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日本郵政(その17)(政府も身構える「テンセント・リスク」 楽天への出資案が飛び火、内部通報者が次々と休職…「告発したら潰される」日本郵政の腐敗しきった“コンプライアンス”、郵便局員をざわつかせる「研修用DVD」のお粗末 これで保険営業の再スタートに役立つのか) [国内政治]

日本郵政については、2月11日に取上げた。今日は、(その17)(政府も身構える「テンセント・リスク」 楽天への出資案が飛び火、内部通報者が次々と休職…「告発したら潰される」日本郵政の腐敗しきった“コンプライアンス”、郵便局員をざわつかせる「研修用DVD」のお粗末 これで保険営業の再スタートに役立つのか)である。

先ずは、3月28日付け日経ビジネスオンラインが掲載した明星大学経営学部教授(元経経済産業省中部経済産業局長)の細川昌彦氏による「政府も身構える「テンセント・リスク」 楽天への出資案が飛び火」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00133/00056/
・『3月12日に発表された楽天と日本郵政、テンセントの資本業務提携に動きがあった。25⽇、楽天は中国ネット⼤⼿の騰訊控股(テンセント)⼦会社からの657億円の出資に ついて、急遽これまでの発表を一部変更すると発表した。「外国為替及び外国貿易法に基づく手続の関係により、割当予定先とは異なる日に行われる可能性がある」との内容だ。テンセントからの払込日は29日を予定していたが、延びる可能性がある。これにはどういう意味が込められているのか。 本連載でこれまで「楽天への日本郵政・テンセントの出資に浮かび上がる深刻な懸念」、「楽天・日本郵政の提携を揺さぶる『テンセント・リスク』の怖さ」と2回にわたり指摘した通り、楽天の「テンセント・リスク」は日本政府にまで飛び火しつつある(Qは聞き手の質問)。 Q:テンセントからの出資、振込日の直前になって、急遽それが延びる可能性を楽天が発表しました。異例の展開ですが、どういう背景でしょうか。 細川昌彦・明星大学経営学部教授(以下、細川):楽天が当初予定していなかった想定外の事態が起こったということだ。外為法について、初めて楽天が言及した。当初からわかっていれば、本来、出資を受ける発表の時点で、この提携事業でのリスク事項として開示する義務がある。 外為法は、外国企業が国防や通信などの一定業種において、国内企業の株式を1%以上取得するときには事前の届け出が必要というもの。ただ、テンセントは国有企業ではなく”民間企業”なので、一定の条件を満たせば、届け出義務が免除される規定がある。 楽天もテンセントも、届け出は必要ないと理解していたのだろう。私も、その理解は正しいと思う。 Q:なぜ今になって出てきたのでしょう。 細川:おそらく、免除されるものであっても、自主的に出してほしいという要請が規制当局からあったのではないか。「外為法に基づく手続きがなされる可能性がある」と楽天は公表している。これは、水面下で規制当局とやり取りがあることを明確に示している。届け出を出す可能性もある。だが、それは急にはできず時間がかかる。また、規制当局も条件の縛りを付けてくるだろう。当初予定していた29日の振込期限には間に合わない可能性が高いということだ。 Q:当局が動いたのはなぜでしょう。 細川:やはり出資元がテンセントというのが大きい。同社は米国政府がアリババ集団とともに米国民からの投資禁止を検討した企業だ。メッセージアプリの微信(ウィーチャット)などを通じて、米国内のユーザーデータが中国政府に流出する可能性を懸念して、使用禁止の大統領令まで出している。トランプ政権の手法はともかく、こうした懸念はバイデン政権でも払拭されていない。米政権に個人情報の扱いで懸念あり、と名指しされた企業が、通信や金融など個人情報やデータを握る楽天に出資する。ここを問題視したのではないだろうか。 しかも日米の法律では、規制当局の間で情報交換する規定もあることから、この件も当然ワシントンとも既に連絡を取り合っているだろう。事前届け出がなければ規制当局は詳細な内容も把握できず、米国に情報提供することもできない。日本の規制は甘いと、米国から批判されないようにしたいだろう』、「楽天」はどうも脇が甘過ぎるようだ。
