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いじめ問題(その11)(小山田圭吾氏を「引きずり下ろした」政府が隠したい 日本のいじめの不都合な真実、「処分はしない」能代イジメ16歳自殺未遂 高校が保護者に伝えた驚きの“言い分”、「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない) [社会]

いじめ問題については、5月3日に取上げた。今日は、(その11)(小山田圭吾氏を「引きずり下ろした」政府が隠したい 日本のいじめの不都合な真実、「処分はしない」能代イジメ16歳自殺未遂 高校が保護者に伝えた驚きの“言い分”、「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない)である。

先ずは、7月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「小山田圭吾氏を「引きずり下ろした」政府が隠したい、日本のいじめの不都合な真実」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/277302
・『政府が小山田氏の人事にプレッシャーをかけた理由  「イジメや虐待はあってはならない行為」「大会組織委員会が適切に対応してほしい」。今月19日、加藤勝信官房長官は、五輪開会式で音楽を担当していた小山田圭吾氏の「障害者いじめ」問題についてこのように述べた。 一般市民にはわかりづらいが、これを「永田町語」に翻訳すると、大会組織委員会(組織委)に対して「何が留任だよバカ、さっさと辞任させろ」と強く迫っていることに他ならない。事実、この官房長官会見から6時間ほど経過した同日夕方に、小山田氏は辞意を表明し、夜にはそれを組織委員会が受け入れている。 多くのメディアは、小山田氏に引導を渡したのは「官邸」だと指摘している。 「当然だろ、あのまま留任していたら世界に日本の恥をさらしてしまう」という反応の方が多いだろうが、永田町界隈ではこの対応はかなり驚かれた。これまで官邸は、組織委員会がどんなに世界に恥をさらしても「人事」については一歩引いたスタンスだったからだ。 事実、森喜朗前会長の女性蔑視発言では、加藤官房長官は「辞任うんぬんということは、組織委でそもそも決めること」と我関せずの姿勢を貫いた。五輪に政治介入しない、という政府の原理原則に沿った加藤氏らしい「模範回答」だ。 しかし、今回はそうではなかった。「おい!早く、あのヤバい奴をクビにしろ!」と言わんばかりに前のめりで組織委にプレッシャーをかけている。では、なぜこのような異例の対応になったのかというと、政治の世界に生きる人々からは、「首相のメンツを守るためだったのでは」という指摘が多い』、「首相のメンツを守るため」であれば、「異例の対応」もするようだ。
・『辞任翌日は菅首相のスピーチが…矛盾を避けるためにはどんなことでもやる!  小山田氏が辞任した19日の翌日、菅義偉首相がIOC総会でスピーチし、この大会のテーマ「多様性と調和」を訴え、「女性アスリートの割合は過去最高」と胸を張った。そして、「心のバリアフリー精神を世界に発信したい」なんて、キャッチーなスローガンまで披露している。 もしこの段階で、小山田氏が辞任していなかったらどうか。 「障害者いじめをしていた人間の音楽を開会式で流しておいて、よくそんなことが言えるな」というツッコミが世界中から寄せられ、官邸スタッフが徹夜でつくったスピーチは大スベリしていた恐れもある。この最悪の事態を避けるため、「諸悪の根源」である小山田氏に消えてもらうしかなかった、と永田町の一部ではささやかれているのだ。 確かに、いかにも官邸が考えそうなことだ。安倍晋三前首相が森友学園問題の追及を受けて発した「私や妻が関係していたら首相や議員も辞める」という国会答弁とつじつまを合わせるため、財務省が書類を改ざんしたことからもわかるだろう。国家中枢にいるエリートたちというのは、首相が発したメッセージの「矛盾」を解消するためならばどんなことでもする。 そういう意味では、この推測にはまったく同意だが、一方で、官邸がここまで大慌てで火消しに奔走したのは、「首相のメンツ」からさらにもう一歩踏み込んだ、「国家のリスク」も考慮したからではないか、と個人的には考えている』、「森友学園問題」にみるように、「国家中枢にいるエリートたちというのは、首相が発したメッセージの「矛盾」を解消するためならばどんなことでもする」、「国家のリスク」とはどういうことだろう。
