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環境問題(その13)(もう怒った…環境問題の研究者が小池都知事に「太陽光パネル義務化反対」請願を提出した理由、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープかけたお粗末な犯人の言い分 過激化する「エコテロリスト」たちの「心の貧困」、環境問題の利害対立が一変 オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由、陰謀論者の増加と「リベラル政党離れ」が世界中でつながる根深い事情) [経済政策]

環境問題については、4月23日に取上げた。今日は、(その13)(もう怒った…環境問題の研究者が小池都知事に「太陽光パネル義務化反対」請願を提出した理由、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープかけたお粗末な犯人の言い分 過激化する「エコテロリスト」たちの「心の貧困」、環境問題の利害対立が一変 オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由、陰謀論者の増加と「リベラル政党離れ」が世界中でつながる根深い事情)である。

先ずは、9月22日付け現代ビジネスが掲載したキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の杉山 大志氏による「もう怒った…環境問題の研究者が小池都知事に「太陽光パネル義務化反対」請願を提出した理由」を紹介しよう。なお、出典のURLは省略。
https://gendai.media/articles/-/100106?imp=0
・『国民に経済的負担をかける  東京都は太陽光発電の新築住宅への義務付けを進める方針だ。 9月20日、小池知事は所信表明にて、「『環境確保条例』の見直しを図ります」としたうえで、以下のように述べた。 「住宅などの新築中小建物に対する太陽光発電の整備などを大手住宅供給事業者などに義務づける全国初の制度を掲げました」 しかしいま、太陽光発電には問題が山積している。 筆者はこれまで一介の研究者としてエネルギー環境問題に従事してきたが、東京都議会の上田令子議員(江戸川区選出)に励まされ、一人の都民として請願を出すことにした。 これまでも本コラムで述べてきたように、太陽光パネルの義務付けは、中国政府によるジェノサイドへの加担となり、国民に経済的負担で迷惑をかけることを都民に強制するものだ。のみならず、水害時には感電により人命に関わる懸念がある。 筆者は9月20日付で、小池知事宛に義務付けを中止・撤回するよう請願書を提出した。また東京都議会にむけては、上田令子議員に紹介議員となっていただいて、環境建設委員会へ同内容の請願書も提出した。この後、上田議員とともに都庁で記者会見を行った。 同日、上田議員の呼びかけで署名活動が始まった。ネット署名については、このウェブサイトを参照してほしい。 筆者による都知事あての請願について、原文のまま紹介しよう。 【小池百合子東京都知事宛請願】 新築物件への太陽光パネル等の設置義務化に関する請願書 令和4(2022)年9月20日提出 東京都知事 小池百合子 殿 杉山(すぎやま)大志(たいし) 貴職におかれましては、都民福祉と都政発展のため、日夜精励されておられると存じます。 憲法第16条及び請願法題3条に基づき、以下の事項を請願いたします。 同法第5条に則り、誠実な検討の上、私の願意への貴職のご所見を本年10月3日までに文書にてご回答ください』、「太陽光発電の新築住宅への義務付け」は私のつたない記憶では、知事選時の公約ではなく、急に出てきた話のようだ。
・『ジェノサイドへの加担を義務づけ? (願意) 新築物件への太陽光パネル等の設置を義務化する条例改正を直ちに中止・撤回していただきたい。 (理由) 現在、東京都は新築物件の屋根に太陽光パネルの設置を義務付ける条例を検討しております。 しかし、パブリックコメントでも多数の反対意見が寄せられているように、今や太陽光発電には問題が山積しています。資料を添付いたしますので、ご参照ください。 以下では特に、人権、経済、防災の観点から、3点に絞って意見を申し上げます。 1 中国政府によるジェノサイド・人権弾圧への加担を都民に義務付けることにならないか。 現在、世界の太陽光パネルの8割は中国製、半分は新疆ウイグル製と言われています。国際エネルギー機関の7月の報告によれば、中国製のシェアは今後更に上がり、95%にも達する見込みです。 他方で、新疆ウイグル自治区における少数民族へのジェノサイド・人権弾圧の証拠は、国際社会が認めるところとなり、ますますはっきりしてきています。先進諸国は軒並みジェノサイドを認定し非難決議をしています。国連においても、人権高等弁務官事務所が「深刻な人権侵害が行われている」などとした報告書を8月末に公表しました。 強制労働(ジェノサイドの一部)と太陽光発電パネル製造の関係もはっきり指摘されています。 米国では、ジェノサイドを問題視し、新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む製品は何であれ輸入を禁止するウイグル強制労働防止法を6月21日に施行しました。 かかる現状において、東京都が太陽光パネルを都民に義務付けるならば、それは事実上、ジェノサイドへの加担を義務づけることになります。だがこれは私たち都民の望むところではありません』、「世界の太陽光パネルの8割は中国製、半分は新疆ウイグル製」、「米国では、ジェノサイドを問題視し、新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む製品は何であれ輸入を禁止するウイグル強制労働防止法を6月21日に施行」、これでは「東京都が太陽光パネルを都民に義務付けるならば、それは事実上、ジェノサイドへの加担を義務づけることになります」、確かに大いに問題だ。
