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人工知能(AI)(その10)(AIに読解力があると思う人に知ってほしい現実 学生の新常識は「シンギュラリティ=黒歴史」だ、茂木健一郎の「人工知能は人間の仕事を奪うのか」に対する答え 脳科学者・茂木健一郎氏インタビュー、次なるAIのブレークスルーは言語分野で起きる 「GPT-3」が示すイノベーションの新潮流) [イノベーション]

人工知能(AI)については、8月1日に取上げた。今日は、(その10)(AIに読解力があると思う人に知ってほしい現実 学生の新常識は「シンギュラリティ=黒歴史」だ、茂木健一郎の「人工知能は人間の仕事を奪うのか」に対する答え 脳科学者・茂木健一郎氏インタビュー、次なるAIのブレークスルーは言語分野で起きる 「GPT-3」が示すイノベーションの新潮流)である。

先ずは、5月25日付け東洋経済オンラインが掲載した国立情報学研究所教授で 数学者の新井 紀子氏による「AIに読解力があると思う人に知ってほしい現実 学生の新常識は「シンギュラリティ=黒歴史」だ」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/370228
・『「AI(人工知能)が進化して人類を支配する」「AIが人の知能を超える『シンギュラリティ』が2030年に到来する」といった誤解に対して、警鐘を鳴らしてきた新井紀子氏。 2018年に刊行した著書『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』でも、AIの可能性と限界を明らかにしてきた。ただ、2018年当時、大学院生に対しても「AIの限界」を理解させることは困難だったという。一方、最近になって大学院生たちは「AIの限界」をすんなりと理解し始めた。学生たちにどのような変化があったのだろうか』、興味深そうだ。
・『シンギュラリティ神話が信じられていた2018年  私が所属している国立情報学研究所は研究機関である。一方で、総合研究大学院大学という大学院に特化した教育機関の一翼も担っている。不肖この私も一大学教員として教壇に立つことがある。といっても、今年はコロナ禍のせいですべての講義はオンラインだが。 この春受け持ったのは「メディア概論」。画像処理、音声処理、音声合成といった人工知能技術について、10人を超える研究者が自らの属する専門領域の理論や技術動向を紹介するオムニバス講義だった。 この講義は毎年開講され、人工知能技術を本格的に学び始める大学院生へのイントロダクションとして位置付けられている。私は、自らが率いた「ロボットは東大に入れるか(東ロボ)」と呼ばれる人工知能プロジェクトを紹介しつつ、深層学習(ディープラーニング)が代表する第三次AIブームを牽引した大規模データを用いた統計的手法の可能性とその限界について、例を引きながら解説することにしている。 2018年まで、学生に統計的手法の限界を理解させることは極めて困難だった。メディアやSNSにはシンギュラリティの言葉が躍っており、彼らがフォローするような「エヴァンジェリスト」や「フューチャリスト」、あるいは大学教員でさえ真面目に2030年のシンギュラリティ到来を熱っぽく議論していた。政府の白書ですらシンギュラリティに言及した。 学生たちがその言葉を信じ込まないほうがおかしい。AIがなぜ間違えざるをえないかを、どんなに理論的かつ具体例を挙げて解説しても、学生は「もっとデータがリッチになり、深層学習技術が進化すれば乗り越えられる課題だ」とコメントシートに書いて寄こした。) そうした傾向は、学部からすぐに大学院に入学した日本人学生にとどまらなかった。総合研究大学院大学の学生には、留学生や社会人学生も多い。シンギュラリティを信じる学生はどの層にも同じように分布している印象だった。 ところが、だ。今年、講義をしてみて驚いた。どれほどデータを集めても、AIが「笑っちゃうような誤り」を犯し続けることを、学生たちは当然のこととして受けとめた。講義の中で「シンギュラリティ」に言及したところ、画面の向こうから笑いが漏れた。私が力説しなくても、AI技術を学ぶ平均的な学生にとって、シンギュラリティブームは「過去のあだ花」、悪くすれば「黒歴史」に変わっていたのである。 たった1、2年の間に生じたこの差は、いったい何なのだろう。 2つのことが考えられるだろう。1つは、「人工知能搭載」がうたわれた商品やサービスが溢れ、身近な存在になったことだ。私にとって、2016年は東ロボがMARCH・関関同立の一部の学部に合格可能性80%以上を達成し、東大模試の数学で偏差値76.2を叩き出した年だ。と同時に、Google翻訳にニューラルネットワークが導入され、品質が格段に向上した年でもある。 2016年に大学に入学した学生たちは当然Google翻訳の恩恵を被って学生生活を送ったことだろう。その過程で、信じがたい誤訳を多数目撃したに違いない。 Googleフォトも多くの若者にとって欠かせないツールとなった。日々ありとあらゆるものをスマートフォンで撮る彼らにとって、画像の検索や自動分類はマストアイテムだ。AIに懐疑的な私でさえ、人の顔をほぼミスなく自動分類する機能には驚嘆した。「パリの写真」といえば、パリで撮った写真だけを集めてアルバムを作ってくれる(位置情報も使うのかもしれない)。 だが、「ラーメン」で検索すると、なぜかゆで卵の写真が表示されるし、思い出の「カフェ」の写真を探したくても、ヒットしない。結局のところ、手で分類する以外ないんだな、と私たちは悟らざるをえなかった。期待に胸弾ませて購入したAIスピーカーの「がっかり感」を通じて、AIと「自然な会話」を期待するほうがおかしいという認識が共有された。 いまや、YouTubeではスマートフォンに搭載されている互いのSiriを使って無意味な会話をさせるお笑い芸が流行っている。スマート〇〇と呼ばれるAI搭載家電を使いこなす若者であればあるほど、「いつかAIがマンガや小説を書くのではないか」という期待や怯えを抱かなくなった。否、そもそも、そういう関心の持ち方自体が「古く」なった』、「シンギュラリティブームは「過去のあだ花」、悪くすれば「黒歴史」に変わっていた」、これほど短い命だったとは驚きだ。「AIスピーカー」も確かに「がっかり感」満載だった。
