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バイデンと日米関係(その1)(周到準備の日米首脳会談で菅政権が背負う「重い宿題」、日米首脳会談に強烈な不満の中国こそ 戦前日本の失敗を学ぶ時、「中国激怒」の日米共同声明、それでも台湾を守る理由とは) [外交]

今日は、バイデンと日米関係(その1)(周到準備の日米首脳会談で菅政権が背負う「重い宿題」、日米首脳会談に強烈な不満の中国こそ 戦前日本の失敗を学ぶ時、「中国激怒」の日米共同声明、それでも台湾を守る理由とは)を取上げよう。

先ずは、4月19日付け日経ビジネスオンラインが掲載した明星大学経営学部教授(元経済産業省通商政策局米州課長)の細川昌彦氏による「周到準備の日米首脳会談で菅政権が背負う「重い宿題」」を紹介しよう。
・『菅義偉首相とバイデン米大統領による初の対面での日米首脳会談は“成功”で終わった。両首脳ともに外交当局同士による事前のよく練られたシナリオ通りに、地味ながら堅実に対応したようだ。まさに「周到準備の首脳会談」だった。予測可能性のないトランプ前大統領の際の「出たとこ勝負の首脳会談」とは予想通り様変わりだ。 日米ともに「トップダウン」から「ボトムアップ」に変わった。事前に見通した前稿「日米首脳会談へ、『人権』対『グリーン』の駆け引き」で首脳会談の全体像を指摘したが、大方は予想通りの展開だった。 ポイントはこうだ。(1)米国は対中国で日本に腰を入れた対応を求めて、日米首脳会談を対中戦略の重要な場と位置付けている。(2)3月の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)はその前哨戦だった。(3)「台湾」と「人権」が菅政権の対中姿勢を問う“踏み絵”としてメインテーマとなる。 そしてさらに付け加えたのが、「米国から難題が投げかけられたとき、日本は様々な分野で日米の協力案件を用意して、そこだけに焦点が当たるのを避けてきた。それがこれまでの対米外交の常とう手段だ」ということだ。 今回の場合、日本が二の足を踏む「台湾」と「人権」にばかり焦点が当たるのを避けて、日本側で周到に用意されたのが、「気候パートナーシップ」と「競争力・強靭(きょうじん)性パートナーシップ」だ。米国側も受け入れそうなものを仕立てたものだ。その詳細は省くが、この書きぶりを見ると、その原案、たたき台は日本側が詳細に書き込んで用意したことが私の経験から一見して分かる。 日本のメディアの事前報道でも、これらが報じられていたが、必ずしも米国の関心のプライオリティと合致しているわけではない。日本では、バイデン政権が気候変動問題を重視していることから、あたかもこれが日米のメインテーマの一つであるかのように報道されるが、そうではない。米国の報道を見ても米国の世論の関心は気候変動には向けられていないことがわかる』、「「周到準備の首脳会談」だった。予測可能性のないトランプ前大統領の際の「出たとこ勝負の首脳会談」とは予想通り様変わりだ。 日米ともに「トップダウン」から「ボトムアップ」に変わった」、的確な表現だ。
・『本丸は「台湾」と「人権」  あくまでも今のバイデン政権にとっての「本丸」は台湾と人権であった。米国にとって今回の首脳会談は「中国対抗のための首脳会談」だ。その対中政策の中核であるにもかかわらず、日本側の腰が引けているからこそ、よく言えば「すり合わせする」、悪く言えば「追い込む」。そこに今回の首脳会談の目的があった。 3月の2プラス2から周到に仕掛けていくシナリオは、さすがに実務重視のバイデン政権の真骨頂だ。米国家安全保障会議(NSC)でインド太平洋調整官に任命されたカート・キャンベル氏が仕切ったようだ。 仕上がった共同声明だけを表面的に読んでも、そうした本質は見えてこない。当然のことながら、事前準備で最後まで共同声明の文言づくりで難航したのが、この2つの本丸案件だった。 台湾問題では、米国は2プラス2の共同文書で日本に飲ませた「台湾海峡の平和と安定の重要性」という文言をさらに一歩踏み込んで強めようとした。他方、日本は中国の反発を恐れて2プラス2どまりの表現で踏みとどまろうとした。そうした綱引きの妥協の産物が最終の文言になった。 人権もそうだ。2プラス2の共同文書の「深刻な懸念の共有」の文言もさらに踏み込むことを米国は要求したが、日本は抵抗し切ったようだ。欧米諸国が制裁に踏み出しているのとは一線を画して、伝統的な“対話路線”にこだわった。 今回の共同声明の文言では米国は妥協したが、これで終わりではない。忘れてはならないのが人権重視の欧州の存在だ。6月の英国での主要7カ国首脳会議(G7サミット)において日本は孤立しかねない』、外交交渉の経験が長い「細川」氏ならではの深い分析だ。確かに「6月の・・・G7サミット)において日本は孤立しかねない」、ことも要注目だ。