・『100万円は一般国民の負担  東京都は、太陽光パネルについて、その設置を義務付けるよりも、むしろ、米国と同様に、「新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む太陽光パネルの利用禁止」を公共調達や事業者において義務付けるべきです。 なお、都はこれまでの事業者へのヒヤリングにおいて「新疆ウイグル自治区の製品を使っていない」旨の回答を得ているとのことです。(太陽光発電設置解体新書スライド43) だが、かかるヒヤリングだけでは全く不十分です。結果として都民をジェノサイド・人権弾圧に加担させた場合、都はどのようにしてその責任をとるのでしょうか。 2 国民・都民への負担が巨額に上るのではないか。 国土交通省の試算に基づけば、条件の良いところであれば、150万円のパネルを設置した場合、15年で元が取れるとされています。 確かに建築主は元が取れるようですが、これは一般国民の巨額の負担に依存するものです。太陽光発電による電力の本当の価値は50万円程度しかありません。残りの約100万円は一般国民の負担になります。このように負担の在り方が歪むのは、「再生可能エネルギー全量買取制度」を含め電気料金制度全体が、今のところ太陽光発電に極めて有利なように設計されているからです。だが太陽光発電の電力としての価値は、火力発電の燃料費を削減できる分だけであり、これは50万円程度にすぎません。 かかる事実が明らかになり、国民全般に負担を強要し迷惑をかけることを、東京都民は望んでいないと思います。 新築物件への太陽光パネル設置を義務付けることで、国民全般にどの程度の巨額の負担がかかるのか、東京都は明らかにすべきでしょう。 3 水害時に人命が失われるのではないか。 東京都では大規模水害が予測されています。江戸川区などでは最大で10メートル以上の浸水が1~2週間続く恐れがあると想定されています。 水没した太陽光発電設備に感電・漏電の危険があることは、政府機関NEDOの調査で明らかになっています。 感電・漏電による二次災害、感電の危険による避難・救助の遅れなどで、人命が失われる事態が想定される。水害の恐れのある地域において、太陽光パネルの設置を義務化すべきではなく、むしろ禁止すべきです。 以上の理由により、貴職による真摯な検討と太陽光パネル義務化の中止・撤回を求めます。以上』、「東京都は、太陽光パネルについて、その設置を義務付けるよりも、むしろ、米国と同様に、「新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む太陽光パネルの利用禁止」を公共調達や事業者において義務付けるべきです」、その通りだ。

次に、10月17日付けJBPressが掲載した作曲家=指揮者でベルリン・ラオムムジーク・コレギウム芸術監督・東京大学大学院情報学環同准教授の伊東 乾氏による「ゴッホの「ひまわり」にトマトスープかけたお粗末な犯人の言い分 過激化する「エコテロリスト」たちの「心の貧困」」を紹介しよう。
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https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72279
・『10月14日、ロンドンのナショナル・ギャラリーで情けない事件が発生しました。 ゴッホの油画作品「ひまわり」にトマトスープをかけて、自然保護を「アピール」してみせるという(https://www.cnbc.com/2022/10/14/oil-protesters-arrested-after-throwing-tomato-soup-at-van-gogh-painting.html)、何とも表現しようのない失態です。 ちなみに絵画そのものはガラスで覆われていて無傷のまま。 汚損があった場合請求されるだろう莫大な損害賠償金(「ひまわり」の評価額は80億円程度と報じられています)を支払わずにすむよう、あらかじめ「安全策」を施された状態での「テロリズム」であることも最初に記しておきます。 今回は、このところ頻発し、また先鋭化の傾向を見せているこうした「エコテロリズム」と、その背景を考えてみたいと思います』、「エコテロリズム」とは興味深そうだ。
・『「エコテロリスト」その主張とは  まず、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープをかけた人たちが何を主張しているかを見てみましょう。 上のリンクを見ると分かるように、ゴッホ「ひまわり」に「ハインツ」の缶入りトマトスープをぶちまけたのは環境保護団体「JUST STOP OIL」メンバーを名乗る若い女性2人。 少なくとも1人は髪をピンク色に染めて、なかなかパンクな装いです。揃いの「JUST STOP OIL」Tシャツを着、「インスタ映え」でも狙っていそうなポーズを決めながら、彼女たちは言います。 「こんな絵を一枚守ることと、地球と人々の生命を守るのと、どっちが大切なのか?」 