・『AI技術が学部生にも身近な技術になった  それはある意味当然だろう。「電子レンジが自分で調理してくれる日」の到来を期待する主婦/主夫はいない。電子レンジが普及し、一般人がそれを使いこなせば使いこなすほど、そうなる。今の技術限界を前提として「どう使いこなすか」をハックすることこそが関心の的になる。 もう1つは、AI技術がGAFAのような巨大テック企業に占有されている秘儀ではなく、学部生にも手が届く技術として普及したことによる影響だろう。 とくに、Googleが公開した自然言語処理技術であるBERTが果たした役割は大きい。学部の頃からネット上で公開されているビッグデータを使ってプログラミング言語Pythonの演習を経験した学生にとって、もはや深層学習は「深く」もないし、ニューラルネットワークは「脳を模した」ものでもない。データを10万以上そろえないことには、まともに動かないタイプの、1つのアルゴリズムにすぎなくなった。) 学生たちの目下の悩みは、AI技術なるものを追い求めた先に、何らかの答えなり達成感はあるのか、ということである。世界中の研究者が、公開されているベンチマーク(同一課題に対する複数のAIシステムの性能評価、比較を行うためのデータセット)を使って、0.1%単位で精度を競い合っている。 何千人もがターゲットにしている有名なベンチマークで「勝つ」ことは、普通の学生や研究者には難しい。マイナーで手ごろなベンチマークを見つけて、成果を国際会議に通すべく準備する。何週間もラボに泊まり込んでようやく他のAIの性能を上回ったと思って論文を書き始める。だが、書き終わる頃にはすでに誰かに抜かれている。 しかも、機械学習以前のアルゴリズムと違って、数十万単位のデータで学習する最近の統計的機械学習は、精度が出ても出なくても、その理由がわからない。「この教師データ(AIを訓練するための正解付きデータ)が悪さをしている」ことを突き止めようとする研究も進んではいるが、完全ではない』、確かに「数十万単位のデータで学習する最近の統計的機械学習は、精度が出ても出なくても、その理由がわからない」、のは致命的欠陥だ。
・『「東ロボ」、英語大躍進の理由  東ロボもまったく同じ経験をした。2019年、東ロボ英語チームは、同年1月に実施されたセンター入試英語(筆記)において、200点満点中185点を獲得したことを発表した。過去のセンター入試でも安定して90%の正答率を出している。前年まで100~120点しか取れていなかったことを思うと大躍進である。 185点という点数を目にしてふと思い出した。2013年にセンター模試に初めて挑戦したときに、代ゼミから講評を受けたときのことだ。「センター英語で9割取れなければ東大は合格しないと思ってください」。 つまり、東ロボは2019年、ようやく東大入試の前提に立てたということかもしれない。けれども、残念ながら、東ロボは人間ではないので、センター英語で9割取れるようになったのだから、やがて「東大に入れる」という推論は無効だ。 一方で、英語を重視する私大文系学部の存在と、東ロボの英語、数学、世界史の実力を考え合わせると、早慶のどこかの学部には入れてもおかしくない、とは思った。 英語チームの躍進の主因は、BERTを凌ぐと言われるXLNetという自然言語処理技術だと解釈されることが多い。だが、そうまとめてしまっては、この現象の本質を掴み損ねる。BERTやXLNetは先行する深層学習に比べてモデルが複雑だ。まともに動かすためには、膨大な教師データが必要になる。 日本の入試問題や模試の問題は、多くても毎年百単位でしか増えていかない。だからこそ、これ以上複雑な深層学習のモデルを使っても、センター入試英語は攻略できないだろうと、私たちは2016年の段階で考えたのである。 しかし、その時の私たちは見落としていたことがあった。それは英語を第二言語として学ぶのは日本人だけではない、ということだ。世界中の国々のうち、英語を母語として育つ人以外の多くが英語を第二言語として学ぶ。 その中には人口13億を超す中国が含まれる。彼らは日本人以上に英語テスト漬けだった。カーネギーメロン大学の研究チームが中国の中高生向けの英語テスト問題、約10万点を集め、RACEという名前のデータセットとして公開した。 XLNetで学習させたところ、たちどころに150点台に点数が上がった。この結果は何を意味しているのだろう。 統計的アルゴリズムの観点から考えると、答えはシンプルだ。日本のセンター入試英語と中国で実施されている中高校生向けの英語テストが、機械の視点から見ると「とてもよく似ていた」のである(やってみなければわからないが、The New York TimesとかThe Timesの過去50年分の記事に出現する英語は、センター入試英語とは、だいぶ特徴が異なるだろう)。 さらに、英語チームが独自の学習をさせたところ、あっさりと185点をたたき出してしまった。 私は、自分でも2019年のセンター入試を解き、東ロボがどの問題に正答したのか確認した。最もショックを受けたのは、「不要文除去」と呼ばれる次のタイプの問題だった』、「「東ロボ」、英語大躍進」、大したものだ。
