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外食産業(その4)(【独自】すき家「ワンオペ」で死者が 店内で倒れて3時間放置されていた女性従業員、「生ビール半額」品切れで批判殺到…スシロー社長の報酬は約2億1000万円 THIS WEEK「経済」、いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか 大勝から大敗へ、創業者の一瀬邦夫氏が社長辞任) [産業動向]

外食産業については、昨年7月19日に取上げた。今日は、(その4)(【独自】すき家「ワンオペ」で死者が 店内で倒れて3時間放置されていた女性従業員、「生ビール半額」品切れで批判殺到…スシロー社長の報酬は約2億1000万円 THIS WEEK「経済」、いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか 大勝から大敗へ、創業者の一瀬邦夫氏が社長辞任)である。

先ずは、本年6月1日付けデイリー新潮「【独自】すき家「ワンオペ」で死者が 店内で倒れて3時間放置されていた女性従業員」を紹介しよう。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/06011131/?all=1
・『事実を認めた「すき家」  2014年、従業員一人で店を切り盛りする「ワンオペ」勤務の実態が明るみに出て非難にさらされた牛丼チェーン・すき家。この問題でゼンショーは“ブラック企業だ!”と非難を受け、第三者委員会を設置。その報告書ではワンオペの問題点が厳しく指摘された。しかし、今年1月、過酷な「ワンオペ」がきっかけとなり、死者が出てしまったのだ。 亡くなったのは、名古屋市郊外の店舗に勤務していた50代の女性従業員・中井さん(仮名)。1月17日に帰らぬ人となった。 「週刊新潮」の取材を受けた同社の広報は事実を認め、 〈勤務中にお亡くなりになった中井さん、そしてご家族のみなさまには心よりお悔やみ申し上げます〉と述べた』、酷い話だ。
・『3時間も放置  同社によれば、亡くなった17日の前日の22時に出勤し、2人体制で勤務。7時間働いた後、翌17日5時に同僚が帰り、そこから続けて朝の9時までの予定で、シフト通りの「ワンオペ」勤務に入ったという。しかし、それから30分も経たない5時26分に、厨房内で倒れた。その後、朝食の時間帯には客も入店したというが、店員の姿が見えないので不審に思ったのかすぐに退店。結局、彼女は3時間も放置され、8時44分、9時からのシフト交代で訪れた従業員によってようやく発見された。 その後、病院に運ばれたものの、死亡が確認された。死因は心筋梗塞だったという。 もし5時以降も店に複数の従業員がいれば、中井さんの命が救われていた可能性もあった。すき家の“ブラック”な労働環境が改善されなかったために起きた悲劇といえるだろう。6月2日発売の「週刊新潮」では、件の店舗に勤務している従業員の証言と併せ、「すき家」の労働環境について詳しく報じる。 週刊新潮 2022年6月9日号掲載』、「シフト通りの「ワンオペ」勤務」、5時から9時までの4時間は「ワンオペ」が組み込まれていたとは、2014年の事故の教訓はまるで生かされてないことになる。これでは、「“ブラック企業だ!”」批判は収まらないだろう。

次に、8月13日付け文春オンラインが掲載した経済ジャーナリストの森岡 英樹氏による「「生ビール半額」品切れで批判殺到…スシロー社長の報酬は約2億1000万円 THIS WEEK「経済」」を紹介しよう。
・『回転寿司チェーン「スシロー」を運営する「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)。7月13日から実施中の「生ビール半額キャンペーン」について、一部店舗で品切れ状態になっていることが発覚し、来店客から批判が殺到している。 「そもそもスシローは、ウニやカニの激安キャンペーンに関して、6月9日に消費者庁から景品表示法違反(おとり広告)に基づく措置命令を受けたばかりでした。親会社FOOD&LIFE COMPANIESの水留浩一社長(54)は、7月から3カ月間、基本月額報酬の三割を自主返納すると発表。今回の生ビール半額問題はその矢先のことでした」(メガバンク幹部)』、管理の基本がおろそかになっているようだ。
