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飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度) [生活]

今日は、飲料一般(その1)(精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?、金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴、オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断、ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度)を取上げよう。

先ずは、昨年12月5日付け東洋経済オンライン「精神医療の現場で感じるストロング系のヤバさ 精神科医の松本俊彦氏が感じる危機感とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393553
・『「ストロングZEROは『危険ドラッグ』として規制したほうがよいのではないか。半ば本気でそう思うことがよくあります」 2019年の大晦日。このような書き出しで始まる投稿をある医師がフェイスブックで行った。その後、この発言はネットを中心に波紋を広げることになる。 投稿者は、国立精神・神経医療研究センター病院の薬物依存症センター長を務める松本俊彦氏。過激とも受け取れる発言をしたのはなぜか。インタビューをしたところ、背景にあったのは精神医療の臨床現場で感じる危機感だった(Qは聞き手の質問、Aは松本氏の回答)』、興味深そうだ。
・『エチルアルコールは依存性薬物  Q:ストロング系酎ハイを危険ドラッグとみなす発言は、ネットニュースでも大きく報じられ話題になりました。酒類メーカーの反論などありましたか。 A:メーカーからクレームを受けると思っておびえていたが、それはなかった。まあ、放っておけということなのだろう。 一方、同業である精神科医たちからは、「そうだよね」と同意してくれる声が多かった。依存症を専門とする精神科医師の間では、「ストロング系はヤバい」という認識が以前からあった。ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている。 家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む。しんどい1日が終わった後、自分へのご褒美として飲んで気を失って、そしてトラブルを起こす。 酩酊した状態でコントロールが効かなくなり、リストカットの傷を深く入れてしまう女の子もいる。しらふだったらそこまで切らないのに、ざくざくと切ってしまって大騒ぎを起こす。精神科臨床の現場では、そういう事例をすごく見るようになった。 Q:先生の専門は薬物依存の治療です。それなのにアルコールの問題に声を上げたのはなぜですか。 A:覚醒剤などの薬物使用をがんばって断ち切っても、使いたいという欲求はやはり出てくる。そのときに「お酒ならいいだろう。薬物ではないのだから」と、酒に移行する人が一定数いる。 「酔っ払って訳がわからなくなれば薬物への欲求もなくなる」と思って一生懸命飲む。だけど、本当に訳がわからなくなって、売人に連絡を取ってしまい気づいたら注射器が腕に刺さっていました、というような人が結構いる。このようなケースは、ストロング系が出てきてから多くなったと感じる。 酒に含まれるエチルアルコールは、れっきとした依存性薬物。極端な言い方になるが、エチルアルコールは依存性という点で大麻よりもはるかに危ないと思っている』、「ストロング系が登場してから、患者の酔い方がおかしくなってきていると臨床現場では感じている」、「家庭の問題や不安定な雇用環境などが原因で生きづらさを抱えている人たちは、お酒を楽しむために飲んでいるのではなく、つらい気持ちを紛らわすため、意識を飛ばすために飲む」、こんな飲み方を放置すれば、かなりの人が「アルコール依存症」になってしまいそうだ。何らかの対策が必要だろう。

次に、12月6日付け東洋経済オンライン「金原ひとみ「ストロング系は罪深き飲み物」 『蛇にピアス』の作家が語る魅力と落とし穴」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393675
