島へのプレッシャーを収めたとしても、それが恒久的な解決を意味しないという問題もある。いつか中国がアメリカに対抗できる力をつければ問題は再燃するからだ。 本来であれば両者が話し合い解決の道をさぐるのが一番だが、前述のように日本側にはその選択肢はない。海上での安全装置を持とうとする両国の取り組みも完全ではない。 そんななかコロナの影響で一段と強まる中国への不信感が日本にも広がり、政界には国民から「弱腰」とみられないための動きが目立ち始めた。いまのところ打ち出された対抗策は新味に欠けるが、気なるのは彼らの背中を押しているのが「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測だという点だ。 日本はその先にどんな事態を想定し、“出口”をどこに設定しているのか――。慎重の上に慎重を重ねて行動することは、決して「弱腰」などではない』、「「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測」は、大統領選挙は別としても、余りに他力本願だ。やはり、日本側も姿勢を転換して、「両者が話し合い解決の道をさぐる」、べきなのではなかろうか。

次に、8月31日付けプレジデント Digital「中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/38364
・『日中間の諍いが絶えぬ尖閣諸島とその周辺海域。いつ、何をし出すかわからない中国の意図と行動を読む手掛かりは何か』、興味深そうだ。
・『1993年から石油輸入国に転じる  世界各地での中国の傲岸ともとれる行動が止まらない。尖閣諸島周辺に、8月2日までに111日連続で中国公船を送り込み、「中国の領海であり、日本の船は入ってくるな」と日本の実効支配を脅かし続けている。習近平国家主席の国賓来日の協議と同じ時期であったために、多くの日本国民の怒りと戸惑いを呼び、来日は無期限延期となった。 それだけではない。南シナ海のサンゴ礁を埋め立てての軍事基地化、「一帯一路」構想においては、格下の国々を相手に現地プロジェクトへの巨額融資→焦げ付き→借金のカタに港湾などを専有化……という高利貸のような手法を繰り返す。新型コロナウイルスの感染拡大に際し、他国が切望したマスクや検査キット提供をちらつかせて外交を展開する……さながら100年遅れてきた帝国主義国という体である。 そもそも尖閣諸島を含む南西諸島は日本領であり、「領土問題は存在しない」というのが日本の立場だ。1945年の敗戦とともに米軍の管理下に置かれていたが、中国が同諸島を意識し始めたのは1968年、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の海洋調査で、周辺の海底にイラクに匹敵する埋蔵量の石油資源が眠っている可能性を指摘されてから。70年12月、中国が尖閣諸島とセットで「南シナ海の大陸棚に主権を擁する」という主張を開始した。 1993年から石油純輸入国に転じている中国。14億人弱の人口を抱える今、他国の領土内とはいえ目の前にある豊かな資源に、半世紀にわたってこだわり続けるのも無理はない』、「中国が同諸島を意識し始めたのは1968年、国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の海洋調査で、周辺の海底にイラクに匹敵する埋蔵量の石油資源が眠っている可能性を指摘されてから。70年12月、中国が尖閣諸島とセットで「南シナ海の大陸棚に主権を擁する」という主張を開始した」、全く一方的主張ではあるが、それなりに時間が経ったことも事実だ。
・『台湾国民を目覚めさせた「同胞に告げる書」  19世紀以降、欧米や日本の帝国主義国群に食い荒らされた被害国。その屈辱のリベンジという側面もあろうが、こうした直情的な行動パターンは、かえって周辺国のみならず世界各国の脅威・反発・警戒心を呼び覚まし、中国自身にマイナスの効果を及ぼしているように見える。それらを圧倒する国力があれば別だが、米国の存在を考えればそうとも言えまい。 なのに彼らの強面外交は、将棋の基本に例えれば「3手の読み」——こう指す、相手がこう来る、そこでこう指す——の3手のうち2手目すら想定していないようにも見えてしまう。 最上の「核心的利益」として最も細心のケアが必要だったはずの台湾に対しては、2019年1月に「一国二制度が望ましい」等を含む恫喝まがいの「台湾同胞に告げる書」を発表したことと、香港への強圧的な介入が台湾人の恐怖心・警戒心を急上昇させ、今年1月の総統選で独立派の蔡英文総統の圧勝・再選を後押ししてしまった』、慎重であるべき中国外交は、一体、どうなってしまったのだろう。