・『楽天の米国事業への影響は’  Q:今後、規制当局はどう対応するとみていますか。 細川:実は外為法の制度の下では、規制に限界がある。テンセントが金を払い込んでしまったら止められない。唯一やれることは条件を付けること。例えば、「楽天が持つ個人情報にアクセスしない」といった条件を付ける。ただ、条件を付けても、それがきちんと履行されているかのチェックはできない。 一方、米国はインテリジェンス(諜報)機能があるので、調べることができる点は前稿で説明した通りだ。問題が発覚すれば、取引の事後であってもさかのぼって取引を無効にできる強力な権限を持つ。楽天は米国でも事業展開をしているため、こうした規制の対象になる。 Q:そうなると、楽天の米国事業への影響も出てきかねません。 細川:むしろ楽天にとっては、日本の規制よりもその方が深刻だろう。これまで楽天は米国では一応信頼できるプレーヤーとして、5G絡みのプロジェクトにも参画できていた。今後、楽天は米国との関係で大変なリスクをいつまでも背負うことになってしまった。米国の怖さを考えて、虎の尾を踏まないようにしなければいけない。ただ、テンセントの出資を受け入れるに当たって、こうした米国事業に伴うリスクを楽天がどこまで理解していたかはわからない』、「これまで楽天は米国では一応信頼できるプレーヤーとして、5G絡みのプロジェクトにも参画できていた」、「米国の怖さを考えて、虎の尾を踏まないようにしなければいけない」、「楽天」は英語を社内公用語にしたことで有名だが、語学よりも重要な国際的センスをこれほど欠いていたとは心底、驚いた。
・『「テンセントからは出資を受けるだけ」はあり得ない  Q:そういう懸念に対して、楽天はどのように説明しているのでしょうか。 細川:楽天は日米の当局や関係者に対して、「テンセントからは出資を受けるだけ」と説明しているようだ。だが、投資会社ではないテンセントが、事業での協業などの見返りもなく純投資だけで657億円も払うわけがない。事実、3月12日の会見では、テンセントとの協業についてEコマースなどの提携を例に挙げて、「4月以降に協議する」と楽天の三木谷浩史会長兼社長は前向きに語っていた。そしてテンセント側もそうした事業提携を追求するとコメントしている。テンセントによる影響を問題視されて、「テンセントは出資だけ」という説明をするのは極めて不自然で、二枚舌と言われても仕方がない。特にテンセントの場合、これまでも少額の出資でも自らの広範な事業の力をバックに出資先企業に影響力を行使するケースはたくさん指摘されているのだから』、「テンセントによる影響を問題視されて、「テンセントは出資だけ」という説明をするのは極めて不自然で、二枚舌と言われても仕方がない。特にテンセントの場合、これまでも少額の出資でも自らの広範な事業の力をバックに出資先企業に影響力を行使するケースはたくさん指摘されている」、「楽天」にはビジネス上の良心はないのだろうか。
・『日本郵政の保有データの扱いどうなる  Q:日本郵政にとってはどうでしょうか。株式価値の希薄化もあるので、テンセントの出資について知らかったとは考えにくいですね。 細川:当然、楽天から説明は受けているだろう。ではなぜ1500億円も出資するのか。単純に、テンセントが出資するという事実だけは知っていても、それが抱えるリスクまで考えが及ばなかったということだろう。米国がテンセントに対する懸念からどう動いているかという「テンセント・リスク」に対する安全保障の感度が鈍い、と批判されても仕方がない。 Q:日本郵政による出資の払込期限は3月29日と迫っています。 細川:今後、米国の規制当局がどう対応するか、楽天の米国事業にどのような影響出てくるか、などリスクがある。これが顕在化した場合、経営判断の是非が厳しく問われることまで飛び火しかねない。深刻な「テンセント・リスク」が判明した今、政府が過半を出資する会社(56.87%を政府・⾃治体が保有)として、どう対応するのかも注目される。単なる事業提携とは意味が違うからだ。 Q:日本郵政には膨大な個人情報・データがありますが、その点についてはどうでしょうか。 細川:その点も極めて重要だ。日本郵政と楽天の提携は、物流を中心に金融にも広がる可能性がある。楽天からデジタル人材を受け入れて「楽天社員から学びたい」と日本郵政の増田寛也社長が記者会見で話している。同社が持つ個人のデータを楽天と共有したり、分析したりする可能性をどう考えているのか、明確に説明する必要があるだろう。楽天とテンセントの提携内容によって、日本郵政が保有するデータにリスクが及ぶことがあってはならない』、「日本郵政」「が持つ個人のデータを楽天と共有したり、分析したりする可能性をどう考えているのか、明確に説明する必要があるだろう」、その通りだ。
