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ソニーの経営問題(その9)(なぜソニーはモバイルゲーム事業を売却したのか 2つの理由と期待、ソニーがEV初参入へ見せた大胆な「らしさ」の凄み “中の人"が語る「なるほど」な独自性の生み出し方) [企業経営]

ソニーの経営問題については、昨年8月10日に取上げた。今日は、(その9)(なぜソニーはモバイルゲーム事業を売却したのか 2つの理由と期待、ソニーがEV初参入へ見せた大胆な「らしさ」の凄み “中の人"が語る「なるほど」な独自性の生み出し方)である。

先ずは、昨年11月2日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した法政大学大学院教授の真壁昭夫氏による「なぜソニーはモバイルゲーム事業を売却したのか、2つの理由と期待」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/286302
・『ソニーはモバイルやオンラインゲーム開発のGSN Gamesを米スコープリーに約10億ドルで売却すると発表した。今後の注目は、ソニーの選択と集中が成果につながるか否かだ。世界経済の変化は激烈を極めている。ソニーといえども変化への対応が遅れれば、事業運営体制が不安定化するリスクは否定できない』、興味深そうだ。
・『知的財産分野へ経営資源を集中する狙い  ソニーグループ(以下、ソニー)傘下のソニー・ピクチャーズ エンターテイメントは、傘下のGSN Games(GSN)を米スコープリーに約10億ドル(約1100億円)で売却すると発表した。GSNはモバイルやオンラインゲームの開発を主な業務としてきた。今回の売却の背景には、ソニーが重視するコンテンツIP(知的財産)分野へ経営資源の集中する狙いがあるとみられる。 一方、同社は半導体などハードウエアの分野でも台湾積体電路製造(TSMC)との共同で新工場の建設を行うなど、自社の市場シェアや収益性、成長性などを評価の軸にして選択と集中を進め、今後、より効率的な事業運営体制の確立を目指している。 今後の注目点は、ソニーの事業戦略が成果につながるか否かだ。これまでの業績を見る限り、コンテンツ事業の強化などは同社の市場シェアの拡大と収益性の向上に寄与する可能性は高いだろう。 ただ、世界経済の変化の速度は恐ろしいほど増している。特に、デジタル化の加速や脱炭素への取り組みなど、世界の経済環境の変化は激烈を極めている。そうした大きな変化の中、ソニーといえども変化への対応が遅れれば、事業運営体制が不安定化するリスクは否定できない』、「大きな変化の中、ソニーといえども変化への対応が遅れれば、事業運営体制が不安定化するリスクは否定できない」、その通りだ。
・『『鬼滅の刃』などのIP創出 株高による投資収益の確定も  ソニーがGSNを売却する理由の一つは、ソニーが重視するコンテンツIP分野へ経営資源の配分を高める狙いがあるのだろう。そのために、GSNの主要業務を、早めにプロダクト・ポートフォリオから外しておく意図が感じられる。 ソニーは『鬼滅の刃』などのコンテンツIPを生み出してファンを獲得し、ゲームなどの新しい需要の創出につなげたい。一方、GSNはカードゲームやビンゴなどのモバイルゲームを得意とする。IPランドスケープ(知財、非知財情報を分析して自社の現状と将来の展開予想を分析すること)に基づいて考えると、ソニーとGSNは目指すコンテンツを構成する要素が異なる。コンテンツIPの創出力に磨きをかけるという重要な目的に照らした場合、ソニーにとってGSNを支配下に置き続ける意義は低下しているようだ。 そのほかにも売却理由があるはずだ。その一つが、投資収益の確定だろう。2019年にソニーは約 414億円(当時の邦貨換算額)を投じてGSNの親会社であるゲーム・ショー・ネットワークを完全子会社化している。一方、今回の売却額は約1100億円だ。モバイルゲーム市場などでシェアを獲得することによってGSNの企業価値は高まった。