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英国(その1)(英トラス首相辞任の背景「年金基金で損失25兆円」が他人事ではない理由、スーナク新首相は混乱のイギリスを救えるのか 不穏な元首相、健全財政と景気の両立は難しく) [世界情勢]

今日は、英国(その1)(英トラス首相辞任の背景「年金基金で損失25兆円」が他人事ではない理由、スーナク新首相は混乱のイギリスを救えるのか 不穏な元首相、健全財政と景気の両立は難しく)を紹介しよう。

先ずは、10月25日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏による「英トラス首相辞任の背景「年金基金で損失25兆円」が他人事ではない理由」を紹介しよう。
・『英国のトラス首相が10月20日、辞任した。9月6日の政権発足からわずか44日、異例の短命政権となったのはなぜなのか。経済と金融市場が混乱すると、社会全体で閉塞感は高まってしまう。そうならないためにも各国は、英国史上最短に終わったトラス政権の教訓を生かすべきだ』、「トラス政権の教訓」とは興味深そうだ。
・『財源を国債増発に依存するのは無理だった  9月下旬から、世界の金融市場では英トラス政権の財政政策に対する懸念が急上昇していた。世界で物価が高騰する状況下、減税を行い、その財源を国債増発に依存することには無理があった。重要な点は、財政・金融政策の組み合わせ=ポリシーミックスのリスクが一段と上昇していることだ。トラス首相の辞意によって、それは一段と明確化した。 世界的に、エネルギー資源や食料の価格は高止まりし、一般家庭の電力料金なども上昇している。EUでは天然ガス価格の上限設定をめぐり、イタリアとドイツなどで利害が食い違っている。財政支出を増やして、家計への支援を強化しようとする政治的発想は各国で強くなっている。 今後、米国などでインフレ鎮静化のために金融政策は引き締められる。それによって、世界は景気後退に向かうだろう。 そうした状況下で国債増発懸念が高まれば、9月下旬以降の英国のように金利が急騰し、金融市場が大きく混乱するだろう。その結果、社会と経済全体で不満が膨張し、政治基盤は追加的にぜい弱化する展開が予想される。どう財源を確保し、持続可能な政策を運営するか、これまで以上に各国政府の政策運営手腕が問われている』、「トラス」氏は、司法長官、大法官、国際貿易大臣、商務庁長官、外務・英連邦担当大臣などを経験したが、財務大臣は未経験だった。
・『財源不明の大規模減税で鮮明化した矛盾  9月下旬、英国のトラス政権は財源が不明なまま、大規模減税などの経済対策を発表した。特に、減税規模は当初の予想を上回った。総額450億ポンド(約7兆5000億円)の減税策には、予定されていた19%から25%への法人税率引き上げの凍結や、所得税率の引き下げなどが含まれていた。 トラス政権下のクワーテング財務相は財源を明示しなかった。ということは、国債の増発は避けられなくなる。税収が減少する一方で国の債務が増加すれば、財政悪化懸念の上昇は避けられない。減税と国債増発のポリシーミックスは持続可能ではない。 そうした矛盾が鮮明になった負のインパクトは大きかった。まず、英国の国債流通市場では超長期を中心に国債の供給が急増するとの懸念が大きく高まった。主要投資家は英国債(ギルト)を投げ売った。 大型減税が発表される前日の9月22日、イングランド銀行(BOE、英中央銀行)は7会合連続での利上げを決定した。保有する国債売却を開始する方針も発表したばかりだった。これまで以上に英金利の上昇圧力が強まるタイミングで、国債増発懸念が大きく高まったわけだ。短期から超長期までの国債流通利回りは、急速かつ大幅に上昇(債券価格は下落)した。 金利上昇によって主要投資家は、英国経済に深刻な打撃が生じる先行き不安を追加的に高めた。主要投資家は英国株を売却し、スターリング・ポンド(GBP)もドルなどに換えた。 トラス政権の政策の矛盾を発端に、大規模な「英国売り」が発生した結果、国民生活に負の影響が及ぶとの危機感が社会全体で急速に高まった。そのインパクトは大きく、トラス首相は辞意を表明せざるを得なくなった。 持続可能ではない各種政策が社会・経済に与える負のインパクトはこれまで以上に大きくなっている。その一つが、英国の年金基金への打撃だ』、どういうことなのだろう。
