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キシダノミクス(その1)(岸田首相「任期中の改憲」掲げたモヤッとする思惑 「自民党のリベラル」宏池会の領袖がなぜ?、岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」、安倍、麻生よ ただで済むと思うな…岸田総理の「壮絶な復讐」がいよいよ始まった) [国内政治]

今日は、キシダノミクス(その1)(岸田首相「任期中の改憲」掲げたモヤッとする思惑 「自民党のリベラル」宏池会の領袖がなぜ?、岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」、安倍、麻生よ ただで済むと思うな…岸田総理の「壮絶な復讐」がいよいよ始まった)を取上げよう。前回これに相当するのは、10月18日付け「日本の政治情勢(その57)」である。

先ずは、11月13日付け東洋経済オンラインが掲載した政治ジャーナリストの泉 宏氏による「岸田首相「任期中の改憲」掲げたモヤッとする思惑 「自民党のリベラル」宏池会の領袖がなぜ?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/468522
・『第2次岸田文雄政権が11月10日に発足し、衆院選で自民党単独での絶対安定多数確保という勝利を踏まえて、岸田首相が自らの任期(3年)中に自民党が党是とする憲法改正の実現を目指す意向を明確にしたことが注目されている。 岸田首相は「自民党のリベラルの牙城」とされる宏池会(岸田派)の領袖。急進的な改憲派だった安倍晋三元首相とはまったく違う立場だけに、自民党内には「本来、改憲に慎重なはず」(閣僚経験者)といぶかる向きが多く、「党内の保守派の支持取り付けを狙った陽動作戦」(同)と揶揄する声も相次ぐ。 その一方で、過去の改憲論議も踏まえると「国会での憲法論議が本格化するのは、リベラル派の首相が旗振り役になった場合」(首相経験者)との見方も出る。野党第1党の立憲民主党も、「改憲に前向きな世論の動向などから、今後は衆参両院の憲法審査会での改憲論議には参加せざるをえない」(幹部)とされ、次期通常国会から憲法審での改憲論議が本格・具体化する可能性は大きい。 もちろん、自民党が提起している憲法9条への自衛隊明記など4項目を軸とする改憲案で与野党が合意し、国民投票にかけられる事態はほぼありえないとされる。ただ、立憲、共産両党も含めた改憲反対勢力が憲法審での改憲論議に応じれば、「数国会にわたる憲法審査会の審議で、具体的な改憲条項で合意する見込みがある」(自民幹部)との指摘は多い』、私も「リベラル派の首相」が「憲法改正の実現を目指す意向を明確にしたこと」には驚かされ、失望した。
・『衆院での改憲勢力は過去最大に  今回衆院選での日本維新の会の大躍進などで、衆院のいわゆる改憲勢力は与党の公明党も含めると約4分の3と過去最大となった。このため、憲法審査会での本格論議さえ始まれば、岸田首相の任期中での国民投票の実施により、初めての憲法改正が実現する可能性は「十分ありうる」(首相経験者)ことにもなる。 もちろん、実現には「本格政権」が必要条件とされる。ただ、来夏の参院選で与党が勝利すれば、実態的に岸田政権の3年の任期も保証される。ここにきての岸田首相の「改憲発言」はそうした状況を見据えたものとみられ、周辺からは「憲法改正を岸田政権の最大のレガシー(政治的遺産)にする狙い」との声も出る。 岸田首相は11月10日夜の第2次政権発足を受けた記者会見で「自民党総裁としては憲法改正が重要な課題。今回の総選挙の結果を踏まえ、茂木敏充幹事長に党是である憲法改正を進めるため、党内の体制を強化するとともに、国民的議論のさらなる喚起と国会における精力的な議論を進めるよう指示した」と明快な口調で語った。 