・『「東ロボ」、英語大躍進の理由  (2019年解答番号27) 【筆者訳】 「アメリカ合衆国を飛行機で横断する際、コンクリートで作られた巨大な矢印が地上にあるのを目にすることがあるかもしれない。今日では、これらの矢印は単に好奇心をそそるにすぎないが、かつては、アメリカの片側からもう片側に飛ぶパイロットにとっては不可欠なものだった。①この矢印が大変役に立ったため、大西洋上にも浮く矢印を設置してはどうかと提案する人さえいたほどだ。②パイロットたちはニューヨーク - サンフランシスコ間のフライトで矢印を目印として使った。③16キロごとにパイロットたちは鮮やかな黄色に塗られた21メートル長の矢印を通過することになる。④中央の回転灯と両端のライトのおかげで、矢印は夜間でもよく見えた。1940年代に矢印に替わるナビゲーション方式が導入され、矢印は今日では基本的には使われていない。ただし、モンタナ州の山沿いの地方を飛行するパイロットは、いまだにそれらのいくつかに頼っている。」 ③と④は必要だ。取り除くとしたら①か②。私は迷った。①は文脈からすると唐突だ。普通に考えれば①を除去すべきだろう。だが、②も怪しい。なぜなら「アメリカの片側からもう片側に飛ぶパイロットにとっては不可欠」という前文と重複するからだ。 同じような二文を重ねるのは、やぼったい。母校のイリノイ大学で受けた英文添削指導コースならば、きっとそう指摘されただろう。前文を「かつては、ニューヨーク - サンフランシスコ間のように、アメリカの片側からもう片側に飛ぶパイロットにとっては不可欠なものだった」と書くように、と。あれこれ悩んだ挙句②を選んだ。 だが、正解は①だった。東ロボはこの問題に正解した。なぜだ、なぜ正解がわかったんだ。あたかも「(意味を理解して)読解した」ようではないか。東ロボは過去5年分のセンター入試の不要文除去問題を100%正答した。 こういう素敵な手品には必ずタネがある。 英語チームにタネを明かしてもらって感心した。方法はこうだ。RACEから提供されている複数段落で構成される問題文を選び、ある段落の任意の箇所に、次の段落から選んだ任意の文を挿入する。そして、挿入された文を「文脈から外れた不要文だ」と学習させたのである。 同じ著者の手による、同じ文章の次の段落から余計な文を選んでくるのがミソだ。そうすれば、異なる著者の文の癖を誤って学習することがない。同じテーマなのに、ちょっとずれていることを巧く学習させられる。しかも、前段落の任意の場所に、後段落の任意の文を挿入することにより、教師データを爆発的に増やすことができる。 つまり、「①は唐突だな」という第一印象を信じればよかったのだ。同じような文を続けて二回書くのはやぼったい、などと余計なことを考えたのがいけなかった。XLNetが示したセンター英語の不要文除去の攻略法はシンプルだ。英文の巧拙は考えるな。少しでも唐突感のある文を選べ。 とにかく「東ロボ」はセンター英語で9割以上の正答率を安定して出せるようになった。ただ、あまりに突然100%近く正答するようになったため、いったい何が奏功したのか、よくわからなかった。センター入試英語がどのように作られているかは部外者には知る由もないが、先ほどの問題の出典元がどこかにあるのなら、同じ出典元から作られた別の問題がRACEに混じっていた可能性すら残る』、「ある段落の任意の箇所に、次の段落から選んだ任意の文を挿入する。そして、挿入された文を「文脈から外れた不要文だ」と学習させた」、とは巧みに工夫したものだ。
・『AIは意味を理解できない  こうして私たちの目の前には事実だけが残った。RACEとXLNetを使ったところ、いわゆる「長文読解」と呼ばれる問題群の正答率が一気に向上した。次の段落から一文取り出して、前の段落に挿入した文を不要文だ、と学習させたら、センター入試の過去の不要文除去問題は100%解けた。にもかかわらず、人間にとってより易しく見える会話文完成の精度はさほど上がらなかった。以上だ。なぜなのか、正直、わからない。 唯一言えることは、現在の技術の延長線上では、国語で同程度の結果に達することは想像できないということだろう。国語にとってRACEに替わるものは存在しないし、今後も存在しえないからだ。「日本語を母語として学ぶ人口」は、英語を第二言語として学ぶ人口の十分の一どころか、二十分の一未満だろう。しかも、その数は年々減っている。センター国語を作問するのと同様の真剣さと専門性で、類題を10万問作れる研究チームは世界中を探してもどこにも存在しない。 それ以前に、そもそもそんなデータセットを作るモチベーションを誰も持ちようもない。(なにしろ、その「国語」のテストには、現代中国語とは似て非なる「漢文」がなぜか含まれていて、その配点が全体の1/4を占めているのである! 東ロボの英語大躍進のタネ明かしを聞いた読者の多くは、「そんなものは読解ではない。単に一番可能性が高い選択肢を選ぶAIを作ったにすぎない」と不満に思ったことだろう。同感だ。 私は『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』から一貫して、否、東ロボプロジェクトをスタートしたときから、AIには意味がわからない、ただ、一番正しそうな選択肢を統計的に選ぶだけだと伝えてきた。だが、BERTやXLNetなど新手法が出るたびに、「今度こそAIは読解力を身に付けた」と主張する人が後を絶たなかった。 けれども、その喧噪もそろそろ終わることだろう。なにしろ、うちの大学院生が「AIが意味を理解しないのは当然のことだ」と言うようになったのだから』、「東ロボの英語大躍進のタネ明かしを聞いた読者の多くは、「そんなものは読解ではない。単に一番可能性が高い選択肢を選ぶAIを作ったにすぎない」と不満に思ったことだろう。同感だ。「なにしろ、うちの大学院生が「AIが意味を理解しないのは当然のことだ」と言うようになったのだから」、新井氏の自説が通るようになってきたようだ。

