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ブラック企業(その13)(「電通」はなぜ迷走し続けるのか? 畏友・山本敏博CEOへの“最後の諫言” 田中康夫緊急寄稿、電通を「過去最大赤字」に追い込んだ元凶の正体 なぜ海外の買収先が巨額減損に迫られたのか、ワタミはなぜ提訴されたのか 労基署さえ「手玉」にとる魔手の数々か?」) [企業経営]

ブラック企業については、2月9日に取上げた。今日は、(その13)(「電通」はなぜ迷走し続けるのか? 畏友・山本敏博CEOへの“最後の諫言” 田中康夫緊急寄稿、電通を「過去最大赤字」に追い込んだ元凶の正体 なぜ海外の買収先が巨額減損に迫られたのか、ワタミはなぜ提訴されたのか 労基署さえ「手玉」にとる魔手の数々か?」)である。

先ずは、2月19日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した作家・元長野県知事の田中康夫氏による「「電通」はなぜ迷走し続けるのか? 畏友・山本敏博CEOへの“最後の諫言” 田中康夫緊急寄稿」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/263134
・『2020年12月期は1595億円と過去最大の最終赤字に沈んだ日本の広告業界の巨人・電通グループ。世界「BIG5」に肩を並べようともくろんだ海外企業の買収が主要因だが、電通を蝕むのはそれだけではない。収益拡大の絶好の機会である東京オリンピック・パラリンピックの開催も危うく、一発逆転の可能性は風前の灯火だ。山本敏博CEOを知る作家で元長野県知事の田中康夫氏が、“最後の諫言”を緊急寄稿した』、山本氏はかつて、田中氏が出演していたラジオ番組の愛聴者だったので接点が出来たのかも知れない。
・『最終損失の主要因は海外子会社の減損 CFOの決意に相槌を打っている場合ではない  純粋持株会社「電通グループ」は2020年12月期の連結決算(国際会計基準)を2021年2月15日に発表。以下の“言い訳”は、「経営成績及び財政状態」と大書きされた「決算短信」の1行目に記されています。 「2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、世界的に景気が急速に悪化しました。特に2020年3月以降は、当社グループの国内外の事業にも影響を及ぼし始めました」(https://ssl4.eir-parts.net/doc/4324/tdnet/1935567/00.pdf) 同日22:00配信「日本経済新聞」記事の冒頭も再録しておきます。(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD156FE0V10C21A2000000/) 「電通グループが15日発表した2020年12月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が1595億円の赤字(前の期は808億円の赤字)と過去最大だった。新型コロナウイルス禍によって世界の広告市況が悪化、海外事業を中心にのれんなどの減損損失1400億円強を計上した。 M&A(合併・買収)を軸に海外事業を広げてきたが、買収後の成長が遅れコロナ禍が追い打ちをかけた。売上高にあたる収益は前の期比10%減の9392億円、営業損益は1406億円の赤字(前の期は33億円の赤字)だった。最終赤字、営業赤字とも2期連続となる。 減損損失は子会社や地域ごとの判断ではなく海外全ての地域をまとめて収益性を見直して1403億円を計上、国内でも数十億円が発生した。20年9月末時点で約7300億円あった貸借対照表上の、のれんは今回の減損で約5900億円に減った」 翌16日付け朝刊13版にも、一字一句違わぬ同じ文面の記事が掲載されています。1面右肩で報じた「日経平均3万円回復 金融政策で押し上げ 企業収益 改善道半ば」よりも“ニュース性”が稀薄だったのか、掲載面は21面「投資情報2」の右肩でした。 再録した記事の末尾を飾るのは、曽我有信(そが・ありのぶ)取締役執行役員(財務担当)のコメント。「曽我氏は日本経済新聞の取材に『今後のM&Aは数や規模ではなく質を重視したい』と強調。スタートアップ企業との連携も深めていく方針も示した」(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD156FE0V10C21A2000000/) 脊髄反射で「その言や良し」と大きく相槌を打った「ニッポン凄いゾ論」の「意識高い系」諸兄姉(しょけいし)にとって今回の拙稿は、些か読み進むのが辛いかも知れません。が、太古の昔から“良薬は口に苦し”。それも又、「公理」なのです。 「#Tokyoインパール2021」のハッシュタグがSNS上で人口(じんこう)に膾炙(かいしゃ)する程に迷走・混迷の度合いを深める、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会TOCOGからマーケティング専任代理店として2014年4月17日に指名を受けた「(株)電通」。 「当社は、これまで長年にわたり培ってきたスポーツ事業における知見やノウハウを生かし、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会および第16回パラリンピック競技大会の成功に向けて、組織委員会のマーケティングパートナーとして、マーケティングプランの策定やスポンサーセールスなどを支援し、グループの総力を挙げて貢献してまいります」のプレスリリースは現在もHPで閲覧可能です。(https://www.dentsu.co.jp/news/sp/release/2014/0417-003720.html) その後、幾度かの組織改編を経て「電通」は現在、国内事業会社「(株)電通」。その社内カンパニーとして電通を中核に日本国内の約130社で構成される「電通ジャパンネットワーク」。昨年9月25日に電通イージス・ネットワーク(株)から社名変更したロンドンが本拠地の海外事業会社「電通インターナショナル(株)」。それらを束ねる純粋持株会社「(株)電通グループ」。以上4組織に大別されています。 以下は、電通グループ代表取締役社長執行役員兼CEOにして、電通インターナショナル非常勤取締役(Non-Executive Director)も務める畏友・山本敏博氏への“最後の諫言”。最後までお読み頂ければ幸いです』、「海外事業を中心にのれんなどの減損損失1400億円強を計上」、海外の買収には無理があったのだろうか。
