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高齢化社会(その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?) [社会]

高齢化社会については、昨年10月6日に取上げた。今日は、(その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?)である。

先ずは、2019年7月3日付け日経ビジネスオンラインが掲載した健康社会学者(Ph.D.)の河合 薫氏による「“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由」を紹介しよう。
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00030/
・『今回は「塩漬け」について考えてみる。 といっても美味(おい)しいらっきょうの塩漬けやら、白菜の塩漬けの作り方について書こうってわけではありませぬ。 “組織への塩漬け”である。 「お恥ずかしながら、私、この歳になって出社拒否になってしまって。だらしないですよね」 こう切り出した男性は某大手企業の元常務。63歳で定年となり、8カ月後に再就職。これまでのキャリアを買われての就職だったそうだ。 男性の話は実に興味深く、私自身、改めて「社会的地位」「シニア」「再就職」の難しさを痛感したので、みなさんにもご意見をいただこうと思った次第である。 というわけで、まずは男性が直面した“リアル”からお聞きください』、興味深そうだ。
・『定年後、関連会社に再就職できたのだが‥‥  「定年になったらやることがなくなって“定年うつ”になるって脅されていたんですが、私の場合は幸い次が決まってたので大丈夫でした。 息子が海外に留学してるんで女房とゆっくり海外旅行したり、97歳の父親のいる実家に帰ったり。女房も専業主婦なので、私の自由時間に付き合ってくれましてね。 みんな定年になると奥さんともめるっていうのに、まぁ、8カ月ですから。我慢してくれたんでしょう。 再就職先は関連会社です。 以前は、いわゆる天下り先だったんですか、10年くらい前から積極的に同じ業界からシニア採用をしていましてね。私のように定年組や、早期退職してきた人も結構いて、昔の上司が呼んでくれたんです。 受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれると聞いていました。給料は下がりますが、本人の能力次第では70歳までいられるんです。 私は記憶力や体力は低下したけど、気力と仕事の質には自信があった。自分はまだまだできると思っていたので、自分のキャリアを生かしてがんばろうと張り切っていました。 ところが‥‥半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまったんです。 理由ですか? まぁ、色々あります。期待に応えようとすればするほど空回りだったってこともあるし、上司とうまくいかなくてね。パワハラみたいなこともあったりで。やっぱり人間関係は大きいですね。 女房にも言えないから、家では心配させないように振るまったりして。 疲れちゃったんです。 あと‥‥せこい話なんですけど、前の会社のときはタクシーも自由に使えたし、周りも私のことをそれなりに扱ってくれた。ところが、再就職先では行きも帰りも電車だし、私はシニア社員の1人でしかない。 飲み屋ひとつとっても、扱いが変わります。 そんなのは分かっていたことだし、大したことじゃないって思っていたけど、実際に経験すると結構、プライドが傷つくわけです。 私を引っぱってくれた元上司は色々と気にかけてくれたんですが、それも情けなくて。結局、1年ももたずに辞めてしまった。周りに迷惑をかけるからそれだけは避けたかったんですが‥‥、情けないですよね』、「関連会社に再就職できた」、「昔の上司が呼んでくれた」、「受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれる」、どうみても恵まれた職場と思えるが、「半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまった」、「1年ももたずに辞めてしまった」、考察は以下で。