次に、7月28日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーの茂木健一郎氏による「茂木健一郎の「人工知能は人間の仕事を奪うのか」に対する答え 脳科学者・茂木健一郎氏インタビュー」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/244039
・『なぜ私たちには意識があるのか?この問いについて、「クオリア」というワードを鍵に挑んできた脳科学者・茂木健一郎氏が、16年ぶりに「意識」「クオリア」とがっぷり四つに組んだ新著『クオリアと人工意識』(講談社現代新書)を出版した。なぜ今、長年の沈黙を破ったのか?茂木氏の真意に迫った(Qは聞き手の質問、Aは茂木氏の回答)』、「茂木氏」の久しぶりの出版とは興味深そうだ。
・『藤井聡太棋聖はAIと人間の共存のモデルケース  Q:新著、興味深く読みました。「意識」や「クオリア」そのものに真っ向から取り組んだ著作はここ16年間、ありませんでした。なぜ、いま筆を執ったのでしょうか。 A:一番大きな要因は、ここ数年の人工知能(AI)ブームです。僕自身かつて、数理物理学者ロジャー・ペンローズの本を読んで人工知能に興味を持ち、そこから脳科学の研究に入っていったんです。人工知能がきっかけだったんですね。 ここ十数年の間でも人工知能は相当、進展していて、「私たちの生活を根底から覆すかもしれない」「人間の仕事を人工知能が奪っていく」と言われている。僕は、人間と人工知能はうまく共存すべきだと思っていて、その道筋に、ある意味で“補助線”を引くつもりでこの本を書きました。 Q:その文脈でいうと、日本のビジネスシーンでもレイ・カーツワイルによって知られるようになった「シンギュラリティ(技術的特異点)」が話題になっています。「人工知能が人類の知能を超える」としばしば言われます。 ある部分で、それはそうだと思います。でも、人工知能に置き換えることのできる仕事とできない仕事が実際にはあるというか、現在の人工知能にも得意不得意があるんです。 人間の「知能」といっても、それが何なのか中立で正確な定義があるわけではない。「人工知能に」ではなく「人間に」こそ任せるべき仕事がある。その意味で大事なのが、人工知能との「共存」です。 僕は、史上最年少で将棋タイトルを獲得した藤井聡太棋聖は、共存のモデルケースだと思っています。彼は、人工知能を搭載した将棋ソフトで指し手の研究をしていますが、AIが導き出す“定跡”をも、ある意味で覆すのが藤井さんなんですね。 Q:藤井さんの師匠・杉本昌隆八段は、当初、AIの使用に待ったをかけたそうです。将棋ソフトに手軽に「答え」を求めるのではなく、思考力を研ぎ澄ませてほしかったと。藤井さんが小学生のときです。 A:彼は現在の人工知能のネイティブです。将棋の定跡の研究ももちろんするけれど、ゼロから考えて最善の手を導き出す鍛錬も徹底的にしている。 例えば、人工知能はコンセプトワークが不得意なんです。全体を統合するような発想が苦手で、それはAIの翻訳ソフトなんかを使っていても感じます。「GPT-3」という文章を自動生成するシステムがあって、それを動かしていると文章が何かおかしくなっていくんです。意味も通っていて、文法的にも正しい。でも、意図というか意味の焦点がぼやけてきて、「どこにもたどり着かない」という印象になっていく。 Q:それは、一つの人格的なものに言葉が統合されないからでしょうか。 A:人間って話したり物を書いたりするときに、方向性の設定や微妙な調整を行ったり、一言の「含意」の深さを捉えたりしているんです。そういったコンセプトに沿う・沿わせる思考は、人工知能が普通という時代になっても人間の付加価値であり続けると思います』、「人工知能はコンセプトワークが不得意なんです。全体を統合するような発想が苦手」、なるほど。
・『意識やクオリア、直感についていま語るべき理由  Q:あらゆる要素をパッケージにして、このコンセプトで「行く」ということが、まだ人工知能にはできないのですね。 そこに関わっているのが「意識」なんです。ペンローズがいうように、全体を統合して見るものが意識です。ですが、今の人工知能に意識があると考える人はまずいないでしょう。 もしも人間が、自分たちの似姿として人工知能をつくろうとするのなら、意識の問題は避けて通れません。現在の研究はその「意識」には手が出せないでいるんですね。ですので、新刊のタイトルは「人工知能」ではなく「人工意識」にしました。人工知能の可能性をきちんと引き受けつつ、ある意味で人工知能の限界を示すためにそうしました。 Q:茂木さんがライフワークのキーワードにしている「クオリア」もそこに関係してきますね。意識はクオリアに支えられています。 A:わたしたちが赤い色を見るときのあの「赤らしさ」、水にふれたときに腕を伝う流れの感触、冷たさ、バイオリンの音色、バラの香りなどの“質感”がクオリアです。 そのクオリアがどう生成されているのかがまだよく分かっていない。