SSブログ

日本の構造問題(その18)(日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける この国の将来を決める「新monopsony論」とは、日本人に蔓延する「失敗したくない」という病 コロナ禍で浮き彫りになった特有の症状とは、日本人が即刻捨てるべき「経済大国」という幻想 確実に「小国」になる未来がやってくる) [経済政治動向]

日本の構造問題については、9月7日に取上げた。今日は、(その18)(日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける この国の将来を決める「新monopsony論」とは、日本人に蔓延する「失敗したくない」という病 コロナ禍で浮き彫りになった特有の症状とは、日本人が即刻捨てるべき「経済大国」という幻想 確実に「小国」になる未来がやってくる)である。

先ずは、6月11日付け東洋経済オンラインが掲載した元外資系投資銀行のアナリストで小西美術工藝 社社長のデービッド・アトキンソン氏による「日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける この国の将来を決める「新monopsony論」とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/355042
・『オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。 退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。 今回は、日本ではほとんど知られていないが日本経済を語るうえで欠かせない、「monopsony(モノプソニ―)」という考え方を解説してもらう』、現在は菅政権のブレーンの1人として、政府の成長戦略会議の議員も務めている。「モノプソニ―」とはどういうことなのだろう。
・『「モノプソニ―」を知らずに日本経済は語れない  「monopsony(モノプソニー)」という言葉を検索しても、日本語の検索エンジンではあまり多くヒットしません。この言葉は一部の研究者以外、日本ではあまり知られていないのだろうと推察しています。 しかし、実はこの「モノプソニー」は、日本の産業構造の問題と賃金の議論にあたって、最も重要な経済原則です。この言葉が一般的に知られていないことは、大きな問題だと感じています。 もともとモノプソニーという言葉は、「売り手独占」を意味するモノポリーの対義語で、「買い手独占」という意味で使われていました。 現在では、「労働市場において企業の交渉力が強く、労働者の交渉力が弱いため、企業が労働力を安く買い叩ける状態」を説明するために使われることが多くなっています。特に、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス教授のアラン・マニングが2003年に発表した『Monopsony in Motion』という有名な本で、広く知られるようになりました。 日本で最低賃金の重要性がわからない人が多いのは、「モノプソニー」を知らず、従来の新古典派経済学の理論に固執してるからだと思います。 新古典派の経済理論は、労働市場は完全競争であると仮定しています。「完全競争」にはさまざまな意味があるのですが、たとえばあらゆる情報が労使双方に共有されていて、労働者は少しでも条件がいい雇用先があれば、即座にコストゼロで転職できるような状況を指します。 このような状況では、各企業の賃金は完全に横並びとなります。要は、企業と労働者は「完全に対等」だと考えられていたのです。 この仮定のもとでは、賃金は需給によって決まるので、最低賃金を引き上げるとその分だけ雇用が減ります。日本で「最低賃金を引き上げると、失業者が増える」と広く信じられているのは、どこかでこの理論を聞きかじった人が多いからでしょう。 しかし、この理論をそのまま現実に当てはめられないのは明らかです。労働市場で完全競争が成立しているならば、私が社長を務めている小西美術工藝社で、全社員の給料を1円でも下げるとただちに全員が辞めて、他社に転職してしまうはずです。しかし、そんなことは起こるはずありません』、「新古典派の経済理論は、労働市場は完全競争であると仮定」、確かに余りに現実離れした考え方のようだ。
