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女性活躍(その19)(「伊藤詩織さん」が「TIME」の100人に選出 “逮捕もみ消し”は菅総理の側近で…、「女性はいくらでも嘘をつける」でわかった日本女性を苦しめる最大の原因 「女の敵は女」の本当の意味、アフターピルで「性が乱れる」と叫ぶ人の勘違い 女性側の事情を考慮しない「有識者」の言い分) [社会]

女性活躍については、9月27日に取上げた。今日は、(その19)(「伊藤詩織さん」が「TIME」の100人に選出 “逮捕もみ消し”は菅総理の側近で…、「女性はいくらでも嘘をつける」でわかった日本女性を苦しめる最大の原因 「女の敵は女」の本当の意味、アフターピルで「性が乱れる」と叫ぶ人の勘違い 女性側の事情を考慮しない「有識者」の言い分)である。

先ずは、10月7日付けデイリー新潮「「伊藤詩織さん」が「TIME」の100人に選出 “逮捕もみ消し”は菅総理の側近で…」を紹介しよう。
・『いくら闇に葬り去ろうとしても、世界は犯された罪を忘れない。そう思わせる快挙である。9月23日、米「TIME」誌は、2020年版の「世界で最も影響力のある100人」にジャーナリストの伊藤詩織さん(31)を選んだ。発端となった事件の逮捕状がもみ消された当時、政権中枢にいた菅義偉総理たちの胸中は如何に。 日本から選出されたのは、詩織さんとテニスの大坂なおみ選手(22)の二人だけ。世界の眼が、この事件に並々ならぬ関心を持っていることが窺えるのである。 2015年4月、詩織さんへの準強姦容疑で逮捕状が出ていた山口敬之元TBSワシントン支局長(54)。時の政権と太いパイプを持ち、“総理ベッタリ記者”との異名を持つからか、令状は、官邸に近い当時の中村格(いたる)警視庁刑事部長によって握りつぶされた。 そこで詩織さんは17年5月に本誌(「週刊新潮」)で初めて事件を告発。後に会見で実名告発に踏み切ったことで、他のメディアも彼女の存在を大きく取り上げたのだ。 当の詩織さんに聞くと、「事件を告発して以来、これまで私には、耳を塞ぎたくなるようなラベルがいくつも付いて回りました。でも今回、タイムの『世界で最も影響力のある100人』に選んでいただいて、あらためて、私は私でいいんだ、伊藤詩織として生きていいんだと、後押しをしていただいたような想いがしています。同時に、私と同じように生きている人々に対しても、私たちは堂々と生きていいんだよ、人に話したくないような辛い過去と生きていたって、笑顔で道を歩いていいんだというエールになったと思っています。これを機会に今後、少しでも、真実が明らかになって欲しいと願っています」』、「TIME」誌もなかなか味なことをするものだ。これで事件が全世界の知るところになった。日本政府にとっては屈辱だ。
・『警察庁ナンバー2  結果的に刑事訴追を免れた山口氏を相手に、詩織さんは民事で係争中(一審は勝訴)だが、SNS上で起きた自身への誹謗中傷に対しても、訴訟を起こし闘いを続けている。 国際政治学者の三浦瑠麗氏が言う。 「これまでも、伊藤さんのような思いをした人たちはたくさんいて、仮に声を上げても、黙殺され、加害者が大手を振って社会的な立場を維持している状況に対して、臍(ほぞ)を噬(か)んで見ていることしかできなかった。一連の彼女の行動は、そういった日本人の常識を変える一助になったと思います」 問題なのは、前述の逮捕状もみ消しを図った人物が、権力の階段を昇り続けていることだろう。中村氏は今や警察庁のナンバー2である次長に昇進、来年以降の長官就任に“王手”をかけた。その彼を、官房長官時代に秘書官として重用したのが菅総理なのだ。本誌既報の通り、菅総理は周囲に「警察庁長官になる人物」と評するほどお気に入りだった。 「大きな権力構造の中で、一人の女性の尊厳が冒され放置されることは、絶対にあってはならんことです」と憤るのは、漫画家の小林よしのり氏。この事件を作品で扱い、山口氏から民事で提訴されてもいる。 「自分たちの仲間の男が、女性をレイプしたからといって、たいしたことではないとしてしまう感覚が軽すぎるとワシは思う。権力の座に就くと真っ当な善悪の基準が通用しなくなってしまうのだろうね。絶対にダメだと分からせるためにも、伊藤さんが100人に選ばれたことは痛快です」 最後に、イタリアの劇作家、ヴィットーリオ・アルフィエーリの悲劇「アンティゴネ」から、この言葉を彼らに贈ろう。 「汚名は刑罰になく、犯罪そのものにある」』、「中村氏」の「来年以降の長官就任」は是非とも阻止すべきだが、「菅総理」の下では期待薄だろう。