・『分かっていたけれど環境変化に対応できない  私みたいなのを、“塩が抜けない”って言い方をするらしいです(苦笑)。 自分では社外との人間関係があるし、趣味だってある。タコつぼ人間になっているなんて自覚は皆無でした。でも、実際は40年過ごした組織で、しっかり塩漬けになっていたんです。 幸い子どもも自立してますし、家のローンもないので、今は色々と勉強しています。そろそろ動き出さなきゃなぁと思っているので、同じ轍(てつ)を踏まないよう、次は一兵卒として再々就職先探しを始めるつもりです」‥‥以上です。 塩が抜けないーー。「手垢(てあか)がついている」という表現は今まで何度か耳にしてきたけど、言い得て妙といいますか、何といいますか。 同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する。 ちょっとだけ立ち止まって考えれば誰だって分かることなのに、それが知覚できない。過去の経験が目を曇らせてしまうのである。 そもそも私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる。心理学でいうところの「知覚」だ』、「同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する」、「私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる」、その通りだ。
・『心は習慣に大きく影響されている  例えば、知覚の強固さを明らかにしたのが米国の教育心理学者ジェローム・シーモア・ブルーナー博士の「トランプ」を用いた実験である。組織論を語るときにたびたび引用されているので、ご存じの方も多いかもしれない。 この実験はトランプに「赤のスペード」と「黒のハート」を交ぜ、ほんの数秒だけ見せて「何のカードだったか?」を聞くという、実にシンプルなものだった。 普通に考えれば、視覚はきちんと目の前の情報を捉えるはずである。ところが、黒の「ハートの4」は「スペードの4」に、赤の「スペードの7」は「ハートの7」に見えてしまうことが分かった。 「黒はスペード」「赤はハート」という常識が、目を曇らせる。人間には一貫性を好む傾向があるため、過去の常識が見えているものまで変えてしまうのである。 おそらく件の男性は、自分では気づかぬうちに、自分が法律になってしまっていたのではないか。 「人間関係は大きかった」と男性が語るように、塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう。) では、いったいなぜ、塩は抜けないのか? それは「再就職=転職」 という認識の乏しさにあると、個人的には考えている。 「再就職が転職だなんて、当たり前だろ!? 何を言ってるんだ!!」と口をとがらせる人もいるかもしれない。 が、“再就職”という言葉が象徴するように、定年後、あるいは定年前に途中下車した人たちの転職は、「今の延長線上にある」というイメージが強い。 再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物。とても難しいことかもしれないけど、その過去を一掃しない限り適応は無理。一時的でもいいから決別すべきだ。 たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ』、「塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう」、「再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物・・・その過去を一掃しない限り適応は無理・・・たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ」、同感である。
・『再就職での組織社会化はなかなか難しい  それは「組織内における自分の居場所を確立するために、必要な知識や技術を獲得するプロセス」である「組織社会化」を意識し、成功させること。 一般的には組織社会化は新卒社会人に対して用いられるが、実際には昇進や異動などに伴い、改めての組織社会化=再社会化が求められる。 特に、再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい。 ひとつの組織で、長い時間をかけて、1つひとつ手に入れてきた外的なリソースが邪魔してしまうのだ。 とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応(=組織社会化)すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである。では、いったいなぜ、塩は抜けないのか? それは「再就職=転職」 という認識の乏しさにあると、個人的には考えている。 「再就職が転職だなんて、当たり前だろ!? 何を言ってるんだ!!」と口をとがらせる人もいるかもしれない。 が、“再就職”という言葉が象徴するように、定年後、あるいは定年前に途中下車した人たちの転職は、「今の延長線上にある」というイメージが強い。 再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物。とても難しいことかもしれないけど、その過去を一掃しない限り適応は無理。一時的でもいいから決別すべきだ。 たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織の一員になることが先決なのだ』、「再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい」「とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応・・・すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである」、なるほど。
