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尖閣諸島問題(その7)(中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的、中国「海警法」への過剰反応が かえって武力衝突リスクを高める理由) [外交]

尖閣諸島問題については、昨年12月11日に取上げた。今日は、(その7)(中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的、中国「海警法」への過剰反応が かえって武力衝突リスクを高める理由)である。

先ずは、3月18日付け日経ビジネスオンライン「中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的」を紹介しよう(Qは聞き手の質問)。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00179/031600044/
・『Q:中国が2月、海警局に「武器使用」を認めたことに耳目が集まる。日本政府は与党に対し、海警局が尖閣諸島への上陸を強行するなら、兇悪犯罪と見なして危害射撃を加える場合があると説明した。「やられたら、やり返す」と聞こえる。これに対して、日本の防衛政策や現場に詳しい香田洋二・元自衛艦隊司令官(海将)は、「国際法をないがしろにしかねない。竹島や北方領土の周辺を航行する海上保安庁の巡視船や、南シナ海で航行の自由作戦を展開する米海軍の艦船を危険にさらす恐れさえある」と指摘する。果たしてそれはなぜか。 中国が海警法を2月1日に施行しました。海上警備に当たる海警局に武器使用を認めたことが注目されています。例えば第22条で「国家の主権、主権及び管轄権が不法に侵害され、または不法に侵害される危険が差し迫っているとき」は「その侵害を停止し、危険を除去するために、武器の使用を含むあらゆる必要な措置を講ずる権利を有する」との趣旨を定めています。 例えば海警船が以下の行動に出る懸念が浮上してきました。 ケース1:尖閣諸島周辺の日本の領海内で操業している漁船に対し、違法操業だとして停船命令を出す。拿捕(だほ)されることを恐れて、網やロープを流し、あるいは船体を破損する強度の装備品などを海警船の進路上に投入するなどして追跡を妨害しながら逃げようとする漁船に対して武器を使用する。 ケース2:日本の海上保安庁の巡視船に対して強制退去を命じる。 海警法第21条は、外国の軍艦もしくは公船が中国の法令に違反した場合、退去させるための必要な措置を取れるとし、さらに、退去を拒否する場合は強制撤去、強制えい航の措置が取れると定めている。「武器使用が可能」と明記してはいない、「強制撤去」は武器使用を含むと解釈できる。この場合、武器使用のための要件解釈と決断をするのは中国であり、海警局が日本側の言い分や都合に合わせて武器使用の判断をすることはない。 香田:私は日本政府やメディアをはじめとする人々の目が武器使用にのみ集まっていることを強く危惧しています。中国海警局による武器使用は海警法の本質ではありません。この本質は、海警局の船が「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行動を取る可能性が高まったことです。このことを理解し、尖閣諸島をいかにして守るのかをきちんと考えるべきです。 武器については、日本の海上保安庁も一定の条件を満たせば警察官職務執行法を準用して使用することが認められています。言及されたケース1もケース2も、同法が正当防衛、緊急避難のための危害射撃を許しているので、これを適用すれば事足りる話です。武器使用の規定があることをもって海警法を非難したり、恐れたりすることは問題の本質を見失います。武器使用について申し上げれば、その問題は、海警法が定める武器使用の条件と程度が警察官職務執行法のそれと同等か否かです。 (武器の使用)第七条 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十六条(正当防衛)若しくは同法第三十七条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。(後略) 関連してお話しすると、「中国海警局の船が軍艦並みの武器を備え始めている」と懸念する声も、現時点においては公平を欠くと思います。76mm速射砲を装備するといわれる海警局の船は最近建造されたタイプです。海上保安庁の発表によく出てくる、尖閣諸島周辺で一団となって行動する4隻からなるグループの多くはそれ以前の無武装タイプであり、武装しているのは1隻というケースがほとんどです。中国はこのグループを3~4セット配備して、尖閣諸島周辺の海域を交代制で24時間365日航行する体勢を取っているものとみられます。 これに対して海上保安庁は沖縄県石垣島に尖閣諸島専従として10隻の巡視船を配備しています。それぞれの性能は世界最高水準でいずれも20~40mmの機関砲を装備しています。将来は分かりませんが、現時点においては、隻数ではやや劣るものの全体として中国にひけを取るものではありません。 よって、中国が海警法を施行したのを奇貨として我々が考えるべきは、武器使用という「木」ではなく尖閣諸島をいかに守るかという「森」なのです』、「中国海警局による武器使用は海警法の本質ではありません。この本質は、海警局の船が「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行動を取る可能性が高まったことです」、「武器については、日本の海上保安庁も一定の条件を満たせば警察官職務執行法を準用して使用することが認められています」、「中国が海警法を施行したのを奇貨として我々が考えるべきは、武器使用という「木」ではなく尖閣諸島をいかに守るかという「森」なのです」、さすがプロらしい適格な指摘だ。
