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パンデミック(経済社会的視点)(その11)(コロナ独自路線のスウェーデンが失敗 欠けていたのはロックダウンではなく.....、日本医師会が「医療緊急事態」で騒ぐ本当の理由 医療が逼迫する原因は感染拡大ではない、日本のコロナ重症患者対応が抱える決定的弱点 医療崩壊の責任は民間病院でなく厚労省にある、【第3波を乗り越える】正しいことをやってると信じている全体主義ほど 恐ろしいものはない《岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義㊸》) [パンデミック]

パンデミック(経済社会的視点)については、昨年11月27日に取上げた。今日は、(その11)(コロナ独自路線のスウェーデンが失敗 欠けていたのはロックダウンではなく.....、日本医師会が「医療緊急事態」で騒ぐ本当の理由 医療が逼迫する原因は感染拡大ではない、日本のコロナ重症患者対応が抱える決定的弱点 医療崩壊の責任は民間病院でなく厚労省にある、【第3波を乗り越える】正しいことをやってると信じている全体主義ほど 恐ろしいものはない《岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義㊸》)である。

先ずは、昨年12月22日付けNewsweek日本版が掲載したカールヨハン・カールソン氏による「コロナ独自路線のスウェーデンが失敗、欠けていたのはロックダウンではなく......」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/12/post-95240_1.php
・『国民への「望ましい行動」の勧告がコロナ対策として不十分だった──という批判は的外れではないが> 独自の新型コロナウイルス対策で世界的な注目を集めてきたスウェーデンが、ついに方針を転換した。これまでスウェーデン政府はロックダウン(都市封鎖)を避けて、強制措置ではなく、「望ましい行動」を国民に勧告することでコロナ禍を乗り切ろうとしてきた。 ところが11月に入ると、感染の再拡大を受けて商業活動の禁止措置を発表。レストランやバーの営業時間を午後10時30分までに制限した。 この結果、国民への勧告だけでは感染拡大を防げないことがはっきりした──スウェーデンの新型コロナ対策に批判的な国外の論者は、そう考えている。 そうした批判は的外れとは言えない。実際、スウェーデン国民は、政府の指針を守ってこなかった。人口1000万人の国で死者が約8000人に上っても、人々はいまだに混雑したショッピングモールで買い物をし、バーで互いに密接して過ごしている。 そもそも、政府が強制措置を導入したくても権限がないという問題もあった。2020年4月、議会は政府にレストラン、ショッピングモール、スポーツジム、公共交通機関を閉鎖させる権限を期限付きで与えたが、この法律は一度も使われずに6月に失効した。その際、政府は法律の延長を求めなかった。集団免疫(注)により、感染第2波は防げると考えていたからだ。 しかし、スウェーデンのコロナ対策に本当に欠けていたのは、強制措置ではなく、明確な方針だった。 2020年2月に感染拡大が始まったとき、疫学者のアンデシュ・テグネルが主導する公衆衛生庁は、国民に明確な指針を示すことの重要性を強調していた。それにより、一人一人が責任ある行動を取りつつ、日々の生活を続けられるようにし、経済活動の停滞を避けたいと考えたのだ。 ただ実際には、政府が国民に示す指針に問題があったため、指針が十分に守られなかった。まず、買い物や食事の仕方に始まり、教会での礼拝の形式に至るまで、ガイドラインの数があまりに多過ぎた』、一部では、スウェーデンは「集団免疫」の実験ともいわれたが、「政府が国民に示す指針に問題があったため、指針が十分に守られなかった」、というのでは、話にならない。
(注)集団免疫:多くの人が免疫を持つようになることで感染が広がりにくくなること。米政府コロナ専門家は「人口の70~90%が免疫持つ必要」とした(NHK12月25日)。