・『世界中で摩擦を引き起こした自業自得  対米関係も同様だ。中国と懇ろに付き合ってきた米国内勢力にトランプ大統領が取って代わり、貿易摩擦の範疇にとどまらぬ大国どうしの覇権争いが勃発した。そこへ今年、新型コロナウイルスのパンデミックが発生。発生初期の隠ぺい疑惑が濃厚な中で、中国のスポークスマンがなんと「米国の軍人がウイルスを持ち込んだ」可能性を示唆した。 これでトランプ大統領がさらなる対中強硬路線を進める契機をつくってしまい、今や自由主義諸国陣営と共産主義的全体主義国との「価値観の争い」という巨大な構図が出来上がりつつある。必然の流れだったといえなくもないが、米国を中心とする中国包囲網の形成は、少なくともあちこちで摩擦を頻発させた中国の自業自得ともといえる。 またオーストラリアにおける中国のスパイ活動の実態が元スパイ? によって告発され、メディアやネットの世論操作、政界・学術界への工作、台湾での世論誘導工作が白日の下にさらされたのも、オーストラリアに反中路線への明確な転換を促し、かつ他の国々にとってもわが身を振り返るタイムリーな契機となったと思われる』、「一帯一路」国の一角、チェコのNO.2の国会議長による台湾公式訪問も、「中国外交」に手痛い一撃だろう。これらは、「世界中で摩擦を引き起こした自業自得」であることは確かだ。
・『大きな契機は10年前の「中国漁船衝突事件」  国外からの干渉には極めつきに鈍感な日本でも、与党の一部議員や野党議員、左派の大手メディアが、中国に利する方向にしばしば足並みをそろえていることが、一般市民レベルでも公然と語られるようになってきた。 その大きな契機となったのはやはり10年前、2010年の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件だったと思われる。 事件そのもののインパクトもさることながら、中国漁船船長の釈放という不可解な政治介入や海上保安官(その後辞職)がYoutube上に掲載した衝突時の動画とで、日本の世論は完全に反中モードへ。さらに2012年9月の尖閣国有化とそれを契機に中国で起きた大規模な反日デモを経て、今に至るまで日本人のマジョリティの対中感情は変わっていない。中国が尖閣諸島を、台湾、チベット、南シナ海などと同等の妥協の余地のない「核心的利益」の1つとして公式に位置づけたのは、その翌年の2013年だった。 しかし居丈高でありながら、それとは裏腹な「本当は何がやりたいんだ?」と頭をひねりたくなるちぐはぐさが、中国の言動には常につきまとう。彼らの行動原理をうまく説明できないものだろうか』、どういうことなのだろう。
・『中国の一省庁の出過ぎた振る舞い  意外にも、中国の海洋進出時の振る舞いは、2000年代前半にはさほど傍若無人ではなかった。南シナ海の近隣諸国との協力関係を進め、ベトナム・フィリピンとは資源の共同開発まで合議しており、ASEAN諸国の“中国脅威論”は一時沈静化されていたという。ところが、2000年代後半になって中国は南シナ海で実効統治を拡大し始めた。スプラトリー諸島で大規模な埋め立てを開始したのも、やはり2013年末からだ。 なぜ、中国は行動をガラリと変えたのか。共産党中枢の心変わりや気まぐれとは言えぬ部分がありそうだ。 昨年11月刊の益尾知佐子著『中国の行動原理』(中公新書刊)によれば、中国の海洋部門の主管部門となってきた「国家海洋局」が、日本でいえば省庁の「庁」レベルの存在ながら政治的な地位を急上昇させ、それが2007年ごろからの海をめぐる緊張を高めた原因となったとしている。要は、国内政治の矛盾や停滞を利用して権益を拡大させた一省庁の出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた、というわけだ』、「国家海洋局」の「出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた」、にわかには信じ難い説だ。
・『党中央の承認得ぬまま尖閣に侵入  「毛沢東時代と同様、海洋をめぐる混乱の過程では、党中央が相矛盾ずる二つの対外方針を採用していた。国内の実務担当者は、どちらを優先すべきかという問題で混乱した。穏健派であった胡錦濤と党中央が、国内的批判を受けて判断に行き詰まり、凝集力を低下させたため、実務部隊は独自行動を強め、自己利益拡大のために海上行動を過激化させた。それが国家海洋局であり、胡錦濤政権(2002~2012年)末期にはかなりの注目を集めた」(同書より) 2008年12月、国家海洋局傘下の中国海警局の海洋調査船2隻が初めて尖閣諸島の領海に侵入。5月に来日したばかりの胡錦濤総書記(当時)はじめ党中央の承認を得ぬままの行動だったという。「弱い指導者と認識されていた胡錦濤政権は、(中略)国際的な係争の存在に目をつぶり、これらの海域は自国の者という前提に立って、実務部隊が力によって海域の実効支配の拡大を図るのを容認した」(同書)。“第2の海軍”ともいわれる中国海警局の船は、2012年の尖閣国有化の後も、たびたび尖閣諸島への領海侵入を行うようになった』、確かに始めのうちは、「国家海洋局」の暴走といった面はあったのかも知れないが、「尖閣国有化の後」の反日大キャンペーンは、「党中央」の決定の筈だ。