・『「朝起きてまずストロングを飲み干す。化粧をしながら二本目のストロングを嗜む」――。 出版社で働くミナは他人に口外できない秘密を抱えていた。それは誰もがうらやむ存在だった同棲中のイケメン彼氏・行成が鬱(うつ)病で引きこもり状態になったことだ。 芥川賞作家の金原ひとみさんが文芸誌『新潮』2019年1月号で発表した短編小説『ストロングゼロ』。つらい現実から逃れるために、アルコール度数9%の缶チューハイ「ストロング」に依存していく女性が描かれている。 自身も愛飲しているという金原さんに、作品着想の経緯や、ストロング系飲料の魅力と落とし穴について聞いてみた(Qは聞き手の質問、Aは金原氏の回答)』、「自身も愛飲しているという金原さん」の見解とは興味深そうだ。
・『退廃的で何かに依存する人々の姿を描いた  Q:まずは『ストロングゼロ』を執筆した経緯を教えてください。 A:6年間住んだフランスから2年前に帰国して以来、日本人とお酒の関係をすごく特殊に感じてきました。仕事においてもお酒が関わってくる飲み会文化があったり、お酒に酔って人前で醜態をさらすことが日常化していたりする。フランスではあまり見ない光景が、数年ぶりに見たときにすごく印象的でした。 日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています。 ストロング系は飲んでいる層が若く、ほかのアルコール飲料よりもいろいろな層に広がっていると実感しました。自分自身も飲んでいたし、外でも日常的に目につくようになった。電車の中やコンビニの駐車場で飲んでいる人もいて、とても退廃的で興味深く感じていました。そこで、何かに依存する人々というテーマで書いてみたいと思ったんです。 Q:作中では主人公のミナがコンビニのアイスコーヒー用の氷入りカップに「ストロング」を入れて、社内でストローを使って堂々と飲むシーンがあります。「何飲んでるのと聞かれたらレモネードか炭酸水と言えばいいのだ」と妙にリアルです。 A:この方法は出版社に勤める知人の男性から聞きました。その話を別の知人にしたら、「うちの会社にもいますよ」と言う人もいて。酒飲みが考えることは同じなんだなと。「いつも酒臭くてバレバレだ」と言っていたけれども。これは依存の渦中にある人でないと思いつかない発想だなと、ありがたく使わせてもらいました。 Q:金原さん自身もお酒がお好きだそうですね。本作以外の作品にもお酒が登場することが多いように感じます。 A:自宅にはビールやワインを常備しています。基本的にビールから入って、次にチューハイやストロング、最終的にワインに行き着くという飲み方。ストロングゼロも自宅にいつも置いてあります。ネット通販で毎回1箱(24缶)を買うのですが、私も旦那も飲むので割とすぐなくなります。 Q:ストロング系の魅力はどこにありますか。 A:一番は手軽さと安さでしょうか。安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う。ニーズに合っていて、かつ、人を魅惑する商品だと思います』、「日本はコンビニがどこにでもあって、しかも24時間営業なのでいつでもお酒が買えます。これだけ誘惑が多いと、多少自制心があっても阻まれる。自分を甘やかすことのできる環境になっています」、(「ストロング系」が)安く簡単に酔えるということを、ここまで鮮やかに実現してしまうと社会に浸透していくのは不思議ではないし、いろいろな問題も生じてくると思います。 本当に口当たりがよくて、ゴクゴクいけちゃうので、罪深い飲み物だと思う」、「罪深い飲み物」とは言い得て妙だ。

第三に、12月7日付け東洋経済オンライン「オリオンビールが「ストロング系」をやめた理由 9%チューハイ発売から7カ月で下した決断」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/393679
・『自社初となるチューハイ商品を出してからわずか7カ月で商品戦略を大きく転換した企業がある。沖縄のビールメーカーであるオリオンビールだ。 同社は2019年末、自社ブランド「WATTA(ワッタ)」の商品群からアルコール度数9%のストロング系を外した。ストロング系の生産停止を決断したのは、2019年7月から経営トップを率いる早瀬京鋳社長だ。 生産をやめた理由は何だったのか、オンライン形式のインタビューで真意を尋ねた(Qは聞き手の質問、Aは早瀬氏の回答)』、「ストロング系」「を出してからわずか7カ月で」「生産停止」とは何があったのだろう。