現在、世界的に株価が高値圏で推移している状況を生かしてソニーは利得を確保し、それを成長期待の高い分野に再配分したいだろう。それも売却理由の一つといえる。 ただ、今回の売却によってソニーとGSNの関係が完全に解消されるわけではない。ソニーは売却額の半分をスコープリーの優先株として受け取る。コンテンツIP開発戦略上のシナジー効果は薄れたものの、モバイルゲーム市場でのビジネスチャンスを手に入れるためにGSNと一定の関係を維持することは重要との判断がソニーにあるとみられる。 コンテンツIP分野にフォーカスして考えると、ソニーは新しいコンテンツIP創出のために組織の集中力を高めたいだろう。そのためにGSNを売却してよりスピーディーかつ多くのコンテンツIPを生み出す体制整備を加速させようとしているのではないか』、「ソニーは新しいコンテンツIP創出のために組織の集中力を高めたいだろう。そのためにGSNを売却してよりスピーディーかつ多くのコンテンツIPを生み出す体制整備を加速させようとしているのではないか」、なるほど。
・『世界トップCMOSイメージセンサーや電気自動車の「VISION-S」へ  次にグループ全体での事業運営に目を向けると、ソニーは成長性、収益性、市場シェアなどの要素に基づいて、最も有効な資源配分を行おうとしている。 その一つのケースが、代表的な画像処理センサーであるCMOSイメージセンサー事業だ。12年以降の経営再建でソニーは、CMOSイメージセンサー事業に経営資源を再配分して世界市場でトップのシェアを獲得した。現在、CMOSイメージセンサー市場でソニーは49%程度のシェアを持つ。近年のシェアは韓国のサムスン電子や米国のオムニビジョンの追い上げによって徐々に低下している。 そうした状況下、ソニーは画像処理センサー事業の競争力を強化してさらなる成長を目指すために、台湾積体電路製造(TSMC)やデンソーとコンソーシアムを組み、熊本県に半導体工場を建設する予定だ。具体的には画像系のセンサーに加えて、車載、ロボット用のチップも生産される予定だ。 その先にソニーが見据える事業展開を考えると、より鮮烈な映像などのコンテンツ没入体験を人々に与えることを目指しているだろう。例えば、ソニーは自動車分野での取り組みを進めている。同社が開発する電気自動車(EV)の「VISION-S」は、CASE時代の到来を念頭に置いた新しいモビリティー創出を目指した取り組みだ。その実現には、インターネットと接続し自律走行を行うための演算装置や画像処理技術、さらには車内エンターテインメントのためのコンテンツの開発や音響・映像技術などの革新が求められる。 そのためにソニーは自社の持つモノづくり精神やコンテンツ創出力を、TSMCが持つ半導体製造の総合力の高さと、自動車関連分野でのデンソーの知見と結合して、新しい画像処理機能を持つセンサーや車載半導体などの創出を目指しているはずだ。より高性能、あるいは新しいチップの創出は、プレイステーションなどゲーム事業の強化にも欠かせない』、「ソニーは自社の持つモノづくり精神やコンテンツ創出力を、TSMCが持つ半導体製造の総合力の高さと、自動車関連分野でのデンソーの知見と結合して、新しい画像処理機能を持つセンサーや車載半導体などの創出を目指しているはずだ」、なるほど。
・『経営陣が世界経済の環境変化に迅速かつ的確に対応できるか  現在、ソニーが進めようとしている選択と集中の目的は、人々に鮮烈な体験を与える力の向上と発揮にあるといえる。ソニーは、ソフトウエア分野では映画・アニメの制作やミュージシャンの育成に、ハードウエア面では半導体の製造技術の磨き上げに集中し、両者を結合することによって新しい生き方の創出を目指しているとの印象を強くする。 ただ、そうした取り組みが成果を発揮するためには、経営陣が世界経済の環境変化に迅速に、的確に対応できるか否かが問われる。経営陣が変化にうまく対応できれば、ソニーの選択と集中が相応の成果を上げることはできるだろう。同社の株価の上昇を見る限り、ソニーが強みを持ち、成長と収益拡大が見込まれる分野への選択と集中を進めることによってさらなる業績拡大が可能と期待する主要投資家は多いようだ。 