次に、10月16日付けPRESIDENT Onlineが掲載した著述家・コラムニストのサンドラ・ヘフェリン氏による「「女性はいくらでも嘘をつける」でわかった日本女性を苦しめる最大の原因 「女の敵は女」の本当の意味」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/39538
・『「女が嫌いな女」とは週刊誌の人気企画だ。だが、こうした話題が成り立つのは日本だけだ。ドイツ出身のコラムニスト、サンドラ・ヘフェリン氏は「日本に来たばかりのころ、『女の敵は女』という言い回しに驚きました。日本にはシスターフッド(女性同士の連帯)の精神が決定的に欠けています」という——』、興味深そうだ。
・『日本の女性リーダーに足りない大切なもの  「女性はいくらでも嘘をつけますから」――。先日、自民党の杉田水脈衆院議員がそう言い放ったことが話題になりました。 この発言に対して抗議のデモが行われ、謝罪と議員辞職を求めるオンライン署名には約9万筆が集まりました。新聞社等の取材に、しばらくのあいだ杉田議員は「そういう発言はしていない」と答えていたものの、その後一転して発言を認め、「ご不快な思いをさせた」と謝罪しました。 それにしても、なぜよりによって「女性の政治家」がこの手の発言をしたのでしょうか。本当に彼女個人だけの問題なのでしょうか。それともこのようなことを思ったりポロッと言ってしまうような原因は日本の社会にあるのしょうか。 今回はそんな問題について考えてみたいと思います』、「杉田水脈衆院議員」は維新の会から、安部首相に見いだされて自民党の比例区で当選。右派的発言でしばしば話題を振りまいている。
・『日本に来て驚いた言いまわし「女の敵は女」  日本に来たばかりの約20年前、日本の生活スタイルや考え方など、何から何まで筆者には新鮮に感じられました。特に興味深かったのは同性である女性たちとの会話。知り合いや女友達とお茶をしながら何げない雑談をするなかでさまざまな発見がありました。 筆者の知人女性は当時女性社員が少ない会社で働いていましたが、新人の女性社員に対するいじめは主に先輩の「女性」から行われていたといいます。そして彼女は言いました。「難しいのよね、やっぱり女の敵は女だから」と。 その時は、その知人女性がたまたまそういう感想をもったのかな、と思いました。しかし、別の女性と話をした時も「女の敵は女」という言葉が出てきました。そこでようやく、これは日本でよく使われる「言いまわし」なのだと気付きました。 意識してみたところ、確かに日本では「女の敵は女」だと思わされるシチュエーションはちょくちょくあるのでした。 私が日本に来てすぐに横山ノック元大阪府知事による女子大生スタッフへの強制わいせつの件がメディアで話題になりました。筆者もこの女子大生スタッフに大いに同情したのですが、ある女性はこう言いました。 「女子大生はお金のためにマスコミに話を売ったのだと思う」「横山ノックは女子大生にはめられたのだと思う」 この発言を聞いた時に「女の敵は女なんだな」と思ったことを覚えています。 ジャーナリストの伊藤詩織さんの例を見ても分かるように、あれから20年以上経った今も、性被害に遭った女性に「目立ちたいだけ。男性はむしろ女性にはめられた」と言う人は後を絶ちません』、「女性にはめられ」るケースもまれにはあるが、それは例外的事象だ。
