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トランプ VS バイデン(その3)(アメリカ分裂でバイデン政権の舵取りは困難に 当初から共和党と民主党左派の挟み撃ちに遭う トランプ後の共和党とQアノン アメリカのファシズム的未来、トランプ後の共和党とQアノン アメリカのファシズム的未来、米国という共和政国家の臨死体験 大統領が企てたクーデターの衝撃――マーティン・ウルフ) [世界情勢]

トランプ VS バイデンについては、昨年12月21日に取上げた。今日は、(その3)(アメリカ分裂でバイデン政権の舵取りは困難に 当初から共和党と民主党左派の挟み撃ちに遭う トランプ後の共和党とQアノン アメリカのファシズム的未来、トランプ後の共和党とQアノン アメリカのファシズム的未来、米国という共和政国家の臨死体験 大統領が企てたクーデターの衝撃――マーティン・ウルフ)である。

先ずは、1月14日付け東洋経済オンラインが掲載した米州住友商事会社ワシントン事務所 調査部長の渡辺 亮司氏による「アメリカ分裂でバイデン政権の舵取りは困難に 当初から共和党と民主党左派の挟み撃ちに遭う」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/403457
・『「ユナイテッド航空93便」。9.11アメリカ同時多発テロ事件で、首都ワシントンの連邦議会議事堂に突っ込むためにアルカイダ工作員がハイジャックしたフライトだ。乗客がハイジャック犯と戦い、議事堂に到達する前にペンシルベニア州で墜落した。熱狂的なトランプ支持者は、2020年大統領選を「93便選挙」と称していた。ジョー・バイデン政権発足によってアメリカ社会が変わることを、自らの手で阻止せねばならないといった決死の覚悟を示すものだ。 同時多発テロ事件から約20年が経過した1月6日、ホワイトハウス南側の広場でトランプ大統領の演説を聞いた支持者たちはペンシルベニア通りを南東に下り、連邦議会議事堂に乱入。アルカイダも実現しなかったことを成し遂げた。民主党支持者やアメリカのリベラル系メディアなど大手メディアの大半は、議会乱入者を抗議者とは呼ばず「反乱者」や「国内テロリスト」と称している。 9.11後、テロ攻撃に衝撃を受けたアメリカ国民の声を反映し対テロ政策導入に向け政治家は党を問わず団結した。今回も衝撃を受けた国民は多くいるが、政治家は団結するであろうか。議会を攻撃したのは国外のテロ組織ではなく身内で片方の政党の支持基盤であったこと、そして国は二極化していることからも、それは疑わしい』、「熱狂的なトランプ支持者は、2020年大統領選を「93便選挙」と称していた」、やはり彼らの熱量は相当高かったようだ。
・『共和党支持者の多くはトランプ勝利を信じている  トランプ支持者の議事堂乱入により自らの命が危険にさらされた後も、共和党出身の上院議員8人、下院議員139人が、一部の州のバイデン勝利の認定について異議を唱えた。共和党の支持基盤はトランプ氏の勝利を信じて疑わない。2020年12月時点で共和党支持者の72%が2020年選挙の結果を信用しないと回答している(NPRとPBS<いずれも公共の放送局>、マリスト大学による共同世論調査)。そのため、議員は自らの再選や大統領選出馬などを視野に入れて行動したようだ。 また、新興右派放送局のワン・アメリカ・ニュース(OAN)、ニュースマックス、そしてフォックスニュースのコメンテーターなども、今回の事件を糾弾するのではなく、議会乱入者は左翼の活動家ネットワークであるアンティファではないか、との陰謀説まで語っている。これらのメディアやソーシャルメディアを通じて情報を得る多くのトランプ支持者は、陰謀説による妄想の別世界にいる。事実上のクーデターに参画しているという自覚がない支持者が多数いるとも、指摘されている。 