・『「モノプソニー」の存在は実証的に測定可能  最近の分析では、「モノプソニー」の存在を実証的に測定しています。ここでは細かい説明は省きますが、賃金が1%変動したときに労働供給が何%変動するかを示す「労働供給の賃金弾力性」を測ることで、「モノプソニー」の存在と強さを確認できます。 「労働供給の賃金弾力性」が0に近くなればなるほどその業種の「モノプソニー」は強く、大きくなるほど弱いとされています。近年、ビッグデータを活用することで、さまざまな国のさまざまな業種で「モノプソニー」の力が働いていることが明らかになっています。 ここに大きなインプリケーションがあります。新古典派では、完全競争の下、労働の価格は常に適性であるとされます。この理屈では、低賃金で働いている人は「スキルがないから低賃金」なのであって、その賃金を国がむりやり上げさせようとすると、経営者はその人を解雇するとされます』、これまでから「アトキンソン氏」は、最低賃金の引上げを主張してきたが、その背景にはこんな強力な理論的裏付けがあったようだ。
・『「モノプソニー」では、労働者は企業に「搾取」される  対して「モノプソニー」とは、労働市場が完全競争ではなく、企業のほうが立場が強くなっているため、企業は本来払うべき給料より低い給料で人を雇うことができる状況を指します。つまり低賃金なのは一種の「搾取の結果」であり、必ずしもその人が低スキルだからではないと考えるのです。 「モノプソニー」の力は、特定の労働者層に特に強く働きます。例えば、低学歴、女性、高齢者、外国人労働者、移動が難しい人など、一般的に労働市場では弱者と考えられている人たちです。 特に、子どもを持った女性に「モノプソニー」の力が最も強く働いていることが、世界中の研究で確認されています。小さな子どもがいる女性は、現実として転職が難しい状況にあります。企業はその「足元を見る」ことができるため、賃金が相対的に低く抑えられるのです。 実は、男女の同一労働・同一賃金が実現しない原因のほとんどが「モノプソニー」だと説明されています。これもビッグデータによって確認されています。女性労働者の「労働供給の賃金弾力性」が年齢とともに下がっていくことが、その証拠です。 先進国では近年、産業構造の変化によって、「モノプソニー」の力が強くなっていると分析されています。 労働組合の力が強ければ「モノプソニー」の力は制限されます。しかし、先進国では過去数十年間、労働組合の機能が低下してきました。そのため、「モノプソニー」の力が強くなっていったと分析されています。 労働者が労働組合に加入しなくなった理由の1つは、労働組合が製造業に最も向いた組織だからです。製造業の場合は、そもそも設備投資が大きく、企業の規模が大きくなる傾向があります。また労働者のスキルが明確で、他の企業でも通用することが多いので、雇用主に対する労働者の交渉力が強くなりやすいとされています。 逆に企業の規模が小さくなりやすいサービス業が発達し、全産業に占める製造業の割合が低下すると、労働組合加入率が低下して「モノプソニー」の力が強くなるとされており、そのとおりのことが現実の世界でも確認されています。 このように、過去数十年間で「モノプソニー」の力が強くなり、労働者の交渉力が弱くなったことが、先進国で労働分配率が下がった原因だとも言われています。 「モノプソニー」による搾取を抑止する手立てとして、先進各国は最低賃金政策を取り入れてきました。先進国が最低賃金を設けたり、その水準を継続的に引き上げている最大の理由は、労働組合の代わりに「モノプソニー」の力を抑えることで、企業が立場の弱い人を「安く買い叩く」のを防ぐためです』、「男女の同一労働・同一賃金が実現しない原因のほとんどが「モノプソニー」だと説明されています。これもビッグデータによって確認されています」、「過去数十年間で「モノプソニー」の力が強くなり、労働者の交渉力が弱くなったことが、先進国で労働分配率が下がった原因だとも言われています」、「先進国が最低賃金を設けたり、その水準を継続的に引き上げている最大の理由は、労働組合の代わりに「モノプソニー」の力を抑えることで、企業が立場の弱い人を「安く買い叩く」のを防ぐためです」、なるほど、深く理解できた。。
・『最低賃金を引き上げると雇用が増えるメカニズム  日本では「最低賃金を引き上げると失業者が増える」という、根強い妄信があります。これは労働市場が完全競争なら確かに正しいのですが、「モノプソニー」の力が働いていると、まったく逆のことが起きます。「モノプソニー」の下では、最低賃金を適切に引き上げることで、失業者はむしろ減らせるのです。 これは、さまざまな国で実際に確認されている事実です。 以下のケースをご覧ください。最低賃金の引き上げによって企業が雇用を増やすメカニズムが明白になります。 時給1000円で1000人を雇用している企業があり、同じ仕事をする人をもう1人新たに雇用すると、1時間あたり1200円の収益が上がるとします。この場合、労働市場が完全競争だと1200円の時給を払わないといけないのですが、「モノプソニー」の力が働くと1000円で雇えるため、利益が200円も余計に増えます(この200円が「搾取」にあたります)。 