・『子供のいる女性の「しわ寄せ」が独身の女性に…  会社で働く女性から「子供を持つ女性社員からのしわ寄せがつらい」という声をよく聞きます。新聞社の悩み相談サイトの「働く」の項目には、定期的にこの手の相談内容がアップされています。 内容は「子供のいる女性の同僚がよく学校の行事や子供の病気などで仕事を休むため、独身の私は有休が全くとれなくなった」「子供のいる女性の同僚が時短で働くようになってから、その分の仕事が独身で子供のいない私に降りかかっている。残業で疲れ果てているのに事態が改善される兆しがない」といったもので、文章から疲労度が伝わってきます。 地方都市で中学校の教員をしていた50代女性は「自分も子供がほしかったけれど、働いていた中学校の女性の教員たちには既に子供がいて、当時独身だった私に仕事がふられることが多かった。デートもままならず結局子供を持つことはかなわなかった」と話しました。 育児と仕事を両立しなければ女性も大変ですが、その横にいる「独身の女性社員」にも大きな負担が強いられている現状があるのでした』、多くの企業ではその通りだろう。
・『責任は会社にあるはずだ  確かに、仕事仲間の女性が子供をもった結果、自分に多くの残業や休日出勤がふりかかってくることを想像すると、その理不尽さに怒りが沸々と湧いてきます。 この話は一見すると、なにかと「子供をもつ女性社員」を責めがちです。しかし本質的な責任は「会社」にあります。誰かが抜けた時に社員に偏ることなく仕事を振り分けたり、新たな人員を雇ったりして調整する責任は会社にあるからです。 ところが実際には「なあなあ」になりがちなのも確かです。 男性が多い会社や中小企業では「女同士で仲良くやってくれよ」とばかりに「女性が抜けた分の仕事は全て別の女性がカバーすればよい」という暗黙の了解があったりします。 結果として独身の女性に負担がかかるのが現実です。 子供を持つ女性は「子供をもって大変なのに、仕事場で女性からつらくあたられる」、独身の女性は「子供を持つ女性のカバーをなぜ私だけがしなければならないの」とそれぞれの言い分があります。 しかし厄介なのは、カバーに入った女性がその大変さを周囲に話すと、男性から「やっぱり女の敵は女なんだな」と思われがちなことです。残念なのは、これが会社の問題であるにもかかわらず、時に「女の敵は女」「女同士のバトル」と周囲から面白おかしく取り上げられることです。 この問題の原因は「男性が育児で仕事をセーブする」ことがまだまだ少ないからです。多くの男性も時短で働けば、総合的に時短で働く社員はかなりの数になります。「時短で働く社員の分をどのようにカバーするか」という点を会社はもっと工夫するはずなのです』、同感である。
・『ドイツもシビア……同性から悪く言われる専業主婦  実はドイツにも女の闘いというものが全くないわけではなく、日本とは少し形は違いますがなかなかシビアです。例えば専業主婦という存在について。日本では「女性の多様な生き方」の中に「専業主婦」も含まれています。実際に専業主婦が一方的に叩かれる場面はあまり見られません。 一方、ドイツでは専業主婦に対する風当たりはかなり強いのです。持病を抱えている、ドイツ語ができないなど、特別な理由がない限り疑問に思われる傾向があります。専業主婦は「なぜ自分でお金を稼ごうと思わないのか」と疑問を直球でぶつけられることも多く、何かと周囲から質問攻めにされることになります。 さらに「夫が望んでいるので専業主婦をしているんです」なんて言った日には、DVの被害者だと思われ相談機関を紹介されかねません。「自分が好きで専業主婦をしている」と言えば、何か問題のある人だと見られる場合が多いのです。 特に、同じ女性が専業主婦に対して厳しい見方をする傾向があります。 ドイツ在住のある日本人女性は「ドイツ人である夫の仕事の都合」でドイツに引っ越し、当初は就労していませんでした。しかし数カ月後、夫の親戚や知人から「なぜ働かないのか」と聞かれ、なかでも女性からの質問攻めが執拗だったと嘆いていました。 このようにドイツでは「専業主婦である」というだけで直接非難されます。そう考えると日本の社会は優しい社会だといえるでしょう』、「ドイツでは「専業主婦である」というだけで直接非難されます」、「日本」とは真逆だ。