1月20日正午にバイデン政権が発足することは、トランプ氏も認め、確実となった。ようやくホワイトハウスの住人となるバイデン氏だが、トランプ政権から引き継ぐ国内外の危機は過去の大統領が経験したことがないほど深刻だ。1世紀ぶりのパンデミック、経済危機、人種問題をめぐる社会不安、そして気候変動問題など、政権が直面する課題は山積みだ。だが、発足当初から政権運営の最大の悩みの種となるのは、南北戦争(1861~1865年)以来とも指摘される社会の二極化であろう。議事堂乱入事件でそれが浮き彫りになった。 4年前までバイデン氏の上司であったオバマ前大統領も社会の二極化を危惧していた。オバマ氏が一夜で政界のスターに飛躍した2004年民主党全国大会の演説は、すでに国の団結を呼びかけたものであった。しかし、オバマ政権下でも二極化は進み、トランプ政権でさらに悪化した』、「これらのメディアやソーシャルメディアを通じて情報を得る多くのトランプ支持者は、陰謀説による妄想の別世界にいる。事実上のクーデターに参画しているという自覚がない支持者が多数いるとも、指摘されている」、恐ろしい「分断」だ。「発足当初から政権運営の最大の悩みの種となるのは、南北戦争(1861~1865年)以来とも指摘される社会の二極化」、その通りだろう。
・『バイデン氏の中道政策に反発、党内の亀裂も鮮明  大統領就任式はその2週間前にトランプ支持者がよじ登って占拠した連邦議会議事堂西側で開催される予定だが、バイデン氏はその場で国家の団結を改めて訴えるに違いない。 29歳の若さで上院に初当選し、半世紀近く首都ワシントンで過ごしたバイデン氏は「ワシントンの生き物」とも称される。上院幹部そして副大統領を経験し、ここまで政治経験が豊富な大統領は、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺後に引き継いだリンドン・ジョンソン大統領(1963~1969年)以来とも指摘される。バイデン氏はアメリカの分裂を修復することに楽観的な見方も示しているが、その長いワシントン経験によって実現できるのであろうか。 不正選挙でバイデン氏が大統領に就任したと信じるトランプ支持者は多数いるが、ほかにも懸念はある。自身を含む穏健派と急進左派やリベラル派との間で見られる民主党内の対立だ。バイデン氏は2020年12月末、メディアに対しアメリカ政治は中道にシフトしたと語り、中道の政策を推進する意志を明らかにした。 「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」を掲げ当選しワシントン政治の伝統を破壊してきたトランプ大統領に対し、バイデン氏は「アメリカを再び正常に(Make America Normal Again)」とする政策だと、政治専門家は揶揄している。確かに有権者が政治の正常化を望んでいる面もあるだろう。 だが、民主党内で最も勢いを増している左派は、中道の政策を望んでバイデン氏を支持したわけではない。民主党を統一させる効果を発揮したのはバイデン氏の掲げる政策ではなく、トランプ氏の存在と同大統領の危機対応についての懸念であった。 1月5日、ジョージア州上院決選投票で民主党候補2人がともに勝利したことで大統領府、上下両院の3つすべてを握る「トライフェクタ(三冠)」を民主党は実現した。 上院で共和党が多数派を維持していたら、バイデン政権が成立を願う法案は共和党ミッチ・マコネル上院院内総務によって阻止される運命にあった。だが、上院奪還により民主党チャック・シューマー上院院内総務が議題を決定できることになる。またバイデン政権の閣僚など政府高官も上院で承認が容易になる。より大規模な対コロナ経済支援策、インフラ整備法案の可決なども可能性が高まる。バイデン政権にとっては公約実現のうえで、トライフェクタは朗報だ』、確かにその通りだが、楽観も禁物だ。