・『海警局による尖閣諸島への上陸強行も  Q:「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行動として、具体的にはどのような行動があり得るのでしょうか。 香田:海警の船が尖閣諸島への「近接」「上陸」「占拠」「奪還」という行為に及ぶ恐れがあります。 中国共産党は海警法の施行のほかにもその布石を打ってきました。例えば海警局はもともと政府の下にある法執行機関でした。海上保安庁と同じ存在だったわけです。しかし2018年の組織改正で政府を離れ、中国共産党中央軍事委員会の指導下に入りました。軍事行動の先兵になり得るということです。 最近でも、中国共産党ナンバー3の栗戦書(リー・ジャンシュー)全国人民代表大会(全人代)常務委員長(日本の国会議長に相当)が海警法の狙いを「習近平(シー・ジンピン)強軍思想を徹底し、新時代の国防と軍隊建設の需要に応える」ことと説明して世界の耳目を集めました』、「「習近平強軍思想を徹底し、新時代の国防と軍隊建設の需要に応える」、穏やかではなさそうだ。
・『「侵略」を「犯罪」とする対処案、対応誤れば国際法違反  香田:これに対して日本政府は、国内の政治事情にとらわれており適切な対応を取れていません。自民党の国防部会・安全保障調査会に対し、外国公船が尖閣諸島への上陸を強行したなら「兇悪犯罪と認定して武器使用により相手の抵抗を抑える『危害射撃』が可能になる場合がある」と説明しました。 政府によるこの説明は2つの大きな問題をはらんでいます。1つは、危害射撃が可能とするその理由です。 先ほど触れた警察官職務執行法第7条には続きがあり、「兇悪な罪」に臨んだときには武器を使用して危害を加えることを容認しています。 一 死刑又は無期若しくは長期三年以上の懲役若しくは禁こにあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。 政府の説明はこの条項を使って、海警局の艦船が尖閣諸島への上陸を強行するなら「兇悪な罪」と見なすということです。果たして中国が「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行為は、日本の法律で裁くことができる犯罪なのでしょうか。 Q:私も政府の説明を知って、海警局の艦船がどんな行動を取ったら刑法の何条に違反するのだろうと疑問に思っていました。「国家の意志に基づいて中国が主張する自国の領土である尖閣諸島を奪取する」行為は日本の刑法が定める「犯罪」ではなく、日本にとっては「主権(領土)侵害」すなわち「侵略」です。 香田:そうなのです。外国による国家の意志に基づく行動に対して、刑法という日本の国内法を適用することは不適切です。関連していうと、軍艦と公船は治外法権を持つとする国際ルールがあります。外国の法の適用は受けないということです。 であるにもかかわらず、海警局の艦船が取る行動に日本の法律を「適用できる」と強弁すれば、国際法をないがしろにすることになります。中国が南シナ海において「九段線内に中国の主権が及ぶ」と主張するのと同じことになります。今回の説明がそれほど重大な意味を持つことに政府は気づいていないのでしょうか。恐らく専門家が検討したのでしょうが、今ここで述べた点に言及できない背景があったと考えざるを得ません。 加えて、海警船による尖閣諸島への強行上陸を犯罪と見なすということは、政府がこれを「一過性」の事態とみていることを示します。果たして一過性ですむでしょうか。「国家の意志に基づいて中国の領土である尖閣諸島を奪取する」という国家の任務を遂行するのですから、海上保安庁による抵抗が強く計画通りの奪還作戦ができない場合、海警局が後詰めの部隊を連続して投入してくることは戦理の常です。上陸行動を波状的に繰り返すことも考えられるでしょう。 海上保安庁の人員に被害が生じる可能性も覚悟する必要があります。先ほど言及したように、尖閣諸島周辺の海域における海上保安庁の装備は、現時点においては、中国海警局の装備に見劣りするものではありません。しかし、「国家の意志に基づいて中国の領土である尖閣諸島を奪取する」任務行動ですから、当然、海上保安庁の抵抗を排除し得る性能の装備を拡充して臨んでくることを想定しなければなりません。 海警局はこれまでも着々と装備を拡充していますね。2010~20年に大型船を約60隻から130隻以上に拡充したと報じられています。1万トン級の大型船の配備も進んでおり、尖閣諸島周辺の海域に長期間居座ることができるようになりました。海上保安庁の関係者が「中国海警局の艦船がロケットランチャーを装備したら対応できない」と発言したと聞いたことがあります』、「軍艦と公船は治外法権を持つとする国際ルールがあります。外国の法の適用は受けないということです。 であるにもかかわらず、海警局の艦船が取る行動に日本の法律を「適用できる」と強弁すれば、国際法をないがしろにすることになります。中国が南シナ海において「九段線内に中国の主権が及ぶ」と主張するのと同じことになります」、日本政府の現在の解釈は、国際法からみても極めて問題が多いようだ。