さらに岸田首相は、改憲勢力の日本維新の会、国民民主党の議席増を念頭に「改正を実現するためには、与野党の枠を超えて3分の2以上の賛成が得られるようにしっかりと努力を続けていくことが大事だ」とも強調した。 これは、9条改正を軸とする自民党の改憲案には慎重な与党・公明党を意識した発言にもみえる。 今回衆院選で41議席を獲得し、公明党を抜いて第3党に躍り出た維新は、岸田政権の改憲への取り組みについて「やるやる詐欺だ」(吉村洋文大阪府知事)と批判。しかし、岸田首相から協力を求められれば、「第3党として早期改憲実現を目指すのは当然」(維新幹部)との立場だからだ。 さらに、立憲、共産両党と一線を画して議席を増やした国民民主党も、玉木雄一郎代表が衆院選後、「憲法審査会を毎週開いたらいい」と改憲論議促進を求めた。これも踏まえ、維新代表の松井一郎大阪市長も「来年の参院選の投票と同日で改憲の国民投票を実施するべきだ」と発言した。 第2次岸田政権発足前日の11月9日には、維新、国民民主両党が、幹事長・国対委員長会談で、衆参両院での憲法審査会定例日開催を与党側に要求することで合意した。まさに、国会での「第3勢力」となった両党が改憲論議の旗振り役となった格好だ』、「維新、国民民主両党」が「改憲論議の旗振り役となった格好だ」、やれやれ。
・『自民党も維新、国民民主との連携強化に着手  これとこれと並行して自民党も維新、国民民主両党との連携強化に着手。茂木幹事長が11月9日夜に維新の馬場伸幸幹事長と会食し、「国民投票法を何としても一度は国民の手に委ねたい」と早期の改憲国会発議と国民投票実施で協力要請した。 こうした状況も踏まえ、岸田首相は10日夜の記者会見で憲法改正への具体的な取り組みを問われると「新しい内閣がスタートしたことを受け、また今回の衆院選の結果を受けたうえで、より憲法改正についてしっかりと取り組んでいかないといけない。こうした声は党内にも高まっていると受け止めている」と真剣な表情で語った。 さらに「国会の議論と、国民の皆さんの憲法改正に対する理解の2つは車の両輪。この両方がそろわないと憲法改正は実現しない。ともにしっかりと進めていかなければならないと思っている」とし、自民党政調会長時代の地方行脚での経験も持ち出して改憲実現への意欲を熱っぽく訴えた。 これまで、衆参の憲法審査会では立憲民主などが開催に抵抗し、前通常国会での開催は、衆院4回、参院6回にとどまった。しかし、今回の衆院選での野党陣営の改憲勢力の拡大で、自民内には「維新、国民を巻き込める今こそが、改憲論議を一気に進めるチャンス」(国対幹部)との声が強まっている。 確かに与党に維新、国民を加えると、衆参両院で改憲の国会発議に必要な3分の2以上となる。しかも維新と国民は衆院で計52議席となり、公明党の32議席を大きく上回る。このため、岸田首相周辺にも「維新、国民と連携すれば、公明党は改憲論議に乗らざるをえなくなる」との期待が膨らむ。 とはいっても、岸田首相があえて任期中の改憲実現を声高に叫ぶことへの自民党内の抵抗も少なくない。岸田派になお強い影響力を持つとされる宏池会前会長の古賀誠元幹事長も「改憲実現に前のめりになるのは、本来の宏池会の理念から大きく外れている」などと厳しく批判する。 その一方で自民党最大派閥の細田派(清和会)は11月11日の総会で、安倍元首相の派閥復帰と会長就任を決め、「安倍派」に衣替えした。安倍氏はあいさつで、首相在任中から「悲願」と繰り返してきた改憲実現について「立党以来の党是だ。議論の先頭に立とう」と呼び掛けた』、「安倍氏」はさしずめ悲願達成といったところだろう。
