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環境問題(その7)(経産省「石炭火力発電9割休廃止方針」の欺瞞 専門家が指摘、日本人は南極の国家的な重要性をわかってない 科学観測だけで処理不能な問題が起こってくる、モーリシャス座礁事故1か月 影響は?原因は?、モーリシャス沖で座礁 海図見間違えたか) [世界情勢]

環境問題については、5月25日に取上げた。今日は、(その7)(経産省「石炭火力発電9割休廃止方針」の欺瞞 専門家が指摘、日本人は南極の国家的な重要性をわかってない 科学観測だけで処理不能な問題が起こってくる、モーリシャス座礁事故1か月 影響は?原因は?、モーリシャス沖で座礁 海図見間違えたか)である。

先ずは、7月4日付け日刊ゲンダイ「経産省「石炭火力発電9割休廃止方針」の欺瞞 専門家が指摘」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/275540
・『梶山弘志経済産業相は3日の記者会見で、二酸化炭素(CO2)を多く排出する非効率な石炭火力発電所の9割を休廃止し、脱炭素社会を目指すことを正式に発表した。2030年度までに非効率な石炭火力を9割程度、およそ100基分を休廃止させ、再生可能エネルギーの主力電源化を目指すという。 小泉進次郎環境相が化石賞を受賞するなど、国際社会で強い批判を受けてきた日本の石炭火力発電の前のめりぶりが大幅に改善されたかのように報じられたが、専門家はどう見たのか。気候ネットワークの桃井貴子・東京事務所長は「100基休廃止するというのはインパクトのある数字だが、日本政府にとって石炭火力維持の既定路線の確認に過ぎなかった」と指摘する。 「今回、経産省が言っているのは非効率の石炭火力発電所の9割を2030年までに休廃止するが、新規建設を止めるわけではないし、効率のいいものは維持するということなので問題だと思っています。実体的には高効率の26基の石炭火力発電を維持し、現在建設中の新規石炭火力16基も認めるということなので、2030年以降も3000万キロワット以上の運転を容認することになります 。本来であれば、パリ協定の目標である気温上昇を1.5度に抑えるためには先進国は遅くとも2030年までに石炭火力をゼロにしなければならないのですが、不十分です。また、2030年までどのように休廃止していくのか、その経路や手段について不明です』、「非効率の石炭火力発電所の9割を2030年までに休廃止するが、新規建設を止めるわけではないし、効率のいいものは維持するということなので問題」、「本来であれば、パリ協定の目標である気温上昇を1.5度に抑えるためには先進国は遅くとも2030年までに石炭火力をゼロにしなければならないのですが、不十分です」、一般紙の報道も、単なる大本営発表ではなく、ここまで解説をしてほしいものだ。
・『そもそも、日本は温室効果ガス削減目標は甘いですし、いまのエネルギー基本計画でつくられている長期需給見通しや電源構成もパリ協定に整合していません。この100基休廃止という数字はインパクトがあり、いままで石炭火力をまったく放置しすぎていたので、既存の石炭火力発電をやめるというのは一定の評価はできます。しかし発電規模などを見れば、2030年の時点でだいたい石炭火力の電源構成は20~26%になると見込まれます。 第五次エネルギー基本計画に示された、石炭の<高効率化・次世代化を推進するとともにクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組む>という既定路線を具現化し、エネルギーミックス(電源構成)に示された石炭26%の達成に実態を近づけたものにすぎません。イギリスやカナダなど多くの先進国が掲げるように2030年までに石炭火力発電をゼロにするということが先進国としての責務ではないでしょうか」 世界のトレンドになっているSDGs(持続可能な発展)に逆行する石炭火力発電の温存が、逆に日本経済にダメージを与える懸念がますます強まっている』、確かに「SDGs」による圧力も直視すべきだろう。

