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投資(商品販売・手法)(その1)(1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴、ロボアドバイザーでの資産運用に反対する4つの理由、絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」 投資家を狙う落とし穴とは?) [金融]

今日は、投資(商品販売・手法)(その1)(1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴、ロボアドバイザーでの資産運用に反対する4つの理由、絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」 投資家を狙う落とし穴とは?)を取上げよう。

先ずは、本年1月10日付けNewsweek日本版が掲載したビジネスライターのダニエル・グロス氏による「1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴」を紹介しよう。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2021/01/1300-9_1.php
・『<米証券業界に「革命を起こした」と評判のロビンフッド。売買手数料は無料、数百ドルしか手元になくても気軽に株式投資ができる。利益相反なども指摘されるが、快進撃はどこまで続くのか>(※本誌「2021年に始める 投資超入門」特集より) 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に揺れた金融市場の最も意外な勝者の1つは、ミレニアル世代(2000年代に成人または社会人になった世代)がターゲットのスマートフォンアプリ「ロビンフッド」だ。 ユーザー数は1300万人。「金融市場を一般の人々がアクセス可能なものに変え、証券業界に革命を起こした」と、米有力ベンチャーキャピタル、セコイア・キャピタルのアンドリュー・リードは語る。 言うまでもなく、ロビン・フッド伝説は貧しい人々を助けるために金持ちから盗む義賊の物語。だが今では、庶民を金持ちと対等な立場に引き上げる試みの意味になった。それこそカリフォルニアを拠点とするロビンフッド・マーケッツの企業理念だ。 裕福な個人が相手の証券会社と違い、ロビンフッドには最低取引単位がない。株取引の売買手数料は基本的に無料。数百ドルしか手元に資金がなくても、アマゾン株(現時点で1株=3000ドル以上)を1単元株未満で購入できる。 共同創業者で共同CEOのバイジュ・バットとブラド・テネフは、スタンフォード大学で出会い、ヘッジファンドに取引ツールを売っていたが、すぐにミレニアル世代が簡単に株式市場にアクセスできるアプリの開発に方向転換。2015年にアプリ「ロビンフッド」を正式にリリースした。 ゴールドマン・サックスのような既存の金融大手はもちろん、Eトレードのようなネット証券から見ても魅力的な顧客とは言い難い超小口の個人投資家にとって、ロビンフッドは天からの贈り物だった。 ほとんどの投資アドバイザーが株価指数と連動するインデックス投資を推奨する時代に、あえて個別株で勝負したい投資家にも歓迎された。 「私たちは数百万人の人々、特に新しい世代が投資の扉を開くのを後押ししてきた」と、2人の創業者は胸を張る』、「2015年にアプリ「ロビンフッド」」「を正式にリリース」、「最低取引単位がない。株取引の売買手数料は基本的に無料」、現在では「ユーザー数は1300万人」、とは革命的だ。
・『利益相反の疑いあり  2019年までに、ロビンフッドは「ユニコーン」(企業評価額が10億ドル超で未上場の新興企業)の1つに成長した。2019年7月には3億2300万ドルを資金調達し、評価額は70億ドルを突破。年末までに1000万人のユーザーを獲得した。 そして2020年、パンデミックの襲来を受けてプロスポーツが活動を停止すると、サッカーやバスケットの試合を対象とする賭けに熱中していた人々が株取引に殺到。この年を通じて、ロビンフッドは米株式市場と共に急成長した。 経済専門ケーブルテレビ局CNBCによると、2020年第2四半期に同社の顧客が行った取引数は対前期比で2倍に増え、ユーザー数は1300万人以上に膨れ上がった。 2020年5月には2億8000万ドルの資金調達を行い、評価額は83億ドルに。