・『重い宿題にどう対応するか  とりあえず共同声明の文言は合意したが、問題はこれからだ。ある意味、首脳会談はキックオフだ。菅首相はこの2つの問題で大きな宿題を背負って日本に帰国した。 台湾問題では日本が日米での抑止力強化のために主体的に何ができるかが問われる。具体論として、中距離ミサイルの配備問題を巡る議論は避けて通れないだろう。さらにもっと大事なのは、台湾有事において後方支援だけにとどまらず、限定的な集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に当たるのかどうかといった議論も不可避の重いテーマだ。 人権では共同声明は「深刻な懸念」で済ませても、何らかの“行動”あるいは“行動の用意”も必要になってこよう。国内では親中派の反対で国会決議もできない状況だ。国会決議は日米首脳会談で米国に押し込まれてから行う予定のようだ。 制裁の根拠となる法律がないことを理由にしているが、欧米からは言い逃れにすぎないと見られている。発動するかどうかは別にして、せめて“行動の用意”ぐらいはあるべきではないか。「人権侵害制裁法」の制定を目指した超党派の議員連盟も本気度が問われる』、「制裁の根拠となる法律がないことを理由にしているが、欧米からは言い逃れにすぎないと見られている。発動するかどうかは別にして、せめて“行動の用意”ぐらいはあるべきではないか」、その通りだ。
・『日本企業も他人事では済まされない  さらにもう一つの深刻な問題は企業の行動も問われようとしていることだ。米国は強制労働で作られた製品の排除を目指した通商政策を考えている。欧州も企業に人権問題を厳しくチェックすることを義務付けようとしている。 米欧が共鳴する中で、日本企業も他人事では済まされない。他方でこうした動きに危機感を抱いた中国は反発して、企業に対して不買運動などでけん制している。日本企業にとってまさに「前門の虎、後門の狼(おおかみ)」の状況だ。 中国は早速、「強烈な不満と断固反対を表明する」との談話を出して反発した。台湾問題も香港・新疆ウイグル自治区の人権問題も中国にとって核心的利益としているので、ある意味当然だろう。しかし中国の反発は織り込み済みだ。3月の2プラス2の共同文書に盛り込んだ段階で、中国の反発の瀬踏みはされている。むしろ、今の中国に対しては反発がないような共同声明では意味がない。 今後、中国は日本に対して、硬軟織り交ぜて揺さぶりをかけてくるだろう。中国からは日本は揺さぶりやすい相手と見られていても仕方がない。中国ビジネスを人質にとられた産業界や親中派の政治家への働きかけも強まろう。逆にいくつか見せしめ的にターゲットとされる企業が出てくる可能性さえある。 そうした揺さぶりに腰が定まった対応ができるかどうかだ。ここまで対中姿勢を鮮明にさせられたことがなかっただけに、これから菅政権は正念場を迎えことになる。 追記:前稿の追記でこう指摘した 「日米首脳会談が直前になって1週間延期という異例の事態となった。表向きは「コロナ対応など準備に万全を期するため」と日本政府は説明するが、額面通りに受け取る者はいない。(中略)ワシントンの事情通の間では、ケリー米大統領特使(気候変動問題担当)の外遊日程との関係がささやかれている。米国主催の気候変動問題サミットの根回しに奔走しているケリー特使の訪中説も浮上している」 これも推測通りだった。恐らく共同声明に対する中国の反発が当然予想されるので、ケリー特使の訪中前に共同声明が出ることを避けるように米側でスケジュール調整された結果だろう』、「中国ビジネスを人質にとられた産業界や親中派の政治家への働きかけも強まろう。逆にいくつか見せしめ的にターゲットとされる企業が出てくる可能性さえある」、ただ、「中国」としては「日本」を完全に「米国の側」に追いやらない範囲で、今後圧力をかけてくる懸念がありそうだ。

次に、4月20日付け日経ビジネスオンラインが掲載した元外務省官房参事官でキヤノングローバル戦略研究所 研究主幹の宮家 邦彦氏による「日米首脳会談に強烈な不満の中国こそ、戦前日本の失敗を学ぶ時」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/042000252/