・『LINE問題で情報流出への関心高まる  LINEのデータ管理問題もありました。グローバル企業の在り方など、今後の展開をどう見ますか。 細川:LINEの件で、個人情報の海外流出についての国民の関心が、目覚める効果はあった。特に中国については2017年に国家情報法が制定されて、企業も共産党政権の求めに応じて、情報提供など協力する義務があることに、経営者自身が無頓着であったことは驚きだ。情報・データに関わる中国ビジネスに対する姿勢の在り方が問われている。今回のテンセントの出資も「画期的な提携だ」と、持てはやしているだけではいけない。 Q: 4⽉には⽶国で⽇⽶⾸脳会談も予定されています。 細川:通常、⾸脳会談では個別案件は取り上げない。ただ、菅内閣の中国との向き合い⽅のリトマス試験紙になりかねない。外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)において、中国を名指しで批判する共 同声明を出している。これは「⽇本もきちんと腰を据えて中国に向き合うべきだ」という、⽶国から菅政権に対する暗黙のメッセージでもある。楽天だけでなく、⽇本郵政、 そして⽇本政府の対処の仕⽅を⽶国は注視するだろう。「テンセント・リスク」は楽天だけの問題ではなく、⽇本郵政や⽇本政府にまで波及する問題だ。 この記事はシリーズ「細川昌彦の「深層・世界のパワーゲーム」」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます』、「「テンセント・リスク」は楽天だけの問題ではなく、⽇本郵政や⽇本政府にまで波及する問題だ」、大いに注目したい。

次に、4月18日付け文春オンライン「内部通報者が次々と休職…「告発したら潰される」日本郵政の腐敗しきった“コンプライアンス”」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/44855
・『かんぽ生命の不正販売、ゆうちょ銀行の不正引き出し、NHKへの報道弾圧……。従業員40万人を超える巨大組織「日本郵政グループ」の、信じられないような不祥事が次々と明らかになっている。 そうした“腐敗の構造”の裏には一体何があるのか。その正体に迫った藤田知也氏(朝日新聞記者)の著書『郵政腐敗』(光文社新書)より、内部通報制度の崩壊から浮かび上がる“いびつな組織構造”について紹介する』、興味深そうだ。
・『除名される通報者たち  “特定局の鉄則”を振りかざす冒頭の郵便局長は、地区郵便局長会の会長であり、九州地方郵便局長会の副会長でもあった。そして、当然のように、日本郵便の地区統括局長と、日本郵便九州支社副主幹統括局長も兼任していた。 そんな“大物局長”が常識外れの「通報者捜し」に動いていたことは、日本郵便九州支社コンプライアンス室にも連絡が入っていた。 2019年1月24日に不当な通報者捜しが起きてから1週間後。部会のメンバーが再び同じ公民館に集められ、当の副主幹統括局長が登場して土下座して謝るという一幕があった。本社コンプライアンス担当役員から注意されたためだとみられ、同年春には懲戒戒告処分も受け、統括局長などの役職も降りてヒラ局長となり、出世は見込めなくなった。通報者捜しに加担した部会長への処分の有無は不明だが、まもなく別の地域の郵便局に転勤していった。組織として最低限の対応はとられたのかもしれない。 しかし、通報者と疑われた局長たちには、その後も「嫌がらせ」や「腹いせ」としか思えない攻撃が続いた。 問題の副主幹統括局長は、地区郵便局長会の会長の座も急きょ降りたものの、単なるヒラ局長に戻ったのではなく、「相談役」に据えられた。 その地区局長会長の後任を決める2019年3月の会合では、地区会の理事だった郵便局長が「内部通報者捜しがあって引責するようだ」と報告したところ、ほかのメンバーから「中傷だ」「名誉毀損にあたる」と非難を浴び、局長会を「除名処分」された。別の局長も、判然としない理由で除名になった。2人はいずれも、通報者捜しが繰り広げられた部会に属していた。 地区郵便局長会のメンバーらはその後、除名した2人の局長に対し、日本郵便の役職も降りるよう迫ったり、九州支社の人事部門に役職を解くよう掛け合ったりもした。