・『航行の自由作戦を遂行する米軍が撃たれる  日本政府の説明がはらむもう1つの問題は、第1の問題と密接に関連します。兇悪な罪に関わるとする外国の公船や軍艦を危害射撃の対象としたことです。国際法上、平時には警告しか認められていません。外国公船や軍艦への危害射撃(攻撃)は通常、戦闘行為を意味します。この解釈に至る検討は相当に慎重であるべきでした。結果的に、我が国政府による今回の説明は同盟国である米国の軍事行動にも負の影響を与えかねません。 Q:米国の軍事行動にも影響するのですか。 香田:そうです。例えば米海軍は南シナ海において航行の自由作戦を展開しています。これにはいくつかケースがありますが、米国による航行の自由作戦そのものを認めない中国がこの米艦の活動を国内法違反と強弁することは十分にあり得ます。日本政府の今回の説明を援用すれば、中国は「米海軍の軍艦が中国の法律に違反したので危害射撃を加えてもよい」と主張できることになります。 最悪の場合、中国海警船が米艦のスキを突いて不意の危害射撃をする事態があり得るのです。先にも申しましたように、国内法違反の有無と武器使用の判断をするのは中国なのですから。米国が注意を促しても、あるいは抗議をしても、中国は「米国が最も信頼する同盟国である日本が同様の主張をしている」とさらに反論するでしょう。 結果的であるにせよ、米国の行動の選択肢を狭め、米軍を危機にさらすリスクが増大することは事実です。日本政府がこのような状況をつくるのは賢明ではありません。 航行の自由作戦は、中国が領海と主張する海域を米海軍の艦船が航行することで「中国の主張を認めない」との意志を示す行動ですね。米イージス巡洋艦「ラッセン」が南シナ海にあるスビ礁の周辺12カイリ内を2015年10月に航行したときから注目を集めるようになりました。 中国は同礁を自国の領土と見なしており周辺12カイリを領海と主張しています。もともと低潮高地であった同礁を埋め立てて人工島を形成し、滑走路などの軍事施設を建設しました。しかし、国連海洋法条約は低潮高地に対して領海を認めていません。よって米国はこの海域を中国の領海ではなく公海と見なしラッセンを航行させました。加えて中国はその領海法で「外国の軍艦が中国領海内を航行する場合には事前に許可を得る」と定めていますが、これも無視しました。 香田:よって、ラッセンが取った行為は、中国からすれば領海法という中国の国内法に違反する行為に当たります。米艦船が今後行う同様の行為に対して中国海警船が危害射撃を加えてもかまわないと主張する根拠というか「お墨付き」を、今回の日本政府の主張により中国に与えることになってしまったのです』、「日本政府の今回の説明を援用すれば、中国は「米海軍の軍艦が中国の法律に違反したので危害射撃を加えてもよい」と主張できることになります」、日本政府の法解釈は余りにお粗末だ。
・『竹島や北方領土で海保の巡視船が撃たれかねない  Q:竹島や北方領土の状況にも影響が及びそうですね。 香田:その通りです。例えば、韓国政府が日本政府による今回の説明を援用すればどうなるでしょうか。竹島周辺の排他的経済水域(EEZ)を航行する海上保安庁の巡視船が韓国国内法に違反しているとして、韓国海洋警察庁の船艇が発砲する事態が起こり得るのです。 韓国の国内法にどのような規定があるのか、そのすべてを我々は知っているわけではありません。また、この場合も判断は韓国側が実施することから、日本側には何がどうなっているのか全く分からないまま事態が進行することがあり得るのです。よって、こうした懸念やリスクが存在することは、日本の行動をしばるとともに韓国の行動の選択肢を広げることにつながります。 EEZにおいて何が許されて何が許されないのか、国連海洋法条約がそれを定めています。そして、同条約はどの国も内容を理解している。だからこの条約の範囲内で解決を図るべきなのです。そこに国内法を持ち込めば収拾がつかなくなってしまいます。 海上において海員は、(1)国連海洋法条約、(2)海上衝突予防法、(3)国際信号書さえ知っていればどこでも航行できるというのが現行の国際ルールの大原則です。これらに加えてさらに周辺国の国内法の規定まで知っていなければ安全な航行ができない、という環境を、国の生存を海洋に大きく依存する日本がつくるべきではありません』、「EEZにおいて何が許されて何が許されないのか、国連海洋法条約がそれを定めています。そして、同条約はどの国も内容を理解している。だからこの条約の範囲内で解決を図るべきなのです。そこに国内法を持ち込めば収拾がつかなくなってしまいます」、確かに「国連海洋法条約」「の範囲内で解決を図るべき」。