・『企業再生を得意とする“プロ経営者” 役員報酬は約2億1000万円  トップの水留氏とはどんな人物なのか。東京大学理学部を卒業後、1991年に電通入社。5年間の営業経験などを経て、独コンサル会社の日本法人代表に就任する。2010年にはJALの管財人代理として、更生計画の策定・実行に携わった。 「企業再生を得意とする“プロ経営者”です。スシローや京樽を傘下に置くFOOD社の社長に招かれたのは、15年。それまでFOOD社は株主の対立などから経営体制が盤石ではなく、09年に一旦、上場廃止になっていました。それが水留氏の社長就任後、2年で再上場を果たした。時価総額もピーク時で、約5倍に膨らんでいます」(同前) そうした実績ゆえに、手にする報酬も高額だ。昨年9月期の役員報酬は約2億1000万円。自宅は都内の高級マンションで価格は2億円前後と見られる。 「水留氏の持論は、雇用の維持をはじめ、現場のモチベーションを大事にすることが再生の近道というもの。しかし、それを実行できているかと言えば、疑問が残ります」(同前)』、“プロ経営者”としての「報酬」が「高額」なのは、「社長就任後、2年で再上場を果たした。時価総額もピーク時で、約5倍に膨らんでいます」、ことを反映したものなのだろう。しかし、足元の不手際で今後は削減される可能性がある。
・『キャンペーン中に広告の問題点が報告されたが、修正されず  実際、おとり広告に関する調査報告書では、社員らが声を上げにくい企業風土が厳しく批判されていた。 「現場の混乱を招いたと指摘されているのが、激安キャンペーンと並行する形で、急遽実施した『禁断の90円セール』です。報告書には〈「当社及びスシローの代表者の鶴の一声で90円セールの実施が決定した。」と述べるヒアリング対象者が複数存在〉と記されていました」(同前) それだけではない。 「キャンペーン中に広告の問題点が経営会議に報告されたにもかかわらず、軌道修正が図られることはありませんでした。報告書では〈役員が決定した方針には逆らえない〉〈上席者の決定した内容が絶対的〉とも指摘されています」(同前) 水留氏ら経営陣が握っているのは、寿司ではなく、強すぎる権限だった』、「キャンペーン中に広告の問題点が経営会議に報告されたにもかかわらず、軌道修正が図られることはありませんでした。報告書では〈役員が決定した方針には逆らえない〉〈上席者の決定した内容が絶対的〉とも指摘されています」、典型的な上意下達型組織だが、それが上手くいくためには「上意」が正しくなければならない。同社のように、「上意」が間違っていれば、弾力的に修正してゆく必要があろう。

第三に、8月16日付け東洋経済オンラインが掲載した 経済評論家・百年コンサルティング代表の鈴木 貴博氏による「いきなり!ステーキはなぜここまで凋落したのか 大勝から大敗へ、創業者の一瀬邦夫氏が社長辞任」を紹介しよう。
・『「いきなり!ステーキ」を展開するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長CEOが業績不振の経営責任を明確にするという理由により、8月12日付で辞任しました。一瀬氏は取締役も退き、後任社長には長男で副社長の一瀬健作氏が就きました。 ペッパーフードサービスは1985年設立。2006年に株式を上場した頃は「ペッパーランチ」を主力業態としていましたが、一瀬氏の手により、いきなりステーキの第1号店を2013年に開業し、すぐに熱狂的なブームを巻き起こし、チェーン店経営史上最速と呼ばれるペースで全国に広がりました』、一時はニューヨークにも「いきなり!ステーキ」を出店し、意気軒高だったが、2019年2月の脇田勝利のブログによれば、一部をペッパーランチに業態変更、他は閉店となる。日本流のステーキ店の押し付けは通用しなかったようだ。
https://marketing.yoka-yoka.jp/e2063139.html