同じ部会に属するほかの局長も、会合で厳しい言葉をぶつけられ、役職を降りるよう求められた。 通報者らは次第に孤立を深め、うつ状態と診断されて休職する者が相次いだ。こうした情報も九州支社コンプライアンス室に届き、九州支社総務人事部が調査したこともあるが、業務中の言動でパワハラが認定されることはなく、任意団体である局長会の活動での言動は業務外だと突き放した。 結局、6人の通報者を含む計7人の郵便局長が2019年秋、元副主幹統括局長と複数の幹部局長を相手取り、通報者捜しとその後の不利益などで精神的苦痛を受けたとして、損害賠償を求める訴訟を起こすまでに至った。 福岡県警も同時期から捜査に乗り出し、2020年1月には、元副主幹統括局長が一部の局長に通報者と認めるよう迫ったとして、強要未遂罪の疑いで福岡地検に書類送検した(福岡地検は今年4月5日、元副主幹統括局長を強要未遂罪で福岡地裁に在宅起訴したと発表した)』、「任意団体である局長会の活動での言動は業務外だと突き放した」、形式上は「任意団体」であったとしても、実質的には重要な役割を果たしている組織で、そのでの活動は「業務」そのものの筈だ。「元副主幹統括局長が一部の局長に通報者と認めるよう迫ったとして、強要未遂罪の疑いで福岡地検に書類送検」、悪質だ。
・『通報者捜しは「指導の一環」  郵便局長7人が元副主幹統括局長を含む3人の有力局長に慰謝料を求める訴訟は、福岡地裁で続いている。被告となった元副主幹統括局長側は、請求棄却を求めて争っている。 元副主幹統括局長は裁判所に提出した書面で、一連の発言をしたことは認めつつ、こう主張している。 〈被告(元副主幹統括局長)の性格等を知り尽くす原告が、あえて激怒する態度・発言をとり、不穏当な言辞を引き出したのではないか〉 〈原告と被告は親子のような関係。被告自身、原告を実の息子のようにかわいがり、強い絆を築いていた。何でも腹を割って言い合える仲だった〉 〈厳しい口調で叱責することはあったが、どこの会社にも見られる程度のもの〉 〈原告は被告が怖くて(息子である局長の行為を)報告できずに内部通報したと主張するが、およそ信用できない〉 内部通報制度については、独特の考えを披露している。 〈内部通報したのが郵便局長なら、被告が最も重視する郵便局長同士の絆・結束にひびが入り、修復できなくなるのではないかと考えた〉 〈(通報内容が)不処分となったため、絆・結束を取り戻そうと考えた。内部通報者捜しをするつもりは毛頭なかった〉 そして、一連の通報者捜しは〈あくまで指導のつもりだった〉と強調した。 被告側は、ほかの地区郵便局長会幹部らが降職を求めた行為も認めつつ、「あくまで任意の相談・お願いに過ぎない」と主張している。 元副主幹統括局長の言葉は、音声を配信した朝日新聞デジタルなどで聞くことができる。その迫力あるやりとりが「どこの会社にも見られる」と本気で考えているのなら、彼らの“常識”はやはり世間のそれとはかけ離れているのではないか。 被告側の弁護士には書面と電話で何度か取材を申し込んだが、コメントを得ることはできなかった』、「一連の通報者捜しは〈あくまで指導のつもりだった〉と強調した」、強弁にもほどがある。「迫力あるやりとりが「どこの会社にも見られる」と本気で考えているのなら、彼らの“常識”はやはり世間のそれとはかけ離れているのではないか」、同感だ。
・『無視されたガイドライン  日本郵便の組織としての対応にも欠陥がある。 消費者庁が取りまとめた内部通報制度の民間向けガイドラインには、内部通報制度の通報窓口を整備して広く周知するだけでなく、通報者を守ることが制度を機能させるために重要だと、明確に書かれている。 ガイドラインでは、通報者が特定されないよう配慮を尽くすのはもちろん、通報内容の共有範囲は最小限とし、通報を受けて調査に乗り出すときは、調査の端緒が通報だと知られないよう工夫することも求めている。定期的な調査に紛れ込ませたり、複数の郵便局に抜き打ちを仕掛けたりする手法も紹介されている。 通報者の探索や通報者への不利益な取り扱いを禁止し、不利益な取り扱いをしたり通報を漏らしたりした場合は当事者を処分し、不利益の救済・回復を図ることが必要だとしている。 では、福岡での事例はどうだったか。 前述の通り、通報を受けた本社コンプライアンス担当役員が、調査対象者の父親に連絡を入れ、「複数からの通報」を知らせていた。