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事業再生(その2)(まだそんなことを言っているのか!間違いだらけの「エルピーダ破綻の原因」 あれから10年 まったく生かされていない“教訓”、旧日産系の自動車部品大手マレリが経営破綻…「みずほの抱える爆弾」がはじけた、【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請 金融債務は1000億円規模か) [企業経営]

事業再生については、2019年3月21日に取上げたまあだった。今日は、(その2)(まだそんなことを言っているのか!間違いだらけの「エルピーダ破綻の原因」 あれから10年 まったく生かされていない“教訓”、旧日産系の自動車部品大手マレリが経営破綻…「みずほの抱える爆弾」がはじけた、【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請 金融債務は1000億円規模か)である。

ずは、本年3月6J日付けJBPressが掲載した技術経営コンサルタント・微細加工研究所所長の湯之上 隆氏による「まだそんなことを言っているのか!間違いだらけの「エルピーダ破綻の原因」 あれから10年、まったく生かされていない“教訓”」を紹介しよう。この記事は無料の会員登録が必要。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69115
・『『エルピーダの教訓 破綻から10年(上)(下)』──2022年2月25~26日、日経新聞に2回にわたって上記タイトルの記事が掲載された。また、日経電子版では、『坂本エルピーダ元社長「日本の半導体、なお再編余地」』と題するエルピーダ元社長・坂本幸雄氏へのインタビュー記事も掲載された(以下、これらをまとめて「特集記事」と呼ぶ)。 エルピーダとは、1999年12月に、NECと日立製作所からそれぞれDRAM部門を切り出して合弁することによって設立されたDRAM専業メーカーである。当初は「NEC日立メモリ」という会社名だったが、2000年9月28日に「エルピーダメモリ」に社名を変更した。そして、約10年前の2012年2月27日に経営破綻し、2013年7月31日に米Micron Technology(マイクロン・テクノロジー)に買収された。 エルピーダが経営破綻してちょうど10年が経過し、現在国内外で「半導体」が注目されていることもあって、日経新聞が2日にわたる特集記事を企画したのだろう。 しかし筆者はこれらの特集記事を読んで、うんざりしてしまった。元社長の坂本氏をはじめ、特集記事に登場する人たちに対して、「まだそんなことを言っているのか」「まだ自分の失敗を認めないのか」「“教訓”という記事なのに何も“教訓”になっていないじゃないか」と思ったからだ。 本稿では、筆者がなぜこのように思ったかを論じる。まず、日経新聞の特集記事において、筆者が「まだそんなことを言っているのか」もしくは「今頃何を言っているんだ」と感じた箇所を示す。次に、なぜ筆者がそう思うかということを論じる。その中で、特集記事に出てくる人々は、10年経っても何も分かっていない実態を明らかにしたい。 最後に、坂本氏をはじめとして特集記事に出てくる全ての方々には、エルピーダの倒産を経てMicron Memory Japan(マイクロンメモリジャパン)の社長になった木下嘉隆氏が2019年6月の記者会見で「Micronになって本当によかった」と述べた事実を突きつけたい(「『Micronになってよかった』という言葉の重さ」EE Times Japan、2019年7月8日)。 特集記事に名前が出てくる全ての人たちは、この言葉の意味を深く噛み締めていただきたい』、興味深そうだ。
・『まだそんなことを言っているのか  2回にわたる日経新聞の特集記事で、「まだそんなことを言っているのか」もしくは「今頃何をやっているんだ」とうんざりした個所を以下に示す。 (1)《「生き残っていれば、世界と戦えるメモリーメーカーが日本に生まれていただろう」。エルピーダを破綻させた社長の坂本幸雄は嘆息する》 (2)《──エルピーダが勝ち残っていくために、何が必要だったでしょうか。 「資金力だ。実際、リーマン危機後のタイミングでは台湾の半導体メーカー数社とエルピーダによる再編交渉にも取り組んだ。台湾当局も強く後押ししていたが、関係者も多く実現にまでたどりつけなかった」》(筆者注:坂本氏へのインタビュー) (3)《エルピーダの破綻劇は、官民が巨額投資を伴う長期戦に耐えられなくなった構図だ。開発競争が激しく、製造に必要な投資が兆円単位に膨らむ一方、市況の変動は大きい。投資を担える企業の規模と政策支援がなければ、競争から退場を迫られる。》 (4)《「DRAMの技術や最終製品の動向を、当局や金融機関が十分に捉えられていなかった」。長年半導体産業をみてきた東京理科大大学院教授の若林秀樹は指摘する。坂本もスマホ向けの可能性を力説したが、関係者を説得しきれなかった。》 (5)《「日米貿易摩擦の記憶が残る日本は産業政策で後手に回り、金融支援との連携も欠いていた」。若林はこう指摘する。》 (6)《経済産業省は韓台中が国家的な企業育成に取り組んできたのに対し、日本企業の投資が縮小していったことを敗因の一つにあげる。「世界の半導体産業の潮流を見極めることができず、適切で十分な政策を講じてこなかった」。2021年末の国会で経済産業相の萩生田光一はこう総括している。》 (7)《TSMCの誘致を奇貨として日本での産業基盤を強くするためには何が必要か。経済産業省情報産業課長の西川和見は「設備にしても開発にしても『カネ』と『ヒト』だ。企業も政府も判断すれば資金は出せる。ただ、支える人材を育てる、集めることなしには動き出さない」と語る。》 (8)《九州では人材育成の準備を急ぐ。半導体のエンジニア需要に備え、九州の8つの高等専門学校について半導体のカリキュラムの策定を始めた。熊本大学では4月、大学院先端科学研究部に「半導体教育・研究センター」を開設し、学内外の人材で研究開発を加速する計画だ。》 「うんざり」した箇所は以上である(本当はもっとあるがこの程度にしておく)。(1)と(2)はエルピーダ元社長の坂本氏の発言、(3)は日経新聞社の記者の記載、(4)と(5)は東京理科大大学院教授の若林秀樹氏の指摘、(6)は経済産業相の萩生田光一氏の総括、(7)は経済産業省情報産業課長の西川和見氏の発言で、(8)はTSMCの熊本誘致を受け、九州が人材育成に急いでいる様子を表している。 (1)~(5)がエルピーダに関する発言や記載であり、(6)~(8)が日本半導体産業全体およびTSMC熊本誘致に関する発言や記載である。) ここに登場する人々は、エルピーダの経営破綻について何も分かっていない。そして、その教訓は現在に何も活かされていない。本当にうんざりする思いだ。 以下では、筆者とエルピーダの関係を示すとともに、このように考える根拠を明らかにする』、さすが専門的で深い分析が期待できそうだ。
・『筆者とエルピーダの関係  日立に在籍していてDRAMの技術開発を行っていた筆者は、1999年12月のエルピーダ設立直後、出向を志願した。そして、2000年2月から2001年3月までエルピーダのプロセス開発部に所属して、256メガDRAMの技術開発を行った。 当初は、ドライエッチング・グループのリーダー(課長職)だったが、2000年9月にリーダー降格となり、仕事も部下も取上げられて窓際族に追いやられてしまった。エルピーダの社長の方針に楯突く筆者が目障りで、NEC出身の部長に罠を仕掛けられ、排除されてしまった。その結果、エルピーダにはいられなくなり、2001年4月から、つくばにできた半導体のコンソーシアム「セリート」に出向することになった(この辺りの詳細事情は2012年4月19日~6月7日に配信したメールマガジンVol.01~11で記した)。 2000年のITバブルが2001年に崩壊した。その結果、日本の電機メーカーは軒並み大赤字を計上し、大規模なリストラを行った。日立では、「40歳で課長職以上は全員責任を取って辞めてもらいたい」という早期退職勧告がなされた。そしてたたまた40歳&課長職で、エルピーダやセリートに出向していた筆者は、早期退職のターゲットにされたため、2002年10月に日立を退職した(ただし、転職先を探すのに手間取ってしまったため、辞表を出したときは早期退職制度が終わっており、早期退職制度は使えなかった)』、「「リーダー(課長職)だったが、2000年9月にリーダー降格となり、仕事も部下も取上げられて窓際族に追いやられてしまった。エルピーダの社長の方針に楯突く筆者が目障りで、NEC出身の部長に罠を仕掛けられ、排除されてしまった」、なるほど。転職先を探すのに手間取」り、「辞表を出したときは早期退職制度が終わっており、早期退職制度は使えなかった」、不運という他ない。
・『同志社大学の教員としてエルピーダを調査  その後、紆余曲折を経て2003年10月に、同志社大学に新設された経営学の研究センターの教員になった。当時は「専任フェロー」と呼んでいたが、今なら「特任教授」のようなものだと思う。 そして新任の経営学の教員として、最初の研究対象に選んだのがエルピーダだった。エルピーダの設立当初(2000年)のDRAMシェアは、NECと日立の合計で17%あったが、2001年に8%、2002年に4%に落ち、倒産寸前に追い込まれていた。ところが、2002年に坂本氏が社長に就任すると、シェアが向上し始めた(図1)。そこで、社長交代前後で何が起こったのかを突き止めたいと考えたからだ。 (図1 エルピーダの売上高シェアの推移 はリンク先参照) 【本記事は多数の図版を掲載しています。配信先のサイトでご覧になっていて図版が表示されていない場合は、JBpressのサイト(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69115)でご覧ください。】 筆者は、坂本社長(当時)の許可を得た後、2004年1月21日および5月11日の2回、エルピーダの社員の聞き取り調査を行った。特に2回目の調査では、NEC出身者と日立出身者の中に少数混じっていた三菱電機出身者に集中して聞き取りを行ったところ、エルピーダの致命的な欠陥が明らかになった。 さらに、同年9月22日に、エルピーダからサムスン電子に転職したX氏へのインタビューを行った。X氏は、設計部門の実力者だったが、坂本氏と対立したためエルピーダを去ることになり、その後、サムスン電子の常務に就任していた人物である。このX氏への聞き取り調査で、エルピーダのDRAM技術の致命傷が決定的であることが分かった。 以下では、この2つの調査結果について説明する』、「エルピーダのDRAM技術の致命傷」とは、どんなことなのだろう。