・『2022年に早くも下院過半数を失うおそれ  ところが、次回選挙を考慮すると必ずしもバイデン氏は喜べないかもしれない。共和党が上院多数派を維持していた場合、左派が望むグリーン・ニュー・ディール、オバマケアの大幅な改革をはじめ左寄りの政策に関わる法案を議会で可決できないことについて、バイデン氏は共和党に責任を転嫁できた。しかし、トライフェクタでは左寄りの政策の法案可決に期待が高まり、政権に対する左派からの圧力が強まる。 だが、上院では財政調整法を利用した一部の法案を除き、フィリバスター(議事妨害)を廃止しない限り、採決に入るためには60票の賛成票が必要だ。つまり、引き続き穏健派を含む民主党上院議員の50票すべてと共和党上院議員10票が必要となる。また、下院でも民主党の過半数確保はギリギリの状態(民主党222議席、共和党211議席、空席2議席)である。民主党提出の法案にすべての共和党議員が反対した場合、民主党6人が造反すれば可決できない。 そのため、バイデン政権は穏健派の動向に配慮し、左派が望む法案をすべて推進するわけにはいかない。バイデン氏は左派と穏健派の間で板挟みとなる。その結果、不満を抱く左派は2024年大統領選民主党予備選で独自の候補を擁立する可能性さえあろう。 一方、共和党は、民主党がトライフェクタを成立させたために、かえって、民主党の政策を過激なものだとして、反対運動を展開しやすくなる。2020年大統領選では、民主党に対して、社会主義、過激な左派、とのレッテルを貼ったが、2022年の中間選挙で同様のことを行えば、共和党は特に下院を奪還する可能性がある。2021年、共和党はバイデン政権に協力せず、妨害行為を拡大するかもしれない。 日々の大統領のツイッターなどで振り回された4年間のトランプ政権の混乱後、バイデン政権は政策に一貫性を取り戻し、表面上はアメリカ政治が落ち着きを取り戻したように見えるかもしれない。しかし、バイデン氏は、同氏が不正選挙で選ばれたと考える多くのトランプ支持者、さらには民主党左派といったさまざまな抵抗勢力に対応せねばならない。危機対応においては幅広い国民からの支持が欠かせない。バイデン氏の政権発足後のハネムーン期間は短いものとなりそうだ』、「トライフェクタでは左寄りの政策の法案可決に期待が高まり、政権に対する左派からの圧力が強まる」、「上院では・・・引き続き穏健派を含む民主党上院議員の50票すべてと共和党上院議員10票が必要となる。また、下院でも民主党の過半数確保はギリギリの状態(民主党222議席、共和党211議席、空席2議席)である」、微妙な綱渡り状態を余儀なくされrそうだ。

次に、1月18日付けNewsweek日本版が掲載した元CIA諜報員のグレン・カール氏による「トランプ後の共和党とQアノン、アメリカのファシズム的未来」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/glenn/2021/01/q-1_1.php
・『<議事堂で「トランプ愛」を叫んだ暴徒に対し、警察の対応が弱腰だったのはなぜか。トランプが去っても「トランプ」は終わらない。変貌した共和党とQアノン(注)の陰謀論は、この国の民主主義を今後何年も危険にさらし続けるだろう>(本誌「トランプは終わらない」特集より) 怒れるドナルド・トランプ大統領の支持者が米連邦議会議事堂を占拠した事件を目にしたアメリカ人は、催涙ガスや議事堂のバルコニーにぶら下がる暴徒の姿に衝撃を受けた。 まさに反乱と呼ぶしかない事態は、残り任期わずかとなった政権の内部崩壊と大統領の弾劾につながる可能性がある。(編集部注:1月13日、下院により再び弾劾訴追を受けた) アメリカ民主主義の中心である連邦議会で起きた悪夢は、60年間にわたって悪化してきた政治的緊張の論理的・必然的な帰結だ。トランプは1月6日の連邦議会への突入を直接扇動し、最初はテレビ画面を見ながら喜んでいたという。 