・『呉越同舟の「岸田・安倍共闘」は波乱必至  岸田首相が改憲実現に踏み出すのなら、全面支援する考えをアピールした格好だ。しかし、安倍氏が党内保守勢力を束ねて、国会での改憲論議に圧力を加えれば、立憲など反改憲勢力が反発し「憲法審査会での改憲論議本格化への雰囲気が壊れ、元の木阿弥にもなりかねない」(岸田派幹部)というリスクもはらむ。 そもそも岸田首相にとって改憲実現への意欲表明は「反岸田色の強い党内保守派の支持取り付けによる政権安定化が狙い」であることは間違いない。そのうえで、「自然な流れで改憲実現にこぎつけられれば、政権の最大のレガシーになる」との願望もにじむ。 しかし、そうした思惑が与野党だけでなく国民にも見透かされれば、岸田首相が売り物とする「誠実さ」にも疑問符が付き、内閣支持率下落の要因ともなりかねない。 第2次岸田政権発足までの一連の党・内閣人事で目立った“安倍離れ”に安倍氏がいらだつ中、「改憲での岸田・安倍共闘」という“政局的呉越同舟”の結末は、まだまだ波乱必至というのが実相といえそうだ』、「「改憲での岸田・安倍共闘」という“政局的呉越同舟”」、の行方は確かに大いに注目される。

次に、11月16日付け日刊ゲンダイが掲載した同志社大教授の浜矩子氏による「岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297284
・『「新しい資本主義」とは結局、何なのか――。岸田首相の衆院選での訴えを聞いても、政府の会議の提言を見ても、いまひとつよく分からない。安倍政権と菅政権の経済政策を「アホノミクス」「スカノミクス」と命名して断罪してきた闘うエコノミストは、岸田政権の経済政策に何を見るのか、何と呼ぶのか(Qは聞き手の質問、Aは浜氏の回答)。 Q:岸田政権については何かネーミングされましたか? A:「アホダノミクス」にしました。「アホノミクス」のパクリであるという意味と、「困ったときのアホ頼み」の2つを掛け合わせて。どうしてもアホノミクスの大将が背後霊のように見えてしまう。所信表明演説のひとつの軸になっていた「成長と分配の好循環」は、2016年からアホノミクスの大将が使い始めた言葉です。それ以前は「成長による富の創出」という言い方をして、「分配ばかりだった民主党政権の下では、経済が縮小均衡で全然ダメだったじゃないか」と批判していたのですが、あまりにも分配に冷たいので評判が悪いと察知したと見えて、選挙向けに「成長と分配の好循環」という言葉を使い始めたんですね。アホダノミクス男はそれをそのままパクっているわけで、新鮮味は全くないですし、基本的にアホノミクスと同じ路線だということです。 Q:岸田さんは当初、「分配」に重きを置いているように見えましたが。 A:「成長なくして分配なし」「分配なくして成長なし」。いずれにしても、そういう言い方はやはり、成長することが基本的な狙いです。一見路線を変えているように見せながら、実は何も変わっていない。もうひとつ、パクリといえば「分厚い中間層の復活」もそうです。あれは民主党政権で野田首相が盛んに使っていた言葉。本当にパクリ男だなあと思いました。 Q:独自性も新しさもなく、安倍路線の踏襲に過ぎないと。 A:アホノミクスの大将のように21世紀版の大日本帝国を構築するというような野望はなさそうですが、憲法改正はやるんだと言っている。ただ、それも引っ込め気味。そういう意味では、構えがよく分からない面もある。まあ、スカノミクス親父もあまり分からなかったけれど、アホダノミクス男は基本的に弱虫なんですかね。だから決然として自分がやるべきことを貫くという感じがない。いろいろ言われると、すぐ既定路線に戻ってしまう』、「「アホノミクス」のパクリであるという意味と、「困ったときのアホ頼み」の2つを掛け合わせて。どうしてもアホノミクスの大将が背後霊のように見えてしまう」、「アホダノミクス男は基本的に弱虫なんですかね。だから決然として自分がやるべきことを貫くという感じがない。いろいろ言われると、すぐ既定路線に戻ってしまう」、なるほど。「基本的に弱虫」とは言い得て妙だ。