・『「エルピーダのDRAMは世界一高価」と三菱電機出身者  2004年1月21日の1回目の調査では、NEC出身者6人、日立出身者6人、合計12人について、1人1時間のインタビューを行った。その中で、NEC出身者と日立出身者の中に少数混じっている三菱電機出身の社員が非常に効果的な働きをしていることがうかがえた。 そこで、5月11日の2回目の調査では、三菱電機出身者6人について、1人1時間のインタビューを行った。その頃、エルピーダは台湾のファンドリーを利用して、DRAMの生産量を増大しようとしていた。したがって、三菱電機出身者は、エルピーダの技術、ファンドリーの技術、そして三菱電機の技術、これら3種類の技術を比較できることになる。その比較を行ってもらったところ次のような結果となった(図2)。 (図2 三菱電機からエルピーダに出向した社員へのインタビュー はリンク先参照) 要素技術については、エルピーダが最も優れている。特に微細加工技術については、エルピーダの技術は圧倒的に優れている。また、要素技術を統合してプロセスフローを構築するインテグレーション技術についても、高性能・高品質なDRAMを作る技術はエルピーダが優れている。 一方、効率良く、低コストでDRAMを作る技術は三菱電機の方が優れている。エルピーダはマスク枚数も工程数も多く、“こてこて”である。そして、量産技術については、ファンドリーが最も優れている。次が三菱電機であり、エルピーダは最悪である。スループットが悪いため、装置台数もやたらに多く、三菱電機の倍くらいあるのではないかという。さらに、テスト工程が多過ぎる。エルピーダは三菱電機の10倍くらいテストを行っているという。PC用のDRAMであることを考えると、このテスト工程の多さは気が狂っているという回答があった。 三菱電機出身者の回答をまとめると、「エルピーダのDRAMは世界一高性能かつ世界一信頼性が高いかもしれないが、世界一高価である」ということになった。つまり、一言でいうと、PC用のDRAMとしては、「過剰技術で過剰品質をつくっている」ことが明らかになった。 筆者は、この調査結果に危機感を覚えた。PC用のDRAMを低コストで大量生産しなければならないのに、エルピーダの技術は、一昔前のメインフレーム用DRAMをつくる技術そのままなのである。これでは、原価が嵩み利益は出ない。 この調査結果を、坂本社長をはじめとするエルピーダの幹部に直接報告した。ところが、坂本社長はこの結果に興味を示さなかった。それどころか、広報担当の常務に「あいつは何者だ? エルピーダの欠点ばかり指摘するではないか」と睨まれ、研究中止を言い渡され、エルピーダへの出入りを禁止されることになってしまった』、「PC用のDRAMとしては、「過剰技術で過剰品質をつくっている」ことが明らかに」、「PC用のDRAMを低コストで大量生産しなければならないのに、エルピーダの技術は、一昔前のメインフレーム用DRAMをつくる技術そのままなのである。これでは、原価が嵩み利益は出ない。 この調査結果を、坂本社長をはじめとするエルピーダの幹部に直接報告した。ところが、坂本社長はこの結果に興味を示さなかった。それどころか、広報担当の常務に「あいつは何者だ? エルピーダの欠点ばかり指摘するではないか」と睨まれ、研究中止を言い渡され、エルピーダへの出入りを禁止」、「坂本社長」の心の狭さには驚いた。
・『エルピーダからサムスン電子へ転職したX氏へのインタビュー  筆者は、このインタビューを2004年9月22日に行った。その当時、DRAMの集積度は512メガビットであり、エルピーダの歩留りが98%、サムスン電子の歩留りが83%と報じられていた。そこで、この点について、エルピーダとサムスン電子の両方の技術を比較できるX氏に聞き取り調査を行った。その結果は次の通りである(図3)。(図3 エルピーダからサムスンへ転職したX氏へのインタビュー はリンク先参照) 世間のアナリストや学者たちは、歩留りの数字だけを見て、サムスン電子よりエルピーダの方が技術力が高いと評価していた。しかしX氏は、「そのような評価は全く意味がない」と述べた。そして、その理由を次のように説明した』、「世間のアナリストや学者たちは、歩留りの数字だけを見て、サムスン電子よりエルピーダの方が技術力が高いと評価」、「しかしX氏は、「そのような評価は全く意味がない」と述べた」、なぜなのだろう。
