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新規上場(IPO)(その3)(1兆6000億円「超巨額上場」で激震 ヤバすぎる国際諜報企業の正体 あらゆる情報を収集している…かもしれない、日本版SPACへの反対論を撤回!今のIPOよりマシかもしれない理由、上場後3年で「4社に1社がマイナス成長」のなぜ) [金融]

新規上場(IPO)については、2015年6月14日に取上げたままだった。久しぶりの今日は、(その3)(1兆6000億円「超巨額上場」で激震 ヤバすぎる国際諜報企業の正体 あらゆる情報を収集している…かもしれない、日本版SPACへの反対論を撤回!今のIPOよりマシかもしれない理由、上場後3年で「4社に1社がマイナス成長」のなぜ)である。なお、タイトルから「ブームの裏面」をカット

先ずは、2020年10月17日付け現代ビジネスが掲載したジャーナリストの時任 兼作氏による「1兆6000億円「超巨額上場」で激震、ヤバすぎる国際諜報企業の正体 あらゆる情報を収集している…かもしれない」を紹介しよう。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/76330?imp=0
・『裏の世界から表舞台へ  9月30日、時価総額150億ドル(約1兆6000億円)の巨額上場が市場を揺るがした。米パランティア・テクノロジーズ(以下パランティア)がニューヨーク証券取引所に上場したのだ。 「諜報の世界では知らぬ者がない巨大情報企業が、いよいよ表舞台に姿を現した」 世界各国の情報機関の動向に通じる外事関係者は、そう指摘する。 パランティアは今年7月6日に米証券取引員会(SEC)に新規株式公開(IPO)の申請を行った。同社は2004年に米カリフォルニア州パロアルト、いわゆるシリコンバレーで創業されたデータ分析企業であるが、来歴からして興味深い会社だ。 そもそも「パランティア」とは、英国の著名なファンタジー作家J・R・Rトールキンの代表作『指輪物語』に登場する不思議な霊力を持った石の名称で、全世界ばかりか過去も未来も見通す水晶玉のような道具のこと。データ分析によって、ありとあらゆるものを見通す「神の目」たらんという意図を込めて命名された。 パランティアの創業者はかのペイパル創業者ピーター・ティールで、その際の資金はCIA(米中央情報局)が直接運営するベンチャーキャピタルIn-Q-Telが提供した。In-Q-Telは、諜報活動を通して世界中から集まる膨大な情報を解析するための技術開発を目的に1999年に設立され、1億7000万ドルの資金を運用し、数多くのIT企業に投資を行っている。 In-Q-Telの社名の由来も奥が深い。Intel (Intelligence=情報、諜報の略)の間に、スパイ映画「007」に登場する英国諜報機関の管理者「Q」(QはQuartermaster「需品係将校」の略で、研究開発課の責任者の意味もある)を挟んだとのこと。初代CEO(最高経営責任者)が、人気のコンピュータ・ゲーム「テトリス」のライセンスを旧ソ連の開発者から最初に取得したことで知られるゲームの開発者であった点も興味深い。 ともあれ、パランティアはCIAの資金で創設された情報解析企業なのである』、「CIAの資金で創設された情報解析企業」、が上場しているというのは、米国市場の懐の深さを示しているようだ。
・『「Xキースコア」の脅威  そして、そのパランティアの代表的な業績が「Xキースコア」という驚異的なメール・ハッキングソフトだ。外事関係者が語る。 「パランティアは創業からわずか数年で優れた情報解析システム『Xキースコア』を開発し、めざましい実績を上げた。最たるものは、CIAが血眼になって探していたイスラム過激派『アルカイダ』のトップで、米同時多発テロの首謀者と目されたオサマ・ビン・ラディンの追跡任務への協力だった。同社はこれを見事にやり遂げ、ビンラディンは2011年5月、パキスタンにおいて発見され、射殺された」 こうしたことが評価され、パランティアは米情報機関の御用達となった。