・『バイデン米政権が発足して初の日米首脳会談。事前の推測記事はさまざまだったが、終わってみれば、「まずまず合格点」ではなかろうか。ジョー・バイデン大統領が初めて対面で会う外国首脳として、アジアの同盟国・日本の菅義偉首相を選んだこと自体、今後の米外交の方向性を暗示する重要な動きである。アジアはもちろん、欧州や中東の各国も注目したに違いない。今回の首脳会談は新たな時代の外交の始まりを予感させるものだった。 一方、批判がないわけではない。本邦の一部有力紙には、「日本の受け身外交」「米国に踏み絵を踏まされる」「対中戦略は主体的に」といった論調が散見された。昭和30年代ならいざ知らず、2021年の成熟した日米関係に対し、旧態依然の「対米追随論」を繰り返すのはいかがなものか。これでは「日本は米国の戦略的属国で、対中関係の破壊をもくろんでいる」とする中国外交部のプロパガンダと大差ない。論ずべき問題の本質は別にあると見るべきだ。 一連の行事が終了した後、ワシントンの中国大使館ウェブサイトは次のような報道官声明を掲載した。 ●台湾、香港及び新疆の問題は中国の内政であり、東シナ海及び南シナ海は中国の領土主権と海洋権益に関わる。これらの問題は、中国の根本的利益に関わるものであり、干渉は受け入れられない。我々は、日米首脳による共同声明と関連する表明に強烈な不満と断固たる反対を表明する。 ほぼ同時期に、東京の中国大使館ウェブサイトも次のメッセージを掲載した。 ●日米双方が首脳会談および共同声明において、中国に対し、言われ無き指摘をし、中国の内政に乱暴に干渉し、中国の領土主権を侵犯したことに対し、中国側は強い不満と断固たる反対を表す。 中国側の「不満」と「反対」は、常に「強烈」で「断固」たるものだから、こうした反応自体に驚きはない。むしろ、中国がかかる立場を表明せざるを得ない背景を分析することで、今回、日米共同声明が言及した「中国との率直な対話」や「中国との協働」の可能性を模索できるのではないか。筆者の問題意識はここにある。日米から見た首脳会談の意義に関する論評はほぼ出尽くした感がある。されば、本稿では中国から見た日米共同声明の問題点を書こう』、「中国から見た日米共同声明の問題点を書こう」、とは興味深そうだ。
・『中国を「名指し」批判し、台湾・人権にも言及  今回の日米共同声明は中国を厳しく批判している。改めて該当部分をここに紹介しよう。 ●菅総理とバイデン大統領は、インド太平洋地域及び世界の平和と繁栄に対する中国の行動の影響について意見交換するとともに、経済的なもの及び他の方法による威圧の行使を含む、ルールに基づく国際秩序に合致しない中国の行動について懸念を共有した。 ●日米両国は、東シナ海におけるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対する。 ●日米両国は、南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張及び活動への反対を改めて表明するとともに、国際法により律せられ、国連海洋法条約に合致した形で航行及び上空飛行の自由が保証される、自由で開かれた南シナ海における強固な共通の利益を再確認した。 対中批判はこれだけではない。今回の共同声明は、従来言及したことのない「台湾」や中国国内の「人権問題」にも、以下の通り、あえて触れている。 ●日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す。(中略)日米両国は、中国との率直な対話の重要性を認識するとともに、直接懸念を伝達していく意図を改めて表明し、共通の利益を有する分野に関し、中国と協働する必要性を認識した。 ●日米両国は、香港及び新疆ウイグル自治区における人権状況への深刻な懸念を共有する。 当然、誇り高き中国は今回の日米共同声明に怒り心頭だろう。「国際秩序に合致しない中国の行動」「南シナ海における、中国の不法な海洋権益に関する主張」などと中国が「公然」かつ「名指し」で批判されたからだ。では、中国は今回、不意打ちを食らったのだろうか。そう問われれば、答えは「ノー」だ。こうした対中「名指し」批判を含む表現は、本年3月に東京で開かれた日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)の共同文書にたっぷりと書き込まれていたではないか。 「もしかしたら、バイデン・菅の首脳レベルでは、表現ぶりで中国に配慮するのではないか」。中国側がこうしたいちるの望みを抱いた可能性はあるだろう。ところが、日米首脳会談の結果は予想通り、中国にとって最悪となった。されば、今さら日米に再び秋波を送っても効果は見込めないと踏んだのだろう。これが、中国側が今回「強烈な不満と断固たる反対を表明」した理由だと筆者は考える。少なくとも、当たらずといえども遠からず、だろう』、「日米首脳会談の結果は予想通り、中国にとって最悪となった」ので、「強烈な不満と断固たる反対を表明」せざるを得なくなったようだ。