英国政府がここ2週間に決定した「北海油田における石油とガス採掘政策」に抗議し、「地球の生態系、そして人類をを守るため」ゴッホの絵画にトマトスープをぶちまけたというのですが・・・。 まず最初に言えることは、髪の毛をピンクに染めるのにも、相当の環境負荷がかかっている可能性があるのを自覚しているのか、といったあたりからでしょう。 「有名絵画」を襲えばニュースになるので、自分たちの主張が安く、手っ取り早く世界に報道される。 だから、防備の薄い、知名度の高い絵画をスキャンして、あらかじめカメラその他も手配したうえで、その手のアピールをして見せる。 というのが彼ら彼女らの手法で、言って見れば「炎上型ユーチューバー商法」の一種と呼べそうです。 警備の手薄な所を狙い、逃げも隠れもできない「絵画」を襲うというのは典型的な「弱い者いじめ」の発想です。 2001年に発生したイスラム原理主義勢力「タリバーン」による「バーミヤン摩崖仏」爆破(https://www.isan-no-sekai.jp/column/7979)にも通じる卑劣な犯行と言わざるを得ません。 しかし、この卑怯な手口そのものも「JUST STOP OIL」のオリジナルというわけではありません。 このところ相次いでいる「エコテロリズム」模倣犯の一つに過ぎない、21世紀の視聴覚高度情報メディア化ネットワークが見せる、典型的な社会病理のサンプルに過ぎないものです』、「防備の薄い、知名度の高い絵画をスキャンして、あらかじめカメラその他も手配したうえで、その手のアピールをして見せる。 というのが彼ら彼女らの手法で、言って見れば「炎上型ユーチューバー商法」の一種と呼べそうです」、「「炎上型ユーチューバー商法」の一種」とは言い得て妙だ。
・『「エコテロリスト」の共通項「名画イジメ」  タリバーンもまた、野卑で拙劣な方法ながら、自分たちの存在をアピールするため、わざわざ音声動画を収録しながら、世界的に著名でかつ完全に無抵抗なバーミヤンの石窟寺院を爆破してみせ、それを全世界にコンテンツ配信してみせました。 2001年3月10日のことです。それから半年が経った2001年9月11日、何が起こったか? やはり、あらかじめカメラの砲列を準備したうえで、ニューヨークの世界貿易センタービルに航空機を用いた自爆特攻が仕掛けられた。 言わずと知れた「9・11同時多発テロ」です。この経緯を彷彿させる「いやな感じ」を、こうした犯行から抱かざる得ません。 今年の5月29日、パリのルーブル美術館内で、車いすに乗せられた老婦人(を偽装した犯人)が人混みを掻き分け、レオナルド・ダ・ヴィンチの手になるとされる絵画「モナ・リザ」(「ジョコンダ」)の正面まで案内されました。 すると、老婦人と思われた人物はかつらを脱ぎ捨て、おじさんの本性が露わとなり、全身でモナリザを防護しているガラス面に突入していったのです。 残念ながら、そのおじさんの「自爆特攻」ではガラスは破れなかった。 すると今度は、車いすに隠し持っていた「クリームケーキ」、いわゆる「パイ投げ」のパイと思われます、をモナリザに投げつけた(https://www.marca.com/en/lifestyle/world-news/2022/05/29/6293b4df22601dc3408b45b6.html)のです。 幸か不幸か、この絵の顔の位置は3メートルほどの高さにありました。 そのため、人混みの中でも遠くから見えるわけですが、おじさんの投げたパイはモナリザの顔を直撃するアメリカンコミックを成立させられず、胸のあたりを汚すにとどまりました。 取り押さえられた犯人のおじさんは「地球環境を考えろ!アーチストはアートにかまけたいならエコロジーに目を向けろ」などと呼号していた。 モナリザの前には、無数の「スマホの砲列」が並んでおり、ここでアピールすれば全世界に情報が拡散するだろう・・・というのはユーチューバー的発想として正解だったでしょう。 それ以上の知性はほとんど感じられない。 「ひまわり」も「モナリザ」も一切抵抗などできない弱い存在の絵画です。ただ有名ではある。 そういう「名画イジメ」を通じて自己アピールしたいという、お粗末な犯行でした。 これ以降、車いすに乗ってルーブルを回る高齢者の身体チェックが厳しくなったことは想像に難くありません。何とも情けないことをしてみせるものです。 こうしたユーチューバー型の稚拙な犯行に終始とどまるのであればまだしも、20年前のバーミヤンを考えるとき、人の集まる美術館でより危険性の高い「アピール」が発生するリスクが心配です。 ルーブルを筆頭に、現在、世界各国の著名美術館、博物館は持ち物チェックのセキュリティを徹底しており、銃や爆弾などを持ち込むことは困難です。 そこで「トマトスープ」やら「パイ投げ」やらといった投擲物が選ばれているわけです。 接着剤など新手の手法を用いる「エコテロリスト」も登場しており、ガードとのいたちごっこがしばらくは続く可能性があるでしょう』、「「名画イジメ」を通じて自己アピールしたいという、お粗末な犯行」、「「エコテロリスト」も登場しており、ガードとのいたちごっこがしばらくは続く可能性があるでしょう」、困ったことだ。
