エネルギー(その9)(脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事 洋上風力「赤字入札」の見方に大反論) [産業動向]
エネルギーについては、昨年11月13日に取上げた。今日は、(その9)(脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事 洋上風力「赤字入札」の見方に大反論)である。
先ずは、本年1月17日付け文春オンラインが掲載した作家で個人投資家の山本 一郎氏による「脱原発にのめり込み過ぎた結果、欧米からハシゴを外される一部始終」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/51414
・『新年が明けて、日本も欧州も寒い冬がやってきました。 東京では久しぶりの大雪が降り、たった5cmしか積もらなかったのに大騒ぎとなって大雪警報まで発令される始末で、北海道や秋田の皆さんから北から目線のご心配の声を頂戴したのはありがたい限りです。大きなお世話なんじゃあーっ』、「大雪警報」には拍子抜けだった。
・『地球規模の気候変動ショックを起こす可能性が と思っていたら、南太平洋の島国・トンガ近辺で超絶大規模な火山噴火がありました。大変なことです。南海トラフの地震を怖れる日本も、太平洋プレートではご一緒している地域であるがゆえに、歴史的規模の大噴火が発生してしまうとさすがにビビります。世界のインターネットを繋ぐ海底ケーブルの中継地とも知られるトンガや周辺の皆さんは大丈夫なのでしょうか……。 何よりも、人間が「SDGsが」「地球環境のために持続可能な開発を」と言ってる横で、肝心の地球様が大噴火をさせているのを見ると、地球様にとって人類などほんと地表に生えた光るカビぐらいにしか思ってないんだろうなあと感じるわけであります。 1991年には、フィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火でも大変なことになりましたが、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ、世界的に気温が低下してしまいました。2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入しなければならない事態になったのです。おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています。大変なことだと思うんですよ。 噴火の衝撃もある一方で、この年末年始、寒い冬を越すのに東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだ感じです。常日頃、揶揄されることも多い東京電力もインフラの仕事として立派に首都圏に電力供給をしてくださっているわけで、政策的にも右往左往しなくて良いようにしないとなあというところへ出てきたのがエネルギー政策の理想と現実の話です』、「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって」、は幸い杞憂に終わりそうだ。
・『確かに「無駄も多いんじゃねえのか」と感じる日本のエネルギー このところ、脱炭素社会だゼロカーボンだと、地球の気候変動を促してしまう、減らすべき温室効果ガスの筆頭として二酸化炭素が槍玉に挙げられ続けてきました。世界的にこういう気温上昇にともなう集中豪雨や海面上昇などさまざまな異常気象に対処するため、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運になってきたわけですね。 確かに、ボンボン石炭燃やして発電所焚いて電気を作って、それが日常的にあったかい便座やどこでも冷たいコーヒーが買える自動販売機に使われ続けているのは気になります。誰も乗ってないのにフル回転で動くエスカレーターも夜空を煌々と照らす繁華街のネオンの類も、毎日膨らみ続ける東京ドームの屋根も、電気で動いている限り「無駄も多いんじゃねえのか」と思うわけですよ。 さらには、新築のタワーマンションに越してみたら、窓枠がアルミサッシで暖房をいくら入れてもサッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる残念な日本の住宅事情を見ても、もうちょっと環境にやさしい断熱とかできねえのかと思ったりもします。仕方なく100均に行ってプチプチの断熱材を買ってきてせっせと貼ったり、少し長めのカーテンを吊るしてなるだけ電気を使わない生活に工夫していく以外に方法はないのでしょうか。新年が明けて、日本も欧州も寒い冬がやってきました。 東京では久しぶりの大雪が降り、たった5cmしか積もらなかったのに大騒ぎとなって大雪警報まで発令される始末で、北海道や秋田の皆さんから北から目線のご心配の声を頂戴したのはありがたい限りです。大きなお世話なんじゃあーっ』、確かに「日本」の「住宅」の「断熱」事情はお粗末だ。
・『地球規模の気候変動ショックを起こす可能性が と思っていたら、南太平洋の島国・トンガ近辺で超絶大規模な火山噴火がありました。大変なことです。南海トラフの地震を怖れる日本も、太平洋プレートではご一緒している地域であるがゆえに、歴史的規模の大噴火が発生してしまうとさすがにビビります。世界のインターネットを繋ぐ海底ケーブルの中継地とも知られるトンガや周辺の皆さんは大丈夫なのでしょうか……。 何よりも、人間が「SDGsが」「地球環境のために持続可能な開発を」と言ってる横で、肝心の地球様が大噴火をさせているのを見ると、地球様にとって人類などほんと地表に生えた光るカビぐらいにしか思ってないんだろうなあと感じるわけであります。 1991年には、フィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火でも大変なことになりましたが、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ、世界的に気温が低下してしまいました。2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入しなければならない事態になったのです。おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています。大変なことだと思うんですよ。 噴火の衝撃もある一方で、この年末年始、寒い冬を越すのに東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだ感じです。常日頃、揶揄されることも多い東京電力もインフラの仕事として立派に首都圏に電力供給をしてくださっているわけで、政策的にも右往左往しなくて良いようにしないとなあというところへ出てきたのがエネルギー政策の理想と現実の話です』、「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています」、先述の通り、幸い杞憂に終わりそうだ。