・『第1に、サムスン電子のチップ面積はエルピーダの半分近い  実際に60%だった)。したがって、300mmウェーハから取得できるチップ数は、歩留り83%のサムスン電子の方が、98%のエルピーダよりもずっと多い。 第2に、歩留りを60%から80%に上げるのは比較的容易だが、80%から98%に上げるためにはそれとは質の異なる多大な努力が必要となる。つまり、人、カネ、時間など膨大なコストがかかる。サムスン電子は歩留り80%以上ならビジネスが成り立つので、それ以上の歩留りを追求する必要がない。つまり、歩留り向上のために無駄にコストをかける必要がない。 第3に、サムスン電子は、現在量産しているDRAMのシュリンク版について、4世代同時開発を行っており、現在量産している製品よりさらにチップサイズの小さなDRAMが、すぐ後に控えている。したがって、現在の量産品の歩留りを血道を上げて向上させる代わりに、チップサイズのより小さな製品の量産立ち上げを行うことに注力する。 以上のヒアリングから、闇雲に歩留り向上を追求するのは決して良いことではないということがわかった。極論すれば、たとえ歩留り1%であっても、それで利益が出てビジネスが成立するのならば、それ以上の歩留り向上にコストをかける必要はないということである。もちろん、大した努力をせずして100%近い高歩留りが出るのであれば、それに越したことはない。 しかし、通常、歩留り向上にはコストがかかる。特に、高歩留りを目指すほど、そのコストは指数関数的に増大する。したがって、自社がどの程度の利益(率)を目標にしていて、その利益(率)を実現するにはどの程度の歩留りが必要なのかを明確に把握しておくことが必要である。何事にも費用対効果を考えることが重要なのだ。 一言でいうと、エルピーダは「100%の歩留り」を目標としていた。しかしそれは、手段と目的をはき違えていたと言わざるを得ない。 本来は、サムスン電子のように、利益を上げるための歩留り向上であるべきなのだ。エルピーダは、そこが理解できていなかった』、「エルピーダは「100%の歩留り」を目標としていた。しかしそれは、手段と目的をはき違えていたと言わざるを得ない。 本来は、サムスン電子のように、利益を上げるための歩留り向上であるべきなのだ」、「手段と目的をはき違え」るとはお粗末だ。
・『致命的な欠陥を抱えたエルピーダの末路  エルピーダのマスク枚数や工程数は“こてこて”に多く、検査工程は“気が狂っている”のではないかと思われるほど異常に多い。その結果、過剰技術で過剰品質のDRAMを生産していた。その際、利益を上げるための歩留り向上ではなく、歩留り向上そのものが目的になってしまっていた。そのようにDRAMを生産しても利益が出るはずがない。 実際に、エルピーダが設立されてから経営破綻するまでの営業利益の推移をグラフにしてみると、満足に利益が出たと言えるのは、2006年しかない(図4)。通算成績では完全に赤字である。 (図4 エルピーダの営業利益の推移 はリンク先参照) そして、2007~2008年にDRAM業界に危機が訪れた。1ギガビットDRAMのスポット価格が1ドルに下落したのである。この背景には、5万円のPC「ネットブック」の流行などがあった。エルピーダ出入り禁止になってしまった筆者ではあるが、一緒にDRAM技術の開発をした仲間たちが心配でならなかった。 そこで、その当時連載記事を書いていいた「電子ジャーナル」に、『“DRAM1ドル時代”が到来、ビジネス方式の転換が必要に』(Electronic Journal、2008年12月号)を執筆し、電子ジャーナルの記者にその記事を持たせて、坂本社長に取材に行かせた。筆者は坂本社長に「このままではエルピーダは危ない」と警告したかったのである。 ところが坂本社長は、「DRAM1ドル時代? あり得ない」と回答したという。坂本社長は、DRAM価格の下落は一時的な現象と思ったのだろう。ところが、その後もDRAM価格は下がり続けた。2011年には1ドルどころか0.5ドルまで下がってしまった。 加えて、2008年にはリーマン・ショックが起き、エルピーダは1474億円の営業赤字を計上した。そして、自力再生が不能となり、2009年に産業再生法第1号に認定されて、国費300億円が注入された。2009年と2010年はかろうじて営業黒字を確保したものの、2011年3月11日に東日本大震災が起き、タイの洪水の影響も受け、再び923億円の営業赤字に転落し、翌2012年2月27日にあっけなく経営破綻してしまった』、私は「坂本社長」をテレビ番組で観て、ユニークな人物と評価していた。しかし、筆者が「『“DRAM1ドル時代”が到来、ビジネス方式の転換が必要に』・・・を執筆し、電子ジャーナルの記者にその記事を持たせて、坂本社長に取材に行かせた。筆者は坂本社長に「このままではエルピーダは危ない」と警告したかった」、「ところが坂本社長は、「DRAM1ドル時代? あり得ない」と回答」、筆者の警告をはねつけるとは、「坂本社長」の評価は180度逆転した。
・『気づいた時はすでに遅し  経営破綻する前年の2011年7月11日の日経新聞電子版に、次のような記事が掲載された。 《エルピーダは5月に世界で初めて25ナノメートルを開発し、微細化技術の開発競争で世界の先頭に立った。同時にDRAMの回路設計を見直し、少ない工程数で生産する手法を確立した。 これにより現行世代から最先端品に量産をシフトするのにかかる設備投資を従来の3分の1~約4分の1に抑制。韓国や台湾、米国のライバル企業よりも低コストで最先端品を生産できる体制を整えた。》 エルピーダは、過剰技術で過剰品質をつくっている病気にやっと気づき、それを見直したということである。筆者が2004年に三菱電機出身者への聞き取り調査を行い、その異常な高コスト体質を坂本社長に指摘してから7年が経過していた。 DRAM価格が1ドルから0.5ドルまで値下がりし、リーマン・ショックが起き、歴史的な円高となり、東日本大震災とタイの洪水の被害を受けて、やっと「このままではまずい」と気づいたわけであるが、この新聞報道の5か月後にエルピーダは経営破綻した。 気づくのが、あまりにも遅かったということである』、筆者が「その異常な高コスト体質を坂本社長に指摘してから7年が経過していた」、致命的な遅れである。