次に、10月17日付け東洋経済オンラインが掲載した国立極地研究所・総合研究大学院大学名誉教授の神沼 克伊氏による「日本人は南極の国家的な重要性をわかってない 科学観測だけで処理不能な問題が起こってくる」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/379577
・『はじめて人類が足を踏み入れてから100年以上、いまなお南極では観測と発見が続いている。極地だからこそ学ぶことのできる教訓は、実はわたしたちの未来にとって重要なことばかり。南極で2度越冬した神沼克伊氏の新著『あしたの南極学』から、一部を抜粋・再編集してお届けします』、「南極で2度越冬した」、とはご苦労なことだ。
・『日本は南極大陸への国策必要  南半球の南極大陸およびその周辺は、北半球に住む私たち日本人を含む地球人にとって常に注意が必要な地域です。日本は文化度、経済力などを考えると、それができる力と義務があります。 日本人の南極への関心は、1957年の南極観測から始まりました。以来今日まで、南極は科学観測の場として考えられています。「科学者が望んだから始めたんだ。だから南極は科学者に任せておけばよい」という考えが、日本政府にはあるのではないかと思います。しかし、これまでも科学者だけでは対応できない問題が起きていました。 「南極条約」の締結がその始まりです。アメリカの科学者たちの熱望によってアメリカ政府が動き、外交官の活躍で、1961年に発効しました。この条約により、外交的には日本人の南極での活動も保証されるようになりました。日本ではこの条約は外務省が当時の南極観測を主導していた科学者たちの協力で縮約に力を注ぎました。 その後の南極は南極条約のもと、提起された諸問題を解決してきました。その中には南極域でのオキアミのような海洋資源や鉱物資源の保存や取り扱いの問題などがありました。 「南極アザラシ保存条約」「南極の海洋生物資源の保存に関する条約」などが採択され、発効しています。1991年には「環境保護に関する南極条約議定書」が採択され、南極の自然環境を包括的に保護する枠組みが構築されました。) 日本は国内法を整備して、この議定書を1998年に批准し、発効させました。この議定書により、南緯60度以南の地域における人間の活動に対する環境影響評価の実施、鉱物資源探査活動の禁止、動植物相の保護、廃棄物の処理・管理、海洋汚染の防止、南極特別保護地区の設定などの取り決めが合意されました。また国内では「南極地域の環境保護に関する法律」が施行され、環境省が南極の環境保護に責任を持つことになりました。 国際問題ですから、これらの問題に関しては外務省が主導し、文部科学省(実際には国立極地研究所)や環境庁が協力してきました。海洋資源問題では農林水産省、鉱物資源では経済産業省も関係があります。南極は、IGY(国際地球観測年)の頃とは大きく事情が異なってきました。 当時は科学観測の名のもとにすべてが処理されていましたが、現在は資源問題が絡み、多くの政府機関が関係する、あるいはしなければならない時代になっています。南極に関係する省庁が横並びで増えていっても、各省庁が同じように南極を理解しているわけではありません。南極をいちばん知っているはずの極地研究所の教官にしても同じで、自分の専門分野はともかく、その他の事象について、広い視野と見識がある人は極めて少ないです』、確かに「南極」の位置づけが国際的に変化してきているようだ。
・『行動許可証取得にあたって環境省からヒアリング  21世紀になって間もないころの話です。私は取材のため、公務以外で初めて南極に行くことになり、旅行業者を通じて環境省に南極での行動許可証を申請しました。すると環境省の担当者から私に電話があり、私の南極での行動をいろいろ聞いてきました。 私は現地の具体的な様子、例えばペンギンルッカリーの規模や状況、ミナミゾウアザラシのハーレムの位置、その周辺での私の活動などを丁寧に説明しました。そのときの担当者が南極の知識をどの程度持っていたかは知りませんが、とにかく相手は素人という意識で、私は丁寧に説明しました。 もちろん行動許可証は問題なくもらえましたが、私自身は何となく自作自演で許可を取ったような、すっきりしない気分でした。条約発効後間もないころで、環境省も勉強期間であったでしょう。