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スガノミクス(その3)(ハンパない「間の悪さ」 もうメッキ剥がれた菅内閣 GoTo停止も「夜の会食」もことごとく最悪のタイミング、「公安担当だったジャーナリスト・青木理氏がみた菅政権の本質 「戦後初の警察官僚に牛耳られた政権だ」、今年 菅政権と自民党の「終わりの始まり」がやってくる8つの理由) [国内政治]

スガノミクスについては、昨年12月10日に取上げた。今日は、(その3)(ハンパない「間の悪さ」 もうメッキ剥がれた菅内閣 GoTo停止も「夜の会食」もことごとく最悪のタイミング、「公安担当だったジャーナリスト・青木理氏がみた菅政権の本質 「戦後初の警察官僚に牛耳られた政権だ」、今年 菅政権と自民党の「終わりの始まり」がやってくる8つの理由)である。

先ずは、12月19日付けJBPressが掲載した政治学者で元東京都知事の舛添 要一氏による「ハンパない「間の悪さ」、もうメッキ剥がれた菅内閣 GoTo停止も「夜の会食」もことごとく最悪のタイミング」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/78945?imp=0
・『9月16日に菅義偉政権が発足して3カ月が経った。官房長官時代の堅実な仕事ぶりが評価され、また携帯電話料金の値下げなど庶民が歓迎する身近な政策を掲げて順風満帆な滑り出しであった。 ところが、12月5〜6日の週末にマスコミ各社が行った世論調査で、内閣支持率が10%前後の大きな落ち込みを記録してしまった』、発足直後の「内閣支持率」にはご祝儀があったにせよ、「落ち込み」も目立った。
・『実は人一倍支持率に敏感な菅首相  そのような中で、11日、菅首相はネット番組に出演し、「ガースーです」と自己紹介の挨拶をした。新型コロナウイルスの感染再拡大が続き、国民が不安になっている中で、笑いを狙ったこの挨拶は、大きな批判を呼んでいる。 ネットテレビという気楽さがあったのかもしれないが、このレベルの人気取りに国民が喝采するはずはない。「この状況で、この冗談はないだろう」というのが大方の見方である。 衝撃的だったのは、12日に行われた毎日新聞の世論調査である。内閣支持率は40%と、先月よりも17%も下がっている。「支持しない」の率も、先月より13%もアップして49%となった。その結果、支持率と不支持率が逆転してしまったのである。 「支持率の増減に一喜一憂しない」というのが官房長官時代の菅の口癖であったが、実際は世論調査の動向に最大の注意を払っていた。今でも、マスコミの調査が不十分なときには、自民党などを使って独自に世論調査を行う。それだけに、首相になって3カ月も経たないのに、支持率よりも不支持率のほうが上回ったことに大きな危機感を抱いたのであろう。 しかも、政府のコロナ対策についても、「評価する」は14%で、先月よりも20%も下落し、「評価しない」が62%と35%も増えているのである。新型コロナウイルスの感染再拡大に危機感を抱く国民が、大きな不満を募らせているのである。つまり、支持率低下の最大の原因がコロナ対策の失敗である』、「支持率低下の最大の原因がコロナ対策の失敗である」、同感だ。
・『「世論調査に慌ててのGoTo停止」で現場は大混乱  さらに輪をかけたのが、11〜13日に行われたNHKの世論調査である。内閣支持率は42(−14)%、不支持率は36(+17)%と10%を超える変化である。全ては、コロナ対策の煮え切らなさが原因であり、感染増大の原因とされるGoToTravelについては、「継続する」は12%しかなく、「いったん停止する」が79%に上ったのである。 GoToキャンペーンについては、感染症の専門家たちや医師会から止めるように勧告してきたが、自ら肝いりの目玉政策であり、菅首相は、断固として継続する決意を何度も表明していた。 しかし、「世論調査至上主義」の菅首相は、約8割が「停止」を求めるというこの調査結果に驚愕し、14日の夕方、突然、GoToTravelを12月28日から1月11日まで全国一斉に停止することを決めたのである。