・『日経新聞の特集記事の「間違い」  坂本氏は、(1)「生き残っていれば、世界と戦えた」とか、(2)問題は「資金力だ」と発言したが、全く事実は異なる。調査結果で論じたように、異常なまでの高コスト体質のエルピーダが倒産したのは必然である。「坂本社長のエルピーダ」は淘汰されたのである。資金力の問題ではない。収益率の低さが問題であり、収益を出せない技術にこそ問題があり、そこに経営のメスを入れることができなかったことが致命傷になったのだ。 日経新聞の(3)「エルピーダの破綻劇は、官民が巨額投資を伴う長期戦に耐えられなくなった構図」というのも間違っている。繰り返すが、過剰技術で過剰品質をつくり、歩留り100%を目的にする、そのエルピーダの企業体質が問題だったのだ。 東京理科大大学院教授の若林氏の(4)「DRAMの技術や最終製品の動向を、当局や金融機関が十分に捉えられていなかった」や(5)「日米貿易摩擦の記憶が残る日本」などは、全く的外れな指摘だ。もっとエルピーダの技術の実態を見て発言してもらいたい。 萩生田経産相の(6)「世界の半導体産業の潮流を見極めることができず、適切で十分な政策を講じてこなかった」という発言もどうかしている。昨年(2021年)6月1日の衆議院の意見陳述でも述べたことであるが、経産省は呆れるほど「合弁、国プロ、コンソーシアムをやり続けた」のである(図5)。そして、全部失敗した。「経産省が出てきた時点でアウト」なのである。その反省をなぜしないのか? (図5 合弁、国プロ、コンソーシアム、全部失敗した はリンク先参照) (7)TSMCの誘致を奇貨として日本での産業基盤を強くするためには「「設備にしても開発にしても『カネ』と『ヒト』だ」という経産省の西川課長、『ヒト』を育成してからTSMCを誘致すべきではないのか? 順序があべこべだろう。そして、(8)「九州では人材育成の準備を急ぐ」というのは、あまりにも泥縄すぎるだろう。 筆者が日経新聞の特集記事を読んで、うんざりした理由が分かっていただけただろうか?』、「東京理科大大学院教授の若林氏」は証券アナリスト出身で業界構造については、十分知っている筈なのに、お粗末だ。
・『「マイクロンになってよかった」という社員たち  坂本氏、日経新聞の記者、東京理科大大学院教授の若林氏、萩生田経産相、経産省の西川課長には、EE Times Japanの記事「『Micronになってよかった』という言葉の重さ」(2019年7月8日)を、目を見開いて読んでいただきたい。そして、「Micronになってよかった」という言葉の意味をよく考えていただきたい。 筆者も、2019年に広島で国際学会があった時、旧エルピーダで現マイクロンジャパンの社員たちから、「マイクロンに買収されて本当のDRAMビジネスが理解できた」「エルピーダが倒産したのは不運だったのではなく、当然の帰結だ」「外資企業となった現在は完全な実力主義であり、実績を上げれば昇進・昇格・昇給できる」「仕事は大変だが充実しており、エルピーダ時代がいかに甘かったかが実感される」ということを聞いた(「中国は先端DRAMを製造できるか? 生殺与奪権を握る米国政府」EE Times Japan)。 このような実態を理解せずに、日本半導体産業への政策などは、一切行わないでいただきたい。それは税金の無駄遣いであり、何度も失敗の歴史を積み重ねることになるからだ。本当に、もう、うんざりなんです』、「実態を理解せずに、日本半導体産業への政策などは、一切行わないでいただきたい。それは税金の無駄遣いであり、何度も失敗の歴史を積み重ねることになるからだ」、同感である。

次に、 3月10日付け日刊ゲンダイが掲載した経済ジャーナリストの重道武司氏による「旧日産系の自動車部品大手マレリが経営破綻…「みずほの抱える爆弾」がはじけた」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/302316