現在昭和基地以外の場所に行く人たち、とくに観光客に環境省がどのような対応をしているのかは、私は知りません。 各省庁間での南極への認識は、ずれがあるのです。ほとんど知識がないので、文科省に従うというような姿勢だとよいのですが、半端な知識で自己主張されるのがいちばん困りました。 ある省庁の観測したデータを南極観測の国際会議で使わせてほしいと頼んだところ、ついに許可が出なかったことがあります。「税金で採ったデータである。外国人に使わせる理由がない」などと主張されました。私としては秘密にするほどのデータではなく、外国の研究者から、「日本が調査している海域だからそのデータを見せてほしい」という注文でした。 秘密にしたほうがいいデータもあるでしょうが、それほど秘密性のあるデータでなければ、自由に公開したほうが、日本にとっても有利なはずですが、その省庁の担当者は、狭義の国益一辺倒でした』、「狭義の国益一辺倒」の官僚が、「税金で採ったデータである。外国人に使わせる理由がない」と主張したとは驚いた。
・『「科学観測」だけで処理できない問題が起こってくる  これから南極で起こる諸問題に対処するためには、どうしても日本国として南極をどうするか、基本政策がぜひ必要です。「ナショナルポリシー」という感覚でいいと思いますが、国として南極をどのように使うかの基本政策です。これからは「科学観測」という一見心地よい響きの言葉だけで処理できない問題が起こってくることは明らかです。 現実に捕鯨問題は続いています。現在の南極での調査捕鯨はほとんど南極条約の地域の外で行われているかもしれませんが、南極海の生物資源利用であることは間違いありません。北半球の島国ではできないことを、許される範囲で南極でもできれば、また国民の視野も広がるのです。そのためには国策として南極へのビジョンが必要です。 2010年代になって、「海上自衛隊は南極観測の輸送支援から手を引く」という噂が流れ始めました。1965年ふじが就航したとき、その運用が海上自衛隊に託されました。当時、一部の識者からは海外派兵であるとの批判も出ました。 しかし海上自衛隊の中では好意的に受け取られ、一般には経験できない地域に行けると歓迎されているとの話も聞きました。事実、私が観測隊に参加したときも、南極に行きたくて海上自衛隊に入ったという乗組員が何人もいました。 しかし、防衛庁から防衛省になり、自衛隊の事情も大きく変わったようです。最近目立つのは潤沢な予算です。予算規模を考えても、限られた隊員の中から毎年200名近い人を南極に派遣するのは確かに大変だろうとは想像できます。海上自衛隊の海外への派兵は南極ばかりではなくなりもしました。南極観測に対して、自衛隊内ではかつての魅力が薄れてきていたとしても、仕方のないことです』、「海上自衛隊」にとっては、「南極」の「魅力が薄れてきて」いるのは確かなようだ。
・『きちんとした国家的方針がないと大損する  しかし文科省としては南極観測のためには、観測船の運用は不可欠です。ではどうすべきか。このレベルになると、やはりしっかりした国策があって、そのうえで、担当する部署を決め、南極に興味関心を持ち続け、地球人としての役割を果たすのが、本当の文明国だと私は考えます。 外国の場合、チリの南極研究所は外務省に所属し、南極に関してはすべて外務省が所管しているようです。領土問題も絡み、陸軍、海軍、空軍も協力し、それぞれが南極に観測基地を有しています。もちろん研究者が運営する基地もあります。2000年前後の南極研究所の所長はチリの在日日本大使を務めた方でした。私が訪問するといつも懐かしそうに、皇室との会談を話題にしていました。 イギリスは植民地省が南極を担当していました。21世紀の今日の状況は知りませんが、少なくとも20世紀まではそうでした。南極条約の範囲外ではありますが、フォークランド諸島も植民地として維持されているのです。南極半島の領有権主張も同じです。 日本で南極に関する基本政策を考える場として、南極庁などという機関を求めるつもりはありませんが、せめて南極に関する共通認識が得られる常設の会義は「あってもよい」、あるいは「あるべき」と私は考えます。日本としてきちんとした国家的方針がないと、国際的には問題が起きたとき適切な処理や対応ができず大損をする可能性があります』、「きちんとした国家的方針」の構築は必要なようだ。