9月にはさらに6億6000万ドルを調達し、評価額は117億ドルとなった。次の一手はIPO(新規株式公開)だと言われている。 急成長の一方で、問題も浮上した。株式市場が最も不安定だった3月初旬にはシステム障害が発生。顧客は自分の口座にアクセス不能になった。 ロビンフッドの主な収入源は、マーケットメーカー(値付け業者)に顧客の売買注文を流すのと引き換えに受け取る、一種のリベートだ。こうしたデータの売買は業界の一般的慣習だが、消費者擁護団体と規制当局は利益相反になるとみている。 しかし、より大きな問題は株式市場が長期下落トレンドに突入したらどうなるかだ。2000年のITバブル崩壊や2008年の金融危機のように投資家が大やけどを負った場合、手数料無料の魅力だけではユーザーをつなぎ留められないかもしれない。 <2021年1月12日号「2021年に始める 投資超入門」特集より>』、「ロビンフッドの主な収入源は、マーケットメーカー・・・に顧客の売買注文を流すのと引き換えに受け取る、一種のリベートだ。こうしたデータの売買は業界の一般的慣習だが、消費者擁護団体と規制当局は利益相反になるとみている」、「より大きな問題は株式市場が長期下落トレンドに突入したらどうなるかだ」、注目したい。

次に、1月6日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「ロボアドバイザーでの資産運用に反対する4つの理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/258984
・『資産運用の世界で徐々に普及が進んでいるロボアドバイザーは個人投資家にとって役に立つのだろうか?筆者は現段階の実用性に対して否定的だ。その四つの理由をお伝えしたい』、世間では「ロボアドバイザー」をもてはやす論調が多いが、これを否定するとは興味深そうだ。
・『ウェルスナビの新規上場など徐々に普及するロボアドバイザー  いわゆるフィンテックビジネスの一つとして数えられることのあるロボアドバイザーの普及が進んでいる。昨年12月には、運用残高で最大のロボアドバイザー運用会社であるウェルスナビが東京証券取引所マザーズ市場への新規上場を果たした。 ロボアドバイザーは役に立つのだろうか? 筆者は、現段階でのロボアドバイザーの実用性に対して否定的だ。実は、このタイミングでロボアドバイザーについて論じるのは、ウェルスナビのIPO(新規株式公開)の邪魔をしたくなかったからだ(筆者ごときの意見がIPOに影響するとは思えないが、気持ちの問題だ)。現状のロボアドバイザーに不満があるとしても、テクノロジーを使った個人の資産運用のサポートには今後大いに期待したいと思っている。 ロボアドバイザーの大まかな機能を運用の観点からまとめると以下の通りだ。 まず(1)幾つかの質問の答えによって投資家の「リスク拒否度」を推定する。次に、(2)各資産クラスのリスク・リターンの推定値とリスク拒否度を使ってアセットアロケーション(資産配分)を決定する。そして、(3)資産クラスごとに運用商品の組み合わせを決定する。全体として、人間が行うラップ運用を、コンピューターのプログラムによって行うサービスだと思えばいいだろう。費用は、運用資産残高に対して年率1%前後のものが多い。 上記のようなロボアドバイザーが役に立たないと筆者が思う理由が四つある』、どういうことだろう。
・『ロボアドが役に立たない理由(1)「資産全体」の問題を解決できない  ロボアドバイザーは、個人の資産運用の問題の最重要部分を解決できない。 率直にいって、ロボアドバイザーに運用できる全財産の運用を任せる人はまれだろう。積立運用の場合も含めて、資産の一部をロボアドバイザーに任せることになる。 ところが個人にとっては、ロボアドバイザーに任せた部分以外を含む運用資産全体の運用状態がどうなっているかが問題だ。 ロボアドバイザーは個人の資産の総額や収入などの情報を収集しようとするが、この情報収集には限界がある。そして、他の運用資産がどのような状態で運用されているかが分からないと、ロボアドバイザーの運用部分を個人にとって最適な状態として決定することはできないはずだ。 投資家個人の側から考えると、ロボアドバイザーに任せた運用部分を前提に、残りの資産の運用を考えなければならない。ところが、そもそも資産の運用の仕方が分からなくてロボアドバイザーを利用したはずの個人は、より複雑化した形で元と同じ問題に直面することになる。 個人の運用の問題を解決するというよりは、さらに複雑化している』、「「資産全体」の問題を解決できない」、確かにその通りだが、「資産全体」を委ねればいいのではなかろうか。