・『「丁寧な説明」を多用するワケ  Q:覚悟の問題ですか? A:「丁寧な説明」ということを所信表明で繰り返し言っていました。これもアホノミクス以来使われる言葉ですけれど、岸田さんは宏池会ですよね。それで、大平正芳さん(元首相・宏池会第3代会長)の所信表明演説とちょっと読み比べてみたんです。格調も何もまるで違うのですが、「ああ、なるほど」と思ったのは、大平さんは「国民に率直に真実を語って参ります」と言っているんですね。一方、岸田演説には「率直」も「真実」も、どこにも出てこない。あまりにも不都合な真実が多すぎるから、率直には語れないのでしょう。「丁寧な説明」をあれほど多用するのは、率直に語れば済むことなのに不都合で語れないから、ああでもないこうでもないと言って、説明でごまかす。大平演説を読んで非常によく分かりました。 Q:大平元首相との比較は興味深いですね。 A:「ロッキード問題」などがあった時代ですからね。自分がどんなに泥をかぶっても、やらなきゃいけないことがある。国民の政治に対する不信感に強い危機意識を持ち、経済運営のあり方も変えなくちゃいけない、もはや今まで通りではいかない、と言っていました。そういう危機意識がアホダノミクス男からは全然伝わってこない。だから、今の日本の資本主義体制の回り方ではダメだという強い思いを持って「新しい資本主義」というものを打ち出しているとは到底思えません。ただ、体裁を整えているだけで、コミットメントの浅さというか、軽さというか』、「「丁寧な説明」をあれほど多用するのは、率直に語れば済むことなのに不都合で語れないから、ああでもないこうでもないと言って、説明でごまかす」、「大平演説」には「国民の政治に対する不信感に強い危機意識を持ち、経済運営のあり方も変えなくちゃいけない、もはや今まで通りではいかない、と言っていました。そういう危機意識がアホダノミクス男からは全然伝わってこない」、やはり「大平」氏のような政治家のスケールには欠けるようだ。
・『「新しい資本主義」は定義矛盾です  Q:その「新しい資本主義」ですが、いったい何なんでしょう? 資本主義が限界に来ているという議論はありますが。 A:「新しい資本主義実現会議」というのが発足したけれど、メンバーに新しい人ってあまりいない気がします。この人たちで新しい資本主義の形が考えられるとは到底思われないような、安倍政権時代の「未来投資会議」とか、今までと同じような方向性を持った人々がそこにいる。「新しい資本主義」という言い方自体が、定義矛盾というか、資本主義は資本主義なので、それを新しくするって、たぶんできないんだと思うんですね。 Q:定義矛盾ですか? A:そもそも資本主義という言葉で何を言い表そうとしているのかさえ定かではありません。資本主義的生産体制のことなのか。そうであるはずですけれど、資本主義的生産体制というものを岸田さんが分かっているのかも非常に疑問です。「なんとか資本主義」のような言葉が盛んに使われていますが、資本主義は資本主義なので、そういう尾ひれをくっつければ、また資本主義を生き永らえさせることができる、活性化することができる、と考えること自体、ちょっと的外れかなと思います。資本主義が限界に来ているということであれば、そうでないものを持ってこないといけない。資本主義の延命にしがみついていることが、「新しい資本主義」という言葉を生み出しているのではないかと思います。 Q:問題は、資本主義を新しくすることではないと? A:資本主義が資本の力を封じ込めることができなくなっているところに、問題があるんじゃないかと思うんですよね。経済がグローバル化し、金融化し、フィンテック化し、IT化している中では、資本主義の仕組みに資本を封じ込めることができなくなっていて、資本が縦横無尽に国境を超えて増殖し、凶暴性を発揮しているわけです。この資本の凶暴性をどうコントロールするのか、というような議論をする場をつくるのであれば意味がありますが、資本をコントロールできなくなった資本主義の延命のために、新しい飾りつけをしようと考えているのでは、非常にまずいと思います』、「資本主義の仕組みに資本を封じ込めることができなくなっていて、資本が縦横無尽に国境を超えて増殖し、凶暴性を発揮しているわけです。この資本の凶暴性をどうコントロールするのか、というような議論をする場をつくるのであれば意味がありますが、資本をコントロールできなくなった資本主義の延命のために、新しい飾りつけをしようと考えているのでは、非常にまずいと思います」、同感である。