・『業績急拡大も急速な新規出店がアダに  2000年代には70億円台がピークだった売上高は倍々ゲームで600億円規模まで急拡大。ところが新規出店ペースが速すぎて店舗同士が顧客を取り合い、開業5年後の2018年に既存店での売り上げ減少が始まります。(外部配信先ではグラフなどの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください) 翌2019年12月期は売上高が675億円まで増えたのに赤字へと転落し、不採算店の閉鎖が増加します。2020年には財務状況の改善のため1994年から運営を続けてきた業態のペッパーランチを売却せざるをえない事態になります。時を同じくして日本の外食産業をコロナ禍が襲い、直近の売上高は200億円を切り、赤字がまだ続いています。状況が改善しないまま一瀬邦夫社長が経営責任をとることになったというのが冒頭のニュースです。 まさにジェットコースター経営と呼ぶべきいきなりステーキの栄華と転落の軌跡について、何がここまでのブームを巻き起こし、なぜ急速な衰退へと向かったのでしょうか。 まずはいきなりステーキの栄華の歴史を振り返ってみましょう。 「本物のステーキを低価格で提供する」 すでにペッパーランチで成功していた一瀬邦夫氏が2013年当時あたためていた新事業の構想でした。その構想を後押ししたのが「俺のフレンチ」で一世を風靡した故坂本孝氏でした。 坂本氏のアドバイスと「僕はステーキに進出するつもりはないからあなたがやったらいい」というお墨付きで一瀬邦夫氏が新たに起業したのが「いきなりステーキ」の銀座1号店でした。 そのビジネスモデルは、 1. 高品質のステーキ肉を原価率70%超というコスパの高い価格設定で提供する 2. 薄利でも利益を上げられるように立ち食いスタイルをとり顧客回転率を上げる 3. 肉マイレージでリピーターに手厚く還元することで固定客を取り込む というものでした。 それまで高級ステーキというものは特別な日に誰かと一緒に食べるものでした。ところがいきなりステーキの登場はその「高級ステーキを」「日常的に」「おひとりさまが」食べるという新需要を創造しました。 一瀬氏が狙った低価格戦略も顧客に刺さります。当時の価格ではリブロースが1g=6円(当時の税別表記、以下同じ)、サーロインが1g=7円、ヒレが1g=9円という価格設定で、これはファミレスの中でも高価格高品質を売りにするロイヤルホストのアンガスビーフのサーロインステーキがグラム単価10円超だったのと比較しても非常に魅力的な価格設定でした。 2015年頃になるとブームが定着し、都内50店舗を超えたいきなりステーキではランチタイムに長蛇の行列ができるようになりました。そこからフランチャイズ方式で店舗数は全国に急拡大します。 ステーキ専門店の急拡大に必要な料理人の確保についても、たとえば調理経験者を再雇用し、ステーキを焼くというスキルにフォーカスして再教育するといった形で、当時、店舗運営の観点でもビジネスモデルに隙はないように見えました。 立ち食いという競合他社にない運営形態から顧客回転率は非常に高く、2018年には品川シーサイドフォレスト店が一日に1734食を提供して「レストランにて24時間で販売されたビーフステーキ最多食数」のギネスブック認定の世界記録を打ち立てます』、「いきなりステーキの登場はその「高級ステーキを」「日常的に」「おひとりさまが」食べるという新需要を創造しました」、その意味では画期的だった。
・『リピーターがブームを支える  当時、ブームを支えたのがリピーターです。この時期、いきなりステーキがヒットしたもうひとつの背景としてダイエットで一世を風靡したライザップが巻き起こしたロカボダイエットブームがありました。 ライザップに入会してダイエットに成功した人がわずか2カ月でメタボ体型から筋肉質のスリムな体型へと激変する秘密は綿密なパーソナルトレーニングプログラムに加えて、炭水化物を制限しおもに肉などのタンパク質を中心の食事をとるロカボダイエットの食事プログラムにありました。 ロカボダイエットはライザップに加入しない人の間でも知識が広まります。このやり方で取り戻した若者体型をキープするためには、肉食中心の生活を続ける必要があります。そのために付随的にヒット商品になったのがコンビニのサラダチキン(鶏むね肉)と「いきなりステーキ」だったというわけです。 そしていきなりステーキの場合、リピーターの確保施策として機能したのが肉マイレージ制度でした。累積で食べたステーキの量が3kgを超えるとゴールド会員、20kgを超えるとダイヤモンド会員、そして100kgを超えるとプラチナ会員と認定され、それぞれ特典を得ることができるようになります。) いきなりステーキの肉マイレージ会員は最盛期には1500万人規模を誇りました。