しかし、後手後手だし、場当たり的で、キャンセルの対象や期間などが、地域によっても異なり、複雑で、国民や業者にさらに大きな面倒をかけることになってしまった。現場は混乱の極みである。 停止期間はまさに年末年始であり、多くの人がすでに各地への旅行プランを立て、予約を済ませている。いまさらキャンセルしろと言われても困るというのが本音だろう。GoToキャンペーンに起死回生を期待していた旅館やホテルなど観光業界も、最大のかき入れ時に突然の停止措置でキャンセルが続発し、お先真っ暗な状況となっている。 決定がせめてあと1〜2週間早かったらという恨み節が聞こえてくる。政策決定にはタイミングが重要である。春の緊急事態宣言のときもそうで、1〜2週間遅すぎた。逆にGoToキャンペーンは始めるのが早すぎた。打撃を受ける業界への救済策も強化したが、この混迷ぶりを見ると、「実務家」首相はどこに行ってしまったのかと疑問に感じざるをえない。 この決定は、菅首相のほぼ独断でなされたものである。前日の13日の夜、田村憲久厚労相、加藤勝信官房長官、西村康稔コロナ担当相を官邸に呼び、GoToの全国一時停止の意向を述べたという。赤羽一嘉国交大臣には電話でその旨を伝えたそうだ。 しかし、国交省の官僚機構にも、自民党にも十分な根回しをした上でのものではなかった。それが、その後の混乱に輪をかけた。 15日になって、赤羽国交大臣は、GoToTravelの全国一時停止に先立ち、東京都が目的地の旅行割引を停止する期間を14〜27日から18~27日に訂正した。こういう朝令暮改のゴタゴタ劇となるのは、役人たちの意見を事前に聴取していないからである。いかに、世論調査の結果に動揺したかがよく分かる』、官房長官上がりの「菅首相」は、本来、実務は手堅い筈なのに、「独断で」泥縄的に決めたので、「この混迷ぶりを見ると、「実務家」首相はどこに行ってしまったのかと疑問に感じざるをえない」、手厳しい批判をあびざるを得ないようだ。
・『二階氏との会食は「GoTo停止」釈明のため  自民党内で、観光業界のドンは二階俊博幹事長であり、無派閥の菅政権の屋台骨を支えているのが二階派である。幹事長が不快に思うのは当然である。 そこで釈明のため、菅首相は、銀座の高級ステーキ店で行われていた二階幹事長主催の忘年会に急遽馳せ参じたわけである。こうして、結果的に、王貞治、杉良太郎、みのもんた、森田実ら総勢8人の会食となってしまった。5人以上の会食の自粛を国民に求めておきながら、それに反する行為には絶句である。しかも、参加者は皆、高齢者で感染すると重症化する危険性が高い人たちである。 翌日から、マスコミの厳しい批判に晒されることになってしまった。しかも、16日の衆議院内閣委員会の閉会中審査では、西村大臣が「一律に5人以上は駄目だと言っていない。強制力があるわけでもない。どうしても会食するなら感染防止策を徹底して、と併せて言っている」と、苦しい答弁に終始したことも、国民の反感を招いた。 16日夕方、首相官邸で記者団の取材に応じ、「他の方との距離は十分にありましたが、国民の誤解を招くという意味においては真摯に反省しております」と釈明している。しかし、この弁明も「国民は誤解などしていない」と反論され、逆に揶揄される羽目になったのである。 しかも、その後も連日会食が続いている。15日の夜も、まず赤坂の高級イタリア料理店で自民党の秋本真利代議士、加藤仁日本風力発電協会代表理事と会食し、その後、梯子して、六本木のステーキハウスで、フジテレビの宮内正喜会長、遠藤龍之介社長、東京五輪組織委の高橋治之理事と会食している。 16日夜も、梯子で、まず永田町のホテルの日本料理屋で横浜銀行の大矢恭好頭取、大久保千行顧問と会食した後、日比谷のフランス料理店で小田尚読売新聞東京本社元政治部長(国家公安委員)、粕谷賢之日本テレビ執行役員、政治評論家の田崎史郎と会食している』、「菅首相」は率先垂範は政治家には無縁とでも考えているのだろうか。