・『権力(power)の働きがシステマティックに埋め込まれた会社組織では、権力者の言動は上司・部下関係のみならず、関連する団体や組織や一般社会にも影響を与え、権力者はそれによって他者からの干渉を免れることが可能となる。 その結果、周りが権力者に黙従せざるを得ないという非対称の人間関係が生まれ、権力者の思い通りに周りが勝手に動くため、自らエネルギーを費やさずとも、周りが勝手に居場所を作ってくれる。件の男性の言葉で言い換えると「それなりに扱ってくれる」のである。 ゆえに、偉い人が、再社会化するのは‥‥チョモランマを制覇するようなもの。極めてハードルが高い作業なのだ。 組織社会化では、 ・自らに課された仕事を遂行する ・良好な人間関係を築く ・組織文化、組織風土、組織の規範を受け入れる ・組織の一員としてふさわしい属性を身に付ける の4点が課題となり、新卒の場合にはこれらを包括的に獲得していくことが求められる。 ところが、熟練したキャリアの持ち主の再社会化には、「良好な人間関係の構築」が最優先課題となる。 なんせ、ただでさえ、注目されてしまうのだ。自分たちの居場所に新規加入した“偉い人”が、 「自分たちを大切に扱ってくれるだろうか?」「自分たちにどんな利益をもたらすのだろうか?」「ホントウに信頼に値する人物なのだろうか?」‥‥etc.etc. と周りは不安になる。) 受け入れる「上司」も例外ではない。 以前、件の男性と同じようなカタチで再就職した人が「シニアがシニアを教育するのは、とても難しい」と話してくれたことがあった。上司となるシニアのほうは「見下されないようにしなきゃ」という警戒心を無自覚に抱いてしまうのだろう。 まさにシニアvsシニア、プライドの戦いである。 いや、それだけではない。 これまたややこしいことに、とりわけ権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ。 もっとストレートに言いますと‥‥、バカにする。 いや、もっと正確に言い換えると、年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである。 ふ??っ‥‥』、「権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ」、「年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである」、全く困った傾向だ。
・『自分から動いて関係を作っていくしかない  書いているだけで切なくなってしまうのだが、「まぁまぁ、常務さん、くつろいでくださいよ?」などとチヤホヤしてくれる人は、新天地にはいないことを、しかと受け止め、自分からアクションを起こし、受け入れる側の不安や警戒心を解きほぐすしかない。 時には「これってどうやるのかね?」と周りに問い、時には「ありがとう」と感謝し、時には「すみません」と頭を下げる。そういった基本的でシンプルかつ、顔の見えるコミュニケーションにより、周りの信頼感が熟成され、適応を手助けしてくれるに違いない。 「結果を出さなきゃ」と前向きな気持ちがあると、つい自分の存在意義を示したくなるのが人間の性癖だが、急がば回れ。1年、いや2年たったときに「あなたに来てもらってよかった」と1人でも言ってくれる人がいたらもうけもんだ!くらいの気持ちで、人間関係作りに専念したほうがいい。) 実はこういった小さなアクションを、現役、すなわち定年になる前からできるようになっておくと、案外スムーズに適応が加速する。専門用語でいうところの「予期的社会化」、平たくいうと「準備運動」である。新入社員の準備運動が「キャリア準備」なのに対し、再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった。そういう人たちは例外なく「名刺が全く役立たないゆるい人間関係」を持っている人だった。 ある人は資格を取るために通った専門学校で。 ある人は町内会で。 ある人はボランティアで。 年齢もバラバラ、会社もバラバラ、性別もバラバラ、のコミュニティの一員になったことで、 ある人は自分がいかに恵まれているかが分かった、と語り、 ある人はそこにいくと自分が若手だった、と笑い、 ある人は何年ぶりかに「ありがとう」と言われた、と顔をほころばせた。 ‥‥自分のことは他人を通じてしか分からない』、「「準備運動」・・・再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった」、やはり「準備運動」がカギのようだ。河合氏の最近の記事は有料になっているので、殆ど紹介できないが、この記事は古く無料だったので、紹介できた。