CIAを筆頭にNSA(米国家安全保障局)、FBI(米連邦捜査局)、さらにはDIA(米国防情報局)などが顧客となったというが、その存在を世に広く知らしめたのは、NSAの世界的な監視網の実態を暴露した元CIAおよびNSA局員であったエドワード・スノーデン氏だった。 2013年6月、スノーデン氏はNSAが採用している情報収集プログラムについての機密文書をジャーナリストに渡し、その実態を暴露した。この告発によってまず明らかになったのが、「プリズム」というプログラム。NSAはこれを用いて、グーグル、ヤフー、フェイスブック、マイクロソフト、アップル、ユーチューブ、スカイプなど米大手IT会社のサーバーにアクセスし、通信記録を入手していたのである。 世界中でサービスを提供するIT企業が情報収集に加担しているとの暴露は大きな反響を呼んだが、このときNSAが採用していた「Xキースコア」の威力にも注目が集まった』、さすがに情報機関を顧客に持つだけあって、「Xキースコア」、「プリズム」の威力は凄いようだ。
・『スノーデンの告発の契機に  前出の外事関係者が話す。 「スノーデン自身、CIA局員として2007年にスイス・ジュネーヴへ派遣された際にこのプログラムを知ったというが、その使われ方を見てショックを受けた。 たとえば、『攻撃』『殺し』『ブッシュ』などとキーワードを入力して米大統領への敵対的な発言をネット上で検索すると、メールはもちろんチャットやブログ、フェイスブック、さらには非公開のネット情報をも含めて世界中の人々の通信内容が即座にリストアップされてくる。 しかも追跡能力も高く、マークした情報の発信者の身元などはもちろんのこと、その人物と情報をやり取りしている人たちまですべて把握できてしまう。さらに、それらの人物の位置情報や立ち寄り先、接触相手、さらにはネットの閲覧内容や商品購入など、ネットを通じる情報は遺漏なく網羅することも可能だという。 こうなると、秘密などもはや存在しない。これをもとに、さまざまなこともできる。やろうと思えば、名誉棄損どころか実生活に被害を与えることや、身体や生命を脅かすことも難しくない。ビン・ラディンの追跡と殺害はまさにその威力を示すものといえるが、スノーデンはこの実態を知って危機感を抱き、告発へと動いた。『神の目』と言えば聞こえはいいが、実際のところは神をも恐れぬネット監視。覗き見だ」 これについては、日本の国会でも問題になった。2017年5月の衆院外務委員会で共産党の宮本徹議員が、同年4月に米インターネットメディア・インターセプトが公開した「スノーデン・ファイル」(スノーデン氏が持ち出した機密文書)をもとに政府を追及したのである。 宮本議員は、「Xキースコア」をNSAが内閣情報調査室経由で防衛省情報本部電波部に提供したという記述があるとしたうえで、「国内外のネット上のさまざまな情報を収集しているのか」と問いただしたが、政府側はこう答弁した。 《内閣情報調査室におきましては、平素から関係各国との間で必要な情報交換を実施しているところでございますが、その具体的な内容や時期等を明らかにすることは、他国との信頼関係を害することにもなりかねず、今後の事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えは差し控えたいというふうに存じます》 《防衛省におきましては、我が国の防衛に必要な情報を得るため、我が国上空に飛来する軍事通信電波や電子兵器の発する電波などを全国各地の通信所などで収集し、整理、分析しております。電波情報業務の具体的内容につきましては、将来の効果的な情報活動の支障となるおそれがありますことから、お答えを差し控えさせていただきますが、防衛省・自衛隊におきます情報収集活動は、我が国の防衛に必要な情報を得るために行っているものでありまして、インターネット上のメールの傍受を含め、一般市民の監視を行っているものでは全くありません》 これに対し、宮本議員は「内閣情報調査室が音頭をとって、『Xキースコア』を手に入れて、防衛省、警察(情報本部の歴代電波部長は警察庁から出向)、一緒になって、個人の情報を監視できる体制をつくっていっている。とんでもない話ですよ」と批判を浴びせたものの、糠に釘であった。 もっとも、日本政府の答弁は詭弁に近いと言えるようだ。「ネット監視」を否定したというよりも、「一般市民の監視」を否定したというのが正しい読み方とみられる。しかも、政府にとって都合が悪ければ、「一般市民」はいつでも「特定の市民」になりうる。 その証拠に、防衛関係者は当時、こんな証言をしていた。 「2012年、日本はインターネット諜報を開始した。NSAから提供された『Xキースコア』を稼働させ、日本全国のデータを網羅的に収集している。活動拠点は福岡県の太刀洗通信所に置かれている」』、「宮本議員」の「質問」に対し、「日本政府の答弁は」、余りに不誠実だ。マスコミももっと追及してほしい。