・『確かに「無駄も多いんじゃねえのか」と感じる日本のエネルギー このところ、脱炭素社会だゼロカーボンだと、地球の気候変動を促してしまう、減らすべき温室効果ガスの筆頭として二酸化炭素が槍玉に挙げられ続けてきました。世界的にこういう気温上昇にともなう集中豪雨や海面上昇などさまざまな異常気象に対処するため、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運になってきたわけですね。 確かに、ボンボン石炭燃やして発電所焚いて電気を作って、それが日常的にあったかい便座やどこでも冷たいコーヒーが買える自動販売機に使われ続けているのは気になります。誰も乗ってないのにフル回転で動くエスカレーターも夜空を煌々と照らす繁華街のネオンの類も、毎日膨らみ続ける東京ドームの屋根も、電気で動いている限り「無駄も多いんじゃねえのか」と思うわけですよ。 さらには、新築のタワーマンションに越してみたら、窓枠がアルミサッシで暖房をいくら入れてもサッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる残念な日本の住宅事情を見ても、もうちょっと環境にやさしい断熱とかできねえのかと思ったりもします。仕方なく100均に行ってプチプチの断熱材を買ってきてせっせと貼ったり、少し長めのカーテンを吊るしてなるだけ電気を使わない生活に工夫していく以外に方法はないのでしょうか』、「新築のタワーマンション」で「サッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる」、いまだにこんなお粗末なつくりとは驚かされた。
・『世界的な「脱原発」と「再生エネルギーシフト」への動き また、お世話になっている東京電力も10年前は福島第一原発事故をやらかしています。あれは大変だった。結局は私たちの電力代や納める税金での対応を余儀なくされたという意味では国民全員が罰ゲームを食らったようなものですが、あのころからやはり「電力は大事だが、原子力発電は駄目だぞ」という流れがより強くなってしまったように思います。 実際、欧州でもドイツを中心に脱原子力発電所の動きが続き、石油石炭LNGなど脱化石燃料の動きもあいまって、世界的な温暖化対策のためにも再生エネルギーシフトは必要だ、絶対にやり遂げなければならないというような風潮になったのは、やはりSDGsを推し進めたい世界的なコンセンサスが大富豪のお金をかき集め、各国の広告代理店に「SDGsは世界的な超重要事項だぞ」という謎キャンペーンを張りまくったことによる洗脳効果なのでしょうか。思い返せば、プーチン大統領に正面から喧嘩を売ったグレタさんとは何だったのかとか、いろんな記憶が蘇ります。 果ては、炭素排出権の確立も経て、モビリティの世界では電気自動車(EV)が世界標準となって、2030年代なり2040年代にはガソリンで動く自動車は全廃だぞぐらいの勢いで自動車業界の地殻変動が進んでいます。よく分からないけど俺たちのテスラ社の株価は天文学的な数字となった後で大規模リコールなど引き起こしていましたが、それでもガソリン自動車やディーゼル車はもはや社会悪だといわんばかりの勢いでイメージ悪化が進んでいます』、確かに「テスラ」の「株価」の相対的な堅調ぶりが目立つ。
・『再生エネルギーへの移行はどの国もかなり先の話 もちろん、自動車が一斉にEVになりました、二酸化炭素を排出しなくなって良かったですね、といってもエネルギーを消費していることには変わりありません。東京電力など電力会社の皆さんが頑張って作り上げた送電網により一層の依存をすることになります。トヨタ自動車の豊田章男さんも、記者会見や文春誌面で怒り狂っておられましたが、ガソリンで動く車を全部EVにして充電池依存にしたらしたで、その充電するための電力はどうやって創り出すんだという話になり、結果的に発電リソースが大量に必要になって、むしろ多くのインフラ余力を必要とする本末転倒を起こすんじゃないかって話は正論だと思うんですよ。 さらに、これからの世の中は再生エネルギーだぞ、脱炭素だぞと言っても、そこそこ強い風が吹き、長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず、そもそも彼らの人口は600万人もいないわけです。スペインもイギリスも再生エネルギーを増やしたくて頑張っているけれど、やはり過渡期ということもあり全面的に再生エネルギーに移行できるのはかなり先のことになるかもしれません』、「長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず」、「再生エネルギー」といっても限界があるようだ。
・『ロシアが天然ガスを止めちゃって… そうこうしているうちに、ロシアが被害妄想かなにかもあって突然ウクライナ近くまで軍隊を寄せてきてしまいました。ウクライナがNATOに加盟申請するしないでのすったもんだと合わせて、ロシアの軍事的圧力に対する制裁としてアメリカや欧州はロシアにいままでにない規模の経済制裁をするぞと言い始めました。 その際に、ロシアが欧州向けのLNGパイプラインである「ノルドストリーム2」を止めてしまったために、そのロシアからの天然ガスに依存していたドイツ以下欧州各国がこのクソ寒い冬をどう越すんだと騒ぎになるわけです。おまえら、数カ月前は脱炭素だ再生エネルギーだって随分いろんなことを言ってた割に、ロシアに天然ガス止められたら秒殺されるのさすがにダサくないか』、「LNG」を輸入に頼っている「日本」までもが欧州向けに「LNG」供給で協力させられたのには、驚かされた。
・『エネルギー供給に苦しむドイツでは、大ちゃぶ台返しが発生 エネルギー供給に大きな、喫緊のリスクが出たことで、ドイツほか欧州では「何のエネルギーソースがクリーンなのか」とかいう本末転倒な議論が始まります。果ては、欧州委員会が社会や経済の脱炭素化に寄与するエネルギー源として、天然ガスと原子力を公式に認定する方針を発表するとかいう大ちゃぶ台返しが発生することになります。 これはもう、ダサいという以前にイカレた話であって、いままで積み上げてきた脱炭素、脱化石燃料、脱原発といった各種議論は何だったんだよということですね。 さすがにドイツ国内からは反発が出て、緑の党が「原子力発電はグリーンではない」と言い換えたりもしておりましたが、そのドイツも国内の電力需要を確保するために、よりによって原子力発電によるエネルギーシェアがべらぼうに高いフランスからの電力融通を打診したうえ、ドイツ国内では一時電力費が6割増とかいうデフレなんて言ってる場合じゃない具合で値上がりしております。 過去から現在に至るまで、ドイツのエネルギー政策を見習えと言っていた知識人は、一連の欧州の手のひら返しをどう考えているのか聞いてみたいものです』、「一連の欧州の手のひら返し」は、確かに露骨まご都合主義だ。
・『原子力発電に賛成ではないものの もちろん、私も原子力発電に賛成かと言われれば、処理に10万年かかるような核廃棄物の処理をいまの世代が必要だからとじゃんじゃん生みだして良いかと言われたら、それこそ持続可能じゃないよなあという意味で、消極的に反対です。だって、トンガと同じように地震多発国で、活火山も多い我が国で、10万年後の未来まで安全に核廃棄物が地中深くに埋められる場所なんてあるようにも思えません。核廃棄物を埋めた場所の近くで火山がどーんと大爆発したらどうなってしまうのでしょうか。 ただし、いま目の前の電力消費がこれだけある中で、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、じゃあどうするかと言えば、きちんと縛りを作って原子力発電所を事故らないように運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発できるまではしょぼしょぼやっていくほかないのではないかと思っています。 原発再稼働の議論が大事なのは、福島第一原発事故が10年のときを経て私たちに投げかけている問題のみならず、エネルギー政策への国民の向き合い方をどう具体的な政策にむすびつけていくのかが問われているんだと思うわけですよ。太陽光パネル一本槍できた日本の再生エネルギーも再考するべきでしょうし、円安にシフトしている我が国の経済状態で、値上がり一途のLNGや原油石炭の調達のままでいいのかという話もあります。 そんな日本のエネルギー関連議論をよそに、いまや世界中で原子力発電所の建設ラッシュが始まっています』、「いま目の前の電力消費がこれだけある中で、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、じゃあどうするかと言えば、きちんと縛りを作って原子力発電所を事故らないように運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発できるまではしょぼしょぼやっていくほかないのではないかと思っています」、現実的な考え方だ。