・『ヨーロッパでも女性の分断が問題に  また家事の外注が進むヨーロッパでは、高等教育を受けたミドルクラスの女性が家事や掃除などの仕事に就く移民のマイノリティ女性を差別する傾向が見られます。 この現象については、ポストフェミニズム論の代表的論者であるアンジェラ・マクロビー氏がイギリスを例に、本来は「女の仕事」であった家事や掃除などの仕事に従事する移民の女性がミドルクラスの白人女性から「自分たちよりも劣った存在」として憐みの対象で見られ、連帯の対象として見なされていない問題を指摘(Angela McRobbie, 2009, The Aftermath of Feminism, SAGE)しています。 イギリスが階級社会だという背景もありますが、決してそれだけが理由ではなく、明らかに「女性が女性を低く見て、女性が女性にきつく当たる」傾向もあり、ヨーロッパの「女性の連帯」が必ずしも全ての場面でうまくいっているわけではないということがうかがえます』、「ヨーロッパの「女性の連帯」が必ずしも全ての場面でうまくいっているわけではない」、なるほど。
・『「女性同士のバトル」を見るのが好きなニッポンの社会  日本で特徴的なのは「女性同士のバトル」をどこかエンターテインメントとして消費しているところです。週刊誌で「女が嫌いな女」がランキング形式で発表されることがあるのも日本ならではです。 ところで冒頭の杉田水脈氏の「女性はいくらでも嘘をつけますから」という発言について、筆者は当初「女性の一般的な発言に関する杉田氏の感想」と勘違いをしていましたが、実際には性暴力がらみでされた発言でした。 杉田氏は自民党の会議で2021年度の予算の概算要求の説明を受けた際に「性暴力を支援する相談事業を民間団体に任せることは反対だ」という自らの意見を話すなかで「女性はいくらでも嘘をつけますから」と発言しました。 「女性がレイプ被害等について、いくらでも嘘をつける」というのは、日本に限らず世界の多くの国でひろく信じられてきた偏見です。しかしWHOは性暴力被害者のための法医学的ケアガイドラインの中で「女性は(性被害について)嘘をつく」というのは「典型的なレイプ神話」(誤解)だとしています。 杉田氏の性暴力の被害女性を咎める発言は今回が初めてではありません。2018年にはジャーナリストの伊藤詩織さんについて「女としても落ち度がありますよね」「伊藤詩織さんが記者会見を行って嘘の主張をした」と発言しました。SNSには「介抱してくれた男性のベッドに半裸で潜り込むようなことをする女性」と書き、伊藤さんに訴えを起こされています。 性暴力を受けた女性に「本人に落ち度があったのでは」と発言すること自体がセカンドレイプにあたります。衆院議員がこのような発言をする背景には、日本の社会にも同様に考える一定の層がいるからだという見方もできます』、「WHOは性暴力被害者のための法医学的ケアガイドラインの中で「女性は(性被害について)嘘をつく」というのは「典型的なレイプ神話」(誤解)だとしています」、WHOも思い切ったことを言ったものだ。
・『大事にしたい「シスターフッド」  2019年の男女格差の国別ランキングで、日本は「153カ国中121位」でした。G7(主要7ヵ国)のなかで最下位です。しかし日本では「女性は優遇されている」という発言をよく聞きます。仕事で「女性だから」という理由で抜擢されるのはおかしいという声も少なくありません。残念ながら女性自身が「女性だからと優遇はされたくない」と考えている場合もあります。 しかし、ドイツでは2015年に「女性クオータ法」が成立し、翌年から大手企業には監査役会の女性比率を30%以上にすることが義務付けられました。女性の役員や管理職を増やすため、企業には自主目標の設定、具体的処置、達成状況に関する報告義務も課せられています。なお、この制度は公的部門にも適用されています。 学歴も能力もある多くの女性が、前例に従い補助的なポジションにしか就けないことが長年問題視されてきました。そのため具体的な数字を設定し、法的に問題の解決にあたったことは合理的で、この制度に女性が反対したという声は聞こえてきません。 その根底にはシスターフッド(女性同士の連帯)の精神があります。 