反対に、経営陣が環境変化への対応に遅れる、あるいは判断を誤ると、ソニーといえども成長力が弱まり、かなり厳しい状況を迎える可能性は否定できない。世界全体で脱炭素やエネルギー資源の高騰、新型コロナウイルスの感染再拡大による動線の不安定化を背景とする供給制約の問題など、ソニーを取り巻く不確定要素は増えている。加えて、コンテンツIP分野において米ネットフリックスの成長や、半導体分野では中国企業によるソフトウエア開発力の強化など、ソニーが選択と集中を進める分野での競争も激化している。 現時点でソニーの取り組みがどのような成果をもたらすかを見通すことは難しい。そうした中ではあるが、同社の成長はわが国経済の再生に不可欠だ。同社が組織を一つにまとめてよりスピーディーに事業を運営する体制を整備し、市場の勝者になることを期待したい』、「ソニーを取り巻く不確定要素は増えている」、「ソニーが選択と集中を進める分野での競争も激化」、今後、「ソニー」が「市場の勝者」となれるかの否か、大いに注目される。

次に、本年2月15日付け東洋経済オンラインが掲載したジャーナリストの川島 蓉子氏による「ソニーがEV初参入へ見せた大胆な「らしさ」の凄み “中の人"が語る「なるほど」な独自性の生み出し方」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/510670
・『コロナ禍をはじめ、企業を取り巻く環境が激変する中、経営の大きなよりどころとなるのが、その企業の個性や独自性といった、いわゆる「らしさ」です。ただ、その企業の「らしさ」は感覚的に養われていることが多く、実は社員でも言葉にして説明するのが難しいケースがあります。 いったい「らしさ」とは何なのか、それをどうやって担保しているのか。ブランドビジネスに精通するジャーナリストの川島蓉子さんが迫ります。 組織に身を置いて仕事していると、「うちらしい」あるいは「うちらしくない」という言葉が頻繁に登場する。新商品や新しい企画を立ち上げるときはもちろん、会議で何か発言すると、上司から「それはうちらしい意見じゃないね」と言われたり、営業で訪れた客先から、「その話は御社らしくないですね」と言われたりすることも――。 「らしさ」という言葉には、個性や独自性という枠組みを越え、企業活動や社員のふるまいまでが含まれるし、その意味でブランディングと深くかかわっている。 一方で「らしさ」とは何かを定義したり、突き詰めたりするのは容易ではない。ブランディングの分析過程で「らしさ」を要素分解したり、場合によってそれを数値化したりすることがある。あるいは、企業のビジョンや理念、行動指針を作るにあたって、「らしさ」を文言で定義する試みがなされているものの、それがズバリかというと、そうではないと思う。 誰もが日常的に使っているのに、意味するところが多面的な「らしさ」という言葉――本連載では、「らしさ」とは何なのかについて考察する。それも、「らしさ」の解を導き出すのではなく、「らしさ」をとらえる視点について探っていく。具体的には、さまざまな企業における「らしさ」をインタビューし、根っこにあるものを見ていきたい。読者の方々にとって、日々の仕事における何らかのヒントになれば幸いだ』、「本連載では、「らしさ」とは何なのかについて考察する」、興味深そうだ。 
・『「ソニーらしさ」を社内ではどうとらえているのか  第1回はソニーグループのクリエイティブセンターを取り上げる。「ウォークマン」や「aibo(アイボ)」をはじめ、クルマの「VISION-S Prototype」や銀座の「Sony Park」など、ソニーには先進的なイメージがあり、それが「らしさ」につながっている。「ソニーらしい」「ソニーらしくない」と評されることも少なくない。 社内でそこをどうとらえているのかを知りたいと思い、昨年10月からクリエイティブセンターのセンター長になった石井大輔さんに話を聞いた。 クリエイティブセンターは、ソニーグループのデザイン部門を担っている。