次に、本年2月22日付け東洋経済オンラインが掲載した精神科医の和田 秀樹 氏による「仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/500493
・『仕事を辞めた途端、急に老け込む人がいます。なぜ人は労働をやめると、老け込むのか? 精神科医の和田秀樹氏による新刊『70歳が老化の分かれ道』より一部抜粋・再構成してお届けします。 要介護となる時期をなるべく遅らせて、70代以降も元気に過ごすためには、最後の活動期である70代の過ごし方がカギになります。ここでは、70代の人がどのような生活を心がければいいのかをみていきましょう。 定年延長や定年後の再雇用など、高齢になっても働く環境が整備されつつありますが、それでも、70代ともなれば、いままで勤めていた会社を退職している人が多いのではないでしょうか。 70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです。これまで懸命に働いてきたのだから、退職したらもう何もせず家でゴロゴロ過ごしたいと、指折り退職の日を待っている人もいます。 しかし、70歳まで現役で仕事をしていた人が、退職後の生活に何をやるのかを考えることもなくリタイアすると、一気に老け込んでしまうことが多いのです』、「70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです」、その通りだろう。
・『なぜ働くと老けないのか?  働いているときは、デスクワークのような仕事であっても、通勤などで思っている以上に身体を使っているものです。それなのに、退職してから家にこもりがちになってしまうと、70代の人なら1ヵ月もすれば、運動機能はずいぶんと落ちてしまいます。 また、脳機能の面でも、働いていれば、日々、それなりの知的活動や他者とのコミュニケーションがあり、さまざまな出来事にも遭遇することになりますが、ただ家で過ごしているだけでは、そういった脳の活動はなくなり、認知症のリスクが高まっていきます。 特に、前頭葉の老化が一気に進んでしまいます。前頭葉とは、創造性や他者への共感、想定外のことに対処するといった機能をもつ部分です。ここが老化していくと、何事にも意欲がなくなり、活動することがおっくうになって、運動機能の低下と脳の老化にさらに拍車がかかります。見た目の印象でも、はつらつとしたところが失われた、元気のない老人に変貌してしまうのです。) そうならないためにも、退職を迎えたら、これまでの仕事の代わりに次に何をやるのか、準備をしておくことが大切です。退職して、しばらくゆっくりしてから次のことは考えようなどと思っていると、いつの間にか、ダラダラと過ごす生活に流されて、それが習慣になってしまうということもあります。 70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます。歳をとるほど、意欲が低下していくのは自然のことで、そもそも70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です。 現在は年金も少ないですから、何か新しい仕事を始めるということも、ひとつの選択肢でしょう。金銭的な面だけでなく、老化を遅らせるという面からみても、退職後に、また新たな職場で働き始めるということはとてもいいことです』、「70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます」、前頭葉の「老化」が「40代から進んでいます」、とは驚かされた。「70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です」、その通りだ。