・『真因は閉塞した社会経済への不満  一連の事件を見渡すと、こうしたアピールをした連中がどの程度真剣に「エコロジー」を考えているのか、かなり首を傾げざるを得ません。 こうした破壊行為は「ヴァンダライゼーション」と呼ばれます。 実行犯の声明に共感する大衆などはほとんどおらず、教養層は嫌悪感を示すでしょうし、その場の映像を見ても分かる通り、居合わせた大衆は予想外のハプニングに喜んで自撮りをあちこちに散布する程度。 日本のテレビで蔓延した「イジメ芸」を喜ぶ視聴者とほぼ同様のリアクションが見られるにとどまります。 何にしろおよそ地球環境保護のメッセージなどにはならない。浅い大衆受けを狙った心貧しい犯人による一過性の自己顕示以上のものにはなり得ません。 この「心貧しさ」に注目せざるを得ないのです。 こうした犯行が実行できてしまうもう一つの背景は、犯人たちが「心豊かな」教養を備えそこなっているという事実でしょう。 これは何も低所得層で教育の機会を得られなかったといったことではありません。 例えば、世界各地の高校や大学でSTEMとかSTEAMとか称して、IT・AI時代の人材育成はSサイエンスTテクノロジーEエンジニアリングとM数学を重視して、プログラミング人材不足に対処すべきだとかいう動きがあります。 これにアートAも加えてシステム創成に役立つSTEAM人材をなどと、米国企業由来の社会ニーズに合致させようとするものです。 ここでいう「アート」のお粗末なこと、これは専門の観点から客観的に指摘する必要のある事実です。 そういう「心の貧困」を、それなりの高等教育機関であるはずの場所でも、どれだけたくさん見てきたことか、名状し尽くすことができません。 それこそ「有名絵画にパイをぶつけたら面白い」程度のSTEMもSTEAMも、極めて残念なことですが、仕事柄あちこちで見るわけです。 批判的な観点があってスパイスが利いていて面白い程度のリアクションも目にします。 そうしたもの全般、小手先の小器用さと別に、教養の水準が低い。心が狭く、豊かな広がりがない。 そういうモラルも倫理も教えない低見識な「人材量産」に走り、問題が起きると「自己責任」と切り捨てる米国企業発のマスプロ教育に、ここ20年来EUやOECD(経済協力開発機構)は一貫して厳しい視線を向けて来ました。 私もそちらから物事に向き合っています。 ただ今回は皮肉なことに、一連の事件が「ロンドン」「パリ」など、もっぱら欧州で発生していることでしょう。 犯人の素性など、いまだ報じられない面も多いですが、一概に米国式量産教育だけの責任にはできません。 しかし、各地での事件報道を見ても『「ひまわり」は時価80億円』『「モナリザ」は時価1000億円』といった銭ゲバ的で、スキャンダリズムを喜ぶ報道が目についたのも、残念ながら事実でした。 さて、果たして「芸術の価値」は価格にあるのか? 「エコ」と比肩しうる人類史の貴重な遺物が持つ価値を人々は正確に把握できているのか・・・実の所定かでありません。 「どうして『ひまわり』に価値があるのか?」「モナリザが美術史的に占める位置は?」という問いは、「なぜバーミヤン石窟寺院は人類史において貴重な遺物だったか?」とほとんど同質の、文化にとって本質的な問いを投げかけています。 これに対して「そんな能書きどうでもいい、儲かりゃいいんだから」といったモノカルチャーと「絵画の価値なんかどうでもいい、環境問題を標榜して目立ちゃいいいんだから」という似非エコテロリストの背景土壌はほとんど同じもの。 これを放置したままでは、累犯を防ぐことはできないでしょう。 まずは日本国内で、こうした模倣犯が起きないよう、事前予防の対策が必要になってしまうのが、残念で仕方ありません』、「「そんな能書きどうでもいい、儲かりゃいいんだから」といったモノカルチャーと「絵画の価値なんかどうでもいい、環境問題を標榜して目立ちゃいいいんだから」という似非エコテロリストの背景土壌はほとんど同じもの。 これを放置したままでは、累犯を防ぐことはできないでしょう」、同感である。

第三に、11月3日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した株式会社ニューラルCEOで経営・金融コンサルタントの夫馬賢治氏による「環境問題の利害対立が一変、オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311795
・『環境問題への経済認識に関して、歴史的には、オールド資本主義と脱資本主義の衝突という構図がはっきりとあった。オールド資本主義側にいたのはグローバル企業と機関投資家で、環境問題に対処することは経営コストだとみなしていた。一方、脱資本主義側にいたのが、環境NGO、農家、労働者だ。だが最近、経済認識の対立構造は複雑化している。その変化の一端を、オランダで畜産農家が大規模デモをした理由からみていこう。※本記事は『ネイチャー資本主義 環境問題を克服する資本主義の到来』(PHP新書)の抜粋・転載です』、「環境問題への経済認識に関して」「対立構造は複雑化」、とは興味深そうだ。
・『環境問題を「陰謀論」と結び付ける人が増えるワケ  2000年以降の資本主義は大きな変貌を遂げた。かつては環境問題など考慮するに値しないと考えていたグローバル企業や機関投資家たちは、環境問題の深刻さに気付き、積極的に向き合うようになっている。そしていつの間にか、環境NGOと並ぶほどに世界の中で最も環境問題の解決を志向するようになった。 では、あらためて、人々が抱いている経済認識を整理しておきたい。下の図は、拙著『ESG思考』の中で提示した経済認識の分類図だ。横軸は、ビジネスが環境や社会へ及ぼす影響を企業が考慮するようになると、利益が減るとみるか、それとも増えるとみるか、の違いだ。一方、縦軸は、企業が環境や社会の影響を考慮することに賛成か、それとも反対か、というものだ。(図表:経済認識に関する4分類モデル はリンク先参照) この2軸で分けると、異なる4つの経済認識が浮かび上がってくる。まず、左下の「オールド資本主義」。環境や社会へ考慮することはコストでしかないので、考慮するに値しないという考え方だ。マルクス主義が想定した、あのあくどい「資本家」は、オールド資本主義の典型的な例だ。この次元にいる人たちは、基本的に環境問題への関心は薄い。また経済と環境を相反するものと考えているため、経済発展するには、ある程度の環境問題は致し方ないと考えていたりする。 2つ目が、左上の「脱資本主義」。オールド資本主義と同様に、この次元の人たちも経済と環境は相反するものと考える。そして、まさにマルクス主義が主張しているように、徒に短期的な利益を追求するオールド資本主義は、環境や社会を荒廃させるので、そこから脱するには資本主義そのものを捨て去るしかないと主張している。だが、人口が増加していく人間社会で、脱資本主義でどのようにプラネタリー・バウンダリー問題を解決できるかについて、残念ながら説得力のある議論ができていない』、「経済認識に関する4分類モデル」は議論の整理には有益そうだ。