・『現在、欧州では原子力発電が成長産業に 脱原発を叫んでいたはずのヨーロッパでは、建設中の原子力発電所は15基、計画中は37基。また、日本を除くアジア全般で言えば建設中は35基、計画中はなんと56基あるとされます。日本人が欧州のクリーンエネルギーの理念に賛同してSDGsとか言っているあいだに、その欧州では原子力発電はインフラとして成長産業の一部となっていて、世界では洋上風力発電や太陽光パネルと並んで原子力発電も脱炭素の切り札のようになっている現実は直視したほうが良いと思います。 繰り返しになりますが、私も脱炭素の社会にしていくべきだし、原子力発電も長期的影響を考えたら徐々に減らしていくべきという考えには同意します。ただ、いま目の前の電気が足りないという事態で、ガソリン車を全部EVにするんだよとか、再生エネルギーで38%を目指すというような動きが、世界の人たちが無責任に作るルールに翻弄されないようにするべきだ、というのは考えておくべきなんじゃないですかねえ。 そして、今後少なくとも3年間ぐらいは、今回のトンガ火山噴火の影響で穀物生産に悪い影響が起きるだけでなく、日照量の低下で冷夏厳冬が来る可能性も否定できません。否応なく、化石燃料を燃やさないとエネルギーが賄えないよという時代がやってくるとするならば、SDGsとは何だったのかという議論もしておかないといけないんじゃないでしょうか』、「いま目の前の電気が足りないという事態で、ガソリン車を全部EVにするんだよとか、再生エネルギーで38%を目指すというような動きが、世界の人たちが無責任に作るルールに翻弄されないようにするべきだ、というのは考えておくべきなんじゃないですかねえ」、現実的な考え方で、基本的に同意できる。
次に、2月9日付け東洋経済Plus「キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事、洋上風力「赤字入札」の見方に大反論」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29724
・『2021年末に結果が開示された洋上風力発電の大型プロジェクトの公募・入札において、圧倒的な低価格で国内3海域すべてを総取りした三菱商事連合。その衝撃的な価格破壊に対して、一部関係者からは「赤字覚悟の入札では」との声もあがりエネルギー業界に波紋を広げた。(「洋上風力 価格破壊ショック」特集はこちらから) 三菱商事連合はこうした見方を払拭し、1兆円規模の洋上風力プロジェクトを完遂することができるのか。岡藤裕治エネルギーサービス本部長は「欧州並みの発電コストに近づけられる」と強調する(Qは聞き手の質問、Aは岡藤氏の回答)。 Q:まさかの3海域総取りでした。 A:一般海域における洋上風力としては国内初の案件だ。事業者として長期にわたってしっかりと事業を遂行していく責任をひしひしと感じている。 Q:他社よりも圧倒的に安い価格が勝利につながりました。「赤字覚悟の入札では」という声もあります。 A:与えられた条件下で、必要なリターンを乗せ、ボトムアップで精査をした結果だ。数字ありきで事業計画を策定したわけではない。万が一、赤字の事業計画を出せば(入札のルールによって)一発でアウトの判定になることは十分認識していた。 各海域は1案件ごとにしっかりと事業計画を立てて入札に臨んだ。結果として3海域すべて取れたのは望外の喜びだが、(始めから)スケールメリットを前提に個々の案件の事業計画を組んだということはいっさいない。 Q:では、ここまで安い売電価格を提示できたのはなぜでしょうか。 A:これといった必殺技やマジックはない。いちばん大きいのは、欧州で他社に先行して、洋上風力プロジェクトを開発段階からやってきた知見、経験だ。2020年には、10年間欧州でともに洋上風力開発を行ってきたオランダの再エネ企業エネコを買収している。 エネコで10年間経験を積んだ人材が、何がプロジェクトの不確実性やリスクになるのか洗い出し、それを潰す。アドバイザーやメーカーの見方を受け売りしないでコストを精査し、ファイナンスなども含めて数字を積み上げていった。エネコの技術を内製化したことが勝因になった』、「2020年」に「買収」した「エネコの技術を内製化したことが勝因になった」、直ぐに「内製化」するとは大したものだ。
・『欧州並みの発電コストに近づける 欧州ではコスト低減が可能だったが日本ではできないのではないか。こうした意見もあるかもしれないが、欧州には欧州の洋上風力プロジェクトの難しさがある。そして、課題の一つひとつを克服してコストを低減している。日本でそれができないということはない。 (洋上風力の)発電コストを欧州並みにできるかどうかはわからないが、少なくとも欧州並みの水準に近づいていくことはできると思っている。再エネの調達費用が高いままだと日本全体の産業競争力が下がってしまう。再エネのコストダウンを通じて国内産業の脱炭素化と経済成長の一助になれればと思う。 Q:欧州での洋上風力に比べると、日本事業の利益は薄くなるのでは。 A:同じ洋上風力でも欧州と日本では求める利益は変わってくる。これはどこの会社でも同じだと思うが、そのマーケットでのリスクやそこで数十年間事業を行うことに対する見方、さまざまな要因で変わってくる。 日本でのプロジェクトは利益を削っているのかと言われれば、イエスでもノーでもなく、マーケットが変わればおのずと求めるリターンは変わるというのが答えだ。 Q:日本における洋上風力事業の位置づけは。 A洋上風力発電を起点にして地域共生事業をやっていきたいという思いがある。当社がさまざまなビジネスを最も展開しているのは日本であり、三菱商事の総合力を発揮した地域共生事業をやっていくのにいちばん適した場所だ。洋上風力をきっかけに地元自治体や市民との関係ができることで、さまざまな施策が展開できる。 Q:事業者選定に関するルールが記載されている「公募占用指針」を読むと、事業期間延長が可能です。この点も事業計画を策定するうえでポイントだったのでしょうか。 A:私たちはFIT(固定価格買い取り制度に基づく売電)が20年間で、海域の占用期間は30年間だと理解している。ルール上は設備を撤去して原状復帰しなさいというものだ。 ここには但し書きあって社会の公益性にかなうなどの特段の事情があり、国交相が認めた場合のみ占用期間の延長は可能だと理解している。ただ、われわれはあくまでも占用期間30年間という枠組みの中で事業計画を策定している。 Q:コスト低減と洋上風力関連産業の育成は両立できるのでしょうか。 A:洋上風力産業の育成と発電コストの低減は対立関係にはない。むしろ、地域の洋上風力産業を育成することが将来的なコスト低減には不可欠だ。 この3案件を通じて、国内サプライチェーンを育成する初めの一歩としなければならない。保守部品を供給するサプライヤーやメンテナンスを担う人々が近くにいることの意味は大きい。欧州から部品を取り寄せるのではコスト低減は進まない。 Q:今後も積極的に攻めますか。 A:ここで「撃ち方やめ」という予定はないし、宣言するつもりもない。一方、1社で(今後の)案件を総取りしようなんて大それたことはまったく考えていない。そんなリソースもないし、業界全体が健全に成長してほしい。 そうでなければ、政府と産業界が掲げる、40年に30~45ギガワットの洋上風力案件を形成するという目標は達成できない』、「国内サプライチェーンを育成する初めの一歩としなければならない。保守部品を供給するサプライヤーやメンテナンスを担う人々が近くにいることの意味は大きい。欧州から部品を取り寄せるのではコスト低減は進まない」、「40年に30~45ギガワットの洋上風力案件を形成するという目標」達成に向けて「産業界」の一段の努力を期待したい。