・『隠居にはリスクがともなう  歳をとったら隠居生活もいいものだ、と考えている人ももちろんいるでしょう。しかし、70歳を過ぎてそのような生活に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがあることを十分に理解しておいてください。 寿命が延びて、90歳、100歳まで生きるようなこれからの時代は、歳をとったので「引退する」という考え方自体が、老後生活のリスクになります。引退などと考えず、いつまでも現役の市民であろうとすることが、老化を遅らせて、長い晩年を元気に過ごす秘訣です。 たとえば、何かの商店主をやっている人、建築士や税理士など資格をもって70代まで仕事をやってきたような人が、「〇歳を機に仕事を辞める」というようなことがありますが、そのような選択はけっして得策ではありません。 農業や漁業、職人のような仕事もそうですが、自分が辞めると決めない限り、続けられるような仕事であるなら、身体がもつ限り、できる範囲で一生続けることが 老化を遅らせるいい方法です。 勤め人であっても、役職からは年齢によって外されることもあるかもしれませんが、「働く」ということからは、引退する必要などありません。アルバイトや契約社員など、どのような形態であっても、「仕事」を通して社会とのかかわりをもち続けることが、活動レベルを落とさず、若々しくいる秘訣だと私は思います。 退職後も社会とかかわっていくという意味では、もちろん「仕事」がすべてではありません。町内会の役員や、マンションの管理組合の役員、趣味の集まりの役職などでもいいのです。ボランティア活動も、退職後の社会参加としてはひとつの選択肢です。 誰かと協働し、誰かの役に立ったり、誰かに必要とされていると感じることは、いつまでも現役意識を維持することに大いに役立つはずです。 70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です。それが、一気に老け込むことを防いでくれます』、70歳を過ぎて「隠居生活」「に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがある」、「70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です」、同感である。
・『なぜ長野県民は長生きなのか?  働き続けることが、私たちの老化を遅らせ、いつまでも若々しくいさせてくれるとは前述しましたが、そのことはデータでも裏づけられています。 長野県はかつて、都道府県のなかでも平均寿命のデータは下位に位置していましたが、1975年に男性が全国第4位となり、その後上昇しはじめ、1990年以降、全国1位を何度も記録しています。 女性においても、2010年の調査で第1位となり、男女ともに平均寿命の都道府県ナンバーワンになりました。厚生労働省の最新の発表である2015年の調査結果でも、男性が81.75歳で全国第2位、女性が87.67歳で第1位です。 これほどまでになぜ、長野県が長寿県なのか、さまざまな推測がなされました。長野県には、イナゴや蜂の子などの昆虫を食べる習慣があるからだとか、地形的に山間部が多く、山道をよく歩いて足腰が鍛えられているからだといった理由が挙げられたこともあります。 しかし、近年では、昆虫を食べることも減ってきていますし、自動車の普及が進み、山道を歩くことも少なくなってきていますので、この仮説にはあまり説得力がありません。 私は本当の理由は、長野県の高齢者の就業率にあるのではないかと考えています。長野県はこれまで、高齢者就業率において都道府県ナンバーワンを何度も記録しています。 総務省統計局発表の最新のデータでも、2017年10月1日現在、高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています。 家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしているのだと考えます。 このことは、沖縄の平均寿命と就業率の関係からも見て取れます。沖縄県は長寿県のようなイメージがありますが、実際は、女性は長寿ですが、男性の平均寿命は全都道府県中30位以降にあり、全国平均を下回っています。) 先ほどの厚生労働省の2015年の調査でも、全国36位という下位に位置しています。一方、女性のほうは全国で7位という好位置にいます。 なぜ、沖縄の男性と女性は、ほぼ同じような遺伝子をもち、同様の気候風土のなかで生活しているにもかかわらず、これほどまで平均寿命が違うのか。私はその理由も、就業率に隠されているのではないかと考えています。 沖縄県の男性高齢者の有業率は、全国最下位なのです。このことが、男性の平均寿命を下げている要因のひとつではないかと見ています。女性の場合は若いときから専業主婦の人もいますし、高齢になっても、家事を一手に担っている場合もあるので、就業率自体が男性ほど寿命に影響を及ぼさないのかもしれません。 しかし、男性においては、働いているかどうかが、平均寿命の長さにかなり影響していると考えられます。 長野県では高齢者1人当たりの医療費が、全国最低レベルという調査結果もあります。つまり、歳をとっても元気な人が多いのです。 働き続けるということが、高齢になっても活動レベルを落とさない手っ取り早い方法なのです。そのことが、身体や脳の老化を遅らせることに役立ち、元気な70代、80代を可能にしてくれます。 ただし、歳をとってからの働き方は、若いときのものとは変えるべきだと私は思います。お金や効率だけを求めるような働き方から、自分の経験や知識を生かして、誰かを助け、社会の役に立つということに価値を置いてもいいのではないでしょうか』、「高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています」、「家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしている」、なるほど。