ソニーが掲げる事業は、「ゲーム&ネットワークサービス」「音楽」「映画」「エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション」「イメージング&センシング・ソリューション」「金融」の6つの領域に及ぶ。 エレクトロニクス事業はもとより、エンタテインメントや金融などを含めて幅も奥行きも広く深い。クリエイティブセンターがかかわっているのも、プロダクトのデザインに限らず、UI/UX、ブランディング、コミュニケーション、空間のディレクション、サービスなど多岐にわたっている。 デザインというと、製品の色やかたちを創り出すところととらえる人もいるだろうがそうではない。クリエイティブセンターに籍を置くデザイナーは、ユーザーとかかわる多様な領域すべてにかかわっていると言っても過言ではない。そして、ソニーとユーザーとのタッチポイントに携わるという意味では、いわゆるブランディングの一角を担う仕事であり、「らしさ」に大きく関与している。 “ソニーらしさ”とは何でしょうか」という質問に対し、「実は内部では『らしい』『らしくない』という話をすることは、あまりないのです」と石井さん。「らしさ」について、侃々諤々の議論がなされているという筆者の読みは見事にはずれた』、「クリエイティブセンターに籍を置くデザイナーは、ユーザーとかかわる多様な領域すべてにかかわっていると言っても過言ではない。そして、ソニーとユーザーとのタッチポイントに携わるという意味では、いわゆるブランディングの一角を担う仕事であり、「らしさ」に大きく関与している」、社内にこうした部署を持つのも「ソニーらしい」。
・『デザインを洗練されたものにする「審議」  一方で、「デザインを洗練されたものにするためのディスカッションはしょっちゅうして、それを審議と言っています」とも。社内のいわば公用語として審議が使われていて、さまざまな場面で行われている。国内はもとより、世界各地のソニーでも、“SHINGI”と呼ばれている。オープンでフラットを旨としていて、役職やキャリアに関係なく意見を言い合うという。 「何かあったら『審議しよう』というのは、ソニーのデザイン文化の1つかもしれません。Review(考察)やCritique(批評)とはニュアンスが違っていて、いわば“共創”的な要素が強いのだと思います」(石井さん) よりよくするためにどうするかをゴールに、共に創り上げていくという考えが、企業のDNAのように存在しているのだ。それとともに、人真似ではなく、独自性を追求していくことを重視してもいる。今までにないこと、ほかがやっていないことに挑戦する姿勢も、過去から脈々と受け継がれてきた気風だ。 審議の場では、新人時代から『意見ないの?』と話を振られます」(石井さん)。新人と先輩が入り交じって、フラットな目線で意見を言い合う。開かれた環境ではあるものの、新人にとってはある意味厳しいし、先輩にとっては自分が試される場でもある。そうやって意見をぶつけ合うことで、「らしさ」が培われていくのだろう。 ただ、自由闊達と言っても、それがネガティブに出ると、「自分の意見を否定されてしまった」「上司の言うことを聞かざるをえなくなった」となってしまう。「ネガティブな意見も出ますが、言われた人は、自分の思考のもと、取捨選択してかまわない。そういう風土があるのです」。健全な話し合いだが、他者の意見を取り入れるか否かを自分で判断するということは、主体性と責任が問われるものであり、そこに物差しも必要だ。 どのようになされているのか。) 「基本的にはユーザーがどうとらえるか、そこを起点に考えるのです」(石井さん)。デザイナーというと、自分の世界を表現する人ととらえられがちだがそうではない。あくまで使い手の視点に立って、概念だけでなく、カタチ化するところまでを担う役割――クリエイティブセンターには、そういう共通認識があるという。 企業内の会議でありがちなのは、交わされる議論が、企画書の起承転結のつけ方や、微細なデータや言葉使いの吟味に陥ってしまうこと。だが、クリエイティブセンターでは、議論が白熱しても、それが概念や企画書で終わることはない。抽象レベルで終わらず、実際のカタチ化するところまでを行っているからだ。 