・『ロボアドが役に立たない理由(2)「リスク拒否度」を決めるアプローチが個人になじまない  例えば、企業年金の積立金のような定型化された資産の運用の場合、リスクに対してどういったペナルティーを科するかを数値化した「リスク拒否度」を決めることによってアセットアロケーションを決めるアプローチがそれなりに納得的に機能する。 しかし個人の場合は事情が違ってくる。 経済状況をバランスシートで考えるとして、まず資産側は人的資本の占める割合が大きいが、人的資本は本人が将来の稼ぎ方を変更することや勤務先の経済的事情の変化などによって大きく変動する。さらに負債の側も、将来の生活の拡大縮小が可能であり伸縮的だ。 つまり積立金と将来の掛け金が予想可能で資産側が計算でき、将来の支払い予定から負債が計算できる年金運用の世界とは違うわけだ。個人が資産運用をするに当たって適切なリスク拒否度を決める条件は、複雑であると同時に変動が大きい。 率直にいって筆者は、リスク拒否度を決めて個人の資産運用方針を決める簡易版の個人資産の運用法を作る試みを過去に何度も行ったが、うまくいかなかった。 リスク拒否度を決めて最適化計算を行うアプローチは、個人の資産運用にあっても一定の有効性・合理性があると思う。ただ、現実の個人の運用にあっては、少なくとも損をするかもしれない額と損をした場合の対応をセットで考え、確認した上で、当面の資産運用で取るべきリスクの額を決める必要がある。 ロボアドバイザーのアンケート的質問がこの問題を解決できるとは思えない』、その通りなのかも知れない。
・『ロボアドが役に立たない理由(3)「バランスファンドの無駄」問題  ロボアドバイザーは投資家個人のリスク拒否度の大きさに応じて、例えば国内外の株式50%、債券が50%といった具合に資産配分を行い、投資を実行する。 特に今のようなゼロ金利の時代には分かりやすいが、果たして債券での運用に対して年率1%近い運用手数料を支払う意味があるだろうか。 仮に50万円分だけ株式で運用してもらえるサービスが年率1%で存在するなら(実際には年率0.2%以下で存在するが)、このサービスを利用して残りの50万円を自分で行う債券投資、あるいは債券で運用してくれる安価なサービスに資金を振り分ける方が、上記のようなロボアドバイザーに100万円運用してもらうよりも費用面で明らかに合理的だ。 ロボアドバイザーに支払う手数料1%は、実際に行われる運用の内容を考えるとかなり割高だと判断できる場合が少なくない。 これは、投資信託のバランスファンド(株式・債券両方の資産クラスに投資する投信)にあっても発生する無駄だが、ロボアドバイザーの顧客もこの問題に対して自覚的になることで運用を確実に合理化できる。 ロボアドバイザーもバランスファンドもやめて、自分で株式と債券のそれぞれに投資する方がずっといいのだ。 「初心者は自分でアセットアロケーションができないので、ロボアドバイザーやバランスファンドが存在することに意味がある」との言い分を聞くことがある。ところが実際に両商品がやっていることは異なる。投資家の資産の一部を非効率的な形で抱え込んで、「自分の運用全体の最適化」という重要な問題を抱える投資家に対して問題をより複雑にして返しつつ、無駄に高い費用を取っているだけのことだ。 「初心者に優しい」のは見かけ(=宣伝のイメージ)だけだ。 ロボアドバイザー業者側から、「ロボアドバイザーがなければ運用に関わることがなかったはずの初心者に対して、運用を始めるきっかけを与えることには価値があるのではないか」との反論を受けたことがある。それに対して筆者は、「よりダメな状態の誰かを想定して、自分を正当化することはやめなさい」と答えた』、「ロボアドバイザーもバランスファンドもやめて、自分で株式と債券のそれぞれに投資する方がずっといいのだ」、その通りのようだ。