・『マスクに関する指針の混乱もあった。公衆衛生庁は当初、あらゆる場におけるマスク着用を求めず、公共交通機関など一部の場では有効である「可能性がある」と述べるにとどまった。その際も、マスク着用により「誤った安心感」を抱けば逆効果になりかねないとクギを刺していた。しかし、政府は12月18日、混雑時の公共交通機関でマスク着用を推奨する方針に転換した。 ロベーン首相とテグネルの発するメッセージの食い違いも、混乱に拍車を掛けた(憲法の規定により、公衆衛生庁は政権からの独立性が確保されている)。感染拡大が始まった頃は、公衆衛生庁が対策を取り仕切っていたが、政府の新型コロナ対策への批判が高まるようになると、政府は公衆衛生庁への相談なしに行動し始めた。 政府は11月半ば、公共の場での9人以上の集会を初めて禁止した。テグネルはこの措置について「公衆衛生庁が強く求めた措置では断じてない」と述べている。 スウェーデン政府の計画は、責任と引き換えに国民に自由を与えるというものだったが、責任ある行動の指針を明確に示すことができなかった。もし政府が明確な指針を示していれば、スウェーデンの新型コロナ対策は称賛こそされても、批判を浴びることはなかったかもしれない』、「憲法の規定により、公衆衛生庁は政権からの独立性が確保されている」とはいっても、「政府の新型コロナ対策への批判が高まるようになると、政府は公衆衛生庁への相談なしに行動し始めた」、「政府」としては当然のことだろう。実験がこのような形で中途半端に終わったのは、残念だ。

次に、12月25日付けJBPressが元NHK職員でジャーナリストの:池田 信夫氏による「日本医師会が「医療緊急事態」で騒ぐ本当の理由 医療が逼迫する原因は感染拡大ではない」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63431
・『12月21日、日本医師会など9団体は、異例の医療緊急事態宣言を出した。それによると「このままでは、新型コロナウイルス感染症のみならず、国民が通常の医療を受けられなくなり、全国で必要なすべての医療提供が立ち行かなくなります」という。 たしかに医療現場は大変だろう。感染が拡大していることも事実だが、ヨーロッパでは感染爆発が起こっている。それよりはるかに死者の少ない日本で、医療が崩壊するというのは本当だろうか』、確かに全体としては供給が過剰な「日本」の「医療が逼迫」の真因はどこにあるのだろう。
・『コロナ患者の診療拒否は合理的  まず日本の現状を数字でみてみよう。下の図のようにヨーロッパでは人口10万人あたりの累計死者が100人に達するのに対して、日本は2.4人。ほぼ40分の1である。日本で医療が崩壊するなら、ヨーロッパは全滅しているだろう。 (ヨーロッパと日本の死亡率のグラフはリンク先参照) 他方で日本の医療の水準は高く、人口あたりベッド数はOECD平均の3倍で世界一だ。コロナで人工呼吸の必要な重症患者は全国で約450人に対して、人工呼吸器は4万5000台。全国的には、重症患者が医療資源の限界を超えることは考えられない。 ではなぜ医療が逼迫しているのだろうか。1つの原因は、医師の数がOECD平均の70%と少ないことだ。次の図は感染症指定医療機関の対策病床使用率で、東京都の使用率は94%、大阪府は98%と逼迫している。(コロナ対策病床の使用状況(出所:COVID-19 Japan 新型コロナウイルス対策ダッシュボードはリンク先参照) しかし全国では50.3%と、ほぼ半分があいている。兵庫県は54%、奈良県は44%、和歌山県はわずか5%なので、近隣の病院から大阪府に医師や看護師が応援するか、患者を近隣の指定医療機関に移送すればいいのだが、それはできない。医療法では、都道府県知事が医療機関に指示・命令できないからだ』、どうして出来ないのだろう。