たとえ相手が管理責任者でも、通報があったと調査開始前に知らせたことは、結果から見ても、ガイドラインの趣旨に背くのではないか。 さらに、日本郵便本社には全国郵便局長会の元会長である専務(当時)がおり、統括局長とも親しいとみられていたため、内部通報文書には「専務には言わないで」とも明確に書かれていた。それにもかかわらず、この専務も早い段階で情報を共有し、通報者の一部に連絡していたことが判明している。 通報者が「秘密にして」と懇願する相手でも、通報者の同意を得ることもなく、通報の事実や通報者の情報を即座に明かしていたのだ。これでは、通報制度の意味がないばかりか、通報は決してしないほうがいいと知らしめているようなものだ。 通報者捜しに対しては、懲戒処分を出して統括局長の役職も解いてはいる。だが、処分の事実や降職の理由を社内でも明かしていない。通報者のほうは一部が局長会で除名となり、会社の役職を降りるよう迫られて心を患い、降職や休職に追いやられた者もいたが、そうした「不利益」を回復しようとした形跡はない。 日本郵便は筆者の取材に対し、「(内部通報制度は)ガイドラインに沿って運用し、通報には適切に対応している」と回答した。ただし、個別の事例についてはコメントできないとし、非を認めることはなかった。日本郵便は元副主幹統括局長を含む7人に今年3月末、停職などの懲戒処分を出したが、組織としての課題はまだ検証中だとしている』、「通報者のほうは一部が局長会で除名となり、会社の役職を降りるよう迫られて心を患い、降職や休職に追いやられた者もいたが、そうした「不利益」を回復しようとした形跡はない」、とすると、「日本郵便は筆者の取材に対し、「(内部通報制度は)ガイドラインに沿って運用し、通報には適切に対応している」と回答」、は完全なウソになる。「通報者」が民事訴訟を提訴する余地もあるのではなかろうか。
・『「告発したら潰される」  日本郵政グループの内部通報制度に重大な欠陥があることは、かんぽ生命の不正問題でも浮き彫りになっていた。 2019年9月から立ち入り検査を実施した金融庁は、不正な保険営業などで社員の通報がありながら、それをコンプライアンス部門が積極的には調べず、担当部署に情報を横流しする例がある、などと指摘していた。 たとえば、中部地方で保険営業に携わっていた郵便局員は2018年、不正を繰り返している疑いが濃い同僚の情報を、日本郵便の内部通報窓口に届けた。 問題の社員は営業推進指導役という肩書で、地域の郵便局を回って保険営業の成績が上がるように指導する立場だった。だが、指導を名目に出向いた先の郵便局で、高齢客を相手にいい加減な説明で契約件数を伸ばす一方、相談を受けた家族からの抗議や申し込みの撤回が相次いだ。地元密着で働く郵便局員にとっては、指導役が契約件数だけ荒稼ぎして顧客の信頼関係を壊していくのは迷惑でしかない。 通報した郵便局員は、コンプライアンス担当者から連絡を受け、不正な勧誘を目撃した状況や顧客の名前などを詳しく聞かれ、局員も保険の契約番号に至るまで詳細な情報を伝えたようだ。ところが、知りうる限りのことを伝えたあとに、こう言われた。 「我々が調査すると、通報者が捜されて特定される可能性もあるが、それでも大丈夫ですか」 大丈夫なわけがない。通報した局員が「それは困る」と答えると、そこから話はうやむやになったと、悔しそうに職場でこぼしていた。不正の疑いがある同僚はその後も野放しで営業を続け、好成績で昇格もしていったという。 この事例は、氷山の一角に過ぎない。通報制度に関する現場からの訴えは、ほかにも少なからず聞かれた。単に「調べてもらえなかった」ということにとどまらず、「通報者が特定されて恫喝された」「人事で飛ばされた」という趣旨の話もある。彼らが口をそろえて言うのは「告発したら潰される」ということだ』、「日本郵政」の「コンプライアンス」体制は抜本的に見直す必要がありそうだ。国会で野党が取上げる意味もあるのではなかろうか。

第三に、4月22日付け東洋経済Plus「郵便局員をざわつかせる「研修用DVD」のお粗末 これで保険営業の再スタートに役立つのか」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/26791
