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スポーツ界(その34)(「ワリエワ」と「トゥトベリーゼ」和解で分かったロシアの深い闇 成長を止められ 体を壊す少女が続出の異常、日本サッカー協会「自社ビル売却」の舞台裏 想像以上に深刻な懐事情とは、スポーツ指導者を「根性論」の呪縛から解き放つセルフ・コンパッションとは) [社会]

スポーツ界については、2月16日に取上げた。今日は、(その34)(「ワリエワ」と「トゥトベリーゼ」和解で分かったロシアの深い闇 成長を止められ 体を壊す少女が続出の異常、日本サッカー協会「自社ビル売却」の舞台裏 想像以上に深刻な懐事情とは、スポーツ指導者を「根性論」の呪縛から解き放つセルフ・コンパッションとは)である。

先ずは、2月24日付けデイリー新潮「「ワリエワ」と「トゥトベリーゼ」和解で分かったロシアの深い闇 成長を止められ、体を壊す少女が続出の異常」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/02241205/?all=1&page=1
・『北京五輪でドーピング疑惑が持ち上がった、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(15)。彼女のコーチを務めるエテリ・トゥトベリーゼ氏(47)が、自身のInstagramで全世界からの批判に反論した。 スポーツ報知(電子版)は2月21日、「ワリエワのコーチ・トゥトベリゼ氏、ドーピング騒動に言及…激しい尋問『ジャッカルのように襲いかかり』」との記事を配信した。 記事からトゥトベリーゼ氏の発言を引用させていただく。 《カミラ・ワリエワ、団体競技のオリンピック・チャンピオン、私たちの小さな星。とても壊れやすいと同時に、とても強い選手です。カミラが受けた試練は、チーム全員で乗り越えなければならない》《昨日までニコニコしていた人たちが、今日はスタンドから離れ、指摘を受け、ジャッカルのように襲いかかり、さまざまな尋問の方法を提案する、そんな状況がいかに明白であるか》 ワリエワは昨年12月のドーピング検査で、禁止薬物の「トリメタジジン」と、禁止はされていないが「L-カルニチン」と「ハイポキセン」という薬物も検出された。担当記者が問題点を解説する。 「この3種類はいずれも心臓疾患の治療に使われる薬物です。禁止薬物が検出されたという事実に加え、3種類の“カクテル”が明るみになり、ドーピング疑惑は更に強まりました。1種類なら偶然に飲んだという弁明も通るかもしれませんが、3種類の薬となるとそうはいきません。心臓を強化し最後まで完璧な演技ができるよう意図的に薬を飲んだ、あるいは、飲まされた可能性があるのです』、「3種類の薬となると・・・心臓を強化し最後まで完璧な演技ができるよう意図的に薬を飲んだ、あるいは、飲まされた可能性がある」、同居しているおじいさんの薬が混入したとのお粗末な言い訳も出てきたが、「ドーピング疑惑は更に強まりました」、なるほど。
・『真っ黒な疑惑  筑波大学の中村逸郎教授(ロシア政治)は、「ロシアのメダル至上主義が、ここまで先鋭化したかと驚いています」と言う。 「今回の疑惑は、グレーというよりは黒に近い内容です。なぜなら、トゥトベリーゼ氏が数々のメダリストを輩出することができたのは、低年齢の選手の成長を意図的に抑え、跳躍力などを身につけさせたという背景があるからです」 フィギュアスケートは基本的に、体重が軽い小さな子供のほうが有利だと言われている。年齢が1歳上がるだけで、過去には可能だった演技で苦労する選手も少なくない。回転や跳躍が思うようにいかなくなるのだ。 スポーツ誌のNumber(電子版)は2月15日、「フィギュア界で脅かされる“女性の健康問題”…鈴木明子36歳が明かす過酷さ『無月経=ハードな練習ができている証拠でした』」の記事を配信した。 五輪出場経験を持つプロスケーターの鈴木明子(36)はこの記事で、選手の低年齢化を《昨今のジャンプ偏重傾向が年齢の問題と深く関わっています》と指摘している。 《速くたくさん回転するには凹凸がなく、体の軸が細いほうが物理的に速く回れます。そのため、胸やお尻といった女性らしい曲線が出てくると、高難度のジャンプを跳ぶのが難しくなってくるんです。そういった意味で、高得点が得られる4回転に挑戦する場合、より若い方が有利になってくるわけです》』、ザギトワも若手台頭に押されて、今回のオリンピック出場はかなわなかった。現在のやり方では、女性スケーターは4年ごとに使い捨てられていくようだ。「選手の低年齢化を《昨今のジャンプ偏重傾向が年齢の問題と深く関わっています》と指摘、評価方法を「回転」よりも優雅さ重視に変更するような改革案は出てこないのだろうか。