・『高アルと健康志向の商品を作る矛盾  Q:ストロング系の生産をやめた背景には何があったのですか。 A:2019年の11月頃、あるNPO団体が主催した会合でのやりとりが転機となった。社員と参加したその会合は社会問題を幅広く研究する場だった。私たちが自己紹介をすると、「今日はオリオンビールの方がいて、ちょっと言いにくいんですけど」と、参加者の1人が切り出した。 薬物やアルコールの依存症問題に関わるNPO団体の方で、次のような話をしてくれた。 「コンビニで買った高アルコール(高アル)チューハイを1~2本飲み、酔っ払って倒れるように寝る。そのような習慣を持つアルコール依存症の人はすごく多い」 ちょうどこの頃、社内ではアルコール度数の低い健康志向商品を作る企画を進めていた。われわれはアルコール依存症の温床とも指摘されている商品と同時に、健康志向のアルコール商品も作ろうとしている。そこに何か矛盾を感じた。 営業マーケティング部門や製品部門、幹部が全員集まる大きな会議がある。その場で私は「高アルをやめる?」と述べ問題提起した。 Q:突然の発言に反対の声が上がったのでは。 A:当然、その場はざわついた。「チューハイの売り上げの4割を占める商品ですよ」と。「でも4%がいちばん売れているんだよね」と返した。 実際、「ワッタ」の売り上げの4割はアルコール度数9%のストロング系だったが、度数4%の商品のほうが売れていた。つまり当社のチューハイで消費者が支持していたのは、アルコール度数ではないということ。シークヮーサーなど沖縄の県産品とコラボしていることなどを評価してくれていた。 コンビニやスーパーでぜひ確かめてほしい。お酒の売り場がどれだけ度数9%の商品で埋められているかを。 商品訴求の優先順位において、アルコール度数の位置づけを下げる会社が1社ぐらいあってもいい。しかも健康志向の商品を作っているのだから、高アルはもうやめようとなって、2019年12月に9%商品の生産を停止した』、「アルコール度数の低い健康志向商品を作る」際に、アルコール依存症の温床とも指摘されている商品(ストロング系)を止めたとは、「オリオンビール」の英断だ。

第四に、12月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した百年コンサルティング代表の鈴木貴博氏による「ストロング系バブルを過熱させる「巣ごもり飲酒家庭」急増の深刻度」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/256870
・『ストロング系チューハイが大人気 背後で何が起きているのか  最近、ストロング系チューハイの功罪両面についての話題が目につきます。ストロング系チューハイとは、価格が安くアルコール度数が高いチューハイの総称で、今若者を中心に大人気となっているお酒です。 功罪の「功」の面としては、ウィズコロナで低迷する消費のけん引役としての評価が高い商品だという点です。小売の酒類の現場で見れば、とにかく売れている。どれくらい売れているかというと、今年4月にストロングゼロを含むサントリーの缶チューハイ「-196℃」ブランドの売り上げが、ギネスブックで世界記録に選ばれたほどです。 ウィズコロナ期間に相当する今年4月から8月のお酒の累計課税数量は、全体で前年同期比6%のマイナスです。中でも清酒やビールなど主力製品の売れ行きが前年割れと振るわない中で、リキュール(缶チューハイはこの分類に含まれる)は対前年で16%のプラスとなっており、群を抜いています。 ひとことで言えば、世帯収入が減る中で「安くてすぐに酔えるストロング」は庶民の味方となっているわけです。 一方で功罪の「罪」の面として、そのアルコール度数の高さから、ストロング系缶チューハイの健康に対するリスクの指摘が相次いでいます。口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念です。 私は医療ではなく経済の専門家なので、まず経済の切り口で、今ストロング系缶チューハイとウィズコロナ消費について何が起きているのかを、見てみたいと思います。そのうえで、社会全体としてこの問題が何を意味するのかをまとめてみます。 私たちコンサルが世の中の消費動向を把握する手がかりとしてよく使うデータが、国が発表する『家計調査』です。9000世帯の家計簿を統計にしたものですが、これがミクロの消費動向を把握するのにはとにかく役立ちます』、「口当たりがよく簡単に酔えることから、これから先、依存症患者が増えてくるのではないかという懸念」、確かにリスク要因だ。