・『「みずほの抱える3爆弾」などと呼ばれてきた大口融資先の一つが、ついにはじけた。大手自動車部品メーカーのマレリホールディングス(旧カルソニックカンセイ、他の2つはソフトバンクグループと昭和電工)で、今月1日、弁護士や公認会計士らでつくる事業再生実務家協会に、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を申請、経営破綻した。 マレリの有利子負債残高は約1.17兆円。取引金融機関は主力行のみずほ銀行を筆頭に、大手各行や政府系金融機関、複数の地銀に国内保険会社など26社にのぼるとされ、一部には中国をはじめとした外資系金融機関も含まれているという。マレリによる再建計画案の具体的内容は明らかになっていないが、同社では今後の債権者会議などでこれら金融機関に対し多額の債権放棄や債務の株式化(DES)などを要請する見込みだ。 旧カルソニックカンセイは自動車内装品や空調システムなどを手掛ける、日産自動車系列では最大級の部品メーカーだったが、投資ファンドの米KKRが2017年に買収。19年に同じくKKRに買収された伊マニエッティ・マレリと経営統合し、「マレリ」の名で事業再編や構造改革に取り組んできた。 しかし、仏ルノーや三菱自動車を含め、いまなお取引全体の6割を占めるとされる日産グループの業績悪化で売り上げが低迷。連続赤字や資金繰り難に陥っていたところにコロナ禍や半導体不足が直撃し、「とどめを刺された」(関係者)格好だ。 事業再生ADRは対象会社の金融債務負担を軽減して経営再建につなげる仕組み。原則として全債権者(取引金融機関)の合意が必要となるが、「少なくとも50%以上、場合によっては90%近い債権カットを余儀なくされる事案もある」(法曹関係者)という。 みずほ銀のマレリ向け融資額は約3600億円。1800億~3200億円の損失を負うリスクがあるわけだ。みずほはすでに21年10~12月期決算で約2600億円分を「貸倒引当金として損失処理している」(金融筋)とはいえ、外資系の中にはみずほに保有債権の買い取りを求める動きも。最終的な損失がどこまで膨らむかは不透明だ』、金融機関のなかには、「中国をはじめとした外資系金融機関も含まれている」のであれば、「全債権者・・・の合意が必要」はハードルが高い。「「みずほ」は「外資系」から「保有債権の買い取りを求め」られる可能性もありそうだ。

第三に、3月23日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した東京経済東京支社長の井出豪彦氏による「【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請、金融債務は1000億円規模か」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/299769
・『自動車部品大手のマレリが私的整理の一種である「事業再生ADR手続き」を申請したのは3月1日だったが、実はその前日の2月28日、都内に本社を置く調剤薬局大手も事業再生ADR手続きを申し立てていたことが分かった。3月24日に第1回の債権者会議が行われる予定だ』、日ゼニが入る「調剤薬局大手」までもが「「事業再生ADR手続き」を申請」、には驚かされた。
・『金融債務は1000億円規模 対象債権者数はマレリ以上 さくら薬局(事業再生ADRとは経済産業相の認定を受けた公正・中立な第三者が関与することにより、過大な債務を負った事業者が法的整理(いわゆる「倒産」)によらずに債権者の協力を得ながら事業再生を図る制度で、対象となる債権者は金融債権者に限定される。ADRとは「Alternative Dispute Resolution」(裁判に代替する紛争解決手段)の略で、法的整理では裁判所に相当する「特定認証紛争解決事業者」は、いまのところ一般社団法人の事業再生実務者協会(代表理事:瀬戸英雄弁護士)しか存在しない。 今回、ADRを申請したことが分かったのは、クラフト(東京都千代田区)とそのグループ会社8社だ。 社名になじみは薄いが、「さくら薬局」というピンクの看板の調剤薬局を全国で1000店舗以上チェーン展開し、2021年3月期の売上高は1239億円に達する。グループの金融債務は1000億円規模とみられ、対象債権者はメインバンクの三井住友銀行を筆頭に80社前後もある。マレリの金融債務が1兆円を超えることを考えると負債額は小粒だが、対象債権者数はマレリの26社よりずっと多い』、全国展開するので、地域金融機関からの借入も多い筈だ。
・『コロナ禍の影響で売上高が大幅減  なぜ経営が悪化したのか。事情通によれば、きっかけは新型コロナウイルスの感染拡大だという。 調剤薬局は比較的規模の大きな医療機関の門前に店舗を開設し、その病院で処方箋を受け取った患者を待ち構えるという業態がほとんど。ところが、コロナ禍でコロナ患者以外の「不要不急」な通院は大きく減少してしまった。病院に行けば感染リスクが高いのだから足が遠のくのは当然である。その結果、クラフトの20年3月期の売上高は1937億円あったが、前述の通り21年3月期は1239億円と36%も落ち込んでしまった。 ちなみに、事業再生ADR手続きは原則非公表とされ、債務者自身と対象債権者以外のステークホルダーは知るすべがない。しかし、債務者が上場企業であれば投資判断に極めて重要な情報のため原則を曲げて適時開示される。また、マレリのような非上場企業の場合でも世の中の関心が高いことから広く報道され、公知の事実となっている。 クラフトについても同じく非上場ながら、全国に1000店舗展開する大手企業であり、国民の健康づくりを担う調剤薬局の経営がコロナ禍でいかなる危機に直面しているかを報じることは、高い公益性があると考える。 クラフトの創業は1982年。1号店の所在地は板橋区大谷口上町で、昨秋、建て替え工事を巡る背任事件で日本大学の理事らが逮捕される舞台となった「日本大学付属板橋病院」の向かいにいまもある』、「1号店の所在地」は「「日本大学付属板橋病院」の向かい」とは、偶然の一致だとしても、不思議な因縁を感じる。