私が持つこの「私」という感じも、どうやって生じているのかが分からない。しかし人工知能の研究はこの問題に向き合う必要があります。 人工知能を人類にとってよりメリットのあるものにする上で、この問いに答えることは必須ですし、そもそも人工知能について考えることは、「知性とは何か」「意識とは何か」「私とは何か」「人間とは何か」といった問いを深めることにもつながります。人工知能がわれわれを映す“鏡”になるんです。 Q:ですが、人工知能がそこまで発展したときに、やはり私たちの生活や労働環境が変わって、仕事がなくなるのでは?と不安を抱く人もいます。 A:計算プロセスに落とせるものは人工知能にとって代替可能だと思います。ですが、計算プロセスに落とせないものもたくさんあります。それこそ仕事の現場から企業合併の判断まで、総合的な判断をしなければならない局面というものは多々あります。定型業務は人工知能が担えても、総合的で高度な判断は人間が担い続けるでしょう。人間の役目がなくなることはない。 先の藤井聡太さんの話でいえば、注目の指し手(棋聖戦第2局、後手3一銀)は、最強将棋ソフトが4億手を読んでも出なかったアウトプットです。6億手に拡大して、やっと候補の1つとして出た。藤井さんは当然、6億手を見渡した上で結論としてその手を指したわけではありません。そこには直感が働いています。その直感は、ある種「総合的」なものなんです』、「藤井聡太さん」の「注目の指し手」は、「最強将棋ソフトが4億手を読んでも出なかったアウトプットです。6億手に拡大して、やっと候補の1つとして出た」、それを「直観」でやる能力はさすがだ。
・『人工知能時代の学びの「あるべき形」とは  Q:人工知能がより浸透していくことで、仕事以外のさまざまな生活面にも影響が出そうです。 A:特に教育は、変わらないといけないと思います。教育改革は待ったなしです。かつて、産業革命によって機械が普及したときに、失業を恐れた人たちが機械や工場を破壊するラッダイト運動というものがありました。そのとき、一方で教育も大きく変わったんです。 Q:いわゆる「マニュアルを理解して働ける人を育てる」教育への変化ですね。 A:クイズ番組などに見られる「いかに早く正解を言うか」みたいな、正解を出すことを重視するやり方を変える必要がある。 2009~12年に、僕は「全国高等学校クイズ選手権」のメインパーソナリティーを務めました。出場者の中には、早押しクイズの練習をして当日に臨む人もいます。優勝候補になるチームは大抵、練習している。 その練習で大事なのが、実は「問いを作る能力」なんです。早押しクイズの練習って、そもそも大量の問題を用意しないとできないじゃないですか。だから自分たちで問題をつくる。しかもその問題は、マニアックすぎてもいけないし簡単すぎてもいけない。面白いと思われる問題をつくらなければならない。現在の人工知能は、そうした面白い問題はつくれないと思います。 Q:総合的な「面白さ」は人工知能に判断できないと。 A:人工知能時代に大事なのは、問いを設定する能力。正解を出すことよりも、です。これは聞いた話ですが、例えばアメリカの話でいうと、ある学校では「ヒップホップ調でラブレターを書きなさい」といった宿題が出たりするそうです。で、翌週には「そのラブレターへの返事をシェイクスピア風の格調高い文で書きなさい」と続く。そんな課題が中学生レベルで出されるんですね。 Q:中学生でシェイクスピアですか。日本の中学生だったら、まず読んでいないかもしれません。 A:これは僕の主観ですが、アメリカと日本のビジネスパーソンを比較して思いますけど、教養の差が圧倒的です。「シェイクスピア風で」というお題が中学で成立するくらい、向こうの人たちはさまざまなことを学んでいます。しかも「ヒップホップ調でラブレター」という課題に正解はない。宿題をやる子どもたちは、こうかな?こうかな?と仮説を立て、問いを立て、いろいろ試すんです。その過程で問いの設定力が増す。 社会が複雑化していけばいくほど正解が見当たらないことって増えていきますから、一朝一夕でできないことは承知の上で、教育を変えるべきだと折々に言っています。ビジネスの研修だって同じです。 Q:人の育み方から変えていく必要性、ですね。 A:いまアートがビジネスでも注目されていますが、アートはクオリアや意識への問いに近接していて影響がある。グローバルエリートはそういったものへの知見、人間というものへの洞察の大切さを知っているので美術館に行くんです。 しかも現代アートはコンセプト重視です。コンセプトを編み上げたものとして作品が生まれる。コンセプトワークでもある。そういったものに触れるという視点は、人工知能時代の人間の強みを生かす上で大事だと思いますね』、「人工知能時代に大事なのは、問いを設定する能力。正解を出すことよりも、です」、その通りだろう。「「シェイクスピア風で」というお題が中学で成立するくらい、向こうの人たちはさまざまなことを学んでいます」、日本の程度の低さにを改めて痛感させられる。「現代アートはコンセプト重視です・・・コンセプトワークでもある。そういったものに触れるという視点は、人工知能時代の人間の強みを生かす上で大事だと思いますね」、同感である。

第三に、11月19日付けダイヤモンド・ハーヴァード・ビジネス・レビュー「次なるAIのブレークスルーは言語分野で起きる 「GPT-3」が示すイノベーションの新潮流」を紹介しよう。
https://www.dhbr.net/articles/-/7225