・『うまい話の裏には陰謀があると考えるタイプの人たち  3つ目が、右上の「ニュー資本主義」。長期的な持続可能性(サステナビリティ)の観点から、未来の経営リスクを感じ取った企業や機関投資家は、オールド資本主義からニュー資本主義へと経済認識を転換してきている。代表的なキーワードは「ESG」だ。そして、環境・社会を重視した経営は、競争力を高め、企業価値を長期的に向上していけると理解されるようになった。最近では政府からも「経済と環境の好循環」という政策が出てくるようになった。 4つ目が、右下の「陰謀論」。うまい話の裏には陰謀があると考えるタイプの人たちだ。この次元の思想の持ち主は、特にニュー資本主義のように、経済と環境が好循環するというような綺麗事を聞くと、誰かの陰謀ではないかと勘ぐりたくなる。企業が環境・社会への影響を積極的に考慮することは、利益を生むのかもしれないが、結局それは誰か他の人の利益であって、自分たちの利益はむしろ蝕まれると考えていたりする。 これら4つのタイプの人たちは、水平のラインを境に上下の次元で対立しやすい。つまり、環境・社会への影響考慮に賛成か、反対かという意見衝突だ。歴史的には、オールド資本主義と脱資本主義の衝突という構図がはっきりとあった。オールド資本主義側にいたのはニュー資本主義に移行する前のグローバル企業と機関投資家で、環境問題に対処することは経営コストだとみなしていた。 一方、脱資本主義側にいたのが、環境NGO、農家、労働者だ。1999年にWTO(世界貿易機関)閣僚会議を巡ってNGOが道路を封鎖した「シアトル暴動」の頃は、ちょうど両者が激しく対立していた。この頃は、資本主義vs.反資本主義の時代だった。 だが最近、経済認識の対立構造は複雑化している。まず、その変化の一端をみていこう』、「最近、経済認識の対立構造は複雑化」、どういうことだろう。
・『オランダで畜産農家が大規模デモをした理由  2019年10月、オランダで数千台ものトラクターが、主要都市ハーグを中心に高速道路を封鎖した。その結果、オランダ中の高速道路で総長1000キロメートル以上の異常な交通渋滞が発生。街の機能は麻痺した。トラクターを運転していたのは、畜産農家だった オランダは、国土が小さな国で、農地面積は日本のわずか約4割しかない。それなのに世界有数の農業・畜産国で、農業関連輸出額はアメリカに次ぐ世界第2位を誇る。特にチューリップや野菜、チーズなどの乳製品は世界的にも有名だ。デジタル技術やAIも積極的に採用しており、生産性が抜群に高い。オランダの農地は国土全体の55%(牧草地含む)を占めるほど、国内経済を支える産業となっている。 当時オランダでは、大気汚染対策のために、農業と畜産業で窒素排出量を削減する政策が政府で検討されていた。特に課題視されていたのは、家畜牛の排泄物だった。国家公共衛生・環境研究所(MIRV)は、オランダ国内の窒素化合物(NOx)排出の46%が農業・畜産業によるものと分析し、そのうち牛の排泄物が約9割を占めると報告していた。 そのため、まだ政策議論の途中ではあったが、2019年9月9日には家畜の数を半分に減らすという案も出ていた。提案したのはオランダ緑の党や社会リベラル政党D66で、まさに環境NGOが支持している政党だった。これに畜産農家が反発した。なぜ自分たちが悪者扱いされなければならないのかと。 トラクターによる道路封鎖行動は、2019年10月1日の午後に一旦落ち着くが、10月14日から10月17日にかけ再び、オランダ全土で抗議活動が再燃。オランダ全土の高速道路がまたもや麻痺した。そして最終的に政府は、家畜の半減策を検討しないと公表した。 その後もオランダではたびたび畜産農家による抗議行動が発生している。直近でも2022年6月10日に再度、大規模な道路封鎖が発生した。争点はやはり窒素化合物の排出削減だった。今度はEU全体で大気汚染を大幅に削減することが決まり、オランダ政府は2030都市までに窒素化合物排出とアンモニア汚染を50%削減する政策を提案。そして政府は、オランダの畜産農場の30%が閉鎖される必要があるという試算を伝えた。 畜産農家はまたしてもこれに大きく反発。今回の抗議活動は長期化しており、本書を執筆している22年8月上旬時点でまだ事態は収束していない。さらに畜産農家だけでなく、他の農家や漁師までもが抗議活動に加勢。飛行機、自動車、建設業からも窒素化合物は出ているのに、なぜ自分たちだけが狙い撃ちにされるのかと憤った。畜産農家たちは、もし改革を進めるのであれば、政府は改革の方向性を明確に示すべきだと訴えた』、「今度はEU全体で大気汚染を大幅に削減することが決まり、オランダ政府は2030都市までに窒素化合物排出とアンモニア汚染を50%削減する政策を提案。そして政府は、オランダの畜産農場の30%が閉鎖される必要があるという試算を伝えた。 畜産農家はまたしてもこれに大きく反発。今回の抗議活動は長期化」、「事態は収束していない」、これは大変だ。