・『本来なら防衛出動を発令し自衛隊が対処すべきだが…  Q:日本政府はなぜ、ご指摘のような問題をはらむ説明をしたのでしょう。「国家の意志に基づいて中国の領土である尖閣諸島を奪取する」侵略行動に対しては、自衛隊が対処すべきではありませんか。 香田:これが冒頭述べた政府解釈の背景に関連するものです。1つには、憲法9条の解釈をめぐる長年の問題が影響していると考えます。ご指摘のように、主権(領土)侵害行為すなわち侵略に対しては、政府が防衛出動を発令し自衛隊が克服すべきです 。しかし、これまでの経緯から防衛出動の発令には厳しい条件が課されており、発令のハードルは非常に高いのが現状です。 Q:武力行使の新三要件ですね。 (1)わが国に対する武力攻撃が発生したこと、又はわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること(存立危機事態) (2)これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと (3)必要最小限度の実力行使にとどまること  香田:政府は(1)の「武力攻撃」について、「一般に、一国に対する組織的計画的な武力の行使をいう」と国会で答弁しています。政府は、海警船による尖閣諸島への強行上陸をこの武力行使と判断するでしょうか。これまで国会でなされてきた論議に鑑みると、非常に難しい気がします。 加えて、中国が海警法で「海上警察機関」と表現する海警局の艦船に対して、日本が海上自衛隊の護衛艦を出動させれば、中国は「日本が先に武力行使に踏み切った」と言い立てる懸念があります。 Q:政府はこうした材料を中国に与えかねないことも考慮しているようですね。 香田:その通りです。しかし、こうした環境であっても目の前の現実に対処しなければなりません。そこで、今までの政府の立場の延長に立つ理屈として、海警局の行為を兇悪な罪と見なし、海上保安庁に対処させようと考えたのだと思います。 この対応は、先ほどお話ししたように、中国による九段線の主張と変わるところがありません。憲法9条の解釈をめぐる国内事情に気を配るあまり、肝心の尖閣諸島防衛と国際ルールの順守が脇に追いやられているのです。 また、海上自衛隊部隊の投入に対するためらいは、中国の行動の本質が我が国の主権侵害であるという事実を、我が国政府が世界に堂々と発信することにより対処すべきです。自衛隊の投入遅れにより尖閣諸島を奪取されることがあってはなりません。そして、我が国のこの措置は、時宜を得た明確なものであれば、多くの国に理解されると考えます。もちろん、政府の広報戦への備えが必要なことは言うまでもありません』、「憲法9条の解釈をめぐる国内事情に気を配るあまり、肝心の尖閣諸島防衛と国際ルールの順守が脇に追いやられているのです」、困ったことだ。
・『海上保安庁に「防衛」の任務を付与する  Q:政府の今回の説明が適切でないならば、日本はどうしたらよいでしょう。 香田:3つの案があります。これらをすべて実行することが望ましいと考えます。中国が海軍および海警局の装備を急速に拡充している現状に鑑みて、海上保安庁と自衛隊が持つアセット、つまり我が国の海洋力を総合的にフル活用して事に当たる体勢を整える案です。 第1は、防衛出動を発令する要件を緩和すること。その論拠としている国連憲章との関係も考慮すれば「一般に、一国に対する組織的計画的な武力の行使をいう」という表現を変えるのは難しいでしょう。しかし、「組織的」「計画的」をゆるくとらえ、ハードルを下げることは可能ではないでしょうか。 主権侵害に対処する任務を一義的に付与されているのは自衛隊です。自衛隊が事態に遅れることなくその任務を果たせるよう環境を整えるのが、政府の本来あるべき姿であり、施策だと考えます。 国民感情などを踏まえるとこれは容易ではないかもしれません。ただ、我が国政府には今までの政府解釈の墨守だけでなく、我が国を取り巻く安全保障環境の激変に対応した実利的な検討をする責任があることも事実です。これを実施しなかった結果として尖閣諸島を喪失する事態など決して許してはなりません。 といっても、防衛出動を発令する要件の緩和には時間がかかることも事実でしょうから、第2として、海上保安庁法を改正し、防衛出動が発動されるまで現場にいる海上保安庁の巡視船と海上保安官が自衛隊の代わりに主権を守るための防衛行動を取れると明記するのです。) 海上保安庁の現在の任務は、海上保安庁法第2条が以下と定めています。(1)海難救助、(2)海洋汚染等の防止、(3)海上における船舶の航行の秩序の維持、(4)海上における犯罪の予防及び鎮圧、(5)海上における犯人の捜査及び逮捕、(6)海上における船舶交通に関する規制、水路、航路標識に関する事務その他。同庁は「主権等を確保するための領海警備等」に取り組んでいると言いますが、第2条はそれを明示していません。 また海上保安庁法は第25条で「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と定め、軍隊として行動することを禁じています。この条文は、日本がまだ占領下にあった1948年に海上保安庁が活動を始める際、「大戦中に暴れまくった連合艦隊を再びつくるものではない」という意志を国内外に示すために挿入した条文です。