・『2019年に大量発覚した保険の不適正募集。2021年4月からようやく保険営業の再スタートを切ったが課題は尽きない。 「この通りに営業活動をすれば、また社内処分を受けるのではないか」「法令違反になるのでは……」――。複数の郵便局員から不安の声があがっている研修用資料がある。日本郵便が使っている保険営業に関する社内研修用のDVDだ。 これは、かんぽの不適正募集が発覚した後、募集人資格を取り上げられた局員向けの研修用資料として2019年9月下旬から導入された。作成したのは日本郵便に生保商品の販売を委託しているかんぽ生命だ。 DVD研修を受けた局員は、レポートを提出しなければ次の研修に進めない(DVDの使用期間は2019年9月27日~2022年3月31日)。東洋経済ではこの研修用DVDの映像を確認した。 映像は「はじめに」「守り続けるもの」「私とかんぽ」という3部構成で計25分間強。局員たちが冒頭のように不安視しているのは、「私とかんぽ」の部分だ』、どういうことだろう。
・『学資保険の「メリット」を強調  たとえば、小学校6年生の「彼女」が交通事故で足を骨折し、1カ月入院するシーン。「学資保険と特約に加入していたおかげで、ケガの治療費はそれでまかなうことができます」というナレーションが流れる。 ある中堅局員は、「(保険の契約時から)入院までに支払ってきた保険料に対する費用対効果と各自治体における医療費補助の制度とを照らし合わせると、現在、入院特約加入の必要性は非現実的」と指摘する。 学資保険をすすめることへの疑問もある。「超低金利の下で各社の学資保険が元本割れしており、(かんぽの学資保険は)どこの会社の商品よりも『掛けオーバー』の金額が大きいからだ」(ベテラン局員)。「元本割れ」「掛けオーバー」とは、支払った掛け金の総額が、受け取る満期保険金額よりも大きいことを指す。 日本生命出身で保険営業の弊害に詳しい「保険相談室」の後田亨代表は、「元本割れが確実な学資保険を勧めることに罪悪感はないのだろうか」と苦言を呈する。 DVDにはほかにも疑問点がいくつもある』、確かに「元本割れが確実な学資保険を勧めることに罪悪感はないのだろうか」、客に損をさせるのはやはり問題だ。
・『現場のことを知らないシーン  入院日数の短期化が進んでいる中、足の骨折で1カ月間入院するという設定や、小学生の医療費が自治体の補助で無料になって久しい中、ケガの治療費は特約で賄えるとナレーションし、母親が「保険に加入していてよかった」と話すところだ。 ある局員は「医療費が(自治体の補助で)無料でも、個室の差額ベッド代や交通費など公的に保障されない費用は少なくない。それが特約でカバーできる」と、入院特約の必要性を一定程度認める。 だが、後田代表は「『保険に加入していてよかった』というのは結果論。生命保険文化センターのサイトで確認すると、0~14歳の骨折による平均在院日数は6.1日。入院日額1万円として給付額は約6万円。(保険料の一部は保険会社の経費になるため)契約者にとっては、特約による給付額を上回る保険料を支払う”痛い仕組み”であると認識したい」と指摘する。 そして、DVDには親子で学資保険の満期金を取りに来るシーンがある。前出のベテラン局員は、「そもそも、子どもを連れて学資保険の満期金を受け取りくる親に会ったことがない。研修用DVDの作成者は現場を知らなすぎるのではないか」とあきれ顔だ』、いかにも嘘っぽい作りものでは、客へアピールする筈もない。
・『社会人なんだから「生命保険」  DVDで、「彼女」は無事に大学を卒業し、夢だった高校教師として働くことになる。 独身の「彼女」に対して父親が「そろそろ自分で生命保険に入ったらどうだ?」と進める。「考えたこともなかったわ」と「彼女」が答えると、父親は「社会人なんだから、いざというときのことも考えないと」と言う。 このやり取りも、「社会人なら、まずは公的な保障である社会保険や勤務先の健康保険組合の付加給付制度など調べたり、学んだりすべき」(後田代表)。 しかし、DVDは「どっちがいいんだろう」と「彼女」が局員の前で悩むというシーンに移る。局員は「でしたら、まずは保障(額)が大きな特別養老保険をお勧めします」と応じる。 だが、このやり取りにも複数の局員から疑問の声が聞かれる。 「資産形成層には、将来を考えると今は保障部分を小さく、資産形成を大きくすべき、という基本説明がいっさいない」(前出の中堅局員)。「DVDには、顧客ニーズを見極めるプロセスがまるでない。これでは後から『ニーズのない商品を契約させられた』と不適正募集にされてしまう」(別の局員)。「特別養老保険は(局員に対する)募集手当が大きく、局員からすると勧めやすい商品なので、研修用DVDでもこの商品が登場しているのだろう」(元局員)。「特別養老保険は、死亡保険金と満期金が同額である養老保険に、さらに死亡保障の上乗せがある保険。子どもがいる世帯主でもない独身女性に勧めてはいけない。満期金がうれしいと言われても『死亡保障にも費用がかかり、お金が増えにくい』と説明すべき」(後田代表)』、「特別養老保険は・・・子どもがいる世帯主でもない独身女性に勧めてはいけない」、その通りだ。
