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ハラスメント(その22)(ENEOS元会長“謎の辞任”理由は性加害! 那覇でホステスに「銀座では当たり前」言い放つ、「性欲が旺盛だからではない」精神科医が解説"一発アウトの性加害"を犯してしまう本当の理由 香川照之、エネオス前会長…地位のある中高年男性がなぜ、元陸自・性被害告発者への誹謗中傷でまた露見 日本人の伝統的ハラスメント体質) [社会]

ハラスメントについては、9月12日に取上げた。今日は、(その22)(ENEOS元会長“謎の辞任”理由は性加害! 那覇でホステスに「銀座では当たり前」言い放つ、「性欲が旺盛だからではない」精神科医が解説"一発アウトの性加害"を犯してしまう本当の理由 香川照之、エネオス前会長…地位のある中高年男性がなぜ、元陸自・性被害告発者への誹謗中傷でまた露見 日本人の伝統的ハラスメント体質)である。三番目の記事は、近来、稀に見る傑作である。

先ずは、9月21日付け日刊ゲンダイ「ENEOS元会長“謎の辞任”理由は性加害! 那覇でホステスに「銀座では当たり前」言い放つ」を紹介しよう。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/311746
・『“凄絶”と表現された性加害が、またしても発覚した。 だが今回「デイリー新潮」(9月21日配信)で性加害が報じられたのは、ENEOS代表取締役会長グループCEOを務めていた杉森務氏(66)だ。ENEOSは石油元売り最大手、売上高は10兆円を超える。 銀座の高級クラブでの3年前の性加害が明らかになった俳優の香川照之(56)が、この一件でテレビのレギュラー番組やCMの降板、休止で、次々に仕事を失ったことは記憶に新しいが、杉森氏の性加害は、香川のそれを上回るという。 今年8月12日、杉森氏は「一身上の都合」を理由に突如辞任を表明。業界のみならず経済界全体が騒然としたが、退いた理由が性加害だったとは……エネオスHDは21日、杉森氏の性加害を認め、杉森氏も事実関係を認めていると、各紙が報じた。 7月1日、沖縄・那覇市の歓楽街の高級クラブに得意先と訪れた杉森氏は、VIPルームで初対面の30代のホステスの女性を気に入り、手を握り、抱きつくなどしていたのがだんだんエスカレートしていった。 《持ち込みのワインを飲みだして気持ちが大きくなったのか、杉森さんは彼女のドレスの中に手を入れて、下着をまさぐるように胸をもみ始めた》(9月21日配信「デイリー新潮」より) さらにキスに飽き足らず、最終的には上半身を素っ裸にし、強引なやり方に女性は肋骨を骨折、PTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状に悩まされているという。 拒む女性に対して、杉森氏は「銀座では普通だよ、こんなの」と言い放ったという』、「女性は肋骨を骨折、PTSD・・・のような症状に悩まされている」、これではセクハラの域を超えて、障害罪が成立する可能性もあるのではなかろうか。「杉森氏」の「辞任」は当然だろう。
・『銀座では性加害は当たり前?  風営法に関して都内の弁護士はこういう。 「高級クラブが該当する風営法の1号営業の場合、客の接待は、『歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと』と定義されています。公然わいせつになるような行為は当然禁止されていますが、キスなどの身体的密着はある程度認められていると解釈していいでしょう。ただ接待の中身は経営者の方針次第で、実際に何がどこまで行われているかは店ごとで違うものと思われます」) しかし、学生時代から銀座の高級クラブで働く30代のホステスによると、 「ここまでの行為が日常的に許されているかといったら、なじみの店であればあるほどそれはないと言えるでしょう。おさわりやキス程度なら関係性次第でOKなことは当然ありますが、それ以上のことなら、気に入った女性がいれば店外でそういう関係になれるわけですから」 銀座の高級クラブが日常的に性加害の許される“無法地帯”だと思われたら、ホステスもはなはだ迷惑だろう』、「銀座の高級クラブが日常的に性加害の許される“無法地帯”だと思われたら、ホステスもはなはだ迷惑だろう」、その通りだ。

次に、10月4日付けPRESIDENT Onlineが掲載した精神科医 聖マリアンナ医科大学医学部医学科神経精神医学教室准教授の安藤 久美子氏による「「性欲が旺盛だからではない」精神科医が解説"一発アウトの性加害"を犯してしまう本当の理由 香川照之、エネオス前会長…地位のある中高年男性がなぜ」を紹介しよう。
https://president.jp/articles/-/62163
・『俳優・香川照之の性加害報道に続き、ENEOS(エネオス)ホールディングスの前会長も同様にホステスへの性加害が報じられ電撃辞任するなど、地位のある中高年男性のスキャンダルが絶えない。そんなとき、彼らは番組降板、辞任などの責任の取り方をするが、性暴力そのものの病理にフォーカスせず、臭いものに蓋をするような幕の引き方でよいのだろうか。精神科医であり、法務省の治療プログラムにも携わり、性加害者の分析・治療に当たる聖マリアンナ医科大学准教授の安藤久美子さんが解説する――』、「精神医学」からの解説とは興味深そうだ。