・『世界広告「BIG5」に躍り出るも赤字を救う“公助”の可能性も  敢(あ)えて非デジタル的表現を用いて時計の針を戻すと、昨年12月7日に電通グループは、2020年12月期の連結業績予想(国際会計基準)が237億円の赤字になるとの見込みを発表。(https://www.nikkei.com/article/DGXZASFL07H9S_07122020000000/) グループ従業員の1割近くに当たる6000人を2021年末までに、限りなく解雇に近い削減へと踏み切ると表明。それに伴う構造改革費用876億円を計上しています。が、その2カ月後の今年2月15日の発表では1595億円へと赤字額が大幅に「増大」していたのです。 更にお復習(さら)いとして再録すれば、「広告業界ビッグ4」英WPP、米オムニコム、仏ピュブリシス、米インターパブリックに次ぐ世界第5位の“地歩”を、東洋の島国に本社を置く「電通」が築く切っ掛けとなったのは2013年3月26日のM&Aです。当時世界8位だった英国のイージス・グループを約4000億円で買収。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO91489550Y5A900C1000000/) 「電通イージス・ネットワーク社」へ名称変更したロンドンの拠点を海外本社に位置付け、「110カ国・地域で事業展開するグローバル・コミュニケーション・グループ」を標榜します。(https://www.nikkei.com/article/DGXLZO80419570S4A201C1DTA000/) その後もM&Aを加速。僅か5年で164社を傘下に収め、2019年12月には145カ国・地域に6万6000名の従業員を擁する900社もの多国籍企業改め“無国籍企業”へと急激に拡張しました。 それらに伴い、昨年1月1日に発足した電通グループ全体の売上総利益に占める国内比率は85%から43%へと半減。57%の収益を海外に依拠する構造へと変容を遂げます。が、豪州や中国を含むアジア太平洋地域を始めとする海外部門がよもやの苦戦に直面。2019年9月時点で7886億円まで膨張した「のれん」の減損損失701億円分の計上を昨年2月12日に発表。赤字転落しました。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55544130S0A210C2DTD000/) 言わずもがな「のれん代」とは、「買収された企業の純資産」と「買収価額」の差額を意味します。冒頭で紹介した「日経」の“心優しき認識”も今一度、復習しておくと「20年9月末時点で約7300億円あった貸借対照表上の、のれん」を「今回(2020年12月期)の減損で約5900億円に減」らすべく「減損損失は子会社や地域ごとの判断ではなく海外全ての地域をまとめて収益性を見直して1403億円を計上、国内でも数十億円が発生し」ています。 瀕死の重症状態から脱するべく、幼気(いたいけ)にも「自助」努力を続ける「電通」には、日本政府からの「公助」も受けられる可能性があります。 会計上の赤字と同様に税務上の損失を計上することができれば、「繰越欠損金制度」が持株会社の電通グループ及び事業会社の電通に適用されます。仮に赤字転落した昨年から既に適用されていたとしたら、本社登記地の東京都に納付する法人都道府県民税80万円以外は、国税の法人税も地方税の法人事業税も最大10年間に亘って毎年の納付額がゼロ円で済む「合法的」恩恵に浴していることになるのです。 「繰越欠損金制度」(https://tanakayasuo.me/archives/23720)と申し述べるや、「お前は三百代言の輩か」と烈火の如く反駁される向きも居られましょうから、暫し入念に説明を加えておきましょう』、「僅か5年で164社を傘下に収め、2019年12月には145カ国・地域に6万6000名の従業員を擁する900社もの多国籍企業改め“無国籍企業”へと急激に拡張・・・電通グループ全体の売上総利益に占める国内比率は85%から43%へと半減。57%の収益を海外に依拠する構造」、とはかなり急速に海外M%Aを進めたようだ。「減損損失」で税務上でも赤字となれば、「繰越欠損金制度」が適用されるようだ。
・『借入金にコベナンツが付いた 社員に副業“解禁”でも炎上  財務省のデータに拠れば、株式会社の7割は、国税の法人税と地方税の法人事業税を1円も納めていません。連結決算を導入する超大企業ですら、66%が同様です。それは利益に対して課税する仕組だからです。 国会議員時代に僕は、予(あらかじ)め財務省の担当者から説明を受けた上で、「法人税を1円も支払っていない企業はどのくらいの割合に上るか、御存知でしょうか」と、2011年2月8日の衆議院予算委員会で、時の菅直人内閣総理大臣に尋ねています。彼に代わって野田佳彦財務大臣が「全体の7割でございます」と答弁し、それに対して僕が、「法人の7割が法人税を払っていないということですね。即ち71・5%、7割を超える企業が法人税を支払っておりません。これは中小の零細企業に限った話なのでは無い訳です。資本金が1億円を超える企業でも、過半数の51・5%が1円も法人税を支払っておりません。これは連結決算対象の総法人数を除いての数値ですから、現実には、日本経済団体連合会=経団連や経済同友会に加盟する上場企業の約6割もが法人税を払っていないということです。この国会中継をテレビやラジオ、あるいはインターネットでお聞きの皆さんは、本当かとキツネにつままれているかと思います」と発言した言葉も含めて、議事録から削除されることなく10年後の今日も確認する事が出来ます( http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/1aa4eff00be9af6f591d33ef9d2b6a41.pdf )。 その後、2回に亘って2011年11月1日と2012年1月27日の衆議院本会議の代表質問でも同様に確認し、同様の答弁がNHKの国会中継で放送されています。 故に余談ながら僕は、この理不尽な状況を改善する上でも、事業規模や活動量を基準に課税する「新しい発想の外形標準課税」へと抜本的に刷新すべきと提唱し続けているのです。 赤字企業でも事業収入自体は存在します。而(しか)して、何処で何人働き、何を幾つ作って、何処で幾つ売れたか、瞬時に把握可能な時代です。 ならば、老若男女を問わず全ての国民が支払う消費税と同じく、更には誰もが二酸化炭素CO2を排出するのと同じく、全ての企業が広く薄く外形標準課税で納入すれば、法人税率を現行の3分の1に引き下げても全体では逆に1割の税収増となります。事業展開しているそれぞれの地点で、事業量に応じて納税する「新税制」を確立すれば、これぞ21世紀のノーベル経済学賞! 