今日ではその役割を既に終えています。 よって、この第2条と第25条を改正し、海警局の船が「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行動に出たときには例外的に、海上保安庁が防衛組織として領域の警備に当たれるようにすると明記するのです。ただし、海上保安庁の国防組織としての任務がこのような事態に厳格に限られることは当然です。通常の海上法執行機関としての海上保安庁の活動のほとんどは今まで通りとなります。 第3は、海上自衛隊が平時において警戒監視の任務を担えるようにすることです。これを自衛隊法に明記する必要があります。 巡視船をはじめとする海上保安庁の装備は、世界トップの中国海警に次ぐ優秀さを備えています。特に海上保安官は世界一の任務遂行能力を有しているといえます。しかし、パラシュート部隊が空から降下して尖閣諸島に上陸するとか、ダイバーが潜航して尖閣諸島に近づき夜間に上陸するといった行動に対処する装備と能力は保有していません。 現在の特殊パラシュートは機能が高く、西風が強いときに尖閣諸島西方上空で降下すれば数十km飛ぶことができます。仮に50人の特殊要員がこれに取り組めば、到達率50%でも25人が探知されずに上陸・占拠できます。水中のダイバーが、尖閣諸島の10カイリほど沖で潜水艦から水中航行機器を使用して近接する場合、潜ったまま近づいて来れば巡視船は探知することはできません。朝、目が覚めたら、尖閣諸島に中国の国旗である五星紅旗が翻っていたということがあり得るのです。 これは荒唐無稽な話ではありません。去る2月11日に特殊部隊展開能力を有する米海軍原子力潜水艦「オハイオ」が沖縄近海を航行しました。これはその種の訓練を実施したものと推察されます。中国も同等の能力を持ちつつある、あるいは既に保有していると考えるべきなのです。 海上保安庁が尖閣諸島の「主権等を確保するための領海警備等」を現行法と体制で実施可能としているのは、海警船に対して「のみ」ということです。我が国政府がなすべきは、あらゆる種類の尖閣諸島奪還活動への備えです。その意味において、我が国は現在、想定される事態の一部に対する備えしかないのです。 一方、海上自衛隊はこれらに対処する十分な対空・対潜警戒能力を備えています。なので、自衛隊が警戒監視に当たってこうした脅威の兆候をいち早く察知し、海上保安庁の巡視船はもちろん、警察など関係機関に知らせ、必要な行動が迅速に取れるようにする。例えば警察特殊部隊をヘリで尖閣諸島に運び中国海警局の要員による上陸に備えることができるでしょう。現在持っているアセットをフルに生かすのです。自衛隊の投入が可能な場合には陸上自衛隊部隊の緊急空輸もなされるべきです。 現在の自衛隊法には平時の「警戒・監視」が任務として定められていないという瑕疵(かし)があります(関連記事「自衛隊の中東派遣をめぐる議論が示した安保法制の瑕疵」)。これを改めることは、尖閣諸島を守るための必須要件です。情報収集を含む「警戒・監視」はすべての防衛行動の基礎となるものですから』、「自衛隊法には平時の「警戒・監視」が任務として定められていない」のは、警察の任務だからで、あえて「自衛隊」が乗り出す必要はない。
・『法律論では、尖閣を中国の奪還作戦から守れない  警察官もしくは海上保安官、陸上自衛隊の部隊を尖閣諸島に常駐させる案が時々浮上します。実現できれば尖閣諸島防衛の確実度を高めることができますが、その半面、中国を強く刺激する懸念があります。中国が海警法第20条で「外国が中国の管轄区域で承認を得ることなく建築物を建設した場合は撤去を命じることができ、それを拒むときには強制的に撤去できる」との趣旨を定めたのは、日本がこうした措置を取るのを予想してのことだと考えられます。 仮に、我が国が施設を作り、政府職員、警察官あるいは陸上自衛隊の部隊を常駐させるとするなら、予測される中国の熾烈(しれつ)な奪還作戦に対処する防衛出動をいつでも出す覚悟と制度の整備をもって取り組む必要があるでしょう。この体制を採らない、この案は実施時を失してしまったということです。 繰り返しになりますが、中国が“自国の領土”を奪還すべく海警局を先兵として尖閣諸島に侵攻するシナリオは荒唐無稽な話ではありません。そして、いったん着手すれば、その意志を放棄する可能性は極めて小さいでしょう。我々は憲法9条の解釈をめぐる神学論争を脇に置き、国際ルールを順守した尖閣諸島のあるべき防衛態勢を実現すべく今こそ真剣に考えるべきです。 憲法解釈を含む法律論で、尖閣諸島を中国の奪還作戦から守ることはできません。中国の具体的な活動に対処する体制をわが国の総力を挙げて整備する、加えて、政府と国民が確固たる防衛意志を持つことこそ、中国を抑止する原点です。この原点がしっかりしていれば、不幸にして抑止が崩れた場合でも、我が国の力により中国の奪回作戦を排除することができる。そして米国は、我が国のこの取り組みを見て初めて我が国を真の同盟相手と認知し、必要な際に安保条約5条を発動するのです。 この記事はシリーズ「森 永輔の世界の今・日本の将来」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます』、「憲法9条の解釈をめぐる神学論争を脇に置き、国際ルールを順守した尖閣諸島のあるべき防衛態勢を実現すべく今こそ真剣に考えるべき」、その通りだ。