・『ロボアドが役に立たない理由(4)時間に比例する費用の不合理性  仮に、ロボアドバイザーが行う資産配分や商品選択に何らかの価値があるとしよう。だが、この価値に対する対価を「運用資産額×運用期間」に比例して支払うことは合理的だろうか? 「個人の事情に合わせたアセットアロケーション」や「アセットクラスごとの商品の選択」は、運用期間の初期にあって重要な決定だが、いったん決めてしまえば時間の経過とともに運用初期と同じだけの努力の投入が必要な行為ではない。 時間の経過に伴って生じる資産配分の変化を元の比率に戻す「リバランス」に価値があると、ことさらに強調する向きもある。とはいえ、リバランスは頻繁に細かく行う必要はないし、必要な程度のバランス修正は個人でも十分にできるので、これに費用を払う合理性は乏しい。 投資家にとっての運用のメリットは確かに時間の経過によって得られるものなのだが、運用の内容は運用の初期の努力で大半が決定できる。 前者は投資家自身の資金提供と忍耐の成果であり、アドバイザーの主な貢献は後者の段階にある。であるのだから、運用期間に比例して漫然と手数料を払い続けることは、顧客である投資家側にとって合理的ではない。 例えば、人間のアドバイザーに相談して自分の資産全体の運用方針を一度決めてしまえば、その後は自分で運用を管理すればいい。 仮に1000万円を1年間ロボアドバイザーで運用するのに10万円掛かる状態と比較してみよう。アドバイザーに数万円支払って運用方針を決め、年間2万円以下(運用管理費用0.2%以下)の運用商品で運用すると、1年でアドバイスの元が取れる計算であるし、2年目以降の差はもっと大きく開く。 ロボアドバイザー業者も長期運用の効用を説くが、運用が長期に及ぶほど期間に比例する手数料の影響は大きい』、「「個人の事情に合わせたアセットアロケーション」や「アセットクラスごとの商品の選択」は、運用期間の初期にあって重要な決定だが、いったん決めてしまえば時間の経過とともに運用初期と同じだけの努力の投入が必要な行為ではない」、「運用期間に比例して漫然と手数料を払い続けることは、顧客である投資家側にとって合理的ではない」、「例えば、人間のアドバイザーに相談して自分の資産全体の運用方針を一度決めてしまえば、その後は自分で運用を管理すればいい」、その通りだ。
・『必要なら人間に相談して自分で決めるべし  以上、現在のロボアドバイザーの利用に賛成できない理由を挙げた。それでは、個人はどのように資産運用をすればいいかというと、「自分で考えたらいい」。運用プロセスで最も重要な決定である「リスクテイクの大きさ」に関連する情報を最も豊富に持っているのは投資家本人だからだ。 運用方針の決め方は、率直にいってそれほど難しいものではない。適切な本を1冊読むと十分一人でできるようになる程度の問題だ。仮に不安があるなら、今の段階では人間のアドバイザーに1回ないし数回相談して、その都度対価を支払う方が合理的だし、何よりも「自分で分かるようになる」ことの価値が大きい。 筆者は、あるロボアドバイザー運用会社の経営者に、顧客の資産の一部を運用するロボアドバイザーよりも、顧客の運用全体の問題解決に貢献できるフィンテックサービスを開発・提供することの価値の方が大きいのではないか、と言ったことがある。その経営者は頭のいい人なので、「ぜひやりたい」と返答した(「必ずやります」だったかもしれない)。 では、そうしたサービスができたとしたら、読者はロボアドバイザーを利用するだろうか。「要らない!」と筆者は思う』、運用のプロである山崎氏ならそうだろうが、素人にとってはそうもいかず、任せ切りにしたい人も多いだろう。

第三に、この続きを、4月14日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」、投資家を狙う落とし穴とは?」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/268350
・『読者自身が今後もうけるため、あるいは、悪い金融話に引っ掛かって損しないようにするために、本稿では典型的な「金融のもうけ」の4パターンを見てみよう。それらがはらむリスクや不利について、投資家は気がつかない場合が少なくない。大いに気をつけて、遠ざかる心構えを持ってほしい』、確かに銀行や証券会社、生命保険会社などの営業マンが手ぐすねを引いているので、注意が必要だ。
・『悪い金融話に引っ掛からないように遠ざかるべき「4パターン」  新型コロナウイルスによる危機に対応した金融緩和と財政出動を背景として、株式などの資産価格が高騰。あちこちにお金持ちが生まれている。コロナは間違いなく貧富の格差を拡大している。 ただしお金持ちの中には、株式を大量に保有する創業経営者のように、もともと資産があってその資産が膨らんだ「自然なお金持ち」も存在する。一方で、先頃破綻して内外の金融機関に大きな損をもたらすことになった米ファミリーオフィス(個人の資産運用会社)のアルケゴス・キャピタル・マネジメントのような、関わると「実は危ないお金持ち」も混じっている。 