・『顧客ニーズ無視の提案  局員の間で最も異論が多いのが、特別養老保険が10年の満期を迎えて郵便局を訪れた「彼女」に対する局員の対応だ。具体的にはこんなやり取りだ。 局員「満期保険金のお手続きは完了です。長い間ご利用いただき、ありがとうございました。ところで生命保険について、改めてご提案したいプランがあるのですが、本日、もう少しお時間よろしいですか」 彼女「ええ」 局員「本日、ご提案したいのは終身保険です」 彼女「満期保険金を受け取る喜びがあるし、今回も養老保険でいいんじゃない?」 局員「でも、歳を取るにつれて、入院する確率も高くなります。この機会に一生涯の保障をご検討されてみてはいかがでしょうか」 彼女「そうねー。入院で家族に心配をかけさせたくないわねー」 局員「では、詳しいプランをご説明させていただきます」 このやり取りについて局員たちから「顧客の意向を無視している」「不適正募集そのものだ」という声が多い。 「DVDで一番気になる部分。こういう(単一の)セールスをやってはいけない、ということで『総合的なコンサルティングサービス』への脱皮を目指してきたのではなかったのか」(前出のベテラン局員)。「『彼女』に対して終身保険しか選択肢がないかのような説明も問題だ」(別の局員)というのは真っ当な指摘だろう』、研修用DVDが「不適正募集」用DVDになってはどうしようもない。
・『保険金が「ラストラブレター」  DVDのラストシーンでは、「彼女」が局員に感謝の手紙を書く場面が出てくる。 「私も歳をとり、今回入院したことで、本当に終身保険に加入していてよかった」「最後には娘が私の死亡保険金、『ラスト・ラブレター』を受け取ってくれるのでしょう」などと綴っている。 最後に「私たちの使命」というテロップが出て、ナレーションで「真剣にお客さまのことを思ったご提案は、きっとお客さまの心に響くはずです」と訴えている。 前出の元局員は「『真剣にご提案』というのは実態と違う。もし真剣に提案するならば局員の転勤を少なくして担当者の交代を減らすべきだし、募集手当に比重をおいた営業を改めて、固定給にすべきだ」と指摘する。 前出の中堅局員は「支払総額や受取金額の多寡はさておき、会社はこれまで『保険金を受け取ってもらうことがお客さまにとってのメリットになる』という誤った教育をしてきた。社員もそう思い込んで営業をしてきた。そのことが(保険金額に対応した手当を目当てにした)不適正募集の大量発生につながったのだが、『ラスト・ラブレター』というナレーションからは、これまでの反省が微塵も感じられない」と手厳しい。 後田代表は「保険金がラスト・ラブレターという文言は久々に目にした。保険に入る前提でも、かんぽ生命に他社より優れた商品は現状存在しない。真剣にお客さまのことを考える局員には、かんぽの商品を勧める理由が見つからないのではないか」と指摘する』、「かんぽ生命に他社より優れた商品は現状存在しない」のであれば、利益相当部分を圧縮してでも、何とか作り出すべきではなかろうか。
・『これが新しい営業スタイル?  かんぽ生命保険の不適正募集が大量発覚した2019年6月末以降、全国の郵便局は保険営業を自粛してきた。不適正募集で募集人資格を失った局員に対し、この研修用DVDを見せると、いったいどんな効果があるのか。 DVDで説明されていることを営業で忠実に実践すれば、子どもを持つ親には学資保険、次は特別養老保険、その次は終身保険という従来の型にはまった、顧客ニーズを無視した営業が繰り返されるのではないだろうか。 不適正募集の大量発覚によって、営業現場の社員が次々と処分された。だが、ある局員は「研修用DVDの作成に携わったかんぽ生命の社員は、『これが新しい営業スタイルの起点になる』と経営幹部にアピールし、出世している」と指摘する。 その局員はこうも述べた。 「突っ込みどころが満載のDVD作成者が出世している現実こそが、日本郵政グループの暗い未来を暗示している』、「「突っ込みどころが満載のDVD作成者が出世している現実こそが、日本郵政グループの暗い未来を暗示している」、これでは「不適正募集が大量発覚した2019年6月末以降、全国の郵便局は保険営業を自粛」してきたのが、全く無駄になり、再び問題を生み出すリスクが高いことになる。日本郵政の増田社長は何を考えているのだろう。