次に、3月11日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した軍事ジャーナリストの田岡俊次氏による「中国「海警法」への過剰反応が、かえって武力衝突リスクを高める理由」を紹介しよう。
・『尖閣問題で懸念高まる海保の武器使用拡大の声  中国は2月1日、海上警備に当たる海警局を従来の国家海洋局から分離し、中央軍事委員会傘下の武装警察部隊に編入し、既存の国際法にはない中国独自の線引きをした「管轄下の海域(管轄海域)」で、「主権、主権的権利が侵害されれば武器を含めた全ての必要な措置を取る」などの内容の海警法を施行した。 中国は尖閣諸島を自国領と主張しているから、その付近を「管轄海域」とし、そこでの権益を“侵害”する日本の艦船に対して武器使用をする構えを示したと、日本では受け止める向きが多い。 自民党内などで、「海上保安庁の武器使用の要件を拡大すべきだ」との声が出るのはある意味、当然の動きだ。 だがここは冷静に考えたほうがいい。大騒ぎするほど、むしろ本当の武力衝突につながりかねない危険が強まる』、どうすればいいのだろう。
・『海警局の巡視船に武器使用を含む強力な権限  海警法は習近平体制の下で態勢が強化されてきた海警局の役割と権限を改めて明確にしたものだ。 22条では、「国家主権、主権的権利や管轄権が……違法に侵害された場合、または窮迫した違法な侵害に直面した場合、……武器を含む全ての必要な措置をとる」として、海警局の巡視船などに武器使用を含む強力な権限を与えた。 外国軍艦・公船にも退去命令や必要に応じて強制措置が取れるとされ、防衛活動にも参加できる準軍事組織との位置づけだ。 さら「管轄海域」という定義の曖昧な用語で境界を引き支配が及ぶとした。 国連海洋法条約では、海域を「領海」や「接続水域」、「排他的経済水域」などに分類し、沿岸国の権利や航行のルールなどが決められているが、「管轄海域」という曖昧な言い方が多用され、中国に都合のいい恣意的な運用が行われる可能性がある。 尖閣諸島周辺での中国船の領海侵入が繰り返される状況で、日本でも「危機感」が強まるのはやむを得まい。 だが何が本当は危険なのかを考える必要がある』、「何が本当は危険なのか」、どういうことだろう。
・『すでに海上保安庁は自衛隊との共同訓練も  日本ではすでに1954年制定の自衛隊法80条で、自衛隊が防衛出動、治安出動するような有事の際には防衛大臣が海上保安庁を指揮するよう、総理大臣が命じることができるようになっている。 だが他方、48年に制定された海上保安庁法第25条では、「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と定めている。 海上保安庁が生まれた48年は戦後3年、憲法施行の翌年だった。 当時の米国は日本の「再軍備」を封じようとしていたが、戦争中に米軍が投下した機雷の除去や密輸の阻止、密航者によるコレラの蔓延防止などに海上警備は不可欠だったから、小型で低速の船艇による海上保安庁の設立を認め、それが海軍に発展することがないようこの条文を入れたのだ。 ところが50年に朝鮮戦争が勃発すると、米国は態度を一転、警察予備隊を急ぎ作らせ、それが54年に陸・海・空自衛隊に発展した。 米国の沿岸警備隊が米海軍の補助部隊であるのと同様に、有事の際には海上保安庁を防衛庁長官の指揮下に動員できる条文を自衛隊法に入れたのだ。 米軍は海上保安庁に中古の3インチ(76ミリ)砲を多数供与し、巡視船を武装させた。 こうして、海上保安庁法と自衛隊法には矛盾が生じ、憲法9条と自衛隊との不整合のミニチュア版のような形となった。 それだけではなく、先にできた海上保安庁と、後に生まれて急速に拡大した海上自衛隊の間には感情的な対立も生じた。 だが近年日本近海への朝鮮の工作船の出没や尖閣諸島を巡る中国海軍や海警局の艦船の行動に共同に対処する機会が増えて“和解”が進んだ。 今では海上自衛隊と海上保安庁は密接に情報を交換し、共同訓練をする仲になり「軍隊として訓練されてはならない」という海上保安庁法の第25条は半ば死文と化した感がある』、「海上保安庁」と「海上自衛隊」は「共同に対処する機会が増えて“和解”が進んだ」、結構なことだ。
・『軍隊と区別する「知恵」 過剰な対応は新たな火種に  海警法を警戒する論者からはこの際、「25条を削除すればよい」という声も出てきそうだが、海上保安庁自身がそれには激しく抵抗するだろう。 独自性を失い、事実上、海上自衛隊の補助部隊化することになってしまうからだ。 海上保安庁を管轄する国土交通省も賛成しないだろう。 欧州の大陸諸国は陸軍とは別に軽装備の国境警備隊を設けていることが多い。 国境付近に戦車や砲兵などを備えた陸軍部隊を展開すれば、相手も陸軍を出して対抗し、小さな事案が重大な結果を招きかねないからだ。 国境警備隊や海上警察などを軍隊と区別することが、安全保障上の一つの知恵になっているといってもいい。 課題はあるにしても、すでに海上保安庁と自衛隊との連携体制が相当できているなかで大きな火種を作りかねない過剰な対応は避けるべきだろう』、「国境警備隊や海上警察などを軍隊と区別することが、安全保障上の一つの知恵になっているといってもいい。 課題はあるにしても、すでに海上保安庁と自衛隊との連携体制が相当できているなかで大きな火種を作りかねない過剰な対応は避けるべきだろう」、同感である。