・『「勝負の3週間」は「敗北の3週間」に  会食が悪いわけではないし、多くの人と意見を交換するのは好ましいことでもある。しかし、今は、首相の夜の会食について、皆が、その場所、参加者を注意して見ている。翌日の新聞の首相動向に記載されているので、容易に確認できる。 やはり、「先ず隗より始めよ」であり、かなり前から会食の予約がしてあるのは理解できるが、世論を気にするのなら、キャンセルするくらいの英断があってもよい。しかし、そのような忠告をするような側近もいないのであろう。 批判の高まりを受けて、流石に17日の夜は、会食をせずに、宿舎に直行している。 西村大臣は、コロナ感染再拡大を受けて、「勝負の3週間」と見得を切ったが、3週間経ってみれば、それは「敗北の3週間」だった。国民に感染防止を呼びかけるだけで、コロナ対策責任者の職責を果たしていないから、こういう結果になるのである。 17日のコロナ感染者は、全国で3211人と過去最多になった。東京822人、神奈川319人、埼玉196人、千葉148人、愛知238人、大阪351人、兵庫164人、広島138人、福岡108人などと、全国的に驚くべき増加ぶりである。先行的に手を打った北海道は139人と減少傾向であるが、ブレーキのかけ方をはじめ、政策の失敗は明らかである。 PCR検査数を見ても分かるように、「検査と隔離」という感染症対策の基本も、まだきちんと実行されていないのが現状である。権力は、強制力を持つから権力なのであるが、今の日本政府や東京都の壮大な無責任体制では、ウイルスとの戦いに勝てるはずはない』、「「勝負の3週間」は「敗北の3週間」に」、「権力は、強制力を持つから権力なのであるが、今の日本政府や東京都の壮大な無責任体制では、ウイルスとの戦いに勝てるはずはない」、その通りだ。
・『自民党内で「菅離れ」始まるか  8月28日に安倍晋三首相が辞任を表明し、後継者選びが始まったが、石破茂は安倍に嫌われ、岸田文雄は選挙の顔になりえなかった。そこで、主要派閥が談合して「消去法」で決めたのが菅義偉だったのである。 菅本人の頭の中にも、内閣総理大臣というシナリオはなかったはずである。ナンバー2とナンバー1とは違う。官房長官の役は務められても、首相の職務は同じではない。 後継総裁選びの過程で、私の国会議員時代の同僚で今は自民党の幹部となっている議員たちが、「菅では総理は無理だ」と菅後継に反対していた。しかし、二階幹事長や麻生太郎副総理の意向で菅擁立に同意せざるをえなかったのである。 ところが、菅内閣が発足して、わずか3カ月で彼らの予想が杞憂ではなかったことが明らかになってきている。これからは、党内で菅離れが起こってくることも考えられる。 そして、それは自民党の危機でもある。分裂して非力な野党のおかげで、安倍政権は8年もの長期政権を維持してきた。忖度政治などの歪みを生んだが、それは官邸主導「政高党低」の政治がもたらしたものである。そして、その中心にいたのが、安倍と共に菅である。 私が閣僚だった時代(2007〜2009年)のように、野党が強く、「ねじれ国会」であれば、政治に緊張感がある。そして、政権交代も起こった。 今は、野党が頼りにならないのみならず、自民党内でも少数派、反主流派の力も存在感もない。かつての中選挙区時代には、5大派閥が競合し、切磋琢磨して政策を磨いてきたが、今では、その片鱗すら残っていない。この状態は、実は自民党にとっても深刻な危機なのである。 新型コロナウイルスは、消去法で菅義偉を総裁に選出した自民党の危機もまた浮き彫りにしたのである。(文中敬称略)<お知らせ>舛添要一YouTubeチャンネル『舛添要一、世界と日本を語る』でも最新の時事問題について鋭く解説しています』、「新型コロナウイルスは、消去法で菅義偉を総裁に選出した自民党の危機もまた浮き彫りにしたのである」、さすが政治学者らしい分析だ。

次に、12月31日付けAERAdot「「公安担当だったジャーナリスト・青木理氏がみた菅政権の本質 「戦後初の警察官僚に牛耳られた政権だ」〈dot.〉」を紹介しよう。
https://dot.asahi.com/dot/2020123100010.html?page=1
・『7年8カ月にわたる安倍政権が終わり、今年9月、菅義偉首相を戴いた菅政権が誕生した。だが、政権発足時に65%あった支持率は、わずか3カ月で39%まで下落(朝日新聞の世論調査)。GoToトラベル停止の判断の遅れなど、政府のコロナ対応に関する不満は日ごと高まっている。だが、それだけではない。菅首相をはじめ、政権幹部たちの「権力」に対する姿勢も疑問視されている。元共同通信記者で警備・公安担当などを務めたジャーナリストの青木理氏は「このままでは日本は警察国家になる」と警鐘を鳴らす(Qは聞き手の質問)』、「青木理氏」は元共同通信の記者、ソウル特派員。「警備・公安担当などを務めた」同氏が「このままでは日本は警察国家になる」、興味深い。