・『精神医学ではどこからが「性暴力」に当たるのか  性暴力の定義としては、確立したものはないが、われわれ専門家が加害者臨床のなかで扱う「性加害行為」というときは、「同意のない性行為全般」を指している。したがって、このなかには、刑法上の犯罪未満の行為も当然含まれてくることになる。 こうした前提で「性暴力」を考えてみると、その行為の範囲は非常に幅広く、わいせつな言葉掛けなどの非接触の行為から、実際に身体に触れるような接触性の高い行為まで含まれる。また、一般的には、接触性の高い行為は攻撃性の高さと比例しているように思われているかもしれないが、必ずしもそうではない。たとえば、いわゆるのぞきや露出などは、直接的な接触はなかったとしても、被害者を持続的で甚大な恐怖に陥れることは間違いない』、「のぞきや露出などは、直接的な接触はなかったとしても、被害者を持続的で甚大な恐怖に陥れる」ことから、「接触性の高さ」と「攻撃性の高さ」とは「比例し」ないようだ。
・『性暴力における「同意」とは  また、性犯罪において法的に問題となりやすいのは「同意の有無」である。しかし、そこには日本社会の文化的背景も影響しており、正しく同意の有無を確認することは難しい場合もある。たとえば、驚くかもしれないが、現代においても「女性なのに逆らうのか」「上司の命令には従わざるを得ない」といった発言に代表されるようなジェンダーに関する問題や年功序列的な考えがいまだに根強く残っているのである。 さらにこうした考えは、強要する側だけでなく、強要される側にも共通してみられることがある。たとえば、「明確な意思表示は女性らしくない」といった考えを持っていたり、「出世したい」「気に入られたい」といった考えが脳裏をかすめたというだけで、「少しくらい強要されても仕方ない」「自分にも下心があったのだから、被害者とは言えない」などと考え、被害者側も自身に起こった出来事を被害体験としてではなく、むしろ自責的に捉えていることさえもある』、「日本社会の文化的背景も影響しており、正しく同意の有無を確認することは難しい場合もある。たとえば、驚くかもしれないが、現代においても「女性なのに逆らうのか」「上司の命令には従わざるを得ない」といった発言に代表されるようなジェンダーに関する問題や年功序列的な考えがいまだに根強く残っているのである。 さらにこうした考えは、強要する側だけでなく、強要される側にも共通してみられることがある」、確かに難しい面がありそうだ。
・『「世の中への怒りを示すため」弱い女性を狙う加害者もいる  また、近年の傾向としては、「年上の女性なら許してくれると思った」などと誤った母性を相手に重ねていたり、あるいは、女性の地位向上を推進する政策的・社会的背景への不満から、「世の中への怒りを示すために女性に屈辱的な思いをさせたかった」という犯行動機を語る犯人もいた。 こうしてみると、もし性犯罪防止に対して適切に対処しようとするならば、加害者と被害者の両者の心性について正しく理解しておく必要があるだろう』、「性犯罪防止に対して適切に対処しようとするならば、加害者と被害者の両者の心性について正しく理解しておく必要があるだろう」、その通りだ。
・『性欲ではなく支配欲  まずは加害者の心性について正しく理解するために、加害者に関する誤解されやすい項目の例を【図表1】にまとめて示した。 (【図表1】性犯罪について誤解されやすい4つの事項図表=筆者作成 はリンク先参照) 「誤解されやすい事項1」として挙げられるのは、「性暴力は抑えがたい性的欲求による」という誤解である。性犯罪の根底にあるのは、セクシャルな言動を通じて表現された他者への支配欲である。それゆえ、性的関心はもちろん存在するものの、いわゆる一般的に考えられているような性的満足を得ることだけが目的ではないことも少なくない。 筆者が精神鑑定などの場面で男性の強姦犯らの話を聞く限りでは、犯罪行為の際に必ずしも射精にいたっていないことも珍しくない。また、性犯罪者は普段から性欲が強いとか、男性ホルモンが高値であるなどとも誤解されがちであるが、これまでに精神鑑定を行った性犯罪者たちのなかには男性ホルモンの値が異常値を示していた者はいなかった』、「「性暴力は抑えがたい性的欲求による」という誤解」、「性犯罪者は普段から性欲が強いとか、男性ホルモンが高値であるなどとも誤解されがちであるが、これまでに精神鑑定を行った性犯罪者たちのなかには男性ホルモンの値が異常値を示していた者はいなかった」、なるほど。
・『性加害者は常に「抵抗しないであろう者」を選んでいる  「誤解されやすい事項2」は、「性的欲求は衝動的でコントロールが不能である」という誤解である。加害者はほとんどの場合、「抵抗しないであろう」者を選んで加害行為を行っている。このことからしても、コントロールできない衝動的な行動であったなどということはできない。刺激によって性的欲動が発動する時点では、年齢、容姿や服装など、自身の好みの相手を物色していたとしても、最終的に実行に至る際には好みよりもより狙いやすい相手にターゲットを絞っているのである』、「コントロールできない衝動的な行動であったなどということはできない」、「最終的に実行に至る際には好みよりもより狙いやすい相手にターゲットを絞っている」、なるほど。