「危ない」の中には、「市場のリスク」が危ない場合もあるし、法的・倫理的にスレスレの、「危ない」よりも「汚い」に分類したくなるようなリスクもある。そして、金融的なもうけにはいくつかの典型的なパターンがある。 はっきり言って、もうかる投資先を次々と当てて連戦連勝するような「相場の当たり」を続けて大金持ちになる人はごく少ない。集中投資がたまたま当たり、それを長期にも保有することになった創業経営者のような「幸運な人」が時々存在する程度だ。それ以外の金融のもうけは、よく見ると意外にチープな仕掛けから生じている。 読者自身が今後もうけるためでも、あるいは、悪い金融話に引っ掛からないようにするためでもいいのだが、本稿ではいくつかの「金融のもうけ」のパターンを見てみよう』、「パターン」別に整理してくれるとは、理解しやすい。
・『絶対に近寄ってはいけない「もうけその1」レバレッジでもうかった  個人のお金持ちからヘッジファンドの経営者に至るまで、レバレッジを掛けた投資、すなわち実質的に借り入れを伴う投資が結果的に成功して大金持ちになった人は数多い。もっとも、後に触れるが、ヘッジファンドの場合はレバレッジ以外に別の「仕掛け」の役割が大きい。 個人のお金持ちには、不動産で財をなした人が少なくない。不動産は担保物権が具体的なので個人でも比較的低利の借金を利用しやすく、大きな金額の借金と投資ができてお金持ちになるパターンがある。 安易なマネー本や不動産のセールスマンが言うように、「家賃利回り>借入金利」なら不動産は利益をもたらすプラスの資産なのだ、というほど話は単純ではない。しかし、次々にローンを借りて不動産投資を膨らましただけの「欲張り父さん」のような人が、「結果的に」お金持ちになることはある。 その過程では大きなリスクと無駄な手数料の支払いがあったはずなので、うらやましがってまねをしてはいけない。真に着実にもうかるのは、一見もうけ話らしき案件を売り歩くセールスマンだ。 借金も、(1)良い利回りを見込める資金の使い道があって、(2)十分返せる規模で、(3)金利が高くないものであれば、利用していけないというものではない。 (2)については、普通の人は返済の算段を心配する方がいいが、野心的な事業家の場合「借金とは、借り手が心配するものではなく、貸し手が心配するものだ」というくらいに考える人もいる。その度胸は時に功を奏する。 しかし、今般話題になったアルケゴスの場合は、集中投資の行き先がまずかったようだ。「相場を当て続けることはできない」という原則と、「レバレッジによるリスク拡大」が悪く重なった例だった。 素晴らしいテクノロジーで大もうけしているように見えて、実際には数十倍のレバレッジでリスクを取っていたと後からもうけの「種」が分かるようなケースもある。かつてノーベル賞受賞学者などを巻き込んで設立され、後に破綻した米ヘッジファンドのロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)がその典型だ。 うますぎるもうけ話の裏には「大きなレバレッジが隠れていないか?」という疑いが欠かせない』、確かに「LTCM」は「ノーベル賞」の意味も考え直させるインパクトがあった。
・『絶対に近寄ってはいけない「もうけその2」 信用リスクのある高利回り投資  一般に素人は配当や分配金などのインカムゲインに釣られる傾向があるが、見かけのインカム利回りはプロの運用者にとっても魅力的な場合がある。 特に損失を抱えたファンドマネージャーが、インカム利回りの高いポートフォリオを組んで損を取り返そうとするケースは少なくない。 この場合、信用リスクがあって利回りが高い債券を組み入れて、デフォルトがないことを「祈る」パターンになる。ここにレバレッジが組み合わせられるケースもある。金融機関や運用会社の経営者は、自社の運用者がこうしたパターンの運用をしていないか、常に気を配っておきたい。 いつ、どの会社で、誰が、までは書かないが、筆者が過去に勤めた会社で、損失を隠蔽したファンドマネージャーがやっていたのもこの手口だった。しかし、投資した債券の中にデフォルトするものが生じて、もろもろの不都合が明るみに出た。 ファンドの計理(会計)をごまかして損失を隠蔽していなくても、利回りを求めて信用リスクの高い債券に投資する運用は歯止めが掛かりにくい。 政府・中央銀行の経済対策やコロナワクチン接種の普及に伴う経済回復などの期待から、現在米国の社債市場では、低格付けの銘柄と国債との利回り格差が縮小する傾向にあるが、いずれ問題が生じるだろう。低格付けの銘柄を証券化商品というオブラートにくるんでも根本的な問題が解消しないのは、かつてのサブプライムローン問題で経験済みだ』、「信用リスクのある高利回り投資」、も大いに気を付けるべきだろう。