クリエイティブセンターは、昨年60周年を迎えた。もともとは、ソニーの創業メンバーの一人である大賀典雄氏が、デザインとブランドを見る組織として作ったという。業容が広がるに従い、組織の位置づけや規模の変化はあったものの、そのポジションを変わらず取り続けてきた。 戦後から高度経済成長の波にのって拡大してきた企業の中で、こういう組織が継承されている事例は数少ない。そう考えると、クリエイティブセンターの存在そのものが、ソニーという企業の独自性の一角をなしていると言っても過言ではないだろう』、「クリエイティブセンター」は「大賀典雄氏が、デザインとブランドを見る組織として作ったという。業容が広がるに従い、組織の位置づけや規模の変化はあったものの、そのポジションを変わらず取り続けてきた」、「ソニーという企業の独自性の一角をなしている」、確かに興味深い組織だ。
・『EVにおけるソニーらしさとは?  2020年に発表された「VISION-S」は、「あのソニーがEV車に挑戦した」と大きな注目を集めた。その姿勢も含めて「ソニーらしい」と国内外で高い評価を得たのだ。 始まりは2018年のこと。 「ソニーが持っている技術やサービスの強みを、モビリティの領域で活かせるのではということから、EVに取り組んでみようという話が出て、先行してクリエイティブセンターでもスタイリングだけでなくUXやブランド考察を含め、さまざまなアイデア展開を始めました」(石井さん) 安心・安全な走行を支援する「センシング」、アップデートによる進化の土台を担う「ネットワーク技術」、オーディオビジュアルやゲームなどの「エンタテインメント」、3つの領域におけるソニーの独自性を盛り込み、これからの社会で求められていくモビリティの可能性を追求することになった。 そのプロジェクトのクリエイティブディレクターにアサインされたのが石井さんだ。傍から見ると、最初から外部のカースタイリングのスタジオに委託して進めるという手もあったのにと思うのだが、あえてその道を選ばなかった。ソニーのデザイン力を信じ、クリエイティブセンターにデザインを任せたという上層部の判断があったのだ。 では、どのように進められたのか。 ゼロから生み出していくプロジェクトということで、まずはどこを目指し、どういうユーザーに向け、どういうものを作っていくのかといった全体構想を、文字とビジュアルで構成する冊子にまとめた。石井さんは「夢物語のようなものを描いた」というが、表層的な夢でないことは、話を聞いているとよくわかる。 未来の社会と人の暮らしを思い描きながら、圧倒的な魅力を放つクルマとはどんな存在か。そこにソニーの独自性をどう盛り込み表現するか。いわば、このプロジェクトのフィロソフィーのようなものをまとめたのだ。この段階で、根幹となる部分を徹底的に審議し、冊子として凝縮したことは、後々、役立ったという。プロジェクトの途上で迷ったとき、そこに立ち返って確認するツールとして機能したのだ。 プロジェクトを進めるうえでいくつかのターニングポイントもあった。さまざまな意見が出る中で、その冊子のコンセプトに立ち返って考え直し、ユーザーから見た新たなソニーらしさの象徴として、「ソニーの技術の結晶体、テクノロジーショーケースにする」と改めて方向性を確認し、アメリカ・ラスベガスで行われるエレクトロニクス関連の展示会、CES(Consumer Electronics Show)で発表することにしたという。 モーターショーなどで展示される、いわゆるコンセプトカーは、未来に飛翔するアイデアが盛り込まれているものの、実現性に乏しいものが少なくない。しかしソニーでは、走行はもとより、現存の基準や規定を充たすことのできる「本物」をデザインすることにした。ここにも「ほかにはない独自性を徹底して追求する」というソニーの精神が現れている』、「最初から外部のカースタイリングのスタジオに委託して進めるという手もあったのにと思うのだが、あえてその道を選ばなかった。ソニーのデザイン力を信じ、クリエイティブセンターにデザインを任せたという上層部の判断があった」、さすが「ソニー」だ。「コンセプトカー」は・・・実現性に乏しいものが少なくない。しかしソニーでは、走行はもとより、現存の基準や規定を充たすことのできる「本物」をデザインすることにした。ここにも「ほかにはない独自性を徹底して追求する」というソニーの精神が現れている」、なるほど。