第三に、8月24日付けNHK NEWS WEB「モーリシャス座礁事故1か月 影響は?原因は?」を紹介しよう。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200824/k10012580611000.html
・『「神はまずモーリシャスを作り、それをまねて天国を作った」と言われるほどの美しさ。インド洋の島国モーリシャスは、真っ白な砂浜と豊かな自然に恵まれ、世界中の観光客を魅了してきました。 ところがことし7月、その沖合で日本の海運大手がチャーターした貨物船が座礁し、燃料の重油などが大量に流出。深刻な環境汚染を引き起こしています。 事故から1か月、被害の実態はー。そして焦点となっている、事故原因や補償の問題はどうなっているのか。取材しました。 (ヨハネスブルク支局 別府正一郎/国際部 高塚奈緒 松崎浩子 田村銀河/ネットワーク報道部 田中元貴)』、興味深そうだ。
・『「インド洋の貴婦人」モーリシャス   モーリシャスはアフリカ大陸の東、インド洋にある人口約127万の島国で、広さは約1980平方キロメートルと、東京都とほぼ同じです。かつてオランダ、フランス、イギリスの植民地支配を受け、人口の約70%は植民地時代に移り住んだインド系の人たちです。 美しい白い砂浜やさんご礁、希少な生物が生息する豊かな自然があることから「インド洋の貴婦人」とも呼ばれ、ヨーロッパなどから年間130万人以上が訪れるリゾート地で、観光収入がGDP=国内総生産の約10%を占めています。 島内には、国際的に重要な湿地の保全を定めた「ラムサール条約」に登録された場所が3か所あり、海岸の環境保全や、固有種を含む多様な生物の保護も進められていました』、「モーリシャス」は有名な観光地だが、そこでの海難事故というのには違和感があった。
・『日本の貨物船が…  事故が起きたのは、現地時間の7月25日午後7時すぎ(日本時間26日未明)。岡山県の長鋪汽船が所有し、商船三井がチャーターしていた貨物船「WAKASHIO」が島の沖合で座礁しました。 それから10日以上たった8月6日、燃料の重油の流出が始まりました。商船三井によりますと、貨物船に積まれていた燃料は、重油約3800トンと軽油約200トン。このうち重油約1000トンが海に流出したとみられています。 商船三井は、日本時間11日朝までに約460トンを回収したとしたうえで、13日には船内に残っていた油についてもほぼ回収したと発表しました。 記者会見で、商船三井は「モーリシャスをはじめ、関係の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。影響を最小限に食い止めるよう、解決まで誠意を持って対応したい」と述べました。 また、長鋪汽船は「当事者としての責任を痛感しており、賠償については、適用される法に基づき、誠意を持って対応させていただくつもりです」というコメントを発表しました』、「座礁」してから「重油の流出が始ま」った11日間に一体、何をしていたのだろうか。無駄に時間を浪費したような印象を受ける。
・『重油流出 環境汚染の実態は  モーリシャス政府によりますと、今回の事故で、島の南東部10キロ余りの海岸線と周辺の海を中心に、深刻な汚染が広がりました。 地元の人たちは美しい海を守ろうと、手作りのオイルフェンスを海に浮かべて重油を岸から遠ざけたり、漂着した重油を手ですくってバケツに入れたりしました。 しかし、さまざまな魚やカニが死んでいるのが確認されるなど、生態系への影響が懸念されています。 漁業者の間からは、漁で生計を立てられなくなるのではないかと、先行きを心配する声が聞かれます』、船主や「商船三井」は何をしていたのだろう。