・『行政が民間病院に指示できない特殊事情  医師法の「応召義務」にも罰則がなく、昨年(2019)末に厚労省が「第1類・第2類相当の感染症については診療拒否できる」という通知を出したので、指定感染症(第1類相当)に指定されたコロナ患者の受け入れを拒否することは、民間病院にとっては合法的かつ合理的なのだ。 このため大阪府の吉村知事は、2次救急病院にコロナ患者の受け入れを要請した。公立病院は行政が受け入れを指示できるが、民間の病院は患者を受け入れる義務はないので、行政は「お願い」するしかない。 この背景には、公立病院が少ない日本の特殊事情がある。日本の医療機関数(2014年)は8442と先進国では突出して多く、しかもそのうち公立病院が20%しかない。公立病院の人員配置は国や自治体が指示できるが、民間病院には指示できないのだ。 ヨーロッパでは60~90%が公立病院である。アメリカは22%で日本とほぼ同じだが、公的医療保険が整備されていない。日本のように国民皆保険で国が医療費の7割以上を負担する国で、民間病院がこれほど多いのは奇妙である。 これは戦後復興の時期に、日本の医療が開業医中心に急いで整備され、彼らが地域の中で大きな影響力をもって公的病院の整備を阻止したためだ。ベッドや検査機器の保有台数が多いのも、このように中小企業が多いためだ。 民間病院は経営努力する点ではいいが、感染症のような緊急事態では、行政のコントロールが難しい。医療法にも医師法にも行政が民間病院に命令する法的根拠がないので、コロナは指定感染症に指定して国が規制している』、「戦後復興の時期に、日本の医療が開業医中心に急いで整備され、彼らが地域の中で大きな影響力をもって公的病院の整備を阻止したためだ」、「開業医」優先の「医療行政」の歪みがこんなところにまで及んでいるとは、やれやれだ。
・『特措法を改正して診療拒否に罰則を  しかし実は、指定医療機関にも患者を受け入れる義務はない。感染症法19条では「都道府県知事は、感染症指定医療機関に入院させるべきことを勧告することができる」と定めているだけだ。おかげで今のように一部の病院でスタッフが逼迫しても、国や自治体が他の地域から応援させることができない。 コロナ患者を受け入れると、院内感染で43人の患者が死亡した東京の永寿総合病院のようにマスコミが騒いでバッシングを受け、他の患者が寄りつかなくなるので、普通の病院は受け入れを拒否するのだ。 この問題を解決する1つの方法は、緊急時には行政が民間病院にも患者の受け入れを命じられるように特措法(新型インフルエンザ等対策特別措置法)を改正することだ。 政府は飲食店の営業停止に罰則を設けることを検討しているようだが、それより知事の要請に応じない指定医療機関に罰則を設けることが望ましい。 だがそれはできないだろう。医師会の政治力は、飲食店よりはるかに強いからだ。今のように(実際には罰則のない)指定感染症で圧力をかけるしか行政のとれる手段はないが、これは必要のない事務が膨大で、看護師が疲弊している。 医師会は一般国民に自粛を呼びかける前に、傘下の医師に呼びかけて指定医療機関を応援してはどうだろうか。これには法的根拠は必要ない。その資金は国が特措法でつければいいし、クラウドファンディングで募集してもいい。 もちろん緊急時にボランティアに頼ることは好ましくない。本来は特措法を改正して、緊急時には行政の指示に従わない医師の医師免許を停止するなどの罰則を設けることが本筋だ。医師会が本当に危機感をもっているのなら、制度改正に協力してはどうだろうか』、最近「医師会」は政府のコロナ対策に様々な注文を付けているが、池田氏の主張は説得力が溢れ、同意できる。

第三に、12月28日付け東洋経済オンラインが掲載した医療ガバナンス研究所理事長の上 昌広氏による「日本のコロナ重症患者対応が抱える決定的弱点 医療崩壊の責任は民間病院でなく厚労省にある」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/399850
・『新型コロナウイルス(以下、コロナ)の感染が拡大し、日本の医療は崩壊の瀬戸際にある。12月21日、日本医師会や日本看護協会など9つの団体は、「このままでは全国で必要な全ての医療提供が立ち行かなくなる」と「医療緊急事態宣言」を発表した。 12月25日には、田村憲久・厚生労働相が、病床が逼迫している地域で、重症向け病床がある医療機関に対して、1床あたり1500万円を補助することを表明した。詳細は公表されていないが、実際の患者の受け入れとは関係なく、病床を整備すれば支払われるのだろう。 もちろん対応は不可欠だが、筆者は、このようなやり方に違和感を抱いている。本稿では、日本の重症コロナ対策を海外と比較して論じたい。 