・『人権問題に世界から厳しい目 日本の「いじめ」の不都合な真実  小山田氏が開閉会式の音楽担当というポジションに居座り続けたまま五輪がスタートした場合、「日本の人権意識ってどうなの?」という国際的な批判に発展してしまう可能性が高い。そうなると当然、話題は「障害者いじめ」にとどまらず、日本の人権問題全般へとフォーカスが当たってしまう。 これは何かとまずい。日本は、多様性や人権関連でいくつか深刻な問題を抱えているからだ。まずひどいのが「男女平等」だ。 世界経済フォーラム(WEF)が今年3月に発表した2021年版「ジェンダー・ギャップ指数」では、日本は世界156カ国中、120位。G7の中でダントツに低いだけではなく、日本人が何かと「下」に見る韓国(102位)、中国(107位)より男女平等が実現できていない。 「人手不足は低賃金の外国人労働者でスカッと解決!」でお馴染みの「技能実習生」にも海外から厳しい指摘が多い。例えば、今年7月、米国務省は、世界各国の人身売買に関する報告書の中で、日本の技能実習制度を「外国人労働者搾取のために悪用し続けている」と批判し、日本政府に対しても、「最低基準を満たしていない」とダメ出しをしている。 しかし、これらよりも日本政府が悪目立ちさせたくない問題がある。「いじめ」だ。実はこの分野に関しては、我々日本人の間でもあまり知られていない「不都合な真実」がある。それは「日本でいじめられている子どもたちは、世界と比較して最も“絶望”を感じている」というものだ』、「日本でいじめられている子どもたちは、世界と比較して最も“絶望”を感じている」ことは、確かに外国人には隠しておきたい日本の恥だ。
・『日本のいじめは「傍観者」が多く、「消極的にいじめを容認する」  昨年9月、ユニセフが「イノチェンティ レポートカード16 子どもたちに影響する世界 先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か」を発表した。その中で、先進国38カ国を対象に生活満足度が高い子どもの割合を調べたところ、トップのオランダ(90%)を筆頭に先進国のほとんどが8〜7割におさまっているところ、日本は62%と37番目だった。 なぜ日本の子どもたちは「幸せ」を感じられないのか。ひとつの要因は「いじめ」だ。各国で、頻繁にいじめを受けている子どもの生活満足度の高さを調べたところ、どの国でもいじめを受けていない子どもよりも低くなるという結果が出た。当然と言えば当然の結果だが、そこで注目すべきは日本の割合だ。 「日本についても、頻繁にいじめられている子どものうち生活満足度が高い子どもの割合は約50%で、これは、調査対象となった国々の中でほぼ最も低い割合でした」(レポートカード16) これは見方を変えれば、日本でいじめを受けている子どもというのは、あらゆる国の子どもの中で最も「絶望」を感じている、ということもである。 「大袈裟なことを言うな、日本のいじめなんて海外に比べたらかわいいものだ」という声も聞こえてきそうだが、実はこの「不都合な真実」を裏付けるような、データがある。少し古いが、国立教育政策研究所と文科省が編纂した「平成17年度教育改革国際シンポジウム報告書」におさめられた、「いじめー傍観者と仲裁者ーの国際比較」というものだ(参照:PDF)。 日本とヨーロッパ3カ国のいじめを調べたところ、いじめの発生率は日本はそれほど高くない。むしろ、低いくらいだ。しかし、他国には見られない日本だけの特徴が浮かび上がった。 それは日本のいじめ現場は、他国と比べて、いじめを見て見ぬふりをする「傍観者」がやたらと多くて、やめさせようという「仲裁者」が少ないということだ。 他国では、中学生くらいになると、「傍観者」の割合が減って、いじめをやめさせようという「仲裁者」が増えていく。しかし、日本だけは「傍観者」が中学に入っても右肩上がりで増えて、逆に「仲介者」は減っていく。日本のいじめ現場というのは、自分がいじめてなくても、「消極的にいじめを容認する」というスタンスの人が他国と比べても多いという特徴がある。 これを踏まえれば、先ほどのユニセフ調査結果にも納得だ。いじめられても、周囲が見て見ぬふりをして、誰も手を差し伸べてくれないという状況は「絶望」以外の何ものでもない。つまり、「日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中37位」というのは、我々日本人が知らぬ間に刷り込まれている「消極的にいじめを容認する」という傍観者カルチャーが影響している可能性があるのだ』、「「日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中37位」というのは、我々日本人が知らぬ間に刷り込まれている「消極的にいじめを容認する」という傍観者カルチャーが影響している可能性がある」、「傍観者カルチャー」とは卑怯で、恥ずべきことだ。
・『TVやSNSで飛び交う「擁護発言」 いじめ被害者のことをどれだけ考えたのか  「そんなのは貴様の勝手な妄想だ」という声もあろうが、実はこの仮説を裏付けるような現象を、我々はこの1週間ほど目の当たりにしている。それは、小山田氏の問題が発覚してからの、ワイドショーのコメンテーター、あるいはネットやSNSで「論客」と呼ばれるような方たちから繰り返される「擁護発言」だ。筆者が実際に耳にしたものだけでも、ざっとこんな感じだ。 「確かに小山田氏のやったことは許されることではないが、叩けばいいというものなのか。あのような行為や発言が容認された時代背景から問題を考えるべきだ」「このインタビューがネットで話題になるのはもう3回目、犯罪者でもないのに、いつまで社会的制裁を受けなくてはいけないのか」「小山田を叩いている人は、かつて小山田氏が障害者にやったことを同じことをしていることを自覚すべきだ」 「過ちを犯した人を、排除をすればいいというのも五輪の精神からして違うのではないかと思う」 一見すると、公正公平で、理性的な意見のような気もするが、これらの主張に共通するのは、ある人々の視点が気持ちいいくらいに見事に抜け落ちていることだ。