・『ドーピングの常態化!?  こうした事実を踏まえ、トゥトベリーゼ氏は指導する選手の成長を止めるという“奇策”に出たと考えられる。 「跳躍や回転に必要な筋肉以外は脂肪も含めて排除する。それがトゥトベリーゼ氏の指導方針です。このため、ワリエワ選手のように成功する人は別として、コーチの極端な指導で体を壊す少女は多いと言われています。具体的には、背骨の周囲や手の筋肉が弱くなってしまうのです。特に背骨の筋肉不足は深刻で、転倒で背骨を痛めてしまう選手が続出したという情報もあります」(同・中村教授) 3種類の“カクテル薬物”が検出されたことで、ドーピングの常態化が疑われているのは前に見た通りだ。 中村教授は、「そもそも練習段階でも普通にドーピングが行われていたのではないかという疑念も強まっています」と言う。 「普通、10代の少女は、成長期の真っ只中です。そんな時期に成長を止めようというのですから、弊害が生じないほうがおかしいでしょう。極端なダイエットと猛練習を組み合わせるトゥトベリーゼ氏の指導によって、健康を害する少女は少なくなかったはずです。その“治療”のために、ルール違反の薬物が処方されてきた可能性があるのです」』、「コーチの極端な指導で体を壊す少女は多いと言われています」、「ドーピングの常態化が疑われている」、これでは到底、まともなスポーツとはいえない。
・『背景に国家予算  ROCのチームドクターを務めるフィリップ・シュベツキー氏は、2008年の北京夏季五輪でロシアのボート代表チームに不正輸血を行い失格に追い込み、国際ボート連盟から処分を受けた麻酔科医としても知られている(註)。 「そもそも、なぜ五輪のチームドクターとして麻酔医が帯同しているのかが疑問です。普通は外科医とか内科医でしょう。麻酔医は痛みを和らげるプロです。無理な指導法で体の不調を訴えるフィギュア選手に、どのような薬を投与してきたのでしょうか」(同・中村教授) ロシア選手のドーピング問題が報道されると、「多額の報奨金が背景にある」と解説されることも多い。 だが、中村教授は「選手であれコーチであれ、信用されていないルーブルをもらっても嬉しくも何ともありません」と言う。 「選手やコーチが『ドーピングに手を染めてでもメダルが欲しい』と考えてしまうのは、報奨金ではなく国家予算が目当てなのです。もしトゥトベリーゼ氏が今後もメダリストを輩出することができれば、プーチン政権は予算措置を行い、彼女のために専用のトレーニング施設を作り、彼女のスタッフを全員、雇用するでしょう」』、「国家」丸抱えの「ロシア」のやり方は行き過ぎだ。
・『コーチは絶対的存在  銀メダルに輝いたROCのアレクサンドラ・トゥルソワ(17)は、トゥトベリーゼ氏のハグを拒否するなど、最初は反抗していた。だが、最終的には“和解”のメッセージを公開した。 「ロシアのフィギュアスケート界では、コーチの言うことは絶対です。特にトゥトベリーゼ氏のようなスターコーチともなると、選手が彼女に逆らうことは、プーチン大統領に逆らうことと同義なのです」(同・中村教授) トゥトベリーゼ=プーチンという歪んだ師弟関係に、先に見た予算の問題も加わる。 「オリンピックでメダリストという栄誉に輝いても、選手たちはその後、非常に長い人生を生きていかなければなりません。トゥトベリーゼ氏がコーチとして強大な権力を握り、多額の予算を差配できるようになれば、引退後も彼女を頼ったほうが豊かな生活ができるかもしれません。こうして選手たちは、第2の人生のことも考えながら、コーチには絶対に逆らわないのです」(同・中村教授)』、「トゥトベリーゼ氏のようなスターコーチともなると、選手が彼女に逆らうことは、プーチン大統領に逆らうことと同義なのです」、テレビ画面でも彼女の存在感は確かに大きかった。