・『日本も関与している「タブー」  大刀洗通信所とは、1997年にDIAに習って設置された日本最大の電子諜報機関・防衛省情報本部傘下の6つの通信所のうちの一つで、巨大なレーダードーム施設を有し精鋭部隊が配備されている。 「通信所内には、B地区と呼ばれる閉鎖エリアがある。出入りには公道の下をくぐる地下道を利用するのが原則で、道路に面したゲートは機材の搬入等以外に開けられることはない。そして、地下に広大な基地が設けられ、他の部署と交流を断った別働部隊が常駐している。これこそが、インターネット諜報部隊だ」(防衛省関係者) つまり日本は、パランティアの驚異的なプログラムを、それがスノーデン氏の告発によって世の中に知らしめられる以前に導入していながら、現在に至るまで公には決して認めようとしていないのである。 その意味では、パランティアという企業を詮索すること自体が一種のタブーなのかもしれない。だが今回、同社は株式公開を行い、その事業内容を公にした。上場の目的はいったいどこにあったのか。 「有名になり過ぎたために、CIAが手綱を放すことにしたのだろう。これまでのような諜報業務には、すでに別の会社が用意されているのではないか」 前出の外事関係者はそう分析するが、防衛関係者の見方は異なる。 「もっと多くの企業から機密情報を吸い上げるためだろう」』、「大刀洗通信所」には「巨大なレーダードーム施設を有し精鋭部隊が配備。「日本は、パランティアの驚異的なプログラムを、それがスノーデン氏の告発によって世の中に知らしめられる以前に導入していながら、現在に至るまで公には決して認めようとしていない」。
・『富士通、SOMPOも出資  パランティアについては、別の興味深い話がある。日本の著名企業も出資しているのだ。 今年6月、大手IT企業の富士通がパランティアと戦略的提携をし、約53億円を出資すると発表。また、損保ジャパンをはじめとする保険会社を傘下に持つSOMPOホールディングスも同月、5億円を出資することを明らかにしている。 防衛関係者によれば、個人資産や金融情報、医療情報といった分野にも手を伸ばそうとしているのではないか、というのである。 同関係者は、パランティアが現在の米政権との関わりが深いことも憂慮する。同社の創設者ティール氏はトランプ大統領の支持者として知られ、政権のアドバイザーも務めている。「アメリカ・ファーストの旗振りのもと、日本の情報が狙われているように思えてならない」(防衛関係者)。 パランティアとは別の「諜報企業」が立ち上げられるにしろ、同社の提携企業が増えるにしろ、日本の情報が危険にさらされていることに変わりはない。政府は米国の技術に便乗し、国民に背を向けている場合ではないはずだ』、「日本」の「大手IT企業」や「SOMPOホールディングス」の「パランティアと戦略的提携」に関しては、「日本の情報が危険にさらされ」ることのないよう「日本政府」は、目を光らせるべきだ。

次に、昨年12月22日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員の山崎 元氏による「日本版SPACへの反対論を撤回!今のIPOよりマシかもしれない理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/291428
・『8月に『日本版「SPAC」の導入に反対する3つの理由、矛盾した汚い仕組みは必要ない!』というタイトルで、日本版SPAC(特別買収目的会社)の導入反対論を書いた筆者だが、考えを変えた。現在の新規株式公開(IPO)よりもマシかもしれないと考えたからだ。現在のIPOプロセスはSPACで考えられる以上に「悪い」ものである可能性がある。その理由を説明しよう』、「山崎氏」のいいところは誤りを誤りとしていさぎよく認めるところだ。