女性が個人的に「自分は仕事でそれほど上のほうのポジションには行きたくない」と考えていても、「でも上のほうに行きたい他の女性もいるのだから、経営陣に女性が増えるのは良いことだ」と考えるのがシスターフッドです。 つまり自分自身の要望や生き方とは必ずしも一致しなくても、自分と同性である他の女性たちの応援はする、という考え方です。ヨーロッパでは、生き方が違っても、支持する政党が違っても「女性の地位向上のためには団結する」という姿勢が目立ちます』、「シスターフッド」は女性がお互いの足を引っ張り合わないという意味で、日本では欠けている考え方だ。
・『杉田議員にもシスターフッドの精神があれば……  近年の「#MeToo運動」を見ても、日本では「性被害に遭った女性を女性が叩く」ということがしばしば起きています。杉田議員にシスターフッド精神が少しでも頭の片隅にあれば「女性はいくらでも嘘をつけますから」は出てこなかった発言なのです。 「女性は感情的」と同じぐらいに偏見に満ちた発言なのは言うまでもありません。 (一部の)男性が考えがちなことを、よりによって女性である杉田議員が口に出して言ってしまったのは、日々女性を低く見ている多くの「オジサン」に囲まれ、自身も彼らの価値観を内面化してしまった結果かもしれません。 女性の政治家にシスターフッドを期待するのは求めすぎなのでしょうか』、「日々女性を低く見ている多くの「オジサン」に囲まれ、自身も彼らの価値観を内面化してしまった結果かもしれません」、嫌味だが、その通りなのかも知れない。

第三に、10月21日付け東洋経済オンラインが掲載したナビタスクリニック内科医師の久住 英二氏による「アフターピルで「性が乱れる」と叫ぶ人の勘違い 女性側の事情を考慮しない「有識者」の言い分」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/382790
・『若い人たちからは特に「アフターピル」と呼ばれ、認知度が高まりつつある緊急避妊薬。それを市販薬(OTC薬)とする方針が、10月8日報じられた。内閣府は8日、女性の社会参画に関する有識者会議で示した「第5次男女共同参画基本計画」案に、以下のように明記したという。 「避妊をしなかった、または避妊手段が適切かつ十分でなかった結果、予期せぬ妊娠の可能性が生じた女性の求めに応じ、処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する」』、ようやく「後進国」返上かと、私も驚いた。
・『「アフターピル後進国」の日本  アフターピルは、性交渉の後72時間以内に服用することで妊娠を高い確率で回避する。現在は原則として医師の処方箋なしには購入できない、いわゆる処方薬だ。一方、欧米やアジア諸国90カ国以上ではすでにOTC化されている。風邪薬や胃薬と同様、薬局に出向けば簡単に手に入るのだ。日本は完全に「アフターピル後進国」なのである。 ナビタスクリニックではOTC化の早期実現は難しいと判断し、2018年からオンライン診療・処方を続けてきた。緊急性や必要性を考え、性交渉から120時間後まで効果の得られる個人輸入薬も用意して、女性たちの切実なニーズに最大限応じてきたつもりだ。2019年には152件のオンライン受診者にアフターピルを処方、発送した。 今回の内閣府の発表を聞いて、ようやく肩の荷が下りたと思った。 だが、少し引っかかったのは、それに続く厚労相会見の報道だ。田村憲久厚労相は、閣議後の記者会見で、「これまでの議論を踏まえ、しっかり検討していく」「期限を区切ってとは考えていない」と発言した。 厚労相の言う「これまでの議論」が、オンライン診療をめぐる厚労省検討会でのやり取りを指すことは間違いない。多くの“有識者”が、アフターピルについてはOTC化どころかオンライン診療でさえ、全面解禁に難色を示してきた。 また、解禁の時期について、厚労相があえて見通しを示さなかったのも気になった。実は10月7日時点の報道では、政府方針として「2021年にも導入する」とあった。しかし8~9日の内閣府案報道では、その文言はなくなっていた。