・『原点はソチ五輪  今回の騒動で、ロシアのスポーツ界はドーピングと手を切る意思が全くないことが浮き彫りになった。その原点は2014年のソチ冬季五輪だったという。 「トーマス・バッハ氏(68)がIOCの会長に就任したのは2013年。この時、プーチン大統領がバッハ氏の会長就任に尽力したことはよく知られています。ここで借りができたバッハ会長は、14年のソチ冬季五輪を全面的にバックアップします」(同・中村教授) 当時のロシアは、2007年から続くリーマンショックの後遺症に苦しんでいた。優秀なコーチ陣が海外に流出してしまっていたのだ。 「プーチン大統領にとっては、自国のソチ五輪でロシアの選手がメダルラッシュを成し遂げ、国威発揚と自身の指導力をアピールすることが何が何でも必要でした。結果、指導力不足を補うため、ロシアのスポーツ界でドーピングが蔓延したのです。そして興味深いことに、このソチ五輪でトゥトベリーゼ氏は、フィギュアスケート団体戦でロシアに金メダルをもたらしたことが高く評価され、プーチン大統領から勲章が贈られたのです」(同・中村教授)』、「プーチン大統領がバッハ氏の会長就任に尽力」、とは初めて知った。「ソチ五輪でソチ五輪でトゥトベリーゼ氏は、フィギュアスケート団体戦でロシアに金メダルをもたらしたことが高く評価され、プーチン大統領から勲章が贈られたは、フィギュアスケート団体戦でロシアに金メダルをもたらしたことが高く評価され、プーチン大統領から勲章が贈られた」、「トゥトベリーゼ氏」の態度が偉そうなのにこんな経緯があったとは・・・。
・『ロシア世論の動向  ロシアの世論はトゥトベリーゼ氏を支持していると報じられている。だが、中村教授は「ひょっとすると、世論が変わる可能性があります」と言う。 「何しろ選手たちは、午前6時から午後9時までフィギュア漬けの日々です。一応は合間に勉強していることになっていますが、疲れて寝ている生徒が大半だと言われています。人間が生きていく上で必要な勉強すらさせてもらえず、なおかつ、指導の場でドーピングが常態化している疑惑があるわけですから、さすがの世論も『これでは児童虐待ではないか』と反発する可能性があります」(同・中村教授) 註:ロシアチームドクターにも疑念が…ワリエワ選手「ドーピング疑惑」裏のスポーツ虐待(現代ビジネス:2月18日)』、「ロシア」にとっては、ウクライナ問題を抱え、「フィギュア」どころではないだろうが、「プーチン」の地位が低下すれば、「トゥトベリーゼ氏」の天下も終焉を迎えるだろう。

次に、3月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの藤江直人氏による「日本サッカー協会「自社ビル売却」の舞台裏、想像以上に深刻な懐事情とは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/299892
・『日本サッカー協会(JFA)が下した決断が、驚きを持って受け止められている。長年の悲願をかなえる形で、2003年に購入した東京都文京区内の自社ビル「JFAハウス」を売却するというのだ。JFAだけでなくJリーグなども事務局を構える本丸を、なぜこのタイミングで手放さなければいけないのか。背景を探っていくと、長引くコロナ禍で大幅な収入減と赤字増を余儀なくされているJFAの台所事情が見えてくる』、どういうことだろうか。
・『3月の臨時理事会で突如決定 苦労して手に入れた自社ビルを売却へ  月例理事会からわずか5日後の3月15日に実施された、JFAの臨時理事会。真っ先に決議されたのは「JFAハウスの有効活用検討の件」だった。 臨時理事会終了後、オンライン形式によるメディアブリーフィングに臨んだJFAの須原清貴専務理事が、ある意味で唐突に聞こえる決定事項を報告した。 「JFAハウスの土地建物に関する、三井不動産レジデンシャル株式会社との売買契約を締結する件について、本日の臨時理事会において承認されたとお知らせいたします」 正式名称が日本サッカー協会ビルである「JFAハウス」は、JRおよび東京メトロの御茶ノ水駅から徒歩約7分、東京都文京区サッカー通りに位置するJFAの自社ビルだ。 