・『性犯罪の多くは家族など親密な関係間で起こっている 「誤解されやすい事項3」は、「加害者は発覚を恐れて見知らぬ被害者を選ぶ」という誤解である。よく取り上げられる「レイプ神話」として、暗い夜道で見知らぬ犯人から女性がむりやり襲われたといったストーリーがあるが、性犯罪加害者の多くは身近にいる信頼されている人々である。 つまり実際には、親密な関係間、家族間のほうが、性犯罪の発生率は高いのである。しかし、親密な関係であるほど、被害者は「こんなことで訴えて関係を悪くしたくない」と考えるだろうし、加害者もそうした被害者心理に付け込み、「こんなことでは訴えないだろう」などと高をくくっている。これが「誤解されやすい事項4」にも挙げたように、性犯罪はすぐに発覚するどころか、ほとんどが暗数(注)となっている大きな理由のひとつなのである』、「実際には、親密な関係間、家族間のほうが、性犯罪の発生率は高いのである。しかし、親密な関係であるほど、被害者は「こんなことで訴えて関係を悪くしたくない」と考えるだろうし、加害者もそうした被害者心理に付け込み、「こんなことでは訴えないだろう」などと高をくくっている」、初めて知った。
(注)暗数:実際の数値と統計結果との誤差で、なんらかの原因により統計に現れなかった数字のこと(Wikipedia)。
・『性加害者に潜む知られざる病理を理解するために  では、こうした加害者のこころのなかでは何が起こっているのであろうか。ここではいくつかの要因のなかから3つを取り上げて概説解説する。 (【図表2】性犯罪加害者の認知のゆがみの例図表=筆者作成 はリンク先参照) 1)「相手は嫌がっていない」などと、認知がゆがんでいる  ひとつめは図表1に示した「誤解されやすい4つの事項」のすべてにも関係している「認知のゆがみ」である。認知のゆがみには大きく分けて「否認」と「最小化」がある。「否認」とは、例えば「相手から誘ってきたのに、こんなことになり迷惑だ」などというように自身を被害者として位置づけていたり、「むこうもその気だった」「相手の嫌がることはしていない」などと相手が非同意であったことを認めなかったり、「相手は傷ついていない」とか「いつまでも恨んだりはしない」といったように相手の傷つきを認めなかったり、さらには「他の人も同じようなことをやっている」などと自分の行動がもたらす影響を軽視し楽観的に捉えすぎるといったパターンがある』、「相手は嫌がっていない」などと、認知がゆがんでいる」、「認知のゆがみには大きく分けて「否認」と「最小化」がある」、中味については次で説明される。
・『「接客業の女性はこれぐらいで傷つかない」と考える「最小化」  次に、「最小化」とはどんな傾向を指すのだろう。これは、たとえば「少しぐらいなら大丈夫だろう」とか「この程度なら傷つかない」といった自身の行動の結果を過小評価したり、「水商売をやっているんだから傷つくことはない」、「嫌だと言っていても実際にはそれほど嫌がってはいないだろう」などと相手の気持ちや感情を理解していないパターンがある。さらには、「お金を払っているのだから何をやってもいい」「普段から面倒をみてあげているのだから、これくらいはいいだろう」といった自分が支配者であるかのような所有者意識をもっている場合もある。 これらの「否認」と「最小化」は、どちらか一方だけというよりも両方を持ち合わせており、状況に応じてそれらの誤った認知を都合よく変容させて自己の行動を合理化しているのである』、「「否認」と「最小化」は、どちらか一方だけというよりも両方を持ち合わせており、状況に応じてそれらの誤った認知を都合よく変容させて自己の行動を合理化している」、「状況に応じてそれらの誤った認知を都合よく変容させて自己の行動を合理化している」、ありそうな行動だ。
・『2)ストレスを受けることで支配性と攻撃性が発動する  ふたつめは「支配性と攻撃性」である。先述した「誤解されやすい4つの事項」でも少し触れたが、性犯罪とは、セクシャルな言動を通じて表現された他者への支配欲である。では、どうして支配したり攻撃したりしたくなるのか。分析にあたっては、もともとの攻撃的なパーソナリティーが関係していたり、過去に加害者自身が受けた被害体験への復讐的な意味合いを含んだ加害行動であったりすることもある。しかし、もっともわかりやすく、そして高い比重を占めているのは、もっと単純な「ストレス解消」であったり、自己の「劣等感や自己評価の低さの反動」であったりする。 これは子どものいじめの構造と類似している。うまくいかないことや不快な体験があったときに、自分よりも弱いものを攻撃してその状況を支配し優位性を実感することで、抑圧された不満や怒りの感情を発散する。これによって平素より感じている劣等感や自己評価の低さから一瞬だけでも目を背けられるからである。だからこそ、加害者は失敗しないように被害となる対象をよく選んでいるし、はじめから意図していなかったとしても、時に暴力的な手段にまで発展してしまうこともあるのである』、「うまくいかないことや不快な体験があったときに、自分よりも弱いものを攻撃してその状況を支配し優位性を実感することで、抑圧された不満や怒りの感情を発散する。これによって平素より感じている劣等感や自己評価の低さから一瞬だけでも目を背けられるからである」、「だからこそ、加害者は失敗しないように被害となる対象をよく選んでいるし、はじめから意図していなかったとしても、時に暴力的な手段にまで発展してしまうこともあるのである」、なるほど。