・『一定の武器使用も可能に 北朝鮮工作船事件を機に法改正  武器使用についても、2001年に海上保安庁法20条が改正され、外国船(軍艦、公船を除く)が日本領海内で、無害航行が疑われたり、重大凶悪犯罪を行っている疑いがあったりする場合には、その船を停止させるため武器使用が認められている。 それまでは人に危害を与える武器使用は警察官職務執行法の規定を準用する形で、正当防衛、緊急避難、凶悪犯の抵抗などの場合に限られていた。 だが99年3月、能登半島沖(佐渡島の西方18キロの日本領海内)にいた北朝鮮の工作船2隻を海上自衛隊の護衛艦と海上保安庁の巡視船が追跡、威嚇射撃をしたが、高速の工作船に逃げ切られた事件があり、海上保安庁法を改正し武器使用を定めた。 国連海洋法条約では、どこの国の船舶も他国の「領海」を通過する権利が認められているが、武力による威嚇や武力行使、兵器を使う訓練、沿岸国の防衛・安全を害する情報収集や測量、通関の法令に反する物品や軍事機器の積み降ろし、漁業などの行為は禁じられている。 こうした有害な行為を防止するために沿岸国は自国の「領海」内で必要な措置を取ることができる。 ただし海洋法条約は軍艦が沿岸国の法令を守らず、順守の要請を無視した場合には「沿岸国はその軍艦に対し領海から直ちに退去することを要求できる」と定められているだけだ。 軍艦を拿捕すれば戦争になる公算が高いためだろう。 海上保安庁の武器使用や執行権限もこうした海洋法条約に準じて定められている』、なるほど。
・『「国際法違反」だが中国側に反論の余地なくもない  一方で海警法の場合は、軍艦に対しても「退去の命令」だけでなく必要に応じ「強制措置」をとることができると解釈される。 さらに、中国の「管轄海域」は、「領海」内だけでなく、陸地から200海里の「排他的経済水域」内や、中国(当初は蒋介石治下の中華民国)が管轄権を主張してきた、南シナ海ほぼ全域で、中国国内法で違法となる行為に対して武器使用をする可能性もある。 こうしたことから「中国の海警法は国際法違反」と日本を含めて多くの国では受け止められている。 だが、2001年に起きた九州西方海域での北朝鮮工作船撃沈事件では、海上保安庁も国際法違反と批判されてもおかしくないことをしている。 この時には、北朝鮮の工作船は日本の領海には全く入っておらず、海上保安庁は工作船の発見当初から「漁網を積んでいない。不審船だ」と発表し、巡視船は追跡して射撃し、相手が反撃すると「正当防衛」として、20ミリ機関砲弾187発を撃ち込んだ。工作船は自沈、約20人の乗組員全員が死亡した。 政府は「日本の排他的水域内で漁業をしている漁業法違反の疑いがあるため停船を命じたが、逃走したため船体射撃を行った」と説明した。 だが初めから「漁船ではない」と言いながら、追跡して公海上で射撃、撃沈したのは、国連海洋法条約と海上保安庁法に違反する疑いがある行動だった。 おそらく中国側は、仮に海警法の下で「管轄地域」を航行する日本の船舶を、武器を使用して拿捕しても、「貴国もかつて同じことをし、合法と言ったではないか」と反論するのではないか』、「北朝鮮工作船撃沈事件
」はこの記事で思い出したが、確かに日本側の行動には行き過ぎもあったようだ。「中国側」が正当化の根拠に引用する口実を与えたのは、まずかった。
・『巡視船の「強弱」を論じる無意味 戦いになれば軍隊の出番  2010年9月尖閣諸島海域での中国漁船と海上保安庁の巡視船の衝突は、事件以降、日中関係は悪化し、巡視船の建造競争の様相を呈している。 中国海警局が保有する船艇は大小合わせて523隻で、うち外洋用巡視船は87隻(12隻は海軍から払い下げの中古)、海上保安庁は大小373隻でうち外洋用巡視船は57隻だ。 米国の沿岸警備隊は大小340隻で外洋用の巡視船は25隻しかない。海上自衛隊の護衛艦は48隻だ。中国と日本は他国とは段違いの規模の海上警察隊を持つことになっている状況だ。 建造される巡視船は次々と大型化し、中国の最新型2隻は米海軍の「タイコンデロガ」級巡洋艦(満載1万117トン)をしのぐ1万2500トンの巨大巡視船だ。 日本も6000トンないし7300トン級の新鋭大型巡視船を6隻持ち、さらに3隻を建造中だ。 中国の大型巡視船は射程10キロの3インチ(76ミリ)砲1門を装備している。それを日本では新たな脅威のように言う人もいるが、日本の大型巡視船はそれに匹敵するスウェーデン製の40ミリ機関砲2門と20ミリ機関砲2門を装備している。 40ミリ機関砲の有効射程は10キロで、1分間に330発を発射できる。目標の動きを追って砲が自動的に目標に向かい、命中弾を浴びせ続ける火器管制システムもあるから、76ミリ砲1門の中国の超大型巡視船と優劣はつけがたい。 中国が巡視船を超大型化しても砲1門では東シナ海での戦力バランスを大きく変える実効はありそうにない。 超大型巡視船を建造したのは、大量の燃料などを積んでソマリア沖の海賊対処など遠隔地に派遣して世界に力を誇示するためかと思われる。) そもそも日中が巡視船の増強をしても、万が一、日中の巡視船が交戦する事態になれば、中国側は海軍や空軍が、日本側は海・空自衛隊が出動するだろう。場合によっては日米安保条約(5条)によって米軍が加わる可能性もある。 日本と中国の巡視船だけが戦闘することを想定して強弱を論じるのは無意味だ』、「日本と中国の巡視船だけが戦闘することを想定して強弱を論じるのは無意味だ」、その通りだ。