・『デジタル技術導入がまずます加速する中、早期に対応した企業とそうでない企業の成長スピードには大きな違いが生じている。クラウドシステムを前提にした画期的なテクノロジーを取り入れ、現場で活用することができなければ、今後のイノベーションは望めない。なかでも注目すべきは、自然言語処理の領域における飛躍的な進歩だ。本稿では、オープンAIが開発した文章生成AI「GPT-3」を取り上げながら、これらの新技術がテクノロジー企業に限らず、人間の生産性と独創性を補強し、全社的なイノベーションをもたらす可能性について論じる。 ほとんどの企業が気づいているように、ライバルに対して競争力を持つためには、デジタル技術を果敢に導入することがますます不可欠になってきている。 我々の調査によると、デジタル技術を最も早い時期に導入した10%のアーリーアダプター企業は、最も遅く導入した25%の企業と比べた場合、2倍のペースで成長を遂げている。 また、それらの企業はデジタル技術の導入を推進するに当たり、レガシーシステムではなく、クラウドシステムを用いている場合が多いことも明らかになった。 それぞれの業界の先駆的な企業においては、向こう5年間でこの傾向がいっそう加速すると、我々は予測している。それとは対照的に、凡庸な企業や動きの遅い企業の多くは、今後どのくらいクラウドシステムのリソースが必要になるかをまったくと言ってよいほど理解していない。 最先端の自然言語処理(NLP)ツール「GPT-3」のような画期的なテクノロジーが生み出す次世代のインテリジェントアプリケーションの活用、推進、学習を行うためには、大々的にクラウドシステムに投資することが不可欠だ』、「デジタル技術を最も早い時期に導入した10%のアーリーアダプター企業は、最も遅く導入した25%の企業と比べた場合、2倍のペースで成長を遂げている」、日本には残念ながら「アーリーアダプター企業」はなさそうだ。
・『次なるAIの飛躍的前進は言語領域で  2010年代には、ウェブ上での高精度の画像検索や、医療関連の画像分析や製造・組み立て現場での欠陥品検出のためのコンピュータビジョンなど、視覚関連のテクノロジーが目覚ましい進歩を見せた。この点は、我々の著書で詳しく論じてきた通りだ。 そして、オープンAIが開発したGPT-3を見る限り、2020年代には言語関連の課題処理で飛躍的な進歩が起きそうに見える。 過去の言語処理モデルは、構文解析ルールの手動入力によるコーディングと、統計の手法を土台にしている。この10年ほどは次第に、人工ニューラルネットワークの活用も進んでいた。人工ニューラルネットワークは生データから学習することができ、日常的なデータラベリングと特徴量エンジニアリングの作業負担が既存の手法よりはるかに少なくて済む。 GPT(事前学習済み生成システム)は、このさらに上を行く。これはトランスフォーマー、すなわちテキスト内の言葉と言葉の文脈上の関係を学習するアテンション機構を用いるものだ。 GPT-3の非公開ベータ版へのアクセスを認められた研究者たちは、ショートストーリー、楽曲、プレスリリース、技術マニュアル、特定の作家の文体に準拠した文章、ギターの譜面、さらにはコンピュータのコードまで生み出すことができた。 GPT-3は、完璧なテクノロジーとはとうてい言えない。欠点はきわめて多い。たとえば、意味不明な反応やバイアスに毒された反応を生み出したり、些細な質問に不正確な回答をしたり、もっともらしいけれど誤ったコンテンツを生み出したりする。 オープンAIの上層部も、GPT-3への過剰な期待に釘を刺している。要するに、不十分な点がまだ非常に多い。それでも、大きな流れはもう変わらない。AIの新しいステージは、すぐそこまで来ているのだ。 GPT-3は、いま登場しつつある高度なトランスフォーマーの中の一つにすぎない。マイクロソフト、グーグル、アリババ、フェイスブックといった企業はすべて、独自のトランスフォーマーの開発に取り組んでいる。 これらのツールはクラウド上で学習を行い、クラウド上のアプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を介してしか利用できない。次世代AIの能力を活用したい企業は、レガシーシステムではなく、GPT-3のようなクラウドのAIサービスにリソースを投入するように転換していくだろう』、「GPT(事前学習済み生成システム)は、このさらに上を行く。これはトランスフォーマー、すなわちテキスト内の言葉と言葉の文脈上の関係を学習するアテンション機構を用いるもの」、GPT(事前学習済み生成システム)は、このさらに上を行く。これはトランスフォーマー、すなわちテキスト内の言葉と言葉の文脈上の関係を学習するアテンション機構を用いるもの。
・『次世代アプリにより全社でのイノベーションが可能に  このようなクラウド上のAIサービスは、新しいタイプのエンタープライズアプリの開発に道を開くだろう。 それは、既存のアプリよりも「生成的」、つまり創造性が高いものだ。そのようなアプリにより、これまでより安価に、言葉や意図、情報をつくり出せるようになる。その結果、多くの企業活動の効率性が高まり、アーリーアダプター企業に匹敵するイノベーションと成長が加速する。 私たちが50以上のビジネス関連のGPT-3の概念実証(デモンストレーション)を分析したところ、未来の最先端のビジネスアプリは、少なくとも3つの創造的活動のカテゴリーに分類でき、すべてが言語理解に関係する。文章作成、コーディング、そして個々の分野固有の推論である。 いくつかの簡単な手掛かりに基づいて、場合によってはたった1つのセンテンスに基づいて、意味を成す文章を生成するGPT-3の能力は、時に薄気味悪く感じられることすらある。 