・『マグナ・シュタイヤーと協業、多様性のある「審議」に  クリエイティブセンター内では、極秘プロジェクトとして進められていたが、開発にあたっては、オーストリアに拠点を置く自動車製造業者のマグナ・シュタイヤーとの協業体制で行われた。欧州のさまざまな国籍のメンバーも入り、まさに多様性のある審議を重ねていったのだ。「社外の人と意見を交わしながら、『本物』を作っていくのは、とても楽しい経験にもなりました」(石井さん) 「最後に悩んだのはブランディングとしてのシンボルマークの表現の部分」だったという。「VISION-S」というブランドの思想を、どう表現するかについて議論を繰り返したのだ。チームメンバーでアイデアを出し合いながら進めたが、いい案がなかなか出てこない。 最後に出てきたのが、EVならではの、電気回路図の図記号からインスピレーションを得た「S」の文字を、フロントに付いているデイライトに埋め込むというもの。「VISION-S」のキーを解除すると、そこから光が放たれ、側面、ドアハンドル、テールランプへと巡っていく。) このクルマは、周囲にぐるりとセンサーが入っていて、車外環境を360度チェックするのが独自性の1つ。「OVAL=人を包む」というコンセプトのもと、「センシングで人を守るモビリティという考えを体現することができました」と石井さん。強いブランディングが行えると意見が一致した。 「ソニーグループのPurpose(存在意義)である『クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす』には、“感動”という言葉が出てくるのですが、「VISION-S」のブランディングは、まさに”心の琴線に触れる”ものになるのではないかという確信みたいなものを抱きました」(石井さん)。 その域に達することができたのは、ブランド、外観から内装、UI/UXも含め、専門領域を持ったデザイナーが1つのチームとなり、連携しながら作り上げていった成果だ。クリエイティブセンターの強みを改めて確認できたという』、「「VISION-S」のブランディングは、まさに”心の琴線に触れる”ものになるのではないかという確信みたいなものを抱きました」(石井さん)。 その域に達することができたのは、ブランド、外観から内装、UI/UXも含め、専門領域を持ったデザイナーが1つのチームとなり、連携しながら作り上げていった成果だ。クリエイティブセンターの強みを改めて確認できたという」、大したものだ。
・『事業分野を横断する「クリエイティブハブ」に  大半の企業は、事業領域が広がるにつれ、部門ごとの縦割り組織が増えていく。仕事の合理効率化ははかれるのだが、水平的な連携は弱くなりがちだ。クリエイティブセンターは、組織を横断して活動している点においてもユニークな存在だ。 例えば、ある領域で培ってきた先進的な技術について、ほかの領域に活用することができる。 「インターフェースの研究開発で培ってきたサービスデザインのノウハウを、ソニー生命のリモートコンサルティングシステムの開発に役立てるといったことも進めています」(石井さん) 分野を横断して全体とかかわれるという立ち位置も、クリエイティブセンターの特色の1つだという。 ソニーの事業領域は、今後ますます広がっていくが、それを横断的につないでシナジーを出していくのは、クリエイティブセンターが担っていくべき役割の1つでもある。「“クリエイティブハブ”と呼んでいるのですが、その幅を広げ、奥行きを深めていくのが課題の1つです」(石井さん)。またクリエイティブセンターでは「ブランディングの一環として、コーポレートビジョンをデザインする仕事が増えています」(石井さん)。 ブランディングにまつわる仕事は、外部のコンサルティング企業や広告代理店などが入って進めることが多い。