・『かなり前から練られたとみられる中国側の反応  そもそも、日米2プラス2の共同文書の内容を首脳レベルの共同声明で踏襲しなければ、それ自体が間違ったメッセージになる。中国側も当然、今回の日米共同声明が同様の対中批判を繰り返すことぐらいは事前に覚悟していただろう。案の定、先ほどご紹介した東京の中国大使館ウェブサイトは、次のような表現で中国側の「強烈な不満と断固たる反対」を正当化した。それなりに練られた文章であり、かなり前から準備したものだろうと推察する。 ●日米は冷戦思考にしがみつき、排他的な小さいサークルを作り上げ、政治的対立を煽(あお)り立てて完全に時代の流れに逆走する動きをしており、地域諸国が平和を求め、発展を図り、協力を推し進める期待に背き、その企みは必ず成り立たない。 ●中国は関連国家が陳腐で、時代遅れのゼロサムゲーム思考を放棄し、中国への言われ無き指摘、そして中国への内政干渉を止め、実際の行動で二国関係および地域の平和と安定の大局を維持することを求める。 ●最近、日本側は中国関連の問題において、たびたび消極的な行動をとり、双方の政治的相互信頼を深刻に損ない、双方が関係を発展させる努力を妨害している。日本側が中日間の四つの政治文書の原則および関連の約束を厳守し、中日関係がごたつかず、滞らず、後退せず、大国対抗に巻き込まれないことを確保するよう忠告する。 申し訳ないが、日米には「冷戦思考」などない。目指すは「排他的な小サークル」どころか、開かれた大グループである。また、香港やウイグルへの関心は、内政干渉というより、人道的要素が大きい。さらに、日中関係が最近悪化したのは、日米の「妨害」が理由ではなく、むしろ従来とは異なるレベルの中国の対外強硬姿勢が原因である。これらすべてに共通するのは、力を使うこともいとわない中国の「現状変更志向」だ』、「日米には「冷戦思考」などない。目指すは「排他的な小サークル」どころか、開かれた大グループである。また、香港やウイグルへの関心は、内政干渉というより、人道的要素が大きい」、「さらに、日中関係が最近悪化したのは、日米の「妨害」が理由ではなく、むしろ従来とは異なるレベルの中国の対外強硬姿勢が原因である。これらすべてに共通するのは、力を使うこともいとわない中国の「現状変更志向」だ」、スッキリする反論だ。
・『中国はどこまで報復するか  さて、日米首脳会談が終わった今、日本側、特に経済界が懸念するのは、中国側が報復する可能性だろう。日米首脳会談が開催される前、4月16日の中国外交部定例記者会見で同部報道官は次の通り述べているからだ。 ●現在の米中関係、日中関係は、いずれも重要な分岐点にあり、国際社会は(菅総理による)今次の訪問において対外的に何を発信するかについて高い関心を持っている。 ●日米は、中国側の懸念と要求を真剣に受け止めるべきであり、中国の内政に干渉したり、中国の利益を損なうような言動をとったり、中国に狙いを定めた小グループをつくってはならない。中国側は状況に応じて、必要な対応をとるだろう。 さらに、4月17日付の環球時報ネット版社説は、「日米同盟はアジア太平洋の平和を危うくする枢軸国になりつつある」との見出しで次の通り主張した。日本が台湾問題に介入した場合の報復までほのめかしているようにみえる。関連部分をここに紹介しよう。 ●中国の強大な発展のエネルギーに対する羨望と嫉妬こそが、対中問題における日米両国の最大の「共通の価値」である。 ●日本は近代以降、中国に何度も危害を加えてきたことを忘れてしまったのだろうか。 ●日米同盟は、かつてのドイツ、イタリア、日本の枢軸国と同様に、アジア太平洋の平和に致命的な破壊をもたらす枢軸国に変わっていく可能性が高い。 ●数年前、日本は一度中国に向き合って距離を縮め、日中関係を緩やかに正しい軌道に戻そうとしていた。現在、日本は再び路線を変え、米国の中国抑止戦略に加わり、日中関係改善の機運を断ち切った。 ●我々は日本に台湾問題から少し離れるようにと忠告する。他(の問題)では、外交手腕を弄んだり、策を用いて連合や分裂を図ったりも可能だが、もし台湾問題に関われば、最後は自ら身を滅ぼすだろう。その関与の度合いが深いほど、支払うべき代償も大きくなる。 日米同盟を日独伊三国同盟と比較するこの歴史観は滑稽ですらある。それを言うなら、今の中国を1930年代の日本と比較すべきだろう。「東アジアの新興国」が「シビリアンコントロール」を失い、「不健全なナショナリズム」の下で、「力による現状変更」を目指し、西太平洋で「海洋権益を拡大」し、「国際社会に挑戦」している。中国の外交部も戦前の日本の外務省に似ているのだろうか。「歴史は繰り返さないが、時に韻を踏む」(注)という言葉を思い出す。 普通なら、外交部報道官レベルの発言や環球時報の社説に一喜一憂する必要はないのだが、今回はもう少し分析が必要だ。中国指導者のDNAには古(いにしえ)の大帝国の感覚が刷り込まれているのか、彼らの外交には「大国」と「小国」を厳然と区別する傾向がある。「大国」には一定の配慮をするが、「小国」となれば、明確に差別し、見下し、公然と脅しをかけるのだ。その典型例が、オーストラリアに対して中国が最近発動した「言われ無き」制裁だろう。 中国はオーストラリアに対し貿易制限措置を相次いで発動した。