・『3)「今回で最後だから」と犯罪思考を自己擁護して実行  そして3つめの大切な要因は「依存の構造」である。 多くの性犯罪者は、犯罪行為を行う前に、自分がこれからやろうとしている行動の意味を理解しており、さらには「捕まったらどうしよう」というように行動の結果、何が起こりうるかということも想像できている。しかし、いったん犯罪行為のスイッチが入ってしまうと、行動を遂行する方向にしかベクトルが向きにくくなる。 すると次には、「これでもう終わりにする」とか「あと1回だけだから」などと事前に言い訳をすることで自身の思考や行動に合理性を与え、さらには「今回もうまくいく」「やめようと思えば自分はいつでもやめることができる」などと自分に言い聞かせ、犯罪思考を擁護する方向に自らを進めていく。その結果、この「あと1回だけ……」という誓いは永遠に繰り返されていくことになるのである』、「多くの性犯罪者は、犯罪行為を行う前に、自分がこれからやろうとしている行動の意味を理解しており、さらには「捕まったらどうしよう」というように行動の結果、何が起こりうるかということも想像できている。しかし、いったん犯罪行為のスイッチが入ってしまうと、行動を遂行する方向にしかベクトルが向きにくくなる。 すると次には、「これでもう終わりにする」とか「あと1回だけだから」などと事前に言い訳をすることで自身の思考や行動に合理性を与え、さらには「今回もうまくいく」「やめようと思えば自分はいつでもやめることができる」などと自分に言い聞かせ、犯罪思考を擁護する方向に自らを進めていく。その結果、この「あと1回だけ……」という誓いは永遠に繰り返されていく」、恐ろしいことだ。
・『性犯罪者は治療によって更生できるのか  最後に治療についても触れておく。「性犯罪者の行動は医学的治療によって改善できるのか」。この問いへの答えは2つある。つまりイエスとノーである。 通常、治療の前には必ずアセスメント(分析と評価)があるが、治療によって効果を上げるためにはどのようなケースにどのような治療を施すのかというアセスメントをいかに正確に行うかが重要となる。なぜなら性犯罪ほど年齢や、知的レベル、社会的地位に関係なく、さまざまな階級の加害者が幅広く分布している罪種はないからだ。したがって、治療にあたってもそれぞれの特性にあった介入方法をみつけてアプローチしていく。 欧米では選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)やホルモン作用物質などを中心とした薬物療法が導入されている国もあるが、いずれの場合でも薬物療法単体で行われているわけではなく、心理療法と併用で実施されている。わが国においても、ここまでに記載してきた通り、認知のゆがみや、依存的な心性が犯罪行為に深く関係しているとするならば、基本的な治療選択は認知行動療法を中心とした心理療法となるであろう。しかし、もしその根底には日本社会におけるジェンダー不平等などの文化的背景があり、それが犯罪促進的に作用しているとしたならば、問題解決までにはまだすこし時間がかかりそうである。 ただし、そうはいっても実はやるべきことは単純なはずであるである。たとえば、対人関係を円滑にしてストレスをため込まないことや適切なストレス発散の方法をみつけること、そして何よりも常に相手を尊重する気持ちをもって接することといった、犯罪歴の有無を問わず、誰もが日常から気をつけるべき、ごく普通の生活を繰り返すことこそがすべての犯罪行為から自分を遠ざけるための一番の秘訣ひけつなのだから』、「欧米では選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)やホルモン作用物質などを中心とした薬物療法」が「心理療法と併用で実施されている」、「わが国においても、ここまでに記載してきた通り、認知のゆがみや、依存的な心性が犯罪行為に深く関係しているとするならば、基本的な治療選択は認知行動療法を中心とした心理療法となるであろう」、「やるべきことは単純なはずであるである。たとえば、対人関係を円滑にしてストレスをため込まないことや適切なストレス発散の方法をみつけること、そして何よりも常に相手を尊重する気持ちをもって接することといった、犯罪歴の有無を問わず、誰もが日常から気をつけるべき、ごく普通の生活を繰り返すことこそがすべての犯罪行為から自分を遠ざけるための一番の秘訣ひけつなのだから」、これは分かるが、「薬物療法」に触れられてないがどうしてなのだろう。

第三に、10月20日付けダイヤモンド・オンラインが掲載したノンフィクションライターの窪田順生氏による「元陸自・性被害告発者への誹謗中傷でまた露見、日本人の伝統的ハラスメント体質」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311534