「いじめ被害者」である。 10年経とうが、40年経過しようが、レイプやセクハラを受けた女性の心の傷が決して癒えることがないように、いじめられた側が受けた心の傷は決して癒えることがない。忘れたくても死ぬまでつきまとい続ける。 記者時代、子どもの時に壮絶ないじめを受けた男性にインタビューをしたことがある。小山田氏がやったほどではないが、不良グループから、殴られ蹴られ、女子の前で裸にされたり、お尻の穴に棒を入れられたりという性的な嫌がらせも受けた。遺書にいじめっ子の名前を書き連ねて、自殺しようと考えたことも何度もあったという。 ただ、本当の問題はそれが「大昔」のことではないということだ。いじめから20年以上が経過しても時々、いじめられていた時の夢を見て叫んで目が覚める。なぜ自分だけはあんな目に遭わないといけなかったのか。避けられなかったのか。それとも、自分が悪いのか。ずっと悩んで自分を責め続ける。混み合ったエレベーターに乗っていた時に、集団で袋叩きにされた記憶がフラッシュバックして、吐きそうになったこともあるという。 こういう「被害者の現実」を少しでも知っていたら、「過去の過ちは許されないのか」「いつまでも叩き続けるのは逆にいじめだ」なんて言葉が軽々しく出るわけがないのだ。 事実、ハリウッドなどでも有名俳優や大物プロデューサーが30年上前に犯したセクハラなどで告発され、謝罪に追い込まれ、社会的制裁も受けているが、その際に、マスコミが「彼がセクハラをした時代背景も考慮すべきでしょう」なんてワケのわからない擁護はしない。 人間としての尊厳を踏みにじった相手に対して謝罪も償いもしていない加害者は、何年、何十年も経とうが批判されるのは、どのような国であっても「常識」なのだ』、「人間としての尊厳を踏みにじった相手に対して謝罪も償いもしていない加害者は、何年、何十年も経とうが批判されるのは、どのような国であっても「常識」なのだ」、その通りだ。
・『「いじめっ子に罰を与えるのもどうかと思うよ」 日本社会は加害者をやたらかばう  しかし、日本ではなぜか加害者をやたらかばう。特に異様なのが、「小山田氏を叩いている人は、小山田氏がやったことと同じことをしている」という主張だ。ネットリンチだ、イジメだと大騒ぎするが、小山田氏が叩かれているのはたかだかこの1週間程度の話。もっといえば、あれだけのことをして一部から批判もされてきたのに、なんの説明もなく五輪の仕事を引き受けた結果なのだから、「自業自得」といっていい。 なんの落ち度もなく、障害を抱えていたというだけの理由で小山田氏にいじめられ、その記憶を40年近くも引きずっている被害者と、どこをどう見たら「同じ」なのかまったく理解に苦しむが、このように考える人が一定数存在する。 特にワイドショーにはそういう同調圧力が強い。「いじめは絶対に許されないことだというのは大前提として」と予防線を張って、やたらと批判をやめろと呼びかける。 確かに、小山田氏の息子などにからむなどの行為は許されることではない。しかし、小山田氏のような振る舞いを「悪」だと断罪しなければ、かつての小山田氏のように、いじめを娯楽として楽しんでいるような子どもに、「炎上しても、この人みたいに謝罪すりゃ、どうにかなるのね」と誤った認識を与えてしまう恐れもある。 そして、 インテリたちがしたり顔で言う「いじめは良くないけど、だからと言って、いじめっ子に罰を与えるのもどうかと思う」という傍観者丸出しのコメントは、現在進行形でいじめを受けている子どもたちに、「結局、いじめる側にまわった方が得じゃん」と感じさせて、生きることに「絶望」をさせている。 61万2496件という過去最多の「いじめ認知件数」(2019年度)となったのは、日本の大人たちがいつまでも「いじめの傍観者」から抜け出せていないことも大きい。 今回の小山田氏の炎上騒動は、このような日本の現実を見事に浮かび上がらせた。そのような意味では、筆者は小山田氏が五輪に関わってくれてよかったと思っている。 五輪の音楽担当者になったからこそ、一部でしか知られていなかった小山田氏の過去が注目をされたのである。逆に言えば、五輪の仕事を引き受けなかったら、今も小山田氏は批判されることもなく、こういう事実があったことさえ一般国民にはわからなかった。 これこそが今回の五輪の「レガシー」ではないか。 他にもここまで様々な問題が噴出したが、どれも実は日本社会がかねてから抱えていた問題だ。五輪によってあぶり出されたそのような「醜悪な現実」から目を背けるのではなく、真摯に受け止めて、おかしなことをおかしいと声をあげていく。 「がんばれ、ニッポン!」と叫んで、メダルの数が増えた減ったと大騒ぎをするよりも、こちらの方が、よほど「日本のため」になるだろう』、「61万2496件という過去最多の「いじめ認知件数」(2019年度)となったのは、日本の大人たちがいつまでも「いじめの傍観者」から抜け出せていないことも大きい」、「五輪の仕事を引き受けなかったら、今も小山田氏は批判されることもなく、こういう事実があったことさえ一般国民にはわからなかった。 これこそが今回の五輪の「レガシー」ではないか」、皮肉だが、同意できる。