豪州産の牛肉、大麦、石炭、ロブスター、ワイン、木材を対象とした輸入制限をさまざまな形態で導入している。理由は、豪州首相が昨年4月、新型コロナウイルスの発生源や感染拡大に関する中国国内での調査を国際社会に訴え始めたためだ、といわれる。これ以外にも、中国がこの種の報復措置を他の「小国」に発動した例は枚挙に暇(いとま)がない。 それでは、日本に対する報復はあるのだろうか。その可能性がゼロとは言えない。実際に、2012年には中国で日本製品不買運動が起きている。ただし、その実態は中国民衆の対日不満というより、尖閣問題をめぐって中国政府が日本政府に対してかけた圧力であった。されば今後、中国政府がその種の圧力を再び仕掛けてくる可能性は否定できない。当然、日本政府もそうした懸念は織り込み済みと思われる。 されば、中国側の言う「必要な対応」「支払うべき代償」とは何を意味するのか。仮に日本企業に対し制裁を発動すれば、短期的には脅しとしてある程度有効だとしても、中長期的には逆効果だろう。2021年の今、日本企業に報復措置をとれば、日本企業による中国離れの連鎖が始まるだろう。日米が現在進めている「中国デカップリング」「サプライチェーン見直し」「ハイテク製品の国産化」という流れを中国が自ら促進することにもなりかねない。 それが中国にとって真の国益なのか。そんなことをすれば、日本企業の中国デカップリングが加速し、日本からの対中投資や技術移転も縮小し、中国経済自体が孤立して、最悪の場合、縮小再生産に陥る可能性が高まるだけだ。それが中国にとっての長期的利益とは到底思えない。いくら巨大な人口を抱える大市場とはいえ、現在の中国経済が、投資や技術開発などの面で自立可能となるにはまだ相当の時間がかかるだろう。 中国側の発言の揚げ足を取るならば、「重要な分岐点」にあり「対外的に何を発信するかについて国際社会が高い関心を持っている」のは日米ではなく、むしろ中国である。今後数カ月のうちに中国側が日米に対し取る措置次第では、今後数十年間のインド太平洋地域の安定と繁栄に重大な影響が及ぶだろう。中国の賢明な指導者たちにはぜひとも、1930年代の日本の失敗とその教訓を正確に学んでいただきたいものである』、「日米同盟を日独伊三国同盟と比較するこの歴史観は滑稽ですらある。それを言うなら、今の中国を1930年代の日本と比較すべきだろう。「東アジアの新興国」が「シビリアンコントロール」を失い、「不健全なナショナリズム」の下で、「力による現状変更」を目指し、西太平洋で「海洋権益を拡大」し、「国際社会に挑戦」している。中国の外交部も戦前の日本の外務省に似ているのだろうか」、「今の中国を1930年代の日本と比較すべき」とは痛烈な批判だ。「仮に日本企業に対し制裁を発動すれば、短期的には脅しとしてある程度有効だとしても、中長期的には逆効果だろう。2021年の今、日本企業に報復措置をとれば、日本企業による中国離れの連鎖が始まるだろう。日米が現在進めている「中国デカップリング」「サプライチェーン見直し」「ハイテク製品の国産化」という流れを中国が自ら促進することにもなりかねない」、同感である。
(注)「歴史は繰り返さないが、時に韻を踏む」:米国作家マーク・トウェインの言葉(Wikiquote)

第三に、4月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した評論家・翻訳家の白川 司氏による「「中国激怒」の日米共同声明、それでも台湾を守る理由とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/269162
・『日米両政府は首脳会談の共同声明で「台湾海峡の平和と安定の重要性」を明記した。中国の猛反発が必至の台湾問題を盛り込んだ背景には何があったのか』、なんだろう。
・『アメリカのメディアでは注目されなかった首脳会談  日本ではかなり注目されてメディアでも大きく日米首脳会談だが、アメリカでの報道は驚くほど少なかった。それはこの会談がアメリカの内政に与える影響がほとんどなかったからだ。 実際、主要テーマである「自由で開かれたインド太平洋」における日米連携はすでに進んでいる。ほかの課題についても、新型コロナウイルス対策、気候変動対策、サプライチェーンにおける脱中国連携などもすでに進行中であり、ミャンマー制裁についても確認程度で、いずれの課題もすでに合意ができているか方向性が決まっているものばかりである。 また、尖閣諸島に安保条約第5条を適用することもオバマ政権から繰り返し確認されてきた。さらに、「バイデン大統領が東京オリンピックを支持」という報道がされたが、「実現を支持」ではなく、「努力を支持」という文言にとどまっている。日本側はアメリカからはほとんど果実を引き出せなかったというべきだろう。  今回の首脳会談を切実に求めていたのはアメリカ側であり、その意図は日本を米中貿易戦争においてアメリカ側に引き入れることにあった。ただし、そのことをおくびにも出さずに、日本側に妥協しない点がアメリカ外交のしたたかさである』、「首脳会談」が「アメリカのメディアでは注目されなかった」、大いにありそうな話だ。「今回の首脳会談を切実に求めていたのはアメリカ側」にも拘わらず、「日本側に妥協しない点がアメリカ外交のしたたかさである」、その通りだ。