・『絶対に近寄ってはいけない「もうけその3」フロントランニング  証券会社で、顧客の売買注文の前に自己勘定の注文を割り込ませて、顧客の注文を利用して利益を得る行為を「フロントランニング」と呼ぶ。もちろん、不正であり、違法行為だ。 しかし、かつて(と言っておく)証券会社の自己売買にあって、フロントランニング的な行為は時々存在した。顧客の注文を受ける部署と自己売買部門の物理的・人的な距離があまりに近かったのだ。 現在は、かつてのような単純なフロントランニングは難しくなっているが、自己売買部門に代わってフロントランニングを行っているのが、いわゆる高速取引業者だ。 煩雑になるので詳しい説明は省くが、彼らは投資家の注文をキャッチして、取引所にその注文が流れるよりも速く注文を執行して利益を得る。そしてその一部を、注文を流してくれた証券会社にキックバックする。1社で行うと不正になるフロントランニングだが、分業することによって規制をすり抜けている。 先般、主に米インターネット証券のロビンフッド・マーケッツを使った個人投資家による米ゲームソフト販売大手のゲームストップ株の売買が米国で話題になった。 SNSで連携した個人投資家たちとヘッジファンドは相場で勝負をしているのだから、どちらがもうけても(損をしても)構わない。ただ、全体の構図の中で、取引を仲介したロビンフッドと高速取引業者が確実にもうけているのが気になった。「違法ではないが、質の悪いもうけを得ている」との印象だ。一般投資家は関わらない方がいい。 顧客の買い(売り)注文の鼻先をかすめて先に注文を執行し、ほんの少し上(下)のオーダーを出して顧客の注文と付き合わせると、見かけ上の出来高が2倍に膨れ上がるが、実質的な流動性は増していない。市場の機能は少しも改善していないし、顧客から見えにくい場所で実質的な取引手数料が生まれるような仕組みは不健全だ。 なお、インデックスの銘柄入れ替えや銘柄のウェイト変更を、高速取引業者を含む市場参加者に利用されることで発生するインデックスファンドの損も、性格としては投資家がフロントランニングにやられている状態に近い』、「高速取引業者」が「フロントランニングを行っている」、とは初めて知った 予めルールを示し合わせているのだろう。
・『絶対に近寄ってはいけない「もうけその4」オプションとしての成功報酬  ヘッジファンドのマネージャーが大金持ちになれる「仕掛け」が成功報酬だ。 ファンド運用の成功報酬は、ファンド資産額を原資産とするコールオプション(買う権利)の性質を持っている。例えば、値上がり益の2割といったヘッジファンドの典型的な成功報酬条件は「法外に」と言っていいくらい、マネージャー側に有利だ。) オプションの価値は主に原資産のボラティリティー(価格変動の大きさ)で決まる。仮にボラティリティーが20%(日経平均株価のボラティリティーくらいだ)なら、期間1年間のコールオプションの価値は資産額の8%くらいだ(※金利はゼロで計算)。とすると、「値上がり益の2割」の経済的価値はざっと1.6%になる。 これだけでも大きな手数料だが、ヘッジファンドの場合、マネージャーはレバレッジを利用して「自分で」ファンドのボラティリティーを上げることができる。そして、成功報酬の経済価値を何倍にもできる。これは、半ば詐欺に近い有利な仕組みなのだが、「もうけに対して手数料を払うならフェアだ」と思う素朴で愚昧な投資家たち(一昔前の年金基金の運用担当者がそうだった)は、こうした条件で資金を出してくれる。 「オプションとしての成功報酬」を確保して、顧客(自分の勤める会社の株主が実質的に顧客になる場合もある。資本家も時に搾取される!)にリスクを取らせて、自分は成功報酬を得る――。この種のパターンは、金融業にあっては半ば普遍的な「個人のビジネスモデル」であり、同時にバブルの根源的な原因だ。 金融機関のトレーダーもセールスマンも、こうした仕組みを利用してもうける場合が少なくない。 加えて、近年は、企業の経営者たちが、自分で自社のストックオプションを持ち、自社株を買ったり、バランスシートのレバレッジを上げたりするような手口で富を増やすことを覚えた。「CEO(最高経営責任者)の金融マン化」が顕著だ』、「CEO・・・の金融マン化」とは情けない感じもするが、これが現実なのだろう。