92年に建てられた地上11階、地下3階の三洋電機マーケティング・プラザビルを、自前のオフィスを悲願としてきたJFAが03年に購入して現在に至っている。 約60億円の購入費はキャッシュで三洋電機に支払われた。約130億円と望外の金額に達した2002年のワールドカップ日韓共催大会の黒字の一部に、万が一ワールドカップで赤字を出した場合の補填用に蓄えていた資金を合わせたものだった。 岸記念体育会館内の一室を長く事務所としてきたJFAは、1990年代になると渋谷区内のオフィスビルに賃貸を繰り返していた。だからこそ、自社ビル購入時のJFA会長だった川淵三郎氏(現JFA相談役)は当時、こんな言葉で感慨に浸っている。 「このビルを実際に見ることができなかった先輩方が大勢いる」 ワールドカップ出場が遠い夢だった時代から、日本サッカー界の発展に尽力した先達へ捧げた感謝の思いだった。ほどなくして、JFAハウスには都内に点在していたJリーグやJFL、日本女子サッカーリーグなどがテナントとして続々と入居してきた。 さらに、1階および地下1・2階の3フロアには「日本サッカーミュージアム」が設けられ、目の前の金花通りはJFAと文京区との交渉で「サッカー通り」に改称された。JFAハウスの住所が「東京都文京区サッカー通り」となっているのもこのためだ』、せっかく「目の前の金花通りはJFAと文京区との交渉で「サッカー通り」に改称」されたのに、「売却」とはよほど「懐事情」が厳しかったのだろう。
・『日本サッカー界の発展を支えたJFAビル 売却の裏にはコロナ禍で悪化した「懐事情」  日本サッカーの象徴であり、本丸でもあったJFAハウスの売却が購入から20年目で決まった。その背景には、JFAを取り巻く環境をも例外なく激変させたコロナ禍があった。 JFAの大きな収入源として「代表関連事業収益」がある。日本代表戦のホーム開催に伴う収益で、国際親善試合の場合、チケット販売やスタジアム内外でのグッズ販売、テレビ放映権などの合計で、1試合当たり5億円の売り上げがあったとされる。 しかし、コロナ禍に見舞われた2020年は、国際親善試合どころか公式戦となるワールドカップ予選も国内で開催できなかった。メンバーをヨーロッパ組だけに限定した上で、10月と11月にヨーロッパで国際親善試合を何とか4試合実施した。 昨年は国内での国際親善試合が3つ組まれたが、6月3日に予定されていたジャマイカ代表戦(札幌ドーム)はPCR検査の陰性証明提出を巡る手違いで、一部ジャマイカ選手団の来日が間に合わないトラブルが発生。直前で開催中止が決まった。 代替として行われたU‐24代表との“兄弟マッチ”、そしてドラガン・ストイコビッチ監督に率いられた6月11日のセルビア代表戦(ノエビアスタジアム神戸)は無観客開催。3月25日の韓国代表戦(日産スタジアム)では観客数の上限が設定された。 同じく国内で昨年に6試合が行われたワールドカップ予選も、無観客もしくは上限を課せられての開催となった。営利企業の損益計算書で当期純利益に当たる「当期一般正味財産増減額」で、JFAは21年度に28億円を上回る赤字を計上している。 16年度に約11億円の黒字だったJFAの当期一般正味財産増減額は、18年度から赤字に転落している。約2億4500万円から19年度は約6億1000万円、20年度では約8億2000万円と年々増え、ついに21年度の数字にまで膨らんだ。 さらに22年度予算では、赤字額が過去最大の約46億円と見込まれている。4年に一度のワールドカップイヤーだが、上半期に国内で開催される代表戦は観客数を収容人員の50%で算出せざるを得なかった。もちろんコロナ禍が考慮されたものだ』、赤字は「18年度」以降、拡大、「コロナ禍」の影響もあって、「21年度に28億円」、「2年度予算」では「約46億円」とは確かに膨大だ。