・『Q:菅政権の支持率が急落しています。最初のつまずきは、10月に日本学術会議の会員6人の任命を拒否した「学術会議問題」が発覚したことだと思います。ただ、この問題は当時支持率には影響しておらず、菅首相は今でも「問題ない」と強気の姿勢を貫いています。 青木:学術会議の任命拒否は果たして「つまずき」でしょうか。安倍政権時代からの話ですが、内閣法制局長官や日銀総裁、果てはNHK会長などに至るまで、戦後の歴代政権がかろうじて自制してきた人事権を放埒に行使し、これまで積みあげてきた暗黙知ともいうべき矜持をいとも簡単に破壊してきました。安倍前首相と同様、菅首相も権力行使への畏れや謙抑性が著しく欠如した政治家です。あらためて指摘するまでもなく、前政権の官房長官として各種の人事を差配してきたのが菅氏ですから。 Q:6人の任命拒否には、杉田和博官房副長官が深く関与しているとされ、それを疑わせる資料も表沙汰になりました。 青木:杉田氏は、各省庁の幹部人事を一元管理する「内閣人事局」のトップも兼務しています。これも安倍政権時代から、官房長官だった菅首相と一体となって官僚の人事を動かしてきたわけですが、学術会議の任命拒否も菅首相と杉田氏の主導による典型的な「暗黙知の破壊行為」です。 しかも政権はなぜこの6人を排除したのか。杉田氏は警察官僚出身で、ほぼ一貫して警備・公安畑を歩んできました。「国家にとって脅威」だと彼らが捉える組織、人物を監視し、取り締まりの対象としてきたわけです。それは必ずしも「国家」ではなく「時の政府」や「警察」にとっての「脅威」だったりもして、今回も6人がなんらかの「脅威」と捉えたのでしょう。巷間言われるように、安保法制や共謀罪、特定秘密保護法に異を唱えた学者を狙い打ちしたのかもしれません』、「安部政権」「菅政権」とも「戦後の歴代政権がかろうじて自制してきた人事権を放埒に行使し、これまで積みあげてきた暗黙知ともいうべき矜持をいとも簡単に破壊してきました。安倍前首相と同様、菅首相も権力行使への畏れや謙抑性が著しく欠如した政治家です」、歴代自民党政権との違いがよく理解できた。
・『ところが菅政権は「人事に関することはコメントしない」という理屈で理由の開示を断固として拒否している。説明できないからでもあるでしょうが、一方で説明しないことの“効果”は侮れません。政権に排除された理由への疑心暗鬼や忖度が広がり、説明したとき以上の自粛や萎縮効果が期待できるからです。これは統治者にとって好都合でしょう。 もう一点、警備・公安部門出身の元警察官僚にこれほど絶大な権限を握らせることの是非も考えるべきです。杉田氏だけでなく、警察庁出身で内閣情報官だった北村滋氏は、2019年9月から外交・安保政策の司令塔を担う国家安全保障局長に出世しています。つまり官僚人事から外交、安保分野に至るまで警察官僚出身者が牛耳っている。まぎれもなく戦後初めての事態です。 Q:警察と政治が一体化することの危険性は、戦前の特高警察の所業などからも明らかです。菅首相はそうしたことに無自覚なのでしょうか。もしくは危険性はわかっていながら、権力を誇示する“見せ方”として使っているのでしょうか。 青木:政治記者ではない僕に菅首相の内心はわかりませんし、さほど興味もありません。ただ、官房長官時代に菅氏の番記者だった毎日新聞の秋山信一記者は、最近の著作で「権力」に関する菅氏のこんなせりふを紹介しています。「重みと思うか、快感と思えるか」と。権力行使を「快感」と捉える為政者は非常に危うい。 ふるさと納税制度に異を唱えて左遷された元総務官僚の平嶋彰英氏も、菅氏の権力に対する意識を垣間見たことがあるそうです。菅氏が総務副大臣の時代、平嶋さんを含めた総務省幹部と会食をした際の第一声が「俺は官僚を動かすのは人事だと思っている」だったと。 その後に平嶋氏はふるさと納税をめぐって菅氏と対立しますが、最終的には菅氏の意向どおりに政策を立案した。