そればかりか、薬剤師の対面で服用する条件が付いたという。厚労省検討会を大幅に加味した最終調整が行われた、と見るのが普通だ。 なお、7月末に示された「第5次男女共同参画基本計画策定にあたっての基本的な考え方(素案)」の時点では、「緊急避妊薬」の文字はまだなかった。それからすれば、まさに急展開ではある。当初「来年にもOTC化へ」と聞いた際には、政権交代で利害関係などのしがらみが一気に片付いたのか、とも思った。実際には、そこまでは望めなかったようだが……。 以下、アフターピルをめぐるこれまでの議論を振り返り、根本的な問題を明らかにしていきたい』、興味深そうだ。
・『オンライン診療さえ難色示す“有識者”たち  当院では2018年からアフターピルのオンライン診療・処方を行っている。きっかけの1つは、2017年に厚労省検討会でOTC化が見送られたことだ。「時期尚早」というのがその理由だった。再び議論が盛り上がるには相当の年月がかかるだろう、それまで現行の仕組みの中でできる‟次善策”を、と踏み切ったのが、オンライン診療・処方だった。 以来、多くの女性たちから感謝の言葉をいただいてきた一方、世の中にはオンライン診療を歓迎する人ばかりではなかった。「対面診療は必須」という主張である。 「初診は原則として直接の対面診療による」とした1997年の厚生省(当時)通知が、その主張を後押ししてきた。2018年3月に示された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」でも、その“原則”は維持された。ただし、これら「通知」や「指針」に法的拘束力はない。 その後、指針の見直しに関する検討会は、一定条件の下にアフターピルを「オンライン診療の初診対面診療原則の例外」として認めると了承。しかし、その条件は「3週間後の産婦人科受診の約束を取り付ける」「薬局で薬剤師の前で内服する」といった、女性側の事情を考慮しないものだった。 実際、2019年7月の改訂でその2点が指針に明示された。繰り返すが、法的に意味はなく、この通りでなくても受診者に不利益が生じることは一切ない。 そんな中、アフターピルのOTC化と僅差で報じられたのが、初診からのオンライン診療を全面解禁する、という厚労省方針だ。新型コロナ対策としてこの4月から“特例”として時限的に認めていたのを、恒久化するという。 そうなれば、アフターピルを“例外”としてきた大前提がひっくり返る。あるいはOTC化が実現すれば、アフターピルに関してはオンライン診療・処方自体、その役割を終える。世界を見渡せばいずれも既定路線だが、果たしてどうなるか。検討会の動きを注視していきたい。 そもそもなぜ日本では、アフターピルの入手が困難な状態のまま、ある種“聖域”化されてきたのか。OTC化が決して早くはなかったアメリカでさえ、議論に決着がつき解禁されたのは2013年のこと。このままでは日本は10年以上の遅れを許しかねない。 2017年にOTC化が見送られた際の反対側意見が、議事録(厚生労働省、2017年7月26日第2回医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議)に残されている。 「この薬品が避妊の目的であることを悪用する」「簡単に避妊できることを根拠に、避妊具を使うことが減ったり、性感染症が増える」「例えば13歳や14歳でも買う可能性が出てくる時代になっていますから、そういうときにどうするか」「もしかすると、消費者の方は、(中略)常備薬的に自宅に置いておく可能性が出てくる」 同じくアフターピルの初診からのオンライン診療を「時期尚早」とする人々の意見も、検討会の議事録(厚生労働省、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会)から読み取れる。 「日本でこれだけ若い女性が性に関して知識がない状況で、(中略)責任が持てないと思う」「本当に簡単に若い女性が、ここでもらえるという感じでやられたら(=オンライン処方させたら)、これは非常に悪用になってしまうし、あるいは転売などという話も出てくるかもしれない」 ほかにも薬剤師など提供側の理由は挙げられているが、少なくとも利用者側については、心配しつつもその実、「知識が足りないし、信用できない」と言っているに等しい。対面診療を死守しなければ「若い女性の性が乱れる」とでも言わんばかりである』、「オンライン診療」への反対論は、実証的議論ではなく、年寄による単なる印象論だ。