・『重要なのは日中で紛争拡大を防ぐ取り組み  日中の軍と軍が衝突する事態となれば、日中ともが大きな打撃を受ける。 世界最大の貿易国である中国にとり、太平洋・インド洋の航行の自由はまさに「死活的利益」であり、その確保のためには日本、米国との軍事衝突は避けたいのが本音だろう。 14年11月10日、当時の安倍首相は北京で習近平国家主席と会談した。 その3日前に尖閣諸島を巡って双方が「異なる見解」を持つのを認め合う合意事項を発表、玉虫色の表現で事実上の棚上げをし、「戦略的互恵関係」に戻ることで合意した。 東シナ海で日中の巡視船や艦船の偶発的な衝突が起きるなどの不測の事態に備え「海上連絡メカニズム」の運用開始を進めることも決まった。 だがいまだにそれは完成していない。そうした紛争拡大を防ぐ冷静な取り組みが優先されるべきだ。 中国と日本が巡視船の増強を競い、強硬な法令を制定し合って対立を激化させるのは、お互いの安全保障にも逆行すると案じざるを得ない』、「海上連絡メカニズム」のような「紛争拡大を防ぐ冷静な取り組みが優先されるべきだ」、同感である。
タグ:日経ビジネスオンライン ダイヤモンド・オンライン 尖閣諸島問題 田岡俊次 (その7)(中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的、中国「海警法」への過剰反応が かえって武力衝突リスクを高める理由) 「中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的」 香田洋二・元自衛艦隊司令官(海将) 「中国海警局による武器使用は海警法の本質ではありません。この本質は、海警局の船が「国家の意志に基づいて、中国が領土と主張する尖閣諸島を奪取する」行動を取る可能性が高まったことです」、 「武器については、日本の海上保安庁も一定の条件を満たせば警察官職務執行法を準用して使用することが認められています」、 「中国が海警法を施行したのを奇貨として我々が考えるべきは、武器使用という「木」ではなく尖閣諸島をいかに守るかという「森」なのです」、さすがプロらしい適格な指摘だ 「習近平強軍思想を徹底し、新時代の国防と軍隊建設の需要に応える」、穏やかではなさそうだ。 「軍艦と公船は治外法権を持つとする国際ルールがあります。外国の法の適用は受けないということです。 であるにもかかわらず、海警局の艦船が取る行動に日本の法律を「適用できる」と強弁すれば、国際法をないがしろにすることになります。中国が南シナ海において「九段線内に中国の主権が及ぶ」と主張するのと同じことになります」、日本政府の現在の解釈は、国際法からみても極めて問題が多いようだ 「日本政府の今回の説明を援用すれば、中国は「米海軍の軍艦が中国の法律に違反したので危害射撃を加えてもよい」と主張できることになります」、日本政府の法解釈は余りにお粗末だ 「EEZにおいて何が許されて何が許されないのか、国連海洋法条約がそれを定めています。そして、同条約はどの国も内容を理解している。だからこの条約の範囲内で解決を図るべきなのです。そこに国内法を持ち込めば収拾がつかなくなってしまいます」、確かに「国連海洋法条約」「の範囲内で解決を図るべき」 「憲法9条の解釈をめぐる国内事情に気を配るあまり、肝心の尖閣諸島防衛と国際ルールの順守が脇に追いやられているのです」、困ったことだ 「自衛隊法には平時の「警戒・監視」が任務として定められていない」のは、警察の任務だからで、あえて「自衛隊」が乗り出す必要はない 「憲法9条の解釈をめぐる神学論争を脇に置き、国際ルールを順守した尖閣諸島のあるべき防衛態勢を実現すべく今こそ真剣に考えるべき」、その通りだ 「中国「海警法」への過剰反応が、かえって武力衝突リスクを高める理由」 「何が本当は危険なのか」、どういうことだろう。 「海上保安庁」と「海上自衛隊」は「共同に対処する機会が増えて“和解”が進んだ」、結構なことだ。 「国境警備隊や海上警察などを軍隊と区別することが、安全保障上の一つの知恵になっているといってもいい。 課題はあるにしても、すでに海上保安庁と自衛隊との連携体制が相当できているなかで大きな火種を作りかねない過剰な対応は避けるべきだろう」、同感である 「北朝鮮工作船撃沈事件 」はこの記事で思い出したが、確かに日本側の行動には行き過ぎもあったようだ。「中国側」が正当化の根拠に引用する口実を与えたのは、まずかった。 「日本と中国の巡視船だけが戦闘することを想定して強弱を論じるのは無意味だ」、その通りだ。 「海上連絡メカニズム」のような「紛争拡大を防ぐ冷静な取り組みが優先されるべきだ」、同感である。
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