次に、8月5日付け文春オンライン「「処分はしない」能代イジメ16歳自殺未遂、高校が保護者に伝えた驚きの“言い分”《秋田県知事は「重大事態」認定》」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/47627
・『2月2日、当時高校1年生だった佐藤洋二郎くん(仮名)が自宅のカーテンレールに縄跳びをかけ、首を吊って自殺を図った事件。文春オンラインでは、男子生徒が同じ学校の3人の女子生徒から半年にわたって執拗なイジメを受け、追い詰められた末の自殺未遂だったことを報じた(#1)。 佐藤くんが通っていたのは、秋田県立能代西高校の農業科。2021年4月にバスケットボールの名門としても知られる能代工業高校と統合され、現在は能代科学技術高校となっている。能代工業はバスケットボール漫画「SLAM DUNK」に登場する山王工業のモデルになった高校でもある。 現地取材によって、イジメを主導した生徒やその家族の不誠実な対応、そして学校側の対応が後手に回り続けていたことが見えてきた。(全2回の2回目/前編を読む)』、興味深そうだ。
・『「時間がかかれば口裏を合わせられてしまう」  2021年1月18日、佐藤くんが学校で意識を失って倒れたことをきっかけにイジメが発覚した。倒れた理由を尋ねる母親に本人が「イジメ被害に遭っていた」と告白し、母親は翌日にイジメの事実を学校に報告するとともに事態への対処を要求した。 「洋二郎が倒れた翌日は学校を休ませ、学校に電話をして数カ月に及ぶイジメについて話をしました。最初は担任の先生でしたが、要領を得ず途中で学年主任のK先生に代わりました。すると『学校としては事実確認をしたいので短時間でも登校させてほしい』と言われましたが、本人の体調が悪そうだったので断りました。 さらに翌日の1月20日には学校から電話があり、『C子は嫌がらせの事実を認めたがB子は否定している』という報告を受けました。他の生徒にも確認するので少し時間が欲しいとのことでしたが、息子の同級生から“C子がイジメを認めたことに対してB子が激怒して口論していた”という話を聞き、時間がかかれば口裏を合わせられてしまうと心配していました」(佐藤くんの母親)』、「佐藤くん」は「イジメ」易い恰好の対象だったようだ。
・『「処分はしない」「答えられない」  その後も、学校による調査はなかなか進まなかった。学校側はイジメを主導した生徒たちへの処分について「厳しく注意しました」と説明したが、佐藤くんの母親が生徒たちの保護者の反応を尋ねると「保護者には伝えていない」と答えたという。この頃から、佐藤くんの母親は学校の対応に不信感を募らせていった。 「1月26日に学校に電話し、意識を失って倒れるほどに息子を追い込んだイジメに対して『犯罪の意識を持って厳しい処分を望みます』と教頭先生に伝えました。しかし返答は『処分はしない』という信じられないものでした。それどころかイジメた生徒たちの保護者に連絡したかどうかさえ『答えられない』と事を大きくしたくないという学校の意志が伝わってきました」(同前』、「学校」側は「佐藤くんの母親」をまるでモンスターペアレントのように考えて、誠実には対応しなかったのではなかろうか。
・『「このような診断書を見せられても」  教頭との話し合いでは、18日に倒れてから過呼吸などの症状がおさまらず1週間ほど学校を休んでいた佐藤くんの登校再開時期に話が及んだ。 「病院へ行き、『過呼吸、動悸、不安、抑うつ気分などが認められ、通学が困難な状況になっている。学校におけるいじめが症状の要因になっていると考えられる。このため学校の環境調整を要する』という抑うつ状態の診断だったことを教頭に報告すると、『診断書を持って来てください』と求められました」(同前) そして翌1月27日、医師に渡された診断書を手に佐藤くんの父親は学校を訪れた。 「診断書を受け取った校長は『このような診断書を見せられても、過呼吸の原因になったイジメが、小学校の時か中学校のときかわからない』と言ったんです。なんてセコい逃げ方をするのだろうと怒りがわいてきました。その後、教室への登校が無理なら別室で授業を受けることも可能と言われましたが、夫は『教室を出なければならないのはイジメ加害者であり、息子ではない。加害者を別室にするべきではないか』と反論しました。それに対する校長の答えは『それは停学扱いになるからできない』というもの。結局、4時間半の話し合いで何ひとつ結論は出ませんでした」(同前)』、「校長」が「過呼吸の原因になったイジメが、小学校の時か中学校のときかわからない」、こんな見え見えの責任逃れをするとは信じ難い。
・『「このままでは息子が殺されてしまう」  イジメ発覚から約2週間、解決への糸口が見つからない状況が続いた2月2日未明、佐藤くんはついに自殺未遂に及んでしまう。 「部屋でぐったりしている洋二郎とカーテンレールに掛けられた紐の輪を見て、このままでは息子が殺されてしまうと思いました。その日の夕方、今後の話し合いのためにK先生が自宅に来たのですが、洋二郎の自殺未遂について話しても顔色を変えずにメモを取っていて、その姿に言葉を失いました」(同前) 自殺未遂翌日の2月3日、佐藤くんは母親に付き添われて再度病院へ行き、重度のストレス反応の診断を受けた。この診断書には「現在通学している高等学校におけるいじめが症状の要因になっていると考えられる」と明記されている』、「診断書」でここまで特定すれば、校長も文句つけようがないだろうが、ここまで書き込む医者のサービス精神にも驚かされた。