なのに人事では制裁を受けた。要するに徹底した服従と忠誠を求めるタイプなのでしょう。平嶋氏は「あんなひどい政治家は初めてだった」と吐き捨てていました』、「説明しないことの“効果”は侮れません。政権に排除された理由への疑心暗鬼や忖度が広がり、説明したとき以上の自粛や萎縮効果が期待できるからです。これは統治者にとって好都合でしょう」、「官僚人事から外交、安保分野に至るまで警察官僚出身者が牛耳っている。まぎれもなく戦後初めての事態」、「警察と政治が一体化することの危険性は、戦前の特高警察の所業などからも明らかです」、「権力行使を「快感」と捉える為政者は非常に危うい」、同感である。
・『要するに安倍政権期、官房長官だった菅氏は徹底して安倍氏に尽くした。それと同じことを下(官僚)にも求めるんだろうと平嶋氏は言うんです。何かやれと指示されたら四の五の言わずにやる。いや、やれと指示などされる前に忖度して動く。それを「快感」と捉えるのが為政者としての菅氏の本質かもしれません。 Q:菅首相は「頑固だ」と評されることも多いですが、異を唱える周囲の意見には耳を傾けない頑なさが、判断の遅れにつながっていると見る向きもあります。感染者数が右肩上がりになる中で、GoToトラベルをなかなか停止しなかったのも、そうした菅首相の性格も関係しているように思います。 青木:これも僕には真相がわかりません。ただ、こうした為政者の振る舞いは、中長期的に見ていくと官僚組織はもとより、この国の社会から活力や創造性を失わせていくことに僕たちはもっと危機感を抱くべきです。異を唱えれば人事的な制裁を受けかねない官僚組織からは闊達な対案やアイデアが出てこなくなり、さまざまな専門的見地から政治に異論を唱えるべき学術会議のようなアカデミアも萎縮傾向を強めていきかねない。社会全体に忖度病が蔓延していく。人事権は大きな政治権力ですが、こうした使い方をしていると組織や社会はますます沈滞します。 Q:官僚だけでなく、メディアへの監視も強まっている気がします。11月下旬、首相官邸の情報発信を担う内閣広報室が、ニュースやワイドショーなどでの発言内容を記録した900ページ以上もの資料を作成していたことが報じられました。青木さんの発言も対象となっていたようです。 青木:まあ、あの程度のことは内閣情報調査室(内調)あたりが昔からやってきたことなので、さほど驚きません。「世論の動向」なるものをチェックし、政権にご注進しているわけです。そんなことに貴重な税金と人員を使うのはバカげた話ですが、それよりもはるかに怖いのは、杉田氏や北村氏の出身母体である警備・公安警察が擁する巨大な情報ネットワークです。以前、元文科事務次官の前川喜平氏が歌舞伎町の「出会い系バー」通いを大手紙に書き立てられましたが、この情報もそうした背景から出てきたと考えるべきでしょう』、「異を唱えれば人事的な制裁を受けかねない官僚組織からは闊達な対案やアイデアが出てこなくなり、さまざまな専門的見地から政治に異論を唱えるべき学術会議のようなアカデミアも萎縮傾向を強めていきかねない。社会全体に忖度病が蔓延していく。人事権は大きな政治権力ですが、こうした使い方をしていると組織や社会はますます沈滞します」、「人事権」をここまでえげつなく使うのは、どう考えてもやり過ぎだ。
・『全国津々浦々に30万人近い人員を配する警察組織内で、警備・公安部門は長く絶大な力を有してきました。かつては「反共」「防共」を最大のアイデンティティーとして主に共産党や新左翼、そのシンパをターゲットにした監視・取り締まり活動を行ってきましたが、90年前後に冷戦体制が終わり、国内では95年にオウム真理教事件などが起きると、公安警察の存在意義が疑問視されるようになった。 その前後から警備・公安警察は「テロ対策」などに活動の重点を移すとともに、もっと幅広い政治動向の収集にあたるよう舵を切ってきたフシがあります。マスコミなどとも積極的に接触し、そこから情報を吸い上げたり、逆に情報を流したりするようになった。内調の仕事もその延長線上にあります。 ただ、内調にさほどの調査能力はありません。強大なのは、やはり全国津々浦々に人員を擁する警察のネットワークです。