タグ:日本郵政 日経ビジネスオンライン 細川昌彦 文春オンライン 東洋経済Plus (その17)(政府も身構える「テンセント・リスク」 楽天への出資案が飛び火、内部通報者が次々と休職…「告発したら潰される」日本郵政の腐敗しきった“コンプライアンス”、郵便局員をざわつかせる「研修用DVD」のお粗末 これで保険営業の再スタートに役立つのか) 「政府も身構える「テンセント・リスク」 楽天への出資案が飛び火」 楽天と日本郵政、テンセントの資本業務提携 当初からわかっていれば、本来、出資を受ける発表の時点で、この提携事業でのリスク事項として開示する義務がある 免除されるものであっても、自主的に出してほしいという要請が規制当局からあったのではないか 「楽天」はどうも脇が甘過ぎるようだ 「これまで楽天は米国では一応信頼できるプレーヤーとして、5G絡みのプロジェクトにも参画できていた」、「米国の怖さを考えて、虎の尾を踏まないようにしなければいけない」、「楽天」は英語を社内公用語にしたことで有名だが、語学よりも重要な国際的センスをこれほど欠いていたとは心底、驚いた 「テンセントによる影響を問題視されて、「テンセントは出資だけ」という説明をするのは極めて不自然で、二枚舌と言われても仕方がない。特にテンセントの場合、これまでも少額の出資でも自らの広範な事業の力をバックに出資先企業に影響力を行使するケースはたくさん指摘されている」、「楽天」にはビジネス上の良心はないのだろうか 「日本郵政」「が持つ個人のデータを楽天と共有したり、分析したりする可能性をどう考えているのか、明確に説明する必要があるだろう」、その通りだ 「「テンセント・リスク」は楽天だけの問題ではなく、⽇本郵政や⽇本政府にまで波及する問題だ」、大いに注目したい。 「内部通報者が次々と休職…「告発したら潰される」日本郵政の腐敗しきった“コンプライアンス”」 『郵政腐敗』(光文社新書) 除名される通報者たち 「任意団体である局長会の活動での言動は業務外だと突き放した」、形式上は「任意団体」であったとしても、実質的には重要な役割を果たしている組織で、そのでの活動は「業務」そのものの筈だ 「元副主幹統括局長が一部の局長に通報者と認めるよう迫ったとして、強要未遂罪の疑いで福岡地検に書類送検」、悪質だ 「一連の通報者捜しは〈あくまで指導のつもりだった〉と強調した」、強弁にもほどがある。 「迫力あるやりとりが「どこの会社にも見られる」と本気で考えているのなら、彼らの“常識”はやはり世間のそれとはかけ離れているのではないか」、同感だ。 「通報者のほうは一部が局長会で除名となり、会社の役職を降りるよう迫られて心を患い、降職や休職に追いやられた者もいたが、そうした「不利益」を回復しようとした形跡はない」、とすると、「日本郵便は筆者の取材に対し、「(内部通報制度は)ガイドラインに沿って運用し、通報には適切に対応している」と回答」、は完全なウソになる。「通報者」が民事訴訟を提訴する余地もあるのではなかろうか 「日本郵政」の「コンプライアンス」体制は抜本的に見直す必要がありそうだ。国会で野党が取上げる意味もあるのではなかろうか。 「郵便局員をざわつかせる「研修用DVD」のお粗末 これで保険営業の再スタートに役立つのか」 いかにも嘘っぽい作りものでは、客へアピールする筈もない。 「特別養老保険は・・・子どもがいる世帯主でもない独身女性に勧めてはいけない」、その通りだ。 研修用DVDが「不適正募集」用DVDになってはどうしようもない。 「かんぽ生命に他社より優れた商品は現状存在しない」のであれば、利益相当部分を圧縮してでも、何とか作り出すべきではなかろうか。 「「突っ込みどころが満載のDVD作成者が出世している現実こそが、日本郵政グループの暗い未来を暗示している」、これでは「不適正募集が大量発覚した2019年6月末以降、全国の郵便局は保険営業を自粛」してきたのが、全く無駄になり、再び問題を生み出すリスクが高いことになる。日本郵政の増田社長は何を考えているのだろう。
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