全国各地の自治体が支度金(バンス)も用意して工場誘致を実現しても、法人税は東京や大阪、愛知の本社登記地に支払われるから、多少の雇用と固定資産税が見込めるだけで、「地方の自律」は夢のまた夢。 それは、GAFAに象徴される「無国籍企業」が、実際に事業を展開している国で税金を納めていない深刻な問題を合法的に解決する道でもあります。 閑話休題。が、仮に「電通」が法人都道府県民税80万円ポッキリで済む「恩恵」に浴していたとしても猶、身の丈を超えたM&Aで「ビッグ5」の仲間入りを果たした巨大広告代理店の財務状況は極めて深刻です。また、借入金の一部に「コベナンツCovenants」と呼ばれる「財務制限条項」が課せられているのも気掛かりです。 コベナンツとは、年度資金や事業資金を複数の金融機関が分担して貸し付ける「協調融資」に際し、財務健全性維持を求める契約条項。有り体に述べれば、債務者の財務状況に応じて債権者が契約解除を可能とする条項なのです。 コベナンツ(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD154JF0V11C20A2000000/?n_cid=BRFR3010) 電通インターナショナルへと看板を付け替えた旧電通イージス・ネットワークの呼称に関しても説明を加えておきましょう。 イージスAegisとはギリシア神話に登場する「守護神」ゼウスが娘の女神アテーナーに与えた、全ての邪悪・災厄を払う魔除けとしての山羊革=ゴートスキンを使用した防具アイギス Aigisの英語読みです。 奇しくも「官邸の守護神」と呼ばれし東京高等検察庁の黒川弘務(くろかわ・ひろむ)検事長が2020年5月に辞職。翌6月には弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」配備計画も中止。名にし負う国際企業の電通グループたればこそ逆に、日本的な験(げん)を担いだのかも知れません。 連結子会社の電通イージス・ネットワークを2020年9月25日に電通インターナショナルへと商号変更。広大な敷地内に駐箚(ちゅうさつ)アメリカ合衆国特命全権大使公邸も位置するロンドンのリージェンツ・パークから程近い複合施設リージェンツ・プレイスに、商号変更後も本拠地を構え続けています。が、こうした「ブランド・イメージ」堅持の努力も虚しく、純粋持株会社「電通グループ」は2019年12月期に続いて2期連続で2020年12月期の営業利益も純利益も赤字となりました。 再び時計の針を戻して昨年11月1日、「電通、社員230人を個人事業主に 新規事業創出ねらう」の大見出しで「日本経済新聞」が記事を掲載しています。(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6610376011112020916M00/) それは、国内事業会社・電通の正社員全体の3%に当たる230人が「個人事業主」として「勤務」する「新しい働き方改革」。営業・制作・間接部門等、全職種の40代以上の社員約2800人を対象に募集。適用者は早期退職した上で、電通設立の新会社と10年間の業務委託契約を締結。電通時代の給与を基にした固定報酬に加え、実際の業務で発生した利益に応じてインセンティヴ報奨金も支給。兼業や起業も、他社との業務委託契約も可能。 至れり尽くせりの好条件と思いきや、「競合他社との業務は禁止」の一文に、「“蟹工船”的働き方改革」だと「業界関係者」がSNSで一刀両断。TV各局と仕事可能なフリーランスの放送作家や映像ディレクターと異なり“廓(くるわ)の論理”を押し付ける“脱法リストラ”じゃね、とプチ炎上する展開となりました。 無理からぬ批判です。年金・健保等の事業主負担、労基法の遵守と労災の刑事的・民事的責任から逃れた電通が、今度は胴元として「名ばかり個人事業主」を指揮監督する寸法なのですから。フリーランスとは自らの技能を提供する社会的に独立した自由業としての個人事業主。この形態で請け負った業務を遂行する人間がフリーランサー。その原義は、常備軍を擁する王族や貴族が有事の際に結成する傭兵団(フリー・カンパニー)の一員を意味します。無論、この場合のフリーは、ただ働きを意味する「無料」とは異なります。 「電通、本社ビル売却検討 国内最大規模の3000億円規模 コロナ禍でオフィス改革広がる」――。時流を先取りしたかの如き印象を与える見出しで「日本経済新聞」が速報したのは、コマーシャルの教科書として名高き「3時のおやつは文明堂」を彷彿とさせる今年1月20日午後3時5分でした。ttps://www.nikkei.com/article/DGXZQOGD184X60Y1A110C2000000/) が、その「決断」は、西新宿に聳える東京都庁の“魔天楼”で「後手後手やってる感」を巧みに演じ続ける“緑の旗振りオバサマ”小池百合子都知事が好んで用いる羊頭狗肉な惹句「ワイズスペンディング」の本来の定義とも異なる、背に腹は代えられぬ“帳尻合わせ”に他ならぬ、と僕の目には映るのです』、「借入金にコベナンツが付いた」、ということは財務の柔軟性が失われて、ショックに弱い体質になったことを意味する。「正社員全体の3%に当たる230人が「個人事業主」として「勤務」する「新しい働き方改革」」は、確かに「“廓(くるわ)の論理”を押し付ける“脱法リストラ”じゃね」、との「批判」も当たっているようだ。
・『山本CEOに昨夏に提案済み 電通改革に必要な4項目とは  僕は『サンデー毎日』2020年7月26日号に「『電通』化する日本 巨大広告代理店は なぜ迷走したか」と題して寄稿しています。 拙稿及び関連資料を含む『「電通」化する日本 巨大広告代理店は なぜ迷走したか』まとめサイト(https://tanakayasuo.me/dentsu/) 「日本最大の広告代理店、電通に厳しい批判の目が向けられている。2015年には社員の過労自殺があり、いま給付金委託『中抜き』問題で国策企業と指弾されているのだ。電通の迷走ぶりは、空洞化する日本の産業構造、劣悪化する日本の労働環境の縮図だと看破(かんぱ)する異能作家が、友人でもある山本敏博電通グループ社長に峻烈(しゅんれつ)な直言(ちょくげん)を呈(てい)しつつ、問題の核心を明らかにする――」 担当編集者M氏が記した「簡にして要を得た」リード文に続いて僕は冒頭で、2017年1月19日に当時の(株)電通取締役会で抜擢された時点では、その取締役会の構成員ですらなかった“次代のホープ”が社内外に発したコメント「最優先の課題は、労働環境の改革であると認識しています」を引用しました。 その4日後の2017年1月23日に社長執行役員に就任した畏友・山本敏博氏の決意表明は以下の如く続きます。