だがトランプは、現在の共和党を特徴付ける分断と社会的保守主義を一瞬だけ代表するグロテスクで無能なリーダーにすぎない。この根深い潮流はアメリカの社会と政治をますます麻痺させ、今後何年もこの国の民主主義を危険にさらすだろう。 1月6日に議事堂を占拠した暴徒のほとんどは白人だった。彼らは驚くべき計画性と組織性を示した。 わずか2時間前、ワシントンの2キロ離れた場所で演説したトランプは、議会による大統領選の結果認定に圧力をかけようと総勢4万人とも言われる群衆を直接扇動し、連邦議会議事堂に向かわせようとした。 「徹底的に戦わなければ、この国を奪われることになる。ワイルドなことになるぞ!」と、トランプは言った。 多数のトランプ支持者がリーダーの指示に従い、議事堂を襲撃。アメリカ民主主義の中心を占拠した。トランプ派のジョシュ・ホーリー上院議員は議事堂に入るとき、こぶしを上げて彼らの到着を歓迎した。 しかし、昨年11月3日の選挙結果を覆すという彼らの試みは失敗に終わった。当然だろう。 暴徒にできたのは破壊することだけ、「トランプ主義」とは怒りと恨み以外にほとんど何もない代物だ。それでも暴れ回るトランプ支持派は、民主主義と法の支配というアメリカ共通の理想を蹂躙することには成功した』、「わずか2時間前、ワシントンの2キロ離れた場所で演説したトランプは、議会による大統領選の結果認定に圧力をかけようと総勢4万人とも言われる群衆を直接扇動し、連邦議会議事堂に向かわせようとした」、明らかにけしかけたようだ。「トランプ派のジョシュ・ホーリー上院議員は議事堂に入るとき、こぶしを上げて彼らの到着を歓迎した」、上院議員がすることとは思えない。
(注)Qアノン:アメリカの極右が提唱している根拠のない陰謀論(Wikipedoia)
・『警官の対応が弱腰だった理由  国や社会が崩壊し始めるとき、人々は「内部の裏切り」に非難の矛先を向ける傾向が強くなる。不本意ながら筆者は、連邦議会の防衛ラインを突破した暴徒が迷路のような議事堂のどこに行けばいいか知っているように見えたことを指摘しなければならない。 そして彼らは、議事堂内で議論する議員たちを守る役目の警官の一部から、少なくとも暗黙の支援を受けているようにも見えた。警備担当者の一部については、暴徒が議事堂周囲のバリケードを通り抜けるのを許し、彼らと一緒に自撮り写真に興じる姿が映像に残っている。 警察が完全に不意を突かれ、議事堂への暴徒の襲撃に対処する計画を立てていなかったとは考えにくい。 ジョー・バイデン次期大統領の就任式前の期間、アメリカでは誰もが首都での暴力の危険性を議論していた。ワシントン市長は不測の事態に備え、数日前に州兵を招集していた。つまり、トランプ支持派による議事堂襲撃計画は周知の事実だった。 連邦議会議事堂の警備を担当する議会警察(USCP)は、襲撃や暴動から議事堂を守る計画を立てるのが唯一の仕事だ。 連邦政府で数十年働いた筆者の経験でも、想定し得る全ての脅威や攻撃にどう対応するかを全ての建物と職場で計画し、訓練を行っていた。ところが議事堂を占拠した暴徒は、当局がようやく態勢を整えるまでの4時間、自由に動き回っていた。 もっとも、議会が暴徒に蹂躙されるような大惨事の原因は、悪意ある陰謀ではなく組織的無能の結果であることが多い。筆者も何度となく経験したことだ。 連邦議会の敷地の警護を任された600人の警官は、暴力的な無数のデモ隊による襲撃に対処する準備ができていなかった。議会警察の責任者は無計画のまま、現場の警官を置き去りにした。 だが賢明なことに、警察は武力の行使は避ける決意を固めていたようだ。武力行使は危険なデモを血の海に変え、アメリカ民主主義の中心たる議事堂の階段や廊下で数十人以上が命を落とす危険性があった。 国防総省はこの日のデモを見越して招集された300人の州兵の役割を交通整理などの「非対立的」な仕事に限定し、武装を禁止した。6カ月前、ホワイトハウス前で行われたBLM(ブラック・ライブズ・マター=黒人の命は大事)運動のデモに対する行き過ぎた対応の二の舞いを避けたかったのだろう』、「賢明なことに、警察は武力の行使は避ける決意を固めていたようだ。武力行使は危険なデモを血の海に変え、アメリカ民主主義の中心たる議事堂の階段や廊下で数十人以上が命を落とす危険性があった」、大規模な流血が避けられたことは、確かに不幸中の幸だ。