・『マングローブ「油付着した状態続くと半年で枯れる」  モーリシャスの自然環境で重要な役割を果たしているのが、沿岸に広がるマングローブ林です。 多種多様な生物が生息し、貝や魚、鳥などの生態系を支えていますが、重油の一部は「ラムサール条約」に登録された湿地のマングローブ林周辺にも漂着。 マングローブ林は根が複雑に入り組んでいたり、周辺が湿地帯で近づくのが難しかったりすることから、除去作業は難航しています。 国際マングローブ生態系協会の理事長で、琉球大学名誉教授の馬場繁幸さんは、「マングローブの根は栄養分を吸収し、呼吸をする役割があるが、油が付着すると、毒性の成分がしみ込み、細胞膜が壊れ、枯れてしまう」と指摘します。 さらに馬場さんは、過去の流出事故の被害状況を鑑みると、「マングローブに油が付着した状態が続くと、半年くらいたってから枯れてしまうだろう」として、一刻も早い除去作業の必要性を訴えています』、時間との勝負のようだ。
・『広がる国際支援  今回、モーリシャス政府は「環境上の緊急事態」を宣言し、国際社会に緊急の支援を求めました。海外メディアも大きく報じ、国際的な支援が広がっています。 旧宗主国フランスのマクロン大統領は8月8日、ツイッターに「生物の多様性が危機にひんしているときには緊急に行動する必要がある」と投稿し、オイルフェンスなど物資の提供や、専門家の派遣といった支援を打ち出しました。 日本からは8月10日と19日、国際緊急援助隊として海上保安庁や環境省などから合わせて13人の専門家が派遣され、油の流出状況や環境への影響について調査を行っています。また日本の企業も、油だけを吸い取る特殊な繊維を使った吸着剤を現地に送りました。 このほかインドや中国なども、油の回収作業に人を出したり物資を提供したりするなど、支援を行っています』、「旧宗主国フランス」の本腰が入った支援に比べ、当事国の「日本」の支援は遅く、中途半端な印象だ。
・『明らかになった貨物船の航跡  今後の大きな焦点は、事故の原因究明です。 【動画】貨物船の航跡 AISと呼ばれる、船の位置などを電波で発信する装置のデータ分析を行っている「IHIジェットサービス」が解析したところ、貨物船は7月4日、中国を出発し、シンガポールを経由したあと、インド洋を西に進んでいました。 モーリシャスの南東約2キロの沖を航行していた7月25日、1分余りの間に針路をほぼ90度右に変え、10ノット前後で進んでいた速度も1ノット以下に低下していたことがわかりました。 船舶事故に詳しい神戸大学大学院の若林伸和教授は「通常、このように人為的に船の向きを変えることはなく、船底が何かに当たって、急に向きが変わったのではないか」と述べ、この衝突が座礁の原因となった可能性が高いと指摘しています。 分析データによりますと、貨物船はその後、北に約1キロ漂流し、10日余りたった8月5日に電波の発信が止まりました。 また、この海域を航行するほかの船舶のデータと比べると、貨物船は北西に約16キロ離れ、モーリシャスの沿岸近くを進んでいたこともわかりました。 若林教授は「周辺はさんご礁も多く、注意が必要な場所だ。危険なところにわざわざ寄っていくことは考えられない」と述べ、貨物船が通常とは異なる航路をとったことが事故につながったのではないかという見方を示しています。 貨物船がこうした危険とも言える航路をとっていたことを、会社側は把握していたのでしょうか。 貨物船をチャーターした商船三井は「船が通常の航路からかい離していたことは把握しているが、当社は船をチャーターした立場であり、かい離した原因などについては、船の所有者である長鋪汽船に確認してほしい」とコメントしています。 また、長鋪汽船は「航路は把握しているが、現在、当局が捜査しているところであり、コメントは控えたい。座礁の原因は、当局の聴取が終わったあと、改めて乗組員に事情聴取する予定だ」とコメントしています』、「さんご礁も多く、注意が必要な場所」、なのに「10ノット前後で進んでいた」とは不可解だ。
・『事故の原因究明は  事故の原因究明に向けては、8月18日、現地の警察がインド人の船長とスリランカ人の副船長の2人を、航行の安全を脅かした疑いで逮捕。裁判所が保釈を認めるかどうか判断するため、2人は25日に出廷する予定です。 また、警察はNHKの取材に対し、逮捕された2人のほか、スリランカ人やフィリピン人の乗組員18人からも当時の状況について話を聞いていることを明らかにしました。 事故をめぐって地元の一部メディアは、乗組員たちがインターネットへの接続を求めて島に近づいた可能性もあると報じましたが、モーリシャス政府の当局者はロイター通信に対し、この見方を否定しています。 警察関係者は「さまざまな臆測が出ているが、1つ1つを慎重に捜査している」と話しています』、なるほど。