・『年齢を重ねたからこそやれることがある  失敗学を提唱する東大名誉教授の畑村洋太郎さんは、今後は定年退職した人が就ける本当の意味での「相談役」というポストを企業はつくったらいいと言っていました。現在、相談役というと、取締役を退任した人のポストであり、偉そうにしているだけで、本当の相談相手にはなっていません。そうではなく、本当に相談のできる相談役をつくったらどうかという提案です。 定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません。これは働く人たちのメンタルヘルス的にも、とてもいいアイデアだと私も思いました。 高齢になれば、自分の経験や知識を誰かのために生かすという働き方もあるのです。お金ばかりを求めていても、歳をとれば若いときのような成果を得ることはだんだん難しくなっていきます。思ったように働けないことも増えてきます。そんなとき、自分が無価値な存在になってしまったと落胆する人もいます。 しかし、どれくらい稼ぐかとか、どれくらいの成果を上げるかといったことは、働くということのある一面にしかすぎません。どれくらい社会の役に立っているのかといった視点があってもいいですし、高齢になればそういった価値観に軸足を移して働いてもいいと私は考えます。 どんなことでもいいから、ほんの少しでも社会にかかわったり、何かの役に立つことは、誰にでもできるはずです。そのことに価値を見いだし、高齢になっても働き続けることが、老化防止の最良の薬になるのではないかと私は考えています』、「畑村氏」の「相談役」「提案」、「定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません」、同じ職場では若手が遠慮したり、管理職も遠慮するなど居心地は決して良くないだろう。違う職場であれば、そうしたマイナスはないが、「若手」への「アドバイス」はあくまでも一般的なものに留まってしまう。実際の組織を知らない学者の限界だろう。

第三に、5月8日付け東洋経済オンラインが掲載した 下北沢病院 院長の菊池 守氏による「「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?」を紹介しよう。
https://toyokeizai.net/articles/-/585066
・『長引くコロナ禍で「歩けない」高齢者が増えつつあります。歩行困難な状況は、単に移動に困るだけでなく、さまざまな健康上の2次被害を引き起こす恐れがあります。大事なのはどんな状況下でも歩く力を衰えさせないこと。日本初の足の総合病院「下北沢病院」の菊池守医師の著書『2万人の足を診てきた名医が教える弱った足でもぐんぐん元気になる!スタスタ体操』より、高齢者の足を守る方法を一部引用・再構成してお届けします』、興味深そうだ。
・『歩かない高齢者の筋力は急速に衰える  「何かにつかまらないと立てない」「歩くとふらついて、バランスをくずす」ご高齢の方からこんな声を聞く機会が増えました。 あなたの親御さんや、親類の方にも同様の悩みを抱える方がいるのではないでしょうか。コロナ前は散歩くらいなら問題なくできていたのに、久しぶりに外に出ようとしたら、思わぬ困難に直面して驚くケースが増えています。 長く続いた外出自粛のせいで、あまり外に出なかった高齢者の足が弱ってしまったせいです。このままでは、歩くことが困難になり、近所のお店に買い物に行くことすらも難しい状況になりかねません。 コロナウイルスに感染しないために、外出自粛はやむをえない措置でした。 ただ、「歩けなくなる」ことは、高齢者の健康にどれだけ大きな影響を与えるのか、一般にはきちんと認識されていないように思います。 「歩くことは健康にいい」という漠然としたイメージはあっても、具体的にどのような健康効果があるのでしょうか。たとえ万歩計を毎日持ち歩いたとしても、いったいどのくらいの距離を歩けば効果があるのかよくわかりません。 そこで、ご紹介したいのが「中之条研究」です。 中之条研究とは、群馬県にある中之条町で2000年から実施されたモニタリング研究のこと。中之条町で暮らしている65歳以上の住民およそ5000人を対象に、日頃の運動の頻度や生活習慣、睡眠時間、食生活など、健康に関する詳細な調査が、15年以上にわたって行われました。 さらにこの調査では、被験者5000人のうち、2000人に対しては血液検査や遺伝子解析を実施し、さらに詳しく健康状態を調査。 そのうち500人には身体活動計を携帯させ、毎日の歩数とそのスピードを365日にわたって記録しています。 世界でも類を見ないこの詳細な研究により、どのような運動をどのくらい行えば健康維持に役立つのかが、具体的に突き止められたのです』、「中之条研究」は初耳だが、どんな結果なのだろう。