・『南北戦争以降で最悪の危機  そのため警官たちは、自分たちだけで暴徒と対峙する羽目に陥り、観光客を誘導するためのバリケード以外に何もない状態で襲撃に対処していた。 暴徒は1人の警察官を消火器で殴りつけ、殴られた警官はこのときの負傷が原因で死亡した。暴徒の1人は襲撃の際に射殺され、当局が4時間以上たって治安を取り戻すまでに、さらに3人が命を落とした。 賢明な自制心のためか、それとも内心でトランプ支持派に共感していたのか。それはともかく、暴徒の襲撃に対する警察の弱々しい対応は、半年前の完全に平和的なBLMのデモに対する暴動鎮圧用装備の兵士の対応と対照的だった。 議事堂で銃撃を受けて死亡した暴徒の女性がトランプ支持の極右陰謀論グループ「Qアノン」の思想を信奉していたことは意外ではない。Qアノンの陰謀論によれば、トランプはアメリカを救うために神が送り込んだ救世主だとされる。 トランプは、世界を牛耳る官僚や民主党員、ユダヤ人、CIA職員、国際金融資本などによる陰謀から一般庶民を守ろうとしていて、これらの勢力はトランプを抹殺しようとしている──と、Qアノンは信じている(ちなみに、筆者は元CIA工作員・元米連邦政府職員で、民主党を支持していて、子供時代にユダヤ人の町で育ち、金融機関で働いた経験もあるが、残念ながら世界を牛耳ってはいない)。 暴動は得てしてそういうものだが、議事堂で起きた出来事は、トランプ支持派にダメージを与える結果を招いた。 上院で誰よりも卑屈なまでにトランプ支持を打ち出していたホーリーとテッド・クルーズの両上院議員はこの一件で厳しい批判を浴び、2人の政治的立場は(少なくとも現時点では)今回の事件が起きる前よりもかなり苦しくなっている。 トランプ自身も、ついに大統領選での敗北を認めざるを得なくなった。 トランプ支持派の議事堂乱入は、アメリカにとって19世紀半ばの南北戦争以降で最悪の危機と言っていい。しかし、アメリカの民主主義に対してそれ以上に大きな危険の種は、昨年11月の大統領選でトランプに投票した膨大な数の有権者の思考の中に潜んでいる。 それにより、アメリカは、トランプが去った後も長期にわたり、社会的・政治的な分断と衝突に苦しめられるだろう。 共和党はこの60~80年ほどの間、右傾化し続けてきた。これは、圧倒的に白人中心だったアメリカ社会が多民族社会へ移行し、あらゆるグループに平等な権利を認めるようになり始めたことへの反発が生み出した結果だった。 共和党は白人の既得権、大企業の利益、一部の人への富の集中を擁護する政党に変貌している。今日の共和党的発想によれば、連邦政府の政策はほぼ全て、「昔ながらの生き方」と「自由」を否定し、白人に犠牲を強いてマイノリティーを「不公正に」(とこの勢力は考えている)優遇するものに見えている』、「暴徒の襲撃に対する警察の弱々しい対応は、半年前の完全に平和的なBLMのデモに対する暴動鎮圧用装備の兵士の対応と対照的だった」、「アメリカの民主主義に対してそれ以上に大きな危険の種は、昨年11月の大統領選でトランプに投票した膨大な数の有権者の思考の中に潜んでいる。 それにより、アメリカは、トランプが去った後も長期にわたり、社会的・政治的な分断と衝突に苦しめられるだろう。 共和党はこの60~80年ほどの間、右傾化し続けてきた。これは、圧倒的に白人中心だったアメリカ社会が多民族社会へ移行し、あらゆるグループに平等な権利を認めるようになり始めたことへの反発が生み出した結果だった」、深い分析だ。