労働市場の状況が変わって1000円で雇える人がいなくなり、新しい人を雇用するには時給1100円を払わなくてはいけなくなったとします。これでも、この新しい人は高い利益率を生み出すのですが、企業はこの人を雇わないと考えられます。 なぜなら、新しい人に時給1100円を支払うと、すでに雇用されて同じ仕事をしている1000人の時給も、1000円から1100円に引き上げなければならないからです。この場合の人件費の増加は、新しい人に支払う1100円だけではなく、1000人×100円+1100円=10万1100円となります。たとえ赤字にならないとしても、利益が大きく削られることになるので、新しい人が雇われることはありません。 このケースで、仮に政府が最低賃金を1100円に上げると、新しい人を雇うにせよ雇わないにせよ、既存の1000人の時給は1100円にしなくてはいけなくなります。この場合、経営者にとって、新しい労働者を雇うことで生まれる新たなコストは時給分の1100円だけです。1200円の収益は超えていませんから、削られた過剰利益を少しでも取り戻すために、新しく人を雇います。 これが、「モノプソニー」による搾取の範囲内なら、最低賃金を引き上げても、雇用が減るどころか増えることになるメカニズムです。 実際、日本でも世界の先進国でも、過去数年、最低賃金を引き上げてきたのに、雇用はむしろ増えています。最低賃金を引き上げても、企業の倒産は起こらず、給料が増え、個人消費は膨らむのです。 だからこそ私は、データ分析に基づいて「モノプソニー」の力を測り、その範囲内で適切に、毎年最低賃金を引き上げていくと同時に、中小企業の統廃合を進めて規模を拡大し、産業構造を強化するべきだと強調してきました。これこそが日本を救う道であり、韓国ができなかったことです。 次回は、日本が「モノプソニー」の力がきわめて強い「モノプソニー大国」であることを説明します』、現実の「最低賃金」については、8月22日付け日経新聞は40県が上げ、東京など据え置きで決定したと伝えた。「アトキンソン氏」が政権に近いところにいながら、こうした結果になったのは誠に残念だ。

次に、9月19日付け東洋経済オンラインが掲載した漫画家・文筆家のヤマザキ マリ氏による「日本人に蔓延する「失敗したくない」という病 コロナ禍で浮き彫りになった特有の症状とは」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/375574
・『世界を駆けてきた漫画家で文筆家のヤマザキマリ氏。1年の半分を東京で、残りの半分を夫の実家であるイタリアで過ごしているが、コロナ禍で約10カ月東京の自宅に閉じこもることを余儀なくされているそう。そして自宅からは、コロナそのものの症状に加えて、日本人にすでに蔓延していた別の”病”まで見出されたという。自著の『たちどまって考える』を一部抜粋・再構成しお届けする。 「日本のナショナルチームはなぜ、『いよいよゴールだ!』というときにボールをみんなで譲り合うのか、その理由を知りたい。失敗したら責められるのが嫌だからなのかい?」 少し前になりますが、駐日イタリア大使から日本代表のサッカーチームについてこんな質問を受けました。スポーツニュースなどを通じて、ゴール前の決定力の低さがよく指摘されていた頃のことです。 その真偽はその道のプロにお任せしますが、「失敗したくない」というメンタリティーは現代の日本人が抱える大きな病ではないでしょうか。実際、コロナ対策で日本政府が急に方針を変えたり、何かと右往左往している姿を見ていたりしても、失敗したくない、つまり責任を取らなきゃいけない状況をとにかく回避しようとしている気がしてなりません。 この日本人の”失敗したくない病”を、”語学学習”の話を例に考察したいと思います』、「「失敗したくない」というメンタリティー」は、「現代の日本人」に特徴的にみられるが、これが確かに「ゴール前の決定力の低さ」にもつながっていそうだ。
・『語学学習から見える失敗したくない病  私のイタリア語は、美術の学校の勉強やフィレンツェで出会った人たちと接するなかで身につけたものです。学生時代、イタリア語でレポートや論文を書いていましたが、当初スペルは間違いだらけ。 しかし、当時の私にとっては完璧なイタリア語の習得より、付き合っていたイタリア人たちに言いたいことを伝えるほうが大切だったため、とにかく聞き覚えのある言葉から覚え、言語化するのを優先していました。つまり「伝わること」こそ、言語を生かしたコミュニケーションで、文法やスペルの正しさは追いついてくるものと思っていた。実際、それでなんとかなってきました。 しかし、この世界にはそんな荒っぽい語学学習をする私の上をいく人がたくさんいます。