・『健康を維持するためには1日8000歩が必要  結論から言えば、健康を維持・増進するためには、1日平均8000歩以上歩くことが理想的。また、ただ歩くだけでなく、早歩きなど中強度の活動が20分以上ふくまれていれば、さらにさまざまな病気に対する予防効果が得られることがわかりました。 ここでいう中強度の活動とは、うっすらと汗ばむ程度の速さで歩くことを意味しています。ウォーキング以外でいえば、雑巾がけやラジオ体操など、多少息がきれてもどうにか他人と会話ができる程度の運動のことです。 たとえば、1日2000歩の歩行量を維持するだけでも、筋肉のおとろえを防ぐことができ、結果として寝たきりになるリスクを軽減することができます。 1日4000歩では、運動による血流促進はもちろん、風景や環境の変化が脳にあたえる刺激がリフレッシュ効果を生み、うつ病予防の効果が認められました。 1日7000歩なら、血流が維持されることによって血管が鍛えられ、ガンや動脈硬化に対する予防効果があります。さらに、鍛えられるのは血管や筋肉だけでなく骨も同様であるため、骨粗しょう症や骨折を防ぐ効果も期待されます。 そして、1日8000歩なら、高血圧症や糖尿病、脂質異常症の予防にまで効果がおよぶと、中之条研究では結論づけられています。) 2022年5月現在はまん延防止等重点措置も解除され、外出する高齢者も徐々に増えつつある状況かと思います。 しかし、「歩きたくても歩けない」ようだと、感染症以外の健康被害がこれから増加する可能性が高いのです。場合によっては、寿命に影響を及ぼす恐れもあります。 高齢者自身も「このままではまずい」と不安に駆られている方が多いのか、とりあえず筋トレを始めたり、部屋を何周も歩くなどの自己流のリハビリを始める方も増えているようです。 そうした努力を否定するわけではありませんが、足の専門医の立場からすると少々効率が悪いようです。 大事なのは「歩く」ことに直接関連する箇所を優先的、かつ集中的にトレーニングすること。それだけで、「歩く」力を保つことができるようになります』、「中之条研究」には触れられてないが、免疫機能も歩数が増えるにつれ強化される筈だ。
・『高齢者が優先的にトレーニングすべき3つの要素  では、それはどの箇所なのか。 それが次の3つです。 ●土ふまずのかたち ●足裏の筋力 ●足首のやわらかさ こうした要素が整うことで、体重が理想的に分散され、足に無理な負担をかけずに歩くことができます。筋肉や関節などが衰えてくると3つの要素のバランスが崩れ、特定の部位に過度な負担が生じて、痛みの原因になったりします。 前述した3つのうち、「土ふまずのかたち」「足裏の筋力」に深く関連するのが後脛骨筋と内在筋という2つの筋肉です。私は歩くことに深く関係する2つを合わせて「スタスタ筋」と呼んでいます。 もちろん、この2つ以外にも歩行にはさまざまな筋肉が複雑に関係しているのですが、少しでも早く歩くことを望むのであれば、まずは「スタスタ筋」を鍛えることを意識してください。 そのうえで、足首のやわらかさを身につけましょう。いわゆる「アキレス腱伸ばし」で、足首のやわらかさは身につくのですが、やり方にコツがあります。体育の授業で皆さんが習ったやり方では不十分です。 筋力と柔軟性を同時に身につけることで、足は「最速」でよみがえります。 拙著では、スタスタ筋を鍛え、足首の柔らかさが得られる1日5分でできる簡単な「スタスタ体操」をご紹介しています。歩行困難であった80代の高齢者が、無事に歩けるようになった事例なども載っています。 コロナの影響で、高齢者の健康が危機的な状況にある今だからこそ、高齢者の足を衰えさせないことに注意を払わなくてはいけないと強く感じます。 これを機に、あなたの周囲にいる、ご高齢の親族の足の健康について、真剣に考えてみてはいかがでしょうか』、「●土ふまずのかたち ●足裏の筋力 ●足首のやわらかさ こうした要素が整うことで、体重が理想的に分散され、足に無理な負担をかけずに歩くことができます。筋肉や関節などが衰えてくると3つの要素のバランスが崩れ、特定の部位に過度な負担が生じて、痛みの原因になったりします」、これまで散歩時には意識してないが、明日から3要素にも気を付けてみよう。