「強い決意のもと、社員と共に改善施策を着実に遂行してまいります。経営の健全性や透明性の確保を図るガバナンス体制を強化すると同時に、当社の企業価値の源泉を見つめ直して、新しい電通の創造に向けて、全社を挙げて取り組んでまいります」 『サンデー毎日』発売直後の昨年7月21日、山本敏博(株)電通グループ代表取締役兼CEOから求められて2人で面談した際、僕は4項目のメモ書き『(1)「殖民地化」の阻止(2)「電通」労働環境のプロトタイプ化(3)電通イージス・ネットワークの可視化(4)HP JP上でガバナンスを明確化』を手渡しました。 (1)「殖民地化」の阻止(「広告業界」に疎い読者諸氏でも、1970年代半ばに耳目を集めた博報堂の醜聞をご記憶かも知れません。「教育雑誌」の広告取次店として1895年=明治28年に事業を興した博報堂創業家のお家騒動に端を発し、社長経験者を含む4名が特別背任罪で逮捕された事件です。相前後して、何れも旧大蔵省出身の2人の人物が社長、会長として君臨する進駐軍統治が、1975年から2000年まで四半世紀にも亘って続きました。「監督官庁」総務省や厚生労働省からの常勤取締役、社外取締役等の受け入れに伴う社内外の士気への影響に、「トップ・リーダー」はセンシティブであるべきなのです。 (2)「電通」労働環境のプロトタイプ化(日本の産業界は、実態と乖離した政治や行政が掲げる「働き方改革」に翻弄され続けています。9時-5時勤務が夢物語な「業界」の雄たればこそ電通は、職務給・職能給の枠組みを超えて「超過労働時間を最大5年有効のポイントに換算」するヴァカンス発想を始め、人間の相貌(かお)と体温が感じられる現場の実態に即した「労働環境」の範を垂れ、延(ひ)いては他業種にも伝播するプロトタイプとしての存在を目指すべき。それは、彼が取締役会の構成員ではなかった2016年11月にも口頭と書面で伝えていた具体的提言です。 「田中康夫の新ニッポン論」Vol.42「職務給・職能給」(https://tanakayasuo.me/wp-content/uploads/2016/11/verdad42.pdf) (3)電通イージス・ネットワークの可視化、そして(4)日本語版HP上でのガバナンスを明確化。(この2項目に関して僕は、持参したノート・パソコンを開いて具体的に、(株)電通グループ代表取締役社長兼CEOに指摘しました。 純粋持株会社の電通グループ、国内事業会社の電通、海外事業会社の電通イージス・ネットワーク、更に電通グループの社内カンパニーとして電通を中核に日本国内の約130社で構成される電通ジャパンネットワーク。4つの異なるURLのホームページは、ユーザー・オリエンテッドな「ワンストップサーヴィス」とは凡そ真逆な「縦割り行政」に陥ったグローバル・カンパニーDENTSUの病巣を体現していませんかと。 広告、そして経営、その何れの領域に於いても「プロフェッショナル」の足元にも及ばぬ僕の4項目の提言は、都合8カ月の歳月を経た2月17日現在も、「反映」されているとは言い難い状況です。 僕の「懸念」は筋違いだったのか否か、「ダイヤモンド・オンライン」読者の皆さんの忌憚なき判断を仰ぎたいと思います』、「提言(1」)~「(4)」は、。いずれも妥当なものだ。
・『社名変更後も今なお旧社名「デジタル重視」が泣く英文HP  「国内外で約1000社に広がる企業集団のネットワーク(株)電通グループは、国内・海外の事業を支えています」と2021年2月15日の決算発表日には誇示していた純粋持株会社のHPは、本稿を脱稿した2月17日に改めて確認すると件の惹句(じゃっく)は見当たらず、その形式もLP=ランディングページへと衣替えしていました。PCでの閲覧を想定した旧来型から、スマホにも対応の上から下へとスクロールするデザインへとヴァージョン・アップしたのです。(https://www.group.dentsu.com/) けれども僕は、文字と映像、更には印象(イメージ)を扱う専門集団にも拘らず、「言霊の幸ふ国(ことだまのさきわうくに)」に本社登記地を置く企業とは俄(にわか)に信じ難き、以下の現実に直面してしまったのです。 「About us 企業情報」と大書きされた電通グループのサイトをスクロールすると、(https://www.group.dentsu.com/jp/about-us/) 『「多様性」を創発していく企業グループへ』『純粋持株会社「株式会社電通グループ」の役割』の見出しに続いて『当社は一般的な持株会社ではなく、dentsu全体をチームにする会社、すなわち「チーミング・カンパニー」になることを目指します。』の決意表明が記され、その下の「dentsuの体制図」をクリックすると、「Group グループ」へとジャンプします。(https://www.group.dentsu.com/jp/group/) そこには「電通ジャパンネットワーク(https://www.japan.dentsu.com/jp/) 」と「電通インターナショナル(https://www.dentsu.com/) 」へのリンクが並列して張られており、「dentsu international」バナーをクリックすると、何故か「dentsu Global」でなく「dentsu Asia Pacific」と左上に表示されたHPへと飛びます。よもやの苦戦に直面する豪州や中国を含むアジア太平洋地域を重視する意思表示でしょうか? とまれ、「dentsu Global (https://www.dentsu.com/?global=true)」を探し当て、右上に表示された「Menu (https://www.dentsu.com/?global=true#top)」にはサイトマップが見当たらず、ページをスクロールして「Sitemap(https://www.dentsu.com/sitemap)」に辿り着くと、そこには数々の“笑撃”が待ち構えていました。 「Who We Are」の下段レイヤー=layer「Our leadership」一覧に「Tadashi Ishii」なる表記を見付けてクリックすると、2016年12月28日に電通代表取締役社長からの引責辞任を会見で表明した石井直氏の顔写真と英文プロフィール「Chairman,DentsuInc.」が現れます。