・『「ウィズコロナ消費」を理解するという意味では、今年7~9月の四半期データを見るのがいいでしょう。典型的な家計という視点で「2人以上の勤労者世帯」のデータを見ると、この期間、支出全体は前の年と比べてマイナス8.3%でした。今夏はやはりコロナの影響で、消費は停滞していたことがわかります。 品目別に前年と比べて2割近く節約されたものを見ると、外食、旅行、交際費全般、そしてファッションといったお金の使途が並びます。これらは、ウィズコロナで悲鳴を上げている業界のリストと合致しています。しかも「GoTo」で政策的に需要を創り出したうえでの2割減ですから、この先GoToの自粛や停止が広がれば、さらに需要は低迷しそうです。 そのぶん、巣ごもり消費で食料全般への支出が増えていると思うかもしれませんが、実際には、食料全体の増加分は前年比プラス1%とわずかなものです。この時期、生鮮食料品の価格全般が値上がりしていたことを考えると、むしろ食費については巣ごもりが進んだにもかかわらず、節約が徹底していたと考えるべきでしょう』、なるほど。
・『コロナ禍の巣ごもり消費で顕著に増えたのは酒とたばこ  さて、ウィズコロナのこの時期に消費が対前年比で2割以上増えた品目を探すと、4つしかありません。1つは自転車。増えた理由も何となくわかる商品ではありますが、家計に占める支出額としてはそもそも非常に小さい品目です。2つ目は健康関連の商品。これが増えるのはまあ、当然でしょう。 そして残る2つの品目が、本稿のテーマにも関係するものなのですが、酒とたばこです。 今年7~9月期の2人以上の勤労者世帯で、酒の支出は前年から24%増、そしてたばこは何と31%増となっています。ちなみにこの統計データは、今年10月のたばこの値上げ前のデータなのですが、6月も30%増となっているので、駆け込み需要というよりも、単純に喫煙者の外出が減ったぶん、たばこを吸う本数が増えたということが、この統計からは読み取れます。 自宅での酒の支出の増加については、追加の考察が必要だと思います。ここまでの話で酒の課税データを見ると、ウィズコロナでの課税数量は6%のマイナスになっています。つまり、外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多いのではないかという見方もありえます』、「外食でお酒を飲まなくなった減少分の方が、自宅でお酒を飲むようになった増加分よりも寄与が多い」、外飲みの方が飲む量が多いので、当然だろう。
・『課税数量は減ってもアルコール量は減っていない現実  では、酒飲みの方のアルコールの量は減ったのでしょうか、それとも増えたのでしょうか。 全体像を捉えるにあたって気を付けるべきポイントが、2つあります。1つは国税庁の課税データで、アルコール度数の少ないビールの数量が減って、アルコール度数の高い缶チューハイの数量が増えていることです。つまり、課税数量は減っていてもアルコールの量は減っていない可能性がある。これが1つ目のポイントです。 そしてもう1つは、外食が減った分、お付き合いでお酒を飲む人の消費はまるまる減ったということです。我が家は典型的にそういう家庭ですが、家族は外食するとお付き合い程度にアルコールを口にします。しかし、自宅の冷蔵庫にビールや缶チューハイは入っていません。そういった世帯のアルコール消費は、そもそも外食の自粛とともにすっかりなくなってしまいます。 そう考えると、逆に冷蔵庫にアルコールが常備されている家庭においては、ウィズコロナ期間、アルコールの消費量は増えているという風に統計を読み取るべきでしょう。 家庭内でのアルコールの支出を家計調査で見ると、緊急事態宣言が発令された4月、5月に対前年比で約3割も増加したうえで、解除後の6月以降も毎月約2割増をキープしています。それを考えると、コロナ第三波による自粛で巣ごもりが増えるであろうこの冬には、また支出が前年比3割増のラインに戻ることが予想されます。 さて、ここまでの話をまとめると、ウィズコロナ消費についての異様性が際立ちます。 平均的な国民の収入が減り、財布のひもが堅く締められている。緊急事態宣言後も旅行や外食は手控えられ、外出が減った関係で、ファッションにもお金は使わない。食費もそれなりに節約する中で、たばこと酒の量だけが増えている――。 統計を見る限り、今の日本の家庭はそういう状態になっています。結構思い当たることも多いと思いますが、これはかなり衝撃的な傾向ではないでしょうか』、「たばこと酒の量だけが増えている」、健全な姿とはいえないようだ。