・『「なぜイジメたのか」「はぁ?」  事態が進展しないまま自殺未遂事件から1週間が経った2月9日、学校から佐藤くんに「生徒同士で話し合いの場を作りたい」という申し出が届いた。学校の面談室で、担任、学年主任のK先生、教頭、養護教諭らの立ち会いで佐藤くんとB子、C子の話し合いの場が設けられたのだ(D子は、学校側がイジメを主導したことを把握していなかったため不参加だった)。佐藤くんが当日の様子を振り返る。 「C子さんから『嫌な思いをしてるんだったら悪いと思ってる』という言い方をされて、僕は『許す気はないけど分かりました』と言いました。B子さんとC子さんに『なぜイジメたのか?』と聞いたら、ふたりは『はぁ?』と言いました。その後に『イジメた自覚はあった?』と質問すると、『なんでお前の話は聞かれて私たちの話は聞かれないの?』とC子さんが大声で叫び、それで僕はまた気分が悪くなってしまって30分ほどで解散になりました」』、「B子さんとC子さん」には罪の意識がないようだが、その言い分をもっと詳しく聞いてみたいものだ。
・『女子生徒の保護者への報告を1カ月間せず  その時点でも、女子生徒たちの保護者への連絡はまだ行われていなかった。K先生は佐藤くんの両親に対して「相手の親に話すつもりでいるが、来週いっぱいまで時間がほしい」(2月10日)、「明日頃から相手の親に報告する」(2月16日)と説明している。しびれを切らした佐藤くんの両親は、能代警察署に被害届を提出することを決めた。 「2月5日から警察に相談をしていたところ、2月26日に能代警察署の生活安全課の方から『明日、話し合いの場を設けたので警察署に来てください』と電話がありました。誤解があるのであれば話し合いで誤解を解いてはどうか、とのことで2月27日に能代警察署内で警察官の立ち会いで私たち夫婦と校長、担任、学年主任で話し合いをすることになりました。 その話し合いで、女子生徒たちがほとんどのイジメ行為を否定していることや、暴言についても『別の人に対して言った』と証言していることもわかりました。夫が『今回の件はいじめ防止対策推進法28条の重大事態に該当するが、どう考えていますか?』と校長に質問しても、『法令的にはイジメと捉えている』と繰り返すばかりで女子生徒への懲戒処分などは明言しないんです。煮え切らない態度に私が感情的になってしまい、その場を後にしました」(佐藤くんの母親) その後、佐藤くんの両親が能代警察署に提出した被害届は4月15日に受理されたが、8月1日時点では具体的な捜査状況などの報告はまだ届いていない』、「イジメ」で「警察」に「被害届」を出したというのも、大げさ過ぎる印象だ。
・『「今度は死ね」という罵声も  学校で倒れた翌日の1月19日から学校を欠席していた佐藤くんは、「女子生徒たちは別教室で授業を受けさせる」という教頭の約束を信じて、女子生徒が停学中だった4月27日から本格的な通学を再開した。佐藤くんが受けたイジメについては、秋田県教育委員会の申し出で秋田県知事によっていじめ防止対策推進法28条の「重大事態」に認定され、4月には第三者委員会も設置されている。 だが女子生徒の停学が明けた5月になると、別教室の話は反故にされ、学校の廊下などで顔を合わすことが増えた。 佐藤くんはそのストレスで学校で倒れるようになり、弁護士に相談して登校時間や歩く廊下のルートを分けるなどの項目を学校側に約束させた。しかし現在も精神科に通院し、不定期に訪れるフラッシュバックに苦しめられている。 「5月に弁護士を通して学校側にイジメの調査状況を確認したところ6月に回答があり、3人の女子生徒たちは『“死ね”“キモい”“ウザい”等といった言葉をごく近い距離で複数回話したこと』だけは認めて他は否定しているという回答でした。学校は、3人が認めない限り何もできないという主張なのです。暴言について数日間の停学処分があったようですが、どんな処分かを私たちは教えてもらえませんし、鶏糞のついた靴を顔に突きつけて洗うよう強要したなどの行為については処罰すらされていません。しかも女子生徒たちは、洋二郎に対して『今度は死ね』『今すぐ退学しろ』という罵声を今も浴びせているんです」(同前) 佐藤くんがイジメを苦に自殺未遂を起こしたことについて、3人の女子生徒たちはどう考えているのだろうか。未成年という事情を考慮し、保護者に取材を行ったが、B子の母親は「話すことは特にないです」と多くを語らず、C子の母親は「失礼ですけどお話することないので! 玄関に入ったら、警察に通報します」と声を荒げた。D子の母親も話を聞いたが「何もお答えする気ないので。二度と来ないでください」と回答は得られなかった。 能代科学技術高校に事実関係を問い合わせると「生徒の個人情報に関わるため、一切お答えできません」という回答だった。 当時の関係者で唯一取材に応じたのは、2021年3月まで能代西高校で校長を務め、イジメ事件のA Qは聞き手への質問、Aは元能代西高校校長の回答) Q:佐藤くんが受けたイジメについて、学校の対応は適切だったと思われますか。 A:「佐藤くんが学校に来られなくなって、まずは学校に来られるような環境作りをなんとかしていこうと努めてはいたのですが、本人と直接会う機会もつくれず難しい部分がありました。