(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/tadashi-ishii) 僕の拙い英語力では「chairman」を「顧問」若しくは「相談役」とは邦訳出来ず、訝りながら計31名の列記された面々を順次クリックしていくと、 Dentsu Aegis Network Americas&US CEOと記されたNick Brien氏(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/nick-brien) Chief Network Development Officer, Dentsu Aegis Networkと記されたNicholas Rey氏(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/nicholas-rey) Global President Business Operations, Dentsu Aegis Networkと記されたVolker Doberanzke氏(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/volker-doberanzke) 日系DNAと思しきSo Aoki氏の肩書もChief Corporate Planning Officer, Dentsu Aegis Network(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/so-aoki) Executive Senior Advisor, Dentsu Group Inc.と記されたValerie Scoular女史も、そのプロフィールは「Currently she is Executive Director Human Resources and a member of the Dentsu Aegis Network Board and Compensation Committee」と現在形で記されています。(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/valerie-scoular) Ashish Bhasin氏も「Under his leadership, Dentsu Aegis Network India is now the second largest Advertising & Media Group in India by revenue.」 と現在進行形です。(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/ashish-bhasin) 更にはGlobal CEO, CreativeのJean Lin女史が担当している中国も(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/jean-lin) 「dentsu Asia Pacific」サイトから降りていくと直ぐに「for KFC China」のロゴタイプを前面に押し出した「Dentsu Aegis Network:KFC Digital Transformation」に辿り着きます。(https://www.dentsu.com/sg/en/dentsu-aegis-network-kentucky-fried-chicken-digital-transformation) 2月15日の電通グループ決算発表会見を担当した曽我有信取締役執行役員は、「電通グループが直近の10年の重点課題として捉え、これからも経営の鍵となる分野は、『デジタル』です」と「マネジメントメッセージ」の冒頭で語っています。(https://www.group.dentsu.com/jp/ir/top-message/top2.html) 国内事業会社(株)電通の「持続可能なリモートワーク」推進は、その現れなのでしょう。(https://www.dentsu.co.jp/news/sp/release/2020/0319-010035.html) が、海外事業会社の電通インターナショナル(株)は、その「重点課題」を遥かに上回る「成果」を収めています。なにしろ、役員自ら先頭に立って“瞬間移動スキル”を体得し、過去と現在を自由自在に行き来する「ワープワーク」を実現しているのですから。 2月16日付け「日本経済新聞」が全10段を費やして19面に掲載した「会社・人事」の「情報・通信」に「電通グループ(3月下旬)代表取締役(取締役)ティム・アンドレー▽取締役、電通インターナショナル社グローバルCEOウェンディ・クラーク」と記載されていた件にも触れておくべきかも知れません。(https://www.nikkei.com/article/DGXZTSJD60701_V10C21A2000000/) 電通グループが昨年1月27日に『当社の連結子会社「電通イージス・ネットワーク(DAN)」における取締役会議長兼CEOの職務の代行に関するお知らせ』の中で「この度、当社の取締役副社長執行役員であり、DANの取締役会議長兼CEOを務めているティム・アンドレーが、健康上の理由により療養に入りました。このことを受け、一時的な措置として、当社の代表取締役社長執行役員であり、DANの取締役を務めている山本敏博が、ティム・アンドレーの担っているDANの取締役会議長兼CEOとしての職務を代行することといたしました」(https://www.group.dentsu.com/jp/news/release/000198.html)と広報していたミシガン州デトロイト出身の本名ティモシー・アンドレーTimothy Andree氏は、米国のNBA=ナショナル・バスケットボール・アソシエーションの選手として活躍した御仁。(https://en.wikipedia.org/wiki/Tim_Andree)(https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2008035-0512.pdf)  “生き馬の目を抜く”広告業界に於ける「余人を以て代えがたき」屈強な体躯の人物たればこそ、奇蹟の復活を遂げたのでしょう。 その彼の“恢復”と“昇格”を祝うと共に(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/tim-andree)、昨年7月21日の”畏友”との面談の際、「私が白羽の矢を立てた女性です」と語っていたウェンディ・クラーク女史(https://www.dentsu.com/who-we-are/our-leadership/wendy-clark)の両名が、「多様なリソースを統合し、多様なステークホルダーをつないでいく」と決意表明する畏友・山本敏博CEOと“三本の矢”となって名実ともに、『dentsu全体をチームにする会社、すなわち「チーミング・カンパニー」』を、今この瞬間も日本国内外で粉骨砕身する一人ひとりのチームメンバー、更には取引先の人々の為にも築き上げることを願ってやみません。(https://www.group.dentsu.com/jp/ir/top-message/top1.html)』、なるほど。