第三に、2月10日付け東洋経済Plus「三菱商事は「ダブルK点越え」、敵ながら見事だ JERA幹部が明かす「洋上風力」入札の敗因と決意」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29721
・『脱炭素の切り札である洋上風力発電。三菱商事連合はなぜ国内初の大型案件を「総取り」できたのか。当事者たちの証言からその内幕を明らかにする。 (「JERA幹部」のやじま・さとし氏の略歴はリンク先参照) 「再エネ海域利用法」に基づく洋上風力発電プロジェクトの入札第1弾では、三菱商事連合が秋田県および千葉県の3海域いずれにおいても落札するという、異例の結果となった。(「洋上風力 価格破壊ショック」特集はこちらから) 三菱商事が示した衝撃的な落札価格を、敗退したライバル企業はどのように受け止めているのか。J-POWERおよびノルウェーのエネルギー大手エクイノールと組んで、秋田県の2海域に関する入札に参加していた大手エネルギー企業のJERA(東京電力ホールディングスと中部電力が共同出資)。同社で洋上風力の開発を担当する矢島聡執行役員は、「ベストを尽くしたが、認識が甘かった」と今回の入札を振り返る(Qは聞き手の質問、Aは矢島氏の回答)。 Q:今回の「敗戦」をどう受け止めていますか。 A:われわれなりに考え抜き、相当のリスクを取った形で応札した。ベストは尽くした。しかし、三菱商事連合が提示した条件に及ばなかった。 (電力部門を統括する)三菱商事の中西勝也次期社長(現・常務)および岡藤裕治エネルギーサービス本部長とも一緒に仕事をさせていただいたことがある。お二方とも敵に回したら大変手強い相手だ。三菱商事は慎重で堅実な会社であり、社内稟議もしっかりしている。考え抜いたうえでプロポーザルを出し、勝利したのだろう。 Q:事業者の選定に際しては、価格点(120点満点)と事業実現性に関する得点(120点満点)の2つで構成され、最高点を獲得した事業者が選定されるプロセスです。三菱商事連合は3海域のいずれにおいても価格点で他グループを引き離して満点の120点を獲得しました。 A:各応札事業者に関する評価点を見た時、正直申し上げて愕然とした。私どもが出した数字でも(勝利した場合には関係者に)衝撃を与えるだろうなと思っていたが、認識が甘かった』、普通は入札では協調はしないまでも、3海域いずれにおいても落札するといったことは異例中の異例だ。
・『「違うゲームをやっていた」 結果的に見ると、2位以下のグループとは大きな差が生じた。なぜこれだけの差をつけられてしまったのか、困惑している。われわれも(供給価格に反映される)コスト削減の取り組みではそうとう頑張ったつもりだ。スキーのジャンプ競技で言えば、K点越えは果たした。ところが、三菱商事連合はダブルK点越えというほどのすごさで、観客席の奥まで飛んでいってしまった。 Q:なぜこれだけの価格差がついたのか、謎が深まるばかりです。 A:飛び出したところが違うのか、あるいは違うゲームをやっていたのではないかとすら思った。電力の小売りや環境価値に関して何らかの工夫をしたのかもしれない。今回、応札した三菱商事も住友商事も、キーパーソンは海外の火力発電所の入札で、がちんこ勝負をしてきた人たちだった。それだけに国際入札の猛者たちと戦っているという意識を持って覚悟して臨んだが、負けてしまった。 Q:JERA連合と競合した秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖の入札で、三菱商事連合は価格点だけでなく、定性点(事業実現性に関しての得点)でもトップになりました。同県由利本荘市沖の入札でも定性点が2位でした。 A:地元貢献を含め、三菱商事グループを総動員して高い点数を取りに行った結果だろう。あっぱれだ。われわれも地域貢献の取り組み方針については知恵を絞ったうえでプロポーザルに盛り込んだが、結果的に見ると、まだまだやるべきことがあったのかもしれない。 Q:三菱商事連合は3海域とも円滑に運転開始に持っていけると思われますか。 A:しっかりおやりになると思うが、3海域でのプロジェクトを同時に手掛けていくのは大変だと思う。実績が乏しい日本では、洋上風力発電施設の建設に必要なリソースが足りない。 Q:JERAも台湾の洋上風力発電プロジェクトでは苦労していますね。 A:日本に先行して参画している台湾の「フォルモサ2」プロジェクトでは、コロナ禍により工事の遅れや作業船の手配期間の延長が重なり、一時は銀行団の融資も止まるなど事業自体が危うくなった。当社が主導して事業スキームを組み直したが、大変な苦労をした。 一時は3桁億円の後半まで追加コストがかさんでしまうのではないかというほどだったが、財務や施工面でのリストラクチャリングによって今は何とか落ち着いている。洋上風力事業の大変さを経験した。 Q:今後の入札への取り組み姿勢は。 A:戦略の見直しが必要であることは間違いない。ただ、私自身は今後も頑張りたい。ポテンシャルがある地域についてはしっかりと見ていく』、「JERAも台湾の洋上風力発電プロジェクトでは苦労」、「コロナ禍により工事の遅れや作業船の手配期間の延長が重なり、一時は銀行団の融資も止まるなど事業自体が危うくなった。当社が主導して事業スキームを組み直したが、大変な苦労をした」、「プロジェク」のリスクは決して小さくはないようだ。「三菱商事連合」のお手並み拝見である。
先ずは、本年1月17日付け文春オンラインが掲載した作家で個人投資家の山本 一郎氏による「脱原発にのめり込み過ぎた結果、欧米からハシゴを外される一部始終」を紹介しよう。
https://bunshun.jp/articles/-/51414
・『新年が明けて、日本も欧州も寒い冬がやってきました。 東京では久しぶりの大雪が降り、たった5cmしか積もらなかったのに大騒ぎとなって大雪警報まで発令される始末で、北海道や秋田の皆さんから北から目線のご心配の声を頂戴したのはありがたい限りです。大きなお世話なんじゃあーっ』、「大雪警報」には拍子抜けだった。