(被害者と加害者の証言が食い違い)心証のところをしっかり決められなかった気はしています」 Q:イジメを主導したとされる3人の生徒の保護者への報告を1カ月近く行わなかったのはどんな理由だったのでしょう? A:「事実関係について佐藤くん自身の話と3人の女子生徒の話が噛みあわない部分も多く、延び延びになってしまった。教育委員会とも相談しながら対応を探ったりはしていたのですが、2021年4月の統合で私は能代西高校を離れることになりました。再度しっかり調べて、もし新しい事実がわかれば佐藤くんが早く復帰できるように対応していこうと、新しい学校に引き継いだというところです」 Q:3人の女子生徒への対応は適切でしたか? A:「(校長、副校長、学年主任、スクールカウンセラー、学校医らで構成する)学校いじめ対策委員会でしっかり指導したつもりではいます。懲戒指導だけが指導ではないので。対応が適切だったかどうかは難しいところではありますけども、本人が自殺に至るほど苦しんでいたということで、もっと深く踏み込んで考えてやるべきだったなと思います」』、なるほど。
・『「目立たなくていいから普通に生きたかった」  高校が夏休みに入った佐藤くんに、現在の心境を聞いた。 「現状は、自分が思い描いていた高校生活とだいぶ違います。普通に部活してみんなと話してっていう感じで、変に注目されることもなく、目立たなくていいから普通に生きたかったです……。日常的に『死ね』『気持ち悪い』『学校来なければいいのに』という言葉を聞こえるように言われ続けて、モンペ(モンスターペアレント)と親の事までからかわれた時は、手を出しそうになりました。 イジメを受けていたことを母に話して、父が校長先生に診断書を渡しても『能代西高校でのイジメが原因かどうかわからない』と言われて、言葉で伝わらないなら分かってもらえることをするしかない、と思い詰めて2月2日の出来事(自殺未遂)を起こしてしまいました。今はその時のことは思い出さないようにしています」 ※厚生労働大臣指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」が掲載している、悩みを抱えた時の相談先はこちらから』、酷い事件で、学校側は責任逃ればかりしているが、加害者への指導を含めもっと責任ある対応をするべきだ。

第三に、9月28日付けPRESIDENT Onlineが掲載した東京都議会議員の五十嵐 衣里氏による「「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/49958
・『2021年7月の東京都議会議員選挙で初当選した五十嵐衣里さんは、中学時代に不登校になり、高校へは進学せずにフリーターになった。その後、22歳のときに一念発起して勉強を始め、30歳で司法試験に合格している。その原動力は何だったのか。五十嵐さんに話を聞いた――』、立憲民主党に所属しているなかなかの美人だ。URLは https://igarashi-eri.com/profile/
・『今でも思い出すことに苦痛を伴う「いじめ」の記憶  2021年7月の東京都議会議員選挙で初当選した五十嵐衣里さんは、政治家としては異色の経歴の持ち主だ。中学2年の頃から不登校になり、高校には進まずフリーターに。そこから一念発起して勉学に励み、弁護士になった。政界に進むことを決意したのは「誰も取り残されない社会をつくりたい」という決意からだ。一時は「死んでしまうかもしれない」とまで思いつめた彼女の目に、今の社会はどう映っているのか。 学校に行くのをやめたのは、静岡市内に住んでいた中学2年生の頃だ。ある日突然、クラスメイトからポケットベルに「きもい」「死ね」などといったメッセージが届くようになった。無視されたり、私物を隠されたりと、心無い嫌がらせも受けるようになった。 「強い立場にあるグループの子たちが、そのときの気分でいじめの対象を決める。私の順番がついに来たんだなという感じでした。学生時代にはよくあることですよね」(五十嵐さん) そう語る口調は淡々としているが、記者が質問を重ねるにつれて、だんだん弱々しくなっていく。30代になった今でも、当時のことを思い出すのは苦痛を伴うのだ。いじめられていると気付いてまもなく、登校できなくなった。いじめがエスカレートして、自分の体や心が一層傷つけられていくことを思うと、足がすくんだ』、「30代になった今でも、当時のことを思い出すのは苦痛を伴うのだ」、なるほど。
・『学校に行かないことは、自分自身を殺さないため」、の選択  「学校へ行かずに『普通』のルートから外れることが、将来、どういうふうに影響してくるかは何となく理解していたつもりです。でも、尊厳を削られたくなかった。平気な顔をして耐え抜ける自信もなかった。事情を知らない両親には泣きながら『学校へ行ってくれ』と頼まれましたが、学校に行かないことは私にとって、自分自身を殺さないで済むための選択だったのです」(五十嵐さん) もともと集団生活が苦手だったわけではない。小学校時代は楽しく通学していた。でも、そのいじめをきっかけに、自信も意欲も奪われた。高校へ進む年齢になっても変わらず迫ってくる、「また攻撃されたらどうしよう」という恐怖。勉強は好きだったが、その恐怖を乗り越えてまでやらなければならないものとは思えなかった。中学を卒業すると、自立のためアルバイトで働くようになった』、「学校に行かないことは私にとって、自分自身を殺さないで済むための選択だった」、よほどのトラウマだったのだろう。