・『トランプ後も変わらないもの  壊された議事堂の窓ガラスはいずれ修復され、建物に充満した催涙ガスの臭いはすぐに消えるだろう。そして、トランプはやがて嘲笑の対象になるだろう。トランプ後の共和党を主導する政治家たちが公然と暴動をけしかけることも考えにくい。 しかし、共和党を支持する社会的・人種的グループがアメリカ社会の支配的地位から滑り落ち続けることに変わりはない。共和党のリーダーたちはこれからも、役割を果たそうとする政府の足を引っ張り、社会変革と経済的再分配を妨害し続けるだろう。 共和党は、異人種に対して被害者意識を抱く人々の政党と化していて、政府の機能を有用なものと考えず、自分たちの「リーダー」を祭り上げることにより、民主政治の「抑制と均衡」の仕組みを弱体化させようとしている。 これは、もはやファシズム以外の何物でもない。問題は、そのような政党がアメリカの2大政党の1つであることだ。 4年半前の2016年7月、トランプがこの年の米大統領選の共和党候補者指名を獲得したとき、筆者は本誌への寄稿「自称『救世主』がアメリカを破壊する」の中でこう記した(2016年8月9日号)。 「古代ギリシャの哲学者は(トランプの)出現を予見していた......古代の賢人が警告してから2400年後、そして近代初の民主共和制の国アメリカが誕生してから240年後の今、賢者の警告を裏付けるようにトランプは出現し、アメリカの政治制度を破壊しようとしている」 アメリカ政治の麻痺状態は、今後もますます深刻化するだろう。共和党が政治的存在感を失い、政治システムが白人の怒りと不満と妨害行為を克服し、金融エリートたち(大半は白人だ)が経済的・政治的実権を握り続ける状況に終止符が打たれるまで、政治の機能不全は続く。 アメリカの民主政治は、トランプ政権の4年間で破壊される一歩手前まで来た。トランプと共和党が生み出したQアノンの狂気とファシズムは、その破壊をいっそう進行させるのかもしれない。 <2021年1月19日号「トランプは終わらない」特集より>』、「共和党は、異人種に対して被害者意識を抱く人々の政党と化していて、政府の機能を有用なものと考えず、自分たちの「リーダー」を祭り上げることにより、民主政治の「抑制と均衡」の仕組みを弱体化させようとしている。 これは、もはやファシズム以外の何物でもない。問題は、そのような政党がアメリカの2大政党の1つであることだ」、事実とすれば、恐ろしいことだ。著者は民主党系なので、共和党系の人の見解も知りたいところだ。

第三に、1月26日付けJBPressが:Financial Timesを転載した「米国という共和政国家の臨死体験 大統領が企てたクーデターの衝撃――マーティン・ウルフ」を紹介しよう。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63799
・『起きたことは、以下の通りだ。 米国のドナルド・トランプ大統領は何カ月もの間、何の裏付けもなく、公正な選挙で自分が負けるはずはないと断言していた。 案の定、敗北すると不正な選挙のせいにした。この主張には今でも、共和党支持者が5人に4人の割合で同意している。 大統領は、選挙結果を覆すよう各州の当局者に圧力をかけた。 これに失敗すると、今度は各州から送られてきた大統領選挙人の投票結果に目をつけ、副大統領と連邦議会議員を脅してこれらを却下させようとした。 さらには、その求めに従うよう議会に圧力をかけるために、議事堂を襲撃するよう扇動した。 その結果、約147人の連邦議会議員(うち8人は上院議員)が、州から提出された投票結果を却下することに賛成した』、「マーティン・ウルフ」氏は、チーフ・エコノミクス・コメンテーターで、よく日経新聞んも寄稿している。「約147人の連邦議会議員(うち8人は上院議員)が、州から提出された投票結果を却下することに賛成した」、というのは深刻だ。