・『地球規模の気候変動ショックを起こす可能性が と思っていたら、南太平洋の島国・トンガ近辺で超絶大規模な火山噴火がありました。大変なことです。南海トラフの地震を怖れる日本も、太平洋プレートではご一緒している地域であるがゆえに、歴史的規模の大噴火が発生してしまうとさすがにビビります。世界のインターネットを繋ぐ海底ケーブルの中継地とも知られるトンガや周辺の皆さんは大丈夫なのでしょうか……。 何よりも、人間が「SDGsが」「地球環境のために持続可能な開発を」と言ってる横で、肝心の地球様が大噴火をさせているのを見ると、地球様にとって人類などほんと地表に生えた光るカビぐらいにしか思ってないんだろうなあと感じるわけであります。 1991年には、フィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火でも大変なことになりましたが、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ、世界的に気温が低下してしまいました。2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入しなければならない事態になったのです。おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています。大変なことだと思うんですよ。 噴火の衝撃もある一方で、この年末年始、寒い冬を越すのに東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだ感じです。常日頃、揶揄されることも多い東京電力もインフラの仕事として立派に首都圏に電力供給をしてくださっているわけで、政策的にも右往左往しなくて良いようにしないとなあというところへ出てきたのがエネルギー政策の理想と現実の話です』、「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって」、は幸い杞憂に終わりそうだ。
・『確かに「無駄も多いんじゃねえのか」と感じる日本のエネルギー このところ、脱炭素社会だゼロカーボンだと、地球の気候変動を促してしまう、減らすべき温室効果ガスの筆頭として二酸化炭素が槍玉に挙げられ続けてきました。世界的にこういう気温上昇にともなう集中豪雨や海面上昇などさまざまな異常気象に対処するため、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運になってきたわけですね。 確かに、ボンボン石炭燃やして発電所焚いて電気を作って、それが日常的にあったかい便座やどこでも冷たいコーヒーが買える自動販売機に使われ続けているのは気になります。誰も乗ってないのにフル回転で動くエスカレーターも夜空を煌々と照らす繁華街のネオンの類も、毎日膨らみ続ける東京ドームの屋根も、電気で動いている限り「無駄も多いんじゃねえのか」と思うわけですよ。 さらには、新築のタワーマンションに越してみたら、窓枠がアルミサッシで暖房をいくら入れてもサッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる残念な日本の住宅事情を見ても、もうちょっと環境にやさしい断熱とかできねえのかと思ったりもします。仕方なく100均に行ってプチプチの断熱材を買ってきてせっせと貼ったり、少し長めのカーテンを吊るしてなるだけ電気を使わない生活に工夫していく以外に方法はないのでしょうか。新年が明けて、日本も欧州も寒い冬がやってきました。 東京では久しぶりの大雪が降り、たった5cmしか積もらなかったのに大騒ぎとなって大雪警報まで発令される始末で、北海道や秋田の皆さんから北から目線のご心配の声を頂戴したのはありがたい限りです。大きなお世話なんじゃあーっ』、確かに「日本」の「住宅」の「断熱」事情はお粗末だ。
・『地球規模の気候変動ショックを起こす可能性が と思っていたら、南太平洋の島国・トンガ近辺で超絶大規模な火山噴火がありました。大変なことです。南海トラフの地震を怖れる日本も、太平洋プレートではご一緒している地域であるがゆえに、歴史的規模の大噴火が発生してしまうとさすがにビビります。世界のインターネットを繋ぐ海底ケーブルの中継地とも知られるトンガや周辺の皆さんは大丈夫なのでしょうか……。 何よりも、人間が「SDGsが」「地球環境のために持続可能な開発を」と言ってる横で、肝心の地球様が大噴火をさせているのを見ると、地球様にとって人類などほんと地表に生えた光るカビぐらいにしか思ってないんだろうなあと感じるわけであります。 1991年には、フィリピンのルソン島西のピナトゥボ火山で起きた噴火でも大変なことになりましたが、火山噴火にともなう噴出物が成層圏まで巻き上げられて太陽光が遮られ、世界的に気温が低下してしまいました。2年後、日本では東北地方を中心に米が大凶作となって、米不足からタイ米を緊急輸入しなければならない事態になったのです。おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています。大変なことだと思うんですよ。 噴火の衝撃もある一方で、この年末年始、寒い冬を越すのに東京電力での発電量だけでは足りず、中部電力などから電力を融通してもらい、何とか急場をしのいだ感じです。常日頃、揶揄されることも多い東京電力もインフラの仕事として立派に首都圏に電力供給をしてくださっているわけで、政策的にも右往左往しなくて良いようにしないとなあというところへ出てきたのがエネルギー政策の理想と現実の話です』、「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています」、先述の通り、幸い杞憂に終わりそうだ。
・『確かに「無駄も多いんじゃねえのか」と感じる日本のエネルギー このところ、脱炭素社会だゼロカーボンだと、地球の気候変動を促してしまう、減らすべき温室効果ガスの筆頭として二酸化炭素が槍玉に挙げられ続けてきました。世界的にこういう気温上昇にともなう集中豪雨や海面上昇などさまざまな異常気象に対処するため、SDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに環境破壊に繋がるエネルギー政策は改めようという機運になってきたわけですね。 確かに、ボンボン石炭燃やして発電所焚いて電気を作って、それが日常的にあったかい便座やどこでも冷たいコーヒーが買える自動販売機に使われ続けているのは気になります。誰も乗ってないのにフル回転で動くエスカレーターも夜空を煌々と照らす繁華街のネオンの類も、毎日膨らみ続ける東京ドームの屋根も、電気で動いている限り「無駄も多いんじゃねえのか」と思うわけですよ。 さらには、新築のタワーマンションに越してみたら、窓枠がアルミサッシで暖房をいくら入れてもサッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる残念な日本の住宅事情を見ても、もうちょっと環境にやさしい断熱とかできねえのかと思ったりもします。仕方なく100均に行ってプチプチの断熱材を買ってきてせっせと貼ったり、少し長めのカーテンを吊るしてなるだけ電気を使わない生活に工夫していく以外に方法はないのでしょうか』、「新築のタワーマンション」で「サッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる」、いまだにこんなお粗末なつくりとは驚かされた。
・『世界的な「脱原発」と「再生エネルギーシフト」への動き また、お世話になっている東京電力も10年前は福島第一原発事故をやらかしています。あれは大変だった。結局は私たちの電力代や納める税金での対応を余儀なくされたという意味では国民全員が罰ゲームを食らったようなものですが、あのころからやはり「電力は大事だが、原子力発電は駄目だぞ」という流れがより強くなってしまったように思います。 実際、欧州でもドイツを中心に脱原子力発電所の動きが続き、石油石炭LNGなど脱化石燃料の動きもあいまって、世界的な温暖化対策のためにも再生エネルギーシフトは必要だ、絶対にやり遂げなければならないというような風潮になったのは、やはりSDGsを推し進めたい世界的なコンセンサスが大富豪のお金をかき集め、各国の広告代理店に「SDGsは世界的な超重要事項だぞ」という謎キャンペーンを張りまくったことによる洗脳効果なのでしょうか。思い返せば、プーチン大統領に正面から喧嘩を売ったグレタさんとは何だったのかとか、いろんな記憶が蘇ります。 果ては、炭素排出権の確立も経て、モビリティの世界では電気自動車(EV)が世界標準となって、2030年代なり2040年代にはガソリンで動く自動車は全廃だぞぐらいの勢いで自動車業界の地殻変動が進んでいます。よく分からないけど俺たちのテスラ社の株価は天文学的な数字となった後で大規模リコールなど引き起こしていましたが、それでもガソリン自動車やディーゼル車はもはや社会悪だといわんばかりの勢いでイメージ悪化が進んでいます』、確かに「テスラ」の「株価」の相対的な堅調ぶりが目立つ。