たとえば、GPT-3の非公開ベータ版を試用した人物の一人は、それを使って、ビットコインに関する説得力あるブログを執筆した。我々が分析したデモンストレーションの中には、新しいポッドキャストをつくったり、メールや広告キャンペーンを作成したり、取締役会の運営方法を提案したり、既存の言語システムではうまく対応できないような問いに対して知的な返答をできたりするアプリも含まれていた。 GPT-3は、人間から与えられた手掛かりに基づいて、コーディングも行える。コンピュータやシステムへの指示を記述できるのだ。 それだけにとどまらず、自然言語をプログラミング言語に転換することもできる。具体的には、コンピュータに実行させたいこと(たとえば、社内向けのウェブサイトや顧客向けのウェブサイトを作成する)を、英語やスペイン語、ドイツ語といった自然言語で描写すると、AIがそのためのプログラムを書いてくれるのだ。 また、GPT-3は、特定の科学や技術の分野におけるコンテンツ、手順、知識について考えることができるので、ほかにも極めて有益な用途がありそうだ。たとえば、化学に関する問いにも答えられる。あるデモンストレーションでは、6つの燃焼反応のうちの5つを正確に言い当てた。 別のデモンストレーションでは、言葉による描写に基づいてグラフを自動生成することに成功している。これが実用化されれば、プレゼンの準備をする際などに、面倒な作業をかなり減らすことができる。ベータ版を使って、会計の専門知識を持たない人が財務諸表を作成するのを助けるボットをつくった人物もいる。 別の人物がつくったアプリは、意図的に難易度を高くした医学上の問いに正しく回答し、根底にある生物学的メカニズムを論じることができる。 具体的には、そのアプリに10歳の男の子の呼吸器に関する症状を示し、その子どもが閉塞性呼吸器疾患と診断されて、投薬治療を受けたという情報を与えた。そのうえで、「治療に使われた薬品はどの受容体に作用する可能性が高いと思うか」という問いに答えさせた。 すると、プログラムはこの問いに対して正しい回答を導き出し、その子どもが喘息を患っていて、一般的にはその受容体に作用する気管支拡張薬で治療されることを指摘できた。 このように、文章作成、コーディング、サイエンスの領域にまたがって一般的推論を行う能力があることを考えると、このテクノロジーはジャンルを超えて、マネジメント、データサイエンス、物理学、生命科学など幅広い領域で活用できる可能性がある。 加えて、GPT-3とクラウドを組み合わせることにより、デジタルイノベーションを非技術系の業務に広げていくうえでの障害を縮小できるだろう。このテクノロジーのおかげで、非技術系の人たちもプログラミング言語ではなく自然言語を使って、顧客向けのアプリとソリューションを構築することが可能になるのだ』、「GPT-3は、人間から与えられた手掛かりに基づいて、コーディングも行える。コンピュータやシステムへの指示を記述できるのだ。 それだけにとどまらず、自然言語をプログラミング言語に転換することもできる。具体的には、コンピュータに実行させたいこと(たとえば、社内向けのウェブサイトや顧客向けのウェブサイトを作成する)を、英語やスペイン語、ドイツ語といった自然言語で描写すると、AIがそのためのプログラムを書いてくれるのだ」、「GPT-3は、特定の科学や技術の分野におけるコンテンツ、手順、知識について考えることができるので、ほかにも極めて有益な用途がありそう」、これではプログラマーは不要になりそうだが、日本語がネックだろう。
・『仕事のあり方が変わり、生産性が高まる  このような変化が訪れることを前提にすれば、企業は自社のIT関連の資源を見直すだけでなく、人的資源についても再検討する必要がある。 その出発点として、自社の社員が処理している業務を洗い出し、その中でAIによる増強が可能なものを明らかにして、技術系と非技術系の社員の両方がこれまでより迅速にイノベーションを実行できるようにすればよいだろう。 筆者らは、職業情報ネットワーク(O*NET)を用い、米国政府による職種分類に従って、16分野にわたる73の職種について分析した。すると、すべての分野がGPT-3による影響を受けることがわかった。 さらに掘り下げて検討すると、その職種を構成する業務のうち、少なくとも1つがGPT-3により増強もしくは補完される職は51に上った。複数の業務がGPT-3により補完される職種も30あった。 このテクノロジーが実用化されれば、自動化できる業務も出てくるだろう。しかし、筆者らの分析によれば、人間の生産性と独創性を増強することにこそ、より大きな可能性がある。 たとえば、企業のコミュニケーション担当者の場合であれば、これまで日常的に行ってきた文章作成業務の半分以上が自動化されるだろう。その一方で、広告コピーやソーシャルメディアへの投稿など、より重要性の高いコミュニケーションについては、GPT-3の力を借りることで、担当者の創造性をより高めることができる。 また、企業のサイエンティストは、開発途中の新製品に関して、GPT-3を利用してグラフを自動生成することで、社内での説明の手間が省けるだろう。一方、GPT-3を利用して、科学論文から必要な内容を抽出させることにより、基礎研究と実験を支援することも可能になるかもしれない。 このように、専門分野や業種の壁を越えてこのテクノロジーを応用する道は、社員の想像力次第でどこまでも広がっていくのだ』、「仕事のあり方が変わり、生産性が高まる」ので、欧米企業と日本企業の生産性格差は致命的に拡大する恐れがある。