まずは下記の表をご覧頂きたい。東アジアおよび欧米の人口当たりのコロナ感染者数、死者数、医師数、病床数を示している。欧米と比較して、日本は感染者も重症患者も少ないことがわかる。12月25日現在、人口1000人あたりの感染者数は1.7人だ。アメリカの33分の1、フランスの24分の1、イギリスの19分の1、ドイツの11分の1だ。 (外部配信先では図表やグラフなどを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) 日本の医師数はアメリカの96%、フランスの76%、イギリスの89%、ドイツの59%だが、急性期病床数はアメリカの3.2倍、フランスの2.5倍、ドイツの1.3倍もある(イギリスは不明)。慢性期病床も加えた総病床数はさらに多い。コロナ重症者に対して、欧米諸国が、それなりに対応しているのに、数の面で大きく見劣りするわけではない日本の医療がどうして崩壊してしまうのだろう。個別個別の病院や医療関係者に責任があるわけではない。全体を統括する厚生労働省の方針、運営に問題があると言わざるをえない』、「全体を統括する厚生労働省の方針、運営に問題がある」にも拘わらず、一般のマスコミが忖度して記事にしないのは大いに問題だ。
・『重症者を集中的に診る病院が整備されていない  ずばり言えば、日本ではコロナ重症者を集中的に診る病院が整備されていないことだ。12月26日現在、都内の病院に入院している重症患者は81人だ。東京都は重症者用ベッドとして220床をすでに確保しており、250床まで増やすように医療機関に要請中だ。 では、どのような病院が重症患者を受け入れているのだろうか。実は、このことについて厚生労働相と東京都は情報を開示していない。知人の東京都議に調査を依頼したが、「東京都からは教えることはできない」と回答があったという。) 厚労省が「特定感染症指定医療機関」に認定している国立国際医療研究センター病院や、「第一種感染症指定医療機関」に認定している都立駒込病院、都立墨東病院、東京都保健医療公社荏原病院、自衛隊中央病院は受けているだろうが、残りはわからない。大学病院で積極的に受け入れている病院は、東京医科歯科大学などごくわずかだ。 知人の都立病院勤務医に聞くと、「1つの病院で受け入れる重症患者は5人程度」という。多くの病院が少数の重症患者を受け入れていることになる』、「多くの病院が少数の重症患者を受け入れている」とは非効率の極みだ。
・『中国やアメリカは専門病院で集中的に治療  実は、このような対応をしている国は少ない。中国の武漢を第1波が襲ったとき、中国政府はコロナ専門病院を建設し、全土から専門家を招聘したことは有名だ。コロナ感染者を専門病院で集中的に治療した。 実は、このような戦略を採ったのは、中国だけではない。下表は、第1波のある時点でのアメリカのマサチューセッツ州における主要病院のコロナ感染者の受け入れ数を示している。トップのマサチューセッツ総合病院は278人で、このうち121人は集中治療室での治療が必要な重症患者だった。 実はマサチューセッツ総合病院は、ハーバード大学の関連施設で、世界でもっとも有名な病院の1つだ。ハーバード大学には付属病院がないため、マサチューセッツ総合病院が実質的にその役割を担っている。 平素は先進医療に力を注ぎ、世界最高峰の医学誌である『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』には、「マサチューセッツ総合病院の症例記録」という定期連載のコーナーがあるくらいだ。 病床数は1000床で、日本の大病院と同規模だが、コロナの流行において、重症患者を一手に引き受けたことになる。受け入れた患者数は、現在の都内の重症患者数の総数よりも多い。 これは東京大学医学部付属病院がコロナ重症者を一手に引き受けたのと同じだ。多くの専門医や看護師を抱えるため、多数の施設に分散して受け入れるより効率的だ。) このような状況はアメリカだけに限らない。イギリスの主たるコロナ引き受け病院を以下の表に示す。マサチューセッツ総合病院ほどではないにしろ、一部の施設で集中的に患者を受け入れているのがわかる。 このような状況を知れば、日本の医療が欧米の数十分の一の重症患者で崩壊してしまうのもご理解いただけるだろう。