・『かつての脱資本主義陣営が大きく分裂  この事件は、かつての脱資本主義陣営が大きく分裂していることを意味している。かつて畜産農家と環境NGOは、一緒にグローバル企業と対峙する存在で、仲間同士だった。しかし、今では畜産農家が環境規制の強化に反発し、環境NGOと対立するまでになった。 他の国でも同様の事象が起きている。例えば2016年のアメリカ大統領選挙では、炭鉱労働者と環境NGOが反目し合った。当時の民主党バラク・オバマ政権では、気候変動や大気汚染への対策として、石炭火力発電を減少させる政策が打ち出されていた。 それに怒ったのが、ウエストバージニア州やペンシルベニア州の炭鉱労働者たちだった。オランダの畜産農家と同様に、なぜ自分たちが悪者扱いされなければいけないのかと環境政策を敵視した。そしてこの大統領選挙では、最終的に彼らからの支持を獲得した共和党ドナルド・トランプ候補が勝利を収めた。 2020年のアメリカ大統領選挙でも、労働組合側はなかなか一枚岩になれなかった。公務員労組の多くは、民主党ジョー・バイデン候補が掲げたグリーン・ニューディール政策を支持したが、すぐには賛成に回れない労働組合も少なくなかった。 例えば、米国炭鉱労働組合は、石炭労働者の生活が危ぶまれると主張し、グリーン・ニューディール政策に反対の姿勢を表明した。民主党支持派の多いカリフォルニア州では、人口密集地での油田開発を禁止する州法案が提出されたが、電気工、鉄工、パイプ工、ボイラー工、建設労働者が加入しているカリフォルニア州建設労働者協議会が反対したため、廃案となった』、「かつて畜産農家と環境NGOは、一緒にグローバル企業と対峙する存在で、仲間同士だった。しかし、今では畜産農家が環境規制の強化に反発し、環境NGOと対立するまでになった。 他の国でも同様の事象が起きている」、「例えば2016年のアメリカ大統領選挙では、炭鉱労働者と環境NGOが反目し合った。当時の民主党バラク・オバマ政権では、気候変動や大気汚染への対策として、石炭火力発電を減少させる政策が打ち出されていた。 それに怒ったのが、ウエストバージニア州やペンシルベニア州の炭鉱労働者たちだった。オランダの畜産農家と同様に、なぜ自分たちが悪者扱いされなければいけないのかと環境政策を敵視した。そしてこの大統領選挙では、最終的に彼らからの支持を獲得した共和党ドナルド・トランプ候補が勝利を収めた」、「2020年のアメリカ大統領選挙でも、労働組合側はなかなか一枚岩になれなかった。公務員労組の多くは、民主党ジョー・バイデン候補が掲げたグリーン・ニューディール政策を支持したが、すぐには賛成に回れない労働組合も少なくなかった」、確かに「労働組合側」にとっては、事態は複雑になったようだ。

第四に、この続きを、11月4日付けダイヤモンド・オンラインが掲載した株式会社ニューラルCEOで経営・金融コンサルタントの夫馬賢治氏による「陰謀論者の増加と「リベラル政党離れ」が世界中でつながる根深い事情」を紹介しよう。
https://diamond.jp/articles/-/311796
・『アメリカでは、民主党の支持基盤が安定しなくなった。ヨーロッパでも、リベラル政党の支持が薄まってきた。そして、日本でも同様に労働組合や低所得者層が、共産党、社民党、立憲民主党から距離をおくようになった。なぜ、これほどまでのリベラル政党離れが起きているのだろうか。そして、リベラル政党から離れていく人々は、どこに向かうのか。昨今、受け皿の役割を果たすようになってきているのが「陰謀論」だ。※本記事は『ネイチャー資本主義 環境問題を克服する資本主義の到来』(PHP新書)の抜粋・転載です。 >>前編『環境問題の利害対立が一変、オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由』から読む』、「リベラル政党離れ」とは興味深そうだ。
・『ニュー資本主義の浸透とリベラル政党の迷走  こうした事態は、世界中のリベラル政党にとって、悩みの種となってきている。グローバル企業と機関投資家がオールド資本主義の次元にいた時代には、とりあえずグローバル企業と機関投資家を環境軽視と批判していれば、環境NGO、農家、労働者の結束は固かった。 しかし今では、グローバル企業・機関投資家はニュー資本主義に移行してしまい、批判の対象にはしづらくなってしまった。あれほど犬猿の仲だったグローバル企業・機関投資家と環境NGOは、プラネタリー・バウンダリーの危機に対処するための社会変革(トランスフォーメーション)を実現するというビジョンを共有するまでになった。 こうしてリベラル政党は、新たな批判の矛先を探さなくてはならなくなってしまった。そして気付いたら、自分たち自身が、今まで重要な支持層だった農家や労働者に批判される時代が来ていた。アメリカでは、民主党の支持基盤が安定しなくなった。ヨーロッパでも、リベラル政党の支持が薄まってきた。そして、日本でも同様に労働組合や低所得者層が、共産党、社民党、立憲民主党から距離をおくようになった。 なぜ、これほどまでのリベラル政党離れが起きているのだろうか。かつてリベラル政党は、社会的弱者の味方を自称し、弱者を救済する政策を掲げていた。その点で、環境問題は社会的弱者が被害を受けることが多く、リベラル政党の重要な政策テーマだった。公害問題はその典型例だ。そして、環境規制を強化するためにグローバル企業と闘おうとする姿勢が、リベラル政党支持層からの共感を呼んでいた』、「環境問題は社会的弱者が被害を受けることが多く、リベラル政党の重要な政策テーマだった。公害問題はその典型例だ。そして、環境規制を強化するためにグローバル企業と闘おうとする姿勢が、リベラル政党支持層からの共感を呼んでいた」、その通りだ。