・『アルバイト先で解雇を経験、労働基準法の存在を知る  いじめられたのは運が悪かった。ただ、中学に行かない選択をしたのも、高校へ進学しない選択をしたのも、すべては自分の責任だ――。当時はそう考えていたという五十嵐さん。しかし、2年ほどアルバイト勤務していたレストランで初めて、自分を取り巻く社会に対して違和感を抱く経験をする。 17~18歳頃の年末のこと。勤務していた店舗の店長から突然、クビを言い渡された。理由は明確に説明されなかったが、年末年始のシフトにどれくらい入れるかをめぐって、先方の都合に沿えなかったことが原因のようだった。 「いきなり不機嫌になって『もう明日から来なくていいよ』って。最初は『アルバイトなんかこんなもんか』『私は高校にも行ってないわけだし……』なんて、自分が悪い理由ばかり探そうとしていました。だけど、次の仕事を見つけるのも容易ではない。やはり、どうしても納得できないと思って、インターネットで必死に調べました。そしたら、労働基準法という法律があることを知って、すぐに労働基準監督署に駆け込みました」(五十嵐さん) 企業などの使用者が労働者を解雇するに当たっては、少なくとも30日前に解雇予告するか、30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならない。労基法ではそう定められている。労基署の担当者が勤務先に指摘すると、五十嵐氏は数万円の解雇予告手当を受け取ることができた』、「インターネットで必死に調べました。そしたら、労働基準法という法律があることを知って、すぐに労働基準監督署に駆け込みました」、すごい行動力だ。
・『「社会が優しい、温かいと感じたことは一度もなかった」  「ホッとした一方で、権威のある人が言わないと支払われないのだなと複雑な気持ちにもなりました。知識がないと、こんなにも簡単に搾取されてしまう。この社会で自分や自分の大切な人を守っていくために、知識こそが武器になるのだと痛感したのがこのときです」(五十嵐さん) それでも、急に暮らし向きを変えられたわけではない。10代で実家を出て一人暮らしを始めてからは、家賃と生活費を稼ぐため、4トントラックでの配送業務などの職を転々とした。体力的に過酷だったことに加え、社会に受け入れられていないという感覚が強かった。 「社会が優しいとか温かいとか感じられたことは一度もありませんでした。『このままでは死んでしまう』という直感さえありました。貧しさはもちろん苦しかった。ただ今振り返れば、私や私と同じような立場で働いている人たちの尊厳が守られないのも苦しかった。『そう扱われてもしかたないような選択をしてきたせいだ』と思わされる社会そのものが、恐ろしいと感じていたと思います」(五十嵐さん)』、「『そう扱われてもしかたないような選択をしてきたせいだ』と思わされる社会そのものが、恐ろしいと感じていたと思います」、新自由主義的な自己責任論に違和感を抱いたとはさすがだ。
・『弱い立場の人ほど「しょうがない」と思わされている  「死んでしまう」と思わずにはいられない環境から、何とかして抜け出したい――。自分にできることを懸命に探したとき、頭に浮かんできたのは「勉強すること」しかなかった。フリーターのときに経験したたくさんの悔しさをぶつけるように、毎日机に向かった。22歳で高卒認定試験を受け、静岡大学の夜間コースで学びながら行政書士の資格も取得。その後は名古屋大学法科大学院に進み、卒業してまもない30歳で司法試験にも合格した。 「勉強は、改めて取り組んでみたら全く苦ではなかった」と五十嵐さん。「どん底」を経験したからこそ、自身の努力と能力でたくましくのし上がっていった実績を誇りに思っても不思議ではない。だが彼女は「そういう感覚はない」と言い切る。謙遜でも卑下でもない。「勉強が苦ではないという私の素質を、たまたまこの社会で一定の仕事を得るために必要な条件と合わせただけ」と説明する。 「生まれ持った素質や環境がもとで、知識を身に付けることができず、社会の不公正に対して怒りを抱くことさえできない人たちがたくさんいます。私はたまたま『勉強をするという場において、頑張れば報われた』だけ。苦しい状況にあっても『頑張ることが可能な環境』が与えられた。私はそこで得た力を、自分が勝ち抜くためだけに使おうとは思えません。『努力をすれば成功できる』というのは、成功している人の地位を正当化するための言葉です。そして、弱い立場にある人ほど『しょうがない』と諦めさせられている。この社会の仕組みを変えたい。それが私の負うべき責任だと考えています」(五十嵐さん)』、「静岡大学の夜間コースで学びながら行政書士の資格も取得。その後は名古屋大学法科大学院に進み、卒業してまもない30歳で司法試験にも合格」、大したものだが、「『努力をすれば成功できる』というのは、成功している人の地位を正当化するための言葉と、決して強者の立場に立たないのはさすがだ。