・『戦争にも協力した過去の電通 求められる「自分の意思と言葉」  「国鉄民営化」で日本国有鉄道清算事業団に移管された港区東新橋1丁目の、貨物列車・荷物列車ターミナル駅だった汐留駅跡地に位置する地上48階建て電通本社ビル。併設の電通四季劇場「海」、地階と最上階の飲食店舗等を含む施設全体の呼称は「カレッタ汐留」。 「長い時間を悠々と生きる亀のイメージに、ゆったりとした時間、余裕のあるライフスタイルを持つ都市生活者のイメージを重ね合わせ」、アオウミガメの学名“Caretta Caretta”からネーミング、と能書きに記されています。 その地階で、江戸時代からの広告資料28万点を蒐集するアドミュージアム東京。(https://www.admt.jp/) 公益財団法人吉田秀雄記念事業財団が運営する「日本で唯一の広告ミュージアム」です。大政翼賛会が広告主のポスター「進め一億火の玉だ 大政翼贊會」も所蔵されています。 「大東亜戦争」と東條英機内閣が閣議決定した当時の「日本」の人口は7300万人。台湾と朝鮮の人口も含めて「一億」なのです。そのポスターの作成は自暴自棄な敗戦間際かと思いきや、真珠湾攻撃の翌年1942年。 「このポスターを製作したのは『報道技術研究会』。民間の広告技術者によるボランティアのような組織から、戦争が進むにつれて、国家宣伝を担う専門集団に発展していった」と解説が付されています。 ハンナ・アーレントが描いたアドルフ・アイヒマンと比べたら失礼なくらいに「ナイーヴ」だったであろうクリエーター達が、戦略も戦術も欠落した無謀な戦時体制の「同調圧力」に組み込まれていった歴史を伝える一枚の広告物です。 現在は閉館中のアドミュージアム東京のHPでも閲覧可能な、その「一枚の広告物」に付された解説を読み返す度、僕は痛感します。(https://www.admt.jp/collection/item/?item_id=85) 「良心」の持ち主をも、いとも無慈悲に併呑(へいどん)し、消費していく社会は、昔も今も変わらないのだと。であればこそ、何時の時代に於いても「自分の五感で捉え、自分の言葉で語り、自分の意思で動く」しなやかな心意気を私たち一人ひとりが持ち合わせることが、如何なる業種、職種に於いても肝要なのではなかろうかと』、それは作家という自由業の田中氏なら可能だろうが、サラリーマンにとっては、無理なように思われる。

次に、2月25日付け東洋経済オンライン「電通を「過去最大赤字」に追い込んだ元凶の正体 なぜ海外の買収先が巨額減損に迫られたのか」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/413333
・『巨額減損に人員削減。デジタル転換で出遅れたツケは大きかった。 国内広告最大手の電通グループが2月15日に発表した2020年12月期の最終損益は1595億円という過去最大、そして2期連続の赤字(前期は808億円の赤字)に沈んだ。 売上高に当たる収益は9392億円(前期比10%減)、営業損益は1406億円の赤字(前期は33億円の赤字)で、すべての段階利益で2期連続の赤字となった。「再び赤字となったことは経営者として重く受け止めている」。山本敏博社長は投資家向け決算説明会でそう口にした。 赤字の最大の要因は、コロナ禍で世界の広告市況が悪化したことを受け、過去の海外買収で膨らんだのれんの減損で1400億円超の損失を計上したことだ。さらに783億円の事業構造改革費用も打撃となった。内訳は、海外での事業統合や人員削減で500億円超、国内での早期退職で200億円超。2021年12月期にも引き続き、残りの構造改革費用として国内外で500億円超を計上する見込みだ』、第一の記事と同じ電通問題である。
・『旧来型の代理店ビジネスは限界  電通グループは2013年に英広告大手イージスを約4000億円で買収した後、海外で毎年10社以上を矢継ぎ早に取り込み、国内事業を超える規模となった。売上総利益ベースの海外比率は直近で約58%だ。世界シェアでは今や英WPPグループ、米オムニコムグループ、仏ピュブリシスグループという世界3大広告会社に次ぐレベルになっている。 だが結果的にM&Aが足を引っ張った。電通グループの曽我有信CFO(最高財務責任者)は、「事業環境の変化が激しい」としたうえで、「今回減損の対象になったのは、イージスと一緒になった直後の2010年代前半に買収した広告領域の事業会社だ」と話す。 ここでいう広告領域とは、日本のマス広告のように広告会社がメディアの枠を買って広告主に売るという旧来型の“代理店”ビジネスを指す。2019年に海外のうちアジア太平洋(APAC)地域で700億円強の減損損失を計上した際も、同じ領域が中心だった。 ここ数年、電通グループは消費者に関するさまざまなデータを活用したデジタルマーケティングを中心とする業態への転換を急ぐ。 2020年の海外業績を見ると、旧来型の代理店ビジネスである「メディア」「クリエイティブ」の両部門の売上総利益が前期比15%以上減少した。一方、デジタルマーケティングを中心とした「カスタマーエクスペリエンスマネジメント」部門は同3.2%減にとどまった。国内でも売上高の3分の1を占めるテレビ広告が前期比12%減だったが、ネット広告は同1.4%減だった。) そもそも2013年に買収したイージスは旧来型の代理店だった。実際、イージスを含むヨーロッパ・中東・アフリカ(EMEA)地域はメディアとクリエイティブの収益の割合が大きい。 会社側は減損の対象を海外事業全体としているが、今回減損の判定を行った際にはAPAC、EMEAそして米州という海外のすべての地域ごとに稼ぐ力を測っている。地域ごとの減損損失額は3月に公表される有価証券報告書で明らかになるが、EMEAでの損失が膨らんでいる公算が大きい。 巨額減損を経てもなお、2020年12月末時点では6000億円弱ののれんが残っており、次なる火種となる可能性もある。 「この5年で市場環境が驚くほど変わった」と電通グループ関係者はつぶやく。2010年代前半はネットも含めてメディアの枠を売り買いするビジネスが大きかった。そこから米グーグルの検索広告やソーシャルメディア広告が台頭し、ネット通販の発達で企業と消費者がネット上でつながる場面が激増。そこにコロナ禍が直撃し、デジタルマーケティングの重要性が急速に高まった。結果的にイージスは時代に乗り遅れたと言わざるをえない』、「2013年に買収したイージスは旧来型の代理店だった」、「結果的にイージスは時代に乗り遅れたと言わざるをえない」、なるほど。