・『日本版SPAC導入は既定路線か 筆者が反対派から賛成派に転じた理由  予想の問題として、わが国にあって「SPAC」(Special Purpose Acquisition Company:合併を目的とする特別目的会社)は実現するだろう。そして、筆者個人は、SPACの導入に関して現在、必ずしも反対ではない。 SPACについて筆者は、8月25日付けの本連載で『日本版「SPAC」の導入に反対する3つの理由、矛盾した汚い仕組みは必要ない!』というタイトルで、導入反対論を書いている。意外だと思われる読者がいらっしゃるだろう。まず、この点について説明する。 筆者は、日本取引所グループ(以下「JPX」)が主宰する「SPAC制度の在り方等に関する研究会」の第1回および第2回の会合に参加した。そして、3回目以降、同研究会から離脱した。 JPX側からは当初、SPACについて「導入するかしないかについては、中立的な立場から議論をする」という説明を受けて参加した。ところが、事務局による議事の運営は本質的な議論に踏み込まず、導入の際の論点出しに終始するもので、議論の進め方がフェアでないと感じた。また、そもそも会の進め方が、議論のできる建て付けになっていないことも不満で、筆者はこの研究会を辞めることにした』、「SPAC制度の在り方等に関する研究会」の「議論の進め方がフェアでない」との理由で、「3回目以降、同研究会から離脱」、とは正義感らしい行動だ。
・『SPAC導入で真に議論すべきは「IPOのあり方」との比較  ちなみに、筆者が「本質的な問題」だと考えるのは、現在行われている新規株式公開(IPO)のあり方との比較だ。 SPACは「空箱上場」とも言われ、利益相反が発生する懸念や合併時に資産額の20%程度の株式を取得するSPACスポンサーの取り分の大きさ、投資家保護の問題(事業の実体のない「空箱」を投資家はどう評価して売買するのか等)といった、多くの問題を抱えている。だが論理的可能性としては、現在のIPOのプロセスがSPAC以上に悪いものなら、「よりましであり得る競合的株式公開手段」として日本版SPACを導入する意義を見いだし得る。 そして、JPXは議論を避けたが、現在のIPOプロセスはSPACで考えられる以上に「悪い」ものである可能性がある。端的に言って、公開価格が低すぎて創業株主等が株式を安く売らされる「アンダープライシング」の問題が深刻であり、公開に至るプロセスも時間と手間が掛かり、証券会社の公開予定会社に対する影響力行使が過剰な場合もある』、言われてみれば確かに「現在のIPOプロセスはSPACで考えられる以上に「悪い」ものである可能性がある」、なるほど。
・『IPO企業の多くは低い株価で株式を売らされている  日本証券経済研究所の『証券レビュー』2021年10月号に載った「IPO企業の公開価格形成に関わる提言(下)」(一橋大学大学院教授・鈴木健嗣)によると、2013年以降にベンチャー企業向け市場のIPO株を公開価格で投資した場合、1日で得られる平均株価収益率は110.5%だという。サンプル数は528社であり、公開価格が初値を割る企業の割合は7.3%(528社中39社。平均初期収益率はマイナス9.3%)に過ぎないという。公開企業の多くが、いかに低い株価で株式を売らされているかがよく分かる。 このアンダープライシングをコストと見ると、実質的な手数料が高いように見えるSPACの方が「まし」であり得る可能性が十分ある(もちろん、個々のSAPCの条件設定にもよる)。 従って、筆者はSPAC導入に反対しないことにした。日本版SPACはやってみるといい。) また、前述の研究会の進め方から見て日本でSPACは導入されるだろうし、JPXはその準備を進めているものと推測する。制度的に、SPAC導入は国会で法律を通す必要があるものではなく、概ね取引所の判断で可能だ。 なお、私見では、SPACが導入された場合は投資家保護上、深刻な問題を抱える可能性がある。