・『「大嘘」が反乱に発展  端的に言えば、トランプ氏はクーデターを企てた。 もっと悪いことに、共和党支持者の大多数は、こうした行動を取ったトランプ氏の理屈を受け入れている。ものすごい数の連邦議会議員が同調した。 クーデターが失敗したのは、裁判所が証拠のない訴えを棄却し、各州の当局者がきちんと務めを果たしたからだ。 だが、歴代の国防長官10人は、選挙に関与しないよう米軍に警告する必要性を感じた。 筆者は2016年3月、トランプ氏が共和党大統領候補に指名される前から、この人物は重大な脅威になると論じていた。 トランプ氏が、偉大な共和政国家の指導者に求められる資質を全く持ち合わせていないことは明らかだった。 ところがその後、甚だしい不適格さを補う「欠点」があることが判明した。 ある民主主義国について次のような話を聞かされたら、読者はどう反応するだろうか。 現職が明らかな敗北を喫した選挙が不正に行われたものだったという「大嘘」、この嘘を拡散した偏向メディア、それを信じた有権者、反乱を起こした暴徒による議会襲撃、そして、その嘘が作り出した疑惑に対処するために選挙を中断しなければならないと主張する議員たち――。 恐らく、この国は死の危険にさらされていると結論づけるだろう。 米国は多数決主義の国家ではない。小さな州はその少ない人口に見合わない議決権を持ち、人種差別による投票権行使抑制の歴史がある州すら存在する。 しかし、誰が政権を握るかは選挙で決めることになっている。 2大政党の片方の支持者の大半が、自分たちが負けた選挙は「盗まれた選挙」だと考えたら、果たしてこの仕組みは機能するだろうか。 平和的に権力を獲得し、正統にこれを保持することなど、できるものか。どちらが政権を担うかを決める要因は、暴力しか残らない』、「クーデターが失敗したのは、裁判所が証拠のない訴えを棄却し、各州の当局者がきちんと務めを果たしたからだ」、なるほど。「2大政党の片方の支持者の大半が、自分たちが負けた選挙は「盗まれた選挙」だと考えたら、果たしてこの仕組みは機能するだろうか。 平和的に権力を獲得し、正統にこれを保持することなど、できるものか。どちらが政権を担うかを決める要因は、暴力しか残らない」、恐ろしいことだ。
・『ポスト・トゥルースはプレ・ファシズム  米エール大学のティモシー・スナイダー氏が主張するように、「ポスト・トゥルースはプレ・ファシズムであり、トランプが我々のポスト・トゥルース大統領だった」。 もし真実が主観的なものなら、力が物事を決めるしかない。そうなれば、本当の意味での民主主義は存在し得ない。 互いににらみ合う乱暴者の集団が複数できるか、ボスが率いる圧倒的に大きな集団が1つできるかのいずれかだ。 米国という共和政国家の国際的な信用にとってこれがいかにひどい時代だったか、そして世界各地の独裁者たちをいかに喜ばせてきたか、楽観論者であっても同意せざるを得ないだろう。 しかし、楽観論者は次のように言うかもしれない。 米国は厳しい試練の時代をくぐり抜けてきた、今度もまた国内外で約束を新たにする、ちょうど1930年代に、今よりもはるかに危険だった時代にフランクリン・ルーズベルトがやったように――。 残念ながら、筆者はそう思わない。共和党は扇動のせいですっかり堕落してしまっている。 筆者が本稿を書くや否や、左派の暴力や社会主義者についての不満が語られ始めることは分かっている。 しかし、民主党の主要メンバーには、トランプ氏に相当する人物は絶対に見当たらない。プレ・ファシストがいるのは右派の方だ。 もっと悪いことに、トランプ氏自身は病原体ではなく症状でしかない。ジェームズ・マードック氏は先日、次のように語った。 「議会議事堂の襲撃は、我々が危険だと考えていたものが本当に、恐ろしいほど危険であることを証明している。視聴取者に嘘を広めてきた放送局は、気がつかないうちに拡散して手に負えなくなる勢力を野に放った。連中はこの先何年も、我々の近くに居続ける」 父親のルパート・マードック氏が築いた、あの有害なフォックス・ニュースのことを言っていたのだろうか』、「もっと悪いことに、トランプ氏自身は病原体ではなく症状でしかない」、確かにその通りなのかも知れない。