・『非公開後の店舗拡大で有利子負債が急増  創業者の梶弘幸氏と、創業メンバーで91年から社長を務める森要氏はともに日大出身だ。以後出店を重ね、95年に株式の店頭登録(現ジャスダック上場)を果たした。 99年にはイオン、ツルハと資本・業務提携を結び、その後も順調に成長を続け、08年3月期には年商700億円をあげたが、期中の07年12月に森社長によるMBO(経営陣による買収)で非公開化すると表明し、08年4月にジャスダックの上場を廃止した。当時の店舗数はおよそ270だった。非公開化を選択した理由は次の通りだ。) 「調剤薬局業界は規制業種であり、国の方針として医療費削減が不可避の状況下で、上場企業の使命である増収増益を図ることは非常に困難な状況となっています。また既存薬局をめぐるM&A取引による争奪戦は熾烈を極め、規模の利益を追求した拡大戦略が厳しい価格競争を引き起こして業界各社の足元の収益を圧迫することは確実視されつつあり、拡大戦略が将来の収益向上に確実につながるのか不透明な状況となっています」(リリースより引用)と経営環境の厳しさを示した上で、「07年度前半における株式市場の上昇局面においても、同業の調剤薬局上場各社の株価は総じて下げ基調にありました」(同)と、短期的な株主の期待に応えることが難しくなっているとした。 確かに大きな総合病院の前には何軒もの調剤薬局が並んでいるのをよく見かける。すでに店舗は飽和状態で、業界では既存店をカネに物を言わせて買収する「陣取り合戦」が繰り広げられているというわけだ。 その上で上場のメリットであるエクイティ・ファイナンスの活用は当分必要性がなく、むしろ資本市場における透明性および公平性の確保のために上場企業に対して要求される規制順守に実質的に要するコストが年々増加する傾向にあるとして、クラフト自身にとっても、株主の立場からしても上場を維持することのデメリットがメリットを上回っていると結論付けた。 「経営陣自身にリスクを集中して、その自己責任において迅速かつ果敢に意思決定ができる経営体制を構築することこそが、中長期的な観点から当社の企業価値の最大化のために必要な施策である」(同)というわけだ。 上場を廃止した上でクラフトは株主の目線を気にすることなく結局のところM&Aによる店舗数拡大にまい進する。20年にはグループ1000店舗を達成した。上場廃止からの12年間で約730店舗増やしたことになり、単純計算で1年に約60店舗ずつ拡大してきたことになる。その結果、有利子負債は08年3月期末に87億円しかなかったが、直近で1000億円規模に膨らんでしまったのだ』、「MBO」後の「12年間で約730店舗増やした」、「有利子負債は08年3月期末に87億円しかなかったが、直近で1000億円規模に」、こんあ不健全なやり方に、メインバンクは文句をつけなかったのだろうか。
・『クラフトの経営を悪化させた2つの誤算  マレリの資金繰りが悪化したのも元をたどればイタリアのマニエッティ・マレリを7200億円で買収したことが裏目に出たわけだが、クラフトの場合も積極的なM&Aによる負債拡大が響いた。前出事情通によれば「クラフトは買収した企業の調剤報酬債権を金融機関に担保提供して次の買収資金を借りるという自転車操業がコロナ禍で行き詰まった」という。調剤報酬が予定通り稼げれば返済に困ることはなかったわけだ。 もうひとつ誤算だったのが、コンプライアンス体制にもほころびが生じて行政処分を受けたことだ。) 20年3月に「さくら薬局会津若松店」(福島県)が厚生労働省東北厚生局から保険薬局指定の取消処分を受けた。クラフトが運営するほかの薬局で行った調剤を会津若松店で行ったものとして不正に請求していた。国の定める「調剤基本料1」の基準(特定の保険医療機関に係る処方箋の割合が9割以下)をクリアするためだったという。 会津若松店は例によって地元の大病院である「竹田綜合病院」の目の前にあり、依存度が極めて高かった。不正はこの地域のエリアマネージャーの指示があったとみられる。株式非公開化によりプライベートな存在となっても最低限守るべきルールはある。この一件でコンプライアンス体制の立て直しが求められることになった。 クラフトグループの経営再建の行方について関係者は「コロナ禍がおさまればキャッシュフローは十分に出るだろう。債務再編により足元の返済負担を緩和すればやっていけるのではないか」と分析する。債務カットは不要というわけだ。ADR手続きの成立には80社前後の対象債権者すべての同意が必要だが、債権放棄が不要であれば反対は出にくいとみられる。いまのところ最終的な事業再生計画案の決議は10月を予定している。 しかし、今回のADRに至る経緯について振り返ると、筆者は08年の上場廃止の判断が果たして正しかったのかと疑問を禁じ得ない。生き残るためには資金力を生かしたM&Aで限られたパイの奪い合いを勝ち抜くしかないとすれば、上場を廃止してエクイティー・ファイナンスの道を自ら閉ざし、借り入れに依存したM&Aを続けるのはそもそも無理があったのではないだろうか。 前出関係者は「経営責任を明確化するためオーナー社長である森氏には退任してもらい、スポンサーの選定を通じて新しい経営体制で生まれ変わることを期待したい」とも話した。 なお、ダイヤモンド・オンラインはクラフトに対し、事業再生ADRを申請した事実や理由について質問したが、クラフトからは「弊社からの回答は差し控えさせて頂く」との回答があった』、「債権放棄が不要であれば反対は出にくいとみられる」、しかし、「上場を廃止してエクイティー・ファイナンスの道を自ら閉ざし、借り入れに依存したM&Aを続けるのはそもそも無理があった」、「経営責任の明確化」は避けて通れないだろう。 