・『JFAの期末残高が2年で50億円減! それでも「赤字を埋めるための売却ではない」  さまざまな部署であらゆるコストカットを実践しても、収入減と赤字増が止まらない。そんな状況下でJFAハウスの売却が決まった。守秘義務もあって売却金額を非公表とした須原専務理事は「参考までに申し上げれば、100億円を超える売買契約となる」と語った上で、さらにこうつけ加えている。 「赤字を埋めるための売却ではないと、この場を借りて皆様にお伝えしたい」 22年度予算が公表された昨年末の段階でも、須原専務理事は「赤字の多くは一過性のものであり、積立金で対応できる」と心配無用を強調していた。 実際にJFAの「正味財産期末残高」を見ると、22年度予算では約177億2900万円が見込まれている。須原専務理事が「対応できる」と明言したのもうなずける。 しかし、例えば20年度の「正味財産期末残高」は約225億6600万円だった。わずか2年間で50億円近く目減りした以上、事態は風雲急を告げてくる。 支出に当たる経常費用内の事業費に「復興支援費」を計上してきたJFAは、20年度からは「サッカーファミリー復興支援事業費」と改めている。 コロナ禍で資金難に陥る地域の街クラブやスクールが少なくない状況で、サッカー界のピラミッド全体を支える一番下の部分、グラスルーツ(草の根)を絶やすわけにはいかない。ただ、経営面で支援していくには、常にまとまった資金を用意しておく必要がある。 「公益財団法人であるわれわれ組織の責務として、与えられた資産をどのような形で社会へ還元させていくべきか、という視点に立って常に考えなければいけなかった」 コロナ禍においてJFA内で交わされてきた議論を、須原専務理事はこう振り返る。その過程にあった昨年10月に、JFAは三井不動産と「サッカーの力を活用した街づくり連携および拠点再編に関する基本協定」を締結している。 そして、検討項目のひとつとして「『JFAハウス』の有効活用」も設けられ、不動産売買に関して十分な経験と知見を持つ業界上位の信託銀行がコンサルタント役として加わったなかで、売却という選択肢が提案された。須原専務理事が続ける。 「プロフェッショナルである三井不動産やコンサルタントの方々といろいろな相談をさせていただき、いろいろな方向性を探ってきたなかで、与えられた選択肢の中では売却するのが最善なのではないか、という決定に至りました」』、「守秘義務もあって売却金額を非公表」、「売却金額を非公表」にする理由は何なのだろう。「公益財団法人」なので、「公表」が原則で、「非公表」はよほどの事情があるのだろう。ただ、「赤字を埋めるための売却ではないと、この場を借りて皆様にお伝えしたい」、「昨年末の段階でも、須原専務理事は「赤字の多くは一過性のものであり、積立金で対応できる」と心配無用を強調」、などの発言の真意は何なのだろう。
・『高円宮記念JFA夢フィールドへ機能移転 JFAが描く「今後の青写真」とは  決定に至る議論には、ここでもコロナ禍に起因する前提条件があった。 JFAでも、リモートワークや在宅勤務が促進された結果として、過去1年間における職員のJFAハウスにおける平均出勤率は19.5%にとどまった。 最も高い月でも26.7%であり、JFAハウスの10階および11階を占めるオフィススペースの75~80%は活用されていない、いわゆるデッドスペースと化していた。 9階に入居するJリーグをはじめとするテナントも同じ状況にあり、さらに経年劣化が進む施設で必須となる修繕費は、今後8年間で14億円以上に上ると試算された。 20年に千葉市内に完成した、高円宮記念JFA夢フィールドの存在も見逃せない。例えば、ヴァイッド・ハリルホジッチ元監督はJFAハウス内に監督室を設けて、代表活動期間以外はほぼ常駐していた。しかし、今では年代別を含めて、ほぼ全ての代表チームの中枢機能が高円宮記念JFA夢フィールドへ移転している。 一連の状況を前提とした議論を、須原専務理事は改めてこう振り返る。 「オフィスの使用率が著しく低くなっている状況についての課題意識、問題意識については、全く異論はなかった。その前提で、ならば次に何ができるのかを考えました」 三井不動産レジデンシャルとの売買契約は近日中に締結され、その後は三井不動産が取り組んでいる、スポーツを中心とした再開発事業とも連携を図りながら、1年後をめどにJFAハウスから全てのオフィス機能を移転させる。 新たなオフィスを構える場合でも原則として賃貸契約となり、一方でJFAハウスをリースバックするプランもない。