・『フワフワした「体裁整え方男」  Q:「分配」政策として、保育士や介護士などの給料を引き上げるとか、賃上げした企業には税制優遇するなどについては、どうお考えですか? A:エッセンシャルワーカーの待遇改善も、非正規雇用者やフリーランスに対する保護を手厚くするのも、当然ながらやらなくてはいけない。問題は、どう政策が関わっていくのかです。まず、賃上げした企業に減税するのはおかしい。内部留保のある企業に、さらに減税という形で余り金を与えるのは、いかにも安直な人気取りで筋が通りません。こういう場面でこそ必要なのが、アホダノミクス男が得意だという「聞く力」ですよ。どのような政策対応や環境整備を政策にすれば賃金を上げられるのか、待遇を改善できるのか。「やりたいけれどできないんです。この障害を取り除いていただければできます」というのをきちんと聞き取って、「さあ、おっしゃる通りにしましたから、もう賃上げできないとは言わせませんよ」というところまで詰めていく。こうした姿勢や構えこそが、本当に「聞く」「耳を傾ける」ことだと思うんです。ご用聞きを全国一斉に派遣するようなことを言ってもらえば、少しは成果に期待する感じになりますよね。 Q:最後に、岸田首相の一番の懸念材料は? 「体裁整え方男」だという感じがするのが非常に心配です。アホノミクスもスカノミクスもおぞましかったけれど、アホダノミクスは、腰がなく、押されたら押された方向に流れて行ってしまうフワフワ感がある。吹けば飛ぶような存在の軽さ、中身のなさが、わずか1カ月で露呈してしまったことが懸念材料ですね。(浜矩子氏の略歴はリンク先参照)』、「賃上げした企業に減税するのはおかしい。内部留保のある企業に、さらに減税という形で余り金を与えるのは、いかにも安直な人気取りで筋が通りません」、「「体裁整え方男」だという感じがするのが非常に心配です」、その通りだ。

第三に、11月19日付け現代ビジネス「安倍、麻生よ、ただで済むと思うな…岸田総理の「壮絶な復讐」がいよいよ始まった」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/89437?imp=0
・『前編の「岸田総理がウラで「ほくそ笑む」…メディアが報じない「甘利おろし」の全真相」では、10月31日の衆院選で敗北した甘利明氏の、幹事長を辞任するまでの一部始終をで(注:「で」は不要?)お伝えした。 安倍晋三氏、そして麻生太郎氏にこき使われ、馬車馬のような扱いを受けてきたという岸田総理の復讐劇はまだまだ続く……』、「岸田総理の復讐劇」とは興味深そうだ。
・『さんざん小馬鹿にされてきた  岸田文雄総理は、一日を終え床に就く前、その日に起きたことをノートに書き記している。ノートの中身については「悪口も書いてあるから他人には見せられない」と告白している。 それは、誰に対する悪口雑言なのか? 想像すればすぐわかる。岸田は長年、安倍と麻生に牛馬のようにこき使われ、辛酸を舐めてきたのだ。 「第二次・第三次安倍政権では外相を務めるも、安倍は岸田を使い走りとして扱い、ロシア外交では『経済分野協力担当大臣』にいきなり世耕弘成を指名し、岸田の面目を丸潰れにしたこともある。 そもそも外相になったこと自体、外交懇談の際、下戸の安倍に代わって酒を飲むのが役目だった、などと揶揄されていた。 麻生には宏池会における格下の舎弟扱いをされ、『小者』として粗略にされ続けてきた。岸田が何度も、『なぜこんな目に遭うのか』などと、愚痴をこぼすのを聞いたことがある者も多い」(自民党幹部) 耐えに耐え、総理にたどり着くことはできた。だが、重鎮どもは「俺のおかげでお前は総理になれた」とばかり、好き勝手なことを言う。 こいつらを消すことはできないか—。それが岸田の悲願だったところ、いま、同士討ちで一人がついに脱落した。 暗闇に眼鏡を光らせ、手垢がついたノートをそっと撫でながら、岸田はひそかにほくそ笑む。 邪魔者はあと二人—。 