が、ソニーでは、クリエイティブセンターという内部組織がかかわるというのだ。内部ならではの深い理解がブランディングに有効であること、企業の全体像を俯瞰したうえで、各社のブランディングが行えることなど、いい効果が見えてきているという。 筆者は仕事柄、経営トップに話を聞くこともあれば、さまざまなデザイナーに話を聞くこともある。そこに共通しているのは「未来を見つめる眼差しを持っていること」だ。 経営トップは、未来へ向けた方向づけをして、人や組織を動かしていく、かたやデザイナーは未来に向けた方向づけを、言葉や視覚を通してカタチ化する。経営にデザイナーが関与するのは、ブランディングに寄与するところ大と思ってきたので、これは腑に落ちる話だった。 では、クリエイティブセンターでは、どのようにブランディングを進めるのか。) 例えばソニーモバイルコミュニケーションズ(現ソニー)の場合、まずは、トップをはじめとするマネジメント層と、目指すべき方向についてディスカッションしながら「言葉」を探していく。ワークショップ形式で、思考を言語化して収斂していくプロセスを、クリエイティブセンターが導き出すかたちで進めていった。とともに、その言葉を象徴的に表現するビジュアル化を行ったという。 成果を見せてもらった。「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というメッセージのもと、ソニーモバイルのコーポレートビジョンが綴られている。(現在はXperiaのビジョンとなっている)。 「人の数だけ、好きはある。人の数だけ、愛するものがある」という文面は、表層的に整えられた言葉の羅列でもなければ、カタカナ用語が羅列された抽象的なものでもない。少しロマンティックな空気をはらみながら、読む人の心に伝わってくる。背景にある星がまたたく宇宙のビジュアルと相まって、明快でわかりやすく、読む人の心に伝わってくる力がある』、「「インターフェースの研究開発で培ってきたサービスデザインのノウハウを、ソニー生命のリモートコンサルティングシステムの開発に役立てるといったことも進めています」・・・分野を横断して全体とかかわれるという立ち位置も、クリエイティブセンターの特色の1つ」、「「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というメッセージのもと、ソニーモバイルのコーポレートビジョンが綴られている。(現在はXperiaのビジョンとなっている)」、なるほど。
・『ソニーがソニーたるゆえんとは?  発表したところ、社内外の反応が良かった。「ソニーモバイルの中で、万人に向けた普及品というより、一部であっても好きな人が選んでくれる尖ったものを出していこうという意図が、モノ作りをはじめ、社内の風土として根づいていっているのが嬉しいです」と石井さん。 今は、ソニーファイナンスのブランディングを一緒にやっているというが、これから、ソニーの業容が広がっていく中、ブランディングにまつわる仕事は重要度を増していくという。 石井さんの話を聞いていて、ソニーがソニーたるゆえんは、ほかにはない独自性を究めること、ものごとの本質を掘り下げることなど、一見するときれいごとで終わってしまう事柄について、泥臭いと言えるほど真面目に取り組み、デザインを通してカタチ化する。つまり世の中に伝え広めていくことを続けてきた――その積み重ねの成果と感じた。 しかも、1つのところにとどまることなく、前へ前へと進み続ける。時代の先端を切り拓こうと挑み続ける。その姿勢を堅持しているところが「らしさ」につながっている。若い石井さんが、これからのクリエイティブセンターをどう率いていくのか、ソニーの「らしさ」の行方が楽しみだ』、「ソニーがソニーたるゆえんは、ほかにはない独自性を究めること、ものごとの本質を掘り下げることなど、一見するときれいごとで終わってしまう事柄について、泥臭いと言えるほど真面目に取り組み、デザインを通してカタチ化する。つまり世の中に伝え広めていくことを続けてきた――その積み重ねの成果と感じた」、今後も楽しみだ。