・『英年金基金が大規模な資産売却に追い込まれた  9月下旬以降の金利急騰によって、英国では資産売却に追い込まれる年金基金が急速に増えた。英国では、「ライアビリティ・ドリブン・インベストメント」(LDI)と呼ばれる資金運用を行う年金基金が増えてきている。LDIは、「債務に連動した資金運用」などと訳される。 具体的には、将来に発生するキャッシュフローを予測し、それを満たす利得の確保を目指す。そのために、「金利スワップ」(固定金利と変動金利などキャッシュフローを交換するデリバティブ取引)を利用することが多い。 リーマンショック後は、世界的に低金利環境が長期化した。中長期的な金利収入を確保するために、資金を借り入れて(レバレッジをかけて)金利スワップなどデリバティブ取引を増やす英国の年金基金はさらに増加した。スワップ取引を行う投資家は、相手方の金融機関に国債などを担保として差し入れる。 金融市場が落ち着いている場合、レバレッジをかけた資金運用に大きな問題が発生することは少ない。しかし、トラス政権の大規模減税発表によって、英国債は急落した。担保価値の急落によって追加の担保支払い要請(マージンコール)に直面する年金基金は急増した。資金捻出のために年金基金は保有する国債の売却に追い込まれた。 「金利急騰によって英年金基金全体で25兆円の損失が発生した」との報道もある。最終的に、それは年金受給者である国民の厚生を低下させる恐れがある。 トラス政権の減税案は、英国のインフレ鎮静化も一段と難しくさせた。9月、英国の消費者物価指数は前年同月比10.1%上昇した。本来、イングランド銀行は、追加利上げや国債売却など金融引き締めを強化すべき局面にある。しかし市場混乱による年金基金への打撃を緩和するために、臨時の国債買い入れを行わざるを得なくなった。 10月14日に買い入れ措置は終了した。その後、イングランド銀行は、年内は20年超の国債を売却しない方針を示した』、「資金を借り入れて(レバレッジをかけて)金利スワップなどデリバティブ取引を増やす英国の年金基金はさらに増加」、「「金利急騰によって英年金基金全体で25兆円の損失が発生した」との報道も」、「最終的に、それは年金受給者である国民の厚生を低下させる恐れ」、「トラス政権の減税案は、英国のインフレ鎮静化も一段と難しく」、金融市場の反応は予め分かっていた筈だが、それを考慮してなかったとすれば、余りにお粗末だ。
・『先行き懸念高まる世界経済と金融市場  イングランド銀行の金融引き締めは遅れる。その負のインパクトは軽視できない。今後も世界各国でエネルギー資源や食料の価格は高止まりするだろう。となると後々、イングランド銀行が、想定を上回るペースで金融を引き締める可能性が高まったと考えられる。それは、世界の実体経済と金融市場にとって大きなマイナスだ。 急速な英国の利上げ懸念が高まれば、世界全体でリスクオフの動きがさらに鮮明となるだろう。その場合、欧州ではクレディ・スイスの経営に対する不安心理が追加的に高まり、株価が大きく下落する展開は排除できない。 消費者心理は悪化し、EU加盟国の消費、投資などは下振れるだろう。リスクオフの加速により中国からの資金流出も加速する恐れは増す。欧州、中国経済の本格的な景気後退リスクは追加的に高まるだろう。 また、現在は相応の底堅さを維持する米国経済でも、先行き懸念は高まっている。米FRB関係者は、一段と追加の金融引き締めを強化する考えを強めている。今後、金利は一段と上昇するだろう。すると企業と家計の利払い負担は増える。 また、リストラが増えて米国の労働市場は悪化し、個人消費は減少するだろう。それは、世界経済の下支えが弱まることを意味する。金利上昇によって米国の株価がさらに下落する恐れも増している。世界全体が本格的な景気後退に陥る恐れは一段と高まっている。 そうした状況下、各国で、政府により手厚い支援を求める世論が急速に高まることは想像にたやすい。懸念は、政治家が近視眼的に考え、世論に迎合しがちであることだ。 有権者の負担増を避け、財源が不明なまま国債増発を重視する国では、これまで以上に金利が上昇し、追加的に実体経済と金融市場の悪化懸念が高まるだろう。その場合、経済と金融市場の混乱に拍車がかかり、社会全体で閉塞感は高まってしまう。そうならないためにも各国は、英国史上最短に終わったトラス政権の教訓を生かすべきだ』、ポピュリスト的政策がイタリアなどでも強まっているが、それが国債利回りを上昇させることで、ブレーキ役になればいい。しかし、日本では-0.1%の短期金利、長期金利を0%とするイールドカーブ・コントロール(YCC)をしているので、マーケットが警鐘を発するメカニズムを始めから殺しているという極めて危険な状態にある。日本の場合、まずはYCCを外すことからやるべきだが、その場合、国債利回りの急騰、新規国債発行コスト上昇を覚悟する必要がある。