安倍と麻生は、依然として岸田のことを無能無害な傀儡だと思っている。そこに、付け入る隙がある。岸田は早速、手を打った。甘利の後任に、茂木敏充を充てたことだ。 「これは意外な妙手」と評価するのは、自民党閣僚関係者の一人である。 「茂木は竹下派の会長代行だが、上にへつらい、下には傲岸という性格なので、青木幹雄が掌握する派閥主流派からは毛嫌いされている。 その茂木が幹事長になることで、彼が会長になって派閥を『茂木派』に変えて乗っ取る可能性がなくなった。つまり岸田は、竹下派主流派に上手く恩を売ったことになる」 茂木は安倍に近いため、安倍もこの人事には納得しているとされるが、実はこれは、岸田が練りに練った「安倍潰し」に向けた布石だ。 「岸田が総裁選を勝ち抜けたのは、竹下派が参院を中心に支持を固めたことが大きかった。 岸田は竹下派に気を使い、古川禎久(法務相)、西銘恒三郎(復興相)、二之湯智(国家公安委員長)らを入閣させ、総裁候補の大本命・小渕優子も党の要職(組織運動本部長)に就け厚遇している。 安倍は細田派(清和研)を安倍派に代替えして会長の座に就いたが、岸田派=宏池会との激突が表面化した時、竹下派の主流派が岸田に付く可能性が高いことは大きな意味を持つ」(同)』、「岸田は、竹下派主流派に上手く恩を売ったことになる」 茂木は安倍に近いため、安倍もこの人事には納得しているとされるが、実はこれは、岸田が練りに練った「安倍潰し」に向けた布石だ」、「安倍派」と「岸田派=宏池会との激突が表面化した時、竹下派の主流派が岸田に付く可能性が高いことは大きな意味を持つ」、岸田首相も意外に策士的要素があるようだ。
・『安倍凋落は既定路線  さらにもう一つの布石は、参院から衆院へ鞍替えした林芳正(元文科相)を、茂木の後任にする人事の検討である。 「安倍は林の外相就任に、『党の反対を押し切って強引に鞍替えした人が、いきなりポストを得るのはおかしいじゃないか』と文句を付けているが、それは焦りの裏返しだ。 岸田にとって林は、自派閥を乗っ取られかねない怖い存在だが、外相にして閣内に取り込めば、その危惧もなくなる。 一方で安倍は、同じ山口を地盤にする林が表舞台に出て力を付けたら、地元を侵食されて求心力を失ってしまう。安倍と林、双方を封じる巧妙な人事を岸田は狙った」(別の自民党幹部) 今回の総選挙で自民党は表面上「勝った」ことになっている。しかしその裏で、安倍は著しく評判を落とした。 自民党中堅議員の一人がこう話す。 「安倍さんは選挙期間中、全国あちこちを飛び回って応援弁士をしましたが、応援した候補のうち、なんと27人が選挙区で敗れました。 ゴリ押しして公認候補にした元秘書の初村滝一郎も長崎1区で惨敗し、比例復活もできなかった。つまり、『選挙に強い』という安倍さんの威光が、すっかり霞んでしまったのです」 安倍の凋落は、もはやこれで既定路線。残る麻生をどう始末するか。 「次期衆院議長に細田博之(元幹事長)が内定しているが、実は岸田は、麻生を衆院議長にしようと画策していた。衆院議長はなんの権限もない名誉職。麻生が猛反発したため、今回は諦めた。 岸田は、徐々に麻生も政権の中枢から遠ざけ始めている。まずは麻生の義弟・鈴木俊一財務相をどこかのタイミングで切るだろう。 麻生は義兄弟同士で財務省と結んで求心力を維持しているが、そこを断ち切ってしまえば、単なる81歳の老人でしかない。来夏の参院選までに、必ず動きがある」(別の自民党幹部) 次に「岸田ノート」に名前を書かれるのは誰なのか。虐げられ、コケにされてきた男の、暗い復讐劇がいま幕を開ける』、「『選挙に強い』という安倍さんの威光が、すっかり霞んでしまったのです」 安倍の凋落は、もはやこれで既定路線」、「岸田は、徐々に麻生も政権の中枢から遠ざけ始めている。まずは麻生の義弟・鈴木俊一財務相をどこかのタイミングで切るだろう。 麻生は義兄弟同士で財務省と結んで求心力を維持しているが、そこを断ち切ってしまえば、単なる81歳の老人でしかない」、実直そうな「岸田首相」が、そこまで冷徹な策士だとは、俄かには信じ難いが、実直一本やりのつまらない人間よりはましだと思う。