・『不快な誹謗中傷の言葉を直視して見えた根本の問題  「気持ちはわかるが、その程度のことも切り抜けられないで自衛官なんて勤まるかよってんだ 周りは試してんだよ ヌクヌク生きたいなら自衛隊なんか入るんじゃねぇっての」 「飲み会で尻や胸を触られたくらいで騒ぐやつwww 飲み会で練習と称して首キメされたくらいで騒ぐやつwww」 「だいたいよ、血気盛んな男達の場所に女が入る この意味をちゃんと考えろよ 女の見通しが甘いとしか言えないわ 外出たら7人の敵がいると思えないバカは働くな!」 「男も女もジャンダーも同じだから触り返したらええだけやん」(すべて原文ママ) これらの誹謗中傷はすべて、陸上自衛官時代の性被害を告発した五ノ井里奈さんのもとに送られたものである。五ノ井さん本人がスクリーンショット画像をTwitterで投稿したものを引用させていただいた。このほかにも個人の尊厳を傷つける侮辱や事実無根の暴言も多くあった。 読んでいるだけでも気分が悪い、怒りが込み上げるという人も多いだろう。ただこの実情をしっかり見てほしい。実はこれらの誹謗中傷には、「なぜ日本ではいつまで経ってもハラスメントがやめられないのか」という問題を考えるうえで、ヒントになることが多く含まれている。 セクハラやパワハラ撲滅が叫ばれて久しいが、厚生労働省によれば、総合労働相談コーナーには年間130万件も相談がある。経団連の調べでも「5年前よりもパワハラ相談が増えた」という会員企業が4割になったという。 つまり、「許されることではない」「もはやそういう時代ではない」と口では言いながら、陰では部下や後輩をネチネチでいじめて、女性には性的な嫌がらせをする人が後を絶たないというのが、「美しい国、日本」の現実なのだ。 なぜこうなってしまうのか。個人的には、先ほどの誹謗中傷のような考え方を持つ日本人がかなり存在しているからではないかと思っている。この考え方を端的に言えばこうなる。 「ちょっと嫌な目にあったくらいでいちいち騒ぐなよ、これくらいの辛いことを乗り越えられないと、一人前の社会人になれないぞ」』、「「許されることではない」「もはやそういう時代ではない」と口では言いながら、陰では部下や後輩をネチネチでいじめて、女性には性的な嫌がらせをする人が後を絶たないというのが、「美しい国、日本」の現実なのだ」、同感である。
・『「強い組織人をつくるために必要な負荷」と考えてしまう  もちろん、現実社会でこんなことを大っぴらに言う人は少ない。 しかし、先ほどの誹謗中傷をしている人たちが「匿名」でネチネチと攻撃していることからもわかるように、匿名SNS、ヤフーコメント、仕事終わりの居酒屋など「安全地帯」にいる日本人はよくこういう類の主張をしている。つまり、現実世界では地位も名誉もあるので言えないが、心の奥ではこのように考えている日本人は、想像以上に多い可能性があるのだ。 実際、筆者も報道対策アドバイザーとして、さまざまな企業のセクハラやパワハラ問題の会見や謝罪コメントを作成する関係で、加害者や企業側からヒアリングする機会があるのだが、こういう「本音」をよく耳にする。最初は「深く反省しています」「相手の方に申し訳ない」と殊勝なことを言うが、次第に自分の正当性を主張する。中には、勢いあまって先ほどの誹謗中傷のようなことを口走ってしまう人も少なくないのだ。 彼らに共通するのは、「ハラスメント=強い組織人をつくるために必要な負荷」と心の底から信じていることだ。 例えば、飲み会でのセクハラを訴えられた某企業の管理職は、筆者の聞き取りで、「あれくらいで騒ぐならこの世界では通用しない」と訴えてきた。確かに、この企業のいる業界は、女性が少ない上に夜の接待も多くて、顧客企業の経営者の中にはセクハラ常習犯もいる。 そこで、この管理職は「体を触られたと泣くのではなく、逆にセクハラしてきた相手の股間を触って笑い飛ばすくらい豪胆な女性でなければ大きな契約は取ってこられない」ということで、顧客を接待させる前に、自分がセクハラをして「免疫」をつけさせたというのである。なんとも苦しい言い訳とあきれるだろうが、ご本人はいたって真面目だった。 先ほど匿名で五ノ井さんに誹謗中傷をしていた人々もまったく同じ思想だ。五ノ井さんへの暴力やセクハラについて「周りは試している」と主張をした人がいた。要するに、女性自衛官としてどこまで苦痛に耐えられるのかという「テスト」だったというのだ。ほかにも、男女平等なのだから同じように自分もセクハラを「倍返し」して対抗しろという人もいた。 ここでも共通しているのは、「セクハラやパワハラは人を大きく成長させる好機なのだから弱音を吐かずに立ち向かえ」というスポ根的な思想だ。この「ハラスメント=人生修練」という考え方が日本人の頭に洗脳のように叩き込まれていることこそが、日本でいつまでたってもパワハラやセクハラがなくならない「諸悪の根源」ではないかと考えている』、「共通しているのは、「セクハラやパワハラは人を大きく成長させる好機なのだから弱音を吐かずに立ち向かえ」というスポ根的な思想だ。この「ハラスメント=人生修練」という考え方が日本人の頭に洗脳のように叩き込まれていることこそが、日本でいつまでたってもパワハラやセクハラがなくならない「諸悪の根源」ではないかと考えている」、その通りだ。