イタリアももちろんそうですが、中東や南米など、おおむね積極的に会話する地域で、言語の”ハッタリ”達人に多く出会ってきました。 二言、三言でも知っている言葉があればもう十分で、男性なら「コンニチハ」「サヨウナラ」「アイシテマス」だけで、冗談ではなく日本女性と恋に落ちる。この場合、しゃべりたい意欲と相手への気持ちを少ない語彙に精一杯込めながら、雰囲気で相手に合わせていくわけです。彼らが伝えたいのは、言語よりコミュニケーション力であり、相手を知りたい、わかりたい、と思う気持ちなのでしょう。 言語はその国の文化や考え方を表すものですから、母国語にしている人々と付き合っていくうえで徐々に理解できる表現のニュアンスというものがあります。テキストだけでは学べない部分ですね。そこに暮らして恋愛し、喧嘩もし、仕事に生かして不条理を経験し……。真の言語力を身につけるには、やはり「経験」が不可欠です』、「言語の”ハッタリ”達人」とは言い得て妙だが、きっと上達も早いのだろう。
・『言語を教えるのが難しい  一家でポルトガルに住むことになったとき、リスボン大学の学生に息子の家庭教師を頼みました。彼は外国人に言葉を教えることを専門に勉強していました。その学生いわく、最も言語を教えるのが難しい外国人が日本人、とのことでした。日本人は文法を間違えまいと慎重になりすぎて、なかなかしゃべろうとしない。文法の正しさにこだわるがため、かえって習得率が下がってしまうというのです。 私がかつて日本でイタリア語を教えていた生徒さんにも、とにかく文法の正しさにこだわる方がいて、会話をしたイタリア人が「君は間接代名詞を使うのが好きだねえ」と苦笑いをしつつ、戸惑っていたことがありました。すると途端に躊躇して、もう積極的に会話ができなくなってしまう。もちろん日本人であってもハッタリ力をおおいに発揮する人もいますが、真面目な人ほど表現に引っかかって、会話がブロックされる傾向がある。 逆の立場になればわかりますよね。きちんとした日本語を話せなくても、文法はめちゃくちゃでも、何かを伝えようとしている人なら、こちらも言わんとすることに耳を傾け、理解してあげようと思う。たしかに文法をしっかりと把握することの合理性はあります。しかし言語コミュニケーションでは「伝えたい」という意思と意欲が最優先なのです。) なお、この「失敗してはいけない」メンタルは、言語だけでなく、報道などを通じてもよく感じられます。たとえばイタリアの報道は、自分たちの国で起こることを常に俯瞰で捉え、批判にも容赦がないのがその特徴です。政府や行政によるずさんさが明るみに出れば「イタリアという国はこれだから……」と客観的に捉える。 失敗に対しても同じです。でも同じような報道を日本でやっていたら、きっと非国民的な扱いを受けてしまうでしょう。群れのなかでの一糸乱れぬ統率がとれて完璧な社会というイデオロギー、というか信念が日本には深く染み込んでいると思います。 1964年、オリンピックの東京大会に出場したマラソンの円谷幸吉選手は金メダルへの国民の期待という圧力と、ボロボロになってでもトレーニングを続けなければならないという義務感、好きな人との結婚も許されない立場に絶望し、自ら命を断ったとされます。増田明美さんも、ロサンゼルス大会での競技中に途中棄権したことで「非国民との罵声を浴びた」とお話しされているのをテレビで拝見しました』、「円谷幸吉」は、「オリンピックの東京大会」では日本人陸上界で唯一の銅メダルを獲得したが、所属する自衛隊体育学校の校長が婚約を「次のオリンピックの方が大事」と認めず。オーバーワークで、腰痛が再発、椎間板ヘルニアを発症、メキシコ大会を控えて自殺(Wikipedia)。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E8%B0%B7%E5%B9%B8%E5%90%89
・『失敗や挫折するからこそ得られるものも  人間は失敗や挫折、屈辱から得られた苦々しい感情も経験しなければ、成熟しない生き物だと思うのです。それなのに現代の日本では、そうした感情の動きを「世間体」という実態のない戒律で規制してしまっている。それこそ極端な社会主義や、宗教的な戒律のなかで生きる人のごとく、「失敗」を規制されている。 しかし江戸時代まで戻れば様子は変わります。たとえば江戸の町民文化の象徴である落語では、人の失敗談や勘違い話が人気の噺になっています。人間ならではのすっとこどっこいなエピソードを皆でゲラゲラ笑うことで、自分の生き方のヒントにする。列国と肩を並べることに気負う以前の日本は、失敗や挫折や型破りであることが逆に、社会にとっての栄養となっていたように思えるのです』、「列国と肩を並べることに気負う以前の日本は、失敗や挫折や型破りであることが逆に、社会にとっての栄養となっていた」、とはさすが的確な指摘だ。