・『10%超の大規模人員削減を敢行  海外では現在これまで買収してきた160の事業ブランドを6つのブランドに集約する構造改革中だ。この過程で12.5%の人員削減を行う。重複するバックオフィス人員のほか、旧来型の代理店営業の人材が対象になる。その一方でデジタルマーケティング人材の育成を進める。 デジタル転換の中で電通グループが強くアピールするのが、2016年に約1000億円で買収した米データマーケティング会社のマークルだ。買収額はイージスに次ぐ規模だ。同社は広告主が持つ消費者の氏名やメールアドレスを含むIDデータを活用し、そのブランドのファンになってもらうよう広告や販促のターゲティングを行うためのツールを提供する。 コロナ禍で大きく減ったM&Aも再始動させる。「とくにデジタルソリューション領域を中心に、事業の変革にはM&Aは不可欠。件数や事業規模ではなく質を追う。電通グループに参画するメリットを強調して金銭面だけではない条件交渉をしたい」(曽我CFO)。 国内でもデジタル転換を進める。システム開発子会社の電通国際情報サービス(ISID)やデジタルマーケティング専業の電通デジタルの成長ぶりを強調。山本社長は決算説明会で、「マークル、ISID、電通デジタルの3社は過去3年で(売上総利益が)年平均で20%超伸びた」と話した。 中核子会社である電通の五十嵐博社長は「電通本体とISID、電通デジタルの3社の協業でデジタルのソリューション力を上げていく」と意気込む。「国内の大手企業にもマークルのサービスを提供するなど、海外との連携強化も進めている」(五十嵐氏)』、なるほど。
・『国内の営業利益率は大きく低下  その国内も今回、先述の通り構造改革を断行する。最大の課題は「高コスト体質」だった。2015年末に社員が過労などを原因として自殺したことを受け、国内では働き方改革を急速に進めてきた。その過程で人事システムへの投資や業務の外注などでコストが増加。一方で海外のように容易に人員削減ができない。国内事業の営業利益率は2016年12月期の23.1%から、直近は14.8%まで低下した。 構造改革の中身は大きく分けて2つだ。1つは国内事業を従来型の広告やデジタルマーケティング、顧客のビジネス変革支援などの4分野に分け、組織を再構成するものになる。その過程で人員規模の適正化を図るため、希望退職を募る計画だ。もう1つはコロナ禍で出社率が大きく減った東京・汐留の本社ビルを国内グループ会社間で共有すること。これによりグループ各社の家賃を節減する。 一連の人員削減や構造改革で2022年以降、国内外で年間平均約760億円の費用削減が可能だという。さらに現在は汐留の本社ビル売却も進める。「金額など詳細についてはコメントできない」(曽我CFO)とするが、今後の施策の柱としてバランスシートの効率化も挙げており、本社ビルも含めた資産を整理し、M&Aなどの投資資金を捻出するとみられる。 デジタルへの業態転換は、これまでマスメディアで謳歌してきた既得権益に頼らないことを意味する。デジタルマーケティングは広告会社だけでなく、米アクセンチュアをはじめとしたコンサルティング会社なども注力し、競争は苛烈だ。稼ぎどころである東京五輪の開催も危ぶまれる中、電通グループの底力が試されている』、「デジタル」分野の「競争は苛烈」で、「東京五輪」も海外見物客を入れないなど厳しさが増している。今後の「電通グループの底力が試されている」のは確かなようだ。

第三に、4月1日付けYahooニュースが掲載したNPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者の今野晴貴氏による「ワタミはなぜ提訴されたのか 労基署さえ「手玉」にとる魔手の数々か?」」を紹介しよう。
https://news.yahoo.co.jp/byline/konnoharuki/20210401-00230322/
・『昨日、ワタミの宅食で営業所長を務める40代の女性Aさんが、ワタミ株式会社を提訴した。 訴訟の主要な争点は、以前から問題となっている残業代の不払いに関するものだが、問題はさらに複雑化しているようだ。Aさんの提訴の重要な理由の一つは、ワタミがAさんの上司らに指示をして、配達スタッフらにAさんを訴えるように「扇動」させたというものである。 ワタミ側が背後で「扇動」か? 筆者は昨晩までにワタミに訴訟についての見解を質問したが、残念ながら期限までに返答をもらうことはできなかった。 そこで本記事では、Aさんの訴訟のもう一つの重要な要求である未払い残業代について、なぜ労基署の是正勧告まで出ていたのに、訴訟になってしまったのか、Aさんの証言をもとにその背景に迫っていきたい』、興味深そうだ。
・『労基署の発言を都合よく切り取って、ホームページで公表  残業代未払いについては、すでに昨年9月に、高崎労働基準監督署から是正勧告が出ている。ところが、それ以降、ワタミはさまざまなやり方で、Aさんに具体的な未払い残業時間について回答することを避けてきた。 まず最初は、「特別調査委員会」を一方的に立ち上げて、その調査を理由として、団体交渉での労働時間の交渉を拒否したことだ。なお、この特別調査委員会は、Aさんが条件付きで調査に応じると主張していたにもかかわらず、Aさんに対する聞き取りを一切行わないまま、今年1月末で調査を終了している。 さらに、つい2週間前には、ワタミが労働時間をできるだけ短く、あたかも「値切り」をしようとしている様子が明らかになった。 3月15日、高崎労働基準監督署はワタミに対して、今度は36協定で認められた残業時間の上限を超えた残業をさせていたとして、労働基準法32条違反で是正勧告を出した。 すると、ワタミは是正勧告を受けた即日、ホームページ上で「労働基準監督署からの労働時間に関する是正勧告について」という文章を掲載し、「この度、本件に関連して2020年3月の当該社員の残業時間75時間29分が、36協定の75 時間を29分超過していることから改善するよう是正勧告書を受領いたしました」と報告している。 これを読んだら人は誰でも、あたかも労働基準監督署がワタミの残業時間の超過を認めたのは29分のみで、それ以外は問題にされず、指導は終わったものであるかのように受け取るだろう。しかし、それは事実と全く異なっているのだ。 監督官「いまだ労基署とワタミで確定した労働時間は出ていない」? 担当の監督官に確認したところ、驚くべき答えが返ってきた。担当の監督官の説明によると、監督官とワタミで「労働時間が合致した月はない」「いまだ監督署とワタミ側で確定した労働時間は出ていない状況」であるというのだ。 一体どういうことだろうか? 要はこういうことだ。担当の監督官としては、より多くの長時間残業があるのではないかとワタミに指摘しているのに、ワタミが一向に認めようとせず、29分だけを認めたので、やむをえず「「少なくとも」という部分で是正勧告をした」だけだというのだ。 これでは、ワタミがインターネット上で是正勧告について公表されることを想定して、できるだけ少ない残業時間しか認めさせないよう、労基署に食い下がったのではないかとすら考えられる。 しかも監督官は、「これで確定ではない」と述べ、これからさらに長い残業時間が認められる可能性があるとまで、Aさんに伝えている。特にAさんはかなりの数の業務メールを自宅でも送っており、これについても労基署は労働時間に含まれると考えている。しかし、ワタミはメールの業務性を一切認めなかったという。 このようにワタミは労基署の指摘をねじ伏せて、「最小限」の時間だけを一旦認めて、それをホームページで公表したのである』、「ワタミ」のやり方は全く悪質で、かってのブラック企業批判も頷ける。