次に、10月25日付け東洋経済オンラインが掲載した第一生命経済研究所主席エコノミストの
田中 理氏による「スーナク新首相は混乱のイギリスを救えるのか 不穏な元首相、健全財政と景気の両立は難しく」を紹介しよう。
・『わずか44日で辞任に追いこまれたトラス前首相。スーナク新首相はイギリスの政局の混乱を収め、市場の信頼に足る財政計画とインフレ対策を両立させるという難題に直面している。 大型減税と規制緩和による経済再建で「第2のサッチャー」を目指したイギリスのリズ・トラス首相は20日、政策迷走による金融市場の混乱と党内外の信用失墜を招き、就任からわずか44日で辞任表明に追い込まれた。トラス政権の経済政策(トラスノミクス)はなぜ失敗に終わったのか。 減税と規制緩和による経済活性化のストーリーは、具体策と説得力に乏しかった。巨額の財政悪化につながるエネルギー料金の凍結と大型減税の発表を先行し、予算責任局(OBR)の財政評価も求めなかったことで、財政規律を軽視していると受け止められた。 イングランド銀行(BOE)が過去の量的緩和で購入した資産の売却(量的引き締め)を開始するタイミングと国債の大幅増発観測が重なり、国債需給悪化に対する不安に拍車がかかった。 国債価格の下落(国債利回りの上昇)により、年金基金の流動性不安が広がった。多くの年金基金は、低金利下で年金の給付水準を確保するため、国債を担保に金融派生商品(デリバティブ)などに投資していた。担保価値の目減りで追加の証拠金の提出が求められ、それに応じるための国債の換金売りが、国債価格のさらなる下落につながるという悪循環をもたらした』、「担保価値の目減りで追加の証拠金の提出が求められ、それに応じるための国債の換金売りが、国債価格のさらなる下落につながるという悪循環」、英国金融界の常識ではあるが、それを無視した「トラス前首相の無知ぶりには驚かされた。
・『後任選びを急いだ保守党  トラス首相は保守党の党首選を通じて、財務省主導の経済運営やBOEの物価抑制の取り組みが不十分と批判してきた。トラス氏は首相就任後、閣僚やアドバイザーの顔ぶれを一新し、自身に近い人物で固めた。盟友のクワジ・クワーテング氏を財務相に任命し、官邸主導で経済運営を取り仕切ろうとした。だが、減税と規制緩和に固執し、政策発表の手順や危機後の対応でも経験不足を露呈した。 トラス首相の後任を選ぶ保守党の党首選は、立候補に必要な推薦議員の数を前回の20名から100名に引き上げ、立候補者を最大で3名に絞るとともに、議員投票の開始から党員投票の結果が判明するまでの期間を前回の約1カ月半から最長でも5日に短縮し、英国各地での遊説も取りやめた。 英国では2010年にデイヴィッド・キャメロン首相が労働党から政権を奪取して以来、保守党による連立ないし単独政権が続いている。2016年の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票の直後に就任したテリーザ・メイ首相、離脱実現を掲げて2019年に就任したボリス・ジョンソン首相、そして9月に誕生したトラス首相と、過去3代の首相はいずれも保守党の党首選を勝ち抜いた人物で、首相就任時に総選挙で選ばれていない。 スキャンダル続きのジョンソン首相が退陣に追い込まれた後、トラス首相は物価高騰の負担を軽減し、景気を浮揚させるどころか、経済を混乱させただけで終わった。国民が物価高騰に苦しむなかで、さらなる党内抗争を繰り返せば、有権者の一段の保守党離れを招きかねない。一刻も早く後継党首(首相)を選出する必要があった。 後継党首選は、①前回党首選で5回の議員投票をいずれも一位で通過したものの、一般党員による決選投票でトラス氏に敗れたリシ・スーナク元財務相、②党首解任劇からわずか3カ月での電撃復帰を目指したジョンソン元首相、③前回党首選で最終3候補まで残ったペニー・モーダント上院議長兼下院院内総務の3人の争いとなった』、なるほど