やり方が悪いのだ。誰の責任かと言えば厚労省だ。 メディアに登場する有識者の中には、民間病院が協力しないので、政府の権限を強化し、強制的に重症患者を受け入れさせるべきだと主張する人もいるが、それは的外れだ。 日本の医療は診療報酬、病床規制、医学部定員規制などを通じて、厚労省が、がんじがらめにしている。小泉政権以降、診療報酬は据え置かれ、開業医と比べて、政治力が弱い病院、特に民間病院は、コロナ感染が拡大したからと言って、病院経営者が柔軟にコロナ重症病床を拡大させる余裕はない。このあたり、病院経営者の本音が知りたければ、筆者が編集長を務めるメルマガ「MRIC」で配信した「コロナ禍における診療体制維持」(http://medg.jp/mt/?p=10026)をお読み頂きたい。都内民間病院院長(匿名)による切実な現状が紹介されている。 5~10人程度のコロナ重症患者を受け入れて、それに対して高額な診療報酬が支払われても、通常の手術などの件数が激減すれば、病院は倒産してしまうし、さらにコロナ重症患者の治療は手がかかり、多くの医師・看護師を要するが、普通の病院にそのような人的リソースはない』、このような状態を放置してきた厚労省・自民党の責任は重大だ。
・『やるならば国公立か独立行政法人しかない  もし、やるとすれば、多数の医師や看護師を抱え、たとえ赤字が出ても、公費で補填される国公立病院(大学病院を含む)か独立行政法人しかない。この「コロナ禍における診療体制維持」を書いた院長は、コロナ感染症対策専門家分科会の会長を務める尾身茂医師に対して手厳しい。 文中で「多くの民間医療機関は新型コロナの入院診療に対応する事は難しく、中心として働くことは困難と言わざるを得ない。今を憂いているならばぜひとも発信してほしい。自らが属する地域医療機能推進機構(JCHO)所謂第3セクター医療機関や公的医療機関が新型コロナ診療に特化するなど中心的役割を果たす」と述べている。私も同感だ。 コロナ重症患者を適切に治療するには、中核施設を認定して、集中的に資源を投下するしかない。これは現在の厚労省の施策と正反対だ。いまのやり方を押し通せば、多くの施設が疲弊し、PCR検査を抑制している現状では、院内感染の多発が避けられない。まさに現在の日本の状況だ。 コロナ対策の「正解」は誰にもわからない。世界中が試行錯誤を繰り返している。われわれは海外から学び、合理的な対応を採ることが必要だ。コロナ重症者対策は方向転換しなければならない』、「日本の医療が欧米の数十分の一の重症患者で崩壊してしまうのもご理解いただけるだろう。やり方が悪いのだ。誰の責任かと言えば厚労省だ」、「コロナ重症患者を適切に治療するには、中核施設を認定して、集中的に資源を投下するしかない。これは現在の厚労省の施策と正反対だ。いまのやり方を押し通せば、多くの施設が疲弊し、PCR検査を抑制している現状では、院内感染の多発が避けられない」、説得力溢れる主張で、全面的に同意したい。

第四に、1月2日付けYahooニュースが転載したBEST TIMES「【第3波を乗り越える】正しいことをやってると信じている全体主義ほど、恐ろしいものはない《岩田健太郎教授・感染症から命を守る講義㊸》」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/012cddafc237839395630541e68879125de82c38
・『なぜ、日本の組織では、正しい判断は難しいのか。 なぜ、専門家にとって課題との戦いに勝たねばならないのか。 この問いを身をもって示してたのが、本年2月、ダイヤモンド・プリンセスに乗船し、現場の組織的問題を感染症専門医の立場から分析した岩田健太郎神戸大学教授である。氏の著作『新型コロナウイルスの真実』から、命を守るために組織は何をやるべきかについて批判的に議論していただくこととなった。リアルタイムで繰り広げられた日本の組織論的《失敗の本質》はどこに散見されたのか。敗戦から75年経った現在まで連なる教訓となるべきお話しである』、正論を断固主張する「岩田氏」の主張とは興味深そうだ。