・『「行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい」  こうしたいわば“頭”と“身体”の不一致は、中国という大国ではしばしば起こってきたようだ。前出書によれば、「これまで中国の組織については、組織間の連携、特に国家系統と軍系統のそれがきわめて弱く、行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい、という弱点が指摘されていた」という。 2013年に国家主席の座に就いた習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体したという。ただ、ガバナンスの強化を推し進めてきた習近平体制が、こうしたちぐはぐさを克服できたとは言い切れないのは、昨今の振る舞いからも推測できる。 尖閣諸島の海域において、軍事上のバランスが中国側に傾いたとの米国のシンクタンクの報告すらなされている今、最大限の警戒と準備は怠れない。が、中国の傲岸な振る舞いに相対するには、見えざる内部の力学を常に念頭に置き、「それ、ほんとに習近平や党中央の本心なのか?」を的確に探り当てられる人材が、政府内、在野を問わず必須であろう』、「習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体」、しかし、その後も「海洋局」の警備艇が我がもの顔で振舞っており、引き続き緊張状態にある。

第三に、9月10日付けAERAdotが掲載したフリーの軍事ジャーナリストの田岡俊次氏による「「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/aera/2020090900028.html?page=1
・『最長政権が終わりを迎える。親米のイメージが強い安倍政権だったが、実は中国との関係も重視していたという。AERA 2020年9月14日号では、軍事ジャーナリストの田岡俊次さんが安倍政権の防衛・安保政策を振り返った。 退陣表明した安倍晋三首相は憲法改正への執着や集団的自衛権行使に関する憲法解釈の強引な変更、トランプ米大統領への露骨な機嫌取りなどから「対米追従一筋のタカ派」とのイメージが強いが、実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた。 2006年9月26日に最初に首相に就任した直後、10月8日にまず北京に飛び、胡錦濤主席らと会談し「戦略的互恵関係」の構築で合意。日中の経済関係は急速に拡大したが、翌07年9月に持病のため辞任。民主党の野田佳彦内閣が尖閣諸島を国有地化したことなどで日中関係は一挙に険悪化したものの、12年12月に首相に返り咲くと中国要人と親交の厚い福田康夫元首相らを頼りに日中関係修復をはかり、14年11月10日、北京で習近平主席と約3年ぶりの日中首脳会談にこぎつけた。 合意文書では「双方は尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していることを認識」し、戦略的互恵関係の発展を目指すとした。両方のメンツを保つためのあやふやな言辞だが、「問題は棚上げにして和解をはかる」という外交政策の一致は明白だ。 その後安倍首相は中国の「一帯一路」構想への賛同を何度も表明し、今年には習近平主席を国賓として招いて日中関係が完全に軌道に乗ったことを示す計画だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で頓挫した』、「安部首相」が「実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた」、「「一帯一路」構想への賛同を何度も表明」、確かに言われてみればその通りなのだろう。
・『「尖閣戦闘」は敗北濃厚  その半面、両国は競って巡視船を増強し、日本は陸上自衛隊「水陸機動団」を18年に創設。垂直離着陸輸送機「オスプレイ」や水陸両用装甲車、軽空母、地対艦ミサイルなどを配備して日中戦争に備えようとしている。首尾一貫しないようにもみえるが、近隣諸国との友好を深めて紛争を避けつつ、防衛力を示して他国による安易な攻撃を防止するのは安全保障対策の定石とも言える。 この場合、もし武力衝突になればどうするか、も考えておく必要がある。尖閣諸島で戦闘になれば日本の勝算は低い。航空自衛隊の戦闘機約300機に対し中国空軍は戦闘機・攻撃機約1700機。操縦士の飛行訓練は年間約150時間で、航空自衛隊と等しい。中国にとって最重要の東シナ海を担当する東部戦区には、台湾空軍(約400機)と同等以上の航空戦力が配備され、米国のF15などに匹敵し戦闘の主力となる「第4世代機」は約300機と思われる。 日本は那覇基地にF15を約40機配備しており、九州の基地から空中給油によってさらに20機ほど、計約60機が出せそうだ。