・『リベラル政党から離れていく人々の受け皿が「陰謀論」  しかし、今は違う。カーボンニュートラルやネイチャーポジティブを実現するには、産業構造を大幅に転換し、イノベーションを進める必要があることがわかってきた。そうなると、社会的弱者と言われる人たちの仕事内容も大きく転換していかなければならなくなる。 例えば、衰退する産業の労働者は、新たなスキルを習得して、違う分野で働く準備をしていかなければならない。規制が強化されれば、自分たちが培ってきた技能が使えなくなる。場合によっては生活の変化も余儀なくされる。そして準備や実行には資金もいるが、社会的弱者には資金的余裕が少ない。これに嫌気がさした人々にとって、リベラル政党はもはや味方ではなくなってしまう。リベラル政党離れが起きる。 では、リベラル政党から離れていく人々は、どこに向かうのか。昨今、受け皿の役割を果たすようになってきているのが「陰謀論」だ。実際に、2016年のアメリカ大統領選挙で共和党トランプ候補が勝利したとき、その少し前からアメリカ国内では陰謀論の関連本が多数出版されていた。 例えば「アンチ・アジェンダ21」という陰謀論がある。この論者は、世界政府の樹立を目指す闇の勢力が、環境危機を捏造することで社会を統制しようとしており、人々の自由が脅かされていると主張している。この陰謀論は、実際に共和党支持層の一派「ティーパーティ運動」にも大きな影響を与え、トランプ候補支持へとつながった。別の陰謀論では、闇の勢力は環境危機を喧伝し、世界の人口の85%を削減しようとしていると主張する論者もいた。 日本ではきっと、「陰謀論のようなくだらない話を真面目に論じるのはいかがなものか」と感じる方も少なくないだろう。だが、すでに世界各国で気候変動は陰謀だと考える「気候変動陰謀論者」が9~30%、平均では22%もいるという論文まで発表されている※注釈69。 陰謀論が増えてきているため、学術界では陰謀論に関する研究や論文が続々と出てきている。そして、日本でも陰謀論が醸成されやすい風土がある。例えば、20カ国で世論調査70を実施したところ、環境科学への信頼に関する設問で、「とても信頼する」と回答した人は、日本はロシアに次いで下から2番目と非常に少なく、25%しかいなかった。アメリカの45%をも下回っていた』、「日本でも陰謀論が醸成されやすい風土がある。例えば、20カ国で世論調査70を実施したところ、環境科学への信頼に関する設問で、「とても信頼する」と回答した人は、日本はロシアに次いで下から2番目と非常に少なく、25%しかいなかった。アメリカの45%をも下回っていた」、「日本でも陰謀論が醸成されやすい風土がある」とは意外だが、気を付ける必要がありそうだ。
・『ハンガリー首相「グローバリストは地獄へ落ちろ」  陰謀論者は、気候変動対策の結果、誰が得をするのかという点に着目してロジックを構築する人が多い。例えば、気候変動が危機だと伝えることで得をするのは大企業であり、大企業の陰謀だという説もある。欧米では、太陽光発電やバッテリーの分野で産業競争力の強くなった中国の陰謀だという人もいる。一方、日本では、ルール形成に長けているヨーロッパが、産業競争の構造を変えるために気候変動の話をあえて持ち出し、日本の産業競争力を弱体化させているという人もいる。 その中でも昨今、世界的に際立ってきているのが「反グローバリスト運動」だ。反グローバリスト運動は、かつて「資本主義vs.脱資本主義」という構図があった頃の「反グローバリゼーション運動」とは性格が違う。当時の反グローバリゼーション運動は、オールド資本主義の次元にいたグローバル企業を敵対視し、グローバル企業が引き起こしている環境破壊や社会荒廃から世界を守ろうという脱資本主義的運動だった。 一方、反グローバリスト運動は普遍的な価値観というようなものを嫌悪し、地元を守るために「世界全体思考」の人を攻撃する。当然、プラネタリー・バウンダリーの観点から世界全体で協力して社会・経済を大きく転換させようとする環境NGOは「グローバリスト」側にいるととらえられ、反グローバリスト運動の非難の対象となる。 反グローバリスト思想を表明している重要人物の1人が、ハンガリーのオルバーン・ヴィクトル首相だ。オルバーン首相は、2022年のロシアのウクライナ侵攻でロシア政府がEU向けのガス供給を減らす戦略を打ち出したときに、天然ガス消費量を削減しようというEUの政策に堂々と反対したことでも知られる。 オルバーン首相は、2022年8月にアメリカのテキサス州で開催された共和党系イベント「保守政治行動会議(CPAC)」にも出席した。そしてそこで、EUと民主党バイデン政権を名指しで非難し「グローバリストは地獄へ落ちろ」と声を荒らげた。このことは全米のメディアでも大きく取り上げられた』、「反グローバリスト運動は普遍的な価値観というようなものを嫌悪し、地元を守るために「世界全体思考」の人を攻撃する。当然、プラネタリー・バウンダリーの観点から世界全体で協力して社会・経済を大きく転換させようとする環境NGOは「グローバリスト」側にいるととらえられ、反グローバリスト運動の非難の対象となる」、「環境問題の利害対立が一変」、「複雑化した」実態が理解できた。 