・『事故の賠償は   今回の事故による作業費用や賠償額が最終的にどれぐらいに上るのか、確定するのはこれからです。 貨物船などの油流出事故の場合、賠償責任は船の所有者が負うと、国際的な条約「バンカー条約」で定められています。 今回の事故では、所有者は岡山県の長鋪汽船となります。長鋪汽船が加入する相互保険組合の「JAPAN P&I CLUB」広報室によりますと、事故の賠償額は「船主責任制限条約」という国際条約で船の容積に基づいて定められています。この条約に基づくと、今回のケースでは、モーリシャス政府への賠償額の上限は日本円で約19億円になるということです。 また、これとは別に長鋪汽船が行っている油の回収費用などについては保険が適用され、その上限は約1060億円だということです』、「賠償額の上限は日本円で約19億円」、「油の回収費用など・・・保険が適用され、その上限は約1060億円」、「回収費用」の「上限」の方が大きいとは何か然るべき理由があるのだろう。
・『貨物船はどうなる  船体の処分も始まっています。座礁後に亀裂が入っていた貨物船は、8月15日、大きく2つに割れました。 モーリシャス当局は、船体の前の部分を沖合10キロ余りの地点までえい航し、沈めて処分する計画を決め、20日に作業が始まりました。 これに対し、環境NGOのグリーンピース・アフリカなどは「貨物船を沈める処分方法では、生物多様性を危機にさらし、海を汚染させる」として、批判する声明を出しています。 また、ブリッジなどがある船体の後ろの部分については、当局は中に残っている油を取り除いたうえで、座礁した場所で解体する計画です』、「貨物船」の処分については、船主の「長鋪汽船」はつんぼ桟敷なのだろうか。
・『“二重苦”のモーリシャス 問われる日本の役割  モーリシャスはかつてサトウキビ以外に目立った産業はありませんでしたが、政情の安定とともに外国からの投資を積極的に受け入れ、外国企業が進出する新しいオフィス街もできるなど、経済発展を続けてきました。 しかし今回の事故は、経済の柱の1つである観光業への打撃になると懸念されています。 モーリシャスは新型コロナウイルスの感染対策として、3月以降、国境を事実上閉鎖し、観光業界はすでに大きなダメージを受け、現地の人たちが将来への不安を募らせていたさなかの座礁事故でした。 モーリシャス政府によりますと、重油流出の影響を受けたのは島の海岸線の5%以下だということですが、被害を受けた生態系とともに、観光イメージの回復には長い時間がかかるかもしれません。 今回、日本はモーリシャスの環境汚染の当事者です。なぜ事故が起きたのか、現地当局とともに原因の究明を進め、再発防止策とともにつまびらかにする必要があります。 未曽有の事故に見舞われたこの美しい島国の復興をいかに支えていくのか、国際社会から問われています』、同感である。「重油流出の影響を受けたのは島の海岸線の5%以下」、予想外に少ないようだ。

第四に、9月11日付け日テレNEWS24「モーリシャス沖で座礁 海図見間違えたか」を紹介しよう。
https://www.news24.jp/articles/2020/09/11/10719726.html#:~:text=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E6%B4%8B%E3%81%AE%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B9%E6%B2%96,%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%8C%E5%88%86%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82&text=%E3%81%9D%E3%82%8C%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%81%A8%E3%80%81%E3%80%8C%EF%BC%B7%EF%BC%A1%EF%BC%AB%EF%BC%A1%EF%BC%B3%EF%BC%A8%EF%BC%A9%EF%BC%AF%E3%80%8D,%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