国民の10人にひとりは会員になっていたわけですからいかにいきなりステーキの人気が高かったのかがわかります。 そのいきなりステーキですが、前述したように開業5年目の2018年に既存店の売り上げ減少が始まり、栄華の絶頂からのジェットコースターのような転落が始まります。いったい何が起きたのでしょうか? いきなりステーキの戦略に狂いが生じたのは一般的には過剰出店がきっかけだったと言われます。全国500店舗を超えたところで近隣のお店同士が顧客を取り合うようになり、チェーン全体で飽和状態に達したという説明です。同時期に競合も登場しはじめたのですが、確かに競合する店舗数という視点でみればいきなりステーキの各店舗から見て、もっとも競合したのは同じいきなりステーキの近隣店だったことは間違いないでしょう』、「いきなりステーキの肉マイレージ会員は最盛期には1500万人規模を誇りました。国民の10人にひとりは会員になっていたわけですからいかにいきなりステーキの人気が高かったのかがわかります」、「栄華の絶頂からのジェットコースターのような転落が始まります」、「いきなりステーキの戦略に狂いが生じたのは一般的には過剰出店がきっかけだった」、なるほど。
・『皮肉だった一瀬邦夫氏からお客へのメッセージ  この時期、一瀬邦夫氏が自ら書いた手紙がいきなりステーキの店頭に掲示されたことがニュースで話題になりました。いきなりステーキを愛する顧客に向けたメッセージだったのですが、要するに近所のいきなりステーキにもっと頻繁に足を運んでくれないと、このままではそのお店が閉店してしまうかもしれないという内容の手紙でした。 お店の苦境をファンに支えてほしいという純粋な気持ちからだったと思うのですが、この手紙が、いきなりステーキブームが転換点に来ていることを世の中に知らしめたのはある意味皮肉だったかもしれません。ただ出店過剰が原因であればこの段階で店舗数を大幅に見直し、不採算店を整理したり店舗密度の高いエリアで姉妹店のペッパーランチへと業態転換したりすれば状況は違ったかもしれません。しかしここで経営はいくつか戦略ミスをしたと思われます。 いきなりステーキは業績悪化後の2021年に大幅な値上げを実施して客離れを起こしましたが、実はそれ以前にも常連客の「肉質が変わってきた」「店舗によって肉質のばらつきがある」という証言が耳に入ってきていました。開業当時に「原価率70%超」と言っていた数字も、2020年頃には一瀬氏の口から「いきなりステーキの原価率は50%くらい」という違う数字が語られることもありました。 創業時には本物のステーキ肉しか使わないことが売りだったのですが、限定メニューとしてインジェクション加工肉(霜降り加工肉)を提供することも行われました。このあたりの味の変化に気づいた人が少なくなかったのはリピーター層が多かったからかもしれません。そして実はこのリピーター戦略の誤算が、出店過剰以上にいきなりステーキの傷口を広げたという見方があります。 2018年の既存店売り上げ減少、2019年の赤字転落という逆風の中、ペッパーフードサービスはいきなりステーキ事業の立て直しのためにさまざまな手を打つのですが、その中でも転落を決定づけたのではないかと言われるのが「肉マイレージ制度」の改悪です』、「限定メニューとしてインジェクション加工肉(霜降り加工肉)を提供することも行われました。このあたりの味の変化に気づいた人が少なくなかったのはリピーター層が多かったからかもしれません。そして実はこのリピーター戦略の誤算が、出店過剰以上にいきなりステーキの傷口を広げたという見方があります」、「転落を決定づけたのではないかと言われるのが「肉マイレージ制度」の改悪です」、なるほど。
・『累積グラム数によるランクアップ制度を廃止  2020年12月にいきなりステーキは肉マイレージについてそれまでの累積グラム数によるランクアップ制度を廃止して、半年間の来店回数に応じてランクが決まる新制度へと変更しました。 これによってそれまで上級会員だった層からふたつの不満の声が起きます。ひとつはそれまでは一度ハードルをクリアしたらずっとランクアップされた状態がキープされていたものが、新制度ではランク降格が起きるようになるという不満です。そしてもうひとつ、地味に反対の声が強かったのが累積グラム数制度がなくなることで「チャレンジ感がなくなる」という不満でした。 