・『共和党が進む道  トランピズムのポスト・トゥルース的世界の創出において右翼メディアのバブルが一役買ったことは明らかだ。 富豪が資金を提供した「制度内への長征」(注)についても、同じことが言える。 この長征によって作り出された司法部門は一般庶民の武装、目に見えない政治献金、そして格差の拡大をもたらし、民主的な安定性を危険にさらしている。 最も厄介なのは、減税や規制緩和の実行に必要な有権者の支持を集めるために、人種による分断の政治という、米国史の非常に不愉快な一部分を共和党のエリートが兵器として利用したことだ。 早すぎる「絶望死」を経験しているのは、大学卒の学歴を持たない白人たちだ。しかし、右翼の真の敵はリベラル派であり、社会における少数派民族だ。 右派の政治が今の姿を保つ限り、大統領選以降に露わになった危険性が消えることはない。連邦議会の共和党議員は、ジョー・バイデン新大統領を失敗させようとするだろう。 狂信的な議員と、自分の出世を何よりも重視する議員は手を組み続ける。常軌を逸した右翼プロパガンダも吐き出され続けるだろう。 そのような運動が次の大統領候補に選ぶのは、果たしてどんな人物か。ミット・ロムニー氏のような従来型の保守政治家だろうか。そうではあるまい。 トランプ氏は道を示した。今後は多くの人々がその道をたどろうとするだろう。 あれほど多くの共和党議員が連邦政府を失敗させたり富める者をさらに富ませたりすることを目標に掲げている限り、同党の政治はそのように機能するに違いない』、「トランプ氏は道を示した。今後は多くの人々がその道をたどろうとするだろう。 あれほど多くの共和党議員が連邦政府を失敗させたり富める者をさらに富ませたりすることを目標に掲げている限り、同党の政治はそのように機能するに違いない」、困ったことだ。
(注)「制度内への長征」:1960年代、西ドイツの学生運動家のルディ・ドゥチュケが唱えた社会の機構の完全な一部となることにより、政府や社会の中から過激な変革を実現するという考え方(Wikipedia)。米国の動きとの関連は不明。
・『歴史の大きな転換点  我々は歴史の重要な転換点にさしかかった。 米国は世界で最も強く、最も大きな影響力を誇る民主的な共和制国家だ。過ちや欠点がどれほどあっても、世界の手本であり、民主的な価値観の守護者だった。 トランプ氏の指揮下で、これが消え失せた。トランプ氏は一貫して、この共和制国家の理想に体現された価値観や願望に敵対していた。 トランプ氏は失敗した。しかも、同氏がクーデターを企ててから、同氏の脅威が現実のものだったことを誰も否定できなくなっている。 だが、それでは十分ではない。もし米国の政治が今後、大方の予想通りに展開していくなら、トランプのような人物は増えていく。 そのなかには、トランプ氏本人よりも有能で無慈悲な人物がいて、成功を収めるかもしれない。 そのような事態を阻止するのであれば、米国政治は今こそ、真実を重んじる姿勢と排他的でないタイプの愛国主義へのシフトを断行しなければならない。 共和政を取っていた歴史上最後の超大国はローマだったとされる。しかし、富裕層と権力者が共和政を破壊し、軍事独裁政を敷いた。 米国が誕生する1800年も前の話だ。米国という共和政国家はトランプの試練を生き延びた。だが、まだ死の淵から救い出してやる必要がある』、「ローマ」帝国を持ち出すとはさすが、英国人のコメンテータらしい。「米国という共和政国家はトランプの試練を生き延びた。だが、まだ死の淵から救い出してやる必要がある」、「救い出す」にはかなり難路で、相当の努力も必要なようだ。
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