・『「怒り」を自分自身や同じ境遇の人に向けないでほしい  社会の仕組みやその背景にある価値観に対して働きかけられる仕事を考えたとき、政治の道に関心を抱いた。参院議員の政策秘書と、弁護士の実務の両方を経験したが、志は変わらなかった。今回、政策秘書時代の仲間から声をかけられ、立候補を決断した。 2021年7月4日に投開票された都議選では、武蔵野市選挙区(定数1)で、都民ファーストの会現職(当時)と、元市長の娘の自民党公認候補らを破って当選。若い世代の政治に対する期待の低さは課題視しつつも「こんなにたくさんの人が支持してくれたのは、どこかで『今の社会は間違っている』という実感を共有できているからだと思います」と語る。 「その怒りを、自分自身や自分と同じ苦しい境遇にある人たちに、どうか向けないでほしい。今行われている政策、その背景、自己責任を正当化する社会に対して、疑問を持ってみてほしい。私一人ですぐに状況を変えられるわけではないことも分かっています。議員として課題を解決する方法を模索しながら、もっともっと、皆さんの声を聞きたい。困ったときにはお互いに支え合える、他者を認める社会をつくっていきたいです」(五十嵐さん)(五十嵐氏の略歴はリンク先参照)』、こんなしっかりした考えの女性が、有力者を破って都議に当選したというのは誠に頼もしい限りだ。
タグ:(その11)(小山田圭吾氏を「引きずり下ろした」政府が隠したい 日本のいじめの不都合な真実、「処分はしない」能代イジメ16歳自殺未遂 高校が保護者に伝えた驚きの“言い分”、「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない) いじめ問題 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生 「小山田圭吾氏を「引きずり下ろした」政府が隠したい、日本のいじめの不都合な真実」 「首相のメンツを守るため」であれば、「異例の対応」もするようだ。 「森友学園問題」にみるように、「国家中枢にいるエリートたちというのは、首相が発したメッセージの「矛盾」を解消するためならばどんなことでもする」、「国家のリスク」とはどういうことだろう。 「日本でいじめられている子どもたちは、世界と比較して最も“絶望”を感じている」ことは、確かに外国人には隠しておきたい日本の恥だ。 「「日本の子どもの精神的幸福度は38カ国中37位」というのは、我々日本人が知らぬ間に刷り込まれている「消極的にいじめを容認する」という傍観者カルチャーが影響している可能性がある」、「傍観者カルチャー」とは卑怯で、恥ずべきことだ。 「人間としての尊厳を踏みにじった相手に対して謝罪も償いもしていない加害者は、何年、何十年も経とうが批判されるのは、どのような国であっても「常識」なのだ」、その通りだ。 「61万2496件という過去最多の「いじめ認知件数」(2019年度)となったのは、日本の大人たちがいつまでも「いじめの傍観者」から抜け出せていないことも大きい」、「五輪の仕事を引き受けなかったら、今も小山田氏は批判されることもなく、こういう事実があったことさえ一般国民にはわからなかった。 これこそが今回の五輪の「レガシー」ではないか」、皮肉だが、同意できる。 文春オンライン 「「処分はしない」能代イジメ16歳自殺未遂、高校が保護者に伝えた驚きの“言い分”《秋田県知事は「重大事態」認定》」 「佐藤くん」は「イジメ」易い恰好の対象だったようだ。 「学校」側は「佐藤くんの母親」をまるでモンスターペアレントのように考えて、誠実には対応しなかったのではなかろうか。 「校長」が「過呼吸の原因になったイジメが、小学校の時か中学校のときかわからない」、こんな見え見えの責任逃れをするとは信じ難い。 「診断書」でここまで特定すれば、校長も文句つけようがないだろうが、ここまで書き込む医者のサービス精神にも驚かされた。 「B子さんとC子さん」には罪の意識がないようだが、その言い分をもっと詳しく聞いてみたいものだ。 「イジメ」で「警察」に「被害届」を出したというのも、大げさ過ぎる印象だ。 酷い事件で、学校側は責任逃ればかりしているが、加害者への指導を含めもっと責任ある対応をするべきだ。 PRESIDENT ONLINE 五十嵐 衣里 「「いじめで不登校→中卒フリーター→弁護士」の東京都議が成し遂げたいたった一つのこと 社会の優しさを感じたことがない」 立憲民主党に所属しているなかなかの美人だ。 「30代になった今でも、当時のことを思い出すのは苦痛を伴うのだ」、なるほど。 「学校に行かないことは私にとって、自分自身を殺さないで済むための選択だった」、よほどのトラウマだったのだろう。 「インターネットで必死に調べました。そしたら、労働基準法という法律があることを知って、すぐに労働基準監督署に駆け込みました」、すごい行動力だ。 「『そう扱われてもしかたないような選択をしてきたせいだ』と思わされる社会そのものが、恐ろしいと感じていたと思います」、新自由主義的な自己責任論に違和感を抱いたとはさすがだ。 「静岡大学の夜間コースで学びながら行政書士の資格も取得。その後は名古屋大学法科大学院に進み、卒業してまもない30歳で司法試験にも合格」、大したものだが、「『努力をすれば成功できる』というのは、成功している人の地位を正当化するための言葉と、決して強者の立場に立たないのはさすがだ。 こんなしっかりした考えの女性が、有力者を破って 都議に当選したというのは誠に頼もしい限りだ。
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