・『コロナ禍で酒が精神安定剤に? ストロング系チューハイの功罪  酒とたばこの消費が増えているというのは、当たり障りのない表現です。経済的にはその通りなのですが、社会学的に言うと、これは「精神安定剤」の需要が増大していることを意味しています。コロナで健康面でも経済面でも先行きが不安だから、酒とたばこに手を伸ばす人が増えたということに他なりません。 現在、習慣的に喫煙をしている人は17%、週3~4回以上飲酒している人は約30%というのが、社会全体におけるだいたいの構成比です。全体から見れば少数派のこういった人たちが、この半年間、ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている。だとしたら、全体の平均の数字よりも実態はさらに深刻なはずだというのが、医療関係者が問題提起し始めた警告の中身です。 その中で、特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い。フルーツの風味で口当たりがよく、350ミリリットル缶があっという間に空いてしまう。そのアルコール量は、一缶で日本酒の1.5合に相当します。 「でも、何を飲もうと個人の勝手だろう?」という疑問がわいてくるかもしれません。お酒のメーカーにとっても、「不況下の数少ないビジネスチャンスなのだから、とやかく言われたくない」という気持ちはわかります。 しかし、私にはやはりこの問題が気になってしまいます。理由は「ある本」を読んだからかもしれません。イギリス人ジャーナリストのジェームズ・ブラッドワースが著した『アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した』という、かなり物騒な題名の本です。これは著者が、イギリスで最底辺と言われる職場に自ら身を置いた際の体験談です。 彼は著書の中で、自身がアマゾンの倉庫で働いた時期の平均的な支出を公表しています。1週間の手取り給与が147ポンド、つまり日本円でだいたい2万円です。うち1万円が家賃に消え、残りの大半が食費に消えます。 その1万円の内訳は、3000円が食堂のランチ代に、4000円はマクドナルドやシリアル、コンビニなどのジャンクフードに、1400円がビールに、そして700円がたばこに消えていきます。 このような収支ぎりぎりの日常に身を置いてみた著者のジェームズ・ブラッドワースが実感したのは、それらの支出の中でも「ビールとたばこは削れない」ということだったのです。 彼曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」ということです』、「ウィズコロナの巣ごもり消費の中で、先行き不安からたばこと酒に依存する傾向が強まっている」、「特に問題視されているのが缶チューハイのストロングです。9%とアルコール度数が高いわりに、ビールよりもずっと安い」、「イギリス人ジャーナリスト」曰く、「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合であって、ぎりぎりの生活で不安とともに暮らす中では、体に悪いとわかっていても、心を安定させてくれるものに手を出してしまうものなのだ」。「「健康のバランスについて考えることができるのは、中流以上の生活をする場合」、確かにその通りなのかも知れない。
・『「巣ごもり飲酒」は社会不安によるアルコール依存症の拡大問題  つまり、ウィズコロナの時代になった今年4月以降、急激に家庭内でのアルコール消費量が増えているという事実は、経済と健康の両面に関わる社会不安に端を発した依存症の拡大問題として、捉えるべきではないでしょうか。 そして同時に、これは政治にしか解決できない問題でもあります。企業の収益が先細る中で、酒造メーカー各社が売れ筋の製品の製造を制限するのは、簡単にできることではありません。実際には、沖縄のオリオンビールがストロングを取りやめたというニュースがありますが、4大メーカーがそれに追随する気配はありません。ただでさえ、利益の追求をやめたら、株主から訴訟を起こされるかもしれない時代です。 一方で、政治ならこの流れを変えられる。その一例が酒税の改正です。アルコール度数に応じて課税するようにルールを変更すれば、少なくとも安くて簡単に酔える商品が売れ筋になることはなくなるでしょう。ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題だと捉えることが正しいように思います。読者の皆さんはどう思うでしょうか』、「ウィズコロナ時代の「ストロング系問題」は、経済が解決できない社会問題であり、政治問題(酒税の改正)だと捉えることが正しい」、同感である。
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