須原専務理事は今後の青写真をこう描く。 「コロナ禍が収束してもコロナ前の働き方に完全に戻ることはなく、新しい働き方が推進されていくという前提の下で、高円宮記念JFA夢フィールドとも連携を図りながら、よりよい拠点を設定していきたいと考えています」 職員の出勤率に合わせた面積の最適化やフリーアドレス制の導入、オンライン会議に適した共有オフィスや、通勤時間の削減のためのサテライトオフィスの設置などを念頭に置きながら、時代の変化に合わせて移転の機会を逆に活用していく方針のようだ』、「新しい働き方」が固まるまでは、「原則として賃貸契約」と柔軟な形式の方が望ましいだろう。

第三に、3月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したフリーライターの鈴木 舞氏による「スポーツ指導者を「根性論」の呪縛から解き放つセルフ・コンパッションとは」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/299942
・『スポーツにおける「根性論」と呼ばれる指導方法は、昨今批判の的になっている。これからの時代は根性論から脱却し、指導者と選手が共に成長する在り方が重要になるだろう。そのキーワードのひとつが「セルフ・コンパッション」だ。『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー(2019年5月号)』(ダイヤモンド社)を参考に、根性論脱却のヒントを探ってみる』、興味深そうだ。
・『根性論で選手の未来を潰す指導者の特徴  ネガティブな意味での根性論というと、熱血指導者が過酷なトレーニングを課し、肉体的にも精神的にも選手を追い詰めるイメージを思い浮かべやすい。根性論には「簡単には諦めない」「練習熱心」というポジティブな意味合いもある。とはいえ、根性論に限界と問題が存在し、看過できない事例が発生していることも事実だ。 従来のスポーツ界には、プロ・アマチュアを問わず根性論が蔓延していた。現在でも根性論に根ざした指導は行われている。特に問題となるのが、根性論が引き起こす怪我や体罰、パワーハラスメントだ。 根性論による指導では、長時間のトレーニングや負荷の大きいトレーニングが選択されがちだ。それによって引き起こされるオーバートレーニングやオーバーユースは、選手生命を断つ怪我につながりかねない。だからこそトレーニングプランには、怪我や疲労からの回復期を組み込むのがセオリーだ。トレーニング理論やスポーツ科学を学んだ指導者であれば、休息が必須なことは承知のはず。 十分な知識を習得していない指導者のもとでは、選手が体を壊すリスクが高まる。体が悲鳴を上げていても、根性でカバーできると考えがちだからだ。根性論の指導者には、知識よりも自分の経験や理念を優先する傾向も見られる。しかし、トレーニング理論やスポーツ科学の分野は日々研究が重ねられ、進化を遂げている。情報をアップデートできない指導者は、本人にその気がなくても間違った指導をしてしまう恐れがあるのだ。 昨今における根性論の大きな問題となっているのが、パワハラだ。職場におけるパワハラも問題視されているが、スポーツ界でもパワハラに反対する声は大きい。パワハラ的な言動や行動は「行き過ぎた指導」として表現されることもある』、「従来のスポーツ界には、プロ・アマチュアを問わず根性論が蔓延」、マンガでも「スポーツ根性」もの人気が根強い。「十分な知識を習得していない指導者のもとでは、選手が体を壊すリスクが高まる。体が悲鳴を上げていても、根性でカバーできると考えがちだからだ」、弊害も極めて大きいようだ。