第三に、11月24日付け東洋経済オンラインが掲載した経済評論家の加谷 珪一氏による「日本人が即刻捨てるべき「経済大国」という幻想 確実に「小国」になる未来がやってくる」を紹介しよう。
・『国際競争力の低下と少子高齢化が再三叫ばれる一方、多くの日本人は自国を「大国」であるとなぜか信じている。しかし、数々の統計やランキングは、日本が間違いなく「小国」になることを冷徹に示している。『日本は小国になるが、それは絶望ではない』を上梓した加谷珪一氏が、日本が小国に転じる未来と、「小国・日本」の進む道を論じる』、一般的にも身の丈に合わせた生き方が重要だ。
・『今後、日本の人口が増加することはない  日本の人口が急激に減りつつあることは多くの国民にとって共通認識だが、真の意味で人口減少がもたらす影響についてはあまり知られていない。 2020年、日本の総人口は約1億2600万人。2008年に1億2800万人を突破したのをピークに、人口は減少している。厚生労働省の調査によると、2019年に生まれた子どもの数は86万4000人で、統計開始以来初めて90万人を割った。このまま出生数の低下が続くと、2100年には4906万人にまで人口が減ってしまう。およそ80年で8000万人も減るのだから、これは100万人都市が毎年1つずつ消滅する計算だ。仙台市(109万人)や千葉市(98万人)などが毎年消えると言われれば、そのインパクトがわかるだろう。 この話を聞いて、多くの人が「少子化対策を充実させるべきだ」と考えるだろう。しかしこれを実現するのは容易ではない。人口動態というものは50年、100年という単位で動くものであり、今からではすでにタイミングが遅すぎるのだ。 今、社会では人口減少と高齢化が同時進行している。総人口が減る一方、高齢者の寿命は年々延びており、日本の人口は、老人が多く若者が少ない逆ピラミッド型にシフトしている。現役世代は、昭和時代と比較して、社会保険料や税金などの経済的負担が極めて重くなっていることは明らかである。 例えば、何らかの手段で人為的に出生率を上げたとすると、老人の数は変わらず子どもの数が増え、人口ピラミッドは中央がくぼんだ形となる。単純に出生率を上げるだけでは、子育て世代の国民に想像を絶する過度な負担がかかってしまうのだ。 こうした人口動態による制約条件を考えると、今後、出生率が高まり人口が増加に転じる可能性はほぼゼロに近いと考えたほうがよいだろう』、「2100年」まで「およそ80年で8000万人も減る」のだから、これは100万人都市が毎年1つずつ消滅する計算」、社会的摩擦も大きくならざるを得ないだろう。
・『「大国の条件」が証明する日本の小国化  全世界には200近くの国家が存在するが、5000万人以上の人口を持つ国は28カ国しかない。人口という点に限って言えば、5000万という数が大国の基準と言えるだろう。 もちろん人口が多ければ豊かとは限らないが、人口の多い国はGDPも大きくなる傾向が見られる。次に示す人口のランキングで上位を占めるのは中国とインドで、中国には約14億人、インドには13.5億人の人が住む。次いで、アメリカ、インドネシア、ブラジルと続き、日本は10位。 一方、2019年時点で全世界のGDPは約87兆ドルで、5000億ドル以上の規模を持つ国はたった25カ国。GDPという観点では、5000億ドル以上の規模を持つことが大国の条件と考えられる。 ドイツやイギリス、フランス、イタリアなどのいわゆる先進主要国は、人口は中国などと比較すると多くないが、それでも6000万人から8000万人の人口があり、人口という面においても大国に分類されている。一方、パキスタンやナイジェリア、バングラデシュのGDPは5000億ドルに迫る勢いで、人口の多寡はGDPの規模に大きく影響していると言える。 日本経済研究センターによると、2060年における日本のGDPは4.6兆ドルでほぼゼロ成長の見通しだが、アメリカは34.7兆ドル、中国は32.2兆ドル、インドは25.5兆ドルと日本の5.5~7.5倍にまで規模を拡大させることが予想されている。5000億ドルのボーダーラインを割るには至らないものの、日本の相対的な規模は著しく小さくなってしまう。 人口減少に加え、産業競争力の低下という問題にも直面している日本は、このままでは人口とGDPの両面で、ほぼ確実に小国化するのである』、「日本は、このままでは人口とGDPの両面で、ほぼ確実に小国化する」、やむうぃ得ないだろう。