要するに自分のいきなりステーキ愛を示す累積グラム数という目標がなくなることで、リピーター層のモチベーションが大きく下がってしまったのです。後者の不満を救済するため改悪後わずか半年でプラチナとダイヤモンドについて累積グラム制度を復活させる再改定に踏み切らざるをえなくなりました。 さてこの肉マイレージ制度の改悪ですが、実はその問題点は開業当時に遡ります。業績が悪化して大きく問題となったのは、要するに制度設計当初に設計ミスがあったのです。それは比較的到達しやすいゴールド会員の特典がお得すぎたことにありました。 当初からの肉マイレージ制度では累積グラム数が3kgに達すると誰でもゴールド会員になり、生涯ゴールド会員資格を得ることができました。いきなりステーキはリブロース、サーロインともにステーキの販売量は300gからなので、ほとんどの顧客は10回通えばゴールド会員になります。) ペッパーフードサービスの2020年の社内報に1500万人超の肉マイレージ会員の内訳が記されているのですが、その時点でゴールド会員は全体の6.6%にあたる約100万人、プラチナ会員が同0.6%の約9万人で、最高峰のダイヤモンドは2000人程度という比率になっています。 ここから逆算すると要するにいきなりステーキの売り上げ構造は、顧客全体の7.2%の人数に相当するゴールド、プラチナ、ダイヤモンド会員が推定売り上げの5割以上を占めているというリピーター主体の売り上げ構造であることが推計されます。 中でも売り上げのボリュームゾーンが全体の3分の1の売り上げを占めるゴールド会員なのですが、大きな問題としてゴールド会員になるとドリンク1杯が無料になるという特典がもたらした制度の欠陥がありました。 飲食店の収益構造を考えてみると、多くのお店では原価率の高い食事を補うために原価率の低いドリンク類で元を取るものです。ところがいきなりステーキの肉マイレージでは売り上げの半数を稼ぐリピーター会員が特典で無料ドリンクを頼んでしまうのです。設計当初から上級会員であるプラチナとダイヤモンドだけをドリンク無料にしておけばよかったのですが、ゴールド特典にドリンク無料を設定したことで店舗としての収益構造が悪くなってしまったという理屈です。 2020年の肉マイレージ制度改悪の狙いは、この設計ミスのリカバーにあったと推測されますが、結果としては売り上げをささえてきたリピーターからの反発を招いたことになります。 いきなりステーキの転落要因としてはもうひとつ、従業員の疲弊も取り沙汰されています。転落期にSNS等でさまざまな内部事情が外に漏れていくのですが、これもビジネスが順調なうちは成長の痛みとして吸収されることが、不調へ転じるとより大きな経営問題となる典型例でした』、「設計当初から上級会員であるプラチナとダイヤモンドだけをドリンク無料にしておけばよかったのですが、ゴールド特典にドリンク無料を設定したことで店舗としての収益構造が悪くなってしまった」、「2020年の肉マイレージ制度改悪の狙いは、この設計ミスのリカバーにあったと推測されますが、結果としては売り上げをささえてきたリピーターからの反発を招いたことになります」、「転落要因としてはもうひとつ、従業員の疲弊も取り沙汰」、「転落要因」がこんなにあるようでは、「転落」は必至だ。
・『企業の歯車が狂った典型だった  要するに企業の歯車が狂うというのはこういうことなのです。店舗あたりの売り上げが減少に転じ、なんとか収益をキープするために原価率が下げられ、リピーターへの還元が減らされ、それに敏感に反応するコアなリピーターが離れていく。そうして収益減少のトレンドが負のフィードバックを受ける中で従業員にも徐々に疲労がたまっていく。 今回経営者が代わることでこの負の連鎖を断ち切ることができるのかどうか。まだいきなりステーキというビジネスモデルにも復活のチャンスがあるはずです。というのはいきなりステーキが絶頂期に証明したことは「高級ステーキを日常的におひとりさまで食べる」というコンセプトに刺さる顧客層が国内に100万人も存在するということなのですから』、「今回経営者が代わる」とはいっても、後任が「副社長」だった長男ということであれば、それほど変わり映えしない可能性がある。ただ、今後の展開を注目したい。
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