・『スポーツ指導におけるパワハラの定義と相談先  スポーツ界における暴力・ハラスメントについては、独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が相談窓口を設けている。下記の言動が、同センターが受け付ける相談の基準だ。 (1) 身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼす行為 (2) (1)に準じる心身に有害な影響を及ぼす言動 (3)その他競技者の能力・適性にふさわしくないスポーツ指導 (引用元:トップアスリートのための暴力・ハラスメント相談窓口) たとえば殴る・蹴るのほか、突き飛ばす、髪を引っ張る、壁に押さえつけることは暴力行為に当たる。パワハラに関しては、指導中の心ない言葉や人格否定、無視などが該当する行為だ。暑い日の長時間のランニングや、水分補給をさせずに運動させる指導も、相談対象とされている。 上記に当てはまる指導を受けた場合、直近4年以内であれば相談可能だ。ただし、対象となるのはトップアスリートとその関係者に限られる。一般のスポーツ指導におけるパワハラに関しては、各種団体が設置する窓口に相談可能だ。 しかし相談窓口を利用するのは、もっぱらパワハラ被害者側だろう。ビジネスシーンでのパワハラと同様に、指導者は自分がパワハラをしていることに無自覚な場合が少なくない。被害者が声を上げないと、なかなかパワハラの改善が進まないのが現状である。 パワハラ的な指導を防ぐには、指導者の意識改革が必要だろう。そのために取り入れてほしいのが「セルフ・コンパッション」である。 セルフ・コンパッションとは、直訳すると「自分への思いやり」や「自分への慈しみ」という意味だ。心理学では、セルフ・コンパッションによって失敗や挫折からの立ち直りがスムーズになると考えられている。似たような語感を持つ「セルフ・エスティーム」は、「自尊心」や「自己肯定」を指す言葉であり、セルフ・コンパッションとは異なることを理解しておいてほしい。) セルフ・コンパッションは、成長のマインドセットに欠かせないと考えられている。特に、リーダーのポジションを担う人に必要なスキルだ。指導者とリーダーの役割は厳密には異なるだろうが、指導者は選手に指導や助言を与え、リーダーはチームや集団の代表を担う。そしてどちらにも共通しているのが、成長や成功を目標にしている点だ。 こう言われると、疑問に感じる人もいるだろう。「責任あるポジションにいる人間は部下やチームのことを考えるべきで、自分への思いやりを優先すべきではないのでは?」と。ところがリーダーのセルフ・コンパッションが高いほど、チームに大きなメリットをもたらすという説があるのだ。 「リーダーが失敗や挫折にセルフ・コンパッションの態度で対応すると、彼ら自身の職業面での成長や成功を引き寄せる心理学的、行動的な傾向が生まれやすくなるため、リーダー自身が恩恵を受ける。そしてこの恩恵は部下たちに波及させることが可能であり、それによってセルフ・コンパッションの実践がリーダーと部下たちにとってのウイン・ウインの行動になるのである」(『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』より)』、「「リーダーが失敗や挫折にセルフ・コンパッションの態度で対応すると、彼ら自身の職業面での成長や成功を引き寄せる心理学的、行動的な傾向が生まれやすくなるため、リーダー自身が恩恵を受ける。そしてこの恩恵は部下たちに波及させることが可能であり、それによってセルフ・コンパッションの実践がリーダーと部下たちにとってのウイン・ウインの行動になる」、なるほど。
・『スポーツ指導者が習得すべき「セルフ・コンパッション」  つまりセルフ・コンパッションは、むやみやたらに自分への思いやりを発揮すればいいというわけではない。自分自身に寛容な態度で接することが他者への寛容につながり、好循環を発生させることがポイントなのだ。 「できないのは根性がないからだ」と選手を責める指導者は、往々にして他者への不寛容が目立つ。しかし、そうした指導者は自分自身に対してもネガティブで、セルフ・コンパッションが低いのかもしれない。 根性論による指導を予防するには、指導者がスポーツ科学など最新の情報をアップデートすることが不可欠だ。さらに指導者の意識改革として、セルフ・コンパッションによる効果が期待される。自分自身に対して厳しすぎる自覚がある指導者は、今すぐセルフ・コンパッションを始めてみてはいかがだろうか』、「根性論による指導を予防するには、指導者がスポーツ科学など最新の情報をアップデートすることが不可欠だ」、同感だ。 