・『日米首脳の共同声明に台湾が盛り込まれた意義  一連の課題の中で、意外な結果だったことが一つだけある。それは、半導体製造や次世代通信技術(6G)開発において日米共同を確かめる流れで、52年ぶりに「台湾」の項目が作られたことだ。 これは、アメリカ側が日本に求めたものと考えるが、日本は「アメリカか中国か」の選択ですでに立場を明確にすべき時期にさしかかっている。だが、日本国内はまだまだ親中派の力が強く、「台湾」を明記して立場を明確にしたのは、「外圧を利用した政策決定」だと言っていいだろう。 アメリカやオーストラリアなどが対中強硬姿勢を続ける中、日本はアメリカに寄り添いながらも中国とも明確に対抗しないというスタンスを取り続けてきており、それは中国などが「右翼的」と見ていた安倍政権でも根本的には変わっていなかった。実現こそしなかったものの、安倍政権は習近平主席を国賓で迎えるつもりであったわけであるし、本気で対抗する気がなかったのは明らかだろう。 「アメリカか中国か」の選択肢は、最終的に台湾を中国の一部だと認めるかどうかにかかっており、「台湾の独立を守る」と明言すれば、それは中国に政治的に対抗すると宣言することと同意である。 ただし、日本側は台湾問題を「両岸問題」と表現しており、中国側の主張する「1つの中国」に対して最低限の配慮は示している。それでも、共同声明に台湾海峡について言及したことは、日本外交の転換点だと見るべきだろう』、「日本側は台湾問題を「両岸問題」と表現」、初めて知った。苦肉の策なのだろうが、「日本側の自己満足」といった印象も拭えない。
・『日本とアメリカの対中姿勢の違い  アメリカの対中強硬姿勢は、2016年に蔡英文氏が台湾総統選に圧勝したとき、トランプ大統領が蔡氏を「台湾のプレジデント(大統領)」と表現して祝辞を送り、電話会談まで実施したことから始まっている。トランプ政権は「一つの中国」をあからさまに否定していないものの、それを無視するような行動を繰り返してきた。言い換えると、トランプ政権はオバマ政権のスタンスを変更して、中国に対抗する姿勢を明確に見せたと言っていいだろう。 だが、台湾は中国にあまりに近く、経済力・軍事力で圧倒的に劣勢に立たされている。また、経済において中国と密接に関係しているだけでなく、台湾内での親中派の力はかなり強い。中国の強い軍事的圧力を受けながらも、あからさまに中国と敵対できない立場にある。 トランプ大統領はこうした台湾の立場を尊重しながらも、2018年に事実上の領事館である米国在台協会の新庁舎を完成、同年にアメリカ政治当局の台湾での会談を可能にする台湾旅行法が成立する一方で、地対空ミサイルなど先端兵器の売却を決めるなど、米台関係を着実に強めてきた。バイデン政権の外交の要であるブリンケン国務長官もその点は評価しており、東アジアにおいてはトランプ外交を継承している。 それに対して、前述したように、日本は安倍政権になっても台湾へのスタンスは根本的には変わらなかった。それは政権中枢に親中派の二階俊博幹事長が、大きな影響力を持ち続けていることからも明らかだ。日本企業も中国経済に大きく依存していることから、中国との太いパイプがある二階氏が必要とされており、いきおい二階氏をはじめとする親中派の影響力は大きかったのである。 日本はアメリカの意向を酌みながらも、台湾同様、中国とまともに敵対はできない立場にあった。その難しい状況を安倍晋三首相は対中包囲網であるTPPやインド太平洋構想を実現させる一方で、あからさまに中国とは敵対しないで巧妙に乗り切った。 菅首相は「安倍政権の継承」をうたっていたものの、中国に対してどういう方針で臨むつもりなのかは明確ではなかった。二階氏は引き続き中枢に残っていることから、従来と同じようなベクトルで臨むというのが、最も考えられるシナリオだった』、「台湾は中国にあまりに近く、経済力・軍事力で圧倒的に劣勢に立たされている。また、経済において中国と密接に関係しているだけでなく、台湾内での親中派の力はかなり強い。中国の強い軍事的圧力を受けながらも、あからさまに中国と敵対できない立場にある」、共産党革命時に大陸から逃げてきた外省人が国民党の基盤となった。