・『全体主義に抗う  同調圧力が極まると、全体主義に行き着きます。これは日本だけの話じゃなくて、世界のどの国にも全体主義に転ぶリスクは常にあるんです。 ぼくはダイヤモンド・プリンセスのときに、結果的には日本を批判するという形になったので、そのせいで左翼扱いされています。日本って不思議な場所で、日本を批判すると左翼、日本を褒めると右翼扱いされますよね。本来は違うのですが、この国では一応、そういうふうに言葉が使われる形になっています。 でも本当は、右翼も左翼もどちらも良くない。ヒトラーもスターリンも毛沢東もポル・ポトも、みんな危険です。右も左も関係なく、全体主義、言い換えると多様性を認めないことが、とても危ういんです。「合わない人は排除する」という論理は、行き着くと彼らがやったような虐殺に結び付く。 ダイヤモンド・プリンセスでぼくに起こったことは、典型的な全体主義でした。違う意見を認めないで、排除する。しかも追い出した人は、「みんな頑張ってるのに和を乱す奴がおかしい。自分たちは正しいことをやったんだ」と思ってるわけです。それが一番危うい。 正しいことをやってると信じている全体主義ほど、恐ろしいものはないですよ。例えば相模原の障害者施設での虐殺でもそうだし、東京医科大学などで起こった入試での女性差別もそうだし、とにかく「調和を乱す人は排除する」という論理が正当化されると、何でもありになってしまう。極めて危険です』、「ぼくはダイヤモンド・プリンセスのときに、結果的には日本を批判するという形になったので、そのせいで左翼扱いされています。日本って不思議な場所で、日本を批判すると左翼、日本を褒めると右翼扱いされますよね」、「右も左も関係なく、全体主義、言い換えると多様性を認めないことが、とても危ういんです・・・ダイヤモンド・プリンセスでぼくに起こったことは、典型的な全体主義でした。違う意見を認めないで、排除する。しかも追い出した人は、「みんな頑張ってるのに和を乱す奴がおかしい。自分たちは正しいことをやったんだ」と思ってるわけです。それが一番危うい」、「ダイヤモンド・プリンセス」に乗った際に、「感染学」の立場から余りにずさんな対応が行われていたのを批判したとたんに、「下船」を命じられたのは有名だ。
・『だから正しいかどうかとは関係なく、多様性は保持することこそが大事なのです。たとえ間違った意見だったとしても、多様性を保持しないとダメなんです。 その意見がどんなに荒唐無稽であろうと、その意見があるということだけは認めるという原則が守られないと、危ない。「俺はおまえの意見が間違ってると思うから、排除」という社会は、極めて危ない。多様な意見があることそのものは、絶対に否定してはいけません。 例えば上昌広先生がテレビのワイドショーに出て「PCRをどんどんやるべきだ」って言ってますよね。あれに対して、医療界は結構、袋叩きモードになっています。「あの人は感染症の専門家でもないくせに、勝手なことを言って」みたいな人格攻撃をし出していますが、あれはあれで良くない。 ここまでに説明してきたとおり、ぼくも上先生の意見には賛成しませんけれど、だったらそれはそれとして、意見を言う権利はちゃんと認めて、「そこはこういうふうに間違ってますよ」と反応すればいいだけなんです。 そこのところ、医療界はすぐに「上とかいう人間は、けしからん」みたいな話に持っていってしまう。ぼく自身の業界が排除型、全体主義的なところだから、まずは自分の業界から直していくべきですね。 議論に対しては、議論で対応するべき。その上で「これはいい」「悪い」というのはいくらでもやっていいし、やるべきなんだけど、「あいつが許せない」か「排除しろ」みたいな話に持っていくのは、極めて危険です。科学を守るという意味でも、社会を守るという意味でも、この風潮には絶対に抗わないといけない』、「俺はおまえの意見が間違ってると思うから、排除」という社会は、極めて危ない。多様な意見があることそのものは、絶対に否定してはいけません」、小池都知事も野党再編劇で、「排除」の論理を振りかざして大失敗したが、「多様な意見があることそのものは、絶対に否定してはいけません」、同感である。政府・厚労省が狭い視野での「排除」対応を続ける限り、感染拡大防止は期待できそうもない。
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