・『「金融ビジネス側のもうけ」から遠ざかる心構えを持つ  金融ビジネスでのもうけには、ここで挙げたもの以外にも、営業マンのマンパワー(やはり軽視できない。つい付け込まれてしまう)で稼ぐ手数料ビジネスでのもうけもあるし、ネズミ講に近い詐欺的なもうけなどもある。いずれも相手にしない方がいいのだが、これらはある程度個人の注意によって防ぐことができる(他人に勧められたもうけ話の全てを疑う習慣を持つべきだ)。 しかし、本稿で挙げた、「レバレッジ」「信用リスク」「フロントランニング」「成功報酬」などの仕組みのリスクや不利には、顧客側で気がつかない場合が少なくない。大いに気をつけて、金融ビジネス側のもうけから遠ざかる心構えを持ってほしい』、山崎氏の助言を噛み締めて、「金融ビジネス側の」カモにならないよう気を付けてほしいものだ。
タグ:投資 ダイヤモンド・オンライン Newsweek日本版 (商品販売・手法) (その1)(1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴、ロボアドバイザーでの資産運用に反対する4つの理由、絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」 投資家を狙う落とし穴とは?) ダニエル・グロス 「1300万人がハマる投資アプリ「ロビンフッド」の魅力と落とし穴」 「2015年にアプリ「ロビンフッド」」「を正式にリリース」、「最低取引単位がない。株取引の売買手数料は基本的に無料」、現在では「ユーザー数は1300万人」、とは革命的だ 「ロビンフッドの主な収入源は、マーケットメーカー・・・に顧客の売買注文を流すのと引き換えに受け取る、一種のリベートだ。こうしたデータの売買は業界の一般的慣習だが、消費者擁護団体と規制当局は利益相反になるとみている」、「より大きな問題は株式市場が長期下落トレンドに突入したらどうなるかだ」、注目したい 山崎 元 「ロボアドバイザーでの資産運用に反対する4つの理由」 世間では「ロボアドバイザー」をもてはやす論調が多いが、これを否定するとは興味深そうだ。 ロボアドが役に立たない理由(1)「資産全体」の問題を解決できない 「「資産全体」の問題を解決できない」、確かにその通りだが、「資産全体」を委ねればいいのではなかろうか ロボアドが役に立たない理由(2)「リスク拒否度」を決めるアプローチが個人になじまない ロボアドが役に立たない理由(3)「バランスファンドの無駄」問題 「ロボアドバイザーもバランスファンドもやめて、自分で株式と債券のそれぞれに投資する方がずっといいのだ」、その通りのようだ ロボアドが役に立たない理由(4)時間に比例する費用の不合理性 「「個人の事情に合わせたアセットアロケーション」や「アセットクラスごとの商品の選択」は、運用期間の初期にあって重要な決定だが、いったん決めてしまえば時間の経過とともに運用初期と同じだけの努力の投入が必要な行為ではない」 「運用期間に比例して漫然と手数料を払い続けることは、顧客である投資家側にとって合理的ではない」、「例えば、人間のアドバイザーに相談して自分の資産全体の運用方針を一度決めてしまえば、その後は自分で運用を管理すればいい」、その通りだ。 運用のプロである山崎氏ならそうだろうが、素人にとってはそうもいかず、任せ切りにしたい人も多いだろう 「絶対に近寄ってはいけない「4つの金融の儲け」、投資家を狙う落とし穴とは?」 確かに銀行や証券会社、生命保険会社などの営業マンが手ぐすねを引いているので、注意が必要だ。 「パターン」別に整理してくれるとは、理解しやすい 絶対に近寄ってはいけない「もうけその1」レバレッジでもうかった 確かに「LTCM」は「ノーベル賞」の意味も考え直させるインパクトがあった。 絶対に近寄ってはいけない「もうけその2」 信用リスクのある高利回り投資 「信用リスクのある高利回り投資」、も大いに気を付けるべきだろう 絶対に近寄ってはいけない「もうけその3」フロントランニング 「高速取引業者」が「フロントランニングを行っている」、とは初めて知った 予めルールを示し合わせているのだろう 絶対に近寄ってはいけない「もうけその4」オプションとしての成功報酬 「CEO・・・の金融マン化」とは情けない感じもするが、これが現実なのだろう 「金融ビジネス側のもうけ」から遠ざかる心構えを持つ 山崎氏の助言を噛み締めて、「金融ビジネス側の」カモにならないよう気を付けてほしいものだ。
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