・『保守党の支持率は史上最低圏  トラスショック後の金融市場の動揺封じ込めと堅実な政策運営に対する期待から、スーナク氏が順調に推薦人を集めていくなか、不気味な存在感を示したのが休暇先から急遽帰国したジョンソン元首相だった。トラス政権による政策迷走の後、保守党の支持率は史上最低圏に沈み、野党・労働党に大幅なリードを許している。 ジョンソン元首相には2019年の総選挙で、労働党が牙城としてきたイングランド北部の選挙区を次々と奪い、保守党に地滑り的な勝利をもたらした実績がある。次の総選挙で保守党に勝利をもたらせる人物として、ジョンソン氏に期待を寄せる声も浮上していた。同氏は今も草の根の党員から絶大な人気を誇る。立候補に必要な100名の推薦議員を確保し、党員投票に持ち込めば、首相返り咲きも夢物語ではなかった。 だが、相次ぐスキャンダルで3カ月前に辞任に追い込まれたばかりのジョンソン氏の再登板は劇薬となりかねない。保守党の政治倫理は地に落ち、党内の分断が一段と進むおそれがあった。 パーティーゲート(コロナの行動制限規則を破り、パーティーを開催あるいは参加した疑惑)をめぐる同氏の疑惑追及はなおも続いており、再登板後に再び首相退任に追い込まれ、後継党首の選出が必要となれば、保守党の権威は一段と失墜する。 過去の政権運営や党首選でジョンソン氏を支持した強硬離脱派議員の一部もスーナク候補支持に回り、結局、ジョンソン氏は将来の首相再登板を視野に、名誉ある撤退を選択した。モーダント氏も立候補を取り下げ、立候補の届出期間を迎えた24日、スーナク氏の後継党首選出と次期首相就任が決まった。 後継首相の速やかな選出でひとまず結束した保守党だが、英国を二分した2016年の国民投票とEU離脱の評価、ジョンソン政権時代の政治倫理の欠如や強引な政治手法も加わり、党内の亀裂は深まっている』、「ジョンソン」氏が早目に降りたのは、「パーティーゲート」が想像以上に深刻だった可能性がある。
・『次の総選挙ではジョンソン元首相がリベンジ出馬か  新たな党首に選出されたスーナク氏は、選出直後のスピーチで団結を呼びかけた。スーナク氏は若い頃から英国のEU離脱を支持し、2016年の国民投票でも離脱に投票したが、強硬離脱派とは一定の距離を保ち、財務相就任後も離脱のメリットを声高に主張することはなかった。 こうした同氏の姿勢は、党内の右派勢力からは懐疑的に見られがちだが、党内中道・左派勢力との橋渡し役となる可能性を秘めている。自身に近い立場の議員で閣僚を固めたトラス氏と異なり、近く発表予定の閣僚人事では、党内の幅広い人材が登用される公算が大きい。 不安要素もある。ジョンソン氏は出馬を断念した声明を、「私には提供できるものが沢山あると信じているが、残念ながら今はその時ではない」との言葉で締め括った。同時に、「私は2024年の総選挙で保守党に勝利をもたらすことができると信じている」とも語っており、次の総選挙までの首相復帰を匂わす発言もしている。 スーナク氏がジョンソン氏の首相退陣の引き金を引いたのと同様に、スーナク氏が政権運営や党運営に行き詰まれば、ジョンソン氏がいつでも牙を向く機会を窺っている。 トラス首相がクワーテング財務相を更迭し、後任のジェレミー・ハント財務相がトラス減税の大半を撤回した後も、政府債務の均衡には追加で300~400億ポンド程度の財政赤字の削減が必要とされる。 政府は10月31日に前倒しされた中期財政計画の発表と合わせて、新たな増税や歳出削減策を発表する。国民保険料の引き上げ、国防費やインフラ投資の削減、年金給付の抑制などが検討されるとみられ、議会審議は紛糾が予想される』、「10月31日に前倒しされた中期財政計画の発表と合わせて、新たな増税や歳出削減策を発表する。国民保険料の引き上げ、国防費やインフラ投資の削減、年金給付の抑制などが検討されるとみられ、議会審議は紛糾が予想される」、さてどんな「中期財政計画」になるんだろう。
・『マイナス成長への転落は避けられず  財政規律を重視するスーナク首相の誕生で、金融市場の不安心理は後退するとみられるが、大型減税の撤回と追加の財政赤字削減策により、英国景気のマイナス成長への転落は避けられない。家庭向けのエネルギー料金凍結を半年に短縮したことで、来年4月以降のエネルギー料金が再高騰し、物価が高止まりする可能性もある。 政策転換で短期的にはBOEによる利上げ幅の大幅拡大の可能性は遠のいたが、当初の想定以上に利上げ局面が長期化するおそれがある。家計のエネルギー負担の軽減を続けるには、新たな財源を確保しなければならない。スーナク首相は、保守党の信頼回復と党内融和を進めるとともに、緊縮財政と金融引き締め下で、物価高騰による生活困窮対策と景気浮揚を目指すことになり、その前途は多難と言わざるをえない』、「スーナク首相」の「前途は多難と言わざるをえない」のは確かなようだ。
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