・『再生エネルギーへの移行はどの国もかなり先の話 もちろん、自動車が一斉にEVになりました、二酸化炭素を排出しなくなって良かったですね、といってもエネルギーを消費していることには変わりありません。東京電力など電力会社の皆さんが頑張って作り上げた送電網により一層の依存をすることになります。トヨタ自動車の豊田章男さんも、記者会見や文春誌面で怒り狂っておられましたが、ガソリンで動く車を全部EVにして充電池依存にしたらしたで、その充電するための電力はどうやって創り出すんだという話になり、結果的に発電リソースが大量に必要になって、むしろ多くのインフラ余力を必要とする本末転倒を起こすんじゃないかって話は正論だと思うんですよ。 さらに、これからの世の中は再生エネルギーだぞ、脱炭素だぞと言っても、そこそこ強い風が吹き、長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず、そもそも彼らの人口は600万人もいないわけです。スペインもイギリスも再生エネルギーを増やしたくて頑張っているけれど、やはり過渡期ということもあり全面的に再生エネルギーに移行できるのはかなり先のことになるかもしれません』、「長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず」、「再生エネルギー」といっても限界があるようだ。
・『ロシアが天然ガスを止めちゃって… そうこうしているうちに、ロシアが被害妄想かなにかもあって突然ウクライナ近くまで軍隊を寄せてきてしまいました。ウクライナがNATOに加盟申請するしないでのすったもんだと合わせて、ロシアの軍事的圧力に対する制裁としてアメリカや欧州はロシアにいままでにない規模の経済制裁をするぞと言い始めました。 その際に、ロシアが欧州向けのLNGパイプラインである「ノルドストリーム2」を止めてしまったために、そのロシアからの天然ガスに依存していたドイツ以下欧州各国がこのクソ寒い冬をどう越すんだと騒ぎになるわけです。おまえら、数カ月前は脱炭素だ再生エネルギーだって随分いろんなことを言ってた割に、ロシアに天然ガス止められたら秒殺されるのさすがにダサくないか』、「LNG」を輸入に頼っている「日本」までもが欧州向けに「LNG」供給で協力させられたのには、驚かされた。
・『エネルギー供給に苦しむドイツでは、大ちゃぶ台返しが発生 エネルギー供給に大きな、喫緊のリスクが出たことで、ドイツほか欧州では「何のエネルギーソースがクリーンなのか」とかいう本末転倒な議論が始まります。果ては、欧州委員会が社会や経済の脱炭素化に寄与するエネルギー源として、天然ガスと原子力を公式に認定する方針を発表するとかいう大ちゃぶ台返しが発生することになります。 これはもう、ダサいという以前にイカレた話であって、いままで積み上げてきた脱炭素、脱化石燃料、脱原発といった各種議論は何だったんだよということですね。 さすがにドイツ国内からは反発が出て、緑の党が「原子力発電はグリーンではない」と言い換えたりもしておりましたが、そのドイツも国内の電力需要を確保するために、よりによって原子力発電によるエネルギーシェアがべらぼうに高いフランスからの電力融通を打診したうえ、ドイツ国内では一時電力費が6割増とかいうデフレなんて言ってる場合じゃない具合で値上がりしております。 過去から現在に至るまで、ドイツのエネルギー政策を見習えと言っていた知識人は、一連の欧州の手のひら返しをどう考えているのか聞いてみたいものです』、「一連の欧州の手のひら返し」は、確かに露骨まご都合主義だ。
・『原子力発電に賛成ではないものの もちろん、私も原子力発電に賛成かと言われれば、処理に10万年かかるような核廃棄物の処理をいまの世代が必要だからとじゃんじゃん生みだして良いかと言われたら、それこそ持続可能じゃないよなあという意味で、消極的に反対です。だって、トンガと同じように地震多発国で、活火山も多い我が国で、10万年後の未来まで安全に核廃棄物が地中深くに埋められる場所なんてあるようにも思えません。核廃棄物を埋めた場所の近くで火山がどーんと大爆発したらどうなってしまうのでしょうか。 ただし、いま目の前の電力消費がこれだけある中で、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、じゃあどうするかと言えば、きちんと縛りを作って原子力発電所を事故らないように運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発できるまではしょぼしょぼやっていくほかないのではないかと思っています。 原発再稼働の議論が大事なのは、福島第一原発事故が10年のときを経て私たちに投げかけている問題のみならず、エネルギー政策への国民の向き合い方をどう具体的な政策にむすびつけていくのかが問われているんだと思うわけですよ。太陽光パネル一本槍できた日本の再生エネルギーも再考するべきでしょうし、円安にシフトしている我が国の経済状態で、値上がり一途のLNGや原油石炭の調達のままでいいのかという話もあります。 そんな日本のエネルギー関連議論をよそに、いまや世界中で原子力発電所の建設ラッシュが始まっています』、「いま目の前の電力消費がこれだけある中で、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、じゃあどうするかと言えば、きちんと縛りを作って原子力発電所を事故らないように運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発できるまではしょぼしょぼやっていくほかないのではないかと思っています」、現実的な考え方だ。
・『現在、欧州では原子力発電が成長産業に 脱原発を叫んでいたはずのヨーロッパでは、建設中の原子力発電所は15基、計画中は37基。また、日本を除くアジア全般で言えば建設中は35基、計画中はなんと56基あるとされます。日本人が欧州のクリーンエネルギーの理念に賛同してSDGsとか言っているあいだに、その欧州では原子力発電はインフラとして成長産業の一部となっていて、世界では洋上風力発電や太陽光パネルと並んで原子力発電も脱炭素の切り札のようになっている現実は直視したほうが良いと思います。 繰り返しになりますが、私も脱炭素の社会にしていくべきだし、原子力発電も長期的影響を考えたら徐々に減らしていくべきという考えには同意します。ただ、いま目の前の電気が足りないという事態で、ガソリン車を全部EVにするんだよとか、再生エネルギーで38%を目指すというような動きが、世界の人たちが無責任に作るルールに翻弄されないようにするべきだ、というのは考えておくべきなんじゃないですかねえ。 そして、今後少なくとも3年間ぐらいは、今回のトンガ火山噴火の影響で穀物生産に悪い影響が起きるだけでなく、日照量の低下で冷夏厳冬が来る可能性も否定できません。否応なく、化石燃料を燃やさないとエネルギーが賄えないよという時代がやってくるとするならば、SDGsとは何だったのかという議論もしておかないといけないんじゃないでしょうか』、「いま目の前の電気が足りないという事態で、ガソリン車を全部EVにするんだよとか、再生エネルギーで38%を目指すというような動きが、世界の人たちが無責任に作るルールに翻弄されないようにするべきだ、というのは考えておくべきなんじゃないですかねえ」、現実的な考え方で、基本的に同意できる。