タグ:(その9)(なぜソニーはモバイルゲーム事業を売却したのか 2つの理由と期待、ソニーがEV初参入へ見せた大胆な「らしさ」の凄み “中の人"が語る「なるほど」な独自性の生み出し方) ソニーの経営問題 ダイヤモンド・オンライン 真壁昭夫氏による「なぜソニーはモバイルゲーム事業を売却したのか、2つの理由と期待」 「大きな変化の中、ソニーといえども変化への対応が遅れれば、事業運営体制が不安定化するリスクは否定できない」、その通りだ。 「ソニーは新しいコンテンツIP創出のために組織の集中力を高めたいだろう。そのためにGSNを売却してよりスピーディーかつ多くのコンテンツIPを生み出す体制整備を加速させようとしているのではないか」、なるほど。 「ソニーは自社の持つモノづくり精神やコンテンツ創出力を、TSMCが持つ半導体製造の総合力の高さと、自動車関連分野でのデンソーの知見と結合して、新しい画像処理機能を持つセンサーや車載半導体などの創出を目指しているはずだ」、なるほど。 「ソニーを取り巻く不確定要素は増えている」、「ソニーが選択と集中を進める分野での競争も激化」、今後、「ソニー」が「市場の勝者」となれるかの否か、大いに注目される。 東洋経済オンライン 川島 蓉子氏による「ソニーがEV初参入へ見せた大胆な「らしさ」の凄み “中の人"が語る「なるほど」な独自性の生み出し方」 「本連載では、「らしさ」とは何なのかについて考察する」、興味深そうだ。 「クリエイティブセンターに籍を置くデザイナーは、ユーザーとかかわる多様な領域すべてにかかわっていると言っても過言ではない。そして、ソニーとユーザーとのタッチポイントに携わるという意味では、いわゆるブランディングの一角を担う仕事であり、「らしさ」に大きく関与している」、社内にこうした部署を持つのも「ソニーらしい」。 「クリエイティブセンター」は「大賀典雄氏が、デザインとブランドを見る組織として作ったという。業容が広がるに従い、組織の位置づけや規模の変化はあったものの、そのポジションを変わらず取り続けてきた」、「ソニーという企業の独自性の一角をなしている」、確かに興味深い組織だ。 「最初から外部のカースタイリングのスタジオに委託して進めるという手もあったのにと思うのだが、あえてその道を選ばなかった。ソニーのデザイン力を信じ、クリエイティブセンターにデザインを任せたという上層部の判断があった」、さすが「ソニー」だ。「コンセプトカー」は・・・実現性に乏しいものが少なくない。しかしソニーでは、走行はもとより、現存の基準や規定を充たすことのできる「本物」をデザインすることにした。ここにも「ほかにはない独自性を徹底して追求する」というソニーの精神が現れている」、なるほど。 「「VISION-S」のブランディングは、まさに”心の琴線に触れる”ものになるのではないかという確信みたいなものを抱きました」(石井さん)。 その域に達することができたのは、ブランド、外観から内装、UI/UXも含め、専門領域を持ったデザイナーが1つのチームとなり、連携しながら作り上げていった成果だ。クリエイティブセンターの強みを改めて確認できたという」、大したものだ。 「「インターフェースの研究開発で培ってきたサービスデザインのノウハウを、ソニー生命のリモートコンサルティングシステムの開発に役立てるといったことも進めています」・・・分野を横断して全体とかかわれるという立ち位置も、クリエイティブセンターの特色の1つ」、「「好きを極めたい人々に想像を超えたエクスペリエンスを」というメッセージのもと、ソニーモバイルのコーポレートビジョンが綴られている。(現在はXperiaのビジョンとなっている)」、なるほど。 「ソニーがソニーたるゆえんは、ほかにはない独自性を究めること、ものごとの本質を掘り下げることなど、一見するときれいごとで終わってしまう事柄について、泥臭いと言えるほど真面目に取り組み、デザインを通してカタチ化する。つまり世の中に伝え広めていくことを続けてきた――その積み重ねの成果と感じた」、今後も楽しみだ。
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