タグ:東洋経済オンライン (その1)(岸田首相「任期中の改憲」掲げたモヤッとする思惑 「自民党のリベラル」宏池会の領袖がなぜ?、岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」、安倍、麻生よ ただで済むと思うな…岸田総理の「壮絶な復讐」がいよいよ始まった) キシダノミクス 泉 宏 「岸田首相「任期中の改憲」掲げたモヤッとする思惑 「自民党のリベラル」宏池会の領袖がなぜ?」 私も「リベラル派の首相」が「憲法改正の実現を目指す意向を明確にしたこと」には驚かされ、失望した。 「維新、国民民主両党」が「改憲論議の旗振り役となった格好だ」、やれやれ。 「安倍氏」はさしずめ悲願達成といったところだろう。 「「改憲での岸田・安倍共闘」という“政局的呉越同舟”」、の行方が大いに注目される。 「「改憲での岸田・安倍共闘」という“政局的呉越同舟”」、の行方は確かに大いに注目される。 日刊ゲンダイ 浜矩子 「岸田政権の経済政策を「アホダノミクス」と命名 「アホノミクスのパクリで新鮮味なし」 「「アホノミクス」のパクリであるという意味と、「困ったときのアホ頼み」の2つを掛け合わせて。どうしてもアホノミクスの大将が背後霊のように見えてしまう」、「アホダノミクス男は基本的に弱虫なんですかね。だから決然として自分がやるべきことを貫くという感じがない。いろいろ言われると、すぐ既定路線に戻ってしまう」、なるほど。「基本的に弱虫」とは言い得て妙だ。 「「丁寧な説明」をあれほど多用するのは、率直に語れば済むことなのに不都合で語れないから、ああでもないこうでもないと言って、説明でごまかす」、「大平演説」には「国民の政治に対する不信感に強い危機意識を持ち、経済運営のあり方も変えなくちゃいけない、もはや今まで通りではいかない、と言っていました。そういう危機意識がアホダノミクス男からは全然伝わってこない」、やはり「大平」氏のような政治家のスケールには欠けるようだ。 「資本主義の仕組みに資本を封じ込めることができなくなっていて、資本が縦横無尽に国境を超えて増殖し、凶暴性を発揮しているわけです。この資本の凶暴性をどうコントロールするのか、というような議論をする場をつくるのであれば意味がありますが、資本をコントロールできなくなった資本主義の延命のために、新しい飾りつけをしようと考えているのでは、非常にまずいと思います」、同感である。 「賃上げした企業に減税するのはおかしい。内部留保のある企業に、さらに減税という形で余り金を与えるのは、いかにも安直な人気取りで筋が通りません」、「「体裁整え方男」だという感じがするのが非常に心配です」、その通りだ。 現代ビジネス 「安倍、麻生よ、ただで済むと思うな…岸田総理の「壮絶な復讐」がいよいよ始まった」 「岸田総理の復讐劇」とは興味深そうだ。 「岸田は、竹下派主流派に上手く恩を売ったことになる」 茂木は安倍に近いため、安倍もこの人事には納得しているとされるが、実はこれは、岸田が練りに練った「安倍潰し」に向けた布石だ」、「安倍派」と「岸田派=宏池会との激突が表面化した時、竹下派の主流派が岸田に付く可能性が高いことは大きな意味を持つ」、岸田首相も意外に策士的要素があるようだ。 「『選挙に強い』という安倍さんの威光が、すっかり霞んでしまったのです」 安倍の凋落は、もはやこれで既定路線」、「岸田は、徐々に麻生も政権の中枢から遠ざけ始めている。まずは麻生の義弟・鈴木俊一財務相をどこかのタイミングで切るだろう。 麻生は義兄弟同士で財務省と結んで求心力を維持しているが、そこを断ち切ってしまえば、単なる81歳の老人でしかない」、実直そうな「岸田首相」が、そこまで冷徹な策士だとは、俄かには信じ難いが、実直一本やりのつまらない人間よりはましだと思う。
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