次に、2月9日付け東洋経済Plus「キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事、洋上風力「赤字入札」の見方に大反論」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29724
・『2021年末に結果が開示された洋上風力発電の大型プロジェクトの公募・入札において、圧倒的な低価格で国内3海域すべてを総取りした三菱商事連合。その衝撃的な価格破壊に対して、一部関係者からは「赤字覚悟の入札では」との声もあがりエネルギー業界に波紋を広げた。(「洋上風力 価格破壊ショック」特集はこちらから) 三菱商事連合はこうした見方を払拭し、1兆円規模の洋上風力プロジェクトを完遂することができるのか。岡藤裕治エネルギーサービス本部長は「欧州並みの発電コストに近づけられる」と強調する(Qは聞き手の質問、Aは岡藤氏の回答)。 Q:まさかの3海域総取りでした。 A:一般海域における洋上風力としては国内初の案件だ。事業者として長期にわたってしっかりと事業を遂行していく責任をひしひしと感じている。 Q:他社よりも圧倒的に安い価格が勝利につながりました。「赤字覚悟の入札では」という声もあります。 A:与えられた条件下で、必要なリターンを乗せ、ボトムアップで精査をした結果だ。数字ありきで事業計画を策定したわけではない。万が一、赤字の事業計画を出せば(入札のルールによって)一発でアウトの判定になることは十分認識していた。 各海域は1案件ごとにしっかりと事業計画を立てて入札に臨んだ。結果として3海域すべて取れたのは望外の喜びだが、(始めから)スケールメリットを前提に個々の案件の事業計画を組んだということはいっさいない。 Q:では、ここまで安い売電価格を提示できたのはなぜでしょうか。 A:これといった必殺技やマジックはない。いちばん大きいのは、欧州で他社に先行して、洋上風力プロジェクトを開発段階からやってきた知見、経験だ。2020年には、10年間欧州でともに洋上風力開発を行ってきたオランダの再エネ企業エネコを買収している。 エネコで10年間経験を積んだ人材が、何がプロジェクトの不確実性やリスクになるのか洗い出し、それを潰す。アドバイザーやメーカーの見方を受け売りしないでコストを精査し、ファイナンスなども含めて数字を積み上げていった。エネコの技術を内製化したことが勝因になった』、「2020年」に「買収」した「エネコの技術を内製化したことが勝因になった」、直ぐに「内製化」するとは大したものだ。
・『欧州並みの発電コストに近づける 欧州ではコスト低減が可能だったが日本ではできないのではないか。こうした意見もあるかもしれないが、欧州には欧州の洋上風力プロジェクトの難しさがある。そして、課題の一つひとつを克服してコストを低減している。日本でそれができないということはない。 (洋上風力の)発電コストを欧州並みにできるかどうかはわからないが、少なくとも欧州並みの水準に近づいていくことはできると思っている。再エネの調達費用が高いままだと日本全体の産業競争力が下がってしまう。再エネのコストダウンを通じて国内産業の脱炭素化と経済成長の一助になれればと思う。 Q:欧州での洋上風力に比べると、日本事業の利益は薄くなるのでは。 A:同じ洋上風力でも欧州と日本では求める利益は変わってくる。これはどこの会社でも同じだと思うが、そのマーケットでのリスクやそこで数十年間事業を行うことに対する見方、さまざまな要因で変わってくる。 日本でのプロジェクトは利益を削っているのかと言われれば、イエスでもノーでもなく、マーケットが変わればおのずと求めるリターンは変わるというのが答えだ。 Q:日本における洋上風力事業の位置づけは。 A洋上風力発電を起点にして地域共生事業をやっていきたいという思いがある。当社がさまざまなビジネスを最も展開しているのは日本であり、三菱商事の総合力を発揮した地域共生事業をやっていくのにいちばん適した場所だ。洋上風力をきっかけに地元自治体や市民との関係ができることで、さまざまな施策が展開できる。 Q:事業者選定に関するルールが記載されている「公募占用指針」を読むと、事業期間延長が可能です。この点も事業計画を策定するうえでポイントだったのでしょうか。 A:私たちはFIT(固定価格買い取り制度に基づく売電)が20年間で、海域の占用期間は30年間だと理解している。ルール上は設備を撤去して原状復帰しなさいというものだ。 ここには但し書きあって社会の公益性にかなうなどの特段の事情があり、国交相が認めた場合のみ占用期間の延長は可能だと理解している。ただ、われわれはあくまでも占用期間30年間という枠組みの中で事業計画を策定している。 Q:コスト低減と洋上風力関連産業の育成は両立できるのでしょうか。 A:洋上風力産業の育成と発電コストの低減は対立関係にはない。むしろ、地域の洋上風力産業を育成することが将来的なコスト低減には不可欠だ。 この3案件を通じて、国内サプライチェーンを育成する初めの一歩としなければならない。保守部品を供給するサプライヤーやメンテナンスを担う人々が近くにいることの意味は大きい。欧州から部品を取り寄せるのではコスト低減は進まない。 Q:今後も積極的に攻めますか。 A:ここで「撃ち方やめ」という予定はないし、宣言するつもりもない。一方、1社で(今後の)案件を総取りしようなんて大それたことはまったく考えていない。そんなリソースもないし、業界全体が健全に成長してほしい。 そうでなければ、政府と産業界が掲げる、40年に30~45ギガワットの洋上風力案件を形成するという目標は達成できない』、「国内サプライチェーンを育成する初めの一歩としなければならない。保守部品を供給するサプライヤーやメンテナンスを担う人々が近くにいることの意味は大きい。欧州から部品を取り寄せるのではコスト低減は進まない」、「40年に30~45ギガワットの洋上風力案件を形成するという目標」達成に向けて「産業界」の一段の努力を期待したい。
第三に、2月10日付け東洋経済Plus「三菱商事は「ダブルK点越え」、敵ながら見事だ JERA幹部が明かす「洋上風力」入札の敗因と決意」を紹介しよう。
https://premium.toyokeizai.net/articles/-/29721