・『乗り遅れないために  いますぐ、準備を始めなくてはならない。次世代のエンタープライズアプリは、もはやレガシーシステムでは動かない。企業はこれまでよりも積極的に、クラウドへの移行を推し進めなくてはならなくなる。しばらく様子を見ようという姿勢では、好ましい結果を得られない。 2020年10月1日、オープンAIは「サービスとしてのGPT」を開始し、ベータ版ユーザーにAPIを提供し始めた。先駆的な企業は数カ月以内にGPT-3を採用し、修正を加えて、それがどのような用途で最もうまく機能し、どのような用途ではまったく役に立たないかを学んでいくだろう。 そのような企業は、社内の業務のあり方を見直し、AIを取り巻くプライバシー、セキュリティ、社会的責任の問題に対処するうえで、ほかに企業に先んじて一歩を踏み出せる。 これらの企業は向こう2年間に、ありとあらゆる種類のアプリを制作し、イノベーションのチャンスをつかむだろう。その時、後れを取った企業はますます取り残されることになる。 謝辞:本稿の執筆に当たっては、アクセンチュア・リサーチのリサーチチーム、特にティイス・デブラエレ、スルヤ・ムカジー、プラシャント・シュークラの力を借りた。HBR.org原文:The Next Big Breakthrough in AI Will Be Around Language, September 23, 2020.』、こんな画期的な「オープンAI」が出来つつあるとすれば、日本企業には脅威だ。この点を指摘する日本人はまだいないようだが、懸念材料として注目してみていきたい。
タグ:茂木健一郎 人工知能 東洋経済オンライン ダイヤモンド・オンライン 新井 紀子 (AI) (その10)(AIに読解力があると思う人に知ってほしい現実 学生の新常識は「シンギュラリティ=黒歴史」だ、茂木健一郎の「人工知能は人間の仕事を奪うのか」に対する答え 脳科学者・茂木健一郎氏インタビュー、次なるAIのブレークスルーは言語分野で起きる 「GPT-3」が示すイノベーションの新潮流) 「AIに読解力があると思う人に知ってほしい現実 学生の新常識は「シンギュラリティ=黒歴史」だ」 AI(人工知能)が進化して人類を支配する 「AIが人の知能を超える『シンギュラリティ』が2030年に到来する」といった誤解 シンギュラリティ神話が信じられていた2018年 シンギュラリティブームは「過去のあだ花」、悪くすれば「黒歴史」に変わっていた AI技術が学部生にも身近な技術になった 数十万単位のデータで学習する最近の統計的機械学習は、精度が出ても出なくても、その理由がわからない」、のは致命的欠陥 「東ロボ」、英語大躍進の理由 ある段落の任意の箇所に、次の段落から選んだ任意の文を挿入する。そして、挿入された文を「文脈から外れた不要文だ」と学習させた」、とは巧みに工夫したものだ AIは意味を理解できない 東ロボの英語大躍進のタネ明かしを聞いた読者の多くは、「そんなものは読解ではない。単に一番可能性が高い選択肢を選ぶAIを作ったにすぎない」と不満に思ったことだろう。同感だ。「なにしろ、うちの大学院生が「AIが意味を理解しないのは当然のことだ」と言うようになったのだから 茂木健一郎の「人工知能は人間の仕事を奪うのか」に対する答え 脳科学者・茂木健一郎氏インタビュー 『クオリアと人工意識』(講談社現代新書) 藤井聡太棋聖はAIと人間の共存のモデルケース 人工知能はコンセプトワークが不得意なんです。全体を統合するような発想が苦手 意識やクオリア、直感についていま語るべき理由 藤井聡太さん」の「注目の指し手」は、「最強将棋ソフトが4億手を読んでも出なかったアウトプットです。6億手に拡大して、やっと候補の1つとして出た それを「直観」でやる能力はさすがだ 人工知能時代の学びの「あるべき形」とは 「シェイクスピア風で」というお題が中学で成立するくらい、向こうの人たちはさまざまなことを学んでいます 現代アートはコンセプト重視です ンセプトワークでもある。そういったものに触れるという視点は、人工知能時代の人間の強みを生かす上で大事だと思いますね ダイヤモンド・ハーヴァード・ビジネス・レビュー 「次なるAIのブレークスルーは言語分野で起きる 「GPT-3」が示すイノベーションの新潮流」 次なるAIの飛躍的前進は言語領域で GPT(事前学習済み生成システム)は、このさらに上を行く。これはトランスフォーマー、すなわちテキスト内の言葉と言葉の文脈上の関係を学習するアテンション機構を用いるもの 次世代アプリにより全社でのイノベーションが可能に GPT-3は、人間から与えられた手掛かりに基づいて、コーディングも行える。コンピュータやシステムへの指示を記述できるのだ。 それだけにとどまらず、自然言語をプログラミング言語に転換することもできる。具体的には、コンピュータに実行させたいこと(たとえば、社内向けのウェブサイトや顧客向けのウェブサイトを作成する)を、英語やスペイン語、ドイツ語といった自然言語で描写すると、AIがそのためのプログラムを書いてくれるのだ GPT-3は、特定の科学や技術の分野におけるコンテンツ、手順、知識について考えることができるので、ほかにも極めて有益な用途がありそう 仕事のあり方が変わり、生産性が高まる 仕事のあり方が変わり、生産性が高まる」ので、欧米企業と日本企業の生産性格差は致命的に拡大する恐れがある 乗り遅れないために こんな画期的な「オープンAI」が出来つつあるとすれば、日本企業には脅威だ。この点を指摘する日本人はまだいないようだが、懸念材料として注目してみていきたい
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