たとえば杉田官房副長官が配下の警備・公安警察に「○○を調べられないか」と言えば、そのネットワークを動かすことができる。そこが元警察官僚の力の源泉です。これほどの力を有しているからこそ、戦後の警察組織は政治と一定の距離を置くことを原則とし、これも一応の暗黙知だったはずですが、現在は完全に官邸と一体化してしまっている。非常に危ういことです。 Q:一方で、かつての権力者の落日も目の当たりにしました。「桜を見る会」問題では、前日の夕食会の経費を補てんしていたとして、安倍前首相の公設秘書が政治資金規制法違反で略式起訴されました。安倍氏も検察から聴取され、国会でも追及を受けました。元農水相の吉川貴盛元衆院議員も大手鶏卵生産会社から現金を受け取った疑惑があり、表向きは健康状態を理由にして、議員辞職しました。吉川氏は二階派です。これらの不祥事は菅政権にもダメージとなると思われます。 青木:野党は来年の通常国会でも安倍氏を追及すると訴えていて、「秘書がやったこと」「私は知らなかった」という安倍氏の主張を額面どおりに受けとめている人は皆無に近いでしょう。また、年明けには吉川氏に対する検察捜査も本格化していきます。新型コロナの感染拡大にも歯止めがかからないなか、党内基盤が弱い菅政権が安泰とは思えませんし、安泰であるべきだとも思いませんが、野党が現在のような体たらくでは、明るい政治展望を描けないのも事実です。残念ですが、この国の政治状況は来年も暗いというしかありません。(構成=AERAdot.編集部・作田裕史)』、「これほどの力を有しているからこそ、戦後の警察組織は政治と一定の距離を置くことを原則とし、これも一応の暗黙知だったはずですが、現在は完全に官邸と一体化してしまっている。非常に危ういことです」、権力を自制するなどという考えは、消え去ってしまったのは、誠に残念だ。いずれにしても、菅政権はコロナ禍の抑え込みに失敗して、短期政権に終わる可能性が強そうだ。
タグ:スガノミクス (その3)(ハンパない「間の悪さ」 もうメッキ剥がれた菅内閣 GoTo停止も「夜の会食」もことごとく最悪のタイミング、「公安担当だったジャーナリスト・青木理氏がみた菅政権の本質 「戦後初の警察官僚に牛耳られた政権だ」、今年 菅政権と自民党の「終わりの始まり」がやってくる8つの理由) JBPRESS 舛添 要一 「ハンパない「間の悪さ」、もうメッキ剥がれた菅内閣 GoTo停止も「夜の会食」もことごとく最悪のタイミング」 実は人一倍支持率に敏感な菅首相 支持率低下の最大の原因がコロナ対策の失敗であ 「世論調査に慌ててのGoTo停止」で現場は大混乱 官房長官上がりの「菅首相」は、本来、実務は手堅い筈なのに、「独断で」泥縄的に決めたので、「この混迷ぶりを見ると、「実務家」首相はどこに行ってしまったのかと疑問に感じざるをえない」、手厳しい批判をあびざるを得ないようだ 二階氏との会食は「GoTo停止」釈明のため 「菅首相」は率先垂範は政治家には無縁とでも考えているのだろうか 「勝負の3週間」は「敗北の3週間」に 権力は、強制力を持つから権力なのであるが、今の日本政府や東京都の壮大な無責任体制では、ウイルスとの戦いに勝てるはずはない 自民党内で「菅離れ」始まるか 「新型コロナウイルスは、消去法で菅義偉を総裁に選出した自民党の危機もまた浮き彫りにしたのである」、さすが政治学者らしい分析 ERAdot 「「公安担当だったジャーナリスト・青木理氏がみた菅政権の本質 「戦後初の警察官僚に牛耳られた政権だ」〈dot.〉」 「安部政権」「菅政権」とも「戦後の歴代政権がかろうじて自制してきた人事権を放埒に行使し、これまで積みあげてきた暗黙知ともいうべき矜持をいとも簡単に破壊してきました。安倍前首相と同様、菅首相も権力行使への畏れや謙抑性が著しく欠如した政治家です 説明しないことの“効果”は侮れません。政権に排除された理由への疑心暗鬼や忖度が広がり、説明したとき以上の自粛や萎縮効果が期待できるからです。これは統治者にとって好都合でしょう 官僚人事から外交、安保分野に至るまで警察官僚出身者が牛耳っている。まぎれもなく戦後初めての事態 権力行使を「快感」と捉える為政者は非常に危うい
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