筆者個人としては、SPACの研究会に参加して投資家保護についてコメントを述べた上でSPAC導入に賛成したという立場を取るよりいいやり方があると考えた。今後実現するSPACに対して外から投資家保護上の問題を指摘して、必要があれば投資家に警告する立場を取る方が、投資家の役に立つだろうと判断したのだ。 SPACで必要だと思う投資家保護については、あえて書かない。JPXのお手並み拝見、とすることにしよう』、「今後実現するSPACに対して外から投資家保護上の問題を指摘して、必要があれば投資家に警告する立場を取る方が、投資家の役に立つだろうと判断」、山崎氏らしい判断だ。
・『SPAC投資はもうかるか? コスト構造の変化に要注意  投資家の関心の対象は、日本でSPACが導入された場合、SPACに投資するともうかるのか否かだろう。当然のことだ。 結果は個々のSPACによる、ということになるのだが、「もうかりにくいかもしれない」という可能性については、現時点で指摘しておきたい。 先に、IPOのアンダープライシングの問題をコストと見た場合に、SPACの実質的なコストがこれを下回る可能性をSPAC導入への賛成理由に挙げた。前者は企業の創業株主等が支払うコストであるのに対して、後者はSPACの投資家がコスト負担者になることに注意したい。 全体としてコストが節約されて効率的になるとしても、コストの負担者が変化することで関係者の有利・不利は変化する。公開企業側はIPOで売るよりも高い株価で資金調達できて満足かもしれないが、投資家は今日のIPOで買う株価よりもかなり高い株価で投資に参加することになる。 さらにSPACのスポンサーに高い実質的な手数料を払う形になる。株式の希薄化が起きたり、ワラント(定められた期間内に一定の価格で株式を購入できる権利)等がある場合に株価の上値が抑えられる効果が発生する。 わが国の投資家の間では、「IPOへの参加はもうかる」というイメージがある。そのため、少なからぬ投資家が、SPACに投資すると同じようにもうかるのではないかという期待を持つ可能性があり、この点は少々心配だ。 SPACの運営者に、巷間期待されるような「目利きの力」があるかどうかは、例えば、SPACの合併が完成した後の会社の株式リターンを同種の株式の株価指数などのリターンと比較することで評価できよう。しかし、近年の米国の例を見ると、平均的には芳しいものではないようだ(研究会の討議資料にデータが載っていたが、非公開の資料であるため引用できない)。 SPAC一般が良い投資対象であるか否かは、合併会社の株式のリターンに関する実績を見ながら慎重に判断すべきだ。 「SPACはIPOと同じようにもうかるのではないか」と思って、SPACの諸条件を検討せずに勢いで投資するようなことがないよう注意を申し上げておく』、順当な「注意」だ。
・『日本版SPAC導入の反対記事を執筆した後の「反省」  ところで、SPAC反対論を書いた前の記事について、筆者が執筆直後に大いに反省したことを付け加えておく。 記事は、「なぜ米国でSPACがはやるのだろうか、それはSPACのスポンサーをやるともうかるからだろうし、スポンサーが大いにもうかるということは、投資家がもうけにくい要素があるはずだ……」という問題意識から書いたものだ。実質的な手数料の問題や利益相反の可能性の問題指摘は適切だと思い、そこそこに満足して編集部に原稿を送った。 しかし、直後に気が付いた。「そんなにもうかるものならば、なぜ自分でSPACをやろうと思わなかったのか!」。そう。思いつきもしなかったのだ。 金融に関わるビジネスマンの端くれとしては、欠点を探して批判を書いて満足するよりも、まず自分がもうかる可能性について大いに想像を巡らせるべきだろう。 自分がビジネスマンとして二流以下であることを、つくづく感じた瞬間だった』、自虐的なネタも縦横に使いこなすのが山崎氏の身上だ。

第三に、本年1月13日付け日経ビジネスオンラインが掲載したグロース・キャピタル株式会社 CEOの 嶺井 政人氏による「「上場後3年で「4社に1社がマイナス成長」のなぜ」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/plus/00026/010600001/