早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ。航空優勢(制空権)が相手にあれば、輸送艦やオスプレイなどは容易な標的となり、水陸機動団は海上で全滅しかねない。仮に自衛隊が尖閣に上陸できても、補給が遮断されれば餓死か降伏だ。もし自衛隊が勝ったとしても、それは真珠湾攻撃で対米戦争が始まったと同様、日中戦争の第一幕にすぎない。 米中の対立は今後も続くとしても、98基のICBMを持つ中国と米国が全面戦争になれば米中は共倒れ、日本も惨禍を免れない。安倍首相の後任者は、前首相が唱えた「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策と思われる』、「早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ」、これでは、「「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策」、全く同感である。
タグ:今回の日本の漁船の動きは、揮発性物質に火種を近づけるような行動 大きな契機は10年前の「中国漁船衝突事件」 チェコのNO.2の国会議長による台湾公式訪問 (その5)(習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」、中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は、田岡俊次氏「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉) 自国の領有権を主張するために、「龍の舌」と呼ばれる「九段線」(9つの線)を引き、そのすべてに領有権を主張し、他の小国を圧迫。ハーグの国際常設裁判所が九段線の法的根拠を否定する裁定を出しても従わない 「戦略的互恵関係」の継承につとめることが得策 早期警戒機の能力や電子技術では日本側が優位としても、5対1の劣勢を補えるかは疑問だ 「一帯一路」構想への賛同を何度も表明 「もし尖閣戦闘」勃発したら敗戦濃厚」 制空権握れず「水陸機動団は海上で全滅も」〈AERA〉 田岡俊次 その後も「海洋局」の警備艇が我がもの顔で振舞っており、引き続き緊張状態 「行動がちぐはぐで指導者の意図が推し量りにくい」 習近平は、海上行動の統率権を強引に党中央に引き戻し、国家海洋局から中国海警局を取り上げ、大幅な組織改編で国家海洋局を実質的に解体 確かに始めのうちは、「国家海洋局」の暴走といった面はあったのかも知れないが、「尖閣国有化の後」の反日大キャンペーンは、「党中央」の決定の筈 党中央の承認得ぬまま尖閣に侵入 出過ぎた振る舞いが、かえって海をめぐる中国一国の外部環境を悪化させた 中国の一省庁の出過ぎた振る舞い 台湾国民を目覚めさせた「同胞に告げる書」 1993年から石油輸入国に転じる 「中国が「尖閣諸島」にここまでこだわり続ける理由がついに明らかに…! 不可解な"居丈高"の行動原理は」 プレジデント Digital 日本側も姿勢を転換して、「両者が話し合い解決の道をさぐる」、べき 余りに他力本願 「いまならトランプ政権は本気で動いてくれる」との観測 “出口”はどこなのか 世界中で摩擦を引き起こした自業自得 半年で2000回以上の活動 結果は周知の通り。「東京都が守る」どころか、かえって中国公船の頻繁な侵入を常態化させてしまった。石原都知事は一時的に大衆人気を得ることに成功したが、代わりに日本の国益は大きく損なわれた 石原慎太郎東京都知事が「国が守らないなら尖閣は東京都が守る」と島の買い取りに動いた 領土問題は「誰でも火がつけられる」 同漁船はただの漁船ではない。政治的目的をもって尖閣諸島に近づいた活動家の船だ 戦狼外交 中国が「周辺海域での日本漁船の操業は『領海侵入』だ」として「立ち入らせないよう」、外交ルートを通じて要求 中国海警局の船が尖閣諸島付近の接続水域を連続して100日以上航行 南シナ海で起きていること 国家海洋局 「習近平が日米の動きに焦り…中国が尖閣侵入を続ける「本当の理由」」 2008年の日中共同声明で、そこには〈共に努力して、東シナ海を平和・協力・友好の海とする〉との文言 万が一、彼らに上陸でも許せば、習近平政権の面子は丸つぶれとなる。中国の海警局の動きはこの点から説明できる。それに続いて中国が日本側に「(漁船を)管理しろ」と要求したことも同じ文脈だ AERAdot 頼りにならない「アメリカ」頼みにせず、「中国と話し合うこと」に切り替えるべきだ 日本がそう出るなら… 「尖閣戦闘」は敗北濃厚 時間が経てば経つほど中国に有利な環境が整う 「安部首相」が「実は中国との関係を重視し、次々と行動してきた 現代ビジネス 尖閣諸島に関する日本の立場は「領土問題はない」というものだ 尖閣諸島問題
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