・『小国になることは、不幸なことなのか  ここまでを読むと、もはや日本の未来に明るい材料はないと思ってしまうかもしれないが、これは「日本が何も変わらない」場合のことである。むしろ、小国となっても豊かな社会を実現できるポテンシャルを日本は持っているのだ。 現に、シンガポールやスウェーデンなど、世界には豊かな社会を実現している小国がいくつもあるが、これらの国々に共通するのは「高い生産性」である。人口が少なくても、国民それぞれが大きく稼ぐことで、豊かな社会を実現しているのだ。 日本の場合、まだ1億人以上の大きな人口(市場)という他国にないアドバンテージを持っている。人口減少は避けられないが、本格的な人口減少が現実のものとなる前に企業の生産性を高めれば、日本は豊かになれるのである。 いま、日本に必要なのは、「日本は経済大国」「日本はものづくり大国」といった幻想から脱却し、生産性を高める産業構造へ変革することだ。それは、これまでの常識をリセットする、大変革である。コロナ禍で世界が大きく変わりつつある現在、日本は最大の転換期を迎えているといっても過言ではないのだ』、「日本に必要なのは、「日本は経済大国」「日本はものづくり大国」といった幻想から脱却し、生産性を高める産業構造へ変革することだ。それは、これまでの常識をリセットする、大変革である」、同感である。「大国」幻想からは一刻も早く脱却すべきだ。
タグ:東洋経済オンライン 円谷幸吉 デービッド・アトキンソン ヤマザキ マリ 加谷 珪一 日本の構造問題 (その18)(日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける この国の将来を決める「新monopsony論」とは、日本人に蔓延する「失敗したくない」という病 コロナ禍で浮き彫りになった特有の症状とは、日本人が即刻捨てるべき「経済大国」という幻想 確実に「小国」になる未来がやってくる) 「日本人の「給料安すぎ問題」はこの理論で解ける この国の将来を決める「新monopsony論」とは」 monopsony(モノプソニ―) 「モノプソニ―」を知らずに日本経済は語れない 労働市場において企業の交渉力が強く、労働者の交渉力が弱いため、企業が労働力を安く買い叩ける状態」を説明するために使われることが多くなっています 新古典派の経済理論は、労働市場は完全競争であると仮定 「モノプソニー」の存在は実証的に測定可能 これまでから「アトキンソン氏」は、最低賃金の引上げを主張してきたが、その背景にはこんな強力な理論的裏付けがあった 「モノプソニー」では、労働者は企業に「搾取」される 男女の同一労働・同一賃金が実現しない原因のほとんどが「モノプソニー」だと説明されています。これもビッグデータによって確認されています 過去数十年間で「モノプソニー」の力が強くなり、労働者の交渉力が弱くなったことが、先進国で労働分配率が下がった原因だとも言われています 先進国が最低賃金を設けたり、その水準を継続的に引き上げている最大の理由は、労働組合の代わりに「モノプソニー」の力を抑えることで、企業が立場の弱い人を「安く買い叩く」のを防ぐためです 最低賃金を引き上げると雇用が増えるメカニズム 日本でも世界の先進国でも、過去数年、最低賃金を引き上げてきたのに、雇用はむしろ増えています。最低賃金を引き上げても、企業の倒産は起こらず、給料が増え、個人消費は膨らむのです 現実の「最低賃金」については、8月22日付け日経新聞は40県が上げ、東京など据え置きで決定したと伝えた。「アトキンソン氏」が政権に近いところにいながら、こうした結果になったのは誠に残念だ 「日本人に蔓延する「失敗したくない」という病 コロナ禍で浮き彫りになった特有の症状とは」 『たちどまって考える』 「失敗したくない」というメンタリティー」は、「現代の日本人」に特徴的にみられるが、これが確かに「ゴール前の決定力の低さ」にもつながっていそうだ 語学学習から見える失敗したくない病 「言語の”ハッタリ”達人」 言語を教えるのが難しい 失敗や挫折するからこそ得られるものも 列国と肩を並べることに気負う以前の日本は、失敗や挫折や型破りであることが逆に、社会にとっての栄養となっていた 「日本人が即刻捨てるべき「経済大国」という幻想 確実に「小国」になる未来がやってくる」 「小国・日本」の進む道 今後、日本の人口が増加することはない 「2100年」まで「およそ80年で8000万人も減る」のだから、これは100万人都市が毎年1つずつ消滅する計算 「大国の条件」が証明する日本の小国化 日本は、このままでは人口とGDPの両面で、ほぼ確実に小国化する 小国になることは、不幸なことなのか 日本に必要なのは、「日本は経済大国」「日本はものづくり大国」といった幻想から脱却し、生産性を高める産業構造へ変革することだ。それは、これまでの常識をリセットする、大変革である
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。