タグ:スポーツ界 (その34)(「ワリエワ」と「トゥトベリーゼ」和解で分かったロシアの深い闇 成長を止められ 体を壊す少女が続出の異常、日本サッカー協会「自社ビル売却」の舞台裏 想像以上に深刻な懐事情とは、スポーツ指導者を「根性論」の呪縛から解き放つセルフ・コンパッションとは) デイリー新潮「「ワリエワ」と「トゥトベリーゼ」和解で分かったロシアの深い闇 成長を止められ、体を壊す少女が続出の異常」 「3種類の薬となると・・・心臓を強化し最後まで完璧な演技ができるよう意図的に薬を飲んだ、あるいは、飲まされた可能性がある」、同居しているおじいさんの薬が混入したとのお粗末な言い訳も出てきたが、「ドーピング疑惑は更に強まりました」、なるほど。 ザギトワも若手台頭に押されて、今回のオリンピック出場はかなわなかった。現在のやり方では、女性スケーターは4年ごとに使い捨てられていくようだ。「選手の低年齢化を《昨今のジャンプ偏重傾向が年齢の問題と深く関わっています》と指摘、評価方法を「回転」よりも優雅さ重視に変更するような改革案は出てこないのだろうか。 「コーチの極端な指導で体を壊す少女は多いと言われています」、「ドーピングの常態化が疑われている」、これでは到底、まともなスポーツとはいえない。 「国家」丸抱えの「ロシア」のやり方は行き過ぎだ。 「トゥトベリーゼ氏のようなスターコーチともなると、選手が彼女に逆らうことは、プーチン大統領に逆らうことと同義なのです」、テレビ画面でも彼女の存在感は確かに大きかった。 「プーチン大統領がバッハ氏の会長就任に尽力」、とは初めて知った。「ソチ五輪でソチ五輪でトゥトベリーゼ氏は、フィギュアスケート団体戦でロシアに金メダルをもたらしたことが高く評価され、プーチン大統領から勲章が贈られたは、フィギュアスケート団体戦でロシアに金メダルをもたらしたことが高く評価され、プーチン大統領から勲章が贈られた」、「トゥトベリーゼ氏」の態度が偉そうなのにこんな経緯があったとは・・・。 「ロシア」にとっては、ウクライナ問題を抱え、「フィギュア」どころではないだろうが、「プーチン」の地位が低下すれば、「トゥトベリーゼ氏」の天下も終焉を迎えるだろう。 ダイヤモンド・オンライン 藤江直人氏による「日本サッカー協会「自社ビル売却」の舞台裏、想像以上に深刻な懐事情とは」 どういうことだろうか。 せっかく「目の前の金花通りはJFAと文京区との交渉で「サッカー通り」に改称」されたのに、「売却」とはよほど「懐事情」が厳しかったのだろう。 赤字は「18年度」以降、拡大、「コロナ禍」の影響もあって、「21年度に28億円」、「2年度予算」では「約46億円」とは確かに膨大だ。 「守秘義務もあって売却金額を非公表」、「売却金額を非公表」にする理由は何なのだろう。「公益財団法人」なので、「公表」が原則で、「非公表」はよほどの事情があるのだろう。ただ、「赤字を埋めるための売却ではないと、この場を借りて皆様にお伝えしたい」、「昨年末の段階でも、須原専務理事は「赤字の多くは一過性のものであり、積立金で対応できる」と心配無用を強調」、などの発言の真意は何なのだろう。 「新しい働き方」が固まるまでは、「原則として賃貸契約」と柔軟な形式の方が望ましいだろう。 鈴木 舞氏による「スポーツ指導者を「根性論」の呪縛から解き放つセルフ・コンパッションとは」 「従来のスポーツ界には、プロ・アマチュアを問わず根性論が蔓延」、マンガでも「スポーツ根性」もの人気が根強い。「十分な知識を習得していない指導者のもとでは、選手が体を壊すリスクが高まる。体が悲鳴を上げていても、根性でカバーできると考えがちだからだ」、弊害も極めて大きいようだ。 「「リーダーが失敗や挫折にセルフ・コンパッションの態度で対応すると、彼ら自身の職業面での成長や成功を引き寄せる心理学的、行動的な傾向が生まれやすくなるため、リーダー自身が恩恵を受ける。そしてこの恩恵は部下たちに波及させることが可能であり、それによってセルフ・コンパッションの実践がリーダーと部下たちにとってのウイン・ウインの行動になる」、なるほど。 「根性論による指導を予防するには、指導者がスポーツ科学など最新の情報をアップデートすることが不可欠だ」、同感だ。
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