・『脱炭素の切り札である洋上風力発電。三菱商事連合はなぜ国内初の大型案件を「総取り」できたのか。当事者たちの証言からその内幕を明らかにする。 (「JERA幹部」のやじま・さとし氏の略歴はリンク先参照) 「再エネ海域利用法」に基づく洋上風力発電プロジェクトの入札第1弾では、三菱商事連合が秋田県および千葉県の3海域いずれにおいても落札するという、異例の結果となった。(「洋上風力 価格破壊ショック」特集はこちらから) 三菱商事が示した衝撃的な落札価格を、敗退したライバル企業はどのように受け止めているのか。J-POWERおよびノルウェーのエネルギー大手エクイノールと組んで、秋田県の2海域に関する入札に参加していた大手エネルギー企業のJERA(東京電力ホールディングスと中部電力が共同出資)。同社で洋上風力の開発を担当する矢島聡執行役員は、「ベストを尽くしたが、認識が甘かった」と今回の入札を振り返る(Qは聞き手の質問、Aは矢島氏の回答)。 Q:今回の「敗戦」をどう受け止めていますか。 A:われわれなりに考え抜き、相当のリスクを取った形で応札した。ベストは尽くした。しかし、三菱商事連合が提示した条件に及ばなかった。 (電力部門を統括する)三菱商事の中西勝也次期社長(現・常務)および岡藤裕治エネルギーサービス本部長とも一緒に仕事をさせていただいたことがある。お二方とも敵に回したら大変手強い相手だ。三菱商事は慎重で堅実な会社であり、社内稟議もしっかりしている。考え抜いたうえでプロポーザルを出し、勝利したのだろう。 Q:事業者の選定に際しては、価格点(120点満点)と事業実現性に関する得点(120点満点)の2つで構成され、最高点を獲得した事業者が選定されるプロセスです。三菱商事連合は3海域のいずれにおいても価格点で他グループを引き離して満点の120点を獲得しました。 A:各応札事業者に関する評価点を見た時、正直申し上げて愕然とした。私どもが出した数字でも(勝利した場合には関係者に)衝撃を与えるだろうなと思っていたが、認識が甘かった』、普通は入札では協調はしないまでも、3海域いずれにおいても落札するといったことは異例中の異例だ。
・『「違うゲームをやっていた」 結果的に見ると、2位以下のグループとは大きな差が生じた。なぜこれだけの差をつけられてしまったのか、困惑している。われわれも(供給価格に反映される)コスト削減の取り組みではそうとう頑張ったつもりだ。スキーのジャンプ競技で言えば、K点越えは果たした。ところが、三菱商事連合はダブルK点越えというほどのすごさで、観客席の奥まで飛んでいってしまった。 Q:なぜこれだけの価格差がついたのか、謎が深まるばかりです。 A:飛び出したところが違うのか、あるいは違うゲームをやっていたのではないかとすら思った。電力の小売りや環境価値に関して何らかの工夫をしたのかもしれない。今回、応札した三菱商事も住友商事も、キーパーソンは海外の火力発電所の入札で、がちんこ勝負をしてきた人たちだった。それだけに国際入札の猛者たちと戦っているという意識を持って覚悟して臨んだが、負けてしまった。 Q:JERA連合と競合した秋田県能代市、三種町及び男鹿市沖の入札で、三菱商事連合は価格点だけでなく、定性点(事業実現性に関しての得点)でもトップになりました。同県由利本荘市沖の入札でも定性点が2位でした。 A:地元貢献を含め、三菱商事グループを総動員して高い点数を取りに行った結果だろう。あっぱれだ。われわれも地域貢献の取り組み方針については知恵を絞ったうえでプロポーザルに盛り込んだが、結果的に見ると、まだまだやるべきことがあったのかもしれない。 Q:三菱商事連合は3海域とも円滑に運転開始に持っていけると思われますか。 A:しっかりおやりになると思うが、3海域でのプロジェクトを同時に手掛けていくのは大変だと思う。実績が乏しい日本では、洋上風力発電施設の建設に必要なリソースが足りない。 Q:JERAも台湾の洋上風力発電プロジェクトでは苦労していますね。 A:日本に先行して参画している台湾の「フォルモサ2」プロジェクトでは、コロナ禍により工事の遅れや作業船の手配期間の延長が重なり、一時は銀行団の融資も止まるなど事業自体が危うくなった。当社が主導して事業スキームを組み直したが、大変な苦労をした。 一時は3桁億円の後半まで追加コストがかさんでしまうのではないかというほどだったが、財務や施工面でのリストラクチャリングによって今は何とか落ち着いている。洋上風力事業の大変さを経験した。 Q:今後の入札への取り組み姿勢は。 A:戦略の見直しが必要であることは間違いない。ただ、私自身は今後も頑張りたい。ポテンシャルがある地域についてはしっかりと見ていく』、「JERAも台湾の洋上風力発電プロジェクトでは苦労」、「コロナ禍により工事の遅れや作業船の手配期間の延長が重なり、一時は銀行団の融資も止まるなど事業自体が危うくなった。当社が主導して事業スキームを組み直したが、大変な苦労をした」、「プロジェク」のリスクは決して小さくはないようだ。「三菱商事連合」のお手並み拝見である。
タグ:エネルギー 山本 一郎氏による「脱原発にのめり込み過ぎた結果、欧米からハシゴを外される一部始終」 文春オンライン (その9)(脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、脱原発にのめり込み過ぎた結果 欧米からハシゴを外される一部始終、キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事 洋上風力「赤字入札」の見方に大反論) 「大雪警報」には拍子抜けだった。 「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって」、は幸い杞憂に終わりそうだ。 確かに「日本」の「住宅」の「断熱」事情はお粗末だ。 「おそらく今回はそれ以上の地球規模の気候変動ショックを起こす可能性があって、今季の稲作からも影響が出始めるのではないかともいわれています」、先述の通り、幸い杞憂に終わりそうだ。 「新築のタワーマンション」で「サッシと窓からがんがん放熱してひんやりした風が入ってくる」、いまだにこんなお粗末なつくりとは驚かされた。 確かに「テスラ」の「株価」の相対的な堅調ぶりが目立つ。 「長大な海岸線をもつデンマークやノルウェーでさえ風力発電でエネルギー需要の4割しか賄えず」、「再生エネルギー」といっても限界があるようだ。 「LNG」を輸入に頼っている「日本」までもが欧州向けに「LNG」供給で協力させられたのには、驚かされた。 「一連の欧州の手のひら返し」は、確かに露骨まご都合主義だ。 「いま目の前の電力消費がこれだけある中で、化石燃料はだめ、再生エネルギーもすぐには代替できない、じゃあどうするかと言えば、きちんと縛りを作って原子力発電所を事故らないように運用して、核のゴミがどうにかなる技術を何とか開発できるまではしょぼしょぼやっていくほかないのではないかと思っています」、現実的な考え方だ。 「いま目の前の電気が足りないという事態で、ガソリン車を全部EVにするんだよとか、再生エネルギーで38%を目指すというような動きが、世界の人たちが無責任に作るルールに翻弄されないようにするべきだ、というのは考えておくべきなんじゃないですかねえ」、現実的な考え方で、基本的に同意できる。 東洋経済Plus「キーマンが激白「再エネコストは下げられる」 三菱商事、洋上風力「赤字入札」の見方に大反論」 「2020年」に「買収」した「エネコの技術を内製化したことが勝因になった」、直ぐに「内製化」するとは大したものだ。 「国内サプライチェーンを育成する初めの一歩としなければならない。保守部品を供給するサプライヤーやメンテナンスを担う人々が近くにいることの意味は大きい。欧州から部品を取り寄せるのではコスト低減は進まない」、「40年に30~45ギガワットの洋上風力案件を形成するという目標」達成に向けて「産業界」の一段の努力を期待したい。 東洋経済Plus「三菱商事は「ダブルK点越え」、敵ながら見事だ JERA幹部が明かす「洋上風力」入札の敗因と決意」 普通は入札では協調はしないまでも、3海域いずれにおいても落札するといったことは異例中の異例だ。 「JERAも台湾の洋上風力発電プロジェクトでは苦労」、「コロナ禍により工事の遅れや作業船の手配期間の延長が重なり、一時は銀行団の融資も止まるなど事業自体が危うくなった。当社が主導して事業スキームを組み直したが、大変な苦労をした」、「プロジェク」のリスクは決して小さくはないようだ。「三菱商事連合」のお手並み拝見である。
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