・『インド洋のモーリシャス沖で日本の貨物船が座礁した事故で、貨物船の船長や乗組員が海図の見方を間違えていた疑いがあることが分かりました。 これは、貨物船「WAKASHIO」が登録されているパナマの海運当局が事故原因の調査報告の明らかにしたものです。 それによりますと、「WAKASHIO」には電子海図が搭載されていましたが、船長や乗組員が縮尺の見方を謝り、浅瀬への接近に気付かなかった疑いがあるということです。 また、通常の航路を外れてモーリシャス島に近づいたのは船長の指示によるもので、乗組員がインターネットや電話で家族と連絡をとるためだったとしています。 商船三井が運航する「WAKASHIO」の座礁事故をめぐっては、およそ1000トンの重油が流出し、生態系への長期的な影響が懸念されています』、「電子海図が搭載されていましたが、船長や乗組員が縮尺の見方を謝り、浅瀬への接近に気付かなかった疑いがある」、「モーリシャス島に近づいたのは船長の指示によるもので、乗組員がインターネットや電話で家族と連絡をとるためだった」、いずれもお粗末極まる。商船三井も法的責任はないとはいっても、事故直後の対応の不手際、これだけ国際的な問題に発展したこと、などを考慮すると、もっと積極的に対応すべきなのではなかろうか。
タグ:商船三井も法的責任はないとはいっても、事故直後の対応の不手際、これだけ国際的な問題に発展したこと、などを考慮すると、もっと積極的に対応すべきなのではなかろうか 通常の航路を外れてモーリシャス島に近づいたのは船長の指示によるもので、乗組員がインターネットや電話で家族と連絡をとるためだった 電子海図が搭載されていましたが、船長や乗組員が縮尺の見方を謝り、浅瀬への接近に気付かなかった疑いがある パナマの海運当局が事故原因の調査報告 「モーリシャス沖で座礁 海図見間違えたか」 日テレNEWS24 重油流出の影響を受けたのは島の海岸線の5%以下 “二重苦”のモーリシャス 問われる日本の役割 貨物船はどうなる 事故の賠償は 事故の原因究明は 「さんご礁も多く、注意が必要な場所」、なのに「10ノット前後で進んでいた」とは不可解 明らかになった貨物船の航跡 広がる国際支援 マングローブ「油付着した状態続くと半年で枯れる」 重油流出 環境汚染の実態は 日本の貨物船が… 「インド洋の貴婦人」モーリシャス 「モーリシャス座礁事故1か月 影響は?原因は?」 NHK News web きちんとした国家的方針がないと大損する 「科学観測」だけで処理できない問題が起こってくる 「狭義の国益一辺倒」の官僚が、「税金で採ったデータである。外国人に使わせる理由がない」と主張 行動許可証取得にあたって環境省からヒアリング 「南極」の位置づけが国際的に変化 日本は南極大陸への国策必要 『あしたの南極学』 南極で2度越冬した神沼克伊氏 「日本人は南極の国家的な重要性をわかってない 科学観測だけで処理不能な問題が起こってくる」 神沼 克伊 東洋経済オンライン 確かに「SDGs」による圧力も直視すべき パリ協定の目標である気温上昇を1.5度に抑えるためには先進国は遅くとも2030年までに石炭火力をゼロにしなければならない 今回、経産省が言っているのは非効率の石炭火力発電所の9割を2030年までに休廃止するが、新規建設を止めるわけではないし、効率のいいものは維持するということなので問題 「経産省「石炭火力発電9割休廃止方針」の欺瞞 専門家が指摘」 日刊ゲンダイ 環境問題(その7)(経産省「石炭火力発電9割休廃止方針」の欺瞞 専門家が指摘、日本人は南極の国家的な重要性をわかってない 科学観測だけで処理不能な問題が起こってくる、モーリシャス座礁事故1か月 影響は?原因は?、モーリシャス沖で座礁 海図見間違えたか)
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