・『半年間一度も具体的な労働時間を認めていないのに、「労働時間については、団体交渉を継続しています」?  労基署の監督官の発言を都合よく切り取り、読者の誤読を誘うような書きぶりでホームページで公表するワタミのやり口は、実に狡猾だ。 現にワタミの発言を鵜呑みにしたネットのコメントでは、「29分なんてすぐに遅らせられる。この「A」はヤクザやゴロツキと同じだ」とAさんを非難する者も現れている。 しかも上記のホームページの書面において、ワタミは「労働時間については、現在も団体交渉を継続しております」と公表している。ところが、ワタミはAさんの加盟するブラック企業ユニオン に対して、一度も具体的な労働時間の認め方について、提案してきたことはないという。 Aさんは、自分には真摯に向き合おうとしないのに、ホームページでは「いい顔」をするワタミの「外面の良さ」に、怒りを募らせている』、「ワタミ」がいまだにこのような組織的な不正工作をしているとは驚かされた。
・『ワタミが狙っていたのは「時間切れ」なのか  実はAさんがこのタイミングで提訴に踏み切った理由の一つは、未払い残業代の「時間切れ」の問題があった。 どういうことかといえば、Aさんはブラック企業ユニオンを通じて、昨年10月上旬に残業代を請求していた。一度請求すると、「催告」という行為を行なったことになり、その日から遡って2年間分の未払い残業代の時効が中断される。 ただし、これは催告から6ヶ月だけの間である。その間に、提訴をするか、残業時間の承認をさせる必要があるのだ。しかし、期限の4月上旬が迫っていたにもかかわらず、一向にワタミは具体的な残業時間を認めようという反応は、なかったという。ましてや上述したように、労基署に対して残業時間を値切らせようとして、ホームページで誤解を招く発表をしている。 ワタミは半年間残業代についての具体的な回答を引き伸ばすことによって、時効が切れるタイミングを待っていたのではないかと勘繰る意見が出てきても仕方ないだろう。 いずれにせよ、Aさんは4月上旬に催告の効力がなくなることを恐れて、提訴しなければならなかったという事情もあるようだ。 以上、Aさんが今回訴訟に踏み切ったの背景を説明してきた。筆者は引き続き、本件について調査していくつもりだ。 Aさんを応援したい方や、「ブラック企業」と闘いたいという方は、ぜひ連絡・相談をしてほしい。 追記 2021年4月1日17時40分 ワタミ側は下記の通りHPに発表していることが確認できたので、追記します。(「当社従業員の記者会見に関して」は中身がないので省略)』、「ワタミが狙っていたのは「時間切れ」」、というのはその通りだろう。Aさんに組織的支援があったのが幸いしたようだ。いまだにこのようなことを平然とやる「ワタミ」の「ブラック企業」体質には呆れ果てた。
タグ:東洋経済オンライン yahooニュース 田中康夫 ブラック企業 ダイヤモンド・オンライン 今野晴貴 (その13)(「電通」はなぜ迷走し続けるのか? 畏友・山本敏博CEOへの“最後の諫言” 田中康夫緊急寄稿、電通を「過去最大赤字」に追い込んだ元凶の正体 なぜ海外の買収先が巨額減損に迫られたのか、ワタミはなぜ提訴されたのか 労基署さえ「手玉」にとる魔手の数々か?」) 「「電通」はなぜ迷走し続けるのか? 畏友・山本敏博CEOへの“最後の諫言” 田中康夫緊急寄稿」 最終損失の主要因は海外子会社の減損 CFOの決意に相槌を打っている場合ではない 「海外事業を中心にのれんなどの減損損失1400億円強を計上」、海外の買収には無理があったのだろうか 僅か5年で164社を傘下に収め、2019年12月には145カ国・地域に6万6000名の従業員を擁する900社もの多国籍企業改め“無国籍企業”へと急激に拡張 電通グループ全体の売上総利益に占める国内比率は85%から43%へと半減。57%の収益を海外に依拠する構造」、とはかなり急速に海外M%Aを進めたようだ。 「減損損失」で税務上でも赤字となれば、「繰越欠損金制度」が適用されるようだ 「借入金にコベナンツが付いた」、ということは財務の柔軟性が失われて、ショックに弱い体質になったことを意味する 「正社員全体の3%に当たる230人が「個人事業主」として「勤務」する「新しい働き方改革」」は、確かに「“廓(くるわ)の論理”を押し付ける“脱法リストラ”じゃね」、との「批判」も当たっているようだ 「提言(1」)~「(4)」は、。いずれも妥当なものだ 戦争にも協力した過去の電通 求められる「自分の意思と言葉」 それは作家という自由業の田中氏なら可能だろうが、サラリーマンにとっては、無理なように思われる 「電通を「過去最大赤字」に追い込んだ元凶の正体 なぜ海外の買収先が巨額減損に迫られたのか」 「2013年に買収したイージスは旧来型の代理店だった」、「結果的にイージスは時代に乗り遅れたと言わざるをえない」、なるほど 10%超の大規模人員削減を敢行 「デジタル」分野の「競争は苛烈」で、「東京五輪」も海外見物客を入れないなど厳しさが増している。今後の「電通グループの底力が試されている」のは確かなようだ。 「ワタミはなぜ提訴されたのか 労基署さえ「手玉」にとる魔手の数々か?」」 労基署の発言を都合よく切り取って、ホームページで公表 「ワタミ」のやり方は全く悪質で、かってのブラック企業批判も頷ける。 「ワタミ」がいまだにこのような組織的な不正工作をしているとは驚かされた 「ワタミが狙っていたのは「時間切れ」」、というのはその通りだろう。 Aさんに組織的支援があったのが幸いしたようだ。いまだにこのようなことを平然とやる「ワタミ」の「ブラック企業」体質には呆れ果てた
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