・『日本の「人材教育」は日本軍がベースとなっている  なぜ「ハラスメント=人生修練」という思想が叩き込まれているのか。それは陸上自衛隊だけではなく、日本のあらゆる企業・団体の「人材教育」に大きな影響を与えたある組織が、「ハラスメント=人生修練」を掲げていたからだ。 ある組織とは、日本軍だ。 あまり知られてないが、実は我々の働き方、社会システム、企業文化などはすべて日本軍がつくったと言っても過言ではない。そのあたりを一橋大学大学院経営管理研究科特任教授で、シティグループ証券顧問の藤田勉氏が端的に説明しているので、引用させていただく。 「戦時体制の影響は、今もなお、広範囲に残っている。所得税の源泉徴収、地方交付税、国民皆保険、厚生年金、9電力体制、経団連、新幹線も、戦時中にその原型ができた。同様に、年功序列、終身雇用制、系列・下請、メインバンク、天下り、行政指導のルーツは、すべて戦時体制である。戦後できた日本的経営の要因は、株主持合いのみである。それほど、戦時体制を出発点とする日本的経営は根が深いのである」(月刊資本市場 2015年5月) なぜこうなったかというと、国民総動員体制で総力戦となった時、民間企業で働く人の多くは「産業戦士」という軍の監督下になったからだ。戦時体制によって、日本全体の働き方から組織マネジメントまであらゆることに日本軍式の方法論が叩き込まれたのである。 戦争に負けたからといってそれがいきなりリセットされるわけもない。しかも、戦後復興の中心になった経済人は従軍経験があるか、産業戦士か、軍国教育を受けた人だ。だから、戦後の日本企業は「上司の命令は絶対」「滅私奉公」という感じで、どうしても軍隊チックになる。ちなみに、「長時間・重労働」「現場の人間を使い捨てにする」「粉飾・改ざん」「隠ぺい体質」という一部の日本企業で見られる悪癖も、すべて日本軍にあった文化だ。 そんな日本軍カルチャーのひとつが、「ハラスメント=人生修練」という思想だ。実は日本軍にも、「新兵いじめ」という現代のパワハラ・いじめとほぼ同じようなものがまん延していた。 例えば、1944年に学徒出陣で、陸軍北部第178部隊に入った男性は以下のようなパワハラを経験している。 「就寝前、汚れてもいない銃を見て班長が『手入れがなっていない』と激怒。銃床で頭をこづかれ殴られた。新兵同士で殴り合いを強いられたこともある。自尊心を打ち砕くいじめもあった。軍人勅諭を言わされ、間違えた戦友は柱によじ登ってセミのまねをさせられた。『ミーン、ミーン』。今度は『鳴き声が違う』と罵声が飛んだ」(朝日新聞 2014年8月15日) 気分が悪くなる人も多いだろうが、当時はそこまで悪いことだとされなかった。精神的にもまだひ弱で、戦争の厳しさもまだよく知らない新兵を強く鍛え上げるためには必要な鍛錬、つまり「人生修練」だと捉えられていた。 五ノ井さんが受けた同僚からの暴力やセクハラを「テスト」と捉える人たちと全く同じ考え方なのだ』、「日本軍カルチャーのひとつが、「ハラスメント=人生修練」という思想だ。実は日本軍にも、「新兵いじめ」という現代のパワハラ・いじめとほぼ同じようなものがまん延していた」、「精神的にもまだひ弱で、戦争の厳しさもまだよく知らない新兵を強く鍛え上げるためには必要な鍛錬、つまり「人生修練」だと捉えられていた。 五ノ井さんが受けた同僚からの暴力やセクハラを「テスト」と捉える人たちと全く同じ考え方なのだ」、なるほど。
・『日本の小中学校も日本軍方式  歴史学者・一ノ瀬俊也氏の『皇軍兵士の日常生活』(講談社現代新書)の中では、1933年に千葉県の佐倉の歩兵第五七連隊に入隊した「石川」という上等兵が書いた日記を紹介している。 そこには日々の過酷な訓練などとともに、初年兵たちに行われた「学科」と呼ばれる体罰などの記述がある。が、これも理不尽な暴力という扱いではなく「人生修練」と捉えられた。『皇軍兵士の日常生活』の言葉を借りると、『当時の軍が軍隊教育の過程でさかんに唱えていた<軍隊=人生の修練道場>という思考法』に基づいた、立派な「教育」だったのである。 ちなみに、このように体罰やいじめという「痛み」や「辛い経験」「我慢」によって、人間を成長させるという日本軍式教育を受け継いだ先のひとつが、日本の「学校」だ。 幼い子どもに、まるで拷問のように重いランドセルを背負わせて、前ならえ、休め、と軍隊のような「集団行動」を叩き込む教育は、先進国では日本だけだ。 ほかにも、部活動の体罰や、「みんな平等」「ルールを守る」を異常なまでに叩き込む一方で、「自分の頭で考える」「ルールを疑う」ということを禁止しているところなど、日本の小中学校は、日本軍の教育方針をそのまま踏襲している』、「このように体罰やいじめという「痛み」や「辛い経験」「我慢」によって、人間を成長させるという日本軍式教育を受け継いだ先のひとつが、日本の「学校」だ。 幼い子どもに、まるで拷問のように重いランドセルを背負わせて、前ならえ、休め、と軍隊のような「集団行動」を叩き込む教育は、先進国では日本だけだ。 ほかにも、部活動の体罰や、「みんな平等」「ルールを守る」を異常なまでに叩き込む一方で、「自分の頭で考える」「ルールを疑う」ということを禁止しているところなど、日本の小中学校は、日本軍の教育方針をそのまま踏襲している」、「日本の小中学校は、日本軍の教育方針をそのまま踏襲している」との鋭い指摘は同感である。