・『菅首相の決断により対中姿勢は次の段階に  ところが、今回の日米首脳による共同声明に台湾問題が明記されたことで、中国に対抗することが明確になった。これまで中国の立場を守ってきた二階氏も、今回は了承せざるを得なかったということになる。 その予兆はあった。二階氏は4月15日に収録されたCS番組内で、東京五輪について「これ以上とても無理だということだったらこれはもうスパッとやめなきゃいけない」と述べて、「オリンピックでたくさんまん延させたということになったら、何のためのオリンピックかわからない」と新型コロナウイルス感染拡大による五輪中止の可能性に言及したのである。 これは大きなニュースとなり、海外メディアの一部も「日本の有力政治家が五輪中止の可能性を示唆」と大きく扱っている。 それもそのはず、二階氏はこれまで一貫して五輪の実行を明言してきた政権の姿勢に異を唱えて、わざわざ「政府・与党間の不一致」を演出したわけである。 これは菅政権内で、親中派の二階幹事長が「気にくわないこと」が行われたことの表れではないだろうか。あくまで筆者の考えにすぎないが、今回の共同声明に先立ち、台湾問題の明記を認めざるを得なかったことへの「腹いせ」のように思われる。実際、二階氏は過去においても不満があると表に出すことが多かったからである。 あるいは、東京五輪をいったん否定することは、中国に太いパイプがあることを自負する二階氏にとって、中国への何らかのサインを送ることになるのかもしれない。 ただし、二階氏も「何が何でも開催するのかと問われれば、それは違うという意味で申し上げた。安全・安心な大会の開催に向け、しっかり支えていくことに変わりはありません」と文書で述べて、CS番組内の発言は本意ではなかったと釈明している。) だが、この発言の余波は小さくはなかった。これまで五輪開催への機運を作ろうと連立与党で一致団結してきたのに、水を差す形になったからである。当然、政権内でも反発があるはずで、二階氏の影響力低下に拍車がかかる可能性もある。 そのような不協和音はありながらも、菅首相がアメリカと連携して台湾を守る姿勢を見せたことで、これまで曖昧だった日本の対中姿勢を一段階進めることとなった』、「二階幹事長」の「新型コロナウイルス感染拡大による五輪中止の可能性に言及」は、「「気にくわないこと」が行われたことの表れではないだろうか」、穿った見方だが、当たっている可能性もありそうだ。
・『中国にとって台湾が決定的に重要な理由  中国における台湾は、地政学的な要地、あるいは「一つの中国」という象徴をはるかに超える重要な存在になりつつある。それは、米中貿易戦争は、煎じ詰めると半導体の争いに行きつくからである。 半導体ファウンドリ(受託生産)として世界的企業である台湾のTSMCは、韓国のサムスンやアメリカのインテルと技術力で大きく水をあけており、世界の半導体生産受注の分野ではすでに圧倒的な存在となっている。 中国は一連のトランプ制裁で先端半導体を入手しづらくなっており、南京にTSMCの工場は有するものの、TSMCの大型工場のある台湾は、文字どおり喉から手が出るほど欲しいはずだ。台湾有事の可能性がこれまでとは比較にならないほど高まっているのは、まさに台湾が半導体生産の中心になってしまったからにほかならない。 私たちは台湾有事の可能性を、「近未来」から「いつでもありうること」に変更して、その時に備える必要がある。日本は今回の日米首脳会談で中国政策を大きく転換して、これからは尖閣のみならず、台湾防衛についてもコミットしなければならなくなったと考えるべきだろう。 ただし、この問題は言うほど簡単ではない。というのは、台湾自体も日本依存から徐々に中国シフトを始めており、また、台湾政府は尖閣の領有権を主張していることから、日米側に簡単に荷担できる立場ではないからだ。 そもそもTSMCをこのまま日米側にとどめておけるかどうかも決定しているわけではないだろう。 確かにトランプ政権ではアメリカに大型投資をして、大幅にアメリカシフトを見せたが、そもそもアメリカという国は、工場投資に向いているとはいえないのである。台湾や中国と比べると人件費は圧倒的に高い割に生産性が高いわけでもない。投資効率の悪さを知った上での投資であり、TSMCにとっては妥協にすぎない。 また、TSMCとしても、経済成長を続ける中国市場を簡単に捨てられるはずもない。TSMCがアメリカを切って中国側に行くことはないにしても、なんとか両てんびんにかけられないかと考えるのは当然である。 それでもTSMCが完全に中国を切ってアメリカを取れば、半導体技術が欲しい中国による台湾併合のモチベーションは決定的に高まっていくだろう。アメリカが貿易戦争に勝つためには、TSMCをアメリカ側にとどめると同時に、台湾を中国に併合されないことが必須になってしまったわけである。 日米首脳会談のアメリカ側の目的は、台湾防衛に日本を巻き込むことであったと考えるべきだろう。もちろん、日本としても、対中姿勢に覚悟を決めるべき時期にきており、その点でも共同声明に「台湾」という項目を入れて、スタンスを明確にした意義は大きい。それは、日本に経済面だけでなく、安全保障面でも強い覚悟が求められていることを意味している』、「台湾自体も日本依存から徐々に中国シフトを始めており、また、台湾政府は尖閣の領有権を主張していることから、日米側に簡単に荷担できる立場ではない・・・TSMCをこのまま日米側にとどめておけるかどうかも決定しているわけではない」、難しい問題のようだ。