・『科学的な議論でなく、ただのおせっかい?  だが、そうした懸念のほとんどは、ただのおせっかいにすぎない可能性がある。 さまざまな避妊方法が無償提供された場合でさえ、性感染症は増えず、複数の性的パートナー男性がいる女性の数もむしろ減少した、という2014年のアメリカの研究結果がある。14〜45歳女性9256人(6割が25歳未満)を対象とした2~3年にわたる調査で、開始1カ月の時点で複数の男性パートナーがいると答えた被験者は5.2%にとどまり、しかも1年後までには3.3%に減少していた。 米国疾病予防管理センター(CDC)の報告でも、アフターピルOTC化後の2015〜 2017年に実施された10代の性経験調査から、次のようなことが示されている。 ・2002年と比べ、未婚の10代男性の経験割合は17%減少した。 ・性経験の年齢別の増加割合に、男女差はほとんどなかった。 ・10代で初経験した15〜24歳女性78%と男性89%が、初経験時に避妊を行った。 ・10代女性の間で最も一般的な避妊法は、依然としてコンドームである。 確かにアメリカに比べれば、日本は性教育が大幅に遅れている。それでも、“有識者”の方々にはぜひ科学に基づいた議論をお願いしたい。 科学よりも老婆心(老爺心?)が先立ちそうなことは、オンライン診療指針に関する検討会の構成委員名簿を見れば察しが付く。掲載された12人中、女性はたった1人。年齢は40代が1人で、あとはオーバー50、うち3名はオーバー70だ。議事録も確認すると、アフターピルについて発言のあった参考人も、すべて60代男性である。 ふと、菅政権発足時にSNS上で拡散された写真を思い出した。菅首相(71歳)+自民党新四役(60代後半~80代男性)の写真と、フィンランドのマリン首相(34歳)+連立政権党首3人(30代女性)が並んだ写真だ。 この国では、老若男女すべてに関わる医療の問題を、年配の男性たち中心に集まって決めていく。令和日本の現実である』、「この国では、老若男女すべてに関わる医療の問題を、年配の男性たち中心に集まって決めていく。令和日本の現実である」、やはり異常な姿だ。
・『「女性の生き方」の問題であるはず  アフターピルの議論も、男性を中心に行われてきた。しかし本来、避妊やその方法は、社会全体の問題であると同時に、まずは「女性の生き方」の問題であるはずだ。自分の生きたい人生を生きる、その手段を選ぶ、という点において「女性の生きる権利」の一部とも言える。 かといって、女性だけで議論すべきものでもない。性に関わる問題は、当事者よりも、その外側にいる人々の無理解が生み出していることも多い。 特に今日、セクシュアリティの考え方も新たな局面を迎えている。これまでの社会は、身体的特徴にのみ基づく「男性か女性か」という単純な2分類による管理が許されてきた。しかし今や、「LGBT」という呼称でさえ古いという。実際にはもっとずっと多種多様なセクシュアリティーが存在し、それを前提とした議論が求められている。 性の問題を真に理解し、扱うことは容易ではない。さまざまな立場からの意見が飛び交う、真に開かれた議論の場が必要だ。医療や医療界も、認識の変化や体制の変革を求められるだろう。アフターピルのOTC化は、まだ最初の一歩だと思っている』、「本来、避妊やその方法は、社会全体の問題であると同時に、まずは「女性の生き方」の問題であるはずだ」、「さまざまな立場からの意見が飛び交う、真に開かれた議論の場が必要だ。医療や医療界も、認識の変化や体制の変革を求められるだろう。アフターピルのOTC化は、まだ最初の一歩だと思っている」、同感である。
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