タグ:「エルピーダは「100%の歩留り」を目標としていた。しかしそれは、手段と目的をはき違えていたと言わざるを得ない。 本来は、サムスン電子のように、利益を上げるための歩留り向上であるべきなのだ」、「手段と目的をはき違え」るとはお粗末だ。 「世間のアナリストや学者たちは、歩留りの数字だけを見て、サムスン電子よりエルピーダの方が技術力が高いと評価」、「しかしX氏は、「そのような評価は全く意味がない」と述べた」、なぜなのだろう。 「PC用のDRAMとしては、「過剰技術で過剰品質をつくっている」ことが明らかに」、「PC用のDRAMを低コストで大量生産しなければならないのに、エルピーダの技術は、一昔前のメインフレーム用DRAMをつくる技術そのままなのである。これでは、原価が嵩み利益は出ない。 この調査結果を、坂本社長をはじめとするエルピーダの幹部に直接報告した。ところが、坂本社長はこの結果に興味を示さなかった。それどころか、広報担当の常務に「あいつは何者だ? エルピーダの欠点ばかり指摘するではないか」と睨まれ、研究中止を言い渡され、エ 「エルピーダのDRAM技術の致命傷」とは、どんなことなのだろう。 「「リーダー(課長職)だったが、2000年9月にリーダー降格となり、仕事も部下も取上げられて窓際族に追いやられてしまった。エルピーダの社長の方針に楯突く筆者が目障りで、NEC出身の部長に罠を仕掛けられ、排除されてしまった」、なるほど。転職先を探すのに手間取」り、「辞表を出したときは早期退職制度が終わっており、早期退職制度は使えなかった」、不運という他ない。 さすが専門的で深い分析が期待できそうだ。 湯之上 隆氏による「まだそんなことを言っているのか!間違いだらけの「エルピーダ破綻の原因」 あれから10年、まったく生かされていない“教訓”」 JBPRESS 事業再生 (その2)(まだそんなことを言っているのか!間違いだらけの「エルピーダ破綻の原因」 あれから10年 まったく生かされていない“教訓”、旧日産系の自動車部品大手マレリが経営破綻…「みずほの抱える爆弾」がはじけた、【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請 金融債務は1000億円規模か) 私は「坂本社長」をテレビ番組で観て、ユニークな人物と評価していた。しかし、筆者が「『“DRAM1ドル時代”が到来、ビジネス方式の転換が必要に』・・・を執筆し、電子ジャーナルの記者にその記事を持たせて、坂本社長に取材に行かせた。筆者は坂本社長に「このままではエルピーダは危ない」と警告したかった」、「ところが坂本社長は、「DRAM1ドル時代? あり得ない」と回答」、筆者の警告をはねつけるとは、「坂本社長」の評価は180度逆転した。 筆者が「その異常な高コスト体質を坂本社長に指摘してから7年が経過していた」、致命的な遅れである。 「東京理科大大学院教授の若林氏」は証券アナリスト出身で業界構造については、十分知っている筈なのに、お粗末だ。 「実態を理解せずに、日本半導体産業への政策などは、一切行わないでいただきたい。それは税金の無駄遣いであり、何度も失敗の歴史を積み重ねることになるからだ」、同感である 日刊ゲンダイ 重道武司氏による「旧日産系の自動車部品大手マレリが経営破綻…「みずほの抱える爆弾」がはじけた」 金融機関のなかには、「中国をはじめとした外資系金融機関も含まれている」のであれば、「全債権者・・・の合意が必要」はハードルが高い。「「みずほ」は「外資系」から「保有債権の買い取りを求め」られる可能性もありそうだ。 ダイヤモンド・オンライン 井出豪彦氏による「【スクープ】調剤薬局大手が「事業再生ADR」申請、金融債務は1000億円規模か」 日ゼニが入る「調剤薬局大手」までもが「「事業再生ADR手続き」を申請」、には驚かされた。 全国展開するので、地域金融機関からの借入も多い筈だ。 「1号店の所在地」は「「日本大学付属板橋病院」の向かい」とは、偶然の一致だとしても、不思議な因縁を感じる。 「MBO」後の「12年間で約730店舗増やした」、「有利子負債は08年3月期末に87億円しかなかったが、直近で1000億円規模に」、こんあ不健全なやり方に、メインバンクは文句をつけなかったのだろうか。 「債権放棄が不要であれば反対は出にくいとみられる」、しかし、「上場を廃止してエクイティー・ファイナンスの道を自ら閉ざし、借り入れに依存したM&Aを続けるのはそもそも無理があった」、「経営責任の明確化」は避けて通れないだろう。
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