タグ:高齢化社会 (その17)(“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由、仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない、「外出控え」高齢の親が寿命を縮める本当のワケ 優先的にトレーニングすべき3つの要素とは?) 日経ビジネスオンライン 河合 薫氏による「“塩漬け”おじさんが定年後再就職で失敗する理由」 「関連会社に再就職できた」、「昔の上司が呼んでくれた」、「受け入れ体制はきちんとしていて研修期間もあるし、シニアも戦力としてみてくれる」、どうみても恵まれた職場と思えるが、「半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまった」、「1年ももたずに辞めてしまった」、考察は以下で。 「同じ業界でも会社が変われば文化も変わる。それまでのやり方、それまでの考え方、それまで使っていた用語とは似て非なるものが山ほど存在する」、「私たちの心は自分が考える以上に習慣に動かされる。インプットは同じでも、心がどう処理するかでアウトプットが変わる」、その通りだ。 「塩漬けになった心は、時に自分の価値観にそぐわぬ人を見下してしまったり、バカにしてしまったり、傷つけてしまったりすることもある。 本人に自覚がないだけに、“お偉い”言動が周りとの距離を広げてしまったのだろう」、「再就職とは転職であり、どんなに培ってきたキャリアがあろうと、どんなに高い役職に就いていたとしても、それは過去の遺物・・・その過去を一掃しない限り適応は無理・・・たとえどんなに自分のキャリアが生かせる職場でもあっても、どんなに自分のキャリアが評価されての「引き」の“再就職”であっても、まずはその組織 「再就職での組織社会化は極めて重要であると同時に、実に難しい」「とりわけ階層組織の上層部にいた人ほど、てこずりがちだ。本来、適応・・・すること自体に莫大なエネルギーを注ぐ必要があるが、高い役職に就いて権力を手に入れたことで、エネルギーをどこから、どう捻出すればよいかさえ分からなくなってしまうのである」、なるほど。 「権力ある地位にいた人ほど、思考が短絡化され、属性にひもづけられたステレオタイプで他者を見てしまいがちだ」、「年を取っていると思われたくない、大したことないと思われたくないという気持ちから、「自分がバカにされないように、相手をバカにする」のである」、全く困った傾向だ。 「「準備運動」・・・再就職者のそれは「コミュニケーションの仕方の再認識」。組織社会化は組織に入る前から始まっていて、準備運動をどれだけ入念にやっていたかで、適応できるかどうかが左右されるのである。 実際、これまで私がインタビューしてきた人で、再就職に満足している人は例外なく、準備運動のできている人だった」、やはり「準備運動」がカギのようだ。河合氏の最近の記事は有料になっているので、殆ど紹介できないが、この記事は古く無料だったので、紹介できた。 東洋経済オンライン 和田 秀樹 氏による「仕事を辞めた人ほど「老け込んでしまう」納得理由 「◯歳を機に仕事を辞める」のは得策ではない」 「70代に一気に老け込む人の典型は、仕事をリタイアしたときから、一切の活動をいっぺんにやめてしまうというケースです」、その通りだろう。 「70代は元気とはいえ、前頭葉の老化はすでに40代から進んでいます」、前頭葉の「老化」が「40代から進んでいます」、とは驚かされた。「70代になれば意欲が若いころより低下していることが普通です。家にこもるような不活発な生活スタイルを自然にしがちな年齢でもありますので、意識して退職後の活動を決めておくことが大切です」、その通りだ。 70歳を過ぎて「隠居生活」「に入ってしまうと、一気に脳機能、運動機能を老化させてしまうリスクがある」、「70代になったら、ことさら「引退」などということは考えず、現役の意識を維持することが大切です」、同感である。 「高齢者の有業率は長野県の男性が41.6%で全国第1位。女性も21.6%で第1位です。私は少なくとも男性においては、この就業率の高さが平均寿命の長さに反映していると考えています」、「家にこもることなく、働くことが運動機能、脳機能の老化を遅らせ、高齢者の寿命を延ばしている」、なるほど。 「畑村氏」の「相談役」「提案」、「定年退職した人がそのポストに就き、仕事上の悩み事、人間関係の悩み、モラハラ、パワハラ問題などを抱えた社員の相談相手になるのです。定年退職をした人ですから、社内の利害関係もありませんし、自分の経験を踏まえて、若い人たちに有益なアドバイスを送ることもできます。 場合によっては、「部長には私から言っておいてあげるよ」などと、これまでの人間関係を生かして、問題を丸く収めることもできるかもしれません」、同じ職場では若手が遠慮したり、管理職も遠慮するなど居心地は決して良くないだろう。
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