タグ:バイデンと日米関係 (その1)(周到準備の日米首脳会談で菅政権が背負う「重い宿題」、日米首脳会談に強烈な不満の中国こそ 戦前日本の失敗を学ぶ時、「中国激怒」の日米共同声明、それでも台湾を守る理由とは) 日経ビジネスオンライン 細川昌彦 「周到準備の日米首脳会談で菅政権が背負う「重い宿題」」 「「周到準備の首脳会談」だった。予測可能性のないトランプ前大統領の際の「出たとこ勝負の首脳会談」とは予想通り様変わりだ。 日米ともに「トップダウン」から「ボトムアップ」に変わった」、的確な表現だ。 外交交渉の経験が長い「細川」氏ならではの深い分析だ。確かに「6月の G7サミット)において日本は孤立しかねない」、ことも要注目だ。 「制裁の根拠となる法律がないことを理由にしているが、欧米からは言い逃れにすぎないと見られている。発動するかどうかは別にして、せめて“行動の用意”ぐらいはあるべきではないか」、その通りだ。 「中国ビジネスを人質にとられた産業界や親中派の政治家への働きかけも強まろう。逆にいくつか見せしめ的にターゲットとされる企業が出てくる可能性さえある」、ただ、「中国」としては「日本」を完全に「米国の側」に追いやらない範囲で、今後圧力をかけてくる懸念がありそうだ。 宮家 邦彦 「日米首脳会談に強烈な不満の中国こそ、戦前日本の失敗を学ぶ時」 「中国から見た日米共同声明の問題点を書こう」、とは興味深そうだ 「日米首脳会談の結果は予想通り、中国にとって最悪となった」ので、「強烈な不満と断固たる反対を表明」せざるを得なくなったようだ。 「日米には「冷戦思考」などない。目指すは「排他的な小サークル」どころか、開かれた大グループである。また、香港やウイグルへの関心は、内政干渉というより、人道的要素が大きい」 「さらに、日中関係が最近悪化したのは、日米の「妨害」が理由ではなく、むしろ従来とは異なるレベルの中国の対外強硬姿勢が原因である。これらすべてに共通するのは、力を使うこともいとわない中国の「現状変更志向」だ」、スッキリする反論だ 「日米同盟を日独伊三国同盟と比較するこの歴史観は滑稽ですらある。それを言うなら、今の中国を1930年代の日本と比較すべきだろう。「東アジアの新興国」が「シビリアンコントロール」を失い、「不健全なナショナリズム」の下で、「力による現状変更」を目指し、西太平洋で「海洋権益を拡大」し、「国際社会に挑戦」している。中国の外交部も戦前の日本の外務省に似ているのだろうか」、 「今の中国を1930年代の日本と比較すべき」とは痛烈な批判だ。「仮に日本企業に対し制裁を発動すれば、短期的には脅しとしてある程度有効だとしても、中長期的には逆効果だろう。2021年の今、日本企業に報復措置をとれば、日本企業による中国離れの連鎖が始まるだろう。日米が現在進めている「中国デカップリング」「サプライチェーン見直し」「ハイテク製品の国産化」という流れを中国が自ら促進することにもなりかねない」、同感である。 ダイヤモンド・オンライン 白川 司 「「中国激怒」の日米共同声明、それでも台湾を守る理由とは」 「首脳会談」が「アメリカのメディアでは注目されなかった」、大いにありそうな話だ。「今回の首脳会談を切実に求めていたのはアメリカ側」にも拘わらず、「日本側に妥協しない点がアメリカ外交のしたたかさである」、その通りだ 「日本側は台湾問題を「両岸問題」と表現」、初めて知った。苦肉の策なのだろうが、「日本側の自己満足」といった印象も拭えない 「台湾は中国にあまりに近く、経済力・軍事力で圧倒的に劣勢に立たされている。また、経済において中国と密接に関係しているだけでなく、台湾内での親中派の力はかなり強い。中国の強い軍事的圧力を受けながらも、あからさまに中国と敵対できない立場にある」、共産党革命時に大陸から逃げてきた外省人が国民党の基盤となった 「二階幹事長」の「新型コロナウイルス感染拡大による五輪中止の可能性に言及」は、「「気にくわないこと」が行われたことの表れではないだろうか」、穿った見方だが、当たっている可能性もありそうだ 「台湾自体も日本依存から徐々に中国シフトを始めており、また、台湾政府は尖閣の領有権を主張していることから、日米側に簡単に荷担できる立場ではない TSMCをこのまま日米側にとどめておけるかどうかも決定しているわけではない」、難しい問題のようだ
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