タグ:環境問題 (その13)(もう怒った…環境問題の研究者が小池都知事に「太陽光パネル義務化反対」請願を提出した理由、ゴッホの「ひまわり」にトマトスープかけたお粗末な犯人の言い分 過激化する「エコテロリスト」たちの「心の貧困」、環境問題の利害対立が一変 オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由、陰謀論者の増加と「リベラル政党離れ」が世界中でつながる根深い事情) 現代ビジネス 杉山 大志氏による「もう怒った…環境問題の研究者が小池都知事に「太陽光パネル義務化反対」請願を提出した理由」 「太陽光発電の新築住宅への義務付け」は私のつたない記憶では、知事選時の公約ではなく、急に出てきた話のようだ。 「世界の太陽光パネルの8割は中国製、半分は新疆ウイグル製」、「米国では、ジェノサイドを問題視し、新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む製品は何であれ輸入を禁止するウイグル強制労働防止法を6月21日に施行」、これでは「東京都が太陽光パネルを都民に義務付けるならば、それは事実上、ジェノサイドへの加担を義務づけることになります」、確かに大いに問題だ。 「東京都は、太陽光パネルについて、その設置を義務付けるよりも、むしろ、米国と同様に、「新疆ウイグル自治区で製造された部品を含む太陽光パネルの利用禁止」を公共調達や事業者において義務付けるべきです」、その通りだ。 JBPRESS 伊東 乾氏による「ゴッホの「ひまわり」にトマトスープかけたお粗末な犯人の言い分 過激化する「エコテロリスト」たちの「心の貧困」」 「エコテロリズム」とは興味深そうだ。 「防備の薄い、知名度の高い絵画をスキャンして、あらかじめカメラその他も手配したうえで、その手のアピールをして見せる。 というのが彼ら彼女らの手法で、言って見れば「炎上型ユーチューバー商法」の一種と呼べそうです」、「「炎上型ユーチューバー商法」の一種」とは言い得て妙だ。 「「名画イジメ」を通じて自己アピールしたいという、お粗末な犯行」、「「エコテロリスト」も登場しており、ガードとのいたちごっこがしばらくは続く可能性があるでしょう」、困ったことだ。 「「そんな能書きどうでもいい、儲かりゃいいんだから」といったモノカルチャーと「絵画の価値なんかどうでもいい、環境問題を標榜して目立ちゃいいいんだから」という似非エコテロリストの背景土壌はほとんど同じもの。 これを放置したままでは、累犯を防ぐことはできないでしょう」、同感である。 ダイヤモンド・オンライン 夫馬賢治氏による「環境問題の利害対立が一変、オランダで大気汚染対策に畜産農家が激昂した理由」 「環境問題への経済認識に関して」「対立構造は複雑化」、とは興味深そうだ。 「経済認識に関する4分類モデル」は議論の整理には有益そうだ。 「最近、経済認識の対立構造は複雑化」、どういうことだろう。 「今度はEU全体で大気汚染を大幅に削減することが決まり、オランダ政府は2030都市までに窒素化合物排出とアンモニア汚染を50%削減する政策を提案。そして政府は、オランダの畜産農場の30%が閉鎖される必要があるという試算を伝えた。 畜産農家はまたしてもこれに大きく反発。今回の抗議活動は長期化」、「事態は収束していない」、これは大変だ。 「かつて畜産農家と環境NGOは、一緒にグローバル企業と対峙する存在で、仲間同士だった。しかし、今では畜産農家が環境規制の強化に反発し、環境NGOと対立するまでになった。 他の国でも同様の事象が起きている」、「例えば2016年のアメリカ大統領選挙では、炭鉱労働者と環境NGOが反目し合った。当時の民主党バラク・オバマ政権では、気候変動や大気汚染への対策として、石炭火力発電を減少させる政策が打ち出されていた。 それに怒ったのが、ウエストバージニア州やペンシルベニア州の炭鉱労働者たちだった。オランダの畜産農家と同様に、なぜ自分たちが悪者扱いされなければいけないのかと環境政策を敵視した。そしてこの大統領選挙では、最終的に彼らからの支持を獲得した共和党ドナルド・トランプ候補が勝利を収めた」、「2020年のアメリカ大統領選挙でも、労働組合側はなかなか一枚岩になれなかった。公務員労組の多くは、民主党ジョー・バイデン候補が掲げたグリーン・ニューディール政策を支持したが、すぐには賛成に回れない労働組合も少なくなかった」、確か に「労働組合側」にとっては、事態は複雑になったようだ。 夫馬賢治氏による「陰謀論者の増加と「リベラル政党離れ」が世界中でつながる根深い事情」 「リベラル政党離れ」とは興味深そうだ。 「環境問題は社会的弱者が被害を受けることが多く、リベラル政党の重要な政策テーマだった。公害問題はその典型例だ。そして、環境規制を強化するためにグローバル企業と闘おうとする姿勢が、リベラル政党支持層からの共感を呼んでいた」、その通りだ。 「日本でも陰謀論が醸成されやすい風土がある。例えば、20カ国で世論調査70を実施したところ、環境科学への信頼に関する設問で、「とても信頼する」と回答した人は、日本はロシアに次いで下から2番目と非常に少なく、25%しかいなかった。アメリカの45%をも下回っていた」、「日本でも陰謀論が醸成されやすい風土がある」とは意外だが、気を付ける必要がありそうだ。 「反グローバリスト運動は普遍的な価値観というようなものを嫌悪し、地元を守るために「世界全体思考」の人を攻撃する。当然、プラネタリー・バウンダリーの観点から世界全体で協力して社会・経済を大きく転換させようとする環境NGOは「グローバリスト」側にいるととらえられ、反グローバリスト運動の非難の対象となる」、「環境問題の利害対立が一変」、「複雑化した」実態が理解できた。
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