・『世界を覆う「カネ余り」や起業ブームが後押しし、あまたのスタートアップが生まれている。起業家の「目標」の1つでもあるIPO=新規株式公開。社会的信用度が高まるだけでなく、大きな資金獲得の手段となり、成長へのエンジンを手に入れることができる。より高い場所を目指すため、大事なプロセスであることは言うまでもないだろう。 だが、上場によって企業は加速度的な成長を遂げているのだろうか。 まずは、このデータを見てもらいたい(図「新興3市場上場後の業績推移」参照)。 これは、当社が一橋大学・鈴木健嗣教授と行った共同研究のデータだ。上場した企業の、上場時と3年後の成長を比べたグラフなのだが、年平均にすると、中央値ですら成長率は10%にも達していない。大規模な資金を獲得した企業の成長としては、非常に寂しい結果ではないだろうか。下位25%に至ってみれば、上場後にマイナス成長に陥っている。4社に1社が、上場後3年でマイナス成長になっているという悲惨な状況だ。右図の「営業利益」の3年間での成長率はもっと厳しい。平均値こそ2.3%であるが、これは産業構造を変えるような規模で成長した、トップ企業も含んだ数字である。中央値はなんとマイナス0.6%だ。 この状況を皮肉めかして、人は「上場ゴール(IPOゴール)」と呼ぶ。「日本は世界で一番上場しやすい」「小粒上場なんてさせるからいけないんだ」とからかう人も多い。 だが、待ってほしい。世界で一番上場しやすいこと、小粒でも上場できることは本当に悪なのだろうか。一定規模まで成長した上でないと上場が難しい海外と違い、早いタイミングでも上場という選択肢があることは、日本のスタートアップにとって成長戦略の選択肢が増えるという意味で大きなメリットではないだろうか。上場しやすいのは悪ではなく、むしろ善。悪いのはその上場を成長につなげられていない点にある。 私自身もスタートアップをIPOした際、数々の試練に直面した。そこには、経験者にしか分からない「成長の壁」が存在する。この壁の存在を知り、乗り越えていくことが日本全体の活性化につながると信じている。 上場後の企業の加減速の分水嶺はどこにあるのか。本連載では、上場ベンチャーの資金調達や成長戦略の実行支援のエキスパートとして見てきた経験や成長企業にインタビューした結果に基づき解説していく』、興味深そうだ。
・『上場ゴールと皮肉られてしまう理由  上場ゴールという言葉には、IPOで経営者は「上がりを決め込む」ことができ、企業としても潰れなければいい程度の動きしかしないという批判も含まれている。ただ、当事者からすればそれは違う。上場で上がりを決め込む経営者などほとんどいない。少なくとも、私の周囲の経営者たちは上場後も会社を成長させ続けたいと全力で経営に向き合っている。 建設的な議論なく、上場後に失速してしまっている企業を指差して批判するだけでは、何も生み出さない。本質的に必要なのはIPO後の成長を阻害する要因の把握と、その解決へのアプローチではないだろうか。 上場することで得られるのは、何も資金だけではない。信用度の高まりから、大企業との取引の可能性が高まり、その規模もより大きなものになりやすい。また人材採用や銀行借り入れも各段にしやすくなるだろう。そして知名度向上による恩恵も期待できる。 このようなバラ色のメリットを見れば、どの企業も上場後は加速度的に成長できそうに思える。ただ、実際は先に見た通り、多くの企業は伸び悩んでいるのが実情だ。IPOという成長ドライバーをベンチャーが生かして成長できない理由は何なのだろうか』、「上場ゴールと皮肉られてしまう」ケースも多いのは事実だ。