・『脈々と受け継がれてきた日本の「ハラスメント・体罰体質」  話を整理しよう。日本軍では「ハラスメントは人生修練」「体罰は教育」という考え方が一般的だった。 国家総動員体制になると、そのような考えは民間企業にもウイルスのように広がっていく。それは戦争に敗れた後も継続された。戦時教育を受けた人々が戦後復興をしたのだから当然だ。 かくして、「ハラスメントは人生修練」「体罰は教育」という考え方は、社長から幹部へ、幹部から平社員へ、そして平社員から新入社員へ…という感じで次世代に受け継がれていったというわけだ。 このようなサイクルで、「ハラスメントは人生修練」「体罰は教育」というカルチャーは高度経済成長からバブル期、平成不況を乗り越えて現代まで続いている。それがいきなり、「あらゆるハラスメントは許されません」「体罰は禁止です」と言われて、「はい、そうですか」などと素直に従うことができるだろうか。 できるわけがない。今の「マスク圧力」と一緒で、社会的制裁が怖いので、表向きは「ハラスメント反対」「体罰は絶対にダメ」なんて言ってみんなに調子を合わせるだろうが、人の目がない密室や、閉鎖的なムラ社会の中だと「本性」が出てしまう人も多いはずだ。 つまり、弱い立場の人を「鍛える」という名目でハラスメントをして、「口で言ってもわからないやつは体に叩き込む」に体罰を繰り返すのだ。 これが日本で、ハラスメントや体罰がいつまでもたっても撲滅できない根本的な原因ではないのかと個人的には思っている。 いずれにせよ、五ノ井さんへ寄せられた多数の誹謗中傷は、この国にはいまだに日本軍のように「ハラスメントは人生修練」と信じている人が多いことを浮き彫りにした。 銃弾に倒れた安倍晋三元首相は戦後レジームからの脱却を掲げていたが、実は我々はまだ「戦前レジーム」からも脱却できていないのかもしれない』、「弱い立場の人を「鍛える」という名目でハラスメントをして、「口で言ってもわからないやつは体に叩き込む」に体罰を繰り返すのだ。 これが日本で、ハラスメントや体罰がいつまでもたっても撲滅できない根本的な原因ではないのかと個人的には思っている」、同感である。「銃弾に倒れた安倍晋三元首相は戦後レジームからの脱却を掲げていたが、実は我々はまだ「戦前レジーム」からも脱却できていないのかもしれない」、故安倍氏も草葉の陰でくしゃみをしているかも知れない。
タグ:ハラスメント (その22)(ENEOS元会長“謎の辞任”理由は性加害! 那覇でホステスに「銀座では当たり前」言い放つ、「性欲が旺盛だからではない」精神科医が解説"一発アウトの性加害"を犯してしまう本当の理由 香川照之、エネオス前会長…地位のある中高年男性がなぜ、元陸自・性被害告発者への誹謗中傷でまた露見 日本人の伝統的ハラスメント体質) 日刊ゲンダイ「ENEOS元会長“謎の辞任”理由は性加害! 那覇でホステスに「銀座では当たり前」言い放つ」 「女性は肋骨を骨折、PTSD・・・のような症状に悩まされている」、これではセクハラの域を超えて、障害罪が成立する可能性もあるのではなかろうか。「杉森氏」の「辞任」は当然だろう。 「銀座の高級クラブが日常的に性加害の許される“無法地帯”だと思われたら、ホステスもはなはだ迷惑だろう」、その通りだ。 PRESIDENT ONLINE 安藤 久美子氏による「「性欲が旺盛だからではない」精神科医が解説"一発アウトの性加害"を犯してしまう本当の理由 香川照之、エネオス前会長…地位のある中高年男性がなぜ」 「精神医学」からの解説とは興味深そうだ。 「のぞきや露出などは、直接的な接触はなかったとしても、被害者を持続的で甚大な恐怖に陥れる」ことから、「接触性の高さ」と「攻撃性の高さ」とは「比例し」ないようだ。 「日本社会の文化的背景も影響しており、正しく同意の有無を確認することは難しい場合もある。たとえば、驚くかもしれないが、現代においても「女性なのに逆らうのか」「上司の命令には従わざるを得ない」といった発言に代表されるようなジェンダーに関する問題や年功序列的な考えがいまだに根強く残っているのである。 さらにこうした考えは、強要する側だけでなく、強要される側にも共通してみられることがある」、確かに難しい面がありそうだ。 「性犯罪防止に対して適切に対処しようとするならば、加害者と被害者の両者の心性について正しく理解しておく必要があるだろう」、その通りだ。 「「性暴力は抑えがたい性的欲求による」という誤解」、「性犯罪者は普段から性欲が強いとか、男性ホルモンが高値であるなどとも誤解されがちであるが、これまでに精神鑑定を行った性犯罪者たちのなかには男性ホルモンの値が異常値を示していた者はいなかった」、なるほど。 「コントロールできない衝動的な行動であったなどということはできない」、「最終的に実行に至る際には好みよりもより狙いやすい相手にターゲットを絞っている」、なるほど。 「実際には、親密な関係間、家族間のほうが、性犯罪の発生率は高いのである。しかし、親密な関係であるほど、被害者は「こんなことで訴えて関係を悪くしたくない」と考えるだろうし、加害者もそうした被害者心理に付け込み、「こんなことでは訴えないだろう」などと高をくくっている」、初めて知った。 (注)暗数:実際の数値と統計結果との誤差で、なんらかの原因により統計に現れなかった数字のこと(Wikipedia) 「相手は嫌がっていない」などと、認知がゆがんでいる」、「認知のゆがみには大きく分けて「否認」と「最小化」がある」、中味については次で説明される。 「「否認」と「最小化」は、どちらか一方だけというよりも両方を持ち合わせており、状況に応じてそれらの誤った認知を都合よく変容させて自己の行動を合理化している」、「状況に応じてそれらの誤った認知を都合よく変容させて自己の行動を合理化している」、ありそうな行動だ。 「うまくいかないことや不快な体験があったときに、自分よりも弱いものを攻撃してその状況を支配し優位性を実感することで、抑圧された不満や怒りの感情を発散する。これによって平素より感じている劣等感や自己評価の低さから一瞬だけでも目を背けられるからである」、「だからこそ、加害者は失敗しないように被害となる対象をよく選んでいるし、はじめから意図していなかったとしても、時に暴力的な手段にまで発展してしまうこともあるのである」、なるほど。 「多くの性犯罪者は、犯罪行為を行う前に、自分がこれからやろうとしている行動の意味を理解しており、さらには「捕まったらどうしよう」というように行動の結果、何が起こりうるかということも想像できている。しかし、いったん犯罪行為のスイッチが入ってしまうと、行動を遂行する方向にしかベクトルが向きにくくなる。 すると次には、「これでもう終わりにする」とか「あと1回だけだから」などと事前に言い訳をすることで自身の思考や行動に合理性を与え、さらには「今回もうまくいく」「やめようと思えば自分はいつでもやめることができる」などと自分に言い聞かせ、犯罪思考を擁護する方向に自らを進めていく。その結果、この「あと1回だけ……」という誓いは永遠に繰り返されていく」、恐ろしいことだ。 「欧米では選択的セロトニン再取込阻害剤(SSRI)やホルモン作用物質などを中心とした薬物療法」が「心理療法と併用で実施されている」、「わが国においても、ここまでに記載してきた通り、認知のゆがみや、依存的な心性が犯罪行為に深く関係しているとするならば、基本的な治療選択は認知行動療法を中心とした心理療法となるであろう」、 「やるべきことは単純なはずであるである。たとえば、対人関係を円滑にしてストレスをため込まないことや適切なストレス発散の方法をみつけること、そして何よりも常に相手を尊重する気持ちをもって接することといった、犯罪歴の有無を問わず、誰もが日常から気をつけるべき、ごく普通の生活を繰り返すことこそがすべての犯罪行為から自分を遠ざけるための一番の秘訣ひけつなのだから」、これは分かるが、「薬物療法」に触れられてないがどうしてなのだろう。 ダイヤモンド・オンライン 窪田順生氏による「元陸自・性被害告発者への誹謗中傷でまた露見、日本人の伝統的ハラスメント体質」 「「許されることではない」「もはやそういう時代ではない」と口では言いながら、陰では部下や後輩をネチネチでいじめて、女性には性的な嫌がらせをする人が後を絶たないというのが、「美しい国、日本」の現実なのだ」、同感である。 「共通しているのは、「セクハラやパワハラは人を大きく成長させる好機なのだから弱音を吐かずに立ち向かえ」というスポ根的な思想だ。この「ハラスメント=人生修練」という考え方が日本人の頭に洗脳のように叩き込まれていることこそが、日本でいつまでたってもパワハラやセクハラがなくならない「諸悪の根源」ではないかと考えている」、その通りだ。 「日本軍カルチャーのひとつが、「ハラスメント=人生修練」という思想だ。実は日本軍にも、「新兵いじめ」という現代のパワハラ・いじめとほぼ同じようなものがまん延していた」、「精神的にもまだひ弱で、戦争の厳しさもまだよく知らない新兵を強く鍛え上げるためには必要な鍛錬、つまり「人生修練」だと捉えられていた。 五ノ井さんが受けた同僚からの暴力やセクハラを「テスト」と捉える人たちと全く同じ考え方なのだ」、なるほど。 「このように体罰やいじめという「痛み」や「辛い経験」「我慢」によって、人間を成長させるという日本軍式教育を受け継いだ先のひとつが、日本の「学校」だ。 幼い子どもに、まるで拷問のように重いランドセルを背負わせて、前ならえ、休め、と軍隊のような「集団行動」を叩き込む教育は、先進国では日本だけだ。 ほかにも、部活動の体罰や、「みんな平等」「ルールを守る」を異常なまでに叩き込む一方で、「自分の頭で考える」「ルールを疑う」ということを禁止しているところなど、日本の小中学校は、日本軍の教育方針をそのまま踏襲している」、「日本の小中学校は、日本軍の教育方針をそのまま踏襲している」との鋭い指摘は同感である。 「弱い立場の人を「鍛える」という名目でハラスメントをして、「口で言ってもわからないやつは体に叩き込む」に体罰を繰り返すのだ。 これが日本で、ハラスメントや体罰がいつまでもたっても撲滅できない根本的な原因ではないのかと個人的には思っている」、同感である。「銃弾に倒れた安倍晋三元首相は戦後レジームからの脱却を掲げていたが、実は我々はまだ「戦前レジーム」からも脱却できていないのかもしれない」、故安倍氏も草葉の陰でくしゃみをしているかも知れない。
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