・『成長のためのIPOがなぜか成長投資を阻む  企業が成長するために投資はあってしかるべきものである。ただ、上場前後の成長投資は実のところ、柔軟性を持って行うことができない。 例えば、上場前のM&A(合併・買収)。新たなマーケットの獲得や、競合企業の買収などM&Aを正しく行うことができれば、企業にとって大きな成長へとつながる。しかし、上場準備中にM&Aを実行すると上場に向けた審査期間が延長になる可能性があり、資金調達をはじめとした計画が大きくずれてしまうことから選択肢として選びづらくなってしまうのだ。 また、上場準備中は将来に向けた新規事業投資や大規模なマーケティング投資を手控える場合が多い。というのも、上場時の株価(時価総額)がいまだにPER(株価収益率)で値付けされることが多いため、短期的には減益要因になりかねないマーケティング投資や新規事業投資は上場時の資金調達額を確保するため避けてしまうからだ。 最近では赤字上場が増えたものの、一部のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業などにとどまるのが実態である。 そして上場後は毎期、増収増益が投資家から期待される中で、増益を維持できる範囲内でしか、成長投資が行いづらいという壁も待っている。減益になるレベルで投資を行うと株価が急落し、投資家から「そんな投資はやめろ」という批判が殺到するだけでなく、株価下落により成長資金の調達すら困難になってしまうのである。 ベンチャーにとって成長の「ゴールデンタイム」である上場前後に成長投資を絞れば、上場後、成長が減速するのは火を見るより明らかである』、「成長の「ゴールデンタイム」である上場前後に成長投資を絞れば、上場後、成長が減速するのは火を見るより明らか」、その通りだ。
・『ベンチャーマインドがIPOで喪失する  IPOすれば知名度は大きく上がる。しかし、それによって事業の立ち上げや成長をけん引していく優秀な人材が雇用できるかといえば、答えは”NO”である。そういった人材はストックオプション(新株予約権)や自らの成長機会をインセンティブ(誘因)に入社をするケースが多い。IPO前はストックオプションの付与がしやすく、かつ会社が成長途上で権限・責任を早いタイミングで与えられる環境下では採用をしやすいが、IPO後は権限や規定が整い、上も詰まっている状態ではそういった人材の採用は容易ではないのである。 またIPOまで会社の中心にいたベンチャーマインドを持った人材たちも、IPO後にストックオプションを行使して離脱してしまう。自分で新たにベンチャーをつくったり、はたまた他のベンチャー企業にジョインしたりするなど、人それぞれだ。 結果的に、中核となる人材が抜け、更なる成長をけん引する社員の入社も容易ではない。そういった状況も会社が一回り大きくなるための足かせとなってしまっている。成長投資も大事だが、この人材の離脱という課題も上場後の企業の成長を押しとどめる要因になりやすい』、「この人材の離脱という課題も上場後の企業の成長を押しとどめる要因になりやすい」、なるほど。
・『小粒上場の是非  こうした上場前後の成長を阻害する要因をここまで議論してこなかったツケは大きい。一部の成長が失速した企業が頻繁にメディアで取り上げられ、小粒上場する企業へのネガティブな印象も大きくなってしまった。 ただ逆を言えば、先ほど挙げた成長阻害要因を解決することができれば、IPO後により大きな成長ができるはずだ。例えば、M&Aを手控える要因になっている審査期間を短縮できれば、よりリスクをとった大胆なチャレンジをベンチャーが上場前にできるはずだ。またベンチャー人材を上場後も魅了し続けるために、より使いやすい上場後のストックオプション制度を議論することも解決策の一つだろう。 上場後の停滞は、日本からイノベーションを起こし、新産業を生み出す上で無視できない課題である。ただ見方を変えると、上場後の成長実現が可能であれば、今までフォーカスしてこなかった、日本の大きな伸びしろともいえる。 この10年で上場ベンチャーが数多く生まれている。そこには上場までたどり着いた優秀な経営陣や、事業が何百とあり、大きな成長ポテンシャルが内在しているはずだ。 では、上場後の「壁」は乗り越えられないかというと、そういったことはない。上場後も急成長を実現できている企業も存在する。成長を続けられたキッカケとは何だったのか。その乗り越え方を、企業のケーススタディを基に、本連載を